勇者「魔物チンポしゅごいのおおおお!」 (67)

僧侶「ふぅふぅ。大分歩きましたね……」

戦士「だな。しかししこの森の深いこと深いこと……」

魔法「だー! もう駄目だぁ!」バタンッ

僧侶「ど、どうしました?」

魔法「疲れた。僕はもう歩きたくない」

戦士「おいおい……俺だって疲れてるぜ。んな事言ったってどうにもならねえだろ」

魔法「喉も渇いたしおなかも減った。ここらで一休みして……あ、勇者」

勇者「歩け」

魔法「だって……」

勇者「……」

魔法「す、少し位休憩してもっ」

勇者「……」

魔法「えっと……あ、その……」

勇者「歩け」

魔法「……はい……」

戦士「おーこわ」ヒソヒソ

僧侶「勇者さんは相変わらず威厳がありますね」ヒソヒソ

戦士「とても16のガキには見えねえよな……それにビビっちまうのも情けないけど」チラチラ

魔法「っ……」ギロッ

僧侶「ぷっ……駄目ですよ戦士さん」

戦士「ククク、悪い悪い……おっ! あれは街じゃないか!?」

僧侶「うーん。街というよりは村ですね」

戦士「なんだって良いじゃねえか! 勇者、あそこで一休みしようぜ!」

勇者「……」

戦士「な? 頼むぜ~」スリスリモミモミ

勇者「……」

僧侶「勇者さん、武器の手入れもありますし……私たちの食糧も補給しないといけません。それに薬草の数も少なくなっています」

勇者「……」

僧侶「ここは一度あの村に立ち寄って態勢を整えても良いのでは? 急がば回れですよ」

勇者「許可する」

戦士「よっしゃー! 急げ急げ! 暖かい風呂と飯は目の前だぞー!」

僧侶「それとふかふかのベットです!」

戦士「お前もあとちょっとなんだから頑張れよ!」

魔法「言われなくてもするさ」

僧侶「さぁ皆さん! もう少しです、頑張りましょう!」

「おー!」

勇者「……」ザッザッ

戦士「あーついたついた」

魔法「はぁはぁ。つ、疲れた……」

僧侶「大丈夫ですか?」

戦士「とりあえず宿取ろうぜ」

魔法「さんせーい。僕はもうクタクタだ」

勇者「……」

僧侶「長旅でしたから。一日くらいは旅の疲れと垢を落としてましょうよ」

勇者「わかった」

主人「いらっしゃいませ。お泊りですか?」

勇者「二部屋」チャリンッ

主人「はい確かに。どうぞ部屋の鍵です」

勇者「……」スタスタ バタンッ 

戦士「んじゃ俺たちも部屋に入ろうぜ」

戦士「うわー疲れた疲れた」ドサッ

僧侶「しかしいつも勇者さんは一人部屋ですね……私たちと一緒の部屋は嫌なんでしょうか」

戦士「全くよ。あっちは一人で気楽だろうけど、3人も一つの部屋に押し込められるこっちの身にもなって欲しいぜ」

僧侶「まぁまぁ……戦士どこに行くんですか?」

戦士「こっからは自由行動だろ。飯食ってくるよ」

魔法「僕は部屋で一眠りするよ」

僧侶「そうですか。じゃあ私はお風呂にでも入ろうかな」

僧侶「ふぅ。良いお湯だった……温泉なんて久しぶりに……」ホカホカ

僧侶「ん? 何か音が……なんでしょう?」グチッ

僧侶「こっちの方かな」グチュッグチュッ

僧侶「あ、勇者さんの部屋からですか」グチュグチュグチュ

戦士「どうした僧侶」

僧侶「ああ、戦士さん。この勇者さんの部屋から」 グチュグチュ

戦士「あー。いつもの事じゃねえか。気にすんなよ」

僧侶「でもいつも何の音なんでしょう? 宿に泊まるといつもですよね」

戦士「しらねーよ。なんかやってんだろ」

僧侶「そりゃそうでしょうけど……気になりません?」

戦士「まぁ、そりゃ」

僧侶「……覗いて見ませんか?」

戦士「えー。それヤバくない?」

僧侶「平気ですよ! ちょっと隙間作るだけです」

戦士「んじゃ、やってみるか」ソーッ ガチャッ

僧侶「んひぃっ!?」ビクッ!

魔法「二人ともなにしてんの?」

戦士「驚かすなよ!」

魔法「ハァ?」

僧侶「魔法さんもこの音気になりませんか?」グチュグチュ

魔法「別に」

戦士「つまんねー奴だな。覗いて見ようって思わないのかよ」

魔法「覗くも何も、鍵かかってるでしょ……ほら」ガチャガチャガチャ

戦士「ちょっ!」グチュグチュッ....

僧侶「お、音が止まりましたよ」

勇者「何」ギィッ

魔法「いや、別にこの二人が―――むぐっ!」

戦士「あはは、何でもねえって!」

僧侶「あ、明日の予定は何かなぁーって……あ、あははは」

魔法「んーんー! ふがふが!」

勇者「……」バタンッ

戦士「ふぅ」ホッ

僧侶「汗だくでしたね」

戦士「なんか修行でもしてたんじゃねえか?」

魔法「もがもが」

僧侶「でもあんな音する修行聞いた事ありませんよ」

戦士「確かになぁ……勇者一家に伝わるとかそういうのじゃねーの?」

魔法「むごごご」

僧侶「そんなものあるんですかね」

戦士「さぁな。あ、悪い悪い」パッ

魔法「ぷはっ……馬鹿! 窒息死するだろ! この脳筋!」ポカポカ

僧侶「まぁ今日はもう寝ましょう」

戦士「そうだな」

魔法「このこのこの」ポカポカポカ

戦士「んじゃ解散な」ペシッ

魔法「いったぁ!」ドテチッ

僧侶「はい、おやすみなさい」グチュクヂュ

僧侶「……また音が……今日はもう寝ましょう……」バタンッ

僧侶「おはようございます!」

戦士「おーっす」

魔法「遅いぞ」

戦士「うるせーな。ちょっと寝坊しただけじゃねえか。な、いいよな勇者」

勇者「出発」

戦士「はいよ。あーあまた固い土のベッドか……」

僧侶「仕方ないですよ。私たちは魔王討伐の為に戦ってるのですから」

主人「魔王……? てえことはあんたたち、勇者様かい!?」

僧侶「え? ええ……」

主人「ち、ちょっと待ってくれ! 村長~!」ダダダダ

僧侶「どうしたんでしょうか?」

戦士「さぁ……ファンなんじゃねえの?」

魔法「んな訳ないだろ。どうせ魔物退治の依頼ってところだろうさ」

戦士「はぁ? なんで分かるんだよ」

魔法「お前みたいな脳筋とは違うんだよ。それでどうする? 待つのか?」

勇者「……」コクッ

戦士「ほんっと勇者もお人好しだよな。まぁ良いけど」

村長「ほがほが……勇者様でしょうか……」

勇者「如何にも」

戦士「タコにも」

村長「実はお頼みしたいことがありまして……」

戦士「スルーかよ」

僧侶「当たり前でしょう」

村長「どうか、この村をお救いくだされ! 魔物の巣を退治して欲しいのですじゃ!」

主人「もちろん謝礼も支払う! 頼みます勇者様!」

戦士「どうする? 無駄な労力だぜ?」

僧侶「かと言って見捨てる訳には行きません」

魔法「そうそう。見捨てたなんて噂が広まったら大変だぞ?」

戦士「つっても勇者なら」

村長「お願いします! どうか、どうかこの通りですじゃ!」

勇者「引き受けよう」

村長「本当ですか! ありがとうございます! ありがとうございます!」

戦士「こうなるか。仕方ねーな」

戦士「んでこの洞窟が」

僧侶「魔物の巣……ですね」

勇者「……」ザッザッ

戦士「お、おい待てよ! あーたくっ!」タタッ

魔法「村の情報だとリザードマンの巣らしいね」

僧侶「かなりレベルの高いモンスターだと聞いていますが……」

魔法「レベルだけじゃなくて知能も高いよ」

僧侶「知能もですか。確かに武器防具を使用するならそうですね……」

魔法「それだけじゃない。連中は罠も仕掛けられるし、他の魔物を使役する事だってある」

僧侶「そ、そこまでですか!?」

魔法「うん。群れのリーダーを中心に統率されているし……不安だなぁ」

僧侶「そんな強い魔物がどうしてこんなところに?」

魔法「縄張り争いに敗れて追い出されたのかもね」

戦士「おーい!お前ら早くこい!」

戦士「しっかし、暗いな……」カチッ

勇者「……」ドンッ

戦士「うわっ! 勇者……」ヒュンッ!

僧侶「……毒矢ですね」

戦士「……た、助かったぜ」

勇者「進むぞ」

魔法「……用心していこう」

魔物犬「バウバウバウ!」

戦士「モンスターだ! 殲滅するぞ!」ジャキッ

勇者「……」ヒュンヒン 

魔物犬「ギャウギャバブウウ」ザシュッ ビクビク

戦士「相変わらず強いな……」

魔法「戦士、前!」ボンッ

魔物犬「ギギギギ」ビクビク プスプス

戦士「助かったぜ! 俺もやってやらああ!」ドシュッ ブシュッ

戦士「ふうふう。何とか倒したな」

勇者「……」チンッ

僧侶「汗一つかいてないですね。流石です」

魔法「うーん。こいつら番犬かな。こっから先が本番ってことだろう」

戦士「チッ! その方がやりがいがあるってもんよ!」

僧侶「はいはい。回復するから動かないでくださいね」

戦士「うおおおお!」ガキィッン

リザードマン「グルルルル」ギギギ

勇者「……」ブンッ! 

リザードマン「グオアアア」

戦士「もう一匹ぃ!」ザンッ!

魔法「一気に相当する! 離れて!」ボボボボ ドガーン

戦士「ふぃー。あぶねえ」パラパラ

魔法「まだ生き残ってるのも居るから油断するなよ」

勇者「……」タッ ヒュンヒュン

僧侶「勇者さんは強いですね……サポートは任せてください!」

戦士「片付いたな」フゥフゥ

僧侶「ええ……手強かったです」

魔法「この先に群れのリーダーが居るんだね」

戦士「門つけたり装飾したり、トカゲ野郎が調子乗りやがって」

僧侶「それだけ知性があるということでしょうね」

魔法「さぁ、もう一息だ!」

勇者「……」グッ ギィイイイ

リーダー「グルル人間ごときがここまで来るとはな……」

勇者「!」ビクッ

戦士「お、おい喋ってんぞ!」

魔法「あいつがリーダーだよ。しかし人語を喋るなんて……」

僧侶「でもあいつを倒せば私たちの勝利ですよ!」

リーダー「グハハハ!」ゲラゲラゲラ

戦士「ああ!? 何がおかしい!」

リーダー「お前ら本当に俺様に勝てると思ってるのか」

戦士「たりめえだろ!」

リーダー「ソイツはそうは思ってないようだぞ」

戦士「えっ?」

勇者「はぁっ……はぁっ」ガクガクガク

戦士「ど、どうしたんだよ! いつものクールなお前が!」

僧侶「ゆ、勇者さん……?」

リーダー「グフフフ」ドスッドスッ

勇者「ひっ! ああっあああああああっ!」ヘナヘナ ズリズリ

魔法「ゆ、勇者……」

リーダー「ガハハハハ! 少し近づいただけでこの有様か!」

戦士「くっ……このおおおお!」ダダダ

リーダー「ふん」ペシッ

戦士「がはぁっ!」ドガッン

リーダー「雑魚め……もう終わりか?」

戦士「く、畜生……」

リーダー「お前はどう料理してくれようか!」バキィッ!

勇者「ひぎぃっ!ああ、あああああ」ジョボジョボ

リーダー「コイツ、恐怖のあまり失禁しておるわ!」

リーダー「ふんっ」グリッ

勇者「がひゅっ……ぎああ」グリグリ

リーダー「ん? お前、なんだか喜んでないか?}

僧侶「え?」

リーダー「どういうことだ? 説明して見ろ!」グググ

勇者「あぐっ、喉絞まるぅ……」トローン

リーダー「言わなければこのまま首を折るぞ」

勇者「あ、はぁ……い、今まで誰もこんな事……してっくれなかったからぁっ……」チョロチョロ

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