P「お疲れさま、伊織」伊織「うるさいわよ、バカ!」 (12)


P「……」カタカタ

P「……」…タン

伊織「……」ガチャッ

P「……」カタカタ

伊織「ただいま」

P「あ、おかえり。伊織だけか?」

伊織「ええ」

P「そっか」

伊織「……」

P「……どうした、入り口のところは寒いだろ。奥の方が暖かいぞ」

伊織「そうね」

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伊織「アンタだけ?」

P「あー……そうだな、そういえばみんな出てるな」

伊織「小鳥も?」

P「いない」

伊織「ふうん。ところで、プロデューサー」

P「何でしょう」

伊織「オレンジジュースあるかしら?」

P「パックのやつなら今朝買ってきた。給湯室の冷蔵庫ん中に入ってるぞ」

伊織「そう、ありがと」

P「取ってこようか?」

伊織「自分でやるからいいわ」


P「……」カタカタ

伊織「……」チュー

P「……」カタカタ

伊織「ねえ」

P「ん?」

伊織「いま忙しい?」

P「それなりに」

伊織「私、退屈なの」

P「これが一区切りついたら構ってやるから、ちょっと待ってろ」

伊織「別に構ってほしいわけじゃないけどね」

P「なんだそりゃ」


P「……」カタカタ

伊織「……」チュー…

P「……」カタカタ

伊織「……」…トン

伊織「……っと」

P「……」カタカタ

伊織「……」スタスタ

P「……そういえば伊織、暇ならレッスンルームが」

伊織「……」ペト

P「……ん?」


伊織「何してるの?」ヒョコ

P「……それはこっちの台詞だ。何してるの?」

伊織「何もしてないわよ」

P「誰かに後ろからくっつかれてる感じがする」

伊織「へえ」

P「あと、顔の横に誰かの顔がある気がする」

伊織「気のせいじゃない?」

P「気のせいじゃない」

伊織「気のせいじゃなくない」


伊織「で、何してるの?」

P「仕事」

伊織「それは見たら分かるわよ」

P「分かるなら、俺から離れなさい」

伊織「……」

P「やっぱり構ってほしいのか?」

伊織「別に……」

P「肩にあご乗せるな。離れろったら」

伊織「……」


P「……」…カタカタ

伊織「……」

P「伊織、今日はずいぶん元気ないな。何かあった?」

伊織「……何もないわ。いつもどおり」

P「いつもなら、こんな風にくっついてきたりは絶対しないよな」

伊織「そうね。絶対に美希が怒るし」

P「してほしいことでもあるのか?」

伊織「なんでアンタにまで媚を売らなくちゃならないのよ」

P「ふうん」カタカタ

伊織「……」


P「……」カタカタ

伊織「……」

P「……ちょっと疲れたのか」

伊織「……」

P「ちょっとどころじゃないか」

伊織「……うん」

P「竜宮は絶賛大ブレイク中だからなあ」

伊織「まあね」

P「少しは謙遜しようぜ」

伊織「事実でしょ?」


P「……疲れそうな性格してるものな、伊織」

伊織「……そうかしら」

P「お前、律子にもあずさにも亜美にも、疲れたなんて言わないだろ」

伊織「……」

P「そういうとこ律子は心配してたぞ。頼れよ。自分のプロデューサーを」

伊織「……アンタも」

P「ん?」

伊織「アンタもプロデューサーでしょ」

P「担当違いのな」


伊織「……言いづらいの。律子……っていうか、竜宮のみんなには」

P「まあ、気持ちは分かるよ。伊織だし」

伊織「どういう意味?」

P「言わずもがな」

伊織「そう」

P「その点俺には甘えてくるってのは、何だ? 俺が頼れるいい男だから、か?」

伊織「……」ゴッ

P「いってっ! 冗談に頭突きってお前……」

伊織「……バカ」

P「デコ」

伊織「何ですって!?」

P「今のでデコが傷ついたんじゃないか」

伊織「傷つかないわよ!」


伊織「アンタその減らず口、本当に何とかしなさいよね」

P「まさか伊織に言われる日が来るとはなー」

伊織「何?」

P「何でも。……何だよ、元気じゃないか」

伊織「ふん、だ」

P「回復してきたみたいだな」

伊織「別に」

P「俺のおかげだな」

伊織「そんなわけないじゃない」

P「あら」

伊織「アンタなんか、こうやって、……こうやってされてる役目がせいぜいよ」

P「そうですか」

いおりんは可愛いなあ!

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