ミサキ「アイチの背中に抱き着いてるんだよ」
アイチ「それは分かるんですけど、何でいきなり?」
ミサキ「今日は冷えるからね。後アイチ分の補給」
アイチ「アイチ分って何ですか? 後ここ一応学校の部室なんですけど?」
ミサキ「別に付き合ってるんだから良いでしょ? 何処でイチャイチャしようとさ」
アイチ「確かに僕達は付き合ってますけど、多少の慎みは持っておくべきです」
ミサキ「慎み? 何それ美味しいの?」
アイチ「ミサキさんは何時から食いしん坊キャラになったんですか? いいからそろそろ離れて下さいよ」
ミサキ「何で? 顔赤いけどもしかして恥ずかしい訳?」
アイチ「分かってるなら早く離れて下さい。背中にも思いっきり当たってますから」
ミサキ「当ててるのよ」
アイチ「そんな待ってましたと言わんばかりにテンプレな台詞をドヤ顔で言わないで下さいよ、もう」
ミサキ「アイチ分の補給はまだ終わってないの。当分は離れられないね」
アイチ「じゃあせめてもう少し力を抜いてくれませんか? 正直少し胸の辺りが苦しいんですよ」
ミサキ「それは恋だよ、アイチ。アイチは付き合ってる相手にもう一度恋をしたんだ。素敵だね」
アイチ「いや、明らかに物理的な事が原因ですから。それと体重掛けてるせいか少し重いです」
ミサキ「…………」
アイチ「ミサキさん? あの、急に黙ると凄く不安になるんですけど?」
ミサキ「RIDE!」
アイチ「えっ?」
ミサキ「RIDE!!」
アイチ「ちょ、ミサキさん? いきなり声張り上げながら全体重掛けて押さないで下さいよ!?」
ミサキ「RIDE!!!」
アイチ「机とミサキさんの間にに挟まれますって! あ、もしかしてさっき重いって言ったの怒ってるんですか?」
ミサキ「Lucky Star!!!!」
アイチ「ごめんなさい失言でした許して、ぷぎゅ~」
ミサキ「この世には例え彼氏でも絶対に言ってはいけない言葉ってもんがあるんだよ。分かった?」
アイチ「はい、以後気をつけます。気をつけますからそろそろ僕を解放してくれませんか?」
ミサキ「無理だね。例えアイチが解放者使いでもこのミサキ呪縛はそう簡単に解呪出来ないよ」
アイチ「ミサキ呪縛が何なのか分かりませんけど、多分Ω呪縛より強力なんでしょうね」
ミサキ「当たり前だよ。対象はアイチ限定だから汎用性は高くないけど私にはそれで十分だし」
アイチ「でもさすがにそろそろ離れた方が良いと思います」
ミサキ「何で?」
アイチ「今は二人きりだから良いですけど、もう少ししたらナオキ君やシンゴ君が着ますよ?」
ミサキ「あいつらは私達の関係をもう知ってるんだし、問題ないでしょ? 見せ付ければ良いだけの話じゃない」
アイチ「生徒会が視察に来るかもしれません。ウチの学校、基本的に不純異性交遊禁止ですからこれを見られると色々と大変です」
ミサキ「私とアイチの関係は不純じゃないからそれも問題なし」
アイチ「まあそうですけど、向こうはそうは思ってくれないと思いますよ?」
ミサキ「アイチは私とイチャイチャするのが嫌なの?」
アイチ「そんな事言ってないじゃないですか」
ミサキ「でもさっきから文句ばっかりじゃない」
アイチ「別にそんなつもりはないですよ。まあこういう事をするなら場所を考えて欲しいとは思いますけど」
ミサキ「場所なんて関係ないだろ。別に私達は間違った事なんてしてないんだから」
アイチ「ミサキさん?」
ミサキ「アイチが恥ずかしがる気持ちも分かるけど……私はもっと堂々とアイチとイチャイチャしたい」
アイチ「…………」
ミサキ「…………」
アイチ「ミサキさんって可愛いですよね」
ミサキ「いきなり何?」
アイチ「最初会った時はクールでカッコイイってイメージだったんですけど、今は断絶可愛いってイメージが強いです」
ミサキ「……そんな言葉で機嫌なんか治らないからね」
アイチ「後自惚れている訳じゃないんですが、僕と仲良くしてる時のミサキさんって特に可愛いんですよね」
ミサキ「…………」
アイチ「彼氏としては正直そんな可愛いミサキさんを他の誰かにはあまり見せたくないんです。僕だけが知ってる、僕だけの可愛いミサキさんにしたいんです。まあ僕の我が儘なんですけど」
ミサキ「…………」
アイチ「場所や周りの目を気にせずに仲良くするのも良いですけど、やっぱり仲良くするなら落ち着いた場所で二人きりの時の方が僕は良いですね」
ミサキ「それイチャイチャするのが恥ずかしいから適当な事言ってる訳じゃないよね?」
アイチ「まあ恥ずかしいのもありますが、言葉そのものは本心です」
ミサキ「……今日の帰り、ウチ来る?」
アイチ「大丈夫ですよ。そこで存分に仲良くしましょう」
ミサキ「仕方ないね。一先ずミサキ呪縛は終わりにしようか」
アイチ「はい」
ミサキ「じゃあ解呪して」
アイチ「え?」
ミサキ「ミサキ呪縛を解呪して。方法はアイチにしか出来ない事って言えば分かるよね?」
アイチ「……はい」
ちゅ……
おわり
短いけど終わりです。自分でもこれはアイチきゅんとミサキさんの皮を被った別人な気がしますがあんまり気にしないでくれると幸いです。
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