ユニコーン(以下ユニ子)「……言うれすね、黒い"ユニコーン"。完成型とか、言われてても……結局、大本のLa+(ラプラス)プログラム、不搭載な癖に」
バンシィ(以下バン子)「ふん、あたしのは完全型って言うんだ。大体、白いのこそLa+(ラプラス)がランダムに出る不良品の癖に。とあるゲームじゃ、お前は"白いバンシィ"とか言われてたんだぞ」
――バチバチバチィ
ユニ子「ますたーは、わたしを……最初に選び、購入しれくれたのです。横に並んれいた、貴方を無視して」
バン子「そりゃマスターは計画的だからな。手始めに練習用で白いのを買って、一番作りたい物をあたしを後で綺麗に完成させたんだ。
勘違いも甚だしいぞ、通常時なんてビームマグナム無しじゃ何も出来ないくせに!」
ユニ子「……がとりんぐも、ばずーかも使ってる。それに大体、アニメれも……ヒロインはわたし。一撃必殺、掠っても大怪我。
そんな……男性のろまんを、一挙に託されたのも、わたし。貴方は……あの無駄に大きな爪を、無駄に磨いていれば良い」
――バンバンババンッ
バン子「なんでやアームド・アーマー格好良いやろ!それにユニ子だって、最終決戦仕様とかいってゴテゴテ付けてただろ!」
ユニ子「あれは、ふるあーまーっていう……ろまん。主役がんだむは大抵……最後は、ふるあーまーになるもの。
そして……何よりわたしには、La+の個人認証が、ある。貴方は何度も何度も乗り手を変えられる仕様で……いんらn――」
バン子「言ったな!? お前言ってはならない事をさらっと言ったな!? 上等だ表に出ろ!」
男(――……俺はプラモデルを作っただけだよな。どうしてこうなった)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1392146006
以前立てて落としてしまったスレですが、時間が取れて再開できる目処が付いたので、誰得でしょうがもう一度スレを立てさせて頂きました。
ユニコーンとバンシィの事から察する事の出来る方も多いと思いますが、ガンダムUC及び外伝モビルスーツの擬人化物です。
>>1の知識が足らず、読者様を不快にさせてしまう事もあるかも知れませんが、宜しくお願いします。
途中までは前回同様の進行シナリオで、少し編集を加えつつ投下していきたいと思います。
と言いますかEXVSFBでのスペリオル参戦やUCの最終巻発売日の決定、他にもサンダーボルト等を見て再びガンダム熱が再発してしまいました。
一度落とした身でもう一度スレを立てた手前、信用が無いでしょうが、拙い文章&スローペースでも投下していきたいので宜しくお願いします。
外見は同人作家、ポコさんの「unicorn GIRLS」を参考にしています。
【一週間前】
――パチンッ
男「ふぅ……漸く完成したぞ。MGのユニコーン二号機……バンシィ!」
男(近くのプラモ屋でビビッときて、先ずユニコーンを衝動買い。金が足りなくてバンシィだけは手が届かなかったが。 今月のバイト料で漸く買えて……。
いやはや、子供の頃はプラモ一個に5千円以上って考えられなかったなぁ。というか チタニウムフィニッシュVerってやつ高過ぎだろ。一万以上したぞ)
男「こうして並べてみると、やっぱり良いよなぁ。一号機と二号機は揃えたくなるのが男ってもんだ、うんうん。そういや近々三号機のMGも発売されるんだっけか。
あれも通販で見たら一万円以上してたんだよなぁ……――ってシミジミしてる場合じゃない!もうこんな時間か!早く行かないとバイト遅刻しちまう!」
――ドタバタッ
男「バイトの制服は持ったし、今日は三時間で上がれるんだったな。よしっ、それじゃ行って来るか」
男(しかし久々に作ってみたが、プラモは良いな。パズルと違って、組み立てた後にポージングも考えられるし。また新しい物買ってみるか。
デンドロとか良いかな……でも高かったんだよなぁ。むしろユニコーン繋がりでクシャかシナンジュでも……)
――バタンッ
――――ガタガタッ ゴトンッ ノソリ
??「あぅ……流石に、頭からは……痛い……れす」
【三時間後】
男「ふぃ~……今日も疲れたぁ。夕飯は簡単な惣菜で済まして……久々にプラモ塗装でもやってみるかな。
ユニコーンもバンシィも、素組みしただけだし。確か子供の頃に使ってたブラシとか、引越しで持ってきてた気がするけど」
男(もし無かったら、またプラモ屋に行ってみるか。ついでにデルタプラスでも――)
――ガチャリッ
??「お帰りらさいませ、れす……まい、ますたー」ペコリ
――バタンッ
男「しまったな。もうここに越して来て四ヶ月だっていうのに、部屋を間違えたか」
男(しかも三つ指で旦那を御迎えする程熱々な新婚さん家と。何か有り得ない白髪の子だったけど……可愛いかったな。
なんか惨め過ぎて涙出そうだ。俺が塗装してる時のシンナー臭がダイレクトにこの部屋へ行けば良いのに)
男「だけどあんな可愛い子、こんな安物件にいたっけか――なっ!?」
男(表札には間違いなく俺の名前が書いてある。しかも部屋専用の鍵は、鍵穴でしっかりと回っていて……確実に俺の部屋である。
まさかシンナー使う事を想像して中毒でも起こしたか。確かに過去に部屋の換気忘れて気絶した事はあるけども)
――ガチャッ
??「まい、ますたー……ろうか、したのれすか?」
男「――えっとぉ……君は、誰?」
??「……?? まいますたー、何時も、わたしの事を見て……あ、そういれば……この姿れ、会うのは……初めて、れしたね」
男(何時も見てた?今流行っている電波っ子という奴だろうか。家宅侵入してるし、それで済む話ではないのだが。
こういう時ってあれかな。先ず警察に電話入れた方が良いのかな。でも何か事情があるのかも――)
??「わたし……ゆりこーん……えほん、ゆにこーん、れすよ。まいますたー」
男(しかし舌足らずで大分電波混じってるけど、間違いなく可愛いよな。絶世とは良く言ったものだ。
頭に付いてる白い一角が良く似合っていて、この空間が別世界のようにすら感じる。
そう付いているのだ、角が。手足に付けられた純白の物々しいアーマーも、とても目を引く)
男「……コスプレ?」
ゆにこーん(?)「……あぁ、これれすか。さきほろから、天井にあらっれ……邪魔れした」
――カポッ
男(取れるんだ、それ。というか取っちゃうんだ。大事な部分だと思うんだけれども)
男「ってそれよりも、ここって俺の家なんだけど……どうやって君、ここに入ったの?」
ゆにこーん(?)「ん?まいますたーが……お仕事しに行く前から、ずっろ、留守番しれました」
男「そ、そっか……留守番してくれてありがとう……?」
男(いや、そうじゃないだろ。なんかこの子とのんびり話してると俺が間違ってるような気がしてきた)
男(でも雰囲気的にも性格的にも、こんな子が空き巣なんてしそうにないし……もしや電波な上に迷子か。
待てよ……それでも部屋へ入る手段は無かった筈。どうやって部屋に不法侵入したんだ)
??「まいますたー……れて行く時、ガス、らしっ放しらった。てれびの、コンセントも……挿しっ放し。
といれの電気も……付きっぱらし。一応……れんぶ、消したり、しておいた……れす」
男(光熱費とかガス代とかで助かってるのは間違いないのだが、何となく感謝し辛いのは何故だろう)
男「と、取り合えず部屋に入れてくれるかな?塞がれてると、入り辛くて」
??「あ……ごめん、らさい……」
男(普通不法侵入者が家の主人と一緒に堂々と正面玄関から入る訳ないし……まさか俺の生き別れの妹か。そして合鍵持ちか。
更に生き別れた妹はモビルスーツのコスプレした美少女か。嬉しいやら悲しいやら)
男「ん?なんだろう、この匂い」
??「……御飯、軽く、らけろ……作っておいた……れす。冷蔵庫の、物……使っちゃったけろ……」
男(炒飯に、ピーマンの肉詰め、か。面倒臭がってスーパーの惣菜とかカップメンに頼ってばかりの俺には御馳走に見える。
しかしこれも正直に喜んで良いのか、とても微妙だ。何せ手掛けたのは正体不明の少女だし)
??「――……迷惑、れした……?」
男「いや、物凄く嬉しいけども。なんかこう、素直に喜び辛いと言いますか」
男「はむ……ん。ご馳走様でした。いや、何というか……美味かったよ」
男(怪しみながらも、腹減ってて完食してしまった。美味そうだったし……いや、実際美味かったけど。
でもこうして誰かと一緒に夕飯を食うって、何だか懐かしいな。見られながら食事するってのは、気不味いけど)
??「お粗末、さま……れした。お口にあったようれ……なにより、れす」
男「いや、本当に御世辞抜きで美味しかったよ。えっと、ところで……君の名前は、ユニコーン……で良いの?」
ユニコーン「ガンダムタイプ、型番RX-0、正式名称『UNICORN』……れす。よく、ゆにこーんがんらむと……いわれてる。
あ、まいますたー……お茶の、御代わり……いかがれす?」(以下ユニ子)
男「これは御丁寧にどうも……って違うだろ!何ナチュラルに飯食って和んでんだ俺!聞きたい事いっぱいあるんだよ!
えっと、ユニコーンさん……もう面倒だからユニ子で良い!君、前から俺の部屋にいた、みたいな事言ってたよね!?
あれはどういう意味だ!? もしかして隠しカメラとかがあったり――」
ユニ子「……あれ」
男「……?あれ?」
男(指差した先には棚がある訳だが、そこにあるのは昼頃に完成させ、デストロイモードになり、VNをこちらに開いたバンシィが立っている。
確かその隣にはビームマグナムを構えた姿で飾っておいたユニコーンガンダムがあった筈なんだが)
ユニ子「わたし……あそこに、いた」
男「確かにあそこにはプラモを飾っておいたけど……でもそれがどうか――」
ユニ子「……証拠、見せた方が……早い、れすね」
――スタッ カポリ
何所にしまっていたのか縦の額当てのような角を再度背後から取り出すと、彼女は頭へ装着する。小さく「でゅわ」と掛け声まで掛けて。
そこから予想外に切れの良い動きで、不必要であろうポーズを決める。半目で意気込んでる姿は、とてもシュール。
というか妙にポージングに見覚えがあると思いきや、最近俺がDVD借りて来て見てた仮面ライ○ーBLACKの変身ポーズじゃないか。
ユニ子「えと……えぬ、てぃーでぃー……発動」
白髪碧眼の少女が、気の抜ける声で『NT-D発動』と唱えると、彼女を中心にして温かい風が吹き抜ける。
すると温かい風に浮かばされるように、少女の体が宙へ浮遊。俺の目も驚きのあまりアメコミ風に飛び出しそうになった。
この光景を写真に撮ってヌーとかに持ち込めば、さぞ高値で買い取って頂けるのでは無かろうか。
男「……う、浮いてる!?」
驚くべき点はそこだけではない。タネも仕掛けも無く、額で固定された一角が真ん中から縦に割れ、現れる黄金の二股角。
腕や脚に装着されていた装甲は間接部が開き、そこから露出した部分が、小さな粒子を漂わせながら赤く輝いている。
何よりも驚く点は――徐々に変色しているのだ。腰まで伸びた長い髪が、綺麗な純白から、燃え盛る炎のような赤髪へ。
デストロイモード・ユニ子(以下Dユニ子)「ふぅ……NT-D完了」
外国の手品師真っ青な所業を成し遂げた彼女は、染め上がった髪を軽く振り、と何事も無かったかのように重力に引かれ地面へ着地。
大胆に変化した外見もそうだが、口調も先程のたどたどしく舌足らずな物から、大分落ち着いた大人っぽい物に変化しているように思えた。
Dユニ子「ん~~……全っ然話せないし、結構肩凝っちゃいました!これだから通常時は……あっ」
男「お、おま……おまっ!?」
人間は心から驚くと語彙が少なくなる。今心の底から実感している。口が「おま」としか回らないのだ。
Dユニ子「ん~む、なるほどなるほど。今の状態だと、ますたーと同じ大きさなのですね……感っ激っです!」
何を納得したのか、彼女は心底動揺している俺を前にして、顔の横で手を合わせて幸せそうに頷いている。
そして白髪の時よりも表情豊かになった彼女は、若干怪しい笑顔を浮かべながら、腰が抜けた俺に近寄って来た。
Dユニ子「ん~~っ!まっすったぁ!やっと自分から触れましたぁ~!」
抱き付かれた瞬間に広がる甘い苺の香り。時々当たる腕の装甲が痛いが、胴体の部分は柔らかく、明らかに温かい女の子のもの。
男ならこの匂いと感触に触れられたら、不満や不信感全て一瞬で消し飛ぶに違いない。男とは単純な生き物なのだ。
男「な、なんなんだ……いったい」
今回はここまでで投下を一度切らせて頂きます。前回分の投下一回分と同等か、少なければそれに少し足して投下して行きたいと思います。
ついでにユニ子は男の呼び名を「ますたー」から「まいますたー」へ変更。これは個人的な趣味による物です。
そしてデストロイ時のユニ子は若干ですがイチャ付き度を強く、テンションも高めにしました。他のキャラも少しだけ変更があるかも知れません。
そして前回落としてしまった事を、もう一度謝罪します。申し訳御座いませんでした。
今回時間が出来たので、前回の分を編集し、出来る限り見易くして投下しています。前回のやつは焦って効果音が全角になってしまっていました。
しかし結構文を書く事から離れていたので、文章力が大分落ちてしまっています。リハビリを兼ねながらの投下ですが、お付き合いして頂ければ幸いです。
一応前回分のWIKIを引用しておきますので、登場したモビルスーツの正確や外見等は徐々に載せていきますね。
それでは今日分はこれで。おやすみなさい。
今日は少し早めに始めたいと思います。
それとゲームで改めてスペリオルの機体のデカさを再確認しました。やっぱデカイですね、Sガン。でもバンナムのゲームの体長表現などは宛にしてません。
でも見た限りだとクスィと同じくらいのデカさなんですかね。それだと、このSSに出ていたSガンはとんでもサイズに……。
あとやっぱりクロスボーン系は格好良いですね。X1とX3が個人的に大好きです。Gジェネでもお気に入り機体でした。
X1はマントを靡かせているところが何とも渋くて、X3は武器の安全装置を解除して力を開放するとか……やっぱりガンダムって男の子だよなぁ。
それでは今日も始めさせて頂きます。それとセシアちゃんエロ過ぎ。
男「えっと、取り敢えず短くまとめるぞ。到底信じられん内容だが……つまり君は、ユニ子は……ユニコーンガンダムのプラモデルが擬人化した姿だと」
Dユニ子「はい!貴方のプラモ、ユニコ~ンガンダムっです!」ビシッ
男「それで俺が外出中に擬人化が起こって、取り合えず主人である俺の帰宅を待っていた……って、信じられるか!」
Dユニ子「でも信じて頂くしかないのが現実なんですよぉ。ほらほらぁ、現実を受け止めて否定的な考えはやめましょ?
認めて楽になっちゃいましょうよぉ~。こぉんな可愛いプラモが貴方の手元に置いておけるんですよぉ?」
男「だってよ……プラモなんだぜ!? 女の子になるなんて有り得ないだろ普通!もしかして最近のプラモは進化してるのか!?
萌えは次元さえ超えるってやつか!? でも俺はそれならば等身大のユニコーンのコックピットに乗ってみたいわ!」
Dユニ子「きゃっ、こっくぴっとに挿れてみたい、なんてぇ……ますたーったら、だ、い、た、ん!」
男「プラモデルとは一体……うごごごごごご」
男(でも目の前でデストロイモードに変身したのは本当なんだよなぁ。あんな大掛かりな事、前仕掛け無しで出来る訳も無いし。
ユニコーンのプラモ特有のギミック、何より空中に浮いてて……しかも変身後はよく喋るようになってるし。二重人格なのか)
Dユニ子「どうです、まいますたー。我ながらNT-Dは大分思い切った行動だと思うのですけど、信じて頂けました?」
男「いやまだ半信半疑だ。でも……嘘にしては色々と辻褄が合うっていうか。俺個人が信じられないというか。
ついでに、もう少し距離を置いてくれると助かるんだけど……ほら、近過ぎじゃない?肩が触るってレベルじゃないよね?もうべったりだよね?」
Dユニ子「もう、まいますたーったら!相変わらず頭が固いですね!これくらい最近の男女なら普通の距離感ですよぉ!
……むぅ~しかしこれでも信じて貰えませんかぁ。それなら……うんっ!交換条件等如何でしょう!?」
男「……交換条件?」
Dユニ子「わたしはますたーに、貴方が大事に作ってくれたユニコーンだって信じて欲しいんです!
そして、まいますたーは今までわたしが観察してきた限り、バイト等が忙しくてまともに家事回りが出来ていない。そうでしょう?」
男「……カップメンとか弁当って、人の考えた至高の食べ物だと思うんだ」
Dユニ子「正直な話、わたしはますたーに追い出されたら途方に暮れる事になります。野良ユニコーンです。
だからこの家の家事全般を引き受ける、という事を条件に……何日か、泊まらせて欲しいのです。
それでますたーがわたしを必要だと思ってくれたなら、めでたくまいますたーに永久就職!というのはどうでしょう!
今なら美少女なモビルスーツを好き放題に出来る権利も、付けちゃいますよ!持ってけ泥棒!ほら、どう見てもウィンウィンな関係ですよね!?」
男(まぁ色々話していて、この子を疑って掛かる気は木っ端微塵に砕けてる訳だが。もうちょっと良く考えろよ俺。
帰宅したら、いきなり部屋にいて、三指付いて自分はプラモデルが擬人化したユニコーンなんですぅとか言っちゃう痛い子だぞ?
いや確かに変身したけどさ、俄かには信じ難いんだ。だけど……家事をしてくれるか)
Dユニ子「しっかし、本当にこのアーマー邪魔ですね。関節動かす度にガチャンガチャン言いますし。今の内に外しておこっと」バシュゥ ゴトンッ
男(正直バイトを入れて疲れ果てて帰って来るせいで家事は殆ど出来てないに等しい。
時たま自炊はするが、カップメンや買って来た惣菜を食う事の方が多い。掃除だって、見える所を最小限整理してるだけ)
Dユニ子「おや……そろそろNT-D限界時間ですか。この状態じゃないと上手く話せないし……どうしましょう。ますたー?まいますたー」
男(先程の料理の腕からして食卓は約束されたも同然。何故元プラモが料理出来るんだとか色々聞きたい事もあるけど。
それに何より……この子を追い出すっていうのも後味が悪いというか。
もし本当にプラモなら身分証明証の類なんて一切ない筈だし……本当に路頭に迷う事になるしな)
――『NT-D 解除』
ユニ子「あぁ……戻ってしまった、れす……」
男「とりあえず、もう暗いし今日は泊まって――ってあれ?髪が白に戻ってる?」
ユニ子「NT-D……限界らったから……解除、しましたれす」
男(確かガンダムUCでもNT-Dの限界時間は五分とか書いてあったっけ。でもあれはパイロットが乗ってる時のような――)
ユニ子「…………ふつつかものれすが……おねがいします、れす……まい、ますたー」ペコリ
男(金が欲しいからガンダムを盗んだ主人公並に選択を早まった気がする)
【三日後】
男「へぇ……俺がバイトで出てる間に部屋全部掃除したのか。たった数時間でこれか……こりゃ中々、凄いもんだ」
ユニ子「元々、物が……少なかった、れすので……御片付け、簡単、れした。……ぶい」
男「埃とかも全くないし、どうやって掃除したんだこれ。畳も色が元の緑色になってるし、なんか借りた時より綺麗になってるぞ。
頼んだ事なんて一度も無いけど、ハウスクリーニングも真っ青だな」
ユニ子「そんなに、褒められると……照れて、しまうれす……」
男(にしては顔色一切変化無いっていうね。ユニ子の表情が変化したのを見たのは、三日前のNT-Dの時くらいか。
あれから一回もNT-Dはしてないし、通常時は舌足らずで無口で無表情だし。長話は一切無理だよな、こっちだと)
男「それにこの匂い……飯も出来てるのか。何というか、ユニ子、スペック高過ぎじゃないか?」
ユニ子「あ……も、元になっら物は……汎用性、もびるすーつ、れすから……」
男「それは別に関係無いと思うんだが。あと前から聞きたかったんだけど、何でユニ子は最初から炒飯とか作れたんだ?
基本何でも出来るみたいだし……誰かに教わった訳でもないよな?だって元々はプラモだろ?」
ユニ子「……見て、ましたから。まいますたーが、家事をしていら……ところ。ずっと……ぷらもの、姿れ。
一度みら事は……知識として、溜め込んでいます……れす。あの時も、まいますたーの、料理を参考に……してました」
男「あぁ、だから味噌汁とか基本的な味付けは俺と殆ど同じだったんだな。ちと納得」
ユニ子「実は、ちょこちょこ、味……変えたりしてる。今日の、かれーにも……ぱいなっぷる、投入しました。
一パック、150円の……かっとぱいなっぷる……れすけろ。ちょこは、まら……ハーろルが高いのれ」
男「前に林檎すり下ろして隠し味で混ぜた事もあったけど、それより甘いな。辛いのも好きだが……これはこれで良し。美味かった、ご馳走様」
ユニ子「ん、お粗末さま、れした。糖度等も、計算した。今度は少し……辛く、作ってみる、れす」
男「ギャグのオチを潰す様で悪いが、限度はきちんと考えて作ってくれよ?辛過ぎるカレーも嫌だし、甘過ぎも嫌だぞ。
まぁ、ユニ子に限ってそんな事しないと思うが。ついでに、散々気になってたんだが、こういう隠し味なんて何所で覚えてくるんだ?俺は教えてないよな?」
ユニ子「八百屋の、人に……教えて、貰いました。因みに、御風呂も……沸いてるれす。今なら……お背中、流しも……ろうれすか?」
男「ユニ子が先に入ってくれ。俺は皿洗いとかしておくから、後で入るよ」
ユニ子「緊張して、言っらのに……とても、自然に流された……。というかますたー、それはわたしが――」
男「疲れてるって言っても、これくらい訳ないさ。家事とか全部任せっ切りにしてんだから、皿洗いくらいさせてくれ。
という訳で、ほら、先に風呂入って来い。あ、それとシャンプーが切れてたから詰替え用のやつ買って来ておいたぞ。風呂場の所に置いておいたからな」
ユニ子「……むぅ」
――スリスリ
男「脹れても駄目――ってこら、擦り寄るな!洗い物は絶対に譲らんぞ!さっさと行って来なさい!」シッシッ
――トボトボ
ユニ子「いけず、れす……まいますたー」
――キュッ キュッ
男(しかし元プラモデルが家事こなすだけに留まらず、飯まで食うとは……。外見だけじゃなくて中身まで人間化してるんだな。
いや、ユニ子がプラモである事を完全に信用し切った訳ではないのだが。それでもNT-Dで性格改変した事実もあるし。
本当にユニ子がプラモだとして……何で人間になったんだろう。プラモはただの素組みで特別な事はしてないし、他のプラモと何も変わらない。
ニュースとかに話題が出てないのを見る限り、他に事例は無いみたいだが。だとしたら何故、俺の買ったプラモだけ擬人化を……?)
――クイクイ
男(役得というべきか、中々の面倒事に巻き込まれたと思うべきか。でもユニ子のお陰で家事に回す時間が減って、バイト量増やせたし。
まぁ代わりにプラモを一体養う事になったが……物静かだし手は掛からないし家事はしてくれるし、おまけに美少女……だけどそれが問題なんだよなぁ)
――クイッ、クイッ
男「主に理性関係が――って、なんだよ、今後片付けしながら色々考え……てぇっ!?」
――バリーンッ
ユニ子「まいますたー……しゃんぷーはっと、壊れた。……頭、洗って欲しい……れす」
男「おま、おま、おま……っ!?」
ユニ子「……?ろうか、したれすか……まいますたー。体温が、急激に……上がっています」
男「服着ろ服を!それかせめてタオルを巻け!真っ裸で出て来る奴があるか!」
【浴室】
――カポーン シャカシャカ
ユニ子「ん……ふぁぁぁ~。気持ち良い、れす……まいますたー」
男「そうか、良かったな……ちゃんと目瞑ってろよ。目に入ったら染みるからな」
男(俺にとっては生き地獄だけどな。くそ、短い時間だったけど完璧に全裸を見ちまったじゃないか。もう脳内HDに焼き付いてしまった。
しかも今だって真っ白な背中が見えてて……っていうか汎用性モビルスーツだったら頭洗うくらい自分で出来るだろ普通!)
ユニ子「んぅっ……ふふ、まいますたー……ちょっと、くすぐったい、れす……」
男(助けてくれ。誰でも良い、この天国と地獄の板挟みから俺を救ってくれ。俺は童貞で大局的に物を見ることが出来ないんだ!
何で同じシャンプー使ってる筈なのに甘い匂いがするんだよ。髪を指で梳かしても絹のように一度も引っかかる事がない。
そして極め付けはスベスベしていて水を弾く、張りのある色白の肌。これでどうも思わない方がどうかしてる)
ユニ子「ひゃぁ……く、首筋は、弱いのれす……」
男(胸は確かに小さいが、身長は中学生並みにあるし……体付きは華奢だが、無表情な彼女にはとても合っていて。
もっと外見年齢が下だったら、こんな苦しい状況にはならなかっただろうに……!精々ガンダムでも磨いておけってか!?)
――ピトリ
ユニ子「ますたー……れきれば、もう少し……優しくして……欲しい」
男(前屈みとかそんな簡単に収まるちゃちなもんじゃねぇ。こんなの、彼女いない歴=年齢の童貞が耐えられるものじゃありませんよ!)
ユニ子「まいますたー……平気、れすか?のぼせると……色々、危ないらしいれす。人は……不便れすね」
――パタパタ
男(ユニ子の裸に興奮し過ぎて倒れたなんて何があっても言えないな。絶対に墓場まで持っていこう。
そして本音を述べると今の状況もまずい。素肌の太股で膝枕されて、しかも顔を心配そうに覗き込まれながら団扇で扇がれてる。
こんな状況だと悪化する、確実に病状悪化する。むしろ現段階でインフルエンザ並みの速度で悪化進行してる)
ユニ子「……あん、ますたー……もぞもぞ、されると……そのぉ……んっ」
男「ユニ子、今日までに何回も言ってるんだが、何故俺のTシャツだけ着てるんだ?出来ればスカートとかも履いてくれると嬉しいんだが」
ユニ子「寝る時、しわになって……しまうのれ……。それに、とても動きやすい……れす」
男(俺としては目に毒にならないよう、買ってきたユニコーンの着ぐるみ寝巻きを着用して欲しいのだが。
洋服箪笥の中で眠っている寝巻きを見ると、何の為に購入したのか分からなくなるぞ)
ユニ子「それに……ますたーの、匂いが……しますから」ボソボソ
男「ん、なんか言ったか?」
ユニ子「い、いえ……なんれもない……れす」
男(しかしユニ子の無自覚な大胆さは、どうにかならないもんか。このままでは本当に漫画のような鼻血を出しそうだ。
ただ甘えられてると雨に濡れた野良猫みたいで……無理に突っぱねるのも気が引けるしなぁ。さてどうしたもんか)
男「おーいユニ子ー、布団敷けたか――……おい」
ユニ子「ん……きちんと、敷けました」
男「嘘付け!何度も何度も言っただろ、布団は間を空けて敷けって!なんでくっ付けるんだ!」
男(なんか旅館の女将さんがカップル用に気を利かせて布団を敷いたみたいになってるじゃないか。まんまダブル布団だ。
風呂でも膝枕でも大変な目に遭ったんだ。これ以上されたら見事に爆発してしまう)
ユニ子「……れも……いっしょ、良い……れす」
――クイクイ
男「だ、だからそれは駄目だって……うっ!?」
男(その上目遣いは止めてくれ。こっちが悪い事をしてるような気分になる。間違いなく正論を述べてる筈なのに。
そして万が一にも俺が間違いを起こしてしまったら――いや、ここはユニ子との事後の関係を想像するところじゃないだろ)
ユニ子「いっしょが……良い。ますたーと……寝たい、れす」
男(これはそういう意味じゃないそういう意味じゃない勘違いしては駄目だ押し倒しても駄目だ頑張れ理性負けるな理性)
今日はこれで終わりです。というか今回分長かった……>>17-18って切る前一つでしたから読みにくさが極限してました。
結構分けたり文章加えたりすると、中々のレス数になりますね。ワードに打ち出してる時に結構驚いてました。
というか二日して、まだユニ子一体だけだったんですね。バンシィも出てなかったんだなぁ……次回には別の機体も出てきますので。
一応出す機体は前回分とアンケート分でまとめてあります。まぁまだ参戦枠すら決定してない物すらありますが。
クロスボーンってそういえば出してなかったっけ……でもF91の方が当たり前ですが知名度高いんですよね。ファントムは見てないです。
X1は鞭持ってるからドSなのかなぁ、とか、X3はまんま勇者っぽいアホ熱血なのかな、みたいに。いや、マントしてるし中二病か。
それでは今日はこれで。おやすみなさい。
それでは今日も始めさせて頂きます。今回少し長くなりそうなので、念の為に早めに始めておこうと思った次第です。
簡単に言うと二日分の物を一気に投下しちゃおうかなと。変な所で区切られていましたからね、しょうがないよね。
それとゲームのお陰で少しずつですが、エクストリームガンダムの事が分かってきました。色々取り込んだガンダムなんですね。
漫画を買いましたが中々分かり辛かったので、ゲームの方を参考にしようかと思います。でもこの場合って全部の極限を多重人格みたいに出す事になるんですかね。
流石に三姉妹だと驚くほど枠を取るので、多重人格ですね。しかも次回作だとエクストリームガンダムⅡVSとかいう機体も出るらしいし……付いていけねぇ。
【そして>>1の日の朝へ】
――ジリリリリリリリッ
――――パンッ チーン
男「ふぁぁぁねむ……うぉ、もう十時か。あぁ、そういや何も予定無いから遅めに掛けといたんだっけ」
男(ユニ子は……今日は朝から安売りがあるって言ってたな。ここ一週間、家事任せ切りにしてたから主婦の領域にまでなってるぞ。
昨日だって「頑張って、きます」って無表情のまま意気込んでたし。主婦達の安売り戦争に巻き込まれて怪我とかしなければ良いが……ユニ子小柄だし)
男「昼近いし、俺も軽く飯食っておこうか――ん?なんか重い物が上に……」
――ゴソゴソ
男「なんだユニ子、もう帰って来てたのか。っていうか布団には潜り込むなって何度も言って――」
――バサァ
??「んふふ~、こうやってマスターに抱き付けるの、幸せだ……ぜ!?」
男(ユニ子かと思いきや、全くの別人だった。誰だこいつは。また不法侵入者か。しかも馬乗り体勢とか、寝首を?こうとしてるのか。
ユニ子もそうだっだし、まさか最近流行ってるのか、不法侵入。この短い期間に二回もされると怖いんだけど)
??「ち、ちちちち違うぞ!これはっ、これはマスターが寒そうだから、仕方なくっ!仕方なぁぁぁくしていたのであって!
あたしが添い寝したいなぁとか思ったからじゃないぞ!ほ、本当だぞ!この爪に誓って本当だ!」
と言いながらも、全く俺の上から離れようとしない少女。所々跳ねたショートカットの黒髪に、血の色を思わせる程に真っ赤な瞳。
首元に巻かれた二股の長く黒いマフラー。腕や脚にはユニ子と同じ様に重量感のあるアーマーを装備していて、喋る度に健康的な八重歯が覗く。
何所と言わずほぼ全ての体の部品が現実離れしている容姿は、最近一緒に生活している白髪プラモデルと同じ雰囲気を感じた。
男「えっと、どちらさんですか?」
??「……あ、あたしの事わからないのか……?そんなぁ……マスタぁ~」ガーン
彼女の言う俺の呼称、マスター。そして現実離れした容姿に、コスプレめいた格好。どう考えてもユニ子繋がりである。
まさかと思って見てみたが、やはり昨日まで棚に飾ってあった黒いモビルスーツが無い。あるのは飾る為の台座のみ。
こんなに短い期間に制作したプラモが二つも消えるとは。それに二つも空の台座があると、なんか空しいな。何の為に買った物なんだか。
??「な、なら……えっと、何処に入れたっけ。あ、あった!これでどうだ!マスターだって、見覚えあるだろ!?」
一頻り落ち込んだ後に、打って変わり何やら慌てた様子で背中に両手を回し、まるでド○えもんがポケットを漁るように物音を立てながら弄る。
それからお目当ての物を発見したのか、笑顔を浮かべた後に、背中へ回した手を前へ戻す。
眼前へ差し出されたそれは、ユニ子が頭に装備していた角とほぼ同じ。しかも角が何本も縦に並んだ形状からして、どう見ても飾ってあったもう一方の物の角だ。
男「……ばんしぃ?」
バンシィ「おぉ……流石マスター!あたしは黒獅子、RX-0二号機バンシィ!マスターとこうして会える日を心待ちにしてたんだ!」
男(まさかユニ子に次いでバンシィのプラモまで擬人化するとは。しかもその、ユニ子と違って……)
――ボンッキュッボンッ
バンシィ「ど、どうかしたのか、マスター?その……あんまり見詰められると、恥ずかしいぞ……」
男(身長や線の細さは大体同じ程度だと思うんだが、プラモの神様は残酷だな。同じRX-0ナンバーでもここまで歴然たる差を出すか。
ユニ子が見たら軽く号泣しそうな胸囲格差である。哀れユニ子……というかほぼ同じ設計で建造された癖に、何故こんな事に)
男「というか、好い加減苦しいから、そろそろ馬乗りを止めてくれると助かるんだが」
バンシィ「――……い、嫌だ!」
男(おいその返事は全く想定してない。ユニ子と同じ様に聞き分けの良いタイプかと思いきや、正反対じゃないか)
バンシィ「大体、白いのばっかりずるいんだ……!マスターといちゃいちゃして……あたしが、あたしが何も出来ないのを良い事に!
同じ布団で寝たりマスターに御飯作ったりマスターと御風呂入ったりぃぃぃぃぃぃ!あたしだってしたかったのにぃぃぃ!」
――グワングワンッ
男「うぉ!? え、襟首掴んで揺らすなバカたれ!おぇっぷ……吐きそう……おい、好い加減に――」
げ ん
こ つ
バンシィ「えぐえぐ……ひっぐ……」
男(揺らされ過ぎて本格的に吐き気を催し、それでも行為を停止しない彼女に腹が立ち、思わず女の子に軽く拳骨を噛ましてしまった。
結果は御覧の有様。黒獅子は俺の布団を被りながら部屋の隅まで移動し、終にはそこで丸まり豪快に泣き続けている。
正に頭隠して尻隠さず。というか自分で黒獅子と言ってた割りに随分打たれ弱いな、百獣の王)
――チラッチラッ
バンシィ「えぐえぐえぐぅ……ちら」
男(一応本当に泣いてるみたいだが、時々心配してるか窺ってくるのが物凄く面倒臭い。自分でも知らぬ内に拳を握っている辺り、相当だ。
確かにユニ子より体付きは良いが、手を焼かない部分ではユニ子の方が上だな。本当にユニ子の上位機か、こいつ)
男「あーバンシィ、あのな、殴ったのは悪かった。悪かったから、そろそろ泣き止んでくれよ、な?
えーと、ほら御飯作ってやるから!腹空いてるだろ!? パンじゃなくて、ちゃんと御飯炊いてやるから、布団から出てこ~い」
――ピクッ グゥゥゥゥゥ~~
男(あ、布団が反応した。しかも布団の中で腹の虫まで反応した。てっきり「飯くらいで許すと思うな!」くらい言われると思ったんだが)
バンシィ「ちゃ、ちゃんとマスターが……作って、くれるのか?」モゾモゾ
男「言ったからには嘘は吐かないさ。まぁそれもバンシィが布団から出て来てくれたらの話だが――」
――バサァッ スタッ
バンシィ「た、卵焼き!卵焼きという物が食べたいぞ!それとお味噌汁も!」
男(餌を垂らした途端に布団を吹き飛ばして顔出しやがった。滅茶苦茶現金な百獣の王だな)
男「味噌は……こんなもんで良いか。しかしユニ子の奴、本当にマメだな。調味料とか鍋が使い易いように整理されてるし……」
バンシィ「……………」キラキラキラ
男(何で微妙に隠れながら俺が料理してる所を見てるんだろうか、あのお馬鹿は。妙に期待に満ちた視線が気になって料理に集中出来ん。
本人隠れてるつもりでも丸見えだし。素直に声掛けてくれた方が、まだ気が楽だ。まぁ期待されて悪い気はしないけども)
バンシィ「えへへぇ、マスターの手料理♪ マスターの手料理♪」
男(俺の雑な料理がそんなに嬉しいかねぇ。やっぱり擬人化したモビルスーツの気持ちは分からん)
男「そういや、バンシィは料理出来るのか?ユニ子は出来てたけど」
――ビクゥッ
バンシィ「……り、料理くらい出来なくても……死なないし」
男(あぁ出来ないのな。ユニ子は俺の料理手順を記録して、それを真似て調理したとか言ってたから、他の奴も出来るかと)
バンシィ「マスターはそのぉ、料理出来ないと……嫌いになったりするのか?」
男(今時料理出来ない奴なんて腐るほどいるしな。むしろ、たった数日で師匠を追い抜くユニ子並みに器用な方が希少だろう。
その点こいつ等は得だな。料理や家事が出来なくても男の引く手は数多……美少女は絶対だ)
男「別にそんな事は無いけど。料理なんて出来る奴がすれば良いしな。覚えておいて損はないけど」
バンシィ「なら出来なくても問題ないな!あたしはその代わり、この爪でマスターを守れれば良いんだ!料理なんて別に出来なくて良いんだ!」
男「やっぱり最低限料理は出来た方が良いよな、うん」
バンシィ「ま、マスタぁぁぁぁ~~」
男「バンシィ、出来たぞ~。ほら、ちゃぶ台に運んでくれ。落とすなよ?絶対に落とすなよ?」
バンシィ「わぁぁぁ美味しそう……じゅるり。運ぶ運ぶ!ちゃぶ台に運べば良いんだな!? 分かった!絶対に落とさないぞ!」
男(こういう元気でハイテンションな奴って何かやらかしそうなんだよな。しかも陽気な返事……フラグにしか聞こえないんだが。
ほら、ダチョ○倶楽部というか……ギャグ漫画とかならば確実に運んでいる物を引っ繰り返すような――)
――ガシャコーン
バンシィ「にゃぁぁぁぁああ!? あっつぅぅぅい!」
男「なんかもう、やっぱりやらかしたかというか、期待を裏切らないというか……あいつに味噌汁なんて運ばせた俺が悪いか」
バンシィ「ますたぁ~……ひっくっ!……えぐえぐぅ」
男「はぁ……ほらバンシィ、こっち来い。頭にワカメと豆腐と玉子焼き乗ってるぞ。そこまで行くともはや器用だな」
バンシィ「ごめんなさいっ。ますたーの……ますたーの御飯がぁぁ……」
男「ったく、御飯なんてまた作れるから良いんだ。それよりほら、火傷してないか?味噌汁頭から被ったんだろ?」
バンシィ「…………頑丈だから……平気」
男「それなら良いさ。取り敢えずシャワーで味噌汁とか流しちゃうか。服には……あんま付いてないな。これなら染み抜きするだけで大丈夫だろ」ナデナデ
バンシィ「ん?……マスター、しゃわーって何だ?」
男「――………………おい、ユニ子の悪夢再来か」ピキ
――カポーン
男「良いかバンシィ、俺はお前が体の洗い方を知らないだろうから一緒に入るんだ。絶対にそのタオルは取るんじゃないぞ。もう一度言う、絶対に取るな。外したら今度こそ俺が死ぬ」
バンシィ「でもマスター……このタオル小さくて、胸が締められて苦しいぜ。やっぱり外したい――」モジモジ
――ガシィッ
バンシィ「ひゃぅ!? ま、マスター……その、いきなり肩を掴まれるとビックリする――」
男「良いかバンシィ、しかと良く聞け!バスタオル着けて御風呂に入ってくれる慎ましい女の子の方が、俺は好きだ!」
バンシィ「着る!ずっと着てる!これ着て生活する!」
男「一男性としては嬉しい提案だが、流石にそれは俺に対する近所からの視線が痛くなるから止めてくれ。
風呂の中だけで良いから。という訳で絶対に風呂の中ではタオルを外すんじゃないぞ!」
バンシィ「分かった、風呂の中だけにする!」
男(逐一元気の良い返事するな、こいつ。印象的にはライオンっていうより親に従う子犬なんだが。多分尻尾があったら目一杯振ってるだろ)
男「じゃぁ、さっさと洗っちまうか。女の子が何時までも味噌汁の匂いしてるのも、なんか嫌だろ」
バンシィ「にゃ?良い匂いだと思うけど、駄目なのか?」
男(普通の女子の返答を期待した俺が浅はかだったか。元は無機物のモビルスーツだもんな、そうだよな)
バンシィ「ま、まだ目が痛いぞぉ……い、いひゃい……目が、目がぁぁぁぁぁ」
男(まさか髪洗う時に一切目を瞑らないとはな。完璧に予想外だった。泡が見事に目に入ったし。取り敢えず目は洗わせたけど。
まぁこいつにはユニ子が三日間だけ使用していたシャンプーハットを着用させなければいけないようだ)
男「えっと……お、あったあった。そっか、一個目はユニ子が壊しちまったんだっけか」
――スポッ
バンシィ「にゃ?マスター、何だこれ?帽子……にしては頭頂が丸々出てるし。新手の武装か?ビームらりあっとぉ~……的な」
男「良いから被っとけ。目にシャンプーが入らないようにする帽子だ。さっさと洗うからジッとしててくれよ。
というか動いたら目にまた入ってお前が大騒ぎするから、絶対に動くな。それと目は瞑っとけ。また目に入るかも知れないからな」
バンシィ「あの痛いのが無くなるなら……別に良いけど。目を瞑れば良いんだな?」
――ワシャワシャ
バンシィ「えへへ、マスター……マスターの手って、上手く言えないけど……なんか、優しいなっ!洗って貰ってると気持ち良いぞ!」
男(こいつ、恥ずかしい事を平然という奴だな……)
バンシィ「んふふ~♪マスター、しゃわーって気持ち良いな!」
男「そうかそりゃ良かった」
男(俺は嬉しいけど生き地獄っていう状況下だったけどな。ユニ子と同程度の体型なら我慢で済むが、バンシィのは異常だ。
何だあの胸の大きさは!何だあの引き締まりつつも綺麗な丸みを帯びた尻は!撫で回したくなる細い腰は!
触りたくならないなら男じゃないだろ!しかも褐色の肌が眩しくて……目の毒だ目の毒!変なエロ本見てるよりもエロいぞ!
ユニ子と一緒に入った時も色白の肌でかなりやばかったが、それとは毛色が違う!艶かしいんだ!)
バンシィ「ほらほら、髪の毛から花の匂いがするぞ!シャンプーってやつは凄いな!」
男(元からそんな匂いだったような気がする。しかし何故女の子の髪からは良い匂いがするんだろう。フェロモンか。
前にテレビで女性は男性の胸元から匂いがするとか言ってたし……こんな事なら味噌汁の匂いをさせたままの方が良かったな。理性的に)
バンシィ「うん?どうかしたのか、マスター」
男「い、いや何でもない。それと、これからは風呂には一人で入るようにしてくれよ。今日みたいなのは勘弁してくれ」
男(でないと俺の理性が持たん。ユニ子との共同生活でもガタガタになってるのに、これ以上はいけない)
バンシィ「えー……マスターに頭洗って貰うのが気持ち良いのにぃ」
男(しかしユニ子に続いてバンシィのプラモデルまでも擬人化するとは……どうなってるんだ、これ。もう既に収集つかん。
一体何故俺が買ったプラモばかり擬人化するんだ。他のプラモはこんな事にはなってないみたいだし。
もしや根本的に間違っているのか。この子達は普通の人間で、プラモというのは嘘なのかも知れん)
男「なぁバンシィ……ちょっとお願いがあるんだが、良いか?」
バンシィ「マスターが、あたしに?別に良いけど……出来る事だけだぞ。あ、後……えっちなのは駄目だぞ!」
男「誰がするか!……えほん、今ここでNT-Dって出来るか?デストロイモードになるやつ」
男(そう、ユニ子は俺がバイト中に不法侵入していて、NT-Dの仕掛けをする余裕があったが、バンシィは違う。ずっと俺と一緒にいたんだ。
髪色が変化したり、性格が突然変異したりと、そんな仕掛けをする時間は絶対に無かった。
なら今NT-Dを要求して、バンシィが答えられれば……彼女達がプラモだと認めよう。だが出来なかった時は――)
バンシィ「別にそのくらい良いけど。NT-Dだろ?お願いされなくても、マスターの為ならそれくらい訳ないぞ。えっとぉ……変身!……あれ?
ゴーリキ、ショーライ!……あ、あれ?蒸着!……ん!? 赤射!焼結!くそ、何でだ!卍解!――――あれぇ?」
男「……どうした?いやに懐かしい掛け声連発してたが」
バンシィ「あれ……あれ?NT-D……出来ない。何してもNT-Dが発動しないんだっ」
今日はこれで終了です。10レス……ううむ、長くなると言いましたが、そこまでではありませんでしたね。取り敢えず切りの良い場面で切りました。
ちょっと読み難くなってしまいましたかね?次回は今回より少し少なくなると思います。
というかキュベレイはやはり人気なんですね。キュベ、赤キュベ、黒キュベとありましたが、殆ど違いは無いんですよね。
使用するサーベルが違ったり、プルの使用した黒キュベが外部から遠隔操縦が出来るんでしたっけ?知るまではもっと違いがあるかと思ってました。
ZZ枠は全然決めていなかったので、参考にさせて頂きます。キュベレイって本当に女性っぽいフォルムしてますしね。なんかこう……丸いし。
ユニコーン三号機フェネクスですね。一応色々考えてますが、出すかどうかは未定ですね。あれって限定公開の機体みたいですし。
というかモチーフがユニコーン達と同じ「貴婦人と一角獣」っていうのは良いのですが、その中の鳥って小さすぎるでしょう……しかもどっちの鳥なんだ。
∀枠は……コレン軍曹枠が無いんですよね。というかカプル自体が騒ぎ回るお子様イメージしかない……。
逆シャア枠には確保があり、一応エクガンも考えています。ただ持ち主が……前回のアリス同様で放浪プラモかなぁ。
それでは今回はこれで。おやすみなさい。
復活したので記念と生存報告の為にカキコを。ちょっと1ヶ月のやつが気になってしまったので。
それと無事にフェネクス手に入れました。艶消ししようと思ったのですが、ピカピカしてるのが良いので今は素組み状態ですが。
やっぱRX-0系の機体は格好いいっすね。ただ置き場に困り、正に置き場がない状態です。
それとバンシィの喋り方は一応クレヨンしんちゃんを参考にしてたりします。まだバンシィはちょい幼い感じなので。
まぁ我那覇さんも参考にしていますがw。Vガンとか見ててSS書くのサボってたのは内緒……。やっぱVガンの機体ってゲテモノ多いですねぇw
それではこれで。おやすみなさい。
遅くなってしまいましたが、今回も初めさせて頂きます。ついでにですが、EXVS MB触ってきました。赤枠改……好きなのに使わなかったなぁ。
でもペーネロとかAGE2も動かせて、個人的に満足でした。自分はダークハウンドも好きですが、隊長機の時の真っ白の物も大好きです。出番はちょっとでしたが。
あとはビルドファイターズの機体も良いですよね。ジムスナがEXAM発動した時は、こんな怖いジムがいるのかと驚いた程です。
しかしストライクってあぁ見ると、やっぱりスッキリとした良い機体ですよね。MGプラモ買ってしまいそうだ……。
それでは投下します。
バンシィ「故障!? 人型になった当日に故障なのか!? 初期型なのか!? 2号機だろ!? こういう時はどうすれば……説明書も何も無いし!
……はっ、そうだ!こういう時はアナハイム・エレクトロニクスに連絡すれば……って連絡番号知らない!」
男「そもそもアナハイムは実在しない会社だからな?」
※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません
男(しかし、バンシィがNT-D出来ないと騒ぎ出すのだから、結局ユニ子のあれも手品の類だったって訳か……?
そしてこいつ等は自分達が元プラモと信じ込んでいる……と。本当なら相当痛いな。中二病でなくMS病か)
バンシィ「ま、ままままマスターどうしよう!今のあたしに修理保障は効くのか!? プラモって何年保証なんだ!?」
男「普通に考えて多分効かないと思うけど。なんか擬人化してるし」
バンシィ「アナハイムめ……三年保障の筈なのに……っ!」
男「家電かゲーム機の類なのかお前は。というかモビルスーツなんて購入した当初から修理費全額軍負担だろ」
バンシィ「頭の後ろにスイッチとか無いのか!? どうにかして修理しないと、デストロイモードになれない!くそっやる気スイッチどこだ!?」
――ドタバタ
男(でもさ、決して差別では無いんだけど、出来たとしても今のバンシィにデストロイモードは要らないよな。
どうなるかも想像付かないし。だってユニ子は良く話してセクハラまで挟んで来るようになったんだぞ。
普段から陽気御天気大惨事なバンシィがデストロイモードになったら、どうなるか検討も付かん。良い予感がしないぞ)
男「まぁNT-Dなんて出来なくても困らないだろ。日本なんて平和だし、何かと戦う訳でもあるまい」
バンシィ「そ、それはそうだけど……それだとRX-0シリーズの一番の見せ場が無くなってっ!アイツに……アイツに負けてしまう!」
男「……あいつ?あいつって……誰だ?」
バンシィ「そう!あの白くてあたしより出番回数の多い憎ったらしいユニコ――」
――ガチャリッ
ユニ子「ふぅ、流石に、安売りれ……買い過ぎたれす。ばーげんの……主婦達は、強敵。ますたー……お買い物、済ませてきたれ……むむむぅ?」
バンシィ「そうだ、こんな感じで白くて無表情な――あ、あぁぁぁぁぁぁッ!!」
男(耳をつんざく大きな声。とてもご近所迷惑である)
ユニ子「わたしが、こうなったから……まさかとは、思ったれすが。貴女も、そうなりましたか……バンシィ」
バンシィ「ふんっ!少し寝坊しただけで、お前に先を越された訳じゃないからな!」
ユニ子「同じ、ぷらもれるれも……わたしらけ、なのは……不思議らと、思っていたのれす。
わたしよりも、遅れてなるとは……予想外、れした。さっさとぷらもにもろって……ろうぞ」
バンシィ「嫌だ!漸くマスターと触れて、話せるようになったんだ!出来てもプラモデルになんて絶対戻ってやるもんか!
白いのこそプラモに戻れば良いだろ!もう十分、マスターといちゃいちゃしてた癖に!ずるいずるい!」
男「いや、いちゃいちゃはしてないと言いますか」
バンシィ「あたしの方が絶対にマスターを喜ばせられる!そ、れ、に……ぷぷぅっ。白いのは相変わらずというか、かなり色々貧相だなっ」
――ブチィ
ユニ子「ますたーのものらから、しませんれしたが……ぷらもの時に、上半身と下半身、ぼきっと……折っておけば良かったと……後悔したれす」
バンシィ「ひぃっ!? ぐぅ……くっ、負けるか!だって証拠にマスターは!マスターはあたしと風呂に入って喜んでくれたんだ!
やっぱりあたしの方が色々と上だったって事だな、うんうん!ふははははははは――げほっげほっ!」
――ピキッ
ユニ子「ますたー……後れ、色々と……お話したい事、あるのれす」
男「いやいや待ってくれ!それはバンシィの奴が味噌汁をこぼしたせいで――」
ユニ子「」ギロリ
男「はいすみません是非穏便に御話しましょう暴力はいけない」
ユニ子「わたしは、ますたーに……ずっと、尽くす覚悟してる。身も、心も……まいますたーのもの。ますたーの、一番のプラモは……わたし」
バンシィ「いや、あたしだね!」
ユニ子「……言うれすね、黒い"ユニコーン"。完成型とか、言われてても……結局、大本のLa+(ラプラス)プログラム、不搭載な癖に」
バンシィ「ふん、あたしのは完全型って言うんだ。大体、白いのこそLa+(ラプラス)がランダムに出る不良品の癖に。とあるゲームじゃ、お前は"白いバンシィ"とか言われてたんだぞ!」
――バチバチバチィ
ユニ子「ますたーは、わたしを……最初に選び、購入しれくれたのです。横に並んれいた、貴方を無視して」
バンシィ「そりゃマスターは計画的だからな。手始めに練習用で白いのを買って、一番作りたい物をあたしを後で綺麗に完成させたんだ。
勘違いも甚だしいぞ、通常時なんてビームマグナム無しじゃ何も出来ないくせに!」
ユニ子「……がとりんぐも、ばずーかも使ってる。それに大体、アニメれも……ヒロインはわたし。一撃必殺、掠っても大怪我。
そんな……男性のろまんを、一挙に託されたのも、わたし。貴方は……あの無駄に大きな爪を、無駄に磨いていれば良い」
――バンバンババンッ
バンシィ「なんでやアームド・アーマー格好良いやろ!それにユニ子だって、最終決戦仕様とかいってゴテゴテ付けてただろ!」
ユニ子「あれは、ふるあーまーっていう……ろまん。主役がんだむは大抵……最後は、ふるあーまーになるもの。
そして……何よりわたしには、La+の個人認証が、ある。貴方は何度も何度も乗り手を変えられる仕様で……いんらn――」
バンシィ「言ったな!? お前言ってはならない事をさらっと言ったな!? 上等だ表に出ろ!」
男(まぁ鉢合わせすれば険悪の仲なのは良く分かる。劇中でも戦闘してたし、何より同じRX-0でライバル視もあるだろう。
だからと言って出会って早々指差し合って御互いを罵り合い、しかも最終的に俺の意思を無視して口論とは……)
きてたか
待ってるで
ユニ子「そちらも、短期なのは……相変わらずれすね。ぷらもれ、大人しい時の方が……良いと思うれす」
ユニ子が口元に手を当て、無表情のまま「ふふり」と馬鹿にした笑いを漏らすと、これまで咽返る程に吼えていたバンシィの口が突然止む。
俯きながら肩を小さく震わせ、もしや泣いているのではと一瞬だけ考えてしまった。だが周囲へ吹き付ける冷たい紫色の風が、その予想を消し飛ばす。
【NT-D】
額には先程まで装備していなかった黄金の角。だがユニ子の物とは違い、縦一列に生えた四本の角は、若干禍々しい印象を与える。
その角に縦一直線の切れ目が入り――割れる。現れるのは九本の金色。横に生え揃った八本と、中央にそびえる一本角。それはまるで、雄雄しい獅子の鬣のよう。
男「おいおい、嘘だろ……」
角と同じ様に突然出現した黒色のアーマーは、重々しい音を鳴らしながら何箇所もの間接部がスライド。深部が露出し、周囲に金色の粒子を漂わせながら、同色に発光する。
艶やかで夜空を思わせる黒髪と、首に巻かれた長い二股のマフラーは徐々に、角、そして露出したサイコフレームと同じ金色に染まっていく。
Dバンシィ「ふん……減らず口だけは達者じゃのぅ、白いの」
口を閉じていた左腕の豪腕は、欠伸をするかのように四本の鋭い牙を見せながら口を開ける。変身と言われればユニ子の物も衝撃的だったが、バンシィの物はその以上だ。
ユニ子のNT-Dは、それこそ純白という言葉が相応しい温かさがあった。だがバンシィの物は違う。先程の雰囲気が消え、口調も重圧を持った物に変化している。百獣の王といわれても納得だ。
Dバンシィ「これこそが吾のデストロイモード。本来のバンシィじゃよ、マ・ス・ター♪」
ユニ子「………………」
Dバンシィ「なんじゃ白いの。本来の吾を前にして声すら出ぬか?ふふ……そうじゃろう、そうじゃろう!無理もないのぅ!」
ユニ子「…………」
男(流石のユニ子も、こんなバンシィが相手じゃ気圧されるか。しかし参ったな……タネも仕掛けも無かったよNT-D。
マジでこの二人プラモデルなのかよ。どうするんだよ、この二人。警察に届けても意味無いし……ここに泊めておくしかない訳ですか?)
Dバンシィ「こほん……言いたい事があれば口を開くが良い。宇宙のように寛大な吾が許可しようぞ」
ユニ子「ばんしぃ……買ってきた、えのき……踏んれる」
Dバンシィ「――……む?おぉ、すまぬ。なんかいやに床が柔らかいなとは思っておったのじゃ。許すが良い、白馬よ」
ユニ子「分かってくれたなら……良い。あと、馬じゃなくて、ゆにこーん」
Dバンシィ「どちらも同じような物じゃろ。結局は馬刺しじゃ馬刺し!百獣の王である獅子を前にすれば、只の餌どうぜ――」
ユニ子「――心の、臓が……お留守のようれすねぇっ」
――ヒュンッバキィ!
Dバンシィ「何じゃと――ひゃいんっ!?」
ユニ子「秘儀……らいこん殴り。食材が、粗末に……なるのれ、善い子は……真似しちゃ、らめれす」
男「おぃぃぃぃぃぃぃぃ!バンシィ気絶してんじゃねぇか!しかも大根が中心から真っ二つだし!どんだけ強く殴ったんだよ!」
ユニ子「危うく、引き寄せられて……NT-D、してしまう、ところれした。危ない危ない……さ、夕御飯の支度、してくるれす」
――プシュゥゥゥゥゥゥゥゥ……プスプス
バンシィ「…………きゅぅぅ」
男(なんかユニ子が日に日に過激で腹黒キャラになっていってる気がする。いや気のせいだな、うん)
うわ怖い、書き込んだのに何故か挙げられてなくて、なのに文はあって58レス目はあるって洒落になりません。多重レスだけは出来れば抑えたい>>1です。
久し振りにOOの劇場版をBDで借りて、機体を眺めながら見物してました。ブレイブって格好良いですよね。こう言っては何ですが、スタイリッシュさではガンダムより好きです。
今回少しだけバンシィの口調を変えてみました。あとユニ子を少しだけ黒くしました。
それと>>56さん、投下中にコメントを頂けると励みになります。ありがとうございます。
そして、ナイチンゲールですか。前回のスレから結構頂いていますね。やはりナース服なのか。そして母性的なのか……全裸さんのプラモですよね、やっぱり。
W、V、∀、OO、逆シャアはこれで決定ですかね。枠数も自分で驚くほど増えましたねぇ。XやAGEはまだ未定ですが。
それとTHE BLUE DESTINYがPS3で出来るという事で今からワクワクしています。一応ブルーがこっちにもいるので、やっぱり好きなんですよね。
それでは今日はこれで。おやすみなさい。
では今日も始めさせて頂きます。UCのDVD、そろそろ発売が近くなってきましたね。なんか1が発売した頃が懐かしいです。
というかアニメではやっぱりフェネクスは出ないんですね。一応消息不明の設定なのですが……もしかして画面に写ったりは……ないですかそうですか。
ユニ子「……今日は、すき焼きに……ちゃれんじ、してみました。野菜が……安売り、してたのれ」
男「この熱い時期にすき焼きか……。それとユニ子、バンシィまだ寝たまんまなんだけど……というか気絶してんだけど」
ユニ子「ろうやら、ばんしぃのれすとろいもーろは……滅茶苦茶、高飛車になり……高圧的な性格になるみたい、れす。
発生要因は……感情の、増幅。とりあえず……面ろうな事になる前に、鎮圧した。釣られて……NT-D、しちゃいそうれしたし」
男「まぁ確かにあのバンシィを居座らせたら面倒臭そうだよな。ちょっとでも口開けば噛み付いて来そうだったし。
でもさ、大根が真っ二つに折れる速度で殴るのはどうなんだ。万が一故障とかしたりしても、修理出来ないだろ」
バンシィ「すぴー……うへへ……ますたぁー」
ユニ子「わたし達に、修理は……必要ない、れす。元々、頑丈れすし……らいこんで、殴られた程ろれ……大袈裟。あ、まいますたー、らいこんいります?」
男「あのさ、おでんに大根は分かるけど……何故すき焼きに大根が入ってるんだ?」
ユニ子「意図せず、折れたのれ……鮮ろが……早く、使っておきたいのれす。ささ、まいますたー……お肉も、ありますよぉ?」
男(……意図せず?)
バンシィ「うぅ……十分前くらいの記憶が丸々ないんだが。白いのに会った時までは覚えてるのに……なんでだ?」
ユニ子「忘れるという事は、ろうれも……良い事。バン子、しらたきでも……食べる?はい、ろうぞ」
バンシィ「あ、あぁ……ありがと。っておい!なんで鍋物やり始めの時にしらたきを勧めるんだ!? 肉とか他のを勧めるだろ普通!
それとバン子って言うのは止めろ!お前に愛称で呼ばれるのは物すっごい癪だ!あたしは、バ・ン・シィ!」
ユニ子「……バン子、マロ○ーちゃん、欲しいれす?」
バンシィ「人の話を聞かないな、お前!それに変わってない!ただ商品名を言っただけで何も変わってないぞ!」
男(なんか短い間に随分と賑やかな食卓になったな。一ヶ月前は俺一人で飯食ってたのに。嬉しいっていえば嬉しいけども。
ユニ子がやりくり上手になった恩恵で、食費は若干増えたが、飯の質は明らかに上がったし……ただ――)
ユニ子「それに、お肉は……まいますたーに、あげるの。ますたー……はい、ろうぞ」
バンシィ「そ、それならあたしだってやる!マスターにあーんってする!はいマスター!あーん!」
ユニ子「静かにするれす、バン子。まいますたーの……食事の、邪魔になる」
バンシィ「お前さっきから本当にマイペースだな!?」
男(明らかに賑やかになり過ぎだろ、これは)
男「久々にすきやきなんて食べたなぁ……ご馳走様でした。美味しかったぞ、ユニ子」ナデリナデリ
ユニ子「ん……んぅ……♪お、お粗末様、れす……」
バンシィ「けぷっ、流石に食べ過ぎた……ぜっ!? え、何だそれ何だそれ!何で、何でマスターはユニ子を撫でてるんだ!?」
男「おいこら掴み掛かろうとするな!お前の揺すりと突進は今の満腹状態だと絶対に吐くから止めろ!健常時でも酔ったんだから!
それにこれには理由があるんだって!ユニ子が料理作ってくれた時は頭を撫で――こらっ、ちょ――」
――ダキッギュゥゥゥゥゥゥゥゥ
バンシィ「ならあたしにもして欲しい……白いのだけなんて……ずるいぃぃぃ」
男(まずい。抱き付かれた衝撃で嘔吐しそうな絶望と、柔らかくて良い匂いの物が当てられてる事による幸福が一遍に来てる。
天国と地獄が両方見える時というのはこういう事か。大量に投与されていた大根が、胃から逆流しかけている。胃液が酸っぱい)
ユニ子「……あ。バン子、バン子……まいますたーを、離すれすっ。顔色が、土気色に……っ」
バンシィ「やだぁ離すもんかぁ!マスターぁ、あたしにも撫で撫でしろぉ!」グギュゥゥゥゥ
男「し、死ぬぅ……死ぬから、離せぇ……っ」
げ ん
こ つ
バンシィ「ひっく……えぐ、うっぐ……えぐえぐぅ」
男(またもや吐きそうになった苛立ちの為に拳骨を喰らわしてしまった。母親にあれ程女の子には手を挙げてはいけないと言われたのに。
しかしこいつ等を女の子という分類にしていいのだろうか。元が敵機相手に無双出来るようなモビルスーツ達だぞ)
――ポン
ユニ子「あのままならば……まいますたーが、嘔吐するまれ……してたと、思われます。殴って、正解」
男(無表情で親指を立てながら男の暴力を肯定するユニ子が恐ろしい。何に影響されたのか、最近性格がとても悪い方向に捻じれてる気がする。
俺の育て方が悪かったのだろうか。いや、それ以上に一週間かそこ等でモビルスーツの人格が変わるか?)
ユニ子「…………ん?ろうか、したれすか?ますたー」
男(そういえば、それ以前に一瞬で人格変わるシステムが搭載されてたな、こいつ等は。多少なりとも性格が変化しても不思議じゃないか)
男「いや、何でもない。それとバンシィ、あの……ユニ子を撫でていたのはだなぁ、ちゃんと理由があるんだ。
俺がユニ子に感謝した時に頭を撫でるって約束しててな。だからその……決して贔屓とかそういうのでは、ないんだぞ?」
バンシィ「ひっぐ……でも、白いのだけずるいぃぃ……」
男(遭遇当初から思ってはいたが……面倒臭い性格してるな、こいつ。甘えん坊の小学生を、そのまま体を大きくしたみたいな。体は大人、頭脳は子供……)
ユニ子「本編れも、こんな感じ、れした。はんがーれ、じっとしてる時も……人には、聞こえませんけろ……騒ぎまくってましたし」
男「モビルスーツの時も一応喋ってるのな、お前等」
バンシィ「ひっく……あたしも……っ!あたしも、マスターと約束する!」
男(そうか、何か何所かで見た事あるなと思ったら、こいつ等本当に姉妹みたいなんだ。姉がした事を妹が真似たがるみたいに。
ただ姉妹機といっても、性格全く正反対だし、外見は似てる所が全然見当たらないんだが。強いて言うなら……髪質、とか?)
男「約束っていうと、ユニ子みたいなやつか?」
バンシィ「そう!あたしは、白いのよりも凄い事出来る!それでマスターに褒めて貰うんだ!」
ユニ子「らい惨事に、なる未来しか……想像れきませんが」ボソボソ
男(偶然というか必然に近いが、俺もユニ子と同意見だ。今日一日だけだが、バンシィが何か手伝いをしようとして成功した例を知らん。
むしろ味噌汁引っ繰り返したり、一緒に風呂に入って頭洗わされたりと。なんか持ち主の俺の方が手伝いしてるじゃないか)
バンシィ「マスター……だ、駄目か……?」
男(あ、姉妹だわ。この上目遣いの上手さは、ユニ子に通ずる所がある。ユニ子が来て一週間……その一週間で何度これを使用されたか。
そのお願い方法を毎回拒否出来ずに可決してしまう俺は、甘過ぎるのだろうか。いや、こいつらが美少女過ぎるのが悪いんだ)
男「まぁ、バンシィがユニ子みたいに家事の手伝いしてくれたらな」
――ガシャーンッバリーンッ
ユニ子「え"……あ、お皿が……。ば、バン子が……手伝い、れすか……そうれすか。ますたーの決定、れすから……従いますが」
男(片付けようとした食器を取り落とす程衝撃的な提案だったのか)
【同刻・とある高級マンションの一角】
??「やはり一仕事終えた後の風呂は良い。シャワーとは違って、体の凝りが全て流れ出したように思える。ほぉ……。
しかし気持ち良さの余り、少々上せてしまったな……これが若さか。まぁ良い……この状態でこそキンキンに冷えたミルクが美味く感じるという物だ」
――ゴクッゴクッ
??「ちょっと全裸ー、冷蔵庫に入ってた牛乳知らない?あれ賞味期限過ぎてたから捨てようと思ってて……――ひっ!? きゃぁぁぁぁぁぁ!
馬鹿、変態!何でアンタ服着ないでリビングまで来てんのよ!せめてタオル巻きなさい!何時も言ってるじゃないの!」
フロンタル「むっ、何時も言ってるではないか、シナンジュ。全裸、ではなくネオ・ジオンコーポレーションの首魁フル・フロンタルだよ」ガバッ (以下:全裸)
シナンジュ「きゃぁぁぁぁぁ!脚を広げるなぁ!早くタオルくらい巻けぇ!しかも何で仮面だけは付けてんのよぉ!」(以下:シナ)
全裸「シナンジュよ、わたしは服を余り好かない。自身を覆い隠し、開放感を捨て去る着衣という行為……はっきり言う、気に入らんな!
しかし外で裸体を晒せばポリスの御世話になってしまう!だからわたしは、自宅という空間でのみ、全裸でいる事を……強いられているんだ!」
シナ「何でこんな変態がわたしの持ち主なの……出来る事なら変えたいわ。って……あれ?全裸、アンタその手に持ってるパックって……」
全裸「む?ミルクだが、何かな?いや少し酸っぱい味がしたが、何、風呂上がりだから美味しく――――うっ!?」キラキラバシューン
シナ「げっ!アンタそれ、賞味期限一週間くらい切れてたのよ!? ぜ、全裸平気!? お腹痛いの!?」サスリサスリ
全裸「……あ、当たらなければ……どうという事はない……」プルプル
シナ「見事に当たってるじゃない!馬鹿!ほらトイレまで付いて行ってあげるから、さっさと立ちなさい!え?む、無理?吐きそう?
び、ビニール袋持ってくるから待ってなさい!あと薬も持って来るから!
――は?行かないで?馬鹿、そんな事言ってる場合じゃ――あぁもう!泣きそうな顔しないの!ローゼン!ローゼンちょっと来てー!」
少しレス数少ないなぁと感じたので急遽1レス追加しようとし、長々と書いて時間を取ってしまいました。申し訳ありません。
ちなみにシナンジュの声は早見沙織さんをイメージしています。というか最初は只のツンデレで構成してたキャラがどうしてこうなった……。
そしてフロンタルさんは個人的に動かしやすいキャラなので、書いてて楽しいです。こう、ハチャメチャキャラってあまり書かないので。
シナンジュが何か元のキャラから大分変化してしまいましたが、これでも良いのかな……。
というか、ナイチンゲールと被りそう……まぁ向こうは母性丸出しポワポワをイメージしてますので完璧に被ることはないでしょうが。
そして考えてみれば前回の男組、刹那組は三体も一人でプラモを所有してたんですね。結構持ってたんだなぁ……。
G-UNITはGジェネで良く出てるし、武装も特殊だから良い機体だと思うんですけどねぇ。しかしモノアイガンダムズの恐ろしさよ。
やっぱりモノアイって恐怖の象徴みたいな感じがして良いですね。個人的にはガンダムタイプよりも恐怖をそそります。
では今日はこれで。おやすみなさい。
あとすみません、追記です。もしかしたら男の同居プラモをリゼルから別機体に変えようか悩んでいます。折角書き直したので、変化を持たせようかと思ったのです。
とはいえアンケートで取った結果リゼルにしたので、躊躇してしまいます。もし本当に変更するようなら改変前に一度ご報告致します。
それと次こそ本当に質問なのですが、ガンダム作品外の機体を一体だけ登場させても宜しいでしょうか?
一応何故そのプラモが擬人化したのかの理由は既に考えており、まだまだ登場は先ですが聞いておきたくて書きます。
ちなみに登場するかは未定なので一応ぼかしておきますが、ユニ子と同じ白繋がりです。久し振りにゲームをして、最熱してしまった結果がこれだよ!
ゼフィ、ステイメンはどうしようか考えています。0083自体、まだ未定でしたからね。というかゼフィにはとあるゲームでトラウマががが
それでは今度こそ本当におやすみなさい。
では今日も始めさせて頂きます。今回は少し量が多いので、駆け足になりますが宜しくお願いします。
【翌朝】
男(……眠い。結局三時間しか眠れなかったし、完璧に寝不足だ。それというのも……)
――バサッ
バンシィ「ふへへぇ、ますたぁますたぁ~」スリスリ
男(八割方こいつのせいである。男勝りな口調をしていて、子供っぽい行動する割には豊満な体をしてるから始末が悪い。
抱きついて来られた日には脳内で軍事会議が巻き起こるほどだ。主に理性を何所へ総動員するかの)
バンシィ「ますた……――あっ!? ち、違う!これはそのぉ……そう!マスターを暖めていたのだ!」
男(しかも裸の上に俺のワイシャツだけ着てるというのは、とてもマニアックだと思うんだ。誰か止めろよ。
裸ワイシャツなんて言ったら、裸エプロンの次の男の夢だぞ!それがこんなに早く叶って良いと思ってるのか!)
――ポヨン
男「下から見上げる南半球……ありだな」
バンシィ「へ?何がありなんだ、マスター。なんか顔がこの前ドラマで見たアベヒロシみたいになってるぞ」
男「いや、寝起きで頭が可笑しくなってただけだ。と言うか早く退いてくれ。ほら、主に下半身が大変な事になる前に」
――コトコト
ユニ子「ん……味噌汁の、栄養価計測……塩分、適量。我ながら、良い味、れす。あ、まいますたー……おはよう、ございます」
男「むんっ……言うほど阿部寛に似てるかぁ?――……って、お、おうおはよう、ユニ子」
男(片手にお玉持ったエプロン姿で台所に立ってるユニ子は、何度見ても慣れないな。憧れていた新婚風景を模写してるみたいだ。
しかも挨拶の度に逐一頭を下げながら挨拶してくるし。髪色は白いが、こういう子を大和撫子って言うんだろうなぁ)
ユニ子「もう御飯、れきてますが……食べますか?」
男「あぁ、ちょっと早いけど食べちまうか。待っててくれ、多分二度寝したバンシィ起こして来る」
ユニ子「あ……まいますたー。その、わたし……朝御飯、作った……れすよ?」
男「へ?あぁ、何時も感謝してるけど……ユニ子のお陰で俺もバイトのシフト増やせて、飯代はどうにかなってるしな」
ユニ子「い、いえ……こ、言葉も嬉しい、れすけろ……――」
――モジモジ
ユニ子「ま、まいますたーが、良ければ……な、なれなれ……して、欲しい……れす」コクリ
ユニ子「……あぁ、今日もまいますたーのなれなれ……良かった、れす。本当は……もっと、して欲しいれすけろ……」ウットリ
バンシィ「なぁマスター。なんか白いのがお茶碗持ったまま空を仰いで固まってるんだけど、何かあったのか?」
男「何も無いから行儀良く食べろ。それと箸で人を指しちゃ駄目だぞ……一応だけど、元プラモも駄目だ」
男(毎朝御褒美みたいにユニ子の頭を撫でているが、正直言うとそれでは申し訳ない気分にもなりつつある。随分前から思ってはいたのだが。
家事を完璧にこなした末に御小遣いもなく、ただただ頭を撫でられるだけなんて、俺ならば発狂しているだろう。ブラック企業にも程がある)
バンシィ「むぅ……マスターまで黙った。良いもん……一人で納豆2パック食べてやるからなっ」
――ストンッ
バンシィ「ひぃ!? 箸が机に!? あ、危ないじゃんか白いの!もうちょっとで手に箸が刺さって――」
ユニ子「バン子……欲張る、罰れす。きちんと、一人一個……守りましょう。でないと……もう一本、いっとく……?」ギラン
バンシィ「な、納豆って一個で十分だよな!納豆ご飯サイコー!」
男(説教の為だけに箸を卓袱台に投げて突き刺すって、とてもバイオレンスな食卓だな。あまりの恐怖政治っぷりに御飯が進まない)
ユニ子「まいますたー……郵便受けに、色々、入ってました。これは……携帯れん話の、請求書に……チラシ?――おぉ……おぉぉぉぉ」キラキラ
バンシィ「ふぃぃ、やっと洗濯物干し終わったぁ。というか好い加減スマートガンを洗濯物入れにするの止めたいんだけど……ん?白いの、何見てるんだ?」
ユニ子「卵、御一人様、1パック……98円。98円……ティッシュも、とても安い……」
男(特売のチラシを見て純粋に目を輝かせているユニ子の姿に涙を禁じえない。近頃の若奥様でもこんな苦労負ってないだろう。
更にバイトの量増やそうかとも考えたけど、今ので限界だし……何か買ってあげたけどなぁ。ただユニ子達が何を欲しがるかなんて検討も付かないし)
ユニ子「まいますたー……お買い物、行きたいれす。れ来るらけ……早くに。売り切れる……前に」
男「あぁ、近所のスーパーだろ?確かに、あんまり遅いと卵が売り切れるかも知れないしな。待っててくれ、直ぐ準備してくる」
バンシィ「んじゃあたしは買い物なんて興味無いし、どうせ荷物持ちさせられるし(小声)……そこ等にいる猫達の集会に殴り込みを――」
――ガシィッ
ユニ子「ねぇネコ科ろう物……来なければ、バン子のおかず……一品、減る事になる……れす」
バンシィ「はい喜んで行かせて頂きます!」
男(バンシィが今まで聞いた事のない敬語使ってる。おかず一品削られる事は人間にとっても、プラモにとっても死活問題か)
【近所のスーパー】
ユニ子「ん、卵3パック……確保。他にも、ゴボウと……人参。あったら、唐辛子も……調味料、少なくなってるし……」
男「おぉその材料だと、もしかしてキンピラゴボウ作るのか?いやぁ、懐かしいなぁ。最後に食ったのは実家にいる時だっけか」
バンシィ「……?おい白いの、キンピラゴボウって何だ?」
ユニ子「らん性の、好きな料理……べすと2位、らしい。テレビれ、やってて……作り方、覚えたれす。
後はその……まいますたーに、喜んれ、貰えたら……と、思いまして。食べたいと……言ってましたし」
男「いや、惣菜でキンピラってあんまり買わないし……凄い嬉しい。ありがとうな、ユニ子」
ユニ子「えと……まいますたーの、為……れすから」
――モジモジ
バンシィ「おーいマスター!人参ってどれが良いやつなんだぁ~!? なんか色々種類あるけど全部同じに見えるぞー!」
男「人参の良いやつ?色が濃くて形が良くて、スベスベしてるやつだろ、多分」
ユニ子「むぅ……バン子の……けーわい」
ユニ子「まいますたー……荷物は、わたし達が……」
男「荷物運びは男の仕事って昔から決まってるんだ。それに、お前達に持たして俺だけ手ぶらだと白い目で見られそうだしな。
女の子誑かしてる、みたいな。まぁ主の顔を立てると思って、今は譲っておいてくれよ。どうせ家までなんだしさ」
バンシィ「だから、マスターをそんな風に言う奴はあたしが片っ端からデストロイするって言ってるのに……」
男(滅茶苦茶物騒だな。俺を嘲笑った奴は、バンシィに笑われながら殺されるのか。ドMが泣いて喜びそうである)
ユニ子「むぅ……まいますたーって、こういう時、頑固……れすよね。まぁ、そういうところも……――?バン子……感じましたか?」
バンシィ「あたしは感じないが……ん?スンスン――これは……あたし達と同じプラモの匂いがする。それも嗅いだことのある……二機だ」
男「は?お、おい二人とも、突然どうしたんだ?なんか毒電波でも受信したのか?」
バンシィ「白いのが近くに来た時と同じ匂いがするんだ。多分、あたし達と同じプラモデルが近くにいるんだと思うぜ。
あたしは……この匂い、会った事あるぞ。この気に食わない鼻に付く香り……赤い奴……そう、赤い奴だ!えっと……何て言ったっけ?」
ユニ子「多分……袖付き。……しなんじゅ」
??「うへへぇ~シナンジュ御姉様ぁ~!このローゼン・ズール、離れろと言われても離れませんわぁ!いえ、離れられませんの!
わたくしと御姉様の愛は、赤い糸で繋がっているのですから!という訳で、このインコムでわたくしと御姉様を一緒にぐるぐる巻きに――」
シナ「うっさい抱き付くな!インコムを伸ばすな!あ~もう、ただ買い物に来ただけなのに、どうしてこうなるのよ!
大体っ、元はといえば全裸、アンタが悪いのよ!何度もこれは留守番させておこうって提案したのに!」ゲシゲシッ
全裸「む、何度も言っているだろう。全裸、ではなくネオ・ジオンコーポレーションの首魁、フル・フロンタルだよ、シナンジュ」
シナ「うっさいわね!シャアからフル・フロンタルを抜いたみたいな残念性格の癖に!っていうかローゼン、好い加減離れなっさい!」
――ドゴォッ
ローゼン「あびゃんっ!……御姉様、ツレナイですわ。でも、足蹴にされるのも……これはこれで」ゾクゾク
全裸「ふむ、商店街という人混みの中、こうして裸の上にコート一枚だと、果てしなく開放的な気分になれる。これこそ、大人の特権だ」
シナ「二人とも本当に馬鹿!カス!しね!すぐしね!びっくりするぐらいしねぇ!」
【物陰】
男「なぁ……本当にあれが赤い彗星の、シナンジュ?それと持ち主?何か遠目で見るだけでも残念なんだけど」
ユニ子「あの紫の……ローゼン・ズールも、いるみたい……れす。そして……あの、金髪のらん性……多分、れすけろ……コートの下……何も、着ていない……れす」
シナ「もう嫌!埒が明かないわ!買い物にはわたしだけで行くから、アンタ達は先に家に帰ってて!」
全裸「しかしシナンジュ、肝心の財布はわたしが手中にあるのだよ……わたしを連れて行かなければ、目的の食材は買えない。
正にどちらも勝者となる交換条件というものだ。ふふ、シナンジュ。今、君の心から迷いと恐怖が伝わって――」
シナ「変態、財布を出しなさい」ギランッ
全裸「まさかプラモデルの少女から変態呼ばわりされるとは……しかし、何故だ。この気持ちは……怒りではなく、戸惑いでもない。
そう、まるで……幼き頃に母親に叱られた時のように甘酸っぱい感覚だ。――有り金全て出そう。フルと呼び捨てにし、わたしの母親となってくれ」
ローゼン「あら、フロンタル様は母親希望ですの?ならばわたくしは……ぐへへ、理想の女王様に……っ!」
シナ「もう一度しか言わないから良く聞きなさい!さっさと、財布を、渡しなさいっ!」
――ガチャリッ
全裸「シナンジュマミー……往来のど真ん中で持ち主にビームライフルを構えるのは、如何な物かと」
シナ「往来のど真ん中でコート一枚だけの露出狂にだけは言われたくないわね」
ローゼン「わ、わたくしにはグレネードですわよ……あぁ、この御姉様のぶっといので撃たれたら……わたくしは……!
ふへへ、どんなにエクスタシーを感じるのでしょう!さぁ御姉様、この卑しい豚めの顔面にそのグレネードを!」
全裸「わたしは確実に死んでしまうのだが……いや、シナンジュマミーに殺されるのなら本望か。
さぁ撃つがいい息子を叱る母のような目をしながら、フロンタルと切なく呟きながら!わたしを撃つが良い――む?」
ローゼン「あら?……御姉様!? 御姉様は何処にっ!?」キョロキョロ
シナ「バカには付き合わないに限るわね。さてと、とっとと買い物済ませてきちゃお」
全裸「ふむ、ローゼン・ズールまでシナンジュを探しに行ってしまったか。さて……そこでわたしを監視している者達は、何者かね。
随分と前から視線を感じていたが……もしや照れ屋な客人なのかな。ならば、わたしから出向こうか」
男「おいおい、俺達の尾行モロばれてるじゃねぇか!どうするんだよ、ストーカーって言われて警察とか呼ばれたら!
お前等元プラモとか意味不明な身分だし、身元証明とか出来ないんだぞ!? しかもお前等を匿ってる容疑で俺まで捕まって芋づる式だ!」
ユニ子「まいますたー……まいますたー。落ち着いて……あの人、もう一ろ……見てみて」
男「は!? 馬鹿お前さっさと逃げないと警察にご厄介に――……は?」
バンシィ「…………?なぁ、あのおっちゃん、誰に向かって言ってるんだ?」
ユニ子「見当違いの、ゴミ箱に、向かって……話し掛けてる。ただ、わたし達の、尾行自体には……気るいてる、みたい。
ろうしますか、ますたー?接触を、試みても……良いと、判らんしますが。有益な、情報を……持っている、かも」
男「え"……あれと話さなきゃいけないのか?」
バンシィ「あたしも、あれと話すのは嫌なんだけど。話さなきゃ駄目なのか?」
ユニ子「いえ……わたしも、いやれすけろ……死ぬほろ……嫌れすけろ。プラモのこと……聞いた方が、良いかと。
あ、ゴミ箱に……頭つっこんれ……何か叫んれる……れす。もっと、悲惨な事になる前に、早く……話し掛け、ましょう」
「最初はグー、ジャンケン――」
ユニ子「もし……もし。そこの、ゴミ箱に……頭を、突っ込んれいる方」
全裸「ん?おぉ、わたしに話しかけて来る麗しい声……少し待っていて欲しい。このゴミ箱は普通じゃないのでな。
出る事に苦労しそうだ。それと誤解しないで欲しい。これはファッションのようなものでな。プロパガンダと言ってもいい」ガタガタ
――ガサゴソ
ユニ子「ネオ・ジオンの、人達に……ぶっ殺されそうな、ぷろぱがんら……れすね」
ユニ子(くっ……あの時、ぐーを……らしていれば……バン子が、罰げーむらったのに……)ワナワナ
※ユニ子さんの……何々がんらむ勉強。
がんらむれは、よく、ぷろぱがんら……プロパガンダという言葉が、出てきます……ね。
この『プロパガンダ』とは、「政治的意図をもって主義や思想を広めるための宣伝」……らそうれす。
つまり、広告塔……という事れしょうか?良い、御勉強に……なりました。 ピンポンパンポーン
男「ジャンケンで負けた奴が話しに行くって、もはや罰ゲーム扱いだよな。いやー負けないで良かった」
バンシィ「あたしもあれとは話したくなかったしな。いやーチョキ出しておいて良かった」
――スポンッ
全裸「いや、済まないな。まさか君のような見目麗しい女性に助けを求めてしまうとは」パンパン
ユニ子「いえ……助けないと、ずっと……あのままらと、思うのれ……」ボソボソ
全裸「しかし旅先でこんな目に遭ってしまい、私もよくよく運のない男だと思っていたが……どうやら違うらしい。
まさか君のような白肌の女性に会えるとはな。驚いたぞ……!」キランッ
――ゾワゾワ
ユニ子(なんれしょう……微笑まれて、いるのに……こう、鳥はらが。しかも……胸の辺りに、不愉快な、視線を感じる……れす。
しかも、不思議な仮面を付けて……頭に、バナナの皮が……。妙に格好付けてるのれ……言うのが、躊躇われます)
全裸「しかし、君は……ふむ。わたしはフル・フロンタルという。白肌の女性よ、君の名は何と?」
ユニ子「……ゆにこーん、れす。貴方の、所有する……しなんじゅ達と、同じ……元、ぷらもれる」
全裸「ほう、シナンジュやローゼン・ズールも人型を取ったが……まさか、あの白い一角獣が儚げな少女になっているとはな」
ユニ子「あの二体は……貴方の、ぷらも……れすか?」
全裸「あぁ、二人共、紛れも無くわたしのプラモデルだ。日本から取り寄せた物を組み立てた翌日に人型を取ってな。
『日本の萌え文化の進歩は化け物か!』と驚いたぞ。それこそ、着ていた衣服を即座に脱ぎ捨ててしまう程にな」キリッ
ユニ子(そこれ、決め顔をする意味が……全く、分からないの、れすが。脱いれやったぜ……みたいな、感覚れしょうか)
ユニ子「という事は、貴方は……ぷらものこと、あまり詳しく……ないのれすね」
全裸「わたしは、そのプラモデルの事を調べる為に来日したと言っても過言ではない。何故わたしの物が人型を取ったか、とな。
しかし来日してから一ヶ月経過しようとも、一向に進展がない――そう思っていた時に、君が現れた」
――キランッ
ユニ子「あの……そろそろ、胸を、凝視するの……止めて、いたらきたい、のれすが……」
全裸「あいや済まない。淑女を凝視するのは、紳士としては失礼だとは思ったが……少々惜しいと思ってな。
胸部の慎ましい発育具合は申し分ないのだが……幼いというのには育ち過ぎている。しかし母と認めるには幼い。
これがどちらかに傾いていれば、薔薇の花束を手に馳せ参じたのだが……惜しかったな」
――ブチィィィィィィィ
――――ガチャリッ
ユニ子「びーむまぐなむは……威力がありすりるから……っ!」
男(あの温和なユニ子が初めて本気でキレた!? というかビームマグナム初めて見たんですけど!?)
男「待て待てユニ子!小さくなってどんな威力かは知らないけども、流石にこの往来でビームマグナムぶっ放すのは駄目だって!
今の会話見てたら心底腹立つのは分かるけども!この仮面のオジサン死ぬから、一旦納めてくれ!無駄な殺生は何も生まないぞ!」
全裸「っ!君の闘志は称えさせて貰うが、逃げるんだ少年っ!その子は普通じゃない!」
ユニ子「~~~~~~~ッ!!」ブチリッ
【NT-D】
Dユニ子「貴方がそれを言いますか!ド変態ロリコンマザコン仮面!まいますたー退いて下さい!その変態の頭撃ち抜けない!」ガチャリッ
男「すまんバンシィ!そのユニ子押さえといてくれ!」
バンシィ「ひぃっ!? あばばばばばば、ど、どうするんだマスター!? この状態の白いのとか、通常時で押さえ付けられる気がしないぞ!」
全裸「まさか一日に二度も女性に銃口を向けられるとはな。ふっ、わたしも罪作りな男と言う訳か」ドヤァ
男「アンタはもう黙れ!」
Dユニ子「人が気にしてる事ばっかり言う露出狂に、ビームマグナムの鉄槌をぉぉぉ~!」ブンブン
Dユニ子「……ふんっ」ムスゥ
男(未だにビームライフルやビームガトリング、ビームサーベルは装備したままだが、何とか落ち着かせる事に成功した。
もし失敗していたら、民家毎変態や俺達が吹き飛んでいた事だろう。ここを戦場にしてはいけない)
バンシィ「暴れてた白いののビームマグナムの銃口がこっちに向いた時には、あ、死んだ、って思ったぜ……」ガクブル
全裸「わたしも争いの際に何時の間にかコートのボタン全てが外れてしまったが、何、真っ裸でもどうという事はない」
――パオーン
男「貴方はさっさとコートの前を閉じて下さい。警察呼んで海外に送り返しますよ」
バンシィ「おいマスター……あのおっちゃんに何があったんだ?目隠しされたら何も見えないぞぉ……」
Dユニ子「慎ましいって言われた……それにしては成長し過ぎって言われた。どうせわたしは中途半端ですよ、慎ましいですよぉ。
自分で外見のカスタマイズが出来れば、わたしだって……わたしだってバンシィみたいに……」ブツブツ
久々に書き直してる最中、他の方のSSを拝見してたら、やっぱり>>1のレスって横に長過ぎるんですね。普通の人は縦に長いというのに。
何だか台詞が短いと寂しい気がしてまして……はい、凝り性の末路です。見易い文にしたいと心掛けてはいるのですが、如何ともし難い。
あと何かEXVSMBでラスボスのエクガンでガクトさんが降ろされて闇セシアちゃんが乗ってましたね。なんかもう良くわからん。
多分エクガン出すなら、ゼノン、エクリプス、アイオスが三重人格みたいに出現する事を考えていましたが、なんかVSフォームまで出てきたし……。
それでは今日はこれで。おやすみなさい。
何時の間にかレス数が100になってましたね。まぁ前回と同じで、別に100レス行っても何も出来ないのですが。
というか目ぼしいイベント全部通り過ぎちゃいましたしねぇ。バレタインもホワイトデーもなぁ。とりあえず、今日も始めさせて頂きます。
Dユニ子「まいますたー。失礼ですが、先に家へ戻っています。この変態の顔を見ていると、自然とビームトンファーを構えてしまう
ので」
全裸「褒め言葉として受け取っておこう」ドヤァ
――ブチィィィィィ ガチャリッ
Dユニ子「わたし用のアタッチメントではないですが、ビームガトリングを使用しま――」
――バッ
Dユニ子「バン子、何故武器を取り上げるのです!もう少しでこの変態を穴だらけに出来たのに!」
バンシィ「ぜぇ……はぁ……ビームマグナムとかハイパーバズーカを取り上げても、次から次に武器が出て来る……!」
Dユニ子「他にも、人を殺傷出来る武装が今現在六つほどあります。塵一つ残さず吹き飛ばす武器は取られてしまいましたが。
盾で殴るという選択肢もありますけど……ゴキブリ並みにしぶとそうですし、無意味でしょうね。やはりトンファーで――」
男「バンシィ……ユニ子がフロンタルさんに防御(鈍器)をする前に、一緒に帰って置いてくれ」
バンシィ「分かった、マスター!ほら白いの、マスターの命令だ!さっさと家に帰っておくぞ!」
Dユニ子「離しなさいバン子!ぐぅぅぅぅ……この恨み、晴らさでおくべきかぁぁぁぁ……」
――ズルズル
男(さてどうするか。正直、この人がプラモデルの擬人化した理由を知らないなら、今直ぐにでもこの場から立ち去りたい。
だけど何故か彼の目線は俺に向いてる。意味不明な硬直状態だ。コート一枚の露出狂と青い空の下で二人っきりとか、何の罰ゲームだろうか)
全裸「…………」
男「……………………」
全裸「――…………わたしをシャアと呼びたいのなら、そう呼んでくれても構わんよ」キリッ
男「言ってる意味が全く分かりません。とりあえず警察に連絡しても構わないでしょうか」
全裸「ふむ……君には親愛を込めて、そう呼んで欲しいのだがね。少年、わたしは久々に感動していたのだよ。
一角獣の、ワンピースに白ストッキングという、正に清純な組み合わせ。とても素晴らしい物を見させて貰った。
残念な事に、わたしのプラモデルは衣装を買え与えても全く着用してくれなくてね。まったく羨ましい限りだ」
男(おい、ガンダムU.Cに出てたフル・フロンタルの物真似してる人にしては、大分アレじゃないか。似てるのは外見と口調のみか。
シャアからフロンタル分を引いたような性格と言われていたが、確かにまんまだな。早く回れ右して帰りたい)
シナ「はぁ……わたしがちょっと買い物に行ってた間に、何バカやってるのよ。全裸、その人困ってるから、さっさと離れてあげなさい」
シナ「まったく……ちょっと前に女の人に声掛けて、警察に職質されたばっかりじゃない。まだ懲りてなかったの?」
全裸「あの女性には、ただ道を尋ねただけだったのだがな。日本人の総意が、この私の服装を否定すると言うのか……」
シナ「だったら好い加減コートの下に何か着なさいよ。靴下も履かないから脛が露出してるし……って、これ言うの何回目かすら分からないわ。
ほら貴方も、これ以上こいつと話していても馬鹿が移るだけよ。早く行った方が良いんじゃない?」
男(……そうだな。これ以上プラモの事について聞ける事もないし、ユニ子達も待ってるだろうし)
男「あ、あぁ。じゃぁ俺はこれで……」ソソクサ
シナ「わたしの持ち主が迷惑掛けて悪かったわね。それじゃまた会いましょ、ユニコーンの持ち主さん」
全裸「君とはまた、女性の理想の服装について語り明かしたいものだ」
男「へ?お、おいちょっと待ってくれ。何で君は俺がユニコーンの持ち主だって知って――って、もういないし……」
シナ「運良く安売りの卵も買えたし、前々から全裸が食べてみたいって言ってた納豆とか豆腐も買えたわよ」
全裸「あまり金銭の心配はせずとも良い、そういった筈だが……まぁ日本の生み出した納豆や豆腐を味わえるのは嬉しいな。
蕎麦やうどんも美味だった……やはり日本の食文化は良い。栄養補給と割り切っていた食事が、まさか癒やしになるとは」
――ゴソゴソ
シナ「それと……ん、はいこれ。おまけで貰ったコロッケ。そういえば全裸、ユニコーンの持ち主はどうだった?」
全裸「ふむ、彼とは良い話が出来そうだ。一角獣の服装も良い物だったが、少しだけ見たバンシィの服装も素晴らしい。
バンシィの方は、豊満なスタイルで……良い母となってくれそうだった。若干口調が荒っぽかったがな」サクッ
シナ「アンタの趣味とか好みのタイプなんて聞いてないのよ、バカ!あの彼が、ユニコーン達に酷い事してないか確かめたんでしょ!
はぁ……ま、実物見る限りそんな事しそうには見えなかったけど」
全裸「心配せずとも、二体共十分主人を慕っていたよ。はむ……うむ、こうして歩きながら食べるコロッケは美味いな」
シナ「そう、それは良かったわ。……はぁ。ほら、急いで食べるから……食べかす、付いてるわよ」
――フキフキ
全裸「むっ、済まないな。しかし流石はシナンジュマミー、わたしの母となる女性だ。細かい場所にも気遣いが行き届いている」
シナ「マミー言うな!まったく……世話が焼けるわね、わたしの主人は」
ローゼン「御姉様ー!フロンタル様ー!何所ですのー!? あぁ、でもこれも御姉様からの放置プレイと思えば……あぁんっ」ビクンビクン
【自宅】
ユニ子「あ、まいますたー……お帰り、なさい、れす。仮面の人の、対処……お疲れ様、れした」
男「あぁ、ただいまユニ子。はぁ……今日はバイト一個も入ってなかったのに、どうしてこんなに疲れてるんだ俺は」
ユニ子「ごめん、なさいれす……。まさか、わたしのNT-Dも……感情の、昂ぶりれ……発生、するとは……思わなかった。
人型に、なってから……少しらけ、システムに……変更が、あったみたい、れす。わたしが、もっと我慢してれば……」
男「いやまぁ、あんな事言われたら誰だって怒るとは思うしなぁ。正当防衛っていうか……不可抗力ってやつだろ。
それよりユニ子、気になる事があるんだが……あそこに転がってるバンシィはどうしたんだ?なんか頭から蒸気出してるけど」
――シュゥゥゥゥゥゥゥ
バンシィ「う、うぅ……し、白いのがぁ……両手に盾持って、襲って来るぅ……きゅぅ」チーン
ユニ子「あ……さ、さぁ?ろうしたの、れしょうね……多分、転んらのれは……ないれしょうか」
ユニ子(まさか、れすとろいもーろの時に……腹いせに、盾れ叩いた……なんて、絶対に言えない……バン子、南無南無)
ユニ子「あ……えぷろんの、結び目……ちょっと、ほろけちゃった、みたい……」
――シュルシュル キュッ
ユニ子「ん……良し。角膜に、メニュー……展開。えと……先ずは、ゴマ油を敷いて……温めてから……ゴボウと、人参を……炒める」ブフォン
――ジュゥゥゥゥ
ユニ子「砂糖の、代わりに……蜂蜜を、入れる。ここれ……下手に、手を、加えないように……する」
男(ユニ子って料理中の独り言多いよな。本人は手順を確かめる為って言ってるけど、そういう人もいるのか。
いや、ユニ子は厳密には人ではないけれども。なんか瞳にパソコンのウインドウみたいなの開いてるけども)
ユニ子「醤油と……みりんを、入れて……水分が、無くなるまれ……煮含める……と。ん、メニューが見えると……便利。
上手に、れきた。次は……安く買えた、鶏肉れ……からあげを……――?まいますたー……ろうか、したれすか?」
男(うわ、ばれてた。というか物音立ててないのに背後からの視線に気付くとは、ニュータイプか。もしくは全方位モニターの力か)
男「いや……ユニ子の料理してる姿、なんか良いなぁって思って……見てちゃ駄目か?」
ユニ子「あ……そ、そう言って……いたらけるのは……嬉しい、れすけろ……じっと見られてるのは……恥ずかしい、れす」
バンシィ「いたたぁ……なんか昨日と同じみたいに途中からの記憶が無いぞ……。白いの連れて、家に帰ったまでは覚えてるんだけどなぁ」
ユニ子「忘れるなら……あまり重要れは、なかったと……言う事。ほら、バン子……ら汁巻き卵……一個、多くしておいた……れす」
バンシィ「へ?な、なんか白いのが優しくして来ると気味が悪いんだけど……何か変な物食べたか?」
ユニ子「ほほう……要らないと、言うのれすね」
バンシィ「い、いやそうは言ってない!いるから取り上げようとすんな!」
男(しかしそうか。俺の所以外にも擬人化したプラモデルはいたんだな。俺と同じ二人……それも同じ作品のプラモ。
もしかしたらシナンジュやローゼン・ズール以外にも擬人化したプラモがいるかも知れないな……何せもう4人も擬人化したプラモを見た訳だし)
男「はむっ、お……このキンピラゴボウ美味いな。なんか懐かしい感じがする」
――ナデリナデリ
ユニ子「んぅ……ま、まいますたーに……喜んれ、いたらけたなら……良かった、れす」
バンシィ「マスターの撫で撫で……良いなぁ。でも今されると、何時の間にか出来てたタンコブに当たって痛いだろうし……。
良いもん良いもん。あたしは御飯が美味しければ……むぅぅ。がぅがぅ……」ガツガツ
男「あ、そうだ。バンシィもありがとうな。ユニ子を連れて帰ってきてくれて。あのままだと大惨事だったよ」
――サスリサスリ
バンシィ「ぴぃっ!? ま、マスター……ほ、頬を撫でるのは、流石にあたしでも……っ!」
男「頭撫でるのはタンコブ出来てたし痛いんだろ?もしかして頬撫でられるのは嫌か?」
バンシィ「むぅ……気持ち良いし……嬉しいけど……恥ずかしい」
LIVE映像
リポーター『さて、2位まで発表されたアイドル大賞!いよいよ1位のグランプリに選ばれた、栄えあるベストアイドルは残り10人の中から選ばれる事になります!
ではわたくし、リポーターが短期間で急激に人気を上昇させたアイドル、ツバサさんの楽屋へ突撃インタビューをしたいと思います!』
――ガチャリッ
リポーター『ツバサさん!突然ですがグランプリの最有力候補と言われている件について一言――』
??『俺にはハッキリ見える……ゼロを脅かす敵が。障害は……取り除く』ガチャ
リポーター『ひぃっ!? え?えぇ!? あ、あの何でわたし羽交い締めで銃を向けられてるんですか!? お、玩具ですよねそれ!?』
??『いきなりノックも無しでゼロの楽屋に飛び込んで来たんだ。危険物を所持しているだろう?そのマイクにナイフでも仕込んでいるのか?
残念だったな、侵入者。ゼロは既に俺がステージに向かわせた。プロデューサーとして、当然の仕事だ。さぁ、お前の目的を話して貰――』
――少々お待ち下さい――
男「な、何だこの番組は……というか結局アイドルのツバサって子には全くインタビュー出来てないし」
ユニ子「まいますたー。お風呂、溜まってるのれ……お先にろうぞ」
ツバサ『わたくしのような若輩者が作った拙い歌が評価され、こんな栄えある賞を頂けて、とても嬉しく思いますわ。
え……?あ、この羽は……そ、そう、わたくしの歌を印象付けようとした装飾ですの。と、とにかく……これからも、アイドルツバサを宜しくお願いします』
紛らわしいと思いますので一応補足を。出てきたプロデューサーがゼロと呼んでいるアイドルは、ツバサです。紛らわしくて申し訳ありません。
それでは今日はこれで。おやすみなさい。
それでは今日も始めさせて頂きます。
それと一応コメ返しを。SEED勢は今のところ予定はないです。ただ大半がMGで出ているので、ちょっと組んではみますが。
キュベレイは……一応ZZ枠なんですかね。ただキャラが被る奴らが多くて検討中です。
ASTRAY組というと赤枠、青枠、金枠の三体でしょうか?熱血漢と冷静と高飛車とか良いコンビですね。
それでは、始めます。
【朝】
――ジリリリリリリッ パチンッ
男「ふぁぁぁぁ……ねむ。お……なんだ、今日は布団の中にどっちもいないんだな。――いや、決して残念とかじゃないぞ」
ユニ子「バン子……御鍋、噴いてるから……早く、止めて。あと……卵を割る時は、殻が入らないように。焼き過ぎにも、注意して……直ぐ焦げるから。
それと、茹れたほうれん草の……水切り。茹れ過ぎると……しなびる、から……早めに。直ぐに……すり胡麻と、合わせるから」
バンシィ「あ、あばばばば、忙し過ぎるだろ!? というか、何であたし一人だけの作業なんだ!? 白いのも手伝いながら教えられるだろ!」
ユニ子「料理、教えてって、言ったのは……バン子。口答え、しない。それと、その御玉の、味噌……お玉に、山盛りは……明らかに、救い過ぎ。
それと、味噌は……そのまま投入しちゃ、らめ。お玉に乗せて、お鍋に入れて……菜箸で、少しずつ溶かすの。わかった?」
バンシィ「えぐえぐぅ……まるで小姑だぁ」
男(少し前まで一人暮らしだったのに、あいつ等の賑やかさに慣れてるな。もはや台所は元プラモ達の聖域になってるし……少し前は俺があそこに立ってたんだけど。
今では調味料とか調理道具が何所に仕舞ってあるかさえ分からん。台所は女性の戦処なんて言葉もあるくらいだし……)
――キミノスガタハ~ボクニィニテイルゥ~
男「あれ、携帯が……こんな朝っぱらから電話掛けてくるとか、何所のどいつだ――」
【友=カジマ】
男「なんだ友の奴か。珍しいな、機械音痴のあいつが電話掛けてくるなんて……はい、もしもし」
友『――やっと出たか。まさかお前がこんな時間まで寝てるとはな。三度ほど掛け直してしまった』
男「こんな時間って……今夏休みだし、まだ朝の八時だぞ。お前の五時起床と一緒にして貰っちゃ困る。軍人かモルモットか己は」
友『自分でも早起きだとは思うが、もはや体に染み付いているものでな……って、そんな事よりだ。少しお前に相談したい事があって電話をしたんだ。
一応通っている剣道の師範にも電話をしたのだが全く出なくてな。取り敢えず今から男の部屋に出向こうと思ってるんだが』
男「更に珍しいな……友が俺に相談事って。それで、何なんだ?」
友『俺も少し混乱していて、整理出来ていないんだが……実はだな――』
??『ゆぅ……アイス、無くなった。新しいの無いの?」
友『む、近くにコンビニがあるから、そこで買ってやる。今話をしているから大人しくしていろ。それでだな男――』
男「爆発しろ」
――プツッ ツーツー
男(なんだ彼女が出来た事の自慢か。あまりにも腹が煮えくり返って切ってしまったが、こんな事なら電話に出なけりゃ良かった。
朝っぱらから憂鬱過ぎる。あの強面な友に彼女って……俺には全然出会いも何も無いのに。何だろう、この格差を見せ付けられた感じは。
ユニ子やバンシィもいるけどさ……あいつ等は元々プラモデルなんだぜ?何だ、同じ人間なのに、この格差社会は)
バンシィ「ほうれん草は胡麻で和えた……!えっとぉ、次は焼いてた魚を引っくり返して――うわっ!? 煙が目にぃ!げほっ、げほっ!」
ユニ子「……卵焼きは、焼き過ぎ……味噌汁は、やっぱり、濃過ぎ……ほうれん草の和物は……ぐちゃぐちゃ」
バンシィ「…………」プルプル
ユニ子「ん……須らく、らめれすけろ……れも、初めてにしては……上れき――」
――ブチィィィ
バンシィ「……うがぁぁぁ~マスターの為にやってるけど、面倒臭過ぎるんだよ!こんなの全然っあたしに合ってねぇ!」
【NT-D】
Dバンシィ「ふんっ、このような下流の使用人がこなす雑用、吾がする事自体が間違いなのじゃ。我々は元々戦闘用、戦う事こそ存在意義。
調理や掃除、選択のような雑務のスキル等必要にはならぬ。それこそ吾にとっては無駄の極み!骨付き肉の骨のような物じゃ!
じゃ、か、ら……吾はマスターを優しく起こしてくるのじゃ♪白いの、後の雑用は任せたからの!」
――バキリッ メキメキッ
ユニ子「あ……知らぬ間に、菜箸が……。しかし、ちょっとれも……あれを、褒めようとした……わたしが……馬鹿れした」ワナワナ
【NT-D】
Dバンシィ「マスター、おはようなのじゃ!もう起きておるかのぅ?」バンッ
男「おう、おはようバンシ……いっ!? お、お前、何でデストロイモードになってるんだ!? ユニ子の手伝いしてた筈だろ!」
――ダダダッ ダキッ
Dバンシィ「あんな面倒な事、百獣の王たる吾がしていられぬのじゃ!白いのが喜んでやっておるのじゃから、白いのにやらせておけば良い!
雑用等しなくとも、吾は吾でマスターに甘える事が出来るしのぅ!さぁ思う存分吾を撫でるが良いぞ!」ドヤァ
――スリスリ
男「抱き付かれながら決め顔されてもなぁ。ほら、撫でたりするのは手伝いをしたら、だろ?」
Dバンシィ「なんじゃマスター、吾に抱き付かれて嬉しくは無いのか?……ほれほれぇ」ムニュゥ
男「いや嬉しいけど、それとこれとは話が別というか!それにほら!さっさと離れないとユニ子から何かされる――」
――ヒュンヒュンヒュン ドゴォッ
Dバンシィ「あぅ!? い、痛いのじゃぁ……背後から不意打ちとは、随分粋な事をするのぅ白いの――ひぃ!?」
Dユニ子「自分から申し出た事すらせずに、まいますたーに好き勝手するから、こうなるんですよぉ猫科動物!
朝御飯の支度はしましたから、せめて手伝うくらいしなさいってんですよ!あ、まいますたーは台所に来て下さいね!」
Dバンシィ「うにゃぁぁぁ~~!マスタ~!」
――ズリズリズリ
Dバンシィ「うぅぅ……何故吾が、こんな雑用をせねばならん。吾は黒獅子……百獣の王ぞ。もっと敬まわれるべきなのじゃ」
Dユニ子「ライオンだって自分の食事くらい自分で狩ってます!さぁキビキビ運んで下さい!ご飯が冷めちゃいますよ!」
Dバンシィ「こんな事なら、【NT-D】を発動する事は無かったのぅ。意思で通常モードにも出来ぬし、普段以上に疲れるのじゃぁ……。
こうして何かしているだけでも体力を消耗するし……あー切り換え可能な仕様にしておいて欲しかったのぅ」
Dユニ子「まったくですよ!バン子に釣られてわたしまでデストロイモードになっちゃいましたし!」
Dバンシィ「引き寄せられるのは元々じゃろう。それよりも不思議なのは、吾等が感情で【NT-D】を発動させてしまう現在の設定じゃ。
【NT-D】は本来ニュータイプを感知して発動する物じゃろう。もしや吾の感情と一緒に何かが発せられておるのか……。
どちらにせよ、普段の吾は難しい事を考える自体が苦手じゃ。デストロイモードになってからでは遅いしのぅ」
Dユニ子「足りない頭で考察してる前にさっさと料理を運ぶ!ほら、まだ二品しか運んでないですよ!」
Dバンシィ「シリアスな空気にする事すら許されぬという事か……わぅわぅ……」
Dユニ子「わぅって……バン子、貴方は猫科でしょう」
Dユニ子「さてと、バン子は御茶の用意してて下さいね。わたしは洗い物しておきますから――あっ、サボっちゃ駄目ですよ!」
Dバンシィ「わかっておるわ!むぅ……しかし手料理、存外難しい物じゃのぅ。一生懸命全うしたが、あれでは駄目なんだか。
やはり雑務類は面倒なだけじゃな。好き好んでする者の気持ちが全く分からぬ……なぁ白いのよ」
Dユニ子「文句ばっかり漏らしてると、もっと上手くなりませんよ。それに趣味と同じで、意識して好きになる物でもないですし。
まぁ強いて言うなら……うん、自分の作った料理でまいますたーが喜んれくれたら……バン子にもわかると思いますよ」
Dバンシィ「マスターの喜ぶ顔、か……そんなものかのぅ」
Dユニ子「別に深くないし、そんなものですよ。ほらバン子、まいますたーが待ち草臥れちゃうから――」
Dバンシィ「――待て……白いの、静かにするのじゃ。くんくん……何かが物凄い速さで近付いてきおるぞ」
――ドゴシャーンッ
??『EXAMsystemStandby。ニュータイプの反応を確認。排除を開始します』
男『うぉぉぉぉぉ!? いきなり何なんだお前!? っていうか突き破られて、俺の家のドアが!ドアが!』
※
ユニ子「ユニ子さんの……なぜなに、がんらむこーなー……ぱちぱち。たいとる、変わってるのは……気にしない。
今日は、少し延長して……わたし達の、使用する……【えぬてぃーりぃー】と……【いぐざむ】の違いを、説明する……れす。
分かってるぜ、という方は……次の、本編まで……飛ばして、いたらけると……幸いれす」
Dユニ子「と、言う訳でここからはわたし、Dユニ子ことデストロイユニ子が話させて頂きます!何故NT-Dをしたかって?話し易いからですよ、えぇ」
【NT-DとEXAMの違いって?】
Dユニ子「一応説明しておきますが【EXAM】とは、examination system。
これの頭文字四つを取り、EXAMsystemと呼称されています。
一方【NT-D】はニュータイプ・デストロイヤー……呼称は違いますが、どちらもニュータイプの駆除、殲滅を目的としているのです。
ではこの二つの、最も違う点から述べておきましょう」
【EXAM=普通の人間(オールドタイプ)の搭乗を前提。発動した後にパイロットの意識は無関係に、OSが自動でニュータイプの殲滅に掛かる】
【NT-D=ニュータイプや人工的に強化された人間が搭乗。発動した際、パイロットの意識は保たれたまま、自由操作が可能】
Dユニ子「どちらも発動すると機体に搭乗しているパイロットへ負荷が掛かります。それこそ、死に至るほど。
EXAMはそうですが、ガンダムUCも漫画版ハイデシネ一巻でわたしに搭乗したテストパイロットが、他のパイロットにちょっかいを出され、
それが引き金となりNT-Dが発動し……他のパイロットを殺して、自身もコマンドに耐え切れず死亡しています」
Dユニ子「ちなみにEXAMはOSがニュータイプの真似を無理矢理実行します。与えられるGは普通に操縦するパイロットの何倍になるのか……。
そしてEXAMはニュータイプの繊細さもコピーしています。死者が戦場で多数発生すると、その死者を出した相手の敵意を感じ、
決して相手がニュータイプでなくても、殺すまで暴れ回るという……何事も完璧とはいかない訳ですよ」
――【NT-D解除】
ユニ子「あ……もろった。じゃ……今日は、ここまれ……れす」
イフリートは……どうでしょうか。格好良いですが、キャラ的に乱暴者なんで……乗ってる人は顎ですし。
一応まだ枠的に余裕はありますので、出すプラモもちょこちょこ考えていこうかなと思っています。折角Wも出た訳ですから。
それでは今日はこれで。
それでは今日も始めさせて頂きます。昨日くらいにアーマーガールズのユニコーンが届き、テンションがちょい上がっています。
緑枠ってMGは普通に出てるんですね。持っている武装の違いくらいしか見受けられないのですが……性格決め辛くて、緑枠はちょっと……。
ミラージュは個人的にカブトの時よりも一個前の狐の面被ってる方が好きですね。カブトだと完全にMAになりますし。
眼光とは、こういう物を言うのだろう。血よりも赤い鈍い光を灯した瞳が、黄金の鬣を携えた獅子を睨み付ける。
Dバンシィ「ほう、王たる吾に牙を向く愚か者とは……阿呆過ぎて、逆に面白いのぅ。この爪の磨ぎ物にしてくれようか」
強固な物同士で鍔迫り合う耳障りな音が、狭い室内に響き渡る。一方は青い装甲の拳。一方は金色に輝く爪。
只でさえ玄関扉が真っ二つと惨状になっているのに、これ以上器物が破損されては堪らん――と、本来なら本気で止めに入るのだが。
男「今あれに介入したら、今度は俺の胴体が真っ二つになりそうだな……」
青い装甲の残像が残る程の殴打の猛襲を、バンシィは爪で火花を散らしながら弾き、受け切れない物を手で捌く。それも、口元に笑みを浮かべたまま。
簡単に言ってるけども、残像って生で始めて見た。アニメや漫画でなら星の数ほど観てるんだけども。
Dユニ子「見た限りですが、相手は暴走状態と言っても過言じゃないですね。本当なら力尽くで止めたいんですけど、下手に介入すると更に大惨事になりそうで……」
想像通りの結論を述べるユニ子の素直さに涙が出そうだ。常識的に言うと、介入せずとも既に大惨事とも取れるが。
卓袱台は引っ繰り返り、棚から落下したプラモを飾っていた台座や写真立て。大きな地震が通過したか、空き巣にでも入られたレベルである。
しかし惨状を引き起こした当の本人達は何所吹く風のように、大立ち回りで戦闘続行中。誰か男の人呼んで。
Dバンシィ「ふっ!ソナタ、中々面白い読みをするのぅ。まるで未来さえ見えているような……そう、ニュータイプのようじゃ」
??「――……ニュータイプは……殲滅する」ブウォン
機敏な動作で悉く攻撃を躱し、隙を見付けて厭らしく拳や蹴りを潜り込ませる侵入者。確かに攻撃の手を予測しているかのような動きだ。
しかしバンシィが今迄防御のみに使用していた大爪を、軽く壁を削りながら振るうと、青い装甲を着込んだ少女は体を捻りながら跳躍。
紙一重で回避した爪へ防御したバンシィが仰け反るほどの威力を乗せた蹴りを入れ、踏み台にする。
明らかに重量過多なアーマーを着用したまま跳び上がるだけでも離れ業。だが、あろう事か天井を蹴ると、勢いを乗せバンシィへ突撃。
??「ニュータイプは……殺す」
振り被られた拳。それが青い残像を残しながら、一切ぶれずに敵の顔面へ向けて放たれる。人の視野では捕らえ切れない速度の殴打。
バンシィは仰け反った不利な体勢で首を横へ傾け、正に間一髪で躱す。だが衝撃波が髪を揺らし、首元に巻かれた金色のマフラーを吹き飛ばした。
男「俺さ、残像も衝撃波も始めて見たわ。モビルスーツってこんなのが普通なのか」
Dユニ子「元プラモですけど、モビルスーツ時の力は少し残ってますからね。人の大きさなら、これくらいの速度が出るんですよ」
バンシィが体勢を立て直し反撃するよりも速く、少女はバンシィの体を足蹴にし、転がりながら爪の範囲から離脱。
そして転がった後、即座に膝立ちの体勢へと持ち直す。その上右手には、丸腰の何所から取り出したのか無骨な銃を構えていた。
既にサイトを覗き込み、赤い点の照準がバンシィの額にチラついている。
少女の赤い瞳が目標を完全に捉え、一つの挙動すら見逃すまいと照準の先のバンシィを見据えている。
Dバンシィ「わ、吾自慢の布が……っ!……雑兵がっ、吾を舐めるでないぞ!」
バンシィの顔全体を覆い隠すように、黄金の爪を付けた平手が広がる。その姿はまるで、獲物を一口で喰らう獅子の口。
額を狙っていた赤い点と銃口は巨大な手に阻まれ、確信していた勝利が壁の向こうへ消えた。予期していなかったのか青い少女の顔が動揺に染まる。
??「……っ!……撃つ!」
焦りを感じたのか、威嚇無しに発砲される機関銃。数え切れない弾丸が銃口から放たれ、黒い手へと向かう。
Dバンシィ「久々の戦闘じゃから、鬱憤晴らしついでに遊んでやったが……まさか吾自慢のマフラーを討たれるとはのぅ。
貴様は玩具としては……些かやり過ぎた。さぁて、青いのよ、吾の牙でバラバラに噛み砕かれる覚悟は、出来ておるか?」
銃弾は黒い手甲を撃ち抜く事もなく、かといって弾かれる事も無く――恐怖を感じる音と共に、文字通り一瞬で握り潰される。
握った拳が開かれ、小銭状に平らにされた無数の銃弾が、辺りに散らばった。
??「実弾が駄目なら……ビームサーベルで……」
彼女はそう言いながら、脚部のアーマーに手を当てる。すると側面の装甲が開閉し、内部に小型で装甲と同色の無骨な棒が収納されていた。
器用に棒を手の内で回転させると、彼女は逆手でそれを構える。棒の先端から現れたのは、ピンク色の細いビームの刃。
確かに先程の機関銃よりも驚異的ではあるが、暴走状態である彼女には見えないのだろう。爪の間から見える、バンシィの笑みが。
Dバンシィ「確か貴様が使っているその力、EXAMと言ったか。ニュータイプを殺す為にニュータイプの真似をする……面白い。
人間の恐怖対象を排除しようとする浅はかさ、そして技術の推移を結集したのじゃろうな。じゃが――」
少女が動くよりも速く、バンシィは床を蹴る。彼女もそれは予想通りだったのか、顔色を一切変えずにビームサーベルを構えたまま。
しかし彼女は、デストロイモードに変化したバンシィの速度を想定に入れてなかった。
爪の間から現れたビームの刃が、予想外の出来事に反応し切れていない少女の唯一の武器を弾き飛ばす。
Dバンシィ「結局は他人の真似事じゃよ。吾はそんな、ただ真似事をし、暴走している貴様とは質も、価値も違う。弁えよ、模造品がっ」
男(漫画とかだと何話も続けて、長時間熱い戦いを強いられるが……実際の戦いって一瞬で決まる上に呆気ない物なんだな)
――ジタバタジタバタ
??「……っ!……!」
Dバンシィ「ほれほれ、このまま油の中にでも入れてカラッと揚げてやろうか、青いの!それとも刺し身が良いかのぅ!ふははははっ」
男(先程まで暴れていた女の子を、仁王立ちで高笑いしながら、まるで菜箸に摘まれた海老のように扱うバンシィ。その姿はもはや暴君である。
暴れ回った子は、蜘蛛の巣に絡まった蝶のように逃れようと必死に足掻ている。海で溺れ掛けた子供にも見えるな)
Dユニ子「あぁバン子、一応いっておきますが、まいますたーの前での暴力は控えて下さいね」
Dバンシィ「なんじゃ白いの、突然襲ってきおったこいつの肩を持つか。勝者は吾ぞ。敗者のコヤツをどうしようと吾の勝手じゃ」
男「とりあえず、その手で掴んでいるのは止めてあげた方が良いんじゃないか……」
Dバンシィ「じゃが捕まえておかねば再び暴れるかも知れぬぞ。やはり安全第一じゃの!ほれ青いの、高いたか~い!」
――ブンブンブン
??「~~!? ~~!?」
男「おいこら飲み物を振るみたいに扱うのは止めてやれ!なんか顔色がアーマーに近付いていってるぞ!」
??「……けぷ……くぴ、くぴ」ゴクゴク
Dユニ子「一応水を飲ませておきましたので、もう彼女の吐き気は消えたかと。わたし達って元々頑丈ですし」
男「良かった。もう惨状的には手遅れだけど、これに加えて吐かれたらどうしようかと……バンシィも、ちとやり過ぎじゃないか?
ほら見てみろ、この壁の傷!確かに銃痕も結構あるけど、天井にヒビ入ってるけど!壁がガッツリ爪研ぎされてんだよなぁ!」
Dバンシィ「むぅ……しかしマスター、襲ってきた者はこやつじゃぞ?やらなければ、吾がやられておったのじゃ」
男「確かにこっちが襲われたけども……流石にここまで惨状と化してると大家さんにどう説明すれば……」
――【NT-D 解除】
バンシィ「ひゃん!? あぅ……やっとNT-D解除されたのか……疲れたぁ」バシュンッ
Dユニ子「バン子のNT-Dは、やっぱり時限解除しか出来ないみたいですね。同じ人に制作されて殆ど同じ機体なのに、どうしてこうも――」
――【NT-D 解除】
ユニ子「やはり、バン子は……ふぅ」
バンシィ「なんだあたしに対する嫌味か!? それとその可哀想みたいな目止めろ!説明書があれば、あたしだって!」
――【EXAM 解除】
??「――……あれ?ここ、何所?ゆぅにアイス買って貰ってたのに……」
男(お、いきなり普通に喋り始めたな。赤色だった目の色が緑色になってるし……もしかして暴走してる時の記憶がないのか?
しかし、この子の声……この声何所かで聴いたような気がするんだけどなぁ。そう、それもかなり最近に――)
――ピンポーン
友「少し来ない間に男の家の扉が無くなっているが、これは勝手に入って良いという事だろうか。
まさか男、こんな大胆なリフォームをしてまで、お前は自分の部屋の中を見せたいのか。これが露出狂……うぅむ」
友「済まない男。コンビニでアイスを買っていたら、何時の間にかコイツが店の前からいなくなっていてな。
まさか男の所に来て暴れ回っていたとは……ほら、お前もアイス食べていないで頭を下げるんだ、ブルー」
BD-1号機「ぺろ……めんご」(以下ブルー)
男(こいつ確実に謝る気なんて欠片も無いな。暴走中の記憶が無いにしろ……あの時バンシィにもっと振らせて置くんだった)
友「一応業者は呼んでおいたから、夕方には修繕しておいてくれるだろう。本当に済まなかった」
男「いや、この部屋を直してくれるんなら別に良いんだけど。金はどうするんだ。実は見えないだけで天井にヒビ入ってるし、引っ掻き傷あるし。
壁紙張り替えるくらいじゃ多分済まないだろうし……修理代にしても結構な額になるだろ、これ」
友「勿論、俺が全額持つ。バイトしていても使う先が無くて貯めるだけだったからな。修理費ぐらいは余裕で出せるさ。
それで男、今朝に言っていた事なんだが……どうやら俺だけでは無かったようだな。プラモデルが擬人化したのは……」
ユニ子「えと……友さんは、麦茶れ……良かったれすか?」
友「あぁ、ありがとう。君達も済まないな。ブルーがこんな事をしてしまって」
バンシィ「まったくだ!いきなり殴られるわ、銃撃たれるわ、ビームサーベルで斬り掛かられるわ散々だった!」
ブルー「こっちだって、爪振られたみたいだし……お互い様。ぺろりっ」
バンシィ(あ、こいつの態度、白いの以上にむかつく。次襲って来たら細切れにしよう)ムカムカ
友「しかし男も隅に置けないな。大学が休みになって早々、何時の間にか彼女を作っていたとは。
ユニ子さん、で良かったかな?男は少し無愛想だが、良い奴だ。仲良くしてあげてくれ」
ユニ子「……っ?」バンシィ「……はえ?」
男「は!? おい友ちょっと待て!なんか誤解してないか!? 二人とも元プラモデルだぞ!」
友「む……そうか。擬人化するのは一体だけだと思っていたんだが、そういう決まりは無いんだな」
バンシィ「なぁマスター、彼女って何だ?」
男「後で教えてあげるから向こうでブルーと遊んでてくれ!まだ友と話したい事があるから!ほらプラモの事だろ!?
朝にも電話掛けてきてたもんな!思う存分聞かせてやるから、これ以上変なこと言う前に向こうに行こうな!」
友「あ、あぁ。確かに話したい事はそれなんだが……」
バンシィ「むぅ……今日のマスター、なんか冷たいぞ。白いのだって、そう思う――お、おい白いの!顔が赤くなってるぞ!
今日はちょっと熱いし、もしかしてオーバーヒート!? こんな時ってどうすれば良いんだ!? 寝かし付ければ良いのか!?」
ユニ子「かのじょ……まいますたーの、かのじょ……ふふり」
ブルー「はぁ……ばかばっか」
アストレイ組は検討しており、出すとしても以前まで書いた分の後になりそうです。申し訳ありません。
まだブルー回が続きますが、多分次回で終わりますので……それではお疲れ様でした。字分が見易ければ幸いです。
少し遅い時間ですが、始めさせて頂きます。アストレイは……緑とか紫まで出すかは疑問です。というか運命とかも中々キャラ掴めませんし。
器用貧乏……というかエネルギー消費量多過ぎて基本貧乏ですよね、運命って。ただ性格とかはまだまだ決定出来てない感じです。
SEED 運命自体あんまり見てないんですよね。だからストフリも外見のみしか知識がないという……やっぱり見ないと性格は決め難いですし。
男「えっと、俺の方はユニコーン……こっちの白い方が二週間前。黒い方のバンシィが一週間前くらいだな」
友「なるほど、男のプラモデルは大分前に擬人化していたんだな。俺のブルーは一昨日くらいに突然擬人化してな。
男に勧められてプラモを買ったは良いが、まさかこんな事になるとは思わなかったぞ」
――ポムポム
ブルー「あんま、頭撫でないで……」ペロペロ
友「一日中布団に寝転がってアイス舐めてるだけだから、静かで助かっている――と、今日まで思っていたのだがな。
男の家に向かってる途中で、アイスを買ってやろうとしたら、何時の間にかコンビニの外で待たせていたこいつが消えてたんだ」
男(確かに赤い目で暴れ回ってた時と、今だと大分違うな。何か原因が……あ、そういや――)
男「そういえば、お前が買ってたのってBD-1号機だったよな。ユニ子達もNT-D出来るし……まさか、さっきのはEXAMなのか?」
ブルー「ぺろ……そこの人の言ってる通りだと思う」
友「……なぁ男、いぐざむ、とは何だ?男に勧められて買ったは良いが、ガンダムの事はあまり知らなくてな」
男(そういやこいつ、アニメとか全く観ないんだよな。家に来た時に多少漫画とかは読んでるけど、それ以外は全然だし。
だからと言って俺の家にも、そんなに漫画とかアニメが置いてる訳でも無いから……)
男「確か友って、俺の所でユニコーンの漫画読んでたよな?」
友「あぁ、確かバンデシネだったか。読んでいたが……あぁなるほど。あの白い子は、ユニコーンのプラモデルだったのか。
しかし黒い方、バンシィとやらは……いや、見覚えが無いな。他の作品のモビルスーツか?」
バンシィ「漫画に出てなくて悪かったな……っ!」
男「いや、こいつもガンダムユニコーンに出て来るモビルスーツなんだけど……漫画ではまだ出番無かったな。
って違うぞ。それは良いんだ。それよりも……あの漫画の中に出て来る【NT-D】っていうシステム、覚えてるだろ?」
友「えぬてぃーでぃ……?あぁ、あのガンダムが変身するやつか。ニュータイプを殺す……とかいう」
男「そうそう。んでまぁ、さっき言ったEXAMっていうのは、簡単に言えば姿の変わらないNT-Dだ。
BD-1号機には……ブルーにはそれが積まれてる。だから……きっとだが、バンシィのNT-Dに反応したんだろうな。だろ?」
ブルー「多分。あの時の――EXAM発動中の事は全然覚えてないから、上手く言えないけど」
バンシィ「記憶が無いって事は暴走か!自分で制御出来ないなんて流石劣化版だな!作りが粗末っていうか、適当っていうか!」
ブルー「……今度は、叩きのめす」
バンシィ「はんっ、やれるもんならやってみろ。返り討ちにしてやるっ」
男「お前等喧嘩すんなっ!今度ここで同じ事されたら部屋どころかアパート崩壊するぞ!」
ユニ子「かのじょ……かのじょ……れすか……ふふ」
友「つまり、人の姿になってもモビルスーツの時にあった武器や機能は残っていると。想像していたよりも中々複雑だな」
男(俺もアーマーがある事は知っていたが、武器まで隠し持ってる事は変態の人と会って、ユニ子がブチギレた時に初めて知った。
そう考えると、少しの間一緒に生活しているのに、未だにユニ子達の正体の全容すら掴めてないんだな)
友「そうだ、男。俺達二人のプラモデルが擬人化したんだ。他の人のところでも、プラモデルが擬人化してるんじゃないか?」
男「あー……うん、いたよ?プラモを二人連れてる人」
男(出来る事なら関わり合いに成りたくない人だったけどな。会話が成立しない上にコートの下全裸。
しかもロリコンに加えてマザコンと来ている。あそこまで禁忌である不可侵領域を合体させた人間も珍しい)
バンシィ「あぁ、あの仮面のおっちゃんか。あたしも、ジャンケンで負けてたら話さなきゃいけなかったんだよな……勝って良かった」
友「なるほど、やはりいるのだな。どんな人物かは上手く分からないが」
ブルー「ふぁぁぁぁ……ゆぅ、眠たいから膝貸して」
――ポフッ
友「おいブルー、好い加減に俺を枕にするのは止めろ。暑苦しい」ペシペシ
男(こんな子に擦り寄られて邪険に扱うとか、男としてどうなんだ。まぁ、何時も通りの鈍感な友なんだけども)
ユニ子「――……あっ。えっと……まいますたー……お昼御飯、ろうしますか?友さんの分も……作りましょうか?」
バンシィ「あたしだって色々作ったのに、結局何も食べれてないんだけど……。お腹減ったぁ……」
男「あぁ結局朝飯も食べ損なったからな。腹も空いてるし、早く食べたいんだが――」
――あ~な~た~がいるから~♪
友「む、電話か。もしもし友・カジマですが……あぁ、業者の人か。ふむ……了解した。男、そろそろ業者の人が来るみたいだ。
それと修繕作業している間、部屋の外にいて欲しいらしい。ほらブルー、好い加減起きろ。一度外に出るぞ」ペシペシ
ブルー「ふぁぁ~……まだ眠たいんだけど」
男「滅茶苦茶仕事が早い業者だな……。なら朝飯の用意はラップでもして夕飯に取っておくか。
外で食べなきゃいけないなら……丁度給料日も近いし、久々に外食も良いなぁ。友はどうする?」
友「もし良ければ、男達と一緒に行っても良いか?ここら辺の店はあまり知らなくてな」
男「そういや友が遊びに来ても、外食とか行った事なかったしな。じゃぁ一緒に行くか。結構美味い定食屋知ってるんだ」
【定食屋「東方不敗」】
友「何というか、長いし仰々しい店の名前だな。しかし隠れ家的とはいえ店構えはしっかりしている……素晴らしい!
とても俺好みの店だ!こういう店でバイト終わりにガッツリ食べたいなっ。しかし男、どうやってこんな店を見つけたんだ!?」
ブルー「ゆぅの大声、初めて聞いた」
男(なんか友の奴、尋常じゃないくらいテンション上がってるな。他にも趣味が温泉巡りとか盆栽弄りな辺り、若干爺臭いというか)
バンシィ「おぉマスター、店の中から物凄く良い匂いがする!油の匂いだ!それに、何かを揚げてる音も!」
ユニ子「それと、一緒に、何か……大声が、聞こえる……れす」
??「て、店主!それはちょっと待っ――」
??「我が定食屋自慢の天ぷらをあんな高温で揚げるとは、なんと愚かな!この馬鹿弟子がぁぁぁあああ!」
――ドガシャーンッ バキャーンッ
男(体をくの字に逸らした女の子が、店の扉を破りながら吹き飛んだ。なんかデジャヴュ)
店主「ゴットよ!ワシは悲しいぞ!未だ満足に油すら扱えぬとは……だぁぁからお前はアホなのだぁぁっ!」
ゴッド「げほっごほっ!て、店主!流石に料理し始めて三日で揚げ物は無理難題と言いますか――」
店主「まぁだ減らず口を叩くかゴッドォォォ!ワシは貴様を、そんな甘えた娘に育てた覚えはないぞ!
その性根、ワシの愛で叩き直してくれるわぁあああ!この、このぉマスタークロスでぇぇぇぇ!」ビシィィ
ゴッド「て、店主!まだ自分は人になって四日目で!育てられたというより元のプラモから組み立てられた訳で!
そしてそれはマスタークロスではなく只の濡れタオルなのでは――」
――バチィィィィィィンッ
ゴッド「あひゃんっ!? あ、あぅあぅ……」
店主「ゴッド、良く聞け!これは決していびり等ではない!お前にワシの全てを伝授したいという、愛なのだぁぁぁぁぁ!」
ゴッド「えぐっぐすぅっ……て、店主ぅぅぅ!」
店主「答えよゴッドぉぉぉ!定食屋東方不敗は!」
ゴッド「は、はいぃぃっ!王者の風よ!」店主「全新系列!」ゴッド「天破侠乱!」
ゴッド&店主「見よ!東方は赤く燃えているぅぅぅぅ!」
店主「ゴッドォォォォォォォォ!」ゴッド「店主ぅぅぅぅぅぅ!」ガシィッ
――ガラッ
ノーベル「はぁ……全然帰って来ないと思ったら、あの二人またやってるのね。あ、お兄さん達、もしかしてお客さん!?」
男「……豪い所に来てしまった」(白目)
ノーベル「全く御爺ちゃんってば、夢中になると営業時間もほっぽり出して遊んでるんだからっ!」
店主「むぅ……まさか愛弟子に料理を仕込んでいる間に客人が来ているとは、ワシというものが夢中になり過ぎて気づかなんだ。
しかし男がこの時間に食べに来るとは珍しいな。普段はバイト明けの遅い頃に訪れるというのに」
男「実は色々ありまして、今部屋が使えない状態なんですよ。だから友達と一緒に外食しようって話してたんですけど」
店主「なるほど。ふむ、実は今日は急遽定休日にしたのだが……丁度良いか。ゴッドよ、こっちに来い」ズルズル
ゴッド「ま、待って下さい店主……っ!まだ御尻がヒリヒリして――」
店主「えぇい逐一文句を言ってないで早く来るのだ!」
――バシィィィィィッ
ゴッド「あひぃぃぃぃぃっ!? い、いひゃい……何か御用でしょうか、店主!」
店主「男よ、こやつはワシが今育てておる弟子でな。もし男が良ければ、一度こやつの作った飯を食って欲しいのだ。
愛弟子の料理の試食を頼むのだから無論代金はいらん。他の者達の料理はワシが用意しよう。どうする?」
友「俺はここの料理が食べられるなら、何でも良い。男が決めてくれ」
ブルー「暑苦し過ぎてアイスが溶けた……べたべた」
ユニ子「暑苦しさは、さておいて……店から、漂う香りは……とても良い。料理の参考に、なりそうれす……」
バンシィ「腹が減り過ぎて、力が出ない……マスター!早くご飯食べさせろー!」
男(あれ、選択の余地なんて一切なくね?選択肢全て統一されてる気がするんだが)
友「まさか大盛り可能の丼物まであるとは……くっ。俺の家の近くにあれば、週一で通うのだが……!」ギリッ
ブルー「あむっはぐっ、むぐむぐ。ゆぅ、早く食べないと天丼が冷める」
ユニ子「この味噌汁……赤味噌、れすか。ら汁は……カツオ?この、カブも……よく、煮込まれてます。
天ろんの、衣も……綺麗に、揚がってて、サクサクしてる。ろう作るのか……レシピが、欲しいくらい……れす」
バンシィ「あぐっ!んぅ~、オジチャン、これ美味いな!天丼だっけ!?」
店主「ふははははっ!何せ定食屋東方不敗の看板だからの!タレも油も拘り抜いて厳選した物を使っておるわ!」
友「店主、この置いてある赤い塩はもしや……」
店主「おぉ客人、御目が高い!それはワシが直接入手した岩塩を削った一品だ!天ぷらに少々掛けて食べると、また味が変わる!」
ブルー「あむ……うぇ、しょっぱい」
友「ブルー、塩は単品で食べる物じゃないぞ。しかしこの細部にまでの拘り、流石です。米も艶々していて……天ぷらと良く合う。
舞茸の天ぷらを食べたのは初めてですが……これも良い。この噛み応えに、溢れる汁、肉にも劣らない」
ユニ子「ブルーさん。何故友さんは、料理に……こんなに、食い付いて……いるのれす?」
ブルー「孤独のグルメってやつに嵌ったみたいで、それから妙にこじんまりした店とかに食い付くようになった、みたい」
ユニ子「……あぁ、なるほろ」
友「そういえば店主、聞きたかったのですが、もしやあの二人は元プラモデルでは?」
店主「ほう、やはり客人達も人化したモノ達を連れておったのか。少しばかり人と雰囲気が違うから、まさかとは思ったが。
しかし一人で三体のプラモデルを連れている者は初見だ。ワシというものが、少し動じてしまった」
友「いえ、こちらの二人は彼のプラモデルで。俺のは、隣にいるこいつだけです」
――ポムッ
ブルー「はむ、あむっ……BD-1号機」モヒモヒ
ユニ子「わたしは、ユニコーンがんらむが……元の、ぷらもれるれす。外して、いますが……角も、あります。
こっちの、がっついてるのが……バンシィ。一応……わたしの、姉妹機れす」
店主「ほう、言われてみると……外見は似ておらんが、奥に秘めた雰囲気が似ておる。中々面白いものよ。
ワシは息子からプレゼントされた物があぁなってな。今では組み立てた時の苦労もあって、娘のように思っておるわ」
ユニ子「ちなみに、聞きたいのれすが……先ほろの、口振りからして……他の、持ち主にも、あって……いたのれすよね?
ろんな人達、れしたか?れ来れば……その人の話、聞かせて、いたらきたい……れす」
店主「む?まぁ良いが……買い出しに行っている時にな、その者に会ったのだ。仮面をつけた外人だったな。
シナンジュ……と、ローゼンだったか?よくは知らんが、二体プラモを連れておったぞ」
ユニ子(あぁ、あの人れすか)バンシィ(あぁ、あのおっちゃんか)
ゴッド「お、お待たせ致しましたっ!ここここ、こっこちら天丼になります!」
――ガタガタガタッ
ノーベル「ゴッドちゃん落ち着いて!丼がガタガタ揺れてるから!味噌汁こぼれ掛けてるから!深呼吸深呼吸!」
男(向こうのテーブルはあんなに和気藹々してるのに、何でこちらは緊張で張り詰めてるんだ。とても理不尽である。
いや昼飯代が浮く上に、御馳走してくれるのは嬉しいんだけども。そんな強張った顔されると、こっちも緊張するだろ)
ノーベル「男さん、宜しければ正直な感想を頂けると助かります。ゴッドちゃんの為にもなりますし」
男「はぁ……正直な感想か。と、取り合えず頂きます」
――パチンッ
ゴッド「ジィィィィィィィ~~……」
男(人に常時監視されながらだと、飯が上手く喉を通らない。だが俺は、あいつ等の飯の代金の代わりに感想を任されているんだ。
きちんと食べてゴッドさんの身になるように、しなければ。ただ飯食らいは心が痛む……食ってる本人達は気にせず満喫しているようだが)
男「はむ、んぐ……むぐ」シナ ガリッ
男(海老とかホタテの衣が、しんなりしている。それと正反対に野菜の衣が硬くて……こ、これは――)
ゴッド「どきどきどき……」
男「えっと、正直な感想を求められてるから、心を鬼にして言うけど……不味い。それもその……大分な感じで」
ゴッド「がーん……げふっ!」バタッ
ゴッド「不味い……不味いのか!? しかも大分!?」ガーンガーン
ノーベル「えっと男さん、失礼ですけどその天ぷら、一口頂いても宜しいですか?わたし、食べていなかったもので」
男「あ、全然良いですよ。はい、どうぞ」
ノーベル(恥ずかしげも無く、ナチュラルにあーんをして来るとは、この殿方やりますね)
ノーベル「それでは失礼して……あーん。あぐ……うっ。これは……ゴッドちゃん、揚げ方間違えてないかな。主に温度的に」
ゴッド「自分はちゃんとやったつもりなんだけど……まだまだ未熟かぁ」
男「でもまぁ、やろうとして放り出すバンシィよかマシだ。それに、初めてから三日だろ?もっと伸びるさ」
――ナデリナデリ
ゴッド「~~~~~~~~~~~~~ッ!? お、男の人にさわ、触られ~~ッ!」ピカァッ
【明鏡止水】
男「うぉっ!? な、何で頭を撫でたらハイパーモードに!? 俺、何か不味い事でもしたか!?」
ノーベル「ゴッドちゃん、搭乗者がいないと物凄い恥ずかしがり屋で……こうして限界に達すると明鏡止水しちゃうんです。
特に害はないので、そのまま放っておいて大丈夫ですよ。3、4分程度置いておけば元に戻りますので」
店主「やはりまだゴッドを厨房に出す事は出来ぬようだな。毒見のような事をさせて済まぬな、男よ」
男「いえ、そんな。こっちは代金払ってませんでしたし、御礼を言わなくちゃいけないのはこっちです」
ユニ子「上品れ、整った……良い、味れした。ご馳走様、れす」ペコリ
バンシィ「まだちょっと食べたり無いな。御飯特盛りにしておけば良かったか……」
友「味もボリュームも申し分無しだったな。店主、また来させて頂きます」
ノーベル「あ、みなさーん!これ、出し忘れていました!新商品予定の、揚げ鯛焼きです!デザートにどうぞっ」
ブルー「おやつ……っ!」
――クイクイ
ゴッド「あ、あの、男さん。もし良ければ、また来てくれるか?自分、頑張るから!今度は美味しい物、作るから!
それに……このままだと、負けたみたいで嫌なんだ。だ、だから――」
男「ん……また来るよ。次は、美味いの食わせてくれよ」
ゴッド「……うん!任せてくれ!次は絶対に美味い物を作ってみせるからな!」
――サクッ ジュワァ
ブルー「ん~……タイヤキ揚げ、甘くて美味しい。ゆぅ……またあそこに行きたい」
友「俺もかなり気に入ったが、修理代で結構使ってしまったし、来るのは今度のバイトの給料が出てからだな。
それまでは、また俺の手料理で我慢していろ。その代わりにソーダバーくらいは買ってやる」
ブルー「むぅ……ソーダバーも、捨て難い」サクサク
ユニ子「ここまで、甘いと……お茶が、欲しいれすね。カリントウ饅頭を……思いらしました」
バンシィ「あたしはこれぐらい平気だけどな。あぁそうか、白いのは舌が御婆ちゃん寄りだから――」
ユニ子「貴方のは、子ろも舌と、言うのれすよ。それと、ますたー……晩御飯、ろうします?」
男「そういや御飯とかはあるとして、他には何も無いな。少しばかり買い足しに行くか……友、お前も行くか?」
友「そう思っていたところだ。俺の冷蔵庫も空っぽだったからな。パンも買っておくべきか、とても迷っている」
男「じゃぁ一緒に――……ってあれ?財布が――……あ、そうか!飯代払わなかったから気付かなかったな……家に忘れて来てた」
ユニ子「あ、もし宜しければ……わたしが、取りに行きましょうか?」
男「忘れたのは俺なんだし、腹ごなしに取って来るさ。友、二人を頼む。ちょっと一っ走りしてくるから!」
男「まさかもう玄関の修理は終わってるなんてな……仕事が早いに越した事は無いけど、早過ぎじゃないか?
でも直ぐ財布が見付かって助かったぁ。玄関の靴箱の上に忘れていくとは……我ながら抜けてるな」
男(公園か。そういえば横切れば近道なんだよな……長い事使ってなかったけど。久々に行ってみるかな)
「ねぇねぇお姉ちゃん、滑り台に座って何してるの?お絵描き?」
??「……お絵かき。人、心、知る為……描いてる」
「じゃぁお姉ちゃんっ、このお姉ちゃんの着てるのってなぁに?お洋服?ごつごつしてる~」
??「……あーまー」
男(おいちょっと待て。何か小さい子同士が遊んでると思いきや、一方が片言な上に、ごつい装甲着込んでるぞ。
なんだこのシュールな光景は。誰も注意しないのか。もしくはコスプレの痛い子だと思ってるのか)
「ねぇねぇ、お姉ちゃんのお名前、なんていうの?」
アリス「すぺりお……ありす」
やっとスペリオルガンダムを出せる所まで書き終わりました。スペリオルは一応Ex-sガンダムの装備でいる事になってます。
表記が面倒そうで申し訳ありませんが、スペリオルは一括してOS名のアリスで統一しようと思っています。
話し方はユニ子やブルーと分ける為に主語のみを話すようにしています。
ゴッドを出そうとしたのはホビージャパンにBF仕様で改造されたゴッドがいて、滅茶苦茶格好良かったので出演させることにしました。
それでは今日はこれで。おやすみなさい。
少し遅い時間ですが、今日も始めさせて頂きます。それと最初に書かないで申し訳ないですが注意書きの書き足しを。
このSSでのプラモ擬人化は女体化のみです。それでは始めさせて頂きます。
男(あの子って、どう考えても元プラモデルだよな。でもあの子、アリスって……ガンダムにアリスなんて機体いたっけ?
アリス・ガンダム?――いないよな。アリス・ファンネルならあるけど……そういやピクシーなんて機体もいたな)
「あ、もうこんな時間!お母さんのお手伝いやらなきゃ!それじゃね、お姉ちゃん!」
アリス「……ばいばい」
――トコトコ ポスン
男(今度はジャングルジムの頂上に登ってスケッチブックを開いてる。見てるのは……他の遊んでる子供達か?
さっきの会話から察するに人間観察をしてるみたいだが。と思いきや空を見上げてるし……持ち主は何所にいるのだろう)
??「おや、何時ぞやの少年じゃないか。こんな場所でどうしたのかね」
男「うぉ!? い、いきなり声掛けないで下さいよ!って……お、御久し振りですフロンタルさん……」
全裸「君とはまた、女性のあるべき姿について語り合いたいと思っていたのだ。だが済まない、今のわたしは女性を待たせているのでな。
早く行かなければ、この飲み物の氷が溶けてしまう。そう、まるで幼子が雪解けを経て、立派な母になるように」
男(果たして、この人と会話がまともに成立する日は来るのだろうか)
アリス「人間、男子……女子より、活発。性別……壁、あり。あ――……ぱぱ」
――スタッ トコトコ
男「え"……ぱ、パパ?」
全裸「おぉ済まないなアリス、少し遅れてしまった。さて、アリスはオレンジジュースで良かったかな?」
アリス「おれんじじゅーちゅ……好感。ぱぱ……感謝」
男「ちょ、ちょっとフロンタルさん!こっち!こっち来て下さい!」
全裸「おや何だね。わたし、フル・フロンタルが今からアリスと一緒にじゅーちゅを飲み、共に昼寝に勤しもうというのだ、少年」
男「いい年した大人が仮面付けたまま池田秀一ボイスで『じゅーちゅ』とか言わないで下さい!通報しますよ!?
って違う!あの子、もしかしなくても元プラモデルですよね?フロンタルさんってプラモ三人もいたんですか?」
全裸「いや、わたしのプラモデルはシナンジュとローゼン・ズールの二体のみだが」
男(まさかとは思うが、幼女好き過ぎて他の人から盗んで来たんじゃ無いだろうな。可能性が0と言い切れない時点で人としてヤバイ)
アリス「ちゅー……ちゅー……ぷはっ。……美味」
全裸「実は君達と会った日に、彼女をこの公園で見掛けてな。最初は誰かのプラモデルだろうと諦めていた……だが!
その深夜、諦め切れずに公園へ彼女の残り香を嗅ぎに来たら……まだこの子は公園にいて、星を眺めていたのだ」
男(今の短い回想の中だけで、二つ程、人としてヤバイところを発見した)
全裸「聞いてみれば彼女には持ち主がいない、そう言うではないか!わたしはアリスを保護しようとしたが……断られてしまった。
だから今現在、こうして飲み物や食べ物を彼女に差し入れている。勿論、好感度上げという低俗な下心はない。これは……愛だ」
男「あー……尚更犯罪者っぽい接し方はさて置き、プラモデルって必ず持ち主がいるもんじゃないんですか?
擬人化するまでに彼女を絶対に組み立てた人はいるでしょうし。もしかして……作った人に捨てられたとか?」
アリス「……ぶらんこ……ぶらぶら」ギィギィ
全裸「その辺りは、わたしも検討が付かないな。ただアリスの元が、スペリオルガンダム、というプラモデル……それは判明した」
男「なるほど。スペリオルガンダムの自立AIの【ALICE】から取って、アリスですか」
全裸「やはりスペリオルと名乗るよりも、アリスの方が合っている……いや、アリスたん、か。ふふ、久々に心が高鳴っている」
アリス「……ぱぱ……笑う……何故?」
男「気にしない方が良いと思う。それとあまり、この人の言い方は聞かない方が良いと思うよ」
――ひぃかぁるぅかぁ~ぜのなかぁ~♪
全裸「む?――アンジェロか。済まない、仕事の電話だ。もしもし、フロンタルだが」ピッ
男(何かこの人が真面目に仕事してる姿を想像出来ないんだが。今もコートの下から素足が見えてるし……やはり下は全裸か)
アンジェロ『社長、突然の連絡で申し訳ありません。実は社長が前々から進めていたプロジェクトの件ですが――、
無事に企画が通り、既に人員も配備致しました。そして、もし宜しければ、この連絡越しに社員達へ激励を頂きたいのですが』
全裸「あの企画を通せたか……出資者からの無理難題を押さえ、通した甲斐があったな。礼を言う、アンジェロ」
アンジェロ『いえ、わたしは社長の意思を通した……それだけです』
全裸「副社長に君を選んで良かった。さて、激励はこの受話器越しで良いのか?それならば帰国してからでも――」
アンジェロ『既に社内のスピーカーと繋いでいます。社員からも社長の御言葉を頂きたいとの声が……』
全裸「ふむ、それが社員達の総意ならば……皆、よくやってくれた――」
男(あの人、会社の社長だったのかよ!? 全然そういう風には見えないんだけど!人生勝ち組か!)
アリス「ずずぅ……あ、おれんじじゅーちゅ……枯渇」ズズズ
【アズナブル・カンパニー】
全裸『以上が、社長の器としてのわたしの言葉だ。何時も言う事だが、わたしは君達と同じ一会社員に過ぎない。
わたしは案を提出し……君達はその企画を成し遂げた。この勝利の栄光は君達にこそ相応しい。これからも宜しく頼む。
アンジェロ、わたしがいない間、会社を任せた。わたしは成さねば成らぬ事を成し、必ず祖国へ帰ろう』
アンジェロ「社長……任せて頂き、光栄です!このアンジェロ・ザウパー、社員総出で会社を守って見せます!」
全裸『期待している。また報告があれば迷わず連絡してくれ。それではな』
――プチッ
社員A「流石社長の言葉は重みが違うな!あの元社長、シャアの再来と言われる訳だ!」
アンジェロ「当たり前だろう、何せわたし達の社長だ。社員達を、只の働き蟻と勘違いしてる他の社長とは訳が違う」
社員B「副社長!午後からの会合の件ですが――」
アンジェロ「わたしが行く。資料の準備は怠るなよ。大きな問題を乗り切ったが、ここからが本番だ」
アンジェロ(わたしが社長を、会社を更に押し上げてみせる。社長はこんな所で留まって良い御方ではないのだ)ツカツカ
【公園】
全裸「まさかあの案件が通るとはな。社員達に感謝しなくては……」カチャ
――クイクイ
アリス「ぱぱ……じゅーちゅ……希望」
全裸「おやアリスたん、もうじゅーちゅを飲み終わってしまったか。ならば今度はグレープじゅーちゅでも買って来ようか。
むしろあのジュース販売店を買い取って、ここに移転させるのも良いな。そうすれば冷たいジュースを買える」
男(これマジ?電話してる時とは正反対なんですが、それは……社員達はこっちの姿を知らないんだろうな。幸せなのか、不幸なのか)
??「あー全裸!またこんな所にいる!買い物頼んだのに!」
全裸「おやシナンジュマミー。いや買い物は円滑に終わっていたのだが、わたしには成さねばならぬ事があってな」
シナ「マミー言うな!どうせ、この公園にいたプラモに会いに来たんでしょ。全く……アンジェロさんから企画成功の連絡があって、
折角晩御飯は豪勢にしてあげようと思ってたのに……――あら、ユニコーンの持ち主じゃない。どうしてこんな所にいるのよ」
男(また濃い人ばっかり集まるな。いや、濃いプラモといった方が良いのか?)
シナ「アンタも全裸に絡まれて災難ね。結構……いえ、かなりぶっ飛んだ変態だけど根は良い奴だから……多分良い奴だから、見捨てないであげて。
それと全裸も、自分の趣味を他人に押し付けないのっ。わたし達は諦めてるから良いけど、他の人はそうじゃないんだから!」
男(御近所付き合いを強制される子供の心境は、こんな感じなのだろうか。とても複雑だ)
全裸「押し付けてはいない。彼はわたしと同じ……ニュータイプなのだから」
シナ「アンタの場合、ニュータイプの意味を綺麗に履き違えてそうよね。どうせ新しい性癖、とかでしょ?
ガンダム好きに殺されるわよ。まぁ……別にわたしは、頼んでた物買って来てくれてれば、それで良いんだけど。
っていうかその子、まだいたのね。プラモだけど自立出来るからって、一人でいたら危ないっていうのに……」
男「……自立?AI的な物じゃないのか?」
シナ「二体もプラモいるのに、何も知らないのね。良いわ、教えてあげる。普通のプラモは、持ち主――つまり作ってくれた人ね。
それに追従してて、飲食や睡眠も必要なくらい人間化してる。でも、自立AIの【ALICE】が積まれたこの子は――」
アリス「御飯……睡眠……不要。食事……趣味」
シナ「簡単に言っちゃえば、わたし達ほど人間化出来てないの。だから、殆どプラモみたいな物なの。外見は完璧に人だけどね」
男「へー……そんな違いがあったんだな」
全裸「アリスたんは人間とは違い、完璧な幼子だったのだな。しかも外見はこのまま……えぇい、プラモは化け物か!」
シナ「アンタには何度も説明してるでしょうが!好い加減覚えなさいよ!」
全裸「おやシナンジュ、ローゼン・ズールはどうした。一緒に行動していた筈では――」
シナ「気絶させてきたわよ。アンタを探しに行くって言ったら、付いて来るって訊かないから……こう、首元をポキッと。
人の編み出した技って便利よね。モビルスーツ時には利かないけど、人化時には一撃必殺。覚えて良かったわ」
男「それって殺してないか……?」
シナ「絶妙に手加減したから大丈夫よ。でもきっと、2~3時間くらいは起きないと思うわ。さて、それはそうと全裸、そろそろ帰るわよ」
全裸「済まんがシナンジュ、それは出来ない相談だ。わたしにはアリスたんと御昼寝という大事な仕事がある。
それにシナンジュ、もう何度も言ったが、母親は子の我侭を笑いながら傍観し、最後に助言をするのがベストだと――」
シナ「チェストォッ!」
――ドスッ
全裸「がはっ……あ、アリスたん……。さ、サボテンが……花を付けている……」ドサァ
男(本当に首筋にチョップ一発で気絶させたな。確かに便利そうな技だ。掛けられた相手は気絶どころか後遺症が残りそうな勢いだが。
しかしフロンタルさんの執着心は凄い……気絶してもアリスに手を伸ばしている。この逞しい精神だけは見習いたい)
シナ「それじゃわたしは行くけど、ユニコーンの持ち主、アンタも早くプラモの所に行ってあげなさい。心配してたから」
男「え?ユニ子達と会ったのか?」
シナ「これを探してる途中で偶然ね。とにかく伝えて置いたからね。――ったく、全裸って本当に重いわよね……」
――ズルズル
男「えっと……君はアリス、で良かったよな。本当に一人でここに残るのか?
フロンタルさんも、一緒に暮らそうって言ってるし、付いて行った方が良いと思うんだけど」
アリス「……平気。……人、観察……大事。ここ……最適」
男「そう言うなら……分かった。無理矢理言っても仕方ないしな。その代わり、俺も時々ここに来て良いか?
飯とかもそうだし、また来た時は、俺のプラモも連れて来るよ。一応だけど遊び相手にはなるだろ」
アリス「…………」コクリ
男「それじゃ、また来るよ。またな」
アリス「……ばいばい……お兄さん」
男(なんか雰囲気的にはユニ子と似てたな。ユニ子をもっと口数少なくして、身長とかを低くしたような。
あぁ、だからフロンタルさんが興奮してたのか。まぁとにかく約束出来たし、今度ユニ子達を連れて来てみるか)
男「ってそうだよ!ユニ子達を待たせてるんだから、急がないと!」
今回はこれで終了です。待たれてる人がいるかは分かりませんが、投下が遅れて申し訳ないです。
ビルドファイターズを見終わって、エクシアのコスプレ癖に暗黒物質形態を入れようか迷っています。そうすると、ウイングにフェニーチェ的な要素も入れたくなるので。
ビームマントのウエディングドレスとか良いと思うんですよ……では今日はこれで。おやすみなさい。
大分遅れてしまいましたが、始めさせて頂きます。
ガンダムUCの最終話が今日から劇場公開で、BFも次回が決定して、かなりホクホクです。
しかもセブンイレブン限定ユニコーンまで手に入れる事が出来ました。またテンションが上がる……。
男「公園突っ切って近道する筈が遠回りになっていたで御座る……まさかあんな所で知り合いと会うなんてなぁ。
予想外に時間も食ってたし……謝るついでに菓子でも買ってあげようか。俺の部屋って煎餅くらいしかないし。
我ながら、俺の部屋って本当に色気がないよな。ユニ子達が来るまでドライヤーすら無かったし――お、あれは……」
ユニ子「あ、まいますたー……良かった……っ。わたし……ますたーが、怪我……してるかと……っ」ダキッ
バンシィ「えぐっ、ひっぐっ。し、心配させるなよマスター!財布取りに行って全然戻って来ないし!待ってたら赤いのが来るし!
それにマスターが事故に遭ってたらどうしようとか、白いのが言うからぁ!心配してたんだぁ!ずびーっ!」ダキッ
――スリスリ
男「いや、ちょっとフロンタルさんと話してて――っていうかバンシィ、今お前、俺の服で鼻かんだろ!?
ユニ子も泣きながら抱き着かないでくれ!それと逃げられないように挟み込むの止めろ!周りの視線が痛いから!」
ユニ子「心配……した、れす……っ」
バンシィ「ばかぁ……マスターのばかぁ!」
「最近の若い子はこれだから――」
「あら、もしかして二股?やぁねぇ、最近の子はお盛んで――」
「破廉恥だぞ!青年!」
男(これはフロンタルさんとかと話し込んでいた俺への罰なのか。そうならば甘んじて受け入れる気にはならん。
この最近の若い子はと、社会のゴミを見るような数多の視線。生憎俺は、それに耐え切れる精神を持ち合わせてはいないのだ)
男「離れてくれ二人とも!お願いだから!もう商店街歩けなくなるから!」
ユニ子「あ、まいますたー……今日は……野菜が、安売り、してます。じゃが芋に、キャベツ……あと、茄子も、買って置きたいれす。
献らては……ロールキャベツ、肉じゃが……あと、朝作った物を、温めて……で、良いれすか?」
――ムニュ
男「きょ、今日はいやに豪勢だな。別に、そんなに食材を一遍に使わなくても良いんだぞ……?」
バンシィ「そうだそうだ!野菜ばっかりなんて嫌に決まってんだろ!こう、肉をメインに……大体、肉も時間でセールしてるし!
マスターも肉の方が良いよな!? 野菜と肉で言ったら、肉の方が食べ甲斐があるよな!」
――モニュゥ
男「あのぉ……二人とも?出来ればもっと離れて歩いてくれると助かるかなぁと。ほら、両腕組まれてると歩き難いし――」
ユニ子「あ……ら、らめ、れす……っ。ろこ、にも……行っちゃ、らめ……っ」
バンシィ「あたし達を心配させたんだから、これくらい当たり前だ!逃がさないからな、マスター!」
――ギュゥゥゥゥ
男(今度は両側から挟まれてる……そして痛い視線が更に増している。子供が俺達を指差し、母親が注意する事もあった。
だが柔らかくて良い匂いの女子二人に囲まれて、ここは正に天国と地獄。だが無理にでも離せば、どういう事になるか……)
男「あ、あはは……両手に華だなぁ」
男(この二人が人型になっていなければ、両手にプラモデルだったな)
ユニ子「スペリオル、がんらむ……れすか。らぶるぜーたを、元にした……人工えーあい、ありす搭載の……がんらむ、れすね。
まさか、プラモが……持ち主無しれ、人化してる、なんて……。わたし達は……主無しれは、生きれません、から」
バンシィ「人間に限りなく近付いてるから、寝食必須だし。何より元のプラモデルの作り手がマスターになるんだからな。
むしろ人型になったんだから、プラモとしては完成してる訳だし、マスターがいる事は当たり前だと思うだろ」
男「確かALICEシステムが邪魔して、完全に人間になれてない……ってシナンジュが言ってたけど」
ユニ子「なるほろ……人工知能が、邪魔を……。あ、まいますたー……荷物、重くない、れすか?」
男「バンシィに少し持って貰ってるし、かさばるティッシュとかはユニ子が持ってくれてるだろ?これくらい平気だよ。
でもその、やっぱり歩き難いから腕組むのは止めないか?流石に視線も痛過ぎるんだが……」
男(まさかレジで会計する時まで腕組を強要されるとは思わなかったしな。店員の氷河期を感じさせる白い目を俺は忘れない)
バンシィ「それなら、あたしがマスターの分、全部持つぞ?これくらい紙みたいな物だし……マスターと腕、組みたいし……」
ユニ子「元プラモ、れすけろ……腕力は、一応……ありますのれ。鉄筋くらい……持てます、れす」
男(外見と性能は伴わないんだな。こんな子達が鉄筋持ち上げてる光景見たら、事情を知らない奴は腰抜かすだろ……)
男「流石に女の子に荷物全部持たせる訳には行かないし……もう、好きにして下さい……」
男「た、ただいまぁ……。おぉ、もう直ってるのか。業者さん仕事早過ぎだろ」
ユニ子「玄関も、新居みたい……れすね。あの、らい乱闘が……嘘、のようれす。れすよね……バン子」
バンシィ「な、何だよぅ!確かにちょっとだけ壁を引っ掻いたりしたけど、一番最初に乗り込んで来たのは青いのだろうが!
ほらここら辺に銃を乱射したり……いやもう証拠は無いけどさ!うぅぅ、その目はやめろぉ!」
男「まぁまぁ……正直、引っ越して来た時より綺麗に修理されてる訳だし、儲け物だろ。家具とかもあんまり壊れてなかったし。
それにほら、見ろよ、この卓袱台。引っ掻かれた痕と弾痕が焼き付いてて……まるで熊と狩猟が戦った跡みたいダネ」
バンシィ「どうしたんだマスター!目に光が無いぞ!? しっかり!」
男「そういや俺、機関銃とかビームサーベルって生で見たんだよなぁ……ひゃぁ、すんごい」
ユニ子「あの時は、冷静らったけろ……振り返ると、あまりの、非日常さに……意識を、手放した?」
バンシィ「白いのも冷静に解析してないで手伝え!マスター、もうあんな事しないから帰って来てくれぇ~!」
男「見てくれバンシィ、大きな星が、ついたり消えたりしている……あははは、大きいな。彗星かな?いや違う、違うな。
彗星はもっとこう、ばぁーって動くもんな。しかし今日は暑苦しいな……早く風呂に入りたいな」
バンシィ「ひ、酷いっ。全く言葉に繋がりが無い!こんなの何時ものマスターじゃないっ!」
ユニ子「人の、脳の……おーばーひーとは……こんな感じ、なんれすね」
男「えほん……少し自分を見失ってた。十分休んだから、もう膝枕は大丈夫だぞ……バンシィ」
バンシィ「本当か!? またいきなり『人参要らないよ』とか『赤ちゃんの声が聞こえる』とか言い出したら嫌だからな!?」
男(幾ら最近非現実な出来事が度重なったからと言って、よもや本当に錯乱するとは。少しだがカミーユの気持ちが分かった気がする。
しかしよく考えてくれ。プラモが擬人化して、しかも目の前でNT-D。裸にコート一丁のおっさんと二体のプラモとの遭遇。
加えて朝の銃撃剣戟戦と来た。よくここまで持ったなと自分を褒めてやりたい程だ)
男「そういえば、ユニ子はどうしたんだ?」
バンシィ「白いのなら、御飯作ってるぞ。途中まで一緒に看病してたけど、御飯の時間過ぎそうだからって」
男「あー今日は手伝おうと思ってたんだがな。バンシィもごめんな。脚痺れただろ?」
バンシィ「あたしは全然平気だけど……それに、前からやってみたかった事だし……。マスターの寝顔、見れて嬉しかったし……」
男「……俺の寝顔なんて見て嬉しいのか?楽しいところなんて無いと思うけど――」
――ボスッ
男「ファッ!? ば、バンシィちょっと待て!なんで座布団を顔に押し付けて来るんだよ!」
バンシィ「お、おばかマスター……ちょっとは察しろよ……っ!うぅぅぅ……顔が熱い……」
ユニ子「まいますたー……バン子、ろうかした、れすか?ずっと……わたしの、傍に……いるのれす、けろ。
ほら、バン子……御飯、運ぶのに……邪魔、れす。それと、エプロンを、引っ張るのは……止めて。伸びる、から」
――ギュゥゥゥゥゥ
バンシィ「…………」チラリッ
男「いや、それが全く理由が分からなくてな。あれから全然こっち向いてくれないし……なぁ、バンシィ?」
バンシィ「っ!? ~~~~~~~っ!~~~~~っ!」
――ビシバシッ
ユニ子「ひぅ……っ!? ば、バン子……わたしの、お尻を、叩くのは……やめて。とても、痛いから」
男(大人しくなって、小動物みたいに人影へ隠れ回ってるバンシィって、初めて見たな。普段が普段だからギャップが激しい。
それにしても誇り高き黒獅子とは、一体なんだったのか。まるで飼い始めで警戒心大な猫のようである)
バンシィ「白いの……何か顔隠す物とか、ある?」
ユニ子「このすーぱーの、れじ袋れも……被ってれば、良いのれす。ほら、口元の、穴は……開けましたから」
バンシィ「…………」カポリ
男(ユニ子も腹癒せの冗談でやっただろうに、バンシィが本当に被った事に驚愕している。
というか美少女がレジ袋被って棒立ちしているだけでも、かなりシュールな絵面だな……夢に出そうだ)
バンシィ「……白いの。あたしの御茶碗って何所にあるんだ?全然見えないんだけど」
ユニ子「バン子、迷い箸は……行儀、悪い。ちゃんと……行儀良く、食べた方が……良い」
バンシィ「視界が一切無いから、さ迷い箸なんだよ!くそっ、自分の手が何の皿を持ってるのかすら分からない!
すんすん――……匂いがない。ということは御飯?にしては箸が何も掴めてないんだけど……」
男(バンシィは未だにレジ袋を被っているせいか、自分がされている事を全く理解出来ていない。
ちなみに今、バンシィはというと、ユニ子に渡された空の茶碗へ箸を突っ込み、必死で無い筈の米を掬おうとしている)
ユニ子「ふふり……人のお尻を、叩いた……罰、なのれす」
男「ユニ子も意地悪してないで、ちゃんと教えてやったらどうだ?まぁ一番はバンシィがレジ袋を被らない事だが」
バンシィ「だって、マスターの顔見たら……ちゃんと、喋れないし……ぶつぶつ」
男(レジ袋被ったバンシィが、両手の人差し指を合わせてもじもじと動かしながら、何かを呟いている。
とても可愛らしい仕草だが、現在の格好だと何かの儀式にしか見えない。とても不気味である)
バンシィ「あーもう!これ面倒臭い!うりゃっ!」ビリィッ
男(レジ袋を外す事に異議はないが、豪快に破り捨てる必要性はあったのだろうか。ただ脱ぐだけなら、ゴミが散らばらなかったのに)
バンシィ「って茶碗の中に何も入ってないし!」
ユニ子「御飯なら……炊飯器に、まだ、あるれすよ」
バンシィ「うぐぐ……あ、ま、マスター……ご、御飯よそって来るっ!」
男(やっぱり目を合わせたら逃げちまう。それに顔も滅茶苦茶赤くなってたし……今までこんな事無かったよな。
うーむ、プラモデルにもお年頃というものがあるのだろうか。なんか主人としては寂しいな)
ユニ子「……敵に、塩を送るようれ……少し、嫌れすが……まぁ、少しらけ、助けてあげますか……。
まいますたー……バン子は、ますたーを……避けている訳れは、ないのれ……誤解、しないれあげて……くらさい」
男「いや、あのバンシィに限ってそれは無いんだろうけど。突然あぁなったから気になるんだよな」
ユニ子「ちなみに……あぁなった、原因に……心当たり、あります?」
男(心当たりか。多分原因があるとしたら、バンシィが膝枕してくれてた時の会話……だよな)
男「ユニ子が御飯を作ってくれてる時に、バンシィが膝枕をしてくれてて……その時にバンシィが俺の寝顔を見れて嬉しかったとか言ってな。
何でか理由を聞こうとしたら、顔に座布団押し付けられて。そういえばその時からだったっけ。バンシィの様子が可笑しくなったの」
ユニ子「……あー……なるほろ」
男「え?理由が分かったのか?今の説明で?」
ユニ子「らい体は……。れすけろ……少し、話し難い、内容なのれ……一応、らまっています。
ろうせ、バン子の事、れすから……明日には、けろっと……してると、思いますよ。わたしが……保証、します」
バンシィ「大盛りにしてきたっ!さぁ~て、御飯っ御飯っ!」
ユニ子「正直、今も……御飯に、夢中れ……大方、忘れている、みたいれすし」
男「う~む……そんなもんか?」
ユニ子「そんなもの……れすよ。さて……わたしは、食器を、流し台に……置いてきます」
LIVE映像
リポーター『――あ、もうカメラ回ってます?……こほん。はい皆さん、今わたしはMSステ控え室前にいます!
前回は少々手違いが御座いましたが、今度は事前のアポを得て、アイドルツバサさんに直撃インタビューをしたいと思います!」
――コンコン ガチャ
リポーター『ツバサさん、MSステ初出演おめでとう御座います!つきましては前々から話していたインタビューを――ひぃ!? 鎌ぁ!?』
??『デスサイズ、そのまま押さえていろ。貴様、またゼロを狙って来たのか。良い覚悟だ』
死鎌『おいおい勘弁してくれよヒイロ。丁度夢の中で悪魔との死闘を終えてきたばっかりだっつぅのに、また厄介事かい?』
ヒイロ『お前はただソファで寝ていただけだろう。……さて侵入者、前のあれでは凝りなかったようだな。それならこちらにも考えがある。
後ろでカメラを構えている奴等ごと……ゼロにとっての脅威を、ここで取り除く』バサッ
リポーター『へ……?あ、貴方それ……お腹にダイナマイト巻き付けてるぅ!?』
死鎌『おぉ景気良いねぇヒイロ!やっぱ『腹マイトのヒイロ』の名は伊達じゃねぇな!久々に、ひいろのぉ~ちょっといいとこ見てみたい~』
ヒイロ『任務……了解。一応言っておく……死ぬほど痛いぞ』カチリッ
――少々お待ち下さい――
男「……なんか最後の辺り眩しかったけど……あれってまさか――いやいやいや……なんかのパフォーマンスだろ」
ユニ子「まいますたー……お風呂、湧きましたよ」ヒョコ
お ま け『セブンイレブン版ユニコーン』
ユニ子「……ま、まいますたー……これって、何れすか?ぱっけーじは……一応、わたしみたいれすけろ……」
男「あぁ、セブンイレブン限定で売ってたんだよ。前に初代とかアッガイも売ってたんだけど、なんか色があれでな。
で久々に見掛けたんだけど、デストロイモードのサイコフレームが緑で格好いいし、デカールはユニコーンのちゃんとした物貼れば良いかもって思ってな」
ユニ子「こうして、左半分に……れカールが、あるらけれ……絶望感を、感じてしまうれす……」
男「ま、まぁまぁ。組み立てた画像とか見たら結構良かったしさ!」
ユニ子「……サイコフレームの色が……抹茶みたいれす」
なんか自分でも知らない内に200超えてた……。取り敢えず今日はここまでです。遅くなってしまって申し訳ない。
初代は……νガンとかの枠があるんですよね。一応、枠候補として考えておきます。
それとナイチンゲールのプラモ化、おめでとう。やっと普通にプラモとして堂々とSSに出せる……組み立てるの大変そうだけど。
それではこれで。おやすみなさい。
このSSまとめへのコメント
とても面白くて
ハマりました
特にフロンタルとヒイロが(笑)
早く続き見たいです
更新頑張ってくださいm(_ _)m