佐藤「まかないもうできるぞ」小鳥遊「ありがとうございます」 (37)


小鳥遊「早いですね」

佐藤「そうか?」

小鳥遊「はい。さすがに作り慣れてますね。俺も料理はしますけど、佐藤さんみたいに特別得意な料理はありませんよ」

佐藤「そりゃ俺はバイトだからな」トントン…

佐藤「つーかお前はいつもオムライスだから得意になっちまったんだよ。好きなのか。……ほら」パサ

小鳥遊「どうも。いえ俺ももちろん好きなんですが」


ぽぷら「!」クンクン タマゴノニオイダヨ

ぽぷら「……」ジトー


小鳥遊「食べさせてあげると先輩が可愛くて…!先輩、オムライスが好きみたいなので…」

佐藤(食べさせてって、おい)

佐藤「……あんまり悲しませるなよ」

小鳥遊「??はい!もちろんです!せんぱーい!」

佐藤「……ふぅ」


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相馬「佐藤くーん」

佐藤「なんだよ」

相馬「俺そろそろ休憩だからさーご飯作ってよ」

佐藤「自分で作れ」

相馬「えー。なんでさー」

佐藤「お前キッチンだろ」

相馬「ぷふ。佐藤くん、俺はキッチン担当であってキッチンでは――」



相馬「いたい」

佐藤「餓鬼か」


相馬「あやまるから作ってよぉ。佐藤くんの方が料理うまいし」

佐藤(うぜぇ)

佐藤「……余り物でならな」

相馬「おっ優しい!さすが!」

佐藤(どっちにしろうぜぇ)チッ

相馬「ところで余り物ってなに?」

佐藤「納豆」

相馬「……山田さん泣いちゃうよ?」

佐藤「知らん」


相馬「余り物かー」

佐藤「なんだよ」

相馬「なんでもないよー」

相馬「きっとそういう真面目なところが積み重なって」

相馬「轟さんの、佐藤くんはいい人だってイメージになってるんだろうなーとか思ってないよー」

佐藤「……」

佐藤「うるせえ」

相馬「いって」


伊波「さ、佐藤さん……あの、まかない……」

佐藤「ハンバーグ定食な。米は自分で盛れ」

伊波「あ、あれ?いつの間に……」

佐藤「休憩の時間に合わせて作っといた。いらなかったら店長に食わせるけど」

伊波「い、いりますいります!あ、ありがとうございます…」

佐藤「礼なら相馬に言っとけ」

伊波(そ、相馬さん……いつの間に私の今日はハンバーグな気分を……)


佐藤「今度からも先に言うかだれかに言っとけば作っといてやるよ。いつ言おうかっていちいち様子を窺われんのめんどくせぇ」

伊波「あぅ……す、すいません……」

佐藤(あと、殴られたくないし)

佐藤「ほらさっさと食って来い。休憩時間なくなるぞ」

伊波「は、はい」

伊波「……あの、あ、ありがとうございます!」

佐藤「おー」


八千代「佐藤くーん」

佐藤「決まったか」

八千代「うん。うふふ、佐藤くんの料理はどれもおいしいから迷っちゃって」

佐藤「……そうか」

八千代「うん!きょーこさんに作ってあげる料理の参考にもなるし、いろいろ食べたいの」フフフ…

佐藤「…………そうか」

相馬(頑張れ佐藤くん!)

佐藤(うるせえ)

八千代「??」


八千代「それで……えっと、今日はこのスパゲッティーにするわね」

佐藤「はいよ」

八千代「うん」

八千代「……あ、えっと…」

佐藤「?」

八千代「じ、準備している間は……となりできょーこさんのお話してて、いい?」

佐藤「……」

佐藤「……勝手にしろ」

八千代「!う、うん」パァァ

相馬(にやにや)

佐藤(仕事しろ)

相馬(いまの佐藤くんには言われたくないよー)

佐藤(…ちっ)

八千代「それでね!今日のきょーこさんはね――」


ぽぷら「さとーさん!」

佐藤「おう種島。今日はどのピーマン料理にする」

ぽぷら「あれ!?選択肢が少ないよ!?」

佐藤「種島仕様だ。ピーマン限定にすることで選択の幅が小さい。特別だぞよろこべ」

ぽぷら「嬉しくないよ!あとちっちゃいはおかしいよ!」

佐藤「ちっ。目ざとく気づくな種島。そういう神経質なところが身長を縮ませる一番の原因だぞ」

ぽぷら「ちぢんではないよ!もー!」

佐藤「ほう、では?つまり小さいことはみとめ――」

ぽぷら「ないよ!」

相馬(轟さんとのやり取りのあとだと、なおさら勢いがあるなぁ)プクク


佐藤「はいはい。いいから早く選べ。どんなピーマンの使い方でもまかせろ」

ぽぷら「よくないよ!まかせたくもないよ!」

佐藤「でもお前そろそろ先月背が伸びなかった分のピーマンを摂る時期だろ。いやなことは早めに済ませておいた方がいいぞ」

ぽぷら「あ、あれ?なんでさとーさん私の背が伸びなかったの……」

佐藤「バカだな種島」



佐藤「俺はいつでもお前のことを見てるんだぜ。俺たち仲間だろうが」

ぽぷら「……!さ、さとーさん……!」ブワワ

ぽぷら「う、うん!私たちワグナリアの――」

佐藤「ああ。お前は俺のストレスを減らすためにかけがえのない仲間だ。いつだっていじるネタ探しは欠かさないぞ」

ぽぷら「かかしていいよ!?もー!それは仲間って言わないの!いじめ相手!」

佐藤「なんだ。自覚あったのか」

ぽぷら「これだけしておいてそんなこと言うの!?」



相馬(楽しそうだなぁ佐藤くん)


店長「佐藤めし」

佐藤「俺は飯じゃねえ」

店長「さっき小鳥遊がオムライス食ってたな……あれ見て思ったんだが」

佐藤「あいつは金を払ってるがな」

店長「私は大盛りがいいな」

佐藤「あいつは金を払ってるがな」

店長「それはさっきも聞いたぞ」

佐藤「お前聞いても聞かないだろ」


佐藤「おら。仕事の邪魔だから休憩室で食え」

店長「ああ」

店長「……」グー

佐藤「…?」

店長「すまん。持ちそうにないから一口いいか」

佐藤「……勝手にしろ」ハァ

店長「ああ」パク

店長「…うん。この前はお前の目を信じると言ったがな」

佐藤「あ?」

店長「味も信じる」

佐藤「……」

佐藤「…なんだそれ。早くいけ」

店長「ああ」

佐藤「…………」

佐藤「……はぁ」


山田「佐藤さん!山田にご飯を作ってください!」

佐藤「納豆でも食ってろ」

山田「ひどい!」

相馬(佐藤くんの溜まった鬱憤は種島さんか山田さんへ行く運命なんだね…)プークスクス

佐藤「お前にも向けてやろうか」

相馬「さ、さとーくん?炒め物を移したばかりのフライパンは固さに加えてさらに熱いからね…?」

佐藤「知ってる」

山田「??」


山田「ふ、ふふーん。まあ山田は納豆がいればなにもいらないですからいーです。佐藤さんなんて知りません」プイ

佐藤「そうかい」

山田「はい」ガチョ

山田「…!?納豆がありません!」

佐藤「あ」

山田「??」

佐藤「あー……相馬が食った」

相馬「いや間違ってはないけど」

山田「相馬さんが!?ど、どういうことです?そんなに山田の、山田の納豆が食べたかったんですか!?つまり相馬さんは山田不足!」グイグイ

相馬「や、と、とりあえずそんなに山田を連呼しなくていいから……」

山田「ひどいです!山田が足りないなら直接山田で補給してください!」

相馬「いや足りてないことはないから……というか納豆はもういいの?」

山田「!!…つまり相馬さんはいまの山田で満足されてるということですか…!山田一安心です」ハフー

相馬(あーめんどくさいよぅ)

佐藤「いいからはたらけよ」ジュー

相馬「これ佐藤くんのせいだよ!?」

佐藤「知らん」


佐藤「……」ジュー

佐藤「……」トントン

佐藤「……」ササ…

佐藤「……よし」

佐藤「相馬ぁ。キッチン頼んだぞ」

相馬「はいはーい」

佐藤「……」スタスタ



ガタ


佐藤「……ふー…」

佐藤「……」

佐藤「いただきます」


佐藤「…」モグモグ


ガチャ


佐藤「?」

八千代「お疲れさま、佐藤くん」

佐藤「…おう」

佐藤「……八千代も休憩か」

八千代「ええ。もうお客様も少ないから」

佐藤「…そうか」

佐藤「お疲れ」

八千代「はい」ニコ


八千代「はい。お茶」

佐藤「おう」

八千代「…」

佐藤「……」モグモグ

佐藤「……」…モグ

佐藤「……帰りに」

八千代「?」

佐藤「…帰りに酒、買って帰るか」

八千代「あ…うん。そうね」

佐藤「おう」


八千代「…ふふふ。ありがとう」

佐藤「なにがだよ」

八千代「な、なんでも…なんとなく?」

佐藤「…そうか」

八千代「ええ。ふふ」ニコニコ

佐藤「……」…モグモグ


八千代「……」

佐藤「…」モグモグ

佐藤「…」…モグ

佐藤「…べつに、店長の話…してもいいぞ」

八千代「…あ…うん。えっと」

八千代「今日はやめておこうと思って。…だめ?」

佐藤「……」モグ

佐藤「…べつにだめってことはないが」

八千代「そう。じゃあこのままいるわね」

佐藤「…おー」

八千代「……」ニコニコ

佐藤(黙って見られてんのも食い辛いな)モグモグ


八千代「ふふ。お泊り楽しみだわ」

佐藤「そうだな」

八千代「ええ」

佐藤「……」

佐藤「……」…モグモグ


佐藤「ご馳走さま」

八千代「お粗末さまです」

佐藤「……俺が作ったんだが」

八千代「ふふ」

八千代「でもだれかが答えてくれるって素敵じゃないかしら?」

佐藤「……」

八千代「…」ニコ

佐藤「……」

佐藤「そうだな」

八千代「うん」


八千代「だから今日は、佐藤くんのお家に着いたら、私がおかえりなさいって、言ってあげるわね」

佐藤「……ん」

佐藤「じゃあ、よろしく」

八千代「はい」ニコ



ポン


八千代「ふあ」

八千代「…な、なに?」

佐藤「……」

佐藤「…や、なんでもない」

佐藤「さっさと片づけしてくる。待っててくれ」

八千代「はい♪待ってるわね」

佐藤「…おう」


佐藤「…………」

佐藤「……ふー…」

佐藤「…」ハァ…

相馬「佐藤くん」

佐藤「…、相馬か」

相馬「片づけ手伝うよ。早く轟さんのところに行きたいもんね」

佐藤「……」

佐藤「…キッチンがキッチンの片づけ手伝うのは当たり前だろ。早くやるぞ」ゲシ

相馬「いて。はーい」

相馬「早く轟さんのところに行ってあげないとだもんね」

佐藤「……」

佐藤「…おう」



―――おわり

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