真涼「鋭太を無視し続けたらどうなるか」鋭太「おい」(82)

ID:GUYTyuav0

>>1 ありがとう

真涼「パチモンのパチレモンという恋愛雑誌に書いてあったわ」

パチレモン『最近、彼氏がそっけないという貴女!たまには彼氏を無視してみましょう!』

パチレモン『すると不思議。いつもそっけない彼氏があなたを心配して、いつも以上に話掛けてきます!』

パチレモン『彼氏は貴女という存在を再度認識し、今まで以上にラブラブに!?』

パチレモン『情報提供。アイちゃん大勝利さんから』


真涼「なるほど…最近、鋭太がそっけないから、どうにかしたいと思っていたのだけれど」

真涼「パチモンにしては中々良い事が書いてあるのね」

真涼「…」

真涼「ふふふ。鋭太!私が無視をする事で、さびしがりなさい!」

真涼「そして、私という素晴らしい彼女の存在を嬉しがる事でしょう!!」




■5分後

真涼「鋭太!もう5分よ!次の授業が始まるまで、後5分しかないのよ!なんで話しかけてくれないの!?」

鋭太「次の授業の準備で忙しいんだよ」

真涼「私と授業どっちが大切なのよ!」

鋭太「はぁ?…授業に決まってるだろ」

真涼「なっ!!」

キーンコーンカーンコーン


真涼「彼女なのに彼女なのに!私が彼女なのに、授業が大切?」

鋭太「何を…ほら、早く席に戻れって

真涼「絶対に許さないわ!もう絶対に口をきいてあげないわっ!」

鋭太「先生来てるぞ」

真涼「ふんっ!」

■授業中(2限目)

鋭太(さっきは言いすぎた)

鋭太(最近の真涼は俺にずっと話しかけてきて、少しイライラしていた…)

鋭太(…俺が悪かったな)

鋭太(次の休み時間は、俺から話しかけてやるか)



…♪



鋭太(ん?メール?真涼からだ…)

鋭太(あいつ一番前の席のくせに器用だな…)


真涼『ごめんなさい。最近の私…変よね。反省します。だから口をきかないなんて言わないで』


鋭太(って、きかないって言ったのはお前だろっ!)

鋭太(…それは置いておいて。返信するか…)

鋭太(あー、一番後ろの席なのに、授業中にメールするのドキドキする)めるめる

真涼(ん?メールが来たわ…)

鋭太『いや、あきらかに俺が悪かった。本当にごめん。ただ…真涼を大切にしているくらい勉強も大切なんだ。わかってくれると助かる』

真涼(…私が大切!?)

真涼(鋭太が私を大切ですって!?)

真涼(なななななななな、偽彼氏(フェイク)のくせにくせにくせに!何を勘違いしているんだか!)


真涼(…)

真涼(…一番と誓った勉強と同じくらい……………大切…)


真涼「うふふ♪」

鋭太(なんだよあいつ…あんなメールで、あんなに笑顔になりやがって…)

鋭太(…)

鋭太(…いつからあいつ、あんなに自然な笑顔ができるようになったんだっけ?)




真涼(…はっ!)

真涼(鋭太を無視するんだったわ……私とした事が…)

■2限目の休み時間

鋭太「よう」

真涼「…」

鋭太「さっきは言いすぎた。俺が悪かったよ」

真涼「…」

鋭太(うっ、まだ怒っていたのか?)


鋭太「お詫びに帰りは俺がカフェで晩ごはんを奢ってやるから、機嫌直してくれよ」

真涼「え?鋭太が?」

鋭太「ああ、奢ってやるからさ。ただしあまり高い物はダメだぞ」

真涼「そんな事はしないわ。鋭太が奢ってくれるなら水でも何でもOKよ」

鋭太「そ、そうか?あっ、もう少ししたら授業始まるから席に戻るぞ」

真涼「また遊びに来なさいよ?」

鋭太「わかったよ」

真涼「メールも!必ずメールも送るのよ!」

鋭太「はいはい」

真涼「絶対よ。絶対に私待ってるんだからっ」

鋭太「わかった、わかったってば」


真涼(ふふ。鋭太からデートに誘ってくれるなんて、はじめてね)

真涼(も、もうっ、鋭太ったら夜ごはんを一緒に食べようなんて…恋愛脳みたいな事してくれてっ♪)

真涼(放課後が楽しみね)


真涼「~♪」


真涼(……………………はっ!)

真涼(鋭太を無視するんだったわ………)

■3限目の休み時間

真涼「鋭太!?」

鋭太「うおっ!」

真涼「さっき約束したわよね?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」

真涼「なんでなんでなんでなんでなんでなんで来てくれないの!?」

鋭太「次は体育だろ?着替えないといけないだろうが」

真涼「だったら、更衣室まで一緒に行きましょう!」

鋭太「男子更衣室と女子更衣室は正反対の場所にあるだろ?一緒に行くのは無理だ」

真涼「ぐ、ぐぅ」

カオル「ごめんね夏川さん。鋭太を少し借りるよ」

鋭太「ああ、行こうぜカオル」

カオル「~♪」

真涼「く、くぅ…」

■昼休み

真涼「さあ、鋭太!お弁当を一緒に食べましょう」

鋭太「はいはい。ほら作ってきてやったよ」

真涼「うふふ♪今日は何かしら?」

鋭太「たけのこの炊き込みご飯と、卵焼き、プチトマト、キャベツ、シャケ、ウインナーだ」

真涼「ああ、雑草もどきと卵と植物の身と葉っぱ、それに魚の死骸と動物の肉をすり潰して加工したものね。とっても美味しそうだわ」

鋭太「おい!食欲なくすからそういうのやめろ!!」


真涼「いただきます」

鋭太「はいはい、いただきます」

 
………………………………………………………


真涼「何か話題はないの?」

鋭太「そういえば、昨日の『まぐ刑』なんだけどさ」

真涼「それはいいわ」

鋭太「…ちょっとくらいいいじゃん。話しても」

真涼「にわかの話を聞いていたら昼休みが終わってしまうわ」

鋭太「ちっ違うぞっ!俺はにわかじゃない!」


真涼「まあ、話題がないならそれでもいいわ」

鋭太「そうか?」

真涼「ええ。私は鋭太の顔が見られるなら、それだけで満足だから」

鋭太「ちぇっ。なんだよ…それ」

真涼「あら?照れた?鋭太の顔は見ててあきないわね」クスクス

鋭太「…」

鋭太(畜生…最近の真涼の笑顔は反則だ)

真涼(昼休みは鋭太とずっと過ごしたわ)

真涼(今日は良い一日ね。そうだわ!日記に残しましょう!)

真涼(そして、この日記を数年後に鋭太と一緒に見て…)

真涼(うふふふ//)


真涼(って、私は何を!?)

真涼(これだと、恋愛脳的な行為だわ!)

真涼(そう!鋭太を無視しないと!!)

■5限目の休み時間

鋭太「え?」

真涼「最近、私達はベタベタしすぎです。だから、今日は私一人で帰りますから」

鋭太「そうか?」

真涼「ええ。少し距離を置きましょう。私たち」

鋭太「わかった。じゃあ今晩の約束は無しな」

真涼「え?」

鋭太「は?」

真涼「い、意味がわかりませんね。なんでそうなるのかしら?」

鋭太「いや…だってお前が『少し距離を置きましょう』って言っただろ?」

真涼「ええ。それで今日は一緒に帰るのをやめようと」

鋭太「え?」

真涼「え?」

鋭太「あ、あのさ。『少し距離を置く』の『少し』ってどれくらい?」

真涼「今日帰るのみでしょう?そんな事もわからないの?」

鋭太「本当に少しだな!!そんなのわかるかよ!」

真涼「はぁ~。だから鈍太くんって呼ばれるのよ」

鋭太「呼ばれてねーし!」



鋭太「わかったよ。じゃあ帰って着替えたら集合な」

真涼「ええ。では私は席に戻ります」

鋭太「ああ。じゃあな」

鋭太「…」


鋭太「仕方ない。じゃあ今日は千和と帰るか」ボソッ

真涼「いいえ、やっぱり私と帰りましょう」

鋭太「へ?」

真涼「よく考えたら、鋭太くんと別れたorケンカしたって噂が広まったらまずいので」

鋭太「おい」

真涼「ええ。では、部活が終わった後に待ってますから」

鋭太「へいへい」

真涼(…)

真涼(…そうよね。彼女だし、一緒に帰るのが普通よね)

真涼(これは決して恋愛脳的な動きじゃないわ!)

真涼(彼女だから仕方ないのよ。彼女だから)

真涼(鋭太の彼女なんだから)


真涼(…)

真涼(…はぁ…また無視できなかったわ…)

真涼(最近の私は一体なんなのかしら…)

 
………………………………………………………


■部活中

千和「…」

真涼「…」

姫香「…」

愛衣「…」

鋭太「…」


鋭太(今日の部活はやけに静かだ。いや、勉強が進むから言い事なんだが…)


鋭太(真涼は部費で購入したジョジョを読んでいるけど)

鋭太(他の三人はパチレモンを読みながら、何で俺をチラ見しているんだ?)



鋭太(まぁ、静かなうちに勉強勉強)

千和(ふふふふふ。今日はえーくんと一言も喋ってないよ)

千和(これで夏川に勝てる!)


真涼(やはり4部は最高ね。特にしげちーと鋭太の顔がそっくりな所が)


姫香(プチレモンに彼氏を無視すれば寂しがると書いてあった)

姫香(これでわたしも元カノから現カノにランクアップできる?)


愛衣(これを成功させれば、タッくんはタッくんは……)にへらー

 
………………………………………………………


キーンコーンカーンコーン


鋭太「あっ、もうこんな時間…真涼帰るぞ」

真涼「ええ。ではみなさんまた明日」


千和(え、えーくん!?何で一言も話しかけてくれないの!?)

姫香(エイタが…でも、無視しないと)

愛衣(ああーん、もうっ!愛衣ちゃんミステイク)

 
………………………………………………………



鋭太「なあ」

真涼「何かしら?」

鋭太「今日のお前、少しおかしいぞ。いや、何が?って聞かれると答えられないんだけどさ」

真涼「あら?鈍太から鋭太に進化したのかしら?」

鋭太「俺は最初から『鋭太』だ!!!」

真涼「これよ」

鋭太「ん?なになに…『最近そっけない彼氏を無視すると、ラブラブになれる?』なんだこれ?」

真涼「さあ?恋愛脳の雑誌に書いてあったの」

鋭太「お前こんなの信じるのかよ」

真涼「偽彼女(フェイク)がバレない為の勉強よ」

鋭太「なるほど…お前意外と勉強してるんだな」

真涼「馬鹿ね。偽物だからこそ、本物より本物らしくしないといけないのよ」

鋭太「…そうだったな」

真涼「鋭太?」

鋭太「なんだ?」

真涼「彼氏なんだから、今日みたいに常に私の変化に気付きなさいよ?」

鋭太「ああ。『鋭太』だからな」

真涼「髪の毛を1cm切っても気付かないとダメよ」

鋭太「無理に決まってるだろ!」

真涼「あら?私はわかるわよ。ちなみに鋭太は昨日より30cm短いわね」

鋭太「ねーよ!そんなに短くなったらハゲるわ!」

真涼「まったくハゲ太くんは騒がしいわね」

鋭太「ぐおおおおおおおおおお!ハゲ太はやめてくれ!男にそれはダメージが高すぎる!」

真涼「ふふふ」

鋭太「…あのさ」

真涼「?」

鋭太「何か悩みとかあったら、そんな雑誌に頼ってないで俺に言えよ」

鋭太「フェイクとは言っても、俺は彼氏なんだ。少しぐらい頼れ」

真涼「…ハゲ太が何を言っているのかしら?」

鋭太「なっっ。人が真面目な話をしてるってのに」


ギュウウ


鋭太「おい、急にだきつくなっ!」

真涼「抱きつくなんて当たり前じゃない。だって私はあなたの彼女なんだもの」

鋭太「フェイクだけどな」

真涼「ええ。その通り…これは全部嘘…」スリスリ

鋭太「おい、歩けないから離してくれ」


真涼「だーめ」

鋭太「っ//」


ギュウウウ


鋭太「あ、あの…真涼さん。そろそろ離してくれるとうれしいなぁーって」

真涼「あら?嫌だったかしら?」

鋭太「べ、別に嫌とかじゃないけどさ」

真涼「でもみんな見てるじゃない。鋭太は私の物だとみんなに見せつけてあげないと」

鋭太「へ?みんな…?…………って後ろ!?」



千和「え~く~ん。なにをやってるのかな~?」

姫香「わたしのことはギュッとしてくれないのに?」

真涼「あら?みなさんいらしたんですか?」

真涼「でも、これから鋭太くんと二人っきりの夜のデートなので、お帰り下さいね」

千和「なっ!?」

愛衣「ハレンチだわーーーーー」

鋭太(やっぱり、最後はこうなるのかよ…)

鋭太(真涼やわらかかった…)

千和「えーくーん?変な事を考えてたでしょう?」

鋭太「え?そんな事ないぞ?」

真涼「鋭太くんは常に私の事を考えています。変なことなんて考えてません」

千和「あたしの事だって考えてくれてるもんね!」

真涼「今は私の事を考えてくれてました!」

姫香「エイタぎゅっとして?」

愛衣「みんな!ここは道路よ!ほら早く帰宅して!タッくんは私と帰宅ね!」



鋭太(たまには一人で静かに帰りたい…)


鋭太「俺の彼女と幼なじみと元カノと婚約者が修羅場すぎる!!」





       終わり

これにて終わりになります。
さっきのスレも含め、支援&見てくれてありがとうございました。
また、機会があればよろしくお願いします。

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