モバP「オフッ!」(149)

ちひろ「それじゃあ土・日の二日間、しっかり羽を伸ばしてきて下さいね! 事務系統の方は私で処理しておきますから」

P「ありがとうございます! 行ってきます!」

ちひろ「はーい!」

―――

P「プロダクションに入って一年強……ようやく、まとまった休みが貰えた……!
  これを活かさない手はない、しっかり疲れを落として……ん、なんだあの人だかり……」

  「あ、プロデューサーだ」

P「どうした? なにか問題でも起こったのか」

  「プロデューサーさん、今度の週末、オフなんですよねぇ……?」

P「えっ」


  「あ、アタシさ、実は前々からプロデューサーと行きたいところが……!」「丁度お休みが重なってて、映画のチケットがあって……」
    「あ、あ、新しい……映画、ホラー、ホラー映画……一緒に……見よ……?」「Pくん、今度はさ、動物園行こーよ、動物園!!」
   「ちょっと新しい洋服を選ぶのを手伝ってほしいんですけどぉー!」「Pちゃんもきらりんルームにね、一緒にねぇ~☆」
     「おいしいレストランを見つけたんだけど、プロデューサーさんお暇かしら?」「Pちゃま! お暇なら一緒にお茶しませんこと?」
    「Pチャン! 猫カフェ、一緒に猫カフェ!」「フヒヒ……き、キノコ……キノコと、い、い、一緒に……だ、ダメ、ですか?」
      「プロデューサーさん、ちょっと、料理を食べてほしいんだけど」「まぁ、結局はボクと一緒なんですけどね」
     「そういえば丁度ワインの試飲ツアーがあってるのよね」「死因が試飲……ふふ」「死因が試飲ってギャグで一同シーン! ……あ、あれ?」


P「」

  「通信対戦しよ、通信対戦!!」「リュウケンドーかりてこよう!!」「混沌の淵より災禍を見出す!(ウィンドウショッピングなんてどうですか)」
    「ちょうど可愛い小物のお店があって、一緒に行きたいなぁって……」「アッキーのお散歩がてら二人でショッピングなんて」
   「偶然ここにロックコンサートのチケットが三枚!」「だりー、だからそれメタルバンドだって……」「ほら、アイツの様子でも見にさ、ウチに」

P「ストーーーーップ!!!」

  「……」「……」「にょわー☆」

P「きらりも少し静かに」

  「……」「……」「……」

P「あのな、気持ちはありがたいけど、ようやく貰えた休みなんだよ……そんな休みの日くらいゆっくりさせてくれ」

  「じゃあ、私がこの前見つけた温泉で一緒に」

P「そういうのじゃなくて!! 仕事の事忘れてのんびりさせてくれってことなの!!
  仕事の事思い出したくないの!! お願いだから分かって!!」

  「……」

P「俺はこの二日間、誰かと一緒に過ごす気はまったくありません!! 仕事を思い出したくないからです!!
  だから、どんな誘いも無駄! 俺は、仕事仲間と離れて一人でのんびりします!!」

  「……けち」

P「おい誰だ今けちっていったの」

P「少しキツく言いすぎたかな……」

P「でもなぁ、全員の相手してたら二日じゃ足りないしなぁ」

P「誘ってくれるのはありがたいけど、流石に時間は限られてるから」

P「そもそも、俺の休みなんだから、どう使おうと俺の勝手じゃないか」

P「よし、俺は悪くない!」

P「……」

P「埋め合わせは……各アイドルのオフ日でいいか」

――― 夜

P「さて、明日からなにしようかなー」

P「とりあえずはー……目覚まし切って、十時間でも二十時間でも気のすむまで寝るか!」

P「それから先は……まぁ、何も考えずだらだらするかなぁー」

P「……今日はもう寝よう」

――― 昼前

P「ぐがー、ぐがー……」

P「う、ぁぁぁ……んー……」

    ピンポーン

P「……」

    ピンポーン ピンポーン

P「……んー?」

    ピンポーン

P「……チッ……誰だよ……人が気持ちよく寝てるのに……」

    ピンポーン

P「……はいはーい、今行きまーす」

    どたどたどたどた
                        がちゃっ

?「あ、せんせぇ、居たー!!」

P「……あー……なんか用か、薫」

薫「えへへ、おはようございまー♪」

P「うん、おはよう……それで、何か用なのか?」

薫「あのね、かおるね、お手伝いに来たの!!」

P「……手伝い?」

薫「うん!! お手伝い! ダメ?」

P「……駄目も何も……手伝いって、何の手伝い?」

薫「えっとね、せんせぇがね、のんびりするののね、お手伝い!!」

P「……のんびりするのに手伝いは要らないと思うけど」

薫「あ、ちがうよ! かおるがお手伝いするのは、のんびりするのじゃなくて、お家のお手伝いでね!
  かおるがお手伝いするから、せんせぇはのんびりしてていいんだよ! それで、かおるが、せんせぇのかわりにお家のお手伝いするの!」

P「……」

薫「……分かる?」

P「さっぱり」

薫「だからね、せんせぇは、のんびりしてていいの! かおるがね、せんせぇのかわりに、お料理とか、お洗濯とかしてあげるの!」

P「……ああ、そういう」

薫「せんせぇ、一人だとお家の仕事がいっぱいあってのんびりできないかなっーて思って……それで、かおるね、お手伝い……ダメ?」

P「薫……お前……そんなことに気が回るなんて、いい子だなぁ」

      わしゃわしゃ

薫「えへへ、じゃあ、せんせぇもいっぱいがんばってるからいい子だね」

P「……言っとくけど、手伝ったからってご褒美とかないぞ? それでもいいか?」

薫「いいよ! かおるね、せんせぇにいっぱいのんびりしてほしいから!」

P「そうかぁ……確かに、手伝ってもらえるとのんびりできるかもな」

薫「だよね、ね!」

P「でもなぁー、薫もアイドルだからなー……仕事のこと思い出しちゃうかもなー」

薫「大丈夫だよ! かおる、お仕事の事ぜったい話さないから!」

P「そうかー……でもなぁ、どうするかなー……うーん」

薫「……」

P「薫」

薫「なに?」

P「それじゃあ今日一日、お家のお手伝い、よろしくお願いします」

薫「はーい!! えへへ、かおる、いっしょうけんめいがんばりまー!!」

P「じゃあ、薫にはお洗濯とお風呂掃除のお手伝いをお願いします」

薫「はーい!!」

P(……しかし、完全に目が覚めちまったな……まぁ、どこかに引っ張り回されるわけじゃないし、家事もやってくれるってことなら楽でいいが……)

          ぐぎゅるるるるぅぅぅ……

P「……あー……そういや、朝抜いたことになるんだよな……ずっと寝てたし……薫ー」

薫「なーにー?」

P「薫、お昼ご飯食ってきたのか? もしまだなら、コンビニなりファミレスなり連れて行くけど」

薫「……せんせぇ、お腹すいてるの?」

P「さっきまでずーっと寝てたからな。それで、どうだ? 腹減ってるか?」

薫「あ、せんせぇ、ちょっと待って!」

P「どうした?」

薫「んーとー……えっと……」
                               ごそごそ

薫「あ、あった……はい!!」

P「……ん? なにこれ……」

薫「かおるのお昼のお弁当! お腹すいてるならね、半分こしよ!」

P「お弁当って……作ってもらったのか?」

薫「ちがうよ! かおるがね、早起きしてね、7時に起きてね! 作ったの!」

P「……薫が、自分で?」

薫「うん! あのね、おにぎりと、たまご焼き! それでね、おにぎりにはね、梅干しがはいってるよ!」

P「……」

薫「……せんせぇ、梅干し、嫌い?」

P「嫌いじゃないけど……なんでお弁当なんて作ってきたんだ?」

薫「せんせぇのお手伝いしてる時に、お腹がすいたら食べよーって思ったから!」

P「……そうか」

薫「お店よりはおいしくないかもしれないけど……でも、お腹はいっぱいになるよ!」

P「……じゃあ、半分貰おうかな」

薫「うん! 半分こ、ね! 全部だと、薫もお腹すいちゃうからねぇー!」

P「じゃあ、お手伝いの前に一緒にお弁当食べるか!」

薫「はーい! あ、せんせぇ、手、洗わなきゃダメだよ!」

P「ははは、薫はしっかり者だなぁ」

―――

薫「半分こだから、ちょっと少なくなっちゃったねー」

P(薫がお腹いっぱいになるくらいのお弁当の半分だもんなぁ……食べた気がしない……
  あとで水たくさん飲んで腹膨らませとくか)

薫「……ねえねえ、せんせぇ。お弁当、おいしかった?」

P「美味しかったぞ。卵焼きはちょっと甘かったけど」

薫「せんせぇ、甘いの嫌だった?」

P「嫌じゃないけど、自分で作る時は砂糖なんかいれないからなぁ」

薫「お砂糖入れないの? かおるのお家の卵焼き、いっつも入れるよ?」

P「お国柄の違いだろうなぁ、それは。まぁそれは別にして、普通に美味しかったよ。ごちそうさまでした」

薫「えへへー♪ じゃあ今度は、たまご焼き、お砂糖入れないで作ってあげるね!」

P「今度、か。期待してます」

薫「それじゃあ、せんせぇ! かおる、お洗濯やってきまー!!」

P「おーう」

薫「せんせぇはのんびりしてていいよ! 寝ててもいいよ!」

P「そっかー、じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」

       ガウンガウンガウンガウン

P「……」

       ガウンガウンガウンガウン

P「……」

薫「せんせぇ、お風呂洗うのってこれでいい?」

P「ああ、いいよ」

薫「ありがとー! じゃあかおる、お風呂掃除してくるね!」

P「あれ、洗濯は?」

薫「お洗濯は、今、洗濯機でやってるから、終わるまでまたなきゃいけないの! だからね、先に、お風呂掃除!」

P「そうか。じゃあ、終わったら頼むな」

薫「うん! がんばりまー!!」

                        てってってってって

P「おう、頑張れー」

       ガウンガウンガウンガウン

P「……」

       ガシャッ、ガシャッ、ガシャッ、ガシャッ

P「……」

薫「お風呂洗ってきたー!!」

P「おー、お疲れさーん」

薫「かおるね、お風呂洗うのね、得意なんだよ!」

P「ほー、そうか。どうりで上手いわけだー」

          なでなで

薫「えへへ、でね、でね! お家でもね、かおるはお風呂洗うのが上手だね、ってね!」

P「そうか。よかったなぁ」

              なでなで

薫「……せんせぇ、どうかしたの?」

P「ん、なにが?」

薫「ちょっと元気ないよ?」

P「……なんでもない」

P(言えない……結婚生活ってだいたいこんなカンジなんだろうなぁ、なんて薫相手に想像してたなんて……)

―――

P「……」

薫「……んー……んー……!!」

          ぴょん    ぴょんっ!

P「……」

薫「よ……ん、しょっ!!」

             ばさっ

P「……薫」

薫「なぁに、せんせぇ?」

P「洗濯物干すのは俺がやるから、薫は少し休憩してろ」

薫「えーっ! ダメだよせんせぇ、のんびりしてないと!」

P「のんびりしすぎると体がなまっちゃうからなー。ほら、交代、こうたーい!」

薫「じゃあ、干すのだけ交代ね! 干すのおわったら、あとはかおるがやるからね!」

P「任せます。それじゃあ、ちょっとそこどいて」

薫「うん!」

―――

P「……暇だ」

薫「ひまだねー」

P「……」

          どた どた どた どた

薫「あ、せんせぇ、どこ行くの?」

P「晩御飯の準備」

薫「……まだお昼なのに、夜ごはんの準備するの?」

P「やることないし、早いうちに米の準備だけしておこうと思ってな」

薫「あ、それ、それかおるがやる! かおるがやるから!! せんせぇ座ってて!」

P「いいよ。米くらい」

薫「だーめー! せんせぇは今日はなにもしちゃいけません! だからかおるがやりまーす!」

P「……俺、やっちゃダメ?」

薫「だめ! やっちゃだめ! かおるがやるから、せんせぇは座ってて!」

P「……はーい」

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P(困った……本当に退屈だ……)

P(やることないし、どっかに出かけるか……いや、でも、ただ出かけるってのは薫が許してくれそうにないし……)

P「……薫ー」

薫「はーい!」

         てってってってって

薫「せんせぇ、どうかした?」

P「買い物に行きます!」

薫「……お買いもの? なに買うの! かおる、買ってくるよ!!」

P「いや、二人で買い物に行きます!」

薫「せんせぇはお家にいて大丈夫だよ! かおる、間違えずにちゃんと買ってくるから!!」

P「でもなぁ……今から買ってくる物はすーっごくいっぱいあってな、薫一人だと、荷物多くて持てないくらいなんだよ。
  それに、スーパーまで結構距離あるだろ? だから、買い物は薫に全部やってもらう、俺は車運転兼付き添いでついていくだけだよ」

薫「えー……でも、せんせぇ、大丈夫?」

P「大丈夫大丈夫。というよりいっぱい休んだから元気がありあまってるし」

薫「そっかー……それなら一緒に行こ!」

P「よし、じゃあ買い物準備!」

―――

薫「それで、せんせぇ、なに買うの?」

P「今から薫には、晩御飯の材料を買ってもらいます」

薫「夜ごはん? まだ夕方前だよ?」

P「ああ。早いうちに作っておいた方が、夜のんびりできるって気付いてな。
  だから、早いうちに買って、家に帰ったら晩御飯を作ります! 手伝ってくれるか?」

薫「うん! 手伝う!!」

P「そうか、優しいなぁ……じゃあ、晩御飯は何にするかなぁ……」

薫「せんせぇが好きなのでいいよ!」

P(意気込んでる薫を手伝わせないわけにはいかないし……かといって、包丁とか使わせるのは危ない……ここは……)

P「じゃあ……ハンバーグが食べたいから、ハンバーグを作ろう!」

薫「はーい!!」

P「ところで薫、ハンバーグの材料って分かるか?」

薫「お肉だよ! えっと、ひき肉っていう、お肉なの! それでね、お肉でね……あ、あっち、あっち! せんせぇ、お肉あっちにある!!」

                    てってってってって

P「あ……おーい、急がなくても大丈夫だぞー」

ばれたら刺されるな

――― P自宅

P「薫、買ってきたものの確認してくれ」

薫「ひき肉、たまねぎ、たまご、パン粉、キノコ、にんじん、ブロッコリー、デ、デミ、グ、ラス、ソース……全部あるよ!」

P「他の材料・調味料は買い置きがある……よし、じゃあさっそく作るか!」

薫「うん! じゃあせんせぇはあっちー!! あっちでできるのまってて!!」

P「ん? 待て、待て、薫。洗濯物そろそろ乾いたんじゃないのか?」

薫「……あ、そっか! 干してたもんね!」

P「洗濯物、乾いたらどうする?」

薫「んっとねー……中にね、入れるの!!」

P「……ほう」

薫「乾いたのはね、お家の中に入れて、たたんで、タンスにしまうんだよ!」

P「じゃあ薫は洗濯物を家の中に入れておいてくれ。俺はこっちで、ハンバーグの下ごしらえしとくから」

薫「全部やっちゃだめだよ? かおるが作るからね?」

P「分かった分かった。畳むのは料理が終わってからやるから、入れるだけでいいからな」

薫「うん!」

http://i.imgur.com/WfULHs1.jpg
http://i.imgur.com/zhvOwf3.jpg
龍崎薫(9)

薫ちゃんゲジマユやないかい

薫「洗濯物入れたー!!」

P「じゃあ、ハンバーグの形作っててくれ。俺は、添え物作っとくから」

薫「はーい!!」

―――

薫「らんららー♪」

    ぺちこね     ぺちこね

薫「らららんらんらんらー♪」

        ぺちこね     ぺちこね

P「薫ー、そろそろ出来たかー?」

薫「あと一個ー!」

P「おー……ん? やけに数が多いな……それに、これはちょっと小さすぎないか?」

薫「こっちの小さいのはね、かおるの! こっちの大きいのがせんせぇのでね、それで、こっちの中くらいのが、どっちが食べてもいいのなんだよっ!!」

P「ほぉー、そうかー……ん? ちょっと待て……薫、ハンバーグ食べるのか?」

薫「食べるー!!」

P「……そうか……分かった。じゃあ、ハンバーグ作り終わったら少し待っててくれ。俺、ちょっと電話してくるから」

P「あ、もしもし……龍崎さんの……はい、はい、お世話になっています……はい……」

P「はい、今朝から……はい……あ、そのことで、お話があって……」

P「実は、今、薫さんとハンバーグを作っていて……はい、材料を買うところから率先してやってくれてですね……
  それで、薫さんが、ハンバーグを食べて帰ると言ってまして……」

P「あ、そうですか……はい、分かりました。本人にもそう伝えておきます……はい、ありがとうございます、失礼します」

        pi!

P「薫ー、ちょっといいかー?」

薫「なぁに?」

P「今な、薫のお母さんに電話してな。晩御飯、俺のところで食べてもいいってさ。ハンバーグ食べていくか?」

薫「うん! いっぱい食べるー♪」

P「そうか。じゃあ、いっぱい焼かないとな。あ、あと、迎えに来るのが少し遅くなるらしいから、寝る準備はこっちで済ませときなさいって」

薫「はーい!! ……あ、でもせんせぇ、かおる、パジャマもってきてないよ?」

P「……その辺は……まぁ、ご飯が終わってから考えよう!」

薫「そうだねー。あ、ねぇねぇ、せんせぇ、ハンバーグ、焼いちゃっていい?」

P「やけどしないようにな」

薫「大丈夫だよ! かおる、焼くのも上手だから!!」

―――

薫「いただきまー☆」

P「す」

薫「す?」

P「す」

薫「いただきまーす!」

P「はい、いただきます」

薫「えへへ、ハンバーグ、上手にできたね!」

P「そうだなー。薫はやっぱり料理上手だな」

薫「うん!! かおるね、お料理するの、好きだからね、いっぱいいっぱい作ってね、それでね!」

P「小さいハンバーグもーらいっ!」

薫「あ、あー! せんせぇ、ダメー! それ、かおるのやつー!!」

P「お、そうか? じゃあ、薫には……ほら、ブロッコリーやるよ、ブロッコリー。交換な」

薫「交換もダメ!! せんせぇ、やさいはね、ちゃんと食べなきゃダメなんだよ!! はい、ちゃんと食べて!」

P「ははは、厳しいなぁ。ごめんなさい」

P「薫、ハンバーグ作ったことあったのか?」

薫「ないよ?」

P「ないのか……それにしては手慣れてたな。言われなくてもこねたり、ひっくり返したりできてたし」

薫「だって、お母さんが作ってるのを見てたからねっ!!」

P「見てたから、か……凄いな」

薫「ねぇねぇ、せんせぇ。ハンバーグ、おいしい?」

P「うん、美味いよ」

薫「ホント!?」

P「こんなに美味いハンバーグは初めて食ったかもな」

薫「そっかー……えへへへー♪」

P「これは、本格的に薫のお料理番組進出を考えないといけないな」

薫「あ、せんせぇ! ダメ!!」

P「ん?」

薫「お仕事の話はダメ! のんびりできなくなっちゃうよ!!」

P「……そうだったな、ごめんごめん」

薫「もう、お仕事の話はダメってせんせぇが言ったんだよ?」

P「ごめんごめん、あまりにも薫のハンバーグがおいしくてさ」

薫「おいしかった?」

P「そりゃあもう、毎日食べたいくらいだよ」

薫「そっかー……じゃあ、かおるが大きくなったら、せんせぇのおよめさんになってあげる!」

P「えっ」

薫「かおるがね、せんせぇのおよめさんになってね、せんせぇに毎日ハンバーグ作ってあげるの!
  そしたらせんせぇ、毎日ハンバーグ食べられるよ!」

P「あー、成程なぁ……薫は賢いなぁ」

          わしゃわしゃ

薫「えへへ……♪ やくそくね!!」

P「善処します。しかし……それまで独身かぁ、キッツいなぁ……」

薫「……あ、でも」

P「ん、どうした?」

薫「んっと、およめさんじゃなくても、こうやってハンバーグ作りに来てあげられるなぁーって」

P「そこに気付くとは、やはり天才か……」

―――

薫「ごちそうさまー!!」

P「はい、ごちそうさま。薫……」

薫「食べたの、むこうにもってくね!」

P「あ、ああ……悪いな、なにからなにまで」

薫「お片付けまでがお料理だからね!」

P「確かに……それじゃあ、薫。運び終わったら風呂入って寝る準備な」

薫「はーい!!」

P(さて……パジャマ代わりの何か、何かあったかな)

P(テキトーに長袖のシャツと、半ズボンでいいか……あ、でも、下着はどうするかな……流石に二日同じってのは……)

P(まぁ、その辺はご両親に任せておこう。下着は流石に……)

薫「せんせぇ、食べたの洗うのどこー?」

P「それは風呂あがってからでいいよ。先に風呂! はい、タオルと……これ、パジャマの代わりな」

薫「わ、おっきー! わー、わー!! ん、しょっ……えへへ、ぶかぶかー♪」

P「遊んでないでお風呂入ってきなさい」

――― 

薫「せんせぇ、お風呂あがったよー!」

P「おお。服はどうだ?」

薫「ぶかぶかー!」

P「悪いな、大人サイズなんだよそれ」

薫「えへへ、せんせぇおっきいからぶかぶかー☆ あ、せんせぇ、歯ブラシある?」

P「歯ブラシ……? あ、そっか……歯磨きしなきゃだもんな。歯ブラシは……俺のしかないな」

薫「せんせぇのかりていい?」

P「いいぞ、別に。あ、でも、歯磨き粉ちょっと辛いかもしれないな」

薫「からいの?」

P「さあ、どうだろうなぁ? 試してみればいい」

薫「んー!! じゃあ、歯ブラシかりるね!!」

P「はーい」

         てってってってって

     |┃三        /:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒\

     |┃         /:.:./:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:.:.ヽ
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 ガラッ. |┃       :|/ :.:.:.:..:.:‐く:.:/:.:./  '|:.: |:.:.|.:.:|
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―――

P「……」

薫「……」

P「……」

薫「……く、ふぁー……んん……」

            ごしごし

P「薫ー」

薫「……んー……」

P「眠いなら寝てていいんだぞ。お母さん迎えに来たら起こすから」

薫「ん……でも、せんせぇも……」

P「俺はお昼まで寝たから大丈夫だよ。ちゃんと起きてられるから」

薫「……でも……でもー……」

P「それじゃあ、布団でちょっと横になってようか。寝なくてもいいから」

薫「……うん」

          ぽふっ

P「……」

薫「……」

P「……」

薫「……」

    ピンポーン

P「はーい」

           がちゃっ

P「あ、どうも……はい、あ、もう奥で寝ちゃっててですね……ちょっと待っててください、運んできますから」

薫「……すぅ……すぅ」

P「……薫、お母さん来たぞー」

薫「……んー……ん、んぅ……」

P「……ちょっとごめんなー」

           がばっ

P「服、こんなのしかなくて……いえ、こちらこそ、今日は薫さんに色々とお世話になって……」

P「じゃあ、車まで運びますね……はい、はい」

―――

P「結局、一日中薫と一緒だったな」

P「しかし、やらなきゃいけないことはほとんど薫がやってくれたから、かなり楽ができたなぁ」

P「……ただ、一日休みってこんなに時間を持て余すんだな……」

P「明日は……買い物にでも行ってみるか」

P「買う物なんてないけど、家に居ても暇を持て余すだけだからな」

P「事務所の子たちと合わないように、少し遠めの……女子寮や事務所とは真逆の方で」

P「それなら、まぁ、色々なアイドルたちに見つかって絡まれる、なんてことはないだろうし」

P「……ふぁー……」

P「……今日はもう寝よう」

――― 翌日・昼前・ショッピングモール

P「久々に私用で来たけど……相変わらず、デカいなぁ……店何個入ってるんだ?」

P「これだけデカいと、歩き回るだけで一日つぶれそうだな」

P「まぁ、映画館なんかもあるし、時間つぶしには持ってこい、か」

P「じゃあまずは……テキトーに歩き回るか……ん?」

??「……」

P「……」

??「んふー……♪ あ、あっちの子いいなぁ……」

P「……」

??「あ、でも、むこうの子も……ぐへへ」

P「……君、ちょっと署まで来てくれるかな?」

??「ひぇえ!? えっ、ちっ、ちがいます!! あたしはただ、見てただけで!!!
    決してやましい思いは!! ……えっ、あ、あれっ!? プロデューサー?」

P「愛海……お前なにやってんだ、こんなところで」

愛海「……なんだぁ……びっくりさせないでよぉ!」

http://i.imgur.com/tR5wthW.jpg
http://i.imgur.com/fUTeWOg.jpg
棟方愛海(14)

P「それで、何やってるんだこんなところで」

愛海「へ? ああ、服見に来たの、服!」

P「服見に来た、って……ここ、女子寮からどんだけ離れてると思ってるんだよ……
  一時間以上かかるじゃないか、ここまで」

愛海「ちっちっち、見た目にはキチンと気を配らなきゃあね! アイドルとしての鉄則でしょー!!」

P「そうか、良い心がけだな……ところで、さっきなにしてたんだ?」

愛海「……もしかして、見てた?」

P「バッチリ」

愛海「あ、あれねー……あれ、ふ、服、見てたの!! こう、通ってる人達の、服ね、服!」

P「へぇ……服。服のどこ?」

愛海「服の……胸部?」

P「……」

愛海「……え、えへへ……」

P「あのなぁ……お前本当にいつか捕まるぞ」

愛海「だ、大丈夫!! 同性だし!! それにあたしまだ、未成年だし!!」

P「はぁ……何が悲しくて、休みの日まで説教しなきゃならないんだ」

愛海「……くそう、くそう……まさか、こんな遠くで見つかるなんてぇ……」

P「俺からすれば、そんな下らないことのためにこんな遠くまで来るお前の気がしれないよ」

愛海「だって、だってぇ……近くのお店だと、知り合いにばれてすぐに止められちゃうんだもんっ!!
    ここだと、何やってもバレないから……ぐすん」

P「泣き真似するな……」

愛海「えへへ、やっちゃった♪」

P「開き直るな。大方、『服を見に来た』ってのもそういう意味なんだろ?」

愛海「服を見に来たって言うのは本当だよ! こっちの春がこんなに早いと思わなかったから、春物の服を買いに来たの!」

P「春物、ねぇ……」

愛海「うん。青森はまだ衣替え前だからさぁ、春物送ってもらってなくて!
    お金も余ってるから二・三着買っておこうかなって思って、ここまで来たの!」

P「へえ……」

愛海「お、プロデューサーじゃん!! 丁度いいところに!! 買い物手伝ってよ!!!」

P「今偶然会ったみたいに言うんじゃない。さっきことはキチンとちひろさんに報告しておくから」

愛海「ふぇぇ……」

      /    i    ヽ、  \  ヽ、::::::| 
     / / λ.  lヽ ヽ、   ゙i  \__  ゙̄|  ボクのプロデューサーはプロデューサーさんしかいないんですよ!
    / /  ハ   l ヽ_⊥k--.,,_ |   |\__|.  プロデューサーさんが一番カワイイって言ってくれればいいんです!
    | i (.  | ヽ  l ヽ ヽ ヽ、 `|   |、 .|.  とりあえず褒めて下さい!  
    {.| |,-t十  ヽt、 i. ,-‐比_ヽ |   | .ヽ|.   もっとボクのことを考えてください! 
    、iハ. 'k |り-‐-  ヽ!  '下 不`,ー-  kヽ|   ボクが一番に決まってますよね? 
     / ヽ |`,イ .ミ      ー=' 7   .|ー、 |  ボクを一番求めてるのはプロデューサーさんですよね? 
   / ノ.ト女.Y=┘      /// / ィ  |子)|  プロデューサーさんだったらボクの横にいてもいいですよ。ねっ?
  /__ | |///  '       ./ノ|  | ノノ |   勝手にいなくならないで下さい。手を握ってください!
     ノノ|ヽヽ、.            |  ├'´  |   プロデューサーさんはここにいなきゃダメです!
       | `t-`   t_´ ̄フ    |  | /  .|  プロデューサーなんだからクリスマスとか関係ないんです!
       |  |k_         _, |   | /  <_ 一生ボクの傍にいてくださいね!一生ですよ!
    .    | | | ! ゙ー.,_     _/.  |   レイ ノ ノ ヽ   
        Vi | ヽ、|、`弋ーイ    |   |  レ'レ'    ̄ ̄
        .ハ |  `' `ー`.゙-,|   / /tノ、__   
    ーニつ./ ̄`>フー'´ノ====レ' フ ノノ フ⌒ヽ . 

愛海「ホントについてくるのー? 大丈夫だってー、もうやんないからさー!」

P(こいつは、ダメだ。今目を離すと確実になにかやらかす……
  見張っとかなきゃ……こいつのせいで事務所がつぶれかねん……)

P「それで、何買いに行くんだ?」

愛海「とりあえず、女の子向けのお店ぶらぶらして、気に入ったの買おうかなぁって!
    プロデューサーは?」

P「今日はオフだからな、特に何を買おうっていうのはない」

愛海「あ、そっか、オフなんだっけ」

P「なんか、もうオフだとかなんとか言ってる状況じゃなくなったけどな」

愛海「えへへ、ごめんごめん……じゃあ、デートってことで手を打たない?」

P「デート?」

愛海「そうそう! オフでたまたまばったりあったから一緒に買い物! そう考えた方が気が楽でしょ!!
    いやぁー、羨ましいなぁー!! こーんな、ぷりちー☆なJCとデートができるなんてー!!」

P「……ハッ」

愛海「ちょっと、鼻で笑わないでよ!」

P「最初はどこの店に行くんだ?」

愛海「え? ああ、じゃあー……ん、あっち!!」

http://i.imgur.com/mFOt1bh.jpg

愛海「いやーん、超かわいいー!!! ね、ね、見て見てプロデューサー!! 可愛くない、これすっごい可愛くない!?」

P「……」

愛海「……何その顔」

P「いや、ちょっと意外だなって……」

愛海「何が?」

P「愛海は、人が着てない服になんか興味がないもんだと思ってたから」

愛海「……そりゃあ、まぁ、この部分とかは、誰かが着てた方がもーっとワクワクするけどさ」

P「誰も着てないけどいいのか?」

愛海「モチロン! あたしだって普通のJCだもん! ただちょっと柔らかいものが好きなだけで……」

P「ちょっと?」

愛海「……だいぶ! だいぶ好きなだけで、いたって普通のJCなの! 可愛い服とか小物とか大好きだし!!」

P「へぇ、初耳だ」

愛海「調査不足だよ、プロデューサー! もーっとあたしのこと知ってくれなきゃ!!」

P「努力するよ」

愛海「可愛い洋服、可愛いスカート、可愛いシュシュ、可愛い小物」

愛海「はぁ……こうやって、可愛いものに囲まれてるだけで……なんとなく心が洗われるよう……」

P「まぁ、だいぶ汚れてるからな。こういう場所に居ると綺麗になるだろうなぁ」

愛海「むっ、汚れてないもん! 純粋だもん!!」

P「そうか。それで、他にはなにか買うのか?」

愛海「あとは……アレだね、やっぱり」

P「アレ? アレって……」


――― ランジェリーショップ

愛海「着いた!!!」

P「……あー……」

愛海「うーん、いつ見ても……イイ……♡」

P「お前本当に好きだな……」

愛海「これだけあって見るだけならタダ、見るだけならタダだよプロデューサー! こりゃあもう、見るしかないっしょー!!」

P「なんていうか……節操がないな、お前も」

愛海「失礼な!! 選りすぐりをしないって言ってほしいね!!」

愛海「プロデューサー、プロデューサー!! 見て見てー!!」

P「ん、どうした?」

愛海「『及川愛海』!!」

P「……サイズあってないぞ。返してこい」

愛海「かーらーのー? 『上条愛海』!!」

              ぱさっ

P「確かに、眼鏡とブラジャーの形似てるけど……お前、春菜にばれたらドつかれるぞ」

愛海「かーらーのー? 『高森愛海』!!」

                        ぱさっ

P「ぷ、く、くくく……!」

愛海「あ、笑った!! うわー、笑ってるよこの人……藍子ちゃんに言いつけとこー」

P「いや、それ、それは卑怯だろお前!! 背中にブラジャーで、それ、それは……くくくくく!!」

愛海「なんのことかなー、あたしさーっぱりわかんないなー。なんで背中にブラジャーがそんなにウケるのか」

店員「お客様、ちょっとよろしいですか」

愛海「はいはーい………………えっ、買い取り?」

―――

店員「4980円になります」

P「はい……まさか買い取りなんてオチまで付けてくるとはな」

愛海「……うう……これは、藍子ちゃんをネタにした罰が当たったと考えるべきかなぁ……」

P「……ったく、お前、柔らかい部分が好きとか言いながら、持たざる者には容赦ないな」

愛海「失礼な!! あたしは藍子ちゃんのも大好きだよ!!
    プロデューサーが勝手に笑ったんじゃん!! あたしは間違って背中につけちゃっただけだし!!」

P「言い訳するな」

愛海「いいわけじゃないもん! フンだ、じゃあ見てろー! 事務所に帰ったら、藍子ちゃんに求愛しまくるから!!」

P「それはそれで面倒だからするな」

愛海「ちぇっ、つれないなぁー。はい、2000円!」

P「お会計お願いします」

店員「ふふ……仲がよろしいんですね、妹さんですか?」

P「あー、えっと……なんていうかな……」

愛海「恋人です!」

店員「……は?」

http://i.imgur.com/eat7MMT.jpg
及川雫(16)

http://i.imgur.com/g5Ic4Np.jpg
上条春菜(18)

http://i.imgur.com/EqUHulq.jpg
高森藍子(16)

P「テキトー言うな」

愛海「……あ、そっか! 『今だけ』恋人です!!」

店員「……」

P「もういい、お前は喋るな。えっと、誤解されると困るので弁明させてもらいますけど……
  こいつ、こんなノリだけど一応アイドルで、私は彼女のプロデューサーなんですよ」

店員「……ああ、そういえば、見たことがあるような」

P「実は私、『シンデレラ・コーポレーション』という会社でアイドルのプロデュースをやっていまして。
  特に、貴女のような美しい方がアイドルとして輝けるようにサポートするのが仕事で」

店員「えっ?」

P「どうでしょう!? 店員さん、あなた、アイドルに興味は!? 特技とかありませんか!?
  あ、特技といっても、歌とかダンスとかじゃなくてもいいんです!! いっそなぞなぞとか難しい話とかでもいいので!!!」

店員「えっ、えっ!?」

愛海「あーあ、まーた始まった。ほら、行くよ、プロデューサー!」

                       ぐいぐい

P「待て愛海!! もう少し、とりあえず名刺だけでも!! 連絡先はそこに書いてあります!! 連絡、お待ちしております!!!」

愛海「ほら行こー! ごーごー!!」

店員「は、はあ……」

――― ファミレス

愛海「ったく、プロデューサーってばあたしが居ないと駄目だねー」

P「いや、さっきの人は絶対いけるって、トップアイドルになれるって!」

愛海「落ち着いて、落ち着いてー。今日はオフなんでしょ? ほら、水飲んでー」

P「……」

愛海「……落ち着いた?」

P「……そういや今日、オフだったな……いかんいかん……これも一種の職業病か……」

愛海「人の事言えないじゃん、プロデューサーも」

P「いや、なんか最近アイドルに向いてる人を見ると、考えるより先に体が動いてだな……」

愛海「ほう……あたしと一緒だね! 実はあたしも考えるより先に体が動いて!」

P「いや、流石にお前よりはマシだ」

愛海「なにをぅ!! 直接迷惑をかけてない分あたしの方がマシでしょー!!」

P「訴えられても負けない分俺の方がマシだ」

愛海「あ、プロデューサー、あたしこれ、これ食べたい! ステーキ!! ステーキ食べたい!!」

P「……あのなぁ……」

愛海「……」

P「……何見てるんだ」

愛海「いやさ……プロデューサー、さっきの方が楽しそうだったなあって」

P「さっきって……さっきか?」

愛海「そうそう。お仕事してる時の方が元気だったし楽しそうだったよ」

P「……そうか?」

愛海「絶対そう!! だって今もホラ、元気ないじゃん!!」

P「……」

愛海「あんまりオフってのにこだわらずに、お仕事したい時はお仕事すればいいんじゃない?」

P「……オフの日まで仕事か?」

愛海「オフとか関係なくさ、やりたくないならしなくていいけど、やりたい時はぱぱぱぱーっとやっちゃわなきゃ!! そっちの方が楽しいよ!」

P「……確かになぁ。仕事してないと、なんか暇だし、調子狂うんだよなぁー」

愛海「ほらやっぱり! そういう時は我慢せずにやっちゃえやっちゃえ! あたしも我慢してないし!!」

P「しかし、お前は少し我慢すべきだぞ?」

愛海「あたしはいーの! ほら、そういうキャラだもんっ☆」

私怨

―――

愛海「いやー、悪いねぇ。寮まで送ってもらっちゃって! おかげでお金が浮いたよ!」

P「なあに、これもプロデューサーとしての仕事の内だ」

愛海「あれ、今日オフじゃなかったの? ほら、仕事を思い出したくないとか言ってたじゃん」

P「……いや、まぁ……オフの日にあえて仕事するのもアリかなと思ってな」

愛海「へー、難儀だねー」

P「まったくだ」

愛海「まあ、やりたいようにやるのが一番だ! それじゃあプロデューサー、また明日ねー、ばいばーい☆」

P「ああ、また明日」


――― P自宅

P「二日間、なんか妙に長かったな……」

P「やることがないってだけでここまで暇を持て余すとは」

P「愛海の言う通り、働きたい時は働くのが一番かもしれんな」

P「明日から、また頑張るか」

P「……今日はもう寝よう」

つぎは蘭子ちゃんですか?
画像貼っておきますね
http://i.imgur.com/z4cNYFV.jpg
http://i.imgur.com/4Bu0CNB.jpg
http://i.imgur.com/UlzwzVG.jpg

「その後、プロデューサーは二日以上の休みを取らずに、楽しく働いて生きて行きましたとさ」

「めでたしめでたし」

   ・ ・ ・ ・ ・ ・

P「……で、なんですか、それ」

ちひろ「オフ日が欲しいっていうけど、こんな風に切ない日々を過ごしたくないでしょう?」

ちひろ「スタドリだって、疲労は回復できても、心に穴があいたような虚無感を埋めることはできないんですよ!!
     やって後悔するよりは、やらない後悔の方がいい時だってあるんです!!」

ちひろ「私は、プロデューサーさんのためを思って、仕事を勧めてるんです!! そこには、邪な気持なんてありません!!」

P「……ちひろさん」

ちひろ「……プロデューサーさん!」

P「ちひろさん!!」

ちひろ「プロデューサーさん!!」

P「有給、三日間、お願いします」

ちひろ「これだけ言っても、まだ分かんないんですか!!」

                                                      お わ り

ただ薫ちゃんとイチャイチャしたかった、それだけ
なんで愛海ちゃんが出てきたのかは俺にも分からん
そもそも薫ちゃんの部分を書きたいがためのスレだし


愛海ちゃん、いつかリベンジ
今度はもっと可愛い愛海ちゃんを書く

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