美神「あんたら、『アイドルマスター』の中に行きなさい!」(147)

俺「フヒヒ、遂に春香さんも大詰めだ……長かった」

春香『解散!?』

P『ああ、俺達が次のステップに進むために……』

俺「あ~春香さん泣いちゃうな~困ったな~」

春香『あっそう。別にいいですよ』

俺「あ……?あれ……?」

春香『もう終わりだから言わせてもらいますけど、
  あなたみたいなキモオタが私に付いてるっていうのが間違いだったんです』

春香『担当アイドルに色目使うような人は全く信頼できません』

俺「……おい、これおかしいだろ……!!」

春香『キモい容姿で挙動不審にウロチョロして、下品な笑い顔で
  それで女の子の機嫌とってるつもりだったんですか?』

春香「大体、そのハゲ頭に突き出たお腹、
  何より……臭いですよね、あなた」

春香「どう見ても、私のプロデューサーには相応しくありませんよね?」

俺「……嘘だ……何だこれ……
 俺の春香さんはこんなこと言わない……」

春香「言ってますよー!現実逃避しないでくださいねー!?」

俺「嘘だーーーー!!!うっ……」

俺「何だ……コレ……」ぴしっ

俺「」

??「そう、嘘だよーん」

??「ま、魂を捕らえたから、もう何も聞こえてないだろうけどね」

??「悪夢の中で永遠にお休み……」

??「……しかし本当にコイツ臭いじゃない……?」

―横島たちの学校―

女の子A「ピート先輩!お弁当、食べてください!」

ピート「え?いやー……」

女の子B「わ、私のも、お願いします!」

横島「ハイハイ、押さないで押さないで!ゆくっり並んでー!」

タイガー「お弁当はこちらに提出するんジャー!」

※登場人物
横島:横島忠夫。高校生にして霊や妖怪と戦うゴーストスイーパー資格保持者
   スケベで不真面目。主人公美神の助手。霊力の剣「ハンズ・オブ・グローリー」
   投げつけることもできる霊力の盾「サイキック・ソーサー」が武器

タイガー:タイガー寅吉。2m近い巨漢。精神感応で幻覚を見せる。ゴーストスイーパー小笠原エミに雇われている
    女性が苦手だが……

ピート:ピエトロ・ド・ブラドー。吸血鬼と人間のハーフ。就職のために高校に通っているが、
    実年齢は700歳以上である。美形でモテるので横島とタイガーに呪われ集られる日々
    ゴーストスイーパー唐巣神父の弟子。聖なる力と吸血鬼としての魔力を両方使用できる。

横島「いつもながらとんでもない量やで……!」

ピート「僕は薔薇の花があればいいんですけどね」

横島「ケッ」

タイガー「タンパク質ー!!」ガツガツ

横島「しかしタイガー、お前……
  最近ドカ弁すら持ってこなくなったがどうしてるんだ?」

タイガー「……!!」ビクゥ!!

横島「……別にそこまで動揺せんでも」

同級生「おーい、横島ー。おキヌちゃん来てるぞー」

横島「ん?」

おキヌ「横島さーん!!緊急招集です!!」

横島「珍しいな、呼び出しなんて」

おキヌ「あ、タイガーさんとピートさんもです!!」

タイガー「ん?」ピート「え?」


キヌ:横島の同僚にしてヒロイン筆頭。しかし幽霊である。美神に日給30円で雇われている
   横島が気になっている

―某所―

横島「ここは……?」

タイガー「ゲーム会社……」

ピート「ふーむ……?」

美神「来たわね?」

エミ「ちょっと遅いんじゃないワケ?」ギロッ

横島「す、すんません~!」

タイガー「弁当がもったいなかったんジャー!」


美神:美神令子。主人公。日本有数のゴーストスイーパー。巨乳

エミ:小笠原エミ。日本でも有数の呪術の使い手。巨乳

横島「一体どうしたんですか、美神さん」

美神「ちょっと大きな仕事が入ってね。アンタ達の力が必要になったのよ」

ピート「大きな仕事……というと?」

エミ「あ~んピートぉ、今日もカッコいいわね~」

美神「盛ってんじゃないわよ黙りなさいこの色ボケババア!」

エミ「はぁ!?やるってワケ?!」

タイガー「え、エミさん……(ピートの前じゃけえ)」

エミ「ハッ!?ま、まあこの露出狂女はほっといてと」

横島「全く話が進まんな~」

おキヌ「お茶入りましたよー。おせんべいもあります」

美神「横島クン、ゲームの妖怪……憶えてる?」

横島「え?ああ、ゲームの中に入って倒した奴ですか」パリパリ

美神「それじゃあ、悪魔ナイトメアは?」

横島「ん?確か、夢に入り込む馬面でオカマ口調の悪魔っすよね?」パリパリ

おキヌ「へー、横島さんでも昔のことよく憶えてるんですね」

横島「……」パリパリ

美神「そいつらが、逃げたわ」

ピート「に、逃げた!?」ズズズズ

タイガー「どうやったんじゃろうノー?」パリパリ

エミ「封印されたそいつらがICPOの管理下に移される途中で
  何者かに強奪されたワケ」ズズズズ

ピート「ICPO……!!」ズズズズ

エミ「そう、警備は厳重だった。それでも奴らはまんまと逃げおおせた」パリパリ

横島「そいつらとっ捕まえりゃいいんすね?あれ?でもなんでゲーム会社なんすか?」パリパリ

美神「それがね……この会社のゲームに潜伏して、
  プレイヤーを食い物にしてるらしいのよ」

タイガー「最近はネットに繋いで対戦やらダウンロードやら
    色んなことが出来るからノー」パリパリ

横島「お前詳しいな」パリパリ

美神「そう。それのおかげで被害者が加速度的に増えている……!」

おキヌ「それで、あいしーぴーおーって所から、直々に美神さんの御指名があったんです」

エミ「私と唐巣のおっさんにも話があったワケ」パリパリ

ピート「先生、今腰痛と栄養失調で寝込んでいるから……」

エミ「ああん、ピートは唐巣神父直々の御推薦よ」

横島「なるほど、ここでそいつらをやっつけろってことっすね?」パリパリ

エミ「そうよ。話が早くて助かるワケ」パリパリ

美神「どーでもいいけど、アンタら真剣な話するときにせんべいかじるのやめなさい」

ナイトメア「……どうやら来たようだね」

ゲームの妖怪「クソッ アイツラ 復讐シテヤル!!
僕ヒトリデ片ヅケル……オマエハ手ヲ出スナ!」

ナイトメア「あら、つれないわねぇ。一緒にやりましょうよ」

ゲームの妖怪「僕ハ強クナッタンダ!アイツラニハ負ケナイ!」

ナイトメア(男の子ってめんどくさいじゃない……?)

横島「……へ?」

美神「だから、ここはアンタたちに任せたって言ったのよ」

おキヌ「はいっ!」

横島「いやいやいや、おキヌちゃん、いい返事しちゃダメー!」

横島「無理無理無理、絶対無理ですって!!」

エミ「あと、タイガーとピート……よろしく頼むわよ」

タイガー「だ、大丈夫かのう……?」ゴクリ

横島「だ、大体、夢の中ってどうやって行くんですか?!」

美神「そこで、コレよ。持ってきて頂戴」

ICPOの人「はい」

ピート「精霊石……?」

ICPOの人「これは、精霊石に特殊な加工を施したもので、持っているだけで
    悪魔の邪悪な魔力を多少抑える効果があります」

ICPOの人「対ナイトメア用の装備として長年研究されてきたものの試作品です
    悪魔の結界に出入りしたり、結界内で霊能力を使用したりできます」

ピート「なるほど……」

ICPOの人「他にも、悪魔に捕らわれた人間を聖なる力で呼び戻すことができます
    悪魔を祓わずともね」

ピート「だから唐巣神父や僕なんですか」

ICPOの人「ええ。ちなみに、それは普通の精霊石としても使えます」

美神「って言ってるけど、絶対使うんじゃないわよ」

横島「へ?」

美神「コレ一個いくらすると思ってんの?10億よ10億!
  アンタの命8億個より高いのよ!?」

横島「俺の命値下がりしてませんか……?」

エミ「あぁ~ん、ピートは危なくなったらどんどん使ってね~」

タイガー「わっしは……?」

おキヌ「美神さんたちは別口の仕事があるんですか?」

美神「この仕事は一筋縄じゃいかないのよ」

エミ「奴らを完璧に叩くにはどうしても二手に分かれる必要があるワケ」

横島「いやや~、無理や~、おうち帰る~」

美神「往生際が悪いわねこの男は。……高木社長」

社長「はい、分かりました」

あずさ「横島さ~ん!こんにちは~。三浦あずさです~」

貴音「この度は、私どものげぇむに巣食った物の怪を退治してくださるとか……」

横島「げ、ゲームって……まさか」

美神「そう、『アイドルマスター』よ!!」

社長「ウチのアイドル全面協力のもと作製され、今や超人気ゲームとなっています
  それだけに、ウチも早期解決を望んでいまして……」

あずさ「とっても危険なお仕事だとうかがっています」

貴音「お引き受けいただいて……
  本当に何とお礼を申し上げたらよいか……」

横島「フッ、お嬢さんたち……心配いりません……」

横島「この、ゴーストスイーパー横島と愉快な仲間たちが、必ずや
  悪魔を倒して見せます。大船に乗ったつもりでいてください」

横島「フハハハハハハハハ!!!!」

タイガー「……」ゴクリ

亜美「わー、でっかい兄ちゃん!」

真美「ゲームの中に入るんでしょー?いいいなー」

真「こら、二人とも、ダメじゃないか。
 これからこの人たちはとっても危ない仕事に行くんだよ」

タイガー「ぐお!……ま、真ちゃん……」

真「あ、ボクのこと知ってるんですか?」

タイガー「……ちょ、ちょっとだけ知ってるんジャ」

真「ありがとうございます!!」

真「危険なお仕事だと思いますが、どうか御無事で!」

タイガー「ああ……頑張って来るケエ……」

美神「さて、早速ゲームの中に行ってもらうわ」

ピート「ええ」

エミ「それじゃよろしく」

タイガー「行って参ります!!」

横島「ふっ……行ってきます……がははははははは!!!!」

あずさ「頑張ってくださいね~」

タイガー「……」チラッ

真「……頑張って!!」

美神「さーて、あの精霊石、上手く行ったらモニター料……」

ICPOの人「ええ、分かっております」

真「……え?あの道具って……」

エミ「試作品でどれだけ使えるのかまだ分かってないワケ」

美神「私たちで試すなんてそんな危険なことできないじゃない?」

真「……」

真(この人たちって……)

―――――――

 ――――

  ――

横島「はっ!!」

横島「って、なーんだ。まだ外じゃねーか」

タイガー「現実逃避してるところ悪いんじゃが」

ピート「ここはもうゲームの中ですよ」

横島「え?嘘だろ……?現実そのものじゃねーか」

タイガー「最近のポリゴン技術は凄いからノー。半分現実みたいなもんジャ」

横島「……おいタイガー、さっきから気になってたが、
  お前やけに詳しいじゃねーか」

タイガー「……ぐっ……」

タイガー「その通りなんジャー!!!」

タイガー「エミさんと言う人がおりながら、わっしは…!わっしは…!」

タイガー「『アイドルマスター』の菊地真ちゃんにハマってしまったんジャー!!!」

タイガー「昼飯代を惜しんで金突っ込んどるんジャー!!!」

横島「分かった分かった、だから大声で泣くな」キーン

ピート「まだ耳がキーンとします」キーン

ピート「でも、考えようによっては、ゲームに詳しい人がいた方がいいですからね」

ピート「タイガーさん頼りにしてますよ」

タイガー「おお!!」

ゲームの妖怪「ククク、威勢ノイイコトジャナイカ……」

横島「い、いきなり出やがった!!」

ゲームの妖怪「貴様等……全員コノ中ニ閉ジコメテヤル……」

横島「へっ、てめーなんて精々低級妖怪レベルじゃねーか
  一気に倒してやるぜ」

横島「ハンズオブグローリー!!」

ゲームの妖怪「キシャー!!!」

横島「ぐわー!!!」

タイガー「よ、横島サン!!」

ピート「大丈夫ですか?」

横島「なんだコイツ……前は美神さんに一発でやられてたのに……」

タイガー「なーに、3人で力を合わせれば……!」

ピート「そうですね。行くぞ!!」

ナイトメア「ほう……ほぼ夢の中と言ってもいいこの空間で普通に霊能力を使うとは……」

ナイトメア「ちょっとだけボクも手助けしようかな?」

冬馬「……」

北斗「……」

翔太「……」

ナイトメア「君たちはこの子たちの相手をしなさい」

タイガー「な、ジュピター!!」

横島「何?このゲーム男キャラもいるのか?」

ピート「来ます!!」

冬馬「……っ!!」

ピート「中々動きが良い……!!」

タイガー「ダンスは一流の設定じゃからノー」

横島「えーい!!反撃じゃー!!」

ナイトメア「くくく、いいのかい?そいつらを殺しちゃうと、ゲームから存在が抹消されちゃうよー?」

ピート「そんな……、それでは攻撃ができない……」

タイガー「……思ったんじゃが」

タイガー「ジュピターがゲームから消えて悲しむプレイヤーがそんなにいるかノー?」

ナイトメア「え?」

タイガー「むしろここで消えてくれた方が……」

冬馬「……!!」

翔太「……!!」

北斗「……!!」

キヌ『横島さーん!!!』

横島「おキヌちゃんの声!?どこから……?」

キヌ『あ、私、外から皆さんのサポートです』

キヌ『それで、なんか、ばんなむの偉い人?が、じゅぴたーを消さないでくれって』

偉い人『頼むー!!止めてくれー!』

キヌ『それでー、今美神さんいないんですけどー、』

キヌ『「もし賠償みたいなことになったらアンタら全員吊るすわよ」』

キヌ『だそうですー』

横島「アホ抜かすなー!!攻撃できんじゃないかー!!!」

ピート「横島さん、ここはひとまず撤退を!!」

冬馬「……」ほっ

北斗「……」ほっ

翔太「……」ほっ


横島「えーい!戦略的撤退ー!!!サイキック・ソーサー!!!」

ちゅどーん!!

ジュピター「げほっ!げほっ!」

ナイトメア「い、いない」

ゲームの妖怪「逃足ダケハ速イ奴等ダ……」

ナイトメア「ふん!ゲームの中ならどこに逃げたって同じさ」

ゲームの妖怪「……オイ、オマエ……」

ナイトメア「なーに?」

ゲームの妖怪「僕ハ一人デモ奴等ヲヤレタ……余計ナ手出シハスルナ」

ナイトメア(あらあら、反抗期かしらね?)

横島「い、今のであいつら死んでないだろうな……?」

おキヌ『えーっと、特別製見鬼くんによると、多分大丈夫でーす!』

偉い人『当たったらどうするんだこの野郎!!』

横島「うるせーボケ!命の方が大事じゃい!!!」

タイガー「しかし横島サン、あいつら強くなっとったんか?」

横島「ああ……前戦った時は、戦闘能力自体は大したことない印象だった」

ピート「強化されてるといことか……その上人質までいる……」

横島「そこでだ……俺に策がある」

タイガー「というと?」

横島「まず、奴らと交戦経験のある俺が頭脳となり、お前らに指示を出す」

横島「俺達の中で最も身体能力が高いピートが前衛となり攻撃する」

横島「俺達の中でもっとも頑丈なタイガーは肉の壁となり頭脳である俺を守る」

タイガー「な、なんて完璧な作戦なんジャー!!!!」

ピート「……」

おキヌ『!!横島さん!!』

横島「!?」

ナイトメア「そうはさせないよ……」

ピート「現れたな!!」

ナイトメア「あなたたちの中ではそこの美形の子が一番強いみたいね?」

ナイトメア「うふっ……カワイイ顔してるじゃない?」

ピート「……」ぞくっ

ピート「えーい、気色の悪い!食らえ!ダンピール……」

ナイトメア「おっと、そうはいかないわ」

横島「まずいぞピート!幻覚が来る!一旦引け!」

タイガー「た、助けるんジャ!」

ゲームの妖怪「チッ、アノオカマ、余計ナ真似ヲ……」

ゲームの妖怪「オ前等、僕ガ全員倒スンダ!!」

横島「あ、こら、邪魔すんなー!!」

ピート「ふん、ここは厳密な夢じゃない……僕にどんな幻覚を見せるというんだ」

ナイトメア「うーん、あなたみたいな誠実そうな優男にはコレ」

…………

雪歩「プ、プロデューサー……お仕事上手に出来ましたぁ……」

ピート(なっ……!!し、知っている……!!このゲームに触れたことすらないのに)

ピート(この子がどんな子なのか、どんな苦労を共にしてきたのか、僕は知っている!!)

ピート「これがナイトメアの術か……」

雪歩「プロデューサー……?」

ピート「あ、ああ、良く頑張ったね。偉いよ」

雪歩「それじゃあ……その、ご褒美下さい……」

ピート「ご、ご褒美……?」

雪歩「……キス、してください……」

雪歩「私の精一杯の勇気なんです……」

ピート「……」

ピート「何てことだ……」

千早「どうかされたんですか?プロデューサー」

ピート「うわっ!……ち、千早か……」

千早「どうしてそんなに驚いているんですか?」

ピート「な、なんでもないよ。ははは」

千早「そうですか。私はてっきり……」

千早「萩原さんとキスでもしてるのかと思っていましたが」

ピート「な、何を」びくぅ!

千早「あら?凄い汗ですね?私が拭いて差し上げますよ」

ピート「ち、近寄らないでくれ……」

千早「ふふふ、どうしたんですか?プロデューサー
  このナイフが怖いんですか?」

千早「大丈夫ですよ。汚れた舌を切り取って消毒するだけですから」

ピート「止め……」

ナイトメア「うふふふふふ。捕まえた」

ピート「ナイトメア!!くそっ……このままでは……精霊石よ!!」

ナイトメア「!!」

…………

ゲームの妖怪「グアア!?クソ、躊躇ナク精霊石ヲ使ウトハ……」

タイガー「精霊石の光!?」

横島「差し違えたのか!!」

横島「くそっ、奴を前線に置いて楽して勝とうとおもってたのにー!!」

ピート「……やはりそういうことでしたか」

横島「ピート?!いやー、これはそのー」

タイガー「無事じゃったか……」

ピート「……あの精霊石を使って何とか逃れることができました」

ピート「しかし……」

ナイトメア「咄嗟に精霊石をぶつけるなんてやるじゃない?」

ナイトメア「おかげで彼を半分しか捕まえられなかったわ」

ナイトメア「あら?この子、ヴァンパイアハーフなのね?道理で強いわけだわ」

ナイトメア「考えようによっては、こっちでよかったかもね、ブヒヒヒヒ」

ゲームの妖怪「グスッ……痛イ……」


ピート「魔力の大部分はあちらに持っていかれました」

タイガー「?どういうことかいノー?」

ピート「今の僕は聖なる祈りを捧げるだけの一般人です」

横島「ってことは……お前は戦力外ってことやないかー!!」

横島「この役立たずが!ヤドロクが!!顔だけ野郎のスケコマシが!!」

ピート「ここぞとばかりに罵詈雑言を……」

横島「顔が良いからって油断しやがって
   顔が良いことに胡坐かいてるからそうなるんだ」

ピート「何ですってー!?」

タイガー「喧嘩は止めるんジャ」

横島「お前は黙っとれ!!」

ピート「タイガーさんは黙っててください!!」

タイガー「わしって一体……」

ナイトメア「相変わらず騒がしいわね」

横島「げげっ、追いついてきやがった」

おキヌ『横島さん!反応二つあります!』

ピート「しかし、ゲームの妖怪の気配はないが……」

ナイトメア「あ、ゲームの坊やはさっきの精霊石で痛がってる所だから
    今回は新しい玩具の具合を試させてもらうわ」

ナイトメア「さあ、いらっしゃい!!」

ピート(悪)「……」

ピート「」

横島「ぶっ……」

タイガー「横島サン、笑っちゃ失礼……」

横島「ぷぷぷ、だってアレ、どう見てもホモのカッコじゃねーか」

タイガー「下はかなりピチピチの短パン……あと首輪……
   アレじゃあ完璧に変態ジャノー」

ナイトメア「どう?かっこいいでしょう?」

ピート「ふざけるなー!!!」

ピート(悪)「動くな……」

ピート「あっ、こら、放せ!!」

ナイトメア「さーて、お次は……」

おキヌ『横島さん!!気を付けて!!』

横島「お、俺?い、いやー、こっちの大男の方が強敵だと思うなあボク」

タイガー「あ、ずるい!!」

ナイトメア「あんたたちには、借りがあったわね」

ナイトメア「恨みを晴らしてやるわ」

タイガー「そうはさせるかい!!」

ナイトメア「暑苦しい……ジュピター!!」

ジュピターたち「……」

タイガー「……ぐぬぬ……横島サン!ちょっと待っとってツカサイ!
    こいつらを消すかどうか悩むけえノー!!」

横島「悩むのは後にしろー!!!」

偉い人『だから止めろと言ーてるだろーが!!!』

ナイトメア「さあ、いらっしゃい……」

おキヌ『よ、横島さーん!!』

…………

あずさ「あら、おかえりなさい」

横島「その手で来たかー!!!」

あずさ「あの?どうかしました?」

横島「な、なんでもないっす……」

あずさ「変なあなた」

横島「あ、あなた?」

あずさ「もうっ、今日はどうしたんですか?あなた?
   妻の顔を忘れちゃったんですか?」

横島「妻……つまー!!!!」

横島(落ち着け……落ち着くのだオレ……
  ここはナイトメアの空間……どーせこのあずささんも奴が
  化けてるに決まっとる……)

あずさ「あなた、それじゃあ、ご飯にします?それともお風呂にします?」

横島(それはそれとして……)

横島(すごいおっぱい)

あずさ「それとも、わ・た・し?」

横島(おっぱい)

横島「あずさー!!!!お前じゃー!!!!」



ナイトメア「あら、そんなに焦らないで」

横島「ちくしょー!!!分かってた、分かってたのにー!!!!」ぴしっ

…………

横島「」

おキヌ『横島さーん!!ばかー!!』

ピート「そんな……横島さんまで……」

ナイトメア「前と全く同じパターンで片付いたわね……
    こんなのにやられたボクって一体……」

タイガー「消す……消さない……消す……消さない……」

タイガー「チッ……消さないほうになってしまったノー」

ナイトメア「まっ、あとは、この大きな男だけね」

ナイトメア「こいつを片づけたら、あとはゆっくり楽しみましょ、ピート」

ピート「……」ぞわわわ

タイガー「次はわっしか」

キヌ『気を付けてください!近くに反応が!ゲームの妖怪です!!』

ゲームの妖怪「クソッ、マタ一人捕マエテル……僕ガイナイ所デ……!!」

ナイトメア「あーら、御免なさいね。でも、こいつはホラ……」

ゲームの妖怪「アア、アイツカ……」

ナイトメア「ブヒヒヒヒ、あんたら、万に一つも勝ち目がないわよ」

ピート「くっ、万事休すか……」

タイガー「来るなら来い……!わっし等の怒りを見せてやるけえノー……!」

>>100
おキヌちゃんにおが無かった

…………

タイガー「ここは……!!」

ゲームの妖怪「ククク……」

ナイトメア「分かってるみたいじゃない?。そして……」

ゲームの妖怪「コイツダ!!」


真「タイガープロデューサー……」

タイガー「……その名は!!」

ゲームの妖怪「ソウ……『本人』ダヨ……
    オマエノゲームデータカラ連レテ来タ……」

タイガー「……」

ナイトメア「さ、あなたが思ってることを、タイガーPに話してごらんなさい」

真「タイガープロデューサー」

タイガー「真ちゃん……」

真「何馴れ馴れしく真ちゃんなんて呼んでるんですか?」

真「あなたみたいな不細工でキモい人名前なんて呼ばれたくありません」

真「あ、ボクはイケメンな新しいプロデューサーとアイドルしますから
  あなたはもう用済みです。さようなら」

タイガー「そうかい……」

タイガー「わっしはプロデューサーじゃなくなっても、ずっと応援しとるよ、真ちゃん」

真「え……?」

タイガー「……わっしは真ちゃんの一番のファンじゃけえ……」

ナイトメア「おい!全然駄目じゃないか!もっとキツイこと言うんだよ!!」

真「くっ、止めてください。迷惑です!」

真「あなたみたいな人はファンじゃなくていいです!」

タイガー「不甲斐ないプロデューサーですまんかったノー……」

真「そう、あなたは無能なんですから!」

タイガー「わっしにもっと実力があれば……
   真ちゃんのかわいさをもっと世に広めることができたのに……」

真「そうですよ!一日署長のときだってボクのやりたいようにさせてくれなかったし!」

真「いつもボクをかわいい女の子から遠ざけるような仕事ばっかり!」

真「もううんざりなんですよ!二度とボクの前に現れないで下さい!」

タイガー「初めて会った日のことを覚えとるかの?」

真「もちろんですよ!ボクの性別聞いたりして!」

タイガー「わっしは女子が苦手なんジャ。あの時は、真ちゃんのあまりのかわいさに
   動揺してしまったんジャ」

真「嘘!!」

タイガー「本当ジャ!!」

タイガー「いつもからかってすまなかった!」

タイガー「でも、わっしは、いつか真ちゃんがトップアイドルになって
    日本中にかわいいって認められる日が来ると信じてるケエ……
    真ちゃんのありのままのかわいさを……」

―わー!プロデューサー!壁の所で何か動きましたよ!!―

―む、これはムカデじゃノー……―

―こ、こっち向けないで―

―虫怖い?意外じゃノー……―

―わっ、か、髪の所でもぞもぞしてるのがいます!取って取って!!―

―なんじゃとー!!真ちゃんから離れるんじゃ、この虫がー!!!―


ナイトメア「な、何だこれは……?」

タイガー「わっしと真ちゃんの記憶じゃよ」

ナイトメア「なんだと……?」

タイガー「全てわっしの本心じゃったケエ……これを見せないと話にならん」

タイガー「他にもあったんジャ。わっしの心を折る思い出は……
    よりによって真ちゃんとは……」

真「……」

ナイトメア「くそっ、何をしてるんだ!話してダメなら攻撃しろ!」

真「プロデューサー……」

真「……駄目……そんなことしたくない!」

タイガー「真ちゃん……」

真「プロデューサー……助けてください……」

タイガー「もちろんジャ」

ナイトメア「ゲームのキャラクターが涙だとぉ!!?」

ナイトメア「駄目だ!!隙ができない!!奴の魂を捕らえられない!!」


…………

ピート「悪魔の術を正面から打ち破るなんて……!!」

ナイトメア「そ、そんな馬鹿な!!」

ナイトメア(こんな精神力の持ち主は聖人でもそうはいないじゃない!?)

ピート「魔力が弱まってる!!今なら!!」

ピート「主よ!!」

横島「」

横島「あ、あれ?」

ピート「ついでに!!悪魔に魅入られた魂よ!父と子と聖霊の名において命ずる!」

ピート「我が元へ戻れ!!」

ピート(悪)「ぐあああああ!!」

ゲームの妖怪「フン、術ニ頼リスギルカラダ」

ゲームの妖怪「コンナ奴等、真正面カラ叩キ潰シテヤル」

ゲームの妖怪「オリャア!!」

タイガー「ぐあー、やられたー」

ピート「僕もやられたー」

横島「当然俺もやられたー」

ナイトメア「つ、強い!ボクをあなたの子分にしてください!」

ゲームの妖怪「グハハハハ!」

――――――

 ―――

  ―

ゲームの妖怪「グハハハハ!」

ナイトメア「な、何ごと?狂ったの?」

タイガー「こいつにはわっしの精神感応でちょっと夢を見てもらってるんジャ」

ナイトメア「くそおおおお!!ボクが幻覚勝負で負けるなんて!!」

横島「えーっと」チラッ→ナイトメア

横島「えーっと」チラッ→タイガー

横島「ふむふむ、よく分からんが……」

横島「フハハハハハハ、悪魔ナイトメア!貴様の負けだ!」

横島「全て俺の計算通り!貴様はこの俺様の知略の前に敗れ去ったのだ!!」

ナイトメア「な、何ぃ!?」

タイガー「な、何ぃ!?」

ピート「おーい……」

ナイトメア「くそっ、ゲームの妖怪はまだ生きてる!
    キャラを盾にして逃げるしかないじゃない?」

ナイトメア「あんた達!!身を挺してそいつらを止めなさい!!」

ジュピター達「……」

アイドル達「……」

タイガー「ふん!!」

ジュピター達「……」シーン…

アイドル達「……」シーン…

ナイトメア「あ、あら?どうしてボクの言うことを聞かないの?」

タイガー「邪魔しちゃいかん。今、良い夢を見てもらってるんジャ」


―よくここまで来れたな!俺達が正々堂々勝負してやる!―

―私達だって、絶対負けない!トップアイドルになるんだから!
 765プロー、ファイトー!!―

ピート「見苦しいぞ、ナイトメア!人を呪わば穴二つ……
   魔力と精神力のせめぎ合いにおいて負けたお前はもう限りなく力が弱まっているんだ!」

横島「……へー……と言うことは……」

横島「今なら確実に勝てるじゃねーか!!」

ピート(悪い顔だ……)

ナイトメア「くそ……何してる!起きなさい!!」ぼかっ

ゲームの妖怪「……アレ……?オイ、子分、何故僕ヲ叩ク?」

ナイトメア「誰が子分よ!!!」

ピート「よくも僕を玩具にしてくれたな!」

ピート「行くぞ!ダンピール・フラッシュ!!」

横島「あ、こら、抜け駆けするな!ハンズ・オブ・グローリー!!!」

ゲームの妖怪「エ?アレ?……ギャアアアアアアアア!!!!」ちゅどーん!!

横島「どーじゃ!!俺でもやるときゃやるんやでー!!!」

ピート「それじゃあ、帰りましょうか」

横島「しかしこれどーやって帰るんだ?」

ピート「さあ?」

おキヌ『なんかー、妖怪をやっつけたら自動的に戻ってこれるようにしてあるみたいですよ?』

ピート「精霊石の効果だろうか……僕帰れるかな?」

横島「美神さんめ……倒すまで出さないつもりだったな……」

ピート「あ、帰還が始まったようです。僕も帰れそうだ」

タイガー「……」

真「タイガープロデューサー」

タイガー「真ちゃん……」

真「あの、ごめんなさい……ボク、酷いことを……」

タイガー「わっしは気にしてないけえ、真ちゃんも気にすることないんジャ」

タイガー「こうして話が出来て、わっしは嬉しいんジャ」

真「そ、それはボクもです」

タイガー「む、そろそろ帰る時間かノー……」

真「あ、あの、それから!!」

真「これからもよろしくお願いします!!プロデューサー!!」

タイガー「……ああ!!」

―――――――

 ――――

  ――

横島「ただいまー!!どう?俺の活躍」

キヌ「ふん!!」

横島「あ、あれ?どしたのおキヌちゃん?」

偉い人「お前等が見てた幻覚も全部外側ではモニター出来たんだよ」

横島「つーことは……あの俺のスイートな夢も」

あずさ「……」

貴音「……」

横島「あ、あれ?何か距離あるなあ」

キヌ「横島さんなんか知りません!!」

横島「お、おキヌちゃーん!!」

真「あ、あの、ありがとうございました」

タイガー「ん?ああ……」

真「その……」

タイガー「ずっと応援しとるよ
   今までも、これからも、わっしは真ちゃんのファンじゃケエ」

真「は、はい!」

タイガー「それじゃあ……」

真「ありがとうございます!!」

横島「結構いい雰囲気だったじゃねーか。いいのか?」

タイガー「わっしは一プロデューサーじゃけえノー」

ピート「今回結構カッコいいですよ」

横島「いつもは違うとゆーのか」

タイガー「さて、わっしはエミさんが戻るまで本業のプロデュースに精を出すとしようかノー」

横島「俺もやってみようかなー。ピートもやるか?」

ピート「いえ、僕はちょっとこのゲームトラウマになりそうなので……」

―都内某所―

ナイトメア「くそっ!あんな奴らに負けるなんて!!
  龍神の言うことなんて聞くんじゃなかった!!」

ナイトメア「折角の手駒も失ってしまったわ……
    やっぱりガキは駄目じゃない?」

エミ「あーら、ガキも結構いいものよ?」

ナイトメア「そうかしら……?扱いが難しいのよね」

美神「まあ使う方の資質も問われるわね」

ナイトメア「……うわっ!!?なななななななんでここが!?」

美神「小狡いアンタがわざわざ夢の中から出て誰かと組むわけがない」

エミ「アンタが確かにこの件に関わってるはずなのに、アンタを補足できた
  ゴーストスイーパーはいなかったワケ」

美神「だから、どこかから遠隔操作で魔力を使ってるんじゃないかと思ったのよ」

エミ「アンタの実力と術の強さから考えて、そこまで遠くじゃないと目を付けておいたワケ」

エミ「アンタが負けた一瞬の隙からアンタの居場所を突き止めたのよ」

ナイトメア「に、人間にそんなことができるわけ……」

美神「エミは世界でも有数の魔術の使い手よ?このくらいは出来るわ」

美神「ま、今回は私のために奉仕させてやったってわけよ」

エミ「はああああああ?アンタ私がいないとこの仕事できなかったワケ!それを考えなさい!」

美神「ふん!唯のレーダー役のくせに」

ナイトメア「い、今のうちにそーっと……」

美神「逃げんじゃないわよ!!」

ナイトメア「れ、霊体ボウガン……」

美神「アンタに聞きたいことがあるのよ」

美神「ゲームの妖怪のパワーアップと、アンタの魔力の強化……
  しかもこの短期間で遠隔操作まで身に着けた……」

エミ「そもそも、厳重なICPOの警備網を潜り抜けての脱獄……」

美神「どう見ても不自然ね……誰の差し金?」

ナイトメア「し、知らない!」

エミ「ふーん」カチ
『「くそっ!あんな奴らに負けるなんて!!
  龍神の言うことなんて聞くんじゃなかった!!」』

美神「龍神……」

ナイトメア「!!」びくぅ!!

美神「年増……ヘビ女……」

ナイトメア「!!」びくびくぅ!!

美神「メドーサ……」

ナイトメア「ななななななんのことやらさっぱりだわ!!」

美神「……その反応だけで十分よ」

美神「ま、聞きたいことは聞いたし、とりあえず賞金のためにお前を連行します」

ナイトメア「何だ……連行か……助かった……え?嘘……
    ぎゃああああああああああああああ!!!」ちゅどーん!!

美神「な、何?」

エミ「自爆!?いや、始末されたんだわ……」

美神「メドーサ……いずれ決着を付ける必要がありそうね」

美神(まあそれはそれとして、今までのは全部ビデオで撮影してあるから
  編集してICPOに提出ね。賞金はびた一文渡さないわ!!)

エミ(ってなことを考えてるでしょうから、こちらもビデオ仕掛けておいたワケ
  編集して賞金は私のモノよ!ついでにピートも!!)

美神・エミ「ふふふふふふふふふ」


とゆーわけで
ICPOには全く違う2本のビデオが提出され
結局賞金は折半になったそーな


終わり

かっこいいタイガー書こうと思ったら途中で収集つかなくなってどーなるかと思った
読んでくださった皆さん、ありがとうございました

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