菫「先輩方にご相談があるんです」憂「相談?」(197)

【けいおん!highschool×ドラクエⅡ】


軽音部 部室

憂「スミーレちゃん、相談ってなーに?」

純「宿題なら手伝えないよ」

梓「純!菫がそんなこと言うわけないでしょ!」

直「……カタカタ」

菫「実は、夏休み中の合宿のことなんですが…」

梓「別荘、貸してもらえることになったの?」

菫「はい、琴吹家所有の別荘を貸してもらえることになりました。ただ…条件がつきまして…」

純「あーん、モグモグ…条件?スミーレ、条件って何?」

菫「はい、操作テストへの協力をしてもらえるなら、無料で貸してあげると言われたんです。

  そうでなければ、他の琴吹グループの社員同様に、使用料を徴収すると言われまして…。

  使用料も決して特別高くはないのですが、私たち高校生には少し厳しい額ですし…

梓「じゃあ、協力できなかったら、お金を払わないと貸してもらえないってことなの?」

菫「私は琴吹家にお仕えしている立場ですし、紬お嬢様のようには…」

憂「スミーレちゃん、操作テストの協力ってどんな内容なの?」

菫「実は、琴吹グループのある企業で、ゲーム機の次世代ハードを開発中なんです。その試作機

  の操作テストに協力して欲しいということなんです」

純「ゲーム?それ面白そうじゃん!やろうよ!ねぇ梓」

梓「純!合宿は練習が目的なんだからね!遊びに行くんじゃないの!」

直「カタカタ…でも、新世代ゲーム機を体験できて、別荘も無料で貸してもらえるんでしたら、

  そっちの方がお得じゃないですか?」

琴吹家別荘前

純「うわーっ、でっかー!!」

憂「すごーい!!」

純「毎年ムギ先輩の別荘で合宿してたとは聞いたけど…」

憂「こんな豪華なところでやってたんだね…」

梓「純、まだまだこれより大きい別荘を持ってるんだよ!ムギ先輩の家は」

純「えーっ!?どんだけ!!」

菫「あ…すいません。ここより大きい別荘はありません…」

梓「あれぇ!?」

別荘近くの砂浜

純「梓、あっという間に真っ黒になったね」

梓「見事でしょ…」

憂「じゃあもう日焼け止めはいらないね。それに、焼けた後だから日陰じゃなくても平気だよね?」

梓「もう手遅れだからね…」



直「菫、合宿の場所が一番大きい別荘なのは、この間言ってた操作テストと関係するの?」

菫「そう。明日の午前、グループ企業の人がやってきて機器を設置することになってて、

  その機器が結構場所をとるから、一番大きい別荘になったんだよ」

直「テストは、山中先生も含めて6人でするわけ?」

菫「プレイは3人だけで、残りの人がモニターすることになってるの。私はグループ企業側になる

  から、モニターをしないといけないし、先生も立場上私たちの責任者になるから、モニター側」

直「じゃあ先輩方にプレイしてもらうの?」

菫「そう考えてる。だから、直ちゃんゴメンだけど、一緒にモニターになってもらっていいかな」

直「大丈夫。私も、いつも弟達がゲームするところを見る方が多いから」

翌日午前 別荘内スタジオ

ヴゥゥゥゥゥ、ヴゥゥゥゥゥ、ヴゥゥゥゥゥ…

菫「先輩方、ちょっと失礼します。ピッ…はい、斉藤です。…わかりました。すぐに行きます」

梓「どうしたの、菫?」

菫「はい、昨日説明したテストプレイの機器が到着したので、ちょっとそっちに行ってきます。

  先生も一緒に来て、立ち会っていただけますか?」

さわ子「わかったわ」

純「とうとう例の物が到着したみたいだね。梓、私たちも見に行こうよ」

梓「純!私達は練習するの!合宿は練習が目的なんだからね!どうせ後で見ることになるんだし」

午後 別室の大部屋

梓「何、あの大きな箱?広さは2畳ぐらいかな?それが3つもあるけど…」

菫「あの箱はプレイブースと言う名前で、あの中に先輩方一人ずつ入ってもらって、今回3人同時

  進行でゲームをプレイをしてもらうんです」

純「そっか、それで大きな箱が3つあるんだね。ところで、憂がまだ来てないけ…あっ、来た来た」

憂「遅くなってゴメンね。ねぇスミーレちゃん、今から何のゲームをするの?」

菫「ドラゴンクエストⅡです」

純「ドラクエⅡか。Wiiで何度も遊んでるし、私は大丈夫。Ⅱだから3人というわけだね」

菫「そうなんです。ドラクエⅡは3人パーティのゲームですので、ブースを3つ用意しています。

  そして、こちらの4つのディスプレイでプレイの様子をモニターします。3人のプレイヤーそれ

  ぞれ用に1台と、全体用の計4つです。ちなみに、この茶色い箱が本体になっていまして、

  事前にソフトがインストールされています。あとは、専門のSEさんから説明してもらいます」

SE「桜ヶ丘高校軽音部のみなさん、こんにちは。この度は弊社の試作機の操作テストへのご協力、

  誠にありがとうございます。それでは早速ですが、今回のプレイについて簡単に説明をさせて

  いただきます。まず、このプレイしてもらう箱型の部屋、プレイブースについてです。これは…」

SE「…という仕組みです。機密情報なので、ここまでしかお伝えできませんが…」

憂「それってすごいですね。とても思いつかないや」

直「そういう発想で作られているんですか。面白い発想ですね」

梓「ねぇ純、今の話分かった?」

純「全然分からなかった」

さわ子「…私も分からなかったわ」

梓「(これに関しては、さわ子先生に突っ込むことはできない…)」

SE「プレイ方法は簡単です。このブースに入って体を動かすだけです。後は、それを機器が感知

  してキャラクターの動作に反映させます。コマンド操作も、ほぼ思ったとおりに実行できますよ」

純「つまり、ブースの中に入れば、あとは好きなようにプレイできるわけなんですね」

SE「その通りです。何か異常が発生したら、すぐに対処できるように私たちも待機していますので」

菫「えっ?私たちってことは、ひょっとして私も頭数に入っているんですか?」

SE「もちろん斉藤さんもですよ。斉藤さんには、マニュアルを事前にお渡ししていますしね」

憂「スミーレちゃん、よろしくね」

菫「は…はい、頑張ります…」

SE「それと、本日のテストプレイやこちらの機器については、他言しないようご協力お願いします」

さわ子「機密情報ですものね。了解しましたわ。みんなも、よそでこのことを言わないようにね」

純「ところでスミーレ、誰がローレシアで誰がサマルトリアで誰がムーンブルクなの?」

菫「設定をオートメーションにしてプレイしていただくので、始まらないと分かりません。機器のAI

  が自動的に決定するみたいなので、それに従うことになります。ハッキリわかっていることは、

  先輩方はそれぞれの城の王女になります。本来王子に対するセリフも王女用に変更されます」

SE「補足しますと、グラフィックも変更されます。一応装備に応じたグラフィックになりますが、

  ローレシアは青や水色、サマルトリアは黄や緑、ムーンブルクは紫やピンク、白の色を基調と

  したグラフィックになります。顔や髪型、表情も、今のみなさんの状態そのままが再現されます」

梓「どうしよう。私はドラクエⅡはやったことないよ。他のドラクエならやったことあるけど」

憂「私もⅡはないよ。でも、やり方は他のドラクエとあんまり変わらないでしょ?」

純「私はⅠ~Ⅹまで全部やったことあるから大丈夫。分からなかったら何でも聞いて!」

梓「それ、ちゃんと全部クリアしたの?」

純「むっ!……つ、Ⅱはあっちゃんに手伝ってもらってクリアしているから、大丈夫!」

直「あっちゃん…」

菫「純先輩、オートメーションの結果、一部設定が原作と変更されてる可能性がありますので、

  それを踏まえてプレイしてください」

梓「変更って、どの部分?」

菫「一部アイテムの出現場所、一部キャラクターの変更など、全部で40項目に分かれています。

  内容を任意で設定できる項目、ランダム変更となる項目に分かれています。ランダム変更の

  場合は、どのように変更されるかはプレイを始めてみないと分かりません。変更できる対象と

  なっている項目は、この表に書いてあるとおりです」

憂「モンスターグレード、エンカウント率、宝箱の内容、紋章の場所…色々あるんだね」

SE「このテストプレイでは、40項目の変更の有無も含め、全てをオートメーション設定にさせて

  いただきます。その結果、原作どおりのままの部分と変更された部分が混合される予定です。

  もちろん、クリアができないような調整はされていません。なお、このテストプレイは途中に休憩

  を挟みながら、21時終了21時15分機器搬出の予定ですので、そこまでのプレイとなります」

さわ子「クリアするにはちょっと時間が短いわね。テストプレイだから仕方ないかしらね」

純「変更されてもクリアできる内容なら平気でしょ。スミーレ、早速はじめようよ」

菫「はい。では先輩方、それぞれプレイブースの中に入ってください」

憂「おじゃましまーす。何だろうこの部屋?一面真っ白。外から見たらドアの一部がガラスで

  中が見えてたのに、内側からだと入り口のドアノブしか見えないんだね」

純「この部屋、明るいけどどこにも灯りが無い。どういう作りになってるんだろ?」

梓「コントローラみたいなのが一切無いや。これでほんとにできるのかな?」



直「あっ!先輩方が映った。3人ともきょろきょろしてる」

さわ子「一人ずつポツンと映ってて、無の空間って感じね」

菫「今はそうですが、ゲームか始まりますとそれぞれバックに3Dの映像が映し出されます」

SE「それでは開始しますね」

ナレーション(以下「ナ」と略)
  「ようこそドラゴンクエストⅡの世界へ。早速ですが、みなさんのお名前を教えて下さい」

梓「中野梓です」

ナ「梓さんですね。女性の方でよろしいでしょうか?」

梓「はいそうです」

憂「平沢憂です」

ナ「憂さんですね。女性の方でよろしいでしょうか?」

憂「はい!」

純「鈴木純です」

ナ「純さんですね。失礼ですが、男性の方でしょうか?それとも女性の方でしょうか?」

純「女性です!」

ナ「失礼しました。女性の方ですね」

純「そうです!(…男の子にも純って名前の子がいるから、しょうがないのかな?)」

ナ「ありがとうございます。それでは、みなさんを冒険の世界にご案内いたします」

ローレシア城 2F

憂「あれっ?私、玉座に座ってる。何か服が青い鎧だ。なんかバッハみたいなBGMも流れてるし。

  あっ!兵士さんが階段を上がってきた。ひどい傷。鎧もボロボロだし…」

兵士「ローレシアの王様!大神官ハーゴンの軍団が、わがムーンブルクの城を!

   大神官ハーゴンは、まがまがしい神を呼びだし世界を破滅させるつもりです!

   王様!何とぞご対策を……!ぐふっ!」

憂「ああっ、兵士さんが倒れて動かなくなっちゃった。王様が駆け寄っても、何の反応もないよ。

  もしかして、死んじゃったのかな?」

ローレシア王
  「王女憂よ、話は聞いたな?そなたもまた勇者ロトの血を引きし者。このような日がいつか

  やってくると思い、わしはそなたを姫ながら勇者とならんべく厳しく育ててきたつもりじゃ。

  わしの予想は残念ながら当たっておったようじゃな。憂よ、そなたのそのチカラをためされる時

  が来たのだ!悲しんでいる時間はない…。旅立つ覚悟ができたなら、わしについてまいれっ」

憂「ビックリ!私がローレシアの王子…いや、王女なんだね。私がメインになっちゃったけど、

  いいのかな?梓ちゃんや純ちゃんはどっちになったんだろ?そんなことより、兵士さんは?」

兵士は息絶えている。

憂「やっぱり死んじゃってる。ゲーム中でも、人が死ぬって悲しいね…」

ローレシア王
  「その勇敢な兵士を、手厚く葬ってやってくれ」

兵士「ははっ!」

憂「そうだ、悲しんでる場合じゃないよ。私もついていかなきゃ」


ローレシア城 1F

ローレシア王
  「さあ憂よ!その宝箱を開けて、旅の支度を整えるがよい。サマルトリア・ムーンブルクには、

  同じロトの血を分けた仲間がいるはず。その者たちとチカラを合わせ邪悪なる者を滅ぼして

  まいれ!」

憂「この宝箱を開ければいいのかな?よいしょっと」

憂は宝箱を開けた。なんと!銅の剣と50ゴールドを見つけた!

憂は銅の剣と50ゴールドを手に入れた!

ローレシア王「行け憂よ。わが娘よ!」

憂「とりあえず冒険スタートだね。まずは情報を集めなきゃ。お城のみんなに話を聞いてと…」

サマルトリア城 2F

純「ん?ここは…寝室だ。どこの城の寝室だろう。寝室の設定のあるお城は…どこだっけ?

  それより私の格好、緑と黄色の鎧を着てる。これは革の鎧なのかな?ということは…」

兵士「ガチャ…純様、王様がお呼びでございます。すぐに王様のもとにいらしてください」

純「あ、はーい。とりあえず行ってみよう。階段の下かな?」


サマルトリア城 1F

サマルトリア王
  「純よ、先ほどローレシアの兵士から知らせがあった。ムーンブルク城がハーゴンの軍隊に

  攻め落とされたとのことじゃ。そなたもまたロトの血を分けた子孫。このような日がいつか来る

  かと思い、そなたを姫ながら、一人前の戦士とならんべく、また魔法も扱えるよう育ててきたつ

  もりじゃ。とうとうその力を発揮する時が来たようじゃ。ローレシア・ムーンブルクには同じロトの

  血を分けた仲間がいるはず。その者たちとチカラを合わせ邪悪なる者を滅ぼしてまいれ!」

純「そうか、私はサマルトリアになったんだ。ま、いっか。このキャラならいろいろ楽そうだし。

  梓と憂…どっちがローレシアでどっちがムーンブルクなんだろ?」

サマルトリア王
  「おい、純に例の物を!」

兵士「はっ!」

純はこん棒と50ゴールドを受け取った。

サマルトリア王
  「これで旅の支度を整えるがよい」

純「たった…これだけ?」

サマルトリア王
  「まずはここから東にある勇者の泉を訪ね、泉の水で身体を清められよ。戦いに旅立つ者は皆、

  勇者の泉を訪ね、泉の水で身体を清めるのが慣わしなのじゃ」

純「えーっ!?いきなりローレシア城に行っちゃ駄目なの?」

サマルトリア王
  「これ、わがまま言うでない!まずは勇者の泉じゃ!ぐずぐず言わず、すぐに支度を整え行って

  まいれ!!」

ムーンブルク城

ムーンブルク王「梓よ、そなたは実に美人じゃ。父親のわしも鼻が高いわ。ホッホッホッ」

梓「あれっ、ここは…中庭?私の格好は紫の襟の白のワンピース…ってことは、

  私はムーンブルクの王女なのかな?」

ムーンブルク王「む、なにやら怪しげな雲が立ち込めてきたわい。一雨くるかの?」

ゴゴッ!ドカッ!ズカッ!

梓「えっ!?これ何の音!?何かが壊されたような音みたいだけど…」

ムーンブルク王「こ、これは……!いったい何がおこったのだ!?」

ゴゴッ!ドカッ!ズカッ!バキッ!ズカッ!ボコッ!

ムーンブルク王「誰か、誰かおらぬかっ!」

ガッチャッ!タタタタタ…

兵士「お、王様!大変でございます!大神官ハーゴンの軍隊が、わがムーンブルクのお城を!」

ムーンブルク王「なにっ!?ハーゴンが攻めてきたと申すかっ!?」

兵士「はい!」

梓「ハーゴンって、Ⅱのボスキャラだよね。イキナリ攻めて来るんだ…」

ムーンブルク王「ぬぬぬハーゴンめ!こうしてはおれぬ!すぐに兵士たちを集めよ!」

兵士「はっ!ただちに!」

ムーンブルク王
  「よいか梓、お前はここに隠れているのだっ!わしの身に何が起こっても、嘆くでないぞ」

梓「えっ!?この階段の下の階にってこと?」

ムーンブルク王「さあ、早く行け!わしはこの事をローレシアの王に知らせねばならんのじゃ」

ホークマンがあらわれた!

ムーンブルク王「うぬ!ここまで来ていたとは!おのれ!怪物めっ!」

ムーンブルク王はベギラマを唱えた!

ホークマンに62ポイントのダメージ!!

ホークマンを倒した!

梓「王様強い!一撃で倒してるよ」

ガーゴイルがあられた!ガーゴイルがあられた!

ムーンブルク王「おのれ、怪物どもめ!ベギラマ!」

ガーゴイルAに55ポイントのダメージ!!

ガーゴイルBに52ポイントのダメージ!!

ムーンブルク王「むっ、倒れぬか!」

悪魔神官があらわれた!

悪魔神官はイオナズンを唱えた!

ムーンブルク王「ぎょえーーっっ!!」

ムーンブルク王は65ポイントのダメージを受けた!

ムーンブルク王は死んでしまった!

梓「うわぁ!!王様がやられちゃったよ…」

兵士「姫様、こちらでございます!早く中へ!」

梓「は、はい!トットットットット…」

ローレシア城付近

憂「とりあえず西に向かって歩いて、リリザの町をめざそう。そうしたら、サマルトリアのお城のことも

  分かるかもしれないし」

スライムがあらわれた!大ナメクジがあらわれた!

憂「スライムかわいい!!大ナメクジは…そうでもないね。えーっと、銅の剣で戦うんだね。えい!」

憂の攻撃!大ナメクジに5ポイントのダメージ!!

大ナメクジの攻撃!憂は2ポイントのダメージを受けた!

スライムAの攻撃!ミス!憂はダメージを受けない!

スライムBの攻撃!ミス!憂はダメージを受けない!

憂「大ナメクジが倒れないね。でも次は倒せそう。先にスライムから狙おうかな」

憂の攻撃!スライムAに6ポイントのダメージ!!

スライムAを倒した。

憂「こんな感じなんだ。一人だから持久戦だね。地道に倒すしかないね」

サマルトリア城付近

純「慣わしで勇者の泉に行くのは同じなんだ。でも、この部分のプレイって本来は無いはずだよね。

  オリジナル設定なのかな?にしても王様って結構キツイよねー。自分の娘なのに、もうちょっと

  温かく送り出してくれてもいいのになー」

ドラキーがあらわれた!山ねずみがあらわれた!

純「いきなり3匹モンスター出現!とりあえず戦ってみようかな。このこん棒で殴ればいいんだね」

ドラキーAの攻撃!純は3ポイントのダメージを受けた!

ドラキーBの攻撃!純は3ポイントのダメージを受けた!

山ねずみの攻撃!純は5ポイントのダメージを受けた!

純の攻撃!ドラキーAに3ポイントのダメージ!!

純「痛たたた…全然駄目だよ。向こうの方が攻撃が早いし、ダメージも大きい。こっちは武器が

  こん棒だし、全然歯が立たないよ。こりゃ逃げた方がいいね。サヨナラ!」

純は逃げ出した。しかし、回り込まれてしまった。

純「うわっ!!ヤバイ!」

純「ふぅーっ、何とか逃げられた。これじゃあ戦ってレベルアップどころじゃないね。

  お城に戻って、薬草と毒消し草を買い込んでおこう。サマルトリアだからホイミもあるし、

  薬草×2と毒消し草×3ぐらいかな?」

道具屋「いらっしゃいませ!ここは道具屋です。どんなご用でしょう?」

純「そうだ、福引券錬金術を使えば…って、銅の剣がなかった。えーっと、どれを売ればいい…

  あーん、わかんないよ!もういい!素直に薬草と毒消し草を買おう!」

ムーンブルク城地下

梓「王様が…やられちゃった…」

兵士「姫様、王様は姫様だけは何とかお守りしようとなさったのです。くちおしや…怪物どもめ…。

   しかし、このままでは姫様もやられてしまいます。姫様はその樽の中にお隠れ下さい。その間、

   この私めがお守りいたします。さあ、早く中にお入り下さい」

梓「あ、はい。この樽の中に入ればいいんですね…よいしょっ」

ガタン!!

ホークマン「ウヒヒヒヒ」

兵士「出たな怪物め。私が相手だ!覚悟し…うわっ!」

ガーゴイルの攻撃!兵士は25ポイントのダメージを受けた!

ガーゴイル「ケケケ、雑魚に用は無い」

地獄の使い「姫はどこにおるのじゃ?さては隠れておるのじゃな。ん、あの樽はなんじゃ?

        おい、あの樽の中を調べるのじゃ!」

梓「まずい、このままじゃ見つかってやられちゃう。逃げなきゃ。でもどうやって逃げるの!?

  っていうか、これってほんとにゲームなの!?」

リリザの町

兵士「ここはリリザの町。旅の疲れをのんびり癒して行くがよろしかろう」

憂「レベルアップもしたけど、結構HPが減っちゃったね。道具屋さんで薬草を買っておこう」

道具屋「いらっしゃいませ!ここは道具屋です。どんなご用でしょう?」

憂「薬草をください」

道具屋「薬草ですね。かしこまりました。はいどうぞ、憂さん!

     感謝の気持ちを込めて、福引券をおまけしておきますね」

憂「福引券?Ⅱにも福引きがあるんだね。町のどこかに福引所があるのかな?」

勇者の泉

老人「勇者の泉へよくぞまいられた!貴女の身体をこの水で清め、偉大なるロトの導きを願って

   しんぜよう。ロトの守りよ、勇者とともにあらん!」

純「ふーっ、なんとかここまで来たよ。HPもMPも回復できたし、さっさとローレシア城に向かおう。

  宝箱はローレシアになった子に任せて、いまは逃げまくって先に進むしかないね」

キングコブラがあらわれた!

純「もー、また嫌なのが出てきた!また毒におかされるかもだよ。逃がしてね!」

純は逃げ出した!しかし回り込まれてしまった!

純「まただよぉ…」

ローラの門

憂「あれ?こんなところに建物がある。なんだろう?」

老人「ここはローラの門。はるか昔、伝説の勇者ロトが妻のローラ姫をつれてわたったことから、  

   そう名づけられたのじゃよ」

憂「通り抜ける場所なんだ。勇者ロトとローラ姫は、たしかドラクエⅠのストーリーだったよね」

老人「ところで、ローレシア城の南にあるというほこらには行かれましたか?」

憂「いいえ、何かあるんですか?」

老人「そこには、わしの弟が貴女さまの来るのを待っているはず。会ってやってくだされ」

憂「そうなんですか。わかりました。…あれ?こっちは兵士さんが二人立ってる。門番なのかな?」

兵士A「これより先お一人では危険です!」

兵士B「サマルトリアの王女に会うまでここを通すなとの、王様のご命令です」

憂「サマルトリアの王女になった子と二人じゃないと通行不可なんだね。それなら、とにかく

  サマルトリアのお城に行かなきゃ」

ムーンブルク城地下

ホークマン「キキキキ、見つけた。お前が姫か?」

梓「うわっ!!見つかった!!」

兵士「…ぐふっ…け、汚らわしき怪物どもめ、姫様に触れるな!」

地獄の使い「その口やかましい輩をおとなしくさせるのじゃ!」

ホークマン「キキー!」

ホークマンの攻撃!兵士は18ポイントのダメージを受けた。

兵士「がはっ…うう…」

梓「…この状態、どうやって切り抜けられるの?戦うしかないの?今の私の状態は…あっ、

  強さが表示された!」

   最大HP 32  最大MP 28   攻撃力  4  守備力 13

   装備  E ヒノキの棒 E 布の服   呪文  ベホイミ

梓「このステータスと装備じゃとても戦えないよ!ベホイミは回復呪文だし!ってうわっ!!」

バキッ!ゴトン!

サマルトリア城

サマルトリア王
  「これは憂王女!よくぞまいられた!わしの娘、純もすでに旅立ち、今頃は勇者の泉の

  はずじゃ。純の後を追い、仲間にしてやってほしい!」

憂「純ちゃんがサマルトリアなんだ。ってことは、ムーンブルクが梓ちゃんなんだね」

サマルトリア王
  「憂が次のレベルになるには、あと10ポイントの経験が必要じゃ。そなたのこれまでの旅を

  冒険の書に記録してよいな?」

憂「セーブ場所は教会じゃなくって王様なんだね。一応セーブしておこう」



兵士「ローレシア城のずっと北に、勇者の泉がわくという洞窟があるそうです」

憂「ローレシア城のずっと北。ってことはサマルトリアから見て北東の方向だよね。

  純ちゃん、もう勇者の泉に着いてるのかな?私も早く純ちゃんの後を追わなきゃ」

ムーンブルク城地下

兵士「姫様!お怪我は?」

梓「いったーい。って、わっ!!モンスターに囲まれてる!!万事休す…」

ガーゴイル「ケケケケ、覚悟しな!」

悪魔神官「待ちなさい!」

梓「!?」

悪魔神官「ハーゴン様のご命令で、お前をこの場で殺すことはありません。ありがたく思いなさい」

梓「ど、どういうこと?…あ!?か、体が…浮いてる…」

兵士「ひ、姫様!?」

悪魔神官「ハーゴン様の呪いがかかってきたようですね。もうあきらめなさい」

梓「あぁぁぁぁぁ…」

兵士「姫様!」

梓「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」

兵士「姫さまぁぁー!」

梓「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!」

直「平沢先輩と鈴木先輩は普通にプレイしているのに、中野先輩のところだけ別世界ですね。

  目の前で修羅場になってて、結構ハラハラしますね。こっちばかり見てしまいます」

SE「本来のストーリーでは先にムーンブルクのイベントが起きた後、ローレシアとサマルトリアの

  プレイヤーが動き始めるのですが、そのシナリオどおりに当てはめると、ムーンブルクの王女に

  なったプレイヤーは、再会まで待ってもらうことになり、手持ち無沙汰になってしまいます。

  またプレイヤー視点では、はるか彼方の国で起きた出来事の様子を具に見ることはできません。

  そこで、プレイ開始と同時に、ローレシア城とサマルトリア城には、ムーンブルク城が攻め込ま

  れた情報が先に来て、ローレシアとサマルトリアのプレイヤーは同時進行でゲームを開始する

  設定にしています。そうすることで二人に合流するまでの時間をできる限り埋めているんです」

さわ子「本来は順序が逆なのに、ムーンブルクの最初のイベントを同時進行で、しかも長くしている

    のは、そういうことなわけね」

SE「オリジナルのFC版では、始めのムーンブルクのイベントは設定されていませんので、これでも

  問題ないと判断して、このような形にしています」

菫「それでも、ムーンブルクのプレイヤーは再会まで少し待ってもらうことにはなります。待っている

  間のイベントは用意されていませんが、飛ばされた町で情報収集はできるようになっています」

勇者の泉

老人「勇者の泉へよくぞまいられた!貴女の身体をこの水で清め、偉大なるロトの導きを願って

    しんぜよう。ロトの守りよ、勇者とともにあらん!」

憂「やった!HPが全快したよ。ここはレベルアップによさそうだね」

老人「ところで、もしやサマルトリアの王女をお捜しか?」

憂「はい(何で知ってるのかな?)」

老人「一足違いであったな。王女はロトの血を引く仲間を求めて……今頃はローレシアの城に

   向かっているはずじゃ」

憂「純ちゃん、ローレシア城に向かっているんだ。それなら私もローレシア城に戻らなきゃ」

ローレシア城

ローレシア王
  「そなたが、サマルトリアの純王女か。せっかく訪ねて来てもらったところ申し訳ないのじゃが、

  我がローレシアの王女、憂は今頃サマルトリアに向かっているはずじゃ」

純「ローレシアが憂なんだ。ってことは、ムーンブルクが梓か。梓は今頃犬になって、ムーンペタで

  暇を持て余しているのかな?」

ローレシア王
  「どうなされるか、純王女?」

純「私はサマルトリアに戻ります」

ローレシア王
  「そうか。ではまた会おう、純王女よ!」

ムーンペタの町

梓「(…うーん、ここは…どこ?)」

女性A「…そうなんですよ。あれは間違いなくムーンブルク城で…」

梓「(視界が…低い!人も建物も大きい!私、小人になっちゃったの?っていうか、ここはどこ?)」

女性B「じゃあ、ムーンブルクのお城がハーゴンの軍隊に攻め落とされたのも間違いないわけね」

梓「(なんかこの人達知ってそう。ちょっと聞いてみよう)にゃー、にゃー(あのー、すいません…)」

女性A「あら、見慣れない猫ね。しかも変わった猫ね」

女性B「そうね。野良猫がこの町に紛れ込んだのかしら」

女性A「人と人が出会う町、ムーンペタだもの。この猫も出会いを求めにやってきたのかしら」

梓「にゃん?(猫?)……にゃにゃ!!(あっ、手が猫の前脚になってる!!)」

女性B「なんか急に驚いたわね、この猫。あれ?池の方に走って行ったわ」

梓「(池なら私の姿が映るはず。ほんとに猫になの?っていうか何で私、手も使って走ってるの?)」

兵士「今頃ムーンブルクの城は……。ああ、梓姫っ!」

梓「にゃ!(あっ、お城の兵士さんだ!逃げてきてたんだ。そんなことより、水面に…)

  ………にゃ!にゃあ!!(………嘘でしょ!私、ほんとに猫になってるじゃない!!)」

ローレシア城

ローレシア王
  「よくぞ無事で戻ってきた!王女憂よ。先ほどサマルトリアの王女が憂を訪ねて来たぞ。

  しかし、そなたがサマルトリアに行ったと知って、また戻っていったようじゃ。とにかく……。

  憂が次のレベルになるには、あと111ポイントの経験が必要じゃ。そなたのこれまでの旅を

  冒険の書に記録してよいな?」

憂「はい!」

ローレシア王
  「確かに書きとめておいたぞ!まだ休まずに冒険を続けるつもりかっ?」

憂「はい!」

ローレシア王
  「そなたがハーゴンを倒してくる日を楽しみに待っておるぞ!ではまた会おう、わが娘よ!」

憂「私、純ちゃんと行き違いになっちゃったんだね。じゃあサマルトリア城に行かないと」

リリザの町

純「やばいよ、HPもMPも薬草も毒消し草も尽きたよ。サマルトリア一人じゃローレシア周辺でも

  全然戦えないね。所持金は…6Gか。憂はサマルトリア城→勇者の泉→ローレシア城→

  サマルトリア城って行くはずだから、サマルトリア城に戻りたいけど、このままじゃその途中で

  やられちゃうだろうし…。とりあえず、ここの宿屋にはギリギリ泊れるから、ここで待とうかな。原作

  もリリザで二人が合流するんだし。こんなことなら、ローレシア城で待ってればよかったなー」

サマルトリア城

サマルトリア王
  「これは憂王女!よくぞまいられた!まだ純と会えぬのか?ここには戻っていないぞよ」

憂「純ちゃんまだ戻ってきてないんだ。どこかに立ち寄ってるのかなぁ?何かヒントはないかな?」



兵士「ここは純王女の妹君のお部屋。むやみに入ってはなりませぬ」

憂「純ちゃんに妹っていたっけ?…そっか、ゲームだからだね。何か知ってるかも。お邪魔します」

姫(妹)「あなた誰?お姉ちゃんのお友達?」

憂「そうだよ!純ちゃんのお友達だよ!」

姫(妹)「なら、いいこと教えてあげる。お姉ちゃんね………」

憂「そっか。そうかもね。じゃあ今はリリザの町かな?とりあえずリリザの町まで行ってみるよ。

  どうもありがとう!」

直「平沢先輩と鈴木先輩、すれ違ってばかりですね。でも、リリザの町で合流できそうですね」

さわ子「奥田ちゃん、原作でもこんな感じで二人はリリザの町で合流するのよ。それにしても、

    梓ちゃんが猫になるなんて、このゲームのAIも、なかなか分かってるじゃない」

SE「変身する動物は数種類ありまして、珍しい動物からありふれた犬・猫までいろいろあります。

  AIの自動処理の場合、主にムーンブルクのプレイヤーの容姿で判断します。その結果です」

さわ子「でも、小麦色でツインテールの猫なんて、見事に特長捉えてますね。逆に目立ちますし」

SE「こんな感じでプレイヤーの髪型を反映してみたりして、他のプレイヤーにできるだけ分かり

  やすくなるように工夫しています」

直「中野先輩が猫か…何となくわかる気もするけど」

菫「(お姉ちゃんが言ってた“あずにゃん”ってこういうことなのかな?)」

リリザの町

純「よし、宿屋で回復もしたし、憂に見つかりやすくするために、池の前で待ってみよう。宿屋の

  中じゃわからないしね。あっ!あの水色の鎧の子は憂じゃないかな?おーい、ういー!」

憂「えーっと、純ちゃんはどこかな…あっ、あの手を振ってる黄緑色の鎧の子だね。純ちゃーん!」

純「よかった、ようやく憂と合流できたよ!これでまともに戦えるし」

憂「私も純ちゃんを探してたんだよ。ローレシアのお城にもサマルトリアのお城にもいなかったし」

純「ゴメンゴメン、ローレシア城で待ってればよかったね。まぁ、原作でもここリリザで合流することに

  なってるから、これはこれということで。ところで憂、アイテムやゴールドはどのくらいたまった?」

憂「アイテムは、装備以外は薬草×3、毒消し草×2、福引券×1だよ。ゴールドは321Gだね」

純「じゃあ聖なるナイフを買おうよ。んで、それを私が装備するの。そうしたら私もまともに戦えるし」

憂「純ちゃんが装備するの?」

純「だって私の武器はこん棒だよ。スライムも倒せないし。ここに来るまで逃げまくってたんだから」

憂「そういえば、純ちゃんの経験値、0のままだね」

純「だって戦っても勝てないから仕方ないもん!回復しながら逃げるしかなかったんだもーん!」

  手持ちのゴールドも使い果たしてたし…」

ローラの門

純「さすがに装備がよくなると、モンスターも倒せるし、早くレベルアップもするね」

憂「そうだね。…あっ!このお爺さんを見て思い出した。このお爺さんの弟さんが私に会いたがっ

  ているんだった。確かローレシアの南のほこらだよ」

純「あぁ、そこは今は行かなくても大丈夫だよ。後で行っても大丈夫だから。それより、先に梓だよ」

憂「そうなの?」

純「鍵の存在と、銀の鍵の在り処を教えてくれるだけだからね」

兵士「どうぞお通りください。ここを抜けて南へ行けばムーンペタの町です」

憂「そういえば、ドラクエⅡって扉は全て鍵が必要なんだね。どの扉も開かなかったから」

純「そうなの。縁が銀色の扉は銀の鍵、縁が金色の扉は金の鍵、牢屋は牢屋の鍵、

  水門には水門の鍵、全部4種類あるの」

憂「じゃあ、あそこにあるあの扉は、縁が金色だから金の鍵が必要なんだね」

純「そうなの。さっ、ここからモンスターが強くなるから、気をつけて」

菫「憂先輩と純先輩、ローラの門通過ですね」

SE「操作的にも良好ですね。不具合も今のところ見受けられません。セリフなどは若干改善が

  必要ですかね。後日精査します」

さわ子「純ちゃんもある程度戦えるようになったし、順調にレベルアップしているじゃない」

直「でも、結構ダメージ受けながら進んでますね。攻撃呪文がないのはキツイですね」

さわ子「純ちゃんがギラを使えるようになったら、だいぶ楽になるわよ」

直「そういえば、山中先生はドラクエをしたことあるんですか?」

さわ子「あるわよ。元祖FCじゃなくてSFCだけど、やってたわよ」

菫「そうこう言ってるうちに、先輩方はムーンペタまでたどり着きましたね」

ムーンペタの町

梓「にゃー(憂、純、来ないなぁー)」



女性「ムーンペタの町にようこそ。ここは人と人が出会う町です」

憂「ようやくムーンペタの町に着いたね。モンスターが強いから、一人じゃ通さないって言われた

  意味がよくわかったよ」

純「まだ憂がレベル6で私がレベル4だから、苦戦するのは仕方ないよ。でも、私もギラが使える

  ようなってこっちでも戦えるようになったし、着いてしまえばこっちのものだからね」

憂「とりあえずセーブしておきたいけど、この町ではセーブできるの?ドラクエⅡは教会じゃ

  ないんだよね」

純「ここム-ンペタでは、教会の近くにいるお爺さんだったはず。いたいた、あそこだよ」

憂「ところで、この町に梓ちゃんがいるんだよね。どこにいるの?」

純「話しかけると懐いて後をついてくる犬がいるの。それがムーンブルクの王女、つまり梓ってこと」

憂「じゃあまずワンちゃんを探せばいいんだね」

純「でも、犬ってどこにいるのかな?セーブできるお爺さんの近くにいるはずなんだけど、いない」

憂「手分けして探そっか」



梓「にゃにゃ!(あっ、いた!)」

憂「純ちゃん、どうだった?」

純「うん、犬は1匹いたけど、逆に吠えられたからたぶん違うと思う。憂は?」

憂「私は2匹見つけたけど、どの子も飼い犬って感じだったよ」

梓「トタタタタ……にゃあ!にゃあ!にゃあ!(ちょっと!憂!純!)」

憂「あれっ?変わった猫ちゃんが走ってきた。頭の両横からすごく長い毛が生えてて」

純「ほんとだ。変わってるよね。なんか、しっぽの細いこげ茶色のスリムなキュウベえみたいな感じ。

  でも、猫だからゲームには関係ないし。憂、行こう」

梓「にゃー!にゃー!(ういー!じゅんー!)…テトテト」

純「ん?この猫、後をついてくるね。あれっ?なんか身振り手振りしてる。変な猫だね」

憂「抱いてみよっか。おー、よしよし」

梓「にゃー(気付いてくれたみたいでよかった。でも、憂に抱っこされるのは正直変な感じ)」

純「全然嫌がらないね。まるでウチの猫みたいだ。人間に慣れてるのかな」

憂「あっ!!」

梓「にゃ!?(何!?)」

純「ど、どうしたの憂?」

憂「ねえ純ちゃん、この猫ちゃん、ひょっとして梓ちゃんなんじゃない?私たちの後をついてきたし。

  それにほらっ、梓ちゃんはあずにゃんだし!」

純「えーっ?でもムーンブルクの王女は犬にされるはずでしょ?」

憂「設定自動変更の項目の中に、ムーンブルク王女の動物の選択っていうのもあったから、

  猫にされてるかもしれないよ」

純「あーっ、そうかも。ねぇ梓、そうなの?」

梓「にゃあ!(そうだよ!)」

憂「純ちゃんの問いかけにお返事してるよ。やっぱりこの猫ちゃんが梓ちゃんだよ!」

純「なるほど、あずにゃん1号というわけだね。憂、梓がどこにいるか分かったし、とりあえず先に

  進もうよ。外は危険だから、梓はおいていかないと無理でしょ」

憂「そうだね。ゴメンネあずにゃん1号、もうちょっと待っててね」

梓「にゃー!(早くしてー!)」

ムーンペタ南方

純「そのムーンブルクの王女の呪いを解くには、ラーの鏡が必要なの」

憂「ラーの鏡かぁ。ドラクエⅡにもあるんだね。Ⅱではどこにあるの?」

純「ムーンブルク城の東の方にある、小さな毒の沼地の中。本来はムーンブルク城で情報が

  聞けるんだけど、あそこは攻め落とされて廃墟になってて、モンスターだらけだし、

  リビングデッドが4匹出たりして結構厄介だから、すっ飛ばしてラーの鏡を取りに行こう。

  ムーンブルク城に行くにしても、梓と3人のほうがはるかに楽だし」

憂「そうだね、先にあずにゃん1号を助けないとね」

純「憂、その呼び方気に入ったの?」

憂「なんか、カワイイよね。この呼び方って」

純「そうかな…」

ムーンブルク東方

純「この林の奥にちいさな毒の沼地があるはず。マップが見渡せないと色々不便だね」

憂「でも、純ちゃんが覚えているからすごくスムーズに進めてるよ。私一人だったら、色々迷って

  いるはずだし。ゲームの始めから純ちゃんに合流するまで、いろいろ迷ってたもの」

純「でも、Wiiでするのとはやっぱり勝手が違うよ。目線はキャラクター目線だからマップを上から

  見渡せないし、実際に自分が動いて自分で戦ってだしさ」

憂「そうだね。あった、ここの沼地だね」

純「ここで間違いなさそう。じゃあ入るよ。うわっ、足が痛いよ。何かヒリヒリする」

憂「純ちゃん、鏡あったよ!これじゃないかな。周りに色々書いてあるし。読めないけど」

純「たぶんそれだよそれ!アイテム欄にもちゃんとラーの鏡って出てるし。じゃあ、さっき買った

  キメラの翼でムーンペタまで戻ろう」

憂「うん。これって、空に向けて放り投げればいいんだよね。じゃあ行くよ!それっ!」

純「うわわっ!?すごい!ほんとに飛んでる!」

ムーンペタの町

梓「スースー…」

憂「あずにゃん1号、どこにいるのかなぁ?」

純「この町に猫はそんなにいないようだし、あんな特徴的な猫なんて、すぐ見つかる…いたいた。

  って寝てるじゃない!」

憂「起きて!あずにゃん1号!」

梓「ふぁ?(ん?)…にゃあ、にゃあ、にゃあ?(憂、純、どうだった?)」

純「じゃあ始めようよ。憂、ラーの鏡を梓に向けて!梓は鏡を見つめて!」

憂「うん!こうかな?」

梓「にゃあ!(うん!)」

純「鏡に…人間の梓が映ってるよ!」

憂「ほんとだ!あずにゃん1号じゃなくて、本物の梓ちゃんだ!」

梓「にゃー!(映ってるのは猫じゃくて私だよ!)」

ピカッ!

純「うわっ!梓が光った!!」

バリン!バラバラバラ…

憂「わっ!鏡が粉々になっちゃった…」

純「憂、大丈夫!?…梓は!?」

梓「ふーっ、ようやく元に戻れた。ゲーム終わるまで、ずっとあのままかと思ったよ」

憂・純「誰!?」

梓「ここにきて何で誰って言うのよ!分かってるくせに!」

純「冗談冗談。梓、お疲れ!」

憂「元に戻れてよかったね!あずにゃん1号!」

梓「ちょっと憂、もうその呼び方やめて…」

直「これで先輩方3人が合流しましたね」

SE「サマルトリアのプレイヤーの方は、元々ゲームをやり込んでいるんですかね?2人になってか

  ら、流れがとてもスムーズです」

さわ子「これで第二関門突破ね。次はそのまま船を取りに行くのかしら?」

SE「そういえば、銀の鍵は取っていないですね。手順が逆になってますね」

さわ子「船は銀の鍵が無くても取れますし、後回しなのかもしれませんわね」

SE「そうかもしれませんね。先生も、結構やり込んでらしたんですね」

さわ子「あの頃は…純真無垢な少女で、何をするにも一生懸命でしたから」

菫・直「(純真無垢の少女が…どうしてこうなっちゃったんだろ?)」

ムーンペタ北部

憂「3人になったら、フィールドのBGMも変わったね。純ちゃん、これからどうするの?」

純「梓のレベルアップが必要だし、一度サマルトリアに戻って、それから、湖の洞窟に銀の鍵を

  取りに行こう。あそこのモンスターは強く無いから、梓も安全だし」

梓「私はまだレベル1だし経験値0だから、その方が助かるよ」

純「湖の洞窟は、二人で来てもよかったんだけど、三人だと断然楽だしね。それに、

  ムーンブルクの王女はバギが使えるようになるまで、攻撃要員にならないからね」

憂「梓ちゃんはMPは多いけど、今はベホイミしか使えないもんね」

純「そっ!だから梓は、レベル4になるまで基本的に防御のみね」

梓「防御のみ!?」

純「余計なダメージも喰らわないし、その方がいいの。梓部長には、後でたくさん活躍してもらうし」

梓「うーん…仕方ないかぁ」

湖の洞窟 B2F

なんと!銀の鍵を見つけた!憂は銀の鍵を手に入れた!

憂「あった!これが銀の鍵なんだね。ほんとに銀色だね」

純「よーし、もうここには用無しだから、さっさと退散退散!」



梓「ねえ純、私ってステータスを見たら職業が魔法使いだったんだけど、やっぱり装備できる武器

  や防具に制限があるの?」

純「そう。かなり先にある港町ルプガナまでは、防具は今着ているの布の服のままだね。武器も、

  今のところこの聖なるナイフぐらいしか装備できないよ。もちろん私も装備に制限があるんだよ。

  Ⅱではローレシアだけが装備制限が無いのよ。つまり憂は全部の武器防具が装備できるのよ」

憂「そういえば、純ちゃんは職業が魔法戦士だよね。上級職って感じでカッコイイよね」

純「そうでもないよ。どっちかって言うと、サマルトリアは役立たずの部類に入るんだから。

  メインキャラはローレシアになった憂だし。職業も戦士じゃなくて、勇者の子孫だしね」

憂「確かに、私の職業は勇者の子孫になってたね」

梓「ゲーム上は、3人とも勇者の子孫なのに、ローレシアだけなのも、何か変だね」

ムーンペタの町

武器屋「また来てくれよ!」

憂「だいぶ装備も強化できたね」

純「そうだね。でも、憂の装備はもっと強化できるのよ。この辺のモンスターだったら、ゴールドも

  どんどん貯まっていくしね」

梓「私は…しばらくガマンなんだよね。純のお下がりの聖なるナイフと、防具は布の服のまま」

憂「そういえば純ちゃん、この福引券ってどこで使えるの?福引所はどの町にあるの?」

純「Ⅱではたいていの町に福引所があるんだよ。リリザにもあったんだけど、銀の鍵が無いと

  入れない場所にあるの。ここムーンペタはそんなことないけどね。せっかくだし、福引きやって

  みようか?福引券は今3枚あるから、一人一回ずつ引けるね」

梓「ドラクエⅡの福引きも、ガラガラ回すあれなの?」

純「福引きっていってもスロットマシーンみたいなんだよ。3つの印をそろえると、印の種類に

  応じて景品がもらえるの。そうそう、上手く当てたら、梓も装備できる強い武器も手に入るよ!」

梓「そうなの!?じゃあ、やってみようよ!」

福引所員「ここは福引所です。福引きをいたしますか?」

福引所員「残念でした。この次は当ててくださいね。ではまたどうぞ」

純「梓も駄目だったか。これ結構難しいからね」

梓「これ100%運だよ…回る速さが3つとも違うし、全然タイミングわからない。最後、憂の番だよ」

憂「う…うん、うまくできるかなぁ?」

純「憂なら1等も軽く当てちゃうかもだね。1等は太陽の印をそろえるんだよ」

憂「太陽…さっきの純ちゃんや梓ちゃんがやってた感じだと、ここにあの印がきたときに押したら、

  太陽の印が来るはずだから…えい!」

梓「…月の印になった」

憂「そっか、あのタイミングなら月なんだ。それなら、月でそろえてみよう。真ん中はこのくらいの

  タイミングかな…えい!」

純「おっ、また月だ!憂、そのまま月でそろえたら、3等の魔道士の杖だよ。梓も装備できるし」

憂「最後のは早いから、このあたりのタイミングで…えい!」

パッパカパッパッパッパッパー♪

福引所員「おめでとうございます!3等、魔道士の杖が当たりました!」

憂「やった…やったよー!!梓ちゃん!純ちゃん!……って、いない」



梓「ちょっと純、何を買う気なの?」

純「今の所持金だったら、これを道具屋で買えば福引券がもらえるのよ。これで、また憂に福引き

  を引いてもらって、1等のゴールドカードを当ててもらおうよ」

菫「すごい、憂先輩一発で当てちゃいましたね」

SE「うーん、スロットの流れを読んでいるような感じですね。この調子だと、1等ゴールドカードも

  簡単に取っちゃいそうですね」

さわ子「さすが憂ちゃんね」

直「やっぱり平沢先輩に弱点は無いんだ…」

純「さーて、レベル上げも兼ねてね、今度はムーンブルク城に行こう。梓を仲間にできてるから、

  別に行かなくてもクリアはできるんだけどね」

憂「純ちゃん、ムーンブルクのお城はハーゴンの軍団に攻め落とされたんだよね?占領されてる

  感じなの?」

梓「……………」

純「占領されてるって感じじゃないよ。モンスターはいっぱい出るんだけどね。行ってみたら分かる

  から」


ムーンブルク城入り口

純「さっ、梓のお城に着いたよ」

憂「ここなんだ。毒の沼地に囲まれて、あっちこっちが崩れ落ちてて…酷いことになってるね」

梓「私、お城の概観は見れなかったんだけど、たぶん立派なお城だったんだよね。それが……

  こんなにボロボロに…なんだか悔しくなってきた」

純「…とりあえず、中に入ってみようか」

憂「わっ!炎が動いてる!」

純「魂なの。ここで、何人かの魂の話が聞けるのよ」

ムーンブルク王の魂
  「わしはムーンブルク王の魂じゃ。わが娘、梓は呪いをかけられ猫にされたと言う。

  おお、くちおしや……」

梓「王様だ…王様!梓です!私はここにいます!

ムーンブルク王の魂
  「誰かいるのか?わしにはもう何も聞こえぬ。何も見えぬ……」

梓「そんな…王様は私をかばって、目の前でモンスターにやられちゃって……」

憂「梓ちゃん…」

純「梓、今の梓の立場ならちょっと辛いだろうけど、もう少しの辛抱だから」

ムーンブルク城地下

梓「憂、純、ゴメン。私は階段の前で待ってるよ。下りちゃうと、ゲームの始めの状況がフラッシュ

  バックしてきそうで…」

純「そんなに衝撃的だったんだ」

憂「じゃあ私たちだけで下りるから、梓ちゃんはそこで待ってて」

梓「ゴメン…」

コツ…コツ…コツ…コツ…

純「ここに命の木の実が落ちているはずだから、それを回収して終了!」

憂「…あっ!奥で兵士さんが倒れてる!まだ生きてるみたいだよ!大丈夫ですか!?」

梓「えっ!生きてるって!?……トットットットット」

兵士「ああ姫様……。私は姫様をお守りできませんでした……。そのため姫様は呪いで

   姿を変えられどこかの町に…。しかし、もし真実の姿を映すというラーの鏡があれば……。

   姫様の呪いを解くことができるでしょう……。旅の人よ、どうか姫様を、姫様を……。ぐふっ!」

梓「そんな…兵士さん!死んじゃイヤだ!!ベホイミ!」

梓はベホイミを唱えた!しかし、何も起こらなかった。

憂「ああっ!兵士さんの体が消え…て、魂が浮き上がってきた…」

兵士の魂「ラーの鏡で、どうか姫様を、姫様を……」

梓「へ、兵士さん!?兵士さん、わかりますか!?私です!梓です!」

兵士の魂「も、もしやそのお姿は、梓姫様では……。そうでしたか……そうでしたか……」

梓「兵士さん!私が見えるんですね!?兵士さん!!」

憂「あっ…魂が消えてく…」

梓「兵士さん……消えちゃった……」

純「梓、兵士さんは梓が無事だと知って、安心して成仏したんだよ、きっと」

梓「…兵士さんは、最後まで私を守ろうとしてくれたんだよ。なのに……なのに……グス」

憂「梓ちゃん……グス」

直「……グス。すいません、ちょっとトイレに行ってきます」

さわ子「…ドラクエⅡって、こんな悲しい展開ってあったかしら」

SE「オープニングのムーンブルクのイベントは、開発チームができる限りのリアルさを追求して、

  こんな感じになったんです。このシーンも同様です。しかし、セリフ自体は原作のままですし、

  あとはムーンブルクのプレイヤーの対応次第なんですが…」

菫「…梓先輩は、冒頭のやられるシーンを目の当たりにしていますから、一番こたえますよね」

ムーンブルク城前

梓「私、このお城の亡くなった人たちのためにも、頑張らないと!」

純「そうだね。よし、頑張ろう!」

憂「うん、頑張ろう!」

純「とりあえず一度ムーンペタまで戻って、回復とセーブをしてから、今度は風の塔を目指そうか」


ムーンペタ東方向

憂「うわー、すごいね。海沿いに砂浜がずっと続いてるよ。岩山の後側はこんな感じなんだね」

純「道のりが長いから結構大変なんだけどね。でも、梓が魔道士の杖を装備できてるから、MPも

  節約できるし、わりと楽に行けると思うよ」

梓「純、ムーンペタで猫にされてる時、暇だったからいろんな人の話を盗み聞きしてたんだけど、

  どこかの塔の中に空を飛べるマントがあるらしいんだよ。そのマントを着けていると、高い所から 

  落ちたとき、少しだけ空を飛べるんだって」

純「さすが部長、よくご存知で。今から行くのが、その空を飛べるマントがある塔、風の塔なのよ。

  そこにあるのが風のマント。これがないと、ルプガナに行けないの」

風の塔1F

憂「着いたね」

梓「何だか怪しげだね。がらんとしてて。天井も高いし」

純「とりあえずMPが切れてしまう前に、取るもの取っちゃおうよ」

梓「そうだね」

憂「純ちゃん、風のマントってどの辺にあるの?」

純「2階にあるの。塔の端っこの階段から、順番に上がっていって、途中から階段を下っていくの」


風の塔2F

梓「こんなところに階段があったんだね」

憂「あれ、階段登ったところに戦士さんが…」

戦士「塔の外壁の通路を歩くときは、足もとに気をつけろよ」

憂「そうですよね。危険ですしね」

戦士「なかなか素直なヤツだな。さては、もう足を踏み外して落ちたことがあるのだろう」

梓「落ちてないデス!失礼なこと言いますね、まったく!」

純「梓、いちいち構わなくていいから。次に進むよ」

風の塔5F

梓「なんでこう、壁が無い外側の通路ばっかりなの?」

純「ゲームだからでしょ。下を見なければ、どうってことないよ」

憂「そういえば、今ってゲームの中なんだよね。すっかり忘れてたよ。だって普通にこうして、

  会話もしてるし、戦闘もしてるし、お互いの体にも触れられるしねー」

梓「ちょっと憂、押さないでよ危ないんだし!っていうか、ゲームなのに何でここまでリアルなのよ!」

純「梓、もうちょっとのガマンだから。よし、下りの階段だ。もう落ちる所は無いよ」


風の塔2F

なんと!風のマントを見つけた!憂は風のマントを手に入れた!

憂「これが風のマントなんだね。せっかくだから身に着けてみるね」

純「おおっ!なんか勇者って感じでカッコイイ!」

梓「そうだね。憂の今の格好だと、さまになってるよ」

憂「えへへ、そうかな…」

純「じゃあ、戻ろっか。帰りに、風のマントの効果を試してみない?さっきの5Fから飛び下りるの」

梓「ねぇ、それはまた今度にしない?MPもまだあるし、レベル上げも兼ねて、歩いて戻ろうよ」

ムーンペタの町

武器屋「ゴールドカードを持っているから、500ゴールド割引きしておいたよ」

憂「ありがとうございまーす。ゴールドカードがあると、Ⅱだと25%も割り引いてくれるんだね」

純「そうなのよ。おかげで装備は現時点で最高になったしね。それじゃあ、今度は舟を取りに

  ルプガナまで行くよ。ここからの道のりはすごく長いんだけど、今の私達なら大丈夫と思う」


ムーンブルク西のほこら

梓「ほこらの地下に教会があるんだね」

純「ここのほこらはトンネルのような感じになってて、向こう岸までつながってるの」

憂「それにしても、何で教会なんだろ?」

純「本来は、ムーンブルクの王女を仲間にしていないと、神父さんが道をふさいで通れないように

  なってるわけなの。セリフも、ムーンブルクの王女を探しなさいみたいな感じなのよ。今は3人

  だから道をあけてくれて、セリフも普通の教会の神父さんのセリフに戻ってるの」

梓「教会なんだから、ここでセーブできると便利なんだけどね」

純「昔のドラクエだから仕方ないよ。Ⅲまでは基本的に王様でセーブをするんだし。元祖のFC版

  なんて、Ⅱは復活の呪文って言う52文字のパスワードを入力するシステムなんだから」

ドラゴンの角 南塔前

純「ふーっ、ようやくドラゴンの角に着いたね。道のりが長いから大変だし、疲れるよ」

梓「案内してくれてる純の方が先に疲れてどうするのよ」

憂「まあまあ。純ちゃんのおかげでスムーズに進めてるんだし。それじゃあ、中に入ろうよ」


ドラゴンの角 南塔 1F

梓「うわぁ!天井高いね!吹き抜けになってるんだね」

商人「旅の人!知ってますか?」

憂「えっ、何をですか?」

商人「ここがドラゴンの角と呼ばれる、有名な双子の塔ですよ。なんでも昔は、向こう岸の塔と

   つり橋で結ばれていたとか…。しかし、今はこの有り様。どうやったら向こう岸まで行けるんで

   しょうね……」

憂「そうなんだ。ねぇ純ちゃん、向こう岸まで行く方法っていうのは、ひょっとしてこの風のマントを

  使うってことなの」

純「そのとおり!塔の頂上まで登って、そこから飛び下りるんだよ。そうしたら向こう岸までたどり

  着けるから」

ドラゴンの角 南塔 6F

純「さ、最上階についたよ。ここから北に飛び下りれば、向こう岸に落下できるよ」

梓「うわー、高いなー。これはどうしても飛ばないとダメなの?」

純「もちろん!」

憂「大丈夫だよ、梓ちゃん。これはゲームなんだしね」

純「ほらほら、画面の外側でカワイイ後輩達が見てるんだよ、梓部長。しっかりしたところを

  見せないとね、梓ぶ・ちょ・う」

梓「ピクッ…そ、そうだよね。このくらいで怖がってちゃダメだよね。菫たちも見てるんだし」

憂・純「そうそう。頑張れ、ぶ・ちょ・う!(効いてる効いてる…)」

梓「よし!憂、純、行こう!」

純「OK!」

憂「梓ちゃん、純ちゃん、準備はいい?それじゃあ行くよー。そーれっ!」

ヒューーーーーーーーーー!!

さわ子「飛び下りてる最中は、動きが緩やかなのね」

SE「イメージとしては、風のマントをつけている状態だとパラシュートを開いている感じですかね。

  何もつけてなかったら、普通に落下する感じです」

直「普通に落下って、すごく危険じゃないですか」

SE「落ちるスピードが速いだけで、着地は普通です。着地で怪我するようにはなっていません。

  さっきのキメラの翼やルーラの時と同じ感じです」

菫「そうこう言ってる間に、先輩方は無事向こう岸に着地しましたね。ここまでで約2時間半ですね。

  時間的に、そろそろ休憩を取っていただきましょうか」

SE「そうですね」

港町ルプガナ

女性「港町ルプガナにようこそ」

純「あー、やっと着いたよ~」

憂「ここまでの道のりって、かなり長かったもんね」

梓「私も疲れたよ。MPも残り4だし」

純「とりあえず宿屋で回復したら買物をしようよ。憂のゴールドカードのおかげで、結構いい買物が

  できるよ。私や梓の装備も強化できるし」

男性「よお、姉ちゃんたち!オレと一杯やらねえか?ひっく」

梓「私たちは未成年デス!」

純「梓、変な人に構わない構わない」

ピロロロローン ピロロロローン

菫「先輩方、聞こえますか」

憂「あっ!スミーレちゃんの声だ!」

菫「そろそろ休憩されませんか?約2時間半経過していますし」

梓「そうだね。だいぶ疲れてきてたし、セーブして休憩しようか」

別荘 リビング

菫「麦茶をお持ちしました。それと、憂先輩がデザートを作っててくれたみたいです」

憂「お待たせしました。バナナオレンジムースです。SEさんもよかったらどうぞ」

純「美味しそう!いっただきぃ!」

さわ子「うーん、美味しい!幸せ~!」

SE「ありがとうございます、いただきます。ん?おぉー、これは絶品ですね」

直「平沢先輩、いつの間に作ってたんですか」

憂「お昼ごはんの後片付けの後に、ちょっと仕込んでおいたの。ムースだから傷みやすいし、

  部室では冷蔵庫が使えないから出せなかったんだけど、合宿中ならできるかなって思って、

  作ってみたんだよー」

梓「さっき遅く来たから、電話でもかかってきてたのかなって思ってたら、デザート作ってたんだね」

憂「えへへ…」

梓「ところで菫、プレイの方はこんな感じで続ければいいんだよね」

菫「あ、はい。大丈夫です。先輩方でプレイして気付いた点がありましたら、教えて下さい」

港町ルプガナ

純「憂のゴールドカードのおかげで、身かわしの服も全員分3着も買えたし、憂様様だね」

梓「そういえば、同じ身かわしの服なのに、3人とも服が色違いだね。憂のは水色、純のは黄緑色、

  私のは白でフードの部分だけ紫になってて…」

憂「ほんと面白いよね。キャラごとにちゃんと色分けしてあるんだね。…あれっ?ねえ見て。

  ほらあそこ。女の子がモンスターにからまれてるよ…」

純「ルプガナのイベントなの。あのモンスター、グレムリン2匹を倒したら、舟が手に入るんだよ」

梓「あっ、女の子がこっちに逃げて来た!」

女性「たっ、助けてっ!魔物たちが私をっ!」

グレムリン「ケケケ!その女を渡しなっ!」

憂「ダメだよ!渡さないよ!」

グレムリン「ケケケ、バカなやつ……。お前たちもここで食ってやろう」



グレムリンがあらわれた!

純「さぁ、戦闘開始だ!」

グレムリンをやっつけた!

女性「危ないところを、どうもありがとうございました。私について来て、どうかうちのお爺さまにも

   会ってくださいな。さあこちらへ」

梓「あっけなく倒せたね」

純「梓の先制のラリホーが一発で効いたからね。効く確立は1/2なんだけど、うまくいったね」

憂「おかげですごく楽に戦えたよ」

女性「お爺さま、ちょっと……」

老人「かわいい孫娘を助けてくださったそうで、なんとお礼を言ってよいやら。おお、そうじゃ!

   あなたたちに舟をお貸ししようぞ。この爺にできるのはそれくらいじゃ。どうか自由に乗って

   くだされ」

憂「やったぁ。ありがとうございまーす」

純「これで行動範囲はぐっと広がるよ。あっ、そうだ!ちょっと待ってて。忘れないうちに…」

梓「あれっ?純、そっちはさっきのグレムリンのいた…」

純「こっちの毒の沼地の奥に力の種が落ちてるの。…よし、あった。お待たせ。じゃあ行こう」

梓「舟っていっても、そんなに大きくないんだね。でも、甲板は結構広いんだね」

純「たぶん、ここでモンスターと対戦できるようにしてるんじゃないの?海の上でも当然モンスター

  が出るからね。ところで、これってどうやって動かすのかな?梓、舟を動かしたことある?」

梓「あるわけ無いでしょ!でも、ゲームだから簡単に動かせるんじゃないかな?」

純「憂はどう?」

憂「動かしたこと無いけど…純ちゃん、たぶんこうじゃないかな?このレバーを下げて、こっちの

  レバーをこうして…」

梓「あっ、進み始めた!」

憂「舵をきって方向を変える…のかな?」

純「おおっ、方向転換もしたよ。やっぱり憂はすごいよ」

憂「これ、全然難しくないよ。触ってみたら、何となくできちゃったし。梓ちゃんもやってみる?」

SE「なんと、説明のアナウンスが入る前に舟を操縦し始めた…」

さわ子「この舟の操縦は難しいんですか?」

SE「いえ、ゲームですから簡単にしているんですが、説明無しで即操縦には、ビックリしました」

菫「憂先輩は、そんな人なんです。さっきの福引きもそうですが、一緒に部活していて、色々と

  驚かされます」

直「やっぱりロボみたいな人だ…」

アレフガルド北西部

純「よし着いた!それじゃあ上陸だ」

憂「あれ?BGMが違うね」

梓「ほんとだ。なんか、少し寂しい感じのBGMだね。楽器の数も少ないシンプルな感じだし」

純「ドラクエⅠのBGMだよ。この音楽が流れたら、アレフガルドに着いたってことなの。

  そのまま東に真っ直ぐ進んでいったら、お城が見えるの。それがラダトーム城ね」

ラダトーム城

兵士「ラダトームの城にようこそ」

憂「あれっ?お城のBGMも違うんだ」

純「このBGMもドラクエⅠと同じなの。とりあえずここでセーブをして、その後私がルーラで舟を呼

  び寄せるから。それから竜王の城だね。クリアには直接関係しないけど、大事な物があるからね。

  それと、ここでのセーブは教会でするんだよ」

憂「ここでは教会でセーブなんだね。王様ではセーブできないんだ」

純「王様は隠れてしまってるの。隠れてる場所も分かってるんだけど、金の鍵がないと入れないの」

梓「純、セーブしないとダメなの?ルーラって行き先指定できるはずだよね」

純「それがね、Ⅱではできないんだよ。最後にセーブした場所に移動するようになってるのよ」



老人「おお、古き言い伝えの勇者の子孫たちに光あれっ!」

梓「わわっ!眩しい!」

純「よーし、この光あれでMPが回復するから、ラダトームは便利なのよね。もっとも、ここの宿代は

  一番安いから、あんまり変わらないんだけどね。一人一泊2Gだし」

竜王の城 1F

憂「ここもBGMが違うんだね。ダンジョンとも塔ともムーンブルク城とも違うよ。純ちゃん、これも

  ドラクエⅠのBGMなの?」

純「そう。アレフガレドにあるものは、ほとんどドラクエⅠのBGMが使われてるの。そもそも、ソフトも

  ドラゴンクエストⅠ・Ⅱってセットになってるしね」

梓「でも、ここはお城の形もじゃないね。ムーンブルクの方がまだお城の形をしていたよ」

純「ここは正確に言うと地下深くのお城だからね。この階段を下りたらダンジョンになるのよ」


竜王の城 B2F

憂は宝箱を開けた。なんと!ロトの剣を見つけた!憂はロトの剣を手に入れた。

純「竜王の城にロトの剣があるのもⅠと同じなんだよ。といっても、Ⅱではロトの剣よりも攻撃力の

  高い武器がお店で買えるんだけどね」

梓「伝説のロトの剣も、100年たったら時代遅れってことなのかな?」

純「でも、ロトの剣は他のロトの装備の中で唯一、サマルトリアも装備できるから私にはありがたい」

憂「じゃあ、純ちゃんが装備してみる?」

梓「いやいや、しばらくは憂が装備しててよ。その方が早くモンスターも倒せるからね」

竜王の城 B7F

憂は世界地図を手に入れた。

純「航海に地図は必須だからね。現在位置も表示されるから、これでいろんな場所に迷わず

  行けるようになるよ」

憂「純ちゃん、またこのバリアの床を通り抜けなきゃいけないの?」

梓「MPも半分以下だし、あんなにあった薬草も使い切ったし、なにより痛いし、もうこれヤダよ…」

純「まだトラマナもリレミトも使えないから、仕方ないよ。祈りの指輪があるから、それでMPを補充

  すれば大丈夫だし。通り抜けたら、せっかくだから竜王のひ孫にでもご挨拶しておこうかね」



竜王のひ孫
   「よく来た、憂よ。わしが王の中の王、竜王のひ孫じゃ。最近ハーゴンとかいう者がえらそうな

   顔をして、幅を利かせていると聞く。実に不愉快じゃ!もし、わしに代わってハーゴンを倒して

   くれるなら良いことを教えるが、どうじゃ?」

梓「(ハーゴンは倒さないといけないけど、竜王はⅠのラスボスだし、その頼みだなんて…)」

純「いいですよ!」

憂「えっ?純ちゃん!?」

梓「純、なんであっさりOKするの…」

純「いいから。大丈夫だから」

竜王のひ孫
  「ほほう、やってくれるかっ!では5つの紋章を集めよ。さすれば精霊の守りが得られるという。

  かつてメルキドと呼ばれた町の南の海に、小さな島があるはず。まずそこに行け!

  紋章を集め精霊のチカラを借りなければ、ハーゴンは倒せまいぞ!」



憂「純ちゃん、さっきの竜王のひ孫さんの言ってた精霊の守りって、どんな物なの?」

梓「精霊の鎧とか、そんな感じの物なの?」

純「ルビスの守りっていうアイテムが手に入るの。これが無いとハーゴンの神殿に入れないのよ」

梓「ねえ純、さっきの竜王のひ孫の頼みを、もし断ってたらどうなってたの?」

純「断っても、お前は意外と心の狭いやつだなってイヤミ言われるだけだし。別にそこで戦闘に

  なるわけでも無いからね。もし戦闘だったら大変だよ。竜王はドラクエⅠのラスボスだからね」

憂「この後は、その南の海の小さな島に行くの?」

純「いいや、先に装備を強化した方が楽だから。とりあえず、金の鍵を取りに行こうよ」

海の上 南東の端

憂「海のBGMって、なんか良いよね。」

梓「ワルツだね。3拍子で優雅な感じで。遊覧船って感じ?」

純「私たちの格好じゃ、とても優雅とは呼べないけどね」

梓「それを言ったらそれまでじゃないの」

憂「ところで純ちゃん、目的地はもっと先なの?」

純「地図では今この辺だから、もうすぐ見えるはず」

梓「あっ!見えたよ!あの島でしょ」

純「うん、あれで間違いないと思う」

憂「あれれ?あの町ってひょっとして、ローレシア城とつながってるほこらの隣の島にある

  町じゃないかなぁ?」

純「その通り。その町の名がザハン。ここに金の鍵があるのよ」

漁師町ザハン

女性「漁師町ザハンにようこそ。今、男達は漁に出て留守でございますわ」

憂「確かに女の人ばかりだね」

梓「あれ、あそこで男の子が泣いてる」

男の子「うわーん。あそこの犬が吠えて袖を引っ張るんだよお」

犬「わんわんわんわん!」

梓「あれ?あの犬、向こうの建物の端に走ってった」

純「花咲か爺さんと同じだよ。あの犬についていったら、金の鍵が見つかるよ。追いかけよう!」



犬「わんわんわんわん!」

憂「ワンちゃんが座って待ってる」

純「この犬の手前を調べると、金の鍵が落ちているのよ」

憂は足元を調べた。なんと!金の鍵を見つけた!憂は金の鍵を手に入れた!

純「OK!じゃあ、金の鍵で手に入るアイテムを集めに行こう。まずはローレシアからだね。憂が

  言ってたように、近くのほこらの中の旅の扉がローレシアにつながってるから、そこから行こう」

ローレシア城

梓「確かにお城の音楽が流れてるね。ここがローレシア城なの?」

憂「そうだよ。ここは中庭で、あっち側がお城の入り口なんだよ」


ローレシア城 宝物庫

ガチャ

兵士「この部屋に入ってくるとは、何奴だっ!?おのれ、盗っ人め!かくごっ!

憂「わーっ!ゴメンナサーイ!」

兵士「ややっ?憂王女様でしたか。こりゃとんだ失礼を……」

憂「いいえ、こちらこそすいません…」



憂「私たちがやってることって、泥棒と変わりないし、何だか気が引けるよね」

純「でも、これをしないと目的の物がもらえないし…それに、憂が持ち出すんだったらOKでしょ。

  あった!これだよ、ロトの印!」

梓「へーっ、これがそうなんだ。で、これはどんなアイテムなの?」

純「ロトの兜を取るために必要な物なのよ」

ローレシア南のほこら

純「憂が気にしていたほこらがここだよ」

老人「おお、待っておりましたぞ!この爺は、王女様にお教えすることがありましての。実は、

   この世界には銀の鍵と金の鍵の二つがあり、扉にも二つの種類があるのですじゃ。まず、

   銀の鍵を見つけなされ。サマルトリアの西、湖の洞窟の中に隠されているという話ですじゃ」

憂「ありがとうございます。でも、せっかく教えていただいたんですけど、ほら、この通り…」

老人「…へ?もう銀の鍵はおろか、金の鍵までも手に入れたですと?…いや、さすが王女様じゃ。

   恐れ入ったわい」

純「というお話だったのさ」

憂「そういうことだったんだね」

梓「でも、それを確認するためにわざわざここに来たの?」

純「もちろんこれは余興みたいなもの。目的はほら、この建物。金の縁の扉でしょ。この中に入って、

  中にある旅の扉で別の場所に移動するためなのよ」

デルコンダル城

憂「あっ!お城の音楽だ!」

純「そう、ここはデルコンダル城っていうお城の中なの。この場所は、お城の周囲の廊下なのよ。

  デルコンダル城は月の紋章がもらえる場所なんだけど、その為にはキラータイガーと戦わない

  といけないの。素早さは高い、攻撃力は強い、二回攻撃もあるから今戦っても苦戦するからね。

  だから、先に宝物だけ取って一度退散するのよ。この扉を開けてこっちに行くとね…」

梓「あれ?ここってお店の裏側じゃない?」

純「お店の宝箱を失敬するのよ。ここにはガイアの鎧って、結構強い鎧があるんだから」

憂「純ちゃーん。これじゃほんとに泥棒だよ」

純「ゲームに泥棒も何も無いの!クリアすることが正義なんだから!」

梓「純はやっぱりドライだね」

憂「でも、私は純ちゃんのそんなところ、好きだよ」

純「それは褒めているのかね?」

サマルトリア城

老人「よくぞ来た!ロトの血を引きし者達よ!さあ!宝箱を開け、その中の物を取るがよい!」

憂は宝箱を開けた!なんと!ロトの盾を見つけた!憂はロトの盾を手に入れた!

老人「その盾には、勇者ロトの思いが込められているはず。必ずや、そなたの身を守ってくれようぞ!」

純「これでサマルトリア城もOK。ついでだから、私の妹を二人に紹介しよっか」

梓「純に妹なんていたっけ?」

憂「ゲーム上はいるんだよ!ねー」

サマルトリア城 姫(妹)の部屋

姫(妹)「あっ、お姉ちゃんお帰り。ねー、あたしも連れてってよお!」

純「ダメだよ。外でモンスターと戦えるとでも言うの?」

姫(妹)「それは無理だけど…でも、ずっとお城の中にいるの退屈だもん」

純「他の兵士さん達に遊んでもらえばいいじゃん」

姫(妹)「だって、誰も遊んでくれないんだもん」

純「でもそうやって、ずっと退屈でぼっちしているほうがお似合いだよ!」

姫(妹)「なによ!お姉ちゃんのいじわるうっ!」



憂「姉妹の戯れっていいよねー。ニコニコ」

梓「私は一人っ子だから経験が無いんだけど、お姉ちゃんは欲しいなって何度も思ったよ。でも、

  今見てて、純みたいなお姉ちゃんはちょっと嫌だなって思った」

憂「梓ちゃんは、やっぱり私のお姉ちゃんみたいな感じの人がいい?」

梓「いや、前に言ったことあるけど、お姉ちゃんにするなら澪先輩みたいな感じの人がいい…」

さわ子「サマルトリアの妹って、こんなセリフだったかしら?」

SE「以前別のゲームでモニター依頼をした時に、いろんな回答フレーズがあったほうがいいって

  レポートがあったんです。そこで、試験的に一部のキャラへの話しかけについて、返答にバリ

  エーションをつけています」

直「ほんとに鈴木先輩の妹みたいな感じですね」

菫「純先輩に妹がいたら、こんな感じのやり取りになるんですかね。これが梓先輩や憂先輩だと

  どうなるか、個人的に見てみたいです」

ローラの門

純「ここから、また旅の扉で移動していくのよ」

梓「ここにも旅の扉があるの?」

純「あの金縁の扉の先にあるの」

憂「あの扉の奥は旅の扉だったんだね」

純「ここからはしばらく旅の扉でワープを繰り返すからね。じゃあ行こう!」


ベラヌール北のほこら

純「このおじいさんがいるってことは、ベラヌール北のほこらかな?ちょっと外に出てみよう」

梓「へー、こんなところに着いたんだ。地図で見ると、ずいぶん遠くなんだね」

純「さて、次の行く道は…真ん中と右側とどっちだったかな?とりあえず右側に入ってみよう」


ムーンブルク西のほこら

梓「なんか、狭いところに出てきたね」

憂「あっ、扉をあけたらあの神父さんがいた。ここはムーンブルクのトンネルになってるほこらだね」

純「入るところを間違えたみたいだね。とりあえず戻って、真ん中に入り直そう」

炎のほこら

梓「なんか、後ろのツボから火が出てる」

純「よし、ここだここだ。ここに太陽の紋章があるんだよ。ほこらの右側から少しだけ外に出てみて。

  そこの木の手前にあるはず…」

憂「探してみるから、ちょっと待ってね」

憂は足元を調べた。しかし、何も見つからなかった。

憂「純ちゃん、何も無いよ?」

純「あれっ?おかしいな。その反対側は?」

憂「あっ、外に出ちゃった。地図で見たら、ここって南東の小さな島なんだね」

純「間違いない、ここは太陽の紋章がある炎のほこらだよ。でも、なんで何もないんだろ?」

梓「純の勘違いじゃないの?」

純「でも、それじゃあ何のためにここが…あっ、そうか!紋章の場所も変更されてるんだ!」

憂「確か、紋章の場所も変更項目にあったはずだから、そうじゃないかな」

梓「純、とりあえずここはパスして、次の目的地に行こう」

純「そうだね。えーっと、左と右とどっちだったかな?とりあえず右に行ってみよう」

聖なるほこら

梓「何か、部屋全体が赤いね」

憂「祭壇の上に兜が祭ってあるよ」

純「聖なるほこらだね。OKOK。ここで、さっきのロトの印が役に立つのよ」



神父「おお、わしは待っておった!勇者ロトの子孫が現れるのを!そなた達にロトの兜を授けよう!」

梓「これで、鎧以外のロトの装備がそろったね」

憂「でも、私の装備ばかりだね。いいのかな?」

純「ロトの剣以外はローレシア専用だから、それでいいのよ。第一、憂が主役キャラなんだし」

神父「ここにはもう用がないはず。行くがよい」

梓「何か感じ悪いね、この神父さん」

純「この神父さんは、ロトの印無しで行くと、愚か者め立ち去れい!って追い出しちゃうんだよ」

ルプガナ北のほこら

梓「ここはどこなの?」

純「そこそこの広さの部屋の中ということは、ここはルプガナ北のほこらだね。OK。それじゃあ、

  ここから休憩前に通ったドラゴンの角の北の方の塔に立ち寄ろう。大切なアイテムがあるしね」



老人「ほほう、それが金の鍵じゃな。ちょっと借りるぞい!」

憂「あっ、取られちゃった…」

老人「わしも一度は旅の扉というものに入ってみたかったのじゃよ。そうそう、金の鍵は返しておこう。

   では、またな」

憂「いなくなっちゃった…」


ルプガナ北部

梓「そういえば、舟はザハンの町に置きっぱなしだけど、どうするの?」

憂「セーブしてルーラで呼ぶの?」

純「それはしなくても大丈夫。ルプガナに行けばいつでも舟に乗れるからね。それに、ルプガナで

  セーブしちゃうと、せっかくラダトームでセーブしているのに、その意味がなくなっちゃうからね」

ドラゴンの角 北塔3F

憂は足元を調べた。なんと!雨露の糸を見つけた!憂は雨露の糸を手に入れた!

憂「純ちゃん、これなーに?なんか、糸から水が滴り落ちてくるよ。不思議な糸だね」

純「それが雨露の糸っていって、水の羽衣を作るのに必要なアイテムの一つなのよ」

梓「えっ?水の羽衣って、Ⅱでは作るの?」

純「そう、お店では買えないのよ。テパの村のドン・モハメっていうお爺さんに道具一式を渡して、

  作ってもらうことになるの。そのかわり、Ⅱでは最強装備の一つになるんだから」

憂「ふーん。アイテムの一つってことは、他にもアイテムが必要なの?」

純「あとは聖なる織機が必要なのよ。これはザハンにあるんだけど、それを取るには牢屋の鍵が

  必要なの。牢屋の鍵は、ペルポイの町で手に入れるのよ。それで…」

梓「純、ゴメンだけど一度には把握できないから、後で順番に案内してもらっていい?」

純「ペルポイの町はかなり南の方で、ハーゴンがいるロンダルキアに割合近いところにあって…」

梓「聞けよ!」

港町ルプガナ

老人「おお、孫娘を助けてくれた人達じゃな。舟に乗りなさるか?さあさ、通りなされ」

純「こんな感じで、ルプガナに着けば自動的に舟がルプガナに戻ってきて、そのまま使えるのよ」

梓「そうなんだね。で、これからどうするの?」

純「憂、右に曲がって港の奥のほうに進んでもらっていい?」

憂「うん、こっちだね」

梓「運河みたいなところの途中に扉があるね」

純「詳しくは、ここの奥にいる商人の話を聞いてから」



商人「嵐の夜。財宝を積んだ私の舟が沈みました。私はたまたま近くを通った舟に助けられましたが、

   財宝は海の底に……。もし財宝を引き上げてきてくれたなら、きっとお礼をいたしましょう」

純「ということで、今からその海に沈んだ財宝をこれから取りに行こう!」

憂「その財宝のお礼が、何か関係しているんだね」

純「その通りなのよ」

ルプガナ北沖

純「確かこっちの方に、キラキラ光ってる場所があるんだけど…。もう少し北かなぁ」

梓「海は広いから全然わからないよ。こんなの探すの無理だよ!」

憂「あっ、見えた!純ちゃん、ほらあそこ!あそこの場所だけキラキラ光ってるよ!行ってみるね」

梓「なんで何もしていない私たちが見つけられなくって、操縦している憂が見つけられるのよ?」

純「梓、憂はそういう子だし、今更言うほどじゃないでしょ」



憂「ここだね」

純「ここの海の下に、財宝が眠ってるのよ」

梓「キラキラ光ってるのはわかるけど、よく見えないよ。純、これをどうやって引き上げるの?」

純「海に飛び込んで潜って取ってくるのよ。でも、ここって深さどのくらいかな?」

憂「とりあえず、潜ってきてみるね。梓ちゃん純ちゃん、ちょっと待っててね。…ザッパーン」

梓「えっ!憂、鎧兜のままじゃ…飛び込んじゃったよ」

憂は舟から飛び下り潜っていった!何と!船の財宝を見つけた!

憂「ザパー…ぷはーっ!純ちゃん、この宝箱でしょ?そんなに大きくも重くないよ!」

梓「あんまり大きくない箱だね。ほんとに財宝が入ってるのかなぁ」

純「たぶん金銀宝石とかの装飾品じゃないかな。これって開けられるかな?ちょっとやってみよう」

憂「純ちゃん、それはさすがにマズイよ…」

純は財宝の箱を開けようとした。しかし、頑丈な鍵がかかっていて開かない!

純「ダメだ、金の鍵も銀の鍵も合わないよ。しょうがない。おとなしく引き渡すしかないね」

梓「純…もし開いてたら中身を取るつもりだったの?」


港町ルプガナ

商人「おお!これは沈んだ舟の財宝!これで私は破産せずに済みますよ!ありがとうございました!

   お礼に我が家の宝、山彦の笛を差し上げましょう」

純「この山彦の笛で紋章のある場所がわかるのよ。普通の場所で吹いたら何とも無いんだけど、

  紋章のある場所で吹くと、山彦のように音が返ってくるの」

梓「そっか、その笛をいろんな場所で吹いて、紋章の場所を探すわけなんだね」

純「そうなの。総当たりになっちゃうけど、紋章の場所が分からないから、仕方ないのよ」

憂「そうだよね。じゃあどこから探す?」

純「その前に、一度ルーラでラダトームに戻るけど、いい?ちょっと試したいことがあってね…」

ラダトーム城下町 武器屋2F

憂「金の縁の扉だね。純ちゃん、この部屋に何かあるの?」

純「この部屋の中にラダトームの王様が隠れているの。それで、私の記憶が正しければなんだけど、

  …ちょっと実験してみたいの。ねぇ梓、ちょっと耳かして…」

梓「何?」

純「………」

梓「なっ!そんなことできるわけないでしょ!!」

純「でも、ムーンブルクの王女の担当なんだけどな…。じゃあ憂、ちょっと耳を…」

憂「なぁに?」

純「………」

憂「純ちゃん、そういうのは止そうよ。ほんとにできるかどうか分からないんだし」

純「うーん、しょうがない。じゃあ私が人柱になってみよう!」

梓「ちょっ!純、本気なの!?」

純「開発者さんに遊び心があれば、あり得るかもだし。梓、これ代わりに持ってて。憂はこれを」

直「鈴木先輩、道具を平沢先輩や中野先輩に渡しはじめましたね」

菫「……え!?純先輩が服を脱ぎはじめた。ど、どうしたんでしょ?」

SE「おぉ!まさかこれを知っているとは!」

さわ子「知っているって、何かあるんですか?」

SE「プレイヤーの真ん中の子なので、二人に挟まれてよく見えないのが残念…」

菫「残念じゃありません!何を言ってるんですか…」

梓「純、ほんとに脱いじゃったんだね…」

純「私もほんとは恥かしいんだから、さっさと済ませるよ!梓は私の後ろをピッタリガードして!

  私は憂の真後ろにピッタリくっついて、前から見えないようにするから!」

憂「純ちゃん、なにもそこまでしなくても…」

純「憂、鍵開けて!」

憂「う、うん…」

ガチャ

梓「確かに王様って感じの人がいるね」

純「憂、王様に話しかけて!」

憂「もぅ…」

ラダトーム王
   「何と、後ろのお嬢さんは布の服さえ持っていないではないか!こんなにカワイイのに着る

   物もないとは可哀想じゃ。私の宝物を差し上げよう。ささ、このハイレグの水着を着なされ」

憂「何でこんなの持ってるんですか?」

純「予想通り、やっぱり出てきたね。憂、梓、私は壁の角で着るから、できるだけ見えないように

  ガードしておいて!にしても、この水着際どいね~!やばいね~!」

純は恥かしそうにハイレグの水着を身に着けた。

純「OK。着終わったから二人とも退いていいよ」

憂「わー、純ちゃん…」

梓「純、それ…ほとんど裸と変わらないよ…」

ローレシア王「ああ…、この歳まで生きててよかったわい!」

純「///……そんなに見ないで。わたし…恥かしい…」

梓「純、自分から脱いで自分から着たのに、何を言ってるのよ」

純「いいじゃん、このセリフ言ってみたかったんだから。っていうか、やっぱりこのイベントも仕掛け

  られていたんだね」

さわ子「純ちゃん、グッジョブ!」

SE「ここで女子高生の裸と水着姿が見られるとは…あー、この仕事しててよかったわい!」

菫「二人とも、何を言っているんですか…」

直「でも、鈴木先輩がこういうイベントがあるのを知っているのが、逆にすごいんですけど」

SE「これは、MSX版のドラクエⅡにあるイベントなんです。元々はムーンブルクの王女に道具を

  装備も含め一切持たせないようにすると、水着姿のムーンブルク王女のグラフィックとともに、

  王女にあぶない水着が装備されるんです」

さわ子「そんなイベントまでわざわざ盛り込むなんて、相当考えられてるんですね。素晴らしいわ」

SE「ありがとうございます」

菫「いや、こういうのはさすがにどうかと…」

梓「ここが竜王のひ孫が言ってた島なんだね」

純「そうなの。ここにある塔が大灯台。ハーゴンのいるロンダルキアまで見えるって話だよ」


大灯台

兵士「誰に聞いたかは知らぬが、そなた達も紋章を見つけに来たのか?」

憂「そうです」

兵士「紋章は物ではなく、心の印。己の強さの中にその印が刻まれると聞いている。いったいこれ

   はどういうことなのだろうか」

梓「ねえ純、これって結局どういう意味」

純「己の強さの中に刻まれるってことで、簡単に言うと自分の強さの項目に印が表示されるのよ。

  ここに、この兵士さんがいるってことは、ここには紋章が間違いなくあるね」

憂「そうなんだ。じゃあ、山彦の笛を吹いてみるね」

憂は山彦の笛を吹いた。

梓「…山彦は返ってこないよ。ほんとにここにあるの?」

純「紋章のある場所は塔の2階。そのフロアで山彦が返らないんだったら、ここには無いと思う」

憂「じゃあ2階に上がったらまた吹いてみるね」

大灯台 7F

梓「うわーっ、高い…。なんでここの塔も、こう壁際の端っこで狭い場所ばかりなのよ」

純「梓、もう少しだから」

憂「あっ!ルプガナにもいたグレムリンがいる!あれれ?向こうに隠れていったよ」

純「あのグレムリンが道案内してくれるんだよ」



憂「あれっ?グレムリンがいなくなった。そのかわり、お爺さんがいるよ」

老人「いやいや何も言わなくても、じじいには分かっておりますとも、旅の人!ほっほっほっ…。

   ついて来なされ。紋章のある場所へ案内して差し上げましょう!」

純「さぁ、ついて行こう」

梓「純、あのお爺さんって…」

純「もちろんグレムリンだよ。むこうは罠のつもりなんだろうけど、こっちには道案内でしかないのよ」

大灯台 2F

老人「さあ、あの宝箱を開けなされ」

梓「これって、まさかミミックとかじゃないよね」

純「Ⅱには人食い箱もミミックも出てこないし、せいぜい毒のワナくらいだから大丈夫だよ」

憂は宝箱を開けた。中は空っぽだった。

グレムリン「ケケケ…!ひっかかったな!ここがお前達の墓場になるのさ!」

梓「わっ!四隅にグレムリンが…」

純「グレムリン4匹だから大したこと無いよ。ラダトーム周辺では普通に出くわすしね」


グレムリンをやっつけた!

なんと!グレムリンたちは紋章の一つを隠し持っていた!

憂は星の紋章を手に入れた!

梓「えっ?星の形のホログラフみたいなのが、私たちの体に入っていった。何これ?」

純「紋章はホログラフみたいなんだね。確かに物じゃないね」

憂「ねえねえ梓ちゃん純ちゃん、自分の強さを見てみて!経験地の下に★印がついてるよ」

梓「ほんとだ。己の強さの中にその印が刻まれるって、こんな感じなんだね」

ムーンブルク南のほこら

純「さて、太陽の紋章を探しに行こう。私の見立てだと、どこかのほこらだと思う。憂、山彦の笛を」

憂は山彦の笛を吹いた。

梓「山彦が返らない。ここは違うみたいだね」


ベラヌール北のほこら

憂は山彦の笛を吹いた。

憂「山彦が返らないから、ここでもないみたいだね」


太陽のほこら

憂は山彦の笛を吹いた。

純「ここも山彦が返らないね。ここが本来ある場所なんだけど、ここにもやっぱり無いのか」


聖なるほこら

憂は山彦の笛を吹いた。

梓「山彦はやっぱり返らないね。そもそもここはなさそうだよ。ここはロトの兜の場所だし」

純「ここは1階もあるから、階段上がってから、また吹いてみようよ」

ローラの門

憂は山彦の笛を吹いた。

梓「山彦返らないね。純、さっきからほこらにこだわってるけど、ほこらには無いんじゃないの?」

純「う~ん、そうかも。とりあえず太陽の紋章はパスして、先に月の紋章を取りに行こうか」

憂「ねえ純ちゃん、ここのお爺さんの弟さんのいる、ローレシア南のほこらがあやしい気がする」

純「そこかもしれないね。デルコンダル城に行く途中に、立ち寄ってみようか」


ローレシア南のほこら

憂は山彦の笛を吹いた。

純「山彦が…返ったよ!ここだよここ!やっぱり憂はすごいよ!」

梓「憂、なんでここだとわかったの?」

憂「お爺さんが炎の前いるから。太陽が炎と関係するなら、ひょっとしたらここかなって思ったの」

純「さすが憂だね。とりあえずここを調べまっくって紋章を探そう」


憂は足元を調べた。なんと!太陽の紋章を見つけた!

憂「梓ちゃん、純ちゃん、あったよ!この部屋の隅っこだったよ!」

菫「先輩方、ようやく太陽の紋章も手に入れられましたね」

さわ子「純ちゃん、ベラヌールの町に行ってヒントを聞けば早かったのに」

SE「確かにベラヌールの町では太陽の紋章と月の紋章の場所が聞きだせますが、紋章の場所が

  変更されている設定の場合、聞きだせる情報も、ずばりここの場所というのではなく、ぼかした

  表現にしてあります。太陽の紋章の場合、炎があるほこらにあるとか、水の紋章の場合、街中の

  水に囲まれた場所にあるとか、命の紋章の場合、多くの命が失われた場所にあるとか、そんな

  感じです。星の紋章と月の紋章は、ストーリの関係上、現在のプログラムでは変更されません」

直「なるほど。微妙なヒントだけだして、プレイヤーに探させるわけですね」

菫「でも、憂先輩はひらめきで場所を当ててしまってますね。相変わらずスゴイ人です」

SE「ところで、このプレイを見ている限りは、エンカウントが多めなのに、サクサクと進んでいますね。

  ドラクエⅡに詳しい人がいるとは言え、ここまで誰も一度も死亡していないなのが驚きです」

デルコンダル城

憂は山彦の笛を吹いた。

純「うん、ちゃんと山彦が返ってきてる。ここにも間違いなく紋章があるね」

男性「お前も格闘試合に出るのか?くれぐれも命を粗末にするなよっ」

梓「格闘試合?Ⅱにもそんなのがあるんだね。武術大会みたいな、5人勝ち抜きとかなの?」

純「そういうのとはちょっと違うのよ。単なる王様への見せ物なんだけどね」

兵士「まったく、王様の格闘好きには困ったものです。この前も、旅の戦士をサーベルウルフと

   戦わせて…、その戦士は大怪我をしてしまったんですよ」

憂「サーベルウルフなら、大灯台で何回も戦っているから大丈夫。一撃で仕留められるよ!」

純「私達が戦うモンスターは、それより強いキラータイガーなのよ。じゃあ、王様のところに行こう」


デルコンダル王
  「はるばるデルコンダルの城によくぞ来た!わしがこの城の王じゃ。もし、わしを楽しませてくれ

  たら、そちたちに褒美を取らせよう。どうじゃ?」

梓「やります!」

純「おっ!梓、やる気満々だね」

デルコンダル王
  「なら、このスタジアムの真ん中まで進むがよい!」

梓「これって、スタジアムなの。ただの広場じゃないの?」

純「いちいち突っ込まなくていいから。さあ、向かいの牢が開いたら戦闘開始だよ」

ガチャン!!

キラータイガー「ガルルルルー!」



キラータイガーをやっつけた!

純「憂ってさぁ、こういうときは必ず会心の一撃が出るよね。つくづくスゴイと思うわ」

憂「偶然だよ、偶然」

デルコンダル王
  「あっぱれ!あっぱれ!みごとな戦いぶりであった!わしからの褒美じゃ。月の紋章を与えよう!

  そちたちの活躍を期待しておるぞ!」

憂「これで紋章が3つそろったね」

純「これでここでもセーブができるようになったから。とりあえずここでセーブをしておこう。

  ゴールドもだいぶ貯まってきたし、今度はアイテム入手のためにペルポイに行こうよ」

デルコンダルよりはるか南西の海上

梓「島々が点々と続いてるね。列島のようになってるんだね。あれっ?あの島だけ岩山だ」

純「たぶんあの島に世界樹の葉があるはず。憂、あの島の西側に接岸できる?」

憂「待っててね。えーっと…あった!接岸できる場所があったよ!」


世界樹のある島

梓「岩山に囲まれた砂地の真ん中に大きな木が一本。ひょっとしてⅡの世界樹ってこれのこと?」

純「そうなのよ。もちろん、世界樹の葉は拾っておこう。ペルポイはこの近くだよ」


ペルポイの町 地上

男性「みんな私だけを残してどこかに行ってしまった……。うえ~ん、寂しいよおっ」

犬「きゃいん!きゃいん!」

梓「男性一人と犬一匹だけ。町のBGMが流れてるけど、ここってほんとに町なの?」

純「あの小さな建物が、町への入り口なんだよ。町自体は地下にあるのよ。ここも金の鍵がないと

  入れない場所なの」

憂「あの金縁の扉の奥に、町への階段があるってことなんだね」

ペルポイの町 地下

女性「ようこそペルポイの町に。ここはロンダルキアのふもとの南。ハーゴンの呪いが降りかからぬ  

   よう、町を地下に作ったのです」

憂「そういうことなんだ。それなら、上にいた人もワンちゃんも呼んであげればいいのにね」

純「そうだよね。さーて、ここでは牢屋の鍵と水門の鍵と、新しい装備を手に入れるのが目的だよ。

  まずは牢屋の鍵を買わないとね」

梓「買うって、牢屋の鍵って売り物なの?」

純「とある道具屋で、こっそり売っているのよ」



道具屋「いらっしゃいませ!ここは道具屋です。どんなご用でしょう?」

憂「あれっ!?商品名も値段も書いてないのがある」

純「これがそうなのよ。すいません、これを下さい」

道具屋「おっと姉さん、誰から聞きました?これはちょっと値が張りますよ。いいですか?」

純「いいですよ」

道具屋「ではお売りしましょう。でも、誰にも言わないで下さいよ」

純「といった感じで、牢屋の鍵を買うのよ。そして、この町ですぐに使うの」


ペルポイの町 牢屋

兵士「私はラゴスという盗っ人を牢獄に入れておいた。しかし、ラゴスは逃げ出してしまったのだ!

   いったいどこからどうやって……。うーむ、不思議だ……」

憂「純ちゃん、逃げたんだったら探さなきゃいけないってことだよね」

純「それがね、逃げたんじゃなくって隠れているだけなのよ。ラゴスが入っているはずの牢獄に

  入ってみるとね、ほらここ…」

梓「あっ、暗くてわかんなかったけど、奥があるんだね。そこに人もいる」

ラゴス「あは、見つかっちゃった!僕がウワサのラゴスだよ。水門の鍵を返すから、もう許してね。

    ごめんね」

純「という具合なのさ」

梓「盗っ人って言うから盗賊みたいな感じと思ってたけど、イメージとちょっと違うかなって感じだね。

  ところで、この水門の鍵ってどこの水門のなの?」

純「テパの水門なの。満月の塔に行くのに必要なのよ。さてさて、買物が終わったら、牢屋の

  鍵が無いと入れないところに、アイテム回収に行ってみようかな」

ムーンペタ 地下の牢屋

梓「えっ!?池の下にこんなのがあったの?ムーンペタにしばらくいたけど、全然知らなかったよ」

憂「池の下がこんなになってるなんて…なんか、水族館みたいな感じだね。でもお魚はいないね。

  牢屋の中に、色違いの赤いグレムリンが2匹いるね」

純「このモンスターはべビルっていって、結構強いのよ。憂、山彦の笛を吹いてくれない?」

憂は山彦の笛を吹いた。

純「山彦返ってきた!ここも正解だね。それじゃあ今からべビルと対戦だよ。憂、牢屋を開けて!」

べビル「キイ!キイ!」

べビルがあらわれた!べビルがあらわれた!

純「ちょっと強いから気をつけてね!ベギラマが2回来たらアウトだから!仲間を呼ぶかもだし!」

梓「憂、純、一匹をお願い!私はラリホーでもう一匹を封じるから!」



べビルをやっつけた!

梓「あれ?べビルが紋章を隠し持っているわけじゃないの?」

純「べビルのいた場所に紋章が隠されているのよ。…あった!水の紋章発見!」

漁師町ザハン

シスター「お引き返しあそばせ。神殿を荒らす者には、災いが降りかかりましょう」

純「しかーし、ここを通過しないと聖なる織機が取れないのでーす。じゃあ行こう。まずは目的物の

  ある左側からだね。トラマナ!」

梓「竜王の城も、トラマナ使えるようになってから行けば楽だったよね」

純「そうだけど、船を取ったらすぐに地図を取る方がいろいろと進めやすいのよ」

憂「地図がなかったら海の上で現在位置が分からないから、早くに地図があって助かってるよ」

純「さぁ、これだ」

憂は宝箱を開けた。なんと!聖なる織機を見つけた!

憂「これで、水の羽衣の材料がそろったね」

純「テパの村に行く前に、これと水門の鍵は取っておきたかったのよ。テパって行くのが面倒だし」

梓「純、反対側の牢屋には何があるの?」

純「あっちは祈りの指輪。もちろん回収するよ。トラマナ!」

ローレシア城 地下

兵士「ここは牢屋。王女様のような方がいらっしゃる所ではありませぬぞ!」

純「アーアー聞こえない聞こえない…っていうか、ここに来ないと後の戦いが楽にならないのよね」

男性「おいっ!牢屋の鍵は持ってるか?」

憂「えっ?も、持ってますけど…」

男性「ここを開けてくれたら、いい事を教えてやるぜっ」

純「その人は放っておこう。知ってる情報し…いやいや、命の紋章の場所が変わってるかもだから、

  開けてあげて話を聞こう」

男性「うひょ~、ありがてえ!牢を開けてくれたお礼にいいことを教えてやろう。ロンダルキアに通じ

   る洞窟に、命の紋章があるらしいぜっ」

純「命の紋章の場所は同じなんだ。じゃあ開けてあげただけ損だったね」

憂「純ちゃん、そう言わないでよ。命の紋章の場所がハッキリしたんだし、よかったんじゃないかな」

梓「純、今からバリアの床が張ってある牢屋の奥に入るの?」

純「そうなの。この奥の牢屋の中に悪魔神官がいて、やっぱり戦うことになるんだけどね。ハーゴン

  の神殿に出てくるモンスターで、メチャクチャ強いんだよ。今の私達でも全滅するかもだけど」

梓「全滅するかも?それならもっと後の方がよくない?」

憂「純ちゃん、無理な挑戦はよそうよ」

純「ここの戦いはどっちにしろ運なんだし。それに、こっちには会心の憂がついているからね」



悪魔神官「ほっほっほっ。私をここから出してくれるのですか?ありがたいことです。

      貴女達の亡骸を、ハーゴン様への手土産にしてあげましょう」

悪魔神官があらわれた!

純「先制のイオナズンに注意して!梓はルカナンで私はマホトーン。これが効けば勝機がみえるよ」



悪魔神官は宝箱を落としていった!憂は宝箱を開けた!

なんと、いかずちの杖を見つけた!

憂「いきなりイオナズンが来てどうなるかと思ったけど、ギリギリ勝てたね」

梓「イオナズンの衝撃はすごかったね。にしても、残りHPが3人とも一ケタ台ってどうなのよ…」

純「勝ってしまえばこっちのものだよ。憂は期待通りに会心の一撃を出してくれたし、呪文も一回で

  効いたし、イオナズンは喰らったけど誰一人死ななかったし、いかずちの杖も手に入ったし」

さわ子「悪魔神官戦は運次第のワンチャンス。運も実力のうちだけど、2ターン撃破とはさすがね」

直「イオナズンで危なかったですけど、ちゃんと勝っちゃいましたね」

SE「うーん…プレイが進むにつれて、ローレシアの会心の一撃の発生率が確実に上昇している。

  プログラム上では、こんなに高確率で会心の一撃が出ることは考えられないのに。これでは、

  ドラクエⅣのアリーナ以上だ。設定や乱数表のプログラムにミスでもあったのかな?」

菫「高確率なのは憂先輩だからです。その一言で片付くんです。もう理屈を超えているんです」

直「新システムのプログラムをも上回るなんて、平沢先輩は恐ろしすぎる…」

菫「あれ?もう3時間もたってる…。すいません、ちょっと失礼します…。直ちゃん、先輩方が…」

テパの村西方

梓「ここって川だからか、さっきから地上のモンスターがどんどん出てくるね」

憂「川岸から飛び乗ってきたみたいな感じじゃないかなぁ。…あっ、川はここで行き止まりだね」

純「ここからは陸路でテパの村を目指すよ。そんなに長い道でもないんだけど、山道を通るから

  モンスターに出会いやすいのが面倒なのよね」

梓「この辺のモンスターって、攻撃力がかなり強いよね。ラリホーが効きやすいから良いけど、回復

  もしてるとMPがジワジワと減っていくね」

純「だから、さっきいかずちの杖を取りに行ったのよ。いかずちの杖を振れば、バギに使うMPが

  節約できるしね。私も、戦闘中の自分の回復の時には力の盾を使ってるし」

憂「力の盾は回復もできるから便利だよね」

梓「賢者の石とかハッスルダンスとかがあると、もっと便利なんだけどね」

純「Ⅱの頃はそこまで考えられていなかったからね。ベホマラーもベホマズンもないし」

憂「そう言えば、呪文の数ってⅡはだいぶ少ないんだね」

純「うん。数はⅠよりは多いけど、ヒャド系もデイン系もないし。呪文はⅢで一気に増えるからね。

  Ⅱでもルカニやスカラ、フバーハやバイキルトがあると良いなって思うんだけどね」

テパの村

老人「テパの村へようこそいらっしゃった」

純「さてさて、ここの目的は2つ。一つは羽衣作りの名人、ドン・モハメに道具を渡して、水の羽衣

  を作ってもらうこと。もう一つは、水門を開けて満月の塔に行けるようにすることだよ」


ドン・モハメ
  「お若いの。道具をそろえて来たな。どうしても、このわしに仕事をさせたいらしい。よし!

  水の羽衣を織ってしんぜよう。しかし、時間がかかるぞ。日を改めて取りに来るがよい」

純「これでOK。後は一度セーブしてリセットしたら、完成するよ。次は水門を開けに行こう」

梓「そういえば、このゲームでのリセットって、どうするの?」

憂「さっきの休憩の時みたいに、セーブした後終了すればいいんじゃないかなぁ」


テパの村 地下 水門前

憂「この鍵穴に、水門の鍵を差し込めばいいんだよね」

憂は水門の鍵を鍵穴に差し込んだ!

ゴゴゴゴゴ…ザパーーーー…

梓「わーっ、すごい。水門が開いて見る見るうちに周りが水で満たされていくよ」

テパの村付近

梓「さっき水門を開いたけど、ほんとに湖と川がつながったの?ここからじゃ全然分からないよ」

憂「地図を見ても何も変わりわないし、ほんとにつながったのかな?」

純「川が寸断されてた場所が、西の岩山の反対側だからね。こういうときに全体が見えないって

  不便だよね」

憂「純ちゃん、舟を使ってあの湖の真ん中にある島の塔に行くんでしょ?」

純「そうなの。あの塔が満月の塔。月のかけらを手に入れるためだよ」

梓「今度は月のかけらかぁ。Ⅱにもいろいろな必要アイテムがあるんだね」

純「装備系や紋章を除いたら、重要アイテムは月のかけらを入れて3つだね。とりあえずここから

  先は水の羽衣が手に入ってからにしようよ。じゃあ、一度セーブするためにルーラで戻るよ」

ピロロロローン ピロロロローン

さわ子「3人とも、聞こえる?」

憂「さわ子先生の声だ!」

さわ子「タイミング的にもちょうど良いし、休憩にしない」

梓「わかりました。セーブが終わったら休憩に入ります」

別荘 リビング

純「さあ、休憩休憩!」

直「先輩方、お疲れ様でした。菫がサンドイッチを用意してくれていますので、どうぞ」

憂「スミーレちゃん、いつの間にか用意してもらってて、ゴメンね」

菫「そんな、先輩方には操作テストに協力していただいてますし…。すぐにお茶を入れますので

  お待ち下さい」



SE「…すいません、ちょっとお伺いしたいのですが」

憂「なんでしょう?」

SE「ドラクエⅡの乱数テーブルって、ご存知なんですか?」

憂「乱数テーブル?それって何ですか?」

SE「いや、知らないのなら別にいいです。どうもすいません」

憂「?」

梓「ねぇ菫、さっきからSEさんが困ったような表情をしてるようけど、何かあったの?」

菫「いえ、ゲーム上でも発揮されてるの憂先輩の超人ぶりが、どうにも理解できないらしくって…」

テパの村

梓「やっぱり船で来ると楽だね。歩かなくって済むし。モンスターの出現確率も低いし」

憂「そうだね。距離もかなり近くなったしね」

純「さーて、水の羽衣はできているかな?」

ドン・モハメ
  「おお、いいところに来た!今ちょうど出来上がったところじゃ!ほーれ、これが水の羽衣じゃ。

  そちらの娘さんに着せるとよかろう」

梓「そちらの娘さんって、この場合誰になるの?」

純「この場合は、順当に考えたら梓でしょ。梓は盾が装備できないし」

憂「でも、純ちゃんの装備はどうするの?ひょっとして、その身かわしの服のまま?」

純「他には魔法の鎧もあるんだけど、防御力が同じだし、身かわしの服の方が回避率が高いから、

  当分はこのままだね。私は、最終的にはセレブな私らしく、ミンクのコートになるかな」

梓「純がセレブ……プッ!」

純「笑ったなー、梓!ミンクのコートの防御力って、馬鹿にできないんだよ!」

憂「ミンクのコートって、ペルポイの町に売ってた65,000Gの防具のことでしょ。あれ、高いよねー」

純「そうなのよ。だから、終盤のお金の使い道がなくって余ってくる頃に買えばいいんだよ」

満月の塔 1F

梓「風の塔や大灯台と違って、なんか薄暗い感じだね」

純「ここはそんなに広くも無いし、あんまり道に迷うようなつくりにもなってないよ。シンプルに上っ

  て下りる感じだから。高所恐怖症の梓の苦手な、外壁の無い狭い道は、6階と7階だけだから」

梓「私は別に高所恐怖症じゃないから!」

憂「純ちゃん、月のかけらは何階にあるの?」

純「1階だよ。ドラクエⅡの塔は、上って下りる形ばっかりなのよね」


満月の塔 5F

憂「わーっ、大きい扉」

純「こんなのでも銀の鍵で開くからね。銀の縁の扉だし」

ガチャン

梓「あの階段を下に下りていけばいいんだよね」

純「そう。この辺は風の塔とまったく同じだからね」

満月の塔 1F

憂「こんなところにお爺さんがいる。何でいるんだろ?」

純「月のかけらのお守りでもしてるんじゃないかな?」

老人「月、満ちて欠け、潮、満ちてひく。全ては定めじゃて…。ここは満月の塔、さあその宝箱を

   開けるがよい。それも定めじゃて……」

梓「コメントに困るよね、こういうセリフって」

純「無理してコメントしなきゃいいのよ。とりあえず宝箱を開けよう」

憂は宝箱を開けた。なんと!月のかけらを見つけた!憂は月のかけらを手に入れた!

憂「ピカピカ光ってる。手のひらサイズの三日月みたいな感じだね。これって何に使うの?」

純「海底の洞窟に行くために必要なアイテムなの。このお爺さんのセリフがヒント」

梓「潮の満ちひきってこと?潮の満ちひきをコントロールするの?」

純「まあそういうこと」

デルコンダル西方沖

純「見えた!あそこの岩山の小さい島だよ。憂、あの島の南側に舟をつけて」

憂「うん、わかった」



憂「純ちゃん、島の周りは浅瀬みたいだね。これ以上島に近づけないから、舟が着けられないよ」

梓「あの島の岩肌に、ぽっかりと洞窟の入り口が見えるね。でも、ちょっと高いところにあるし岩肌も

  絶壁だから、よじ登っても入れそうにないよ」

純「さあ、ここで月のかけらを使うんだよ。憂、月のかけらをかざして!」

憂は月のかけらを天にかざした!

ゴゴゴゴゴ…ザパーッ…

梓「わわっ!舟が揺れだした!」

憂「すごーい、島と浅瀬が沈んでいくよ」

純「っていうか、潮が満ちてこの辺の海面が上昇したって感じだね。洞窟の入り口も、ちょうど

  入りやすい高さに下がってるよ。ほんと、よくできてるねー」

梓「これなら、よじ登る必要も無いね。憂、純、中に入ろう」

海底の洞窟 B1F

憂「うわーっ、ここってすごく暑いね。あっちこっちの道に、溶岩みたいなのが覆ってるし」

梓「そう?私は全然暑く無いんだけど…」

純「梓はいいよね。水の羽衣を着てるからひんやり涼しそうで。溶岩の上でもダメージ受けないし」

梓「そうなの?…ほんとだ、溶岩の上でもなんとも無いよ」

憂「私たちは足元が熱くてしかたがないよ。HPも減ってるし」


海底の洞窟 B2F

憂「あれっ?あんなところに兵士さんがいる」

兵士「その昔、海の底で火山が爆発して、この洞窟ができたそうだ。まったく、ここは熱くてかなわ

   んよ!」

憂「海底火山だったんだね。暑いはずだよ」

梓「っていうかこの兵士さん、どうやってここに入って来たのよ」

純「梓、ゲームだから細かいことは気にしない気にしない」

海底の洞窟 B2F

憂「あれっ、あっちにも兵士さんがいる」

兵士「炎の聖堂を見つけたか?」

憂「なんですか、炎の聖堂って?」

兵士「この洞窟のどこかに、悪霊の神を祭る礼拝堂があるという。そこには、ハーゴンの神殿に

   近づく手がかりがあるはず!だが、気をつけるがいい。邪神のしもべが聖堂を守っているに

   違いないからな」

梓「炎の聖堂か。純、そこが目的地なんでしょ」

純「その通り。その炎の聖堂って言う礼拝堂に、邪神の像が祭ってあるの。それを手に入れれば

  ここのダンジョンは終わり。

梓「にしても、この兵士さんもどうやってここに来たのよ」


海底の洞窟 B3F

梓「なにここ!溶岩だらけで、階段がいっぱいある!いったいどの階段を下りたらいいの?」

純「えーっと、確かこの階は左から2番目を下りたら良かったはずだけど…」

海底の洞窟 B5F 炎の聖堂

憂「あっ、あれが炎の聖堂じゃないかな」

純「入り口で地獄の使いが見張ってるね。間違いない、あそこだよ」

地獄の使い「炎を聖堂を汚すふとどき者め!悪霊の神々に捧げるいけにえにしてやろう!!」



地獄の使いがあらわれた!地獄の使いがあらわれた!

純「この戦いは、まず負けることはないから。普通の感覚で戦って大丈夫!」



地獄の使いをやっつけた!

地獄の使い「おのれ……。ハ、ハーゴン様、万歳!ぐふっ…!」

梓「なんか、キラータイガー3匹のほうが手強かった気がする」

純「そんなものなのよ。さっ、邪神の像を取って、次に行こう」

憂「あの祭壇に捧げてあるヘンテコな像が、邪神の像なんだね」

なんと!邪神の像を見つけた!憂は邪神の像を手に入れた!

ベラヌールの町

商人「水の都、ベラヌールにようこそ」

純「ここでセーブしたら、いよいよ最大の難関、ロンダルキアへの洞窟に行くよ。ここにある旅の扉

  は、ロンダルキア南のほこらに通じているからね」

憂「そういえば純ちゃん、ここでセーブするんだったら、何でここの宿屋さんに泊らずに、わざわざ

  ほこら経由でローレシアで泊ったの?」

梓「ゴールド節約のため?でも、ゴールドもかなり貯まっているし。そんなにミンクのコートが欲しいの?」

純「違うの。ここの宿屋に泊ると、ハーゴンの呪いがかかって、サマルトリアが動けなくなっちゃうの。

  その間、ローレシアとムーンブルクの二人でプレイすることになっちゃうんだよ」

梓「そんなイベントもあるんだ。その場合、ずっと二人のままなの?」

純「普通なら世界樹の葉を飲ませれば治るんだけど…。このプレイの場合、何か仕込まれてそうな

  気がするのよ。治すには違う方法じゃないとダメとか」

梓「あーっ、確かにありえるかも」

憂「ここで純ちゃんがいなくなると、クリアできないまま終わりそうな気がする」

梓「私もそう思う。せっかくだし、クリアしたいもんね」

ロンダルキア南のほこら

梓「ついたね。あの階段を上がればいいんだね。純、トラマナをお願い」

純「残念!あの階段は出口じゃないの。出口は南側の暗闇なのよ。階段を上がっても、お爺さん

  がいて、このほこらの西に、ロンダルキアへ通じる道があるって教えてくれるだけなの」

憂「じゃあ南側に行けばいいんだね」


ロンダルキア南部

憂「毒の沼地だ。岩山に囲まれてて、ここから先は行き止まりみたいだね」

梓「ねえ純、ロンダルキアに通じる道って、どこにあるの?」

純「毒の沼地の真ん中辺の北側の岩山に入り口があるの。そこの前で邪神の像を捧げると、

  洞窟への入り口がひらくの」

憂「そうなんだ。じゃあやってみるね」

憂は邪神の像を高く捧げた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

梓「すごーい、岩山が開いて入り口が出てきた」

純「さあ、難関ダンジョンの攻略、はじまりはじまりだよ」

ロンダルキアへの洞窟 1F

純「命の紋章は、原作では下の階にあるのよ。まずは下の階に下りよう」


ロンダルキアへの洞窟 B1F

憂は山彦の笛を吹いた。

梓「山彦返ってるね。ここで間違いないみたいだね」

純「ここの紋章の場所は変更されていなさそう…あった、あの宝箱の中のはずだよ」

憂は宝箱を開けた。なんと!命の紋章を見つけた!

梓「これで紋章が5つ全てそろったね」

憂「あれっ?あそこにあるお墓、今人影が見えたような」

純「憂はするどいね。あそこに商人が隠れているのよ」

商人「わっ!びっくりした!ちょっと、おどかさないでくださいよ。ハーゴンに見つかるじゃないです

   かっ。もう少しで、邪神のいけにえにされそうなところを、やっと逃げて来たんですから……。

   貴女も、ハーゴンの神殿には絶対近づかない方がいいですよ。では、失礼…」

憂「隣のお墓に隠れちゃった」

梓「ここに隠れてたら、ハーゴン以前に、腐った死体に取り囲まれるのがオチだと思うけど…」

ロンダルキアへの洞窟 5F

憂は宝箱を開けた。なんと!ロトの鎧を見つけた!憂はロトの鎧を手に入れた!

梓「とうとう最後のロトの装備を手に入れたね」

憂「兜や盾と色合いが同じだね。ドラクエⅠの勇者の画像って、確かこの鎧を着ているんだよね」

純「そうだよ。そうじゃないと、ドラクエⅠとの整合性がとれないからね」


ロンダルキアへの洞窟 3F

梓「今度はさっきの逆で、北の方向に進んで行けばいいんでしょ?」

純「そうだけど、2階から上ってきた階段の近くで、また道が分かれてるからね。2階みたいな迷路

  じゃないよ。分かれ道にはさっきのロトの鎧みたいにアイテムがあるから、順番に拾っていこう」


ロンダルキアへの洞窟 5F

純「ここのフロアは落とし穴だらけなのよ。でも、一度はワザと落とし穴にはまった方がいいの」

梓「なんで?落ちた先にアイテムでもあるの」

純「そのとおり。最高の武器がって…うわっ!」

梓・憂「うわわっ!」

ロンダルキアへの洞窟 4F

梓「ものすごく広いところに落ちちゃったね。はるか向こうに階段が見えるけど、あっちでいいの?」

純「痛て…行く方向はその反対側の端っこ。あそこに落とし穴があるから、そこにわざと落ちるの」


ロンダルキアへの洞窟 3F

憂「あっ!剣が落ちてる。純ちゃん、これがその最高の武器?」

純「そうなの。もっとも、もっと強い武器もあるんだけどね」

なんと!稲妻の剣をみつけた!憂は稲妻の剣を手に入れた!

梓「ところで、ここって出口も何も無いけど、どうやって抜け出すの?リレミト?」

純「ちゃんと端っこに落とし穴があるの。そうやって落ち続けて、1階まで戻るのよ」

ロンダルキアへの洞窟 6F

憂「とうとう最上階の6階だね」

純「ここも迷路になっているんだけど…どうだったかな?ここは道順を良く覚えていないよ」

梓「えーっ!純、ここに来てそれはないじゃない。どうするのよ?」

純「道を間違えたら、この場所に戻ってしまうのよね。目指す方向は北東方向なんだけど…うーん、

  どうしよう。ここは、やっぱり……」

憂・純「じー…」

梓「な、何よいきなり」

純「ここはやっぱり、部長の梓に決めてもらおうか」

梓「なんでこういうときだけ部長を持ち出すのよ!…じゃあ、もしこれで迷ったら全部純のせいね」

純「何で責任だけ私なのよー!ブーブーッ!」

憂「間違えても、それまでの道順を覚えていけば大丈夫だよ。梓ちゃん、とりあえずどっちに行く?」

梓「うーん…東かな?」

純「よし、東の道に行こう」

憂「違うところに出たよ。梓ちゃん、正解だね。次はどっちに行く?」

さわ子「ドラクエ屈指の難関のダンジョンなのに、一度も途中脱出せずに突破しそうな勢いね。

    MPもうまく節約しているから、半分以上残っているし」

直「先輩方3人とも、力の盾を使って頻繁に回復していますね」

さわ子「ここは油断すると一気に大ダメージを食らうから、こまめな回復の方がいいのよ」

SE「6Fの迷路はさすがに2・3回間違えてましたけど、無事突破できそうですね」

直「ここの迷路は、なにか変更とかはあるんですか?」

SE「いえ、ここを変更したら大変なことになります。ただでさえ難関ダンジョンなのに、これ以上

  難しい仕様にしたら、よっぽどレベルを上げないと突破できなくなってしまいます」

菫「そうこういってる間に先輩方、無事ロンダルキアへの洞窟通過です」

ロンダルキア地方

憂「うわーっ、すごーい!一面うっすらと雪が積もってるよ。吐く息も白いし」

梓「肌寒いね。何なのここ?山の頂上ってこと?」

純「まあ天上界みたいなものかな?ここがロンダルキア。ここにハーゴンの神殿もあるんだよ」

憂「純ちゃん、ここには町か何かはあるの?」

純「町はないけど、ほこらがあるよ。そこはセーブができて、下界に下りれる旅の扉があるんだよ。

  まずはそこまで行こう。この辺のモンスターは、比べ物にならないくらい強いから注意だね」

梓「比べ物にならないくらい?ひょっとして、あの悪魔神官レベルってこと」

純「そのレベルだね。その分だけ経験値も高いから、レベルアップは早いよ」


アークデーモンがあらわれた!ブリザードがあらわれた!

純「出たよ、HPの高いイオナズン使いと、元祖ザラキング!憂はアークデーモンを狙って!梓、

  私たちはベギラマとイオナズンで総攻撃でいこう!」

ブリザードAはザラキを唱えた!

梓「えーっ!いきなり!」

憂は平気だった。純は平気だった。梓は平気だった。

憂「助かったね。よーし、こっちも行くよー!」

憂の攻撃!改心の一撃!アークデーモンに166ポイントのダメージ!

憂「えっ?これだけダメージ与えても倒れてくれないの?」

純「それほどモンスターのレベルが違うのよ。特にこのアークデーモンはね。ベギラマ!」



魔物の群れをやっつけた!

梓「うわー、ほんとメチャクチャ強いね。急にレベル上がりすぎだよ」

純「ドラクエⅡのロンダルキアの難易度は屈指のものだからね。毎回の戦闘がDead Or Aliveだよ。

  その分経験値も高いから、レベルは早く上がるけどね」

梓「何で急に横文字を使うのよ」

純「いいじゃん、そういう気分なんだし」

憂「でも、毎回ヒヤヒヤしながらの戦闘は、身体に良くないね」

梓「でも、ここまで来た以上はやりきらないと!さあ、ほこらを目指すよ!」

ロンダルキアのほこら

司祭「よくぞ来た、憂よ!わしはそなた達が来るのを待っておった!おお、神よ!伝説の勇者、

   ロトの子孫達に光あれっ!」

梓「すごい、MPだけじゃなくってHPも全快だ。」

純「そりゃ、このほこらが最後の砦みたいなものだからね。もし死んでいても、この光あれで、全員

  生き返るんだよ。とりあえずここでセーブしたら、今後下界では一切セーブしないように気を

  つけてね。そうしないと、またさっきの洞窟を通り直すハメになるからね」

憂「そう言えば純ちゃん、紋章が5つそろってるけど、ルビスの守りだっけ、取りに行くんでしょ?」

純「そうそう、それを取りに行かないとね。場所はデルコンダルの島の河口から北にある島だよ。

  ついでに、ゴールドもかなり貯まったから買物もしよう」

シスター「これは、下の世界に戻る旅の扉。戻りたいなら、お入り下さい」

梓「ここに入ればいいんだね」

ムーンブルク南のほこら

梓「へーっ、ここに着くんだね」

純「あの旅の扉は一方通行なのよ。この旅の扉に入り直すと、同じようにベラヌールに着くんだよ」


ベラヌールの町

梓「ロンダルキアと違って、こっちの方が温かいね。あっちは雪国だし」

憂「そうだね。純ちゃん、買物って何を買うの?」

純「テパにいた時に話した、例の物だよ♪」


ペルポイの町

武器屋「ゴールドカードを持っているから、16,250ゴールド割引きしておいたよ」

純「やったー!ついにミンクのコートをゲットだ!これで私もセレブの仲間入り!」

憂「純ちゃん、そのコートすごいね。高いだけあって、全然印象が違うよ」

梓「……プッ!」

純「なーに、梓。似合わないって言いたいの?」

ルビスのほこら B7F

憂「ここのほこらってすごいよね。階ごとに海水が壁になってて、滝のように下に流れてるよ」

梓「ここだけ海がさえぎられて、深く掘られているような感じだね」

憂「あの十字架に囲まれた中央の場所に行けばいいんでしょ」

純「そうだよ。あそこに立つと、精霊ルビスの声が聞こえるんだよ」

憂「わ!十字架に火が灯った…」

ルビス「私を呼ぶのは誰です?私は大地の精霊ルビス……。おや?貴女方はロトの子孫達

    ですね?私には分かります。はるか昔、私が勇者ロトと交わした約束…。その約束を

    果たす時が来たようです。さあ……、私の守りをあなた方に授けましょう。いつか邪悪な

    幻に迷い戸惑った時は、これを使いなさい。必ずや、貴女方の助けになるでしょう。

    さあ、お行きなさい。ロトの子孫達よ。私はいつも貴女方を見守っています…」

憂「あれれ?いつの間にか手に握られてるよ。これがルビスの守りなのかな?」

純「コマンドで見たらルビスの守りってなってるから、間違いないよ」

梓「はるか昔交わした約束…。何だろう?純、わかる?」

純「これはドラクエⅢの話とつながるのよ。大魔王を倒したら、いつかその恩返しをするっていう」

ハーゴンの神殿前

梓「とうとう着いたね、ハーゴンの本拠地。ムーンブルクの人々のためにも、何としても倒さないと」

憂「梓ちゃん、すっかりムーンブルクの王女になりきってるね」

純「そうだね。やっぱりムーンブルクは梓に適任だったんじゃないのかな」

梓「うん……なんか、プレイしているうちに、ムーンブルクの立場がどんどん自分のことのように

  思えてきてたからね。じゃあ憂、純、行こう!」


ローレシア城

兵士「ようこそ、ローレシアの城へ!あっ、これは憂王女様、お帰りなさいませ!」

憂「あれっ?なんでここがローレシア城なの」

梓「ほんとだ。ローレシア城だよね」

純「ところが、これが全て幻なんだなー。道具屋とか宿屋も利用できるんだけど、実際に幻から

  覚めたら、何も利用できていない状態なのよ」

憂「幻から抜け出すには、さっきのルビスの守りが必要なんだね」

純「そういうこと」

憂はルビスの守りを抱き、天に祈った!

ルビス「憂よ、騙されてはなりませぬ……。これは全て幻。さあ、しっかりと目を開き、

    自分の目で見るのです……」

梓「うわっ!光った!」


ハーゴンの神殿 1F

憂「全然違う建物になったね。中庭で魂が動いているよ…」

純「これが本物のハーゴンの神殿だよ」

魂「ここは、ローレシアの城です………」

梓「さっき私達は、この魂と会話してたってことなんだね」



憂「奥の部屋、バリアの床で張り巡らされてるけど、ちょうど十字架の形にバリアが

  張っていないところがあるね」

純「ここが、上の階への入り口だよ」

梓「入口なの?入口っていっても、階段も何も無いよ。どうやって上の階に行くの?」

憂「純ちゃん、それはひょっとして、こうすればいいの?」

憂は邪神の像を高く捧げた。

ハーゴンの神殿 2F

梓「あっ!上の階に出た!」

純「憂、大正解。よくわかったね。こんな感じで上るのよ。あとの階は全部階段があるから大丈夫」


ハーゴンの神殿 4F

憂「ハーゴンの神殿って言っても、そんなに迷路みたいな感じじゃないんだね」

純「ここは作りがシンプルだからね。そのかわり、ここからボス戦が続くんだよ」

梓「ボス戦が続く?ハーゴン以外に?」

純「そうなの。ハーゴンを守る3幹部のうちの1匹ずつが、階段近くで行く手を阻むのよ」

憂「階段が見えたね。ってことはここで出現?」

アトラスがあらわれた!

純「さあ来たよ。アトラスは攻撃のみだけど2回集中攻撃が強力だからね。梓、呪文はマヌーサと

  ルカナンしか効かないから。私はスクルトで守りを固める。あとは憂、よろしく!」

憂「わかったよ!梓ちゃんはルカナンをお願いね!」

アトラスをやっつけた!

梓「よーし、1匹目をクリアだね」


ハーゴンの神殿 5F

憂「同じような部屋6つがあるね。どれが正しい入口なのかな?」

純「北側の一番奥のはずだよ。今度出てくるのは、バズズっていう呪文を色々使うモンスターで、

  ベホマやザラキ、メガンテもしてくるよ」



バズズがあらわれた!

梓「純、マホトーンは効く?」

純「無理!でもラリホーはボチボチ効くから試してみて!私は運次第だけど、これでいってみる」

純はザラキを唱えた!バズズの息の根を止めた!

バズズを倒した!

純「よし!」

憂「あれれっ!?あっけなく倒れちゃった!」

梓「ボスレベルなのにザラキが効くんだね。ビックリだよ」

ハーゴンの神殿 6F

梓「ここでも壁の無い通路があるんだね。高いなー」

純「一本道だからなんてこと無いよ」

憂「純ちゃん、次のボス戦はどんな感じなの」

純「ベリアルっていう、アークデーモンを強力にしたモンスター。ベホマまでするの」

梓「こっちの呪文は効くの?」

純「マヌーサが1/3、イオナズンが1/2ってところかな?」



ベリアルがあらわれた!

梓「それなら、イオナズンを数打つしか無いね。純はスクルトをお願い!」



ベリアルをやっつけた。

憂「これで3匹目もクリアだね。ここまで何度も危なくなったけど、結局誰も死んでいないんだよね」

純「それがすごいのよ。これは奇跡的だと思う。モンスターの強さはwiiの時と変わらないのにね」

ハーゴンの神殿 7F

梓「なにこれ、外の壁の代わりに何かの像見たいなので囲ってある。一面バリアだし」

純「トラマナ!ここがハーゴンのいる7F。あの壁のある部屋の中に、ハーゴンがいるのよ」

憂「純ちゃん、ハーゴンの特徴は?」

純「2回攻撃、甘い息、イオナズン、燃え盛る火炎ってところかな。こっちの呪文はマホトーンが

  何とか効くかもってレベル。イオナズンは効かないときもあるね」



ハーゴン「誰じゃ?私の祈りを邪魔する者は?」

憂「私たち、ロトの子孫だよ!」

ハーゴン「愚か者め!私を大神官ハーゴンと知っての行いか!?」

梓「もちろん!ムーンブルクのみんなの仇を取りに来たのよ!」

ハーゴン「ならば許せぬ!己の愚かさを思い知るがよい!」



ハーゴンがあらわれた!

純「ハーゴンは素早いから、間違いなく先制されると思ってね」

直「ついにボスのハーゴン戦。先輩方の戦いっぷりがすごいですね。平沢先輩は相変わらず、

  会心の一撃を連発してます」

菫「先輩方、すっかりこのゲームのプレイに馴染んでますね」

SE「それにしても、プレイ中の役割分担が面白いですね。フィールドではⅡに詳しいサマルトリア

  の人が中心にアドバイスを出して進んでいるようですけど、戦闘になったらお互いがお互いに

  指示を出しあっていて、それで上手く回っている。このお3人方は元々仲が良いんでしょうけど、

  こんなに上手く連携し合っているとは。能力はそれぞれですが、コンビネーションが絶妙です」

さわ子「この子達は、常日頃から一緒に音を出している仲間同士ですからね。このゲームで、もし

    軽音部員5人全員でパーティーを組んでも、同じように連携していけると思いますわ。私、

    この子達の顧問として、これは自信を持って言えます」

菫・直「えっ!?」

SE「そうですか。いい部活なんですね。斉藤さん達がうらやましいです」

ハーゴンをやっつけた!

梓「思ったより早く倒せたね」

純「そうだね。にしても、憂の会心の一撃2連発には痺れたね」

憂「えへへ…」

ハーゴン「お、おのれ、くちおしや……。このハーゴン様がお前らごときにやられるとは。

      しかし、私を倒してももはや世界を救えまい!我が破壊の神、シドーよ!今ここに

      いけにえを捧ぐ!ぐふっ!」

憂「シドー?ってことは、もう一回戦うの?」

純「そう。次こそ正真正銘のラスボス戦だよ。今のうちにHPとMPを回復しておこう」

梓「ベホマ!…ねえ、これって退散しようとしたら、ラスボスが現れるってパターン?」

憂「そうかもしれないね…わっ!床から炎が上がって目の前がふさがれた!」

梓「こっち側もだ!どうなってるの」

憂「わわわっ!周りの床があちこち砕けてってるよ!」



シドーがあらわれた!

憂「うわー!おっきーい!」

純「いかにもラスボスって感じだね。梓、私達は回復を主にするけど、隙を見てラリホーを打って」

梓「純、ラスボスなのにラリホーって効くの?」

純「1/5の低確率だけど効くよ。マヌーサも1/3の確率で効くの。私も隙を見て光の剣を使うから」



純は光の剣を天にかざした!剣から眩い光がほとばしる!

シドーは幻に包まれた!

純「OK!遅くなったけど、次のターンから私も攻撃に加わるよ」



純はザラキを唱えた!

シドーに254ポイントのダメージ!

憂「純ちゃん、すごーい!」

梓「え!?ザラキなのにダメージ?どうなってんの?」

純「ドラクエⅡのバグ仕様なのよ。マヌーサがかかったらザラキが必中になって、モンスターの

  残りHPが255以上だったら、254ポイントの固定ダメージをあたえるのよ」

シドーをやっつけた!

ルビス「破壊の神、シドーは滅びました。これで再び平和が訪れるでしょう」

憂「ルビスさんの声だ!」

ルビス「私はいつまでも貴女達を見守っています…。おお、全ての命を司る神よ!私のかわいい

    子孫達に光あれ!さあ、お行きなさい」


ハーゴン神殿前

純「さっ、これでクエストは終了だね。あとはエンディングだよ。せっかくだから世界中を色々回って

  みない?セリフが色々変わるから、聞いてて面白いよ」

ピロロロローン ピロロロローン

SE「みなさん、クリアおめでとうございます」

憂「あっ!SEさんの声だ!」

SE「せっかく勝利の余韻に浸っているところを申し訳ないのですが、あと15分ほどで機器搬出の

  予定の時刻となります。みなさん各地のエンディングシーンを見たいでしょうけれども、時間が

  残り少ないので、2・3ヶ所程度にとどめていただき、あとは速やかにローレシア城に帰還して、

  エンディングを迎えていただきたいのです」

純「惜しいなぁ。クリア後はいろいろ面白いセリフも聞けるんだけど、時間だから仕方ないね」

憂「じゃあ、ここだけはどうしてもって所にだけ、行ったらいいんじゃないかな?」

梓「憂、純、ゴメン。私、どうしてもムーンブルク城には行きたいのよ…」


ムーンブルク城 玉座の間

梓「王様の魂が玉座の上にいるよ!…王様、聞こえますか?梓です」

ムーンブルク王の魂
  「わしはムーンブルク王の魂じゃ…。わしに話しかけるのは誰じゃ?」

梓「王様!私です!梓です!」

ムーンブルク王の魂
  「気のせいか、懐かしい声が聞こえるような……。しかし、そんなはずは……」

憂「えっ…うそ!魂が王様に変わったよ!!」

ムーンブルク王
  「ま、まさか……!?見える!見えるぞ!お前は王女梓!」

梓「王様!!」

ムーンブルク王
  「おうおう、そんな立派な姿になって……。そなたたちの働きは、魂となったこのわしにも

  感じることができた」

ムーンブルク王
  「本当に良くやったな。これで、何も思い残すことなく、この世を去れるわい」

梓「王様…、私…」

ムーンブルク王
  「悲しむでない。王女梓よ。お前はこんなに立派なことを成し遂げたのだからな。それに、

  力強い仲間もいるではないか!憂どの。純どの。これからも梓のことをよろしく頼みますぞ」

憂・純「はい!」

ムーンブルク王
  「さあ、わしは行かなくては…。せっかく見えた天国への扉が閉じてしまうわい」

梓「王様…、私…」

ムーンブルク王
  「わかっとるよ。お前はわしの娘じゃ。頑張るのだぞ。わしはいつも天国から見守っておるからな」

梓「グス……王様…」

ムーンブルク王
  「では、お別れじゃ。おお、見える見える…。あれは天国への扉」

梓「……グス」

ムーンブルク王
  「ありがとう。ありがとう。どうか元気でな……」

ローレシア城 2F

ローレシア王
  「王女憂よ!さすが我が娘!勇者ロトの血を引きし者!そなたのような娘を持って、わしは

  誇らしいぞ!まことによくやった。どうやら、そろそろ新しい時代が始まる時が来たようじゃな…。

  憂王女!今こそお前に王位を譲ろうぞ!引き受けてくれるな?」

憂「えーっ!?そんな、王位なんてとんでもないです…」

ローレシア王
  「これ!わがまま言うでない!今こそお前に王位を譲ろうぞ!引き受けてくれるな?」

純「憂、ゲームなんだから謙遜せずに、はいって言っちゃいなって」

梓「そうだよ。ほらっ、憂」

憂「そうだね…。はい!お引き受けします!」

ローレシア王
  「そうか!よく決心した。皆の者も聞いたな!?ローレシアの新しい女王の誕生じゃ!

  さあ、純王女も梓王女もこちらへ!」

ローレシア王
  「これからも、3人で力を合わせ、平和を守ってくれい!」

兵士「新しい女王様、ばんざーい!憂女王、ばんざーい!」

琴吹家別荘前

SE「機器の搬出も無事完了しましたので、私はこのトラックで一緒に弊社の研究所まで戻ります」

さわ子「本日はお世話になりました」

SE「先生もご協力ありがとうございました。それでは、みなさんによろしくお伝え下さい。斉藤さん、

  また後日お屋敷で」

菫「お疲れ様でした。お気をつけて」


別荘 リビング

ガチャッ

さわ子「梓ちゃん、憂ちゃん、純ちゃん、今日は本当に…」

直「しーっ!」

梓「スースー」

憂「スヤスヤ…」

純「zzz…」

菫「先輩方、寝ちゃってますね」

さわ子「…うふふ。すっかり疲れちゃったのね。あれだけ頑張ったんだもの」

以上で終わりです。



書き方でバレバレですが、
私は先月けいおん!×ドラクエⅠの内容で投下した人です。
今回はけいおん!高校編とドラクエⅡで、一晩で完結するように書いてみました。

スレを見てくれたみなさん、深夜早朝にもかかわらず支援してくれた方々、多謝です。

それではおやすみなさいです!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom