森夏「今日富樫くんに告白する」(166)

~~部室~~


森夏「というわけで」

森夏「あたしは今日富樫くんに告白します」

六花「……」

森夏「どうしたの?」

六花「…丹生谷……どういうつもりなのだ」

森夏「どういうつもりもなにも…そのままの意味よ」

六花「ダメ!」

森夏「はい?」

六花「わ、わたしも…ゆ、ゆゆゆ勇太の事が……その……」

森夏「知ってるわよそんなこと」

六花「!?………そ、それなら…」

森夏「でもあたしも富樫くんの事好きなんだもん」

森夏「もしあたしが玉砕したらあなたに譲ってあげる」

六花「……」

森夏「いいわよね?」

六花「……で、でももし勇太が…その……丹生谷との契約を完了したら……」

森夏「契約?……あぁ、そういうことね」

森夏「もちろんその時はあたしが富樫くんと付き合うのよ」

六花「………」

六花「わ、わたしも…」

森夏「え?」

六花「わたしも勇太に告白する!」

森夏「言うと思った」

六花「え…?」

森夏「あなたも富樫くんの事が好きなのはわかってたしね」

森夏「あたしが勝手に告白して勝手に付き合っちゃったらさすがにかわいそうかな、と思って」

六花「じゃ、じゃあ…」

森夏「二人同時に告白するの」

森夏「そしてその場で富樫くんにどちらか選ばせる」

森夏「時間は1時間後の16:30、場所は……ランデブーポイント…だっけ?そこにしましょ」

六花「わかった…」

森夏「じゃあ、1時間後ね。もし遅れたらその時はあたしが勝手に告白しちゃうから」

勇太「遅れてごめ…あれ?丹生谷と六花しか来てないのか」

森夏「富樫くん」

勇太「なに?」

森夏「今日16:30にランデブーポイントに来て。大事な話があるから」

勇太「えっ…大事な話?今じゃ駄目なのか?」

森夏「あたしは今でもいいんだけど…」チラッ

六花「ユ、ユユユユウタニ…コココクハ…ユウタニ…ユウタ……」

勇太「六花?どうした?」

六花「!!??……なっ……なななななんでもない…い、1時間後に…待ってる…」ダッ

勇太「おい六花~!どこ行くんだ~?………あれ?六花も何か話があるのか?」

森夏「そういうこと。…じゃ、遅れないでね」タタッ

勇太「お、おい!丹生谷までどこ行くんだよ!……なんなんだ一体」

一色「おう勇太!なんかあったのか?」

勇太「…なんでもない」

一色「んん?」

六花「勢いでとんでもないことを言ってしまった」

六花「勇太に…こ、告白……勇太に……」

凸守「マスター!こんなところでどうしたデスか!?」

六花「で、凸守……」

六花「……わたしは…これから戦に出る」

六花「必ず勝って帰る。待っていてくれ」

凸守「い、戦……!で、凸守も参戦するデェス!」

六花「いい……これはわたしの戦い」

凸守「ま、マスター……」

六花(…………勇太)

森夏「……はぁ…」

森夏「余裕あるように振舞ったけど…」

森夏「やっぱり緊張する……」

くみん「あれ~モリサマちゃんこんなところで何してるの~?」

森夏「えっ…べ、別に何もないわよ…」

くみん「そうなの?部活は?」

森夏「あっ…ちょっと用事があって……」

くみん「ふ~ん……」

森夏「な、なによ…あんたこそ何か用?」

くみん「ふふっ…頑張ってねモリサマちゃん」

森夏「はっ…はあ!?何よいきなり……」

くみん「えへへ…最近のモリサマちゃん見てればだいたいわかるよ~」

森夏「っ………」

森夏「行ってくるから…」

勇太「16:30にランデブーポイント…」

勇太「なんなんだ二人の大事な話って……」

六花「勇太…」

勇太「お、六花…丹生谷はまだなのか?」

六花「まだ……」

勇太「そうか……って、噂をすればなんとやら」

森夏「もう二人とも来てたのね」

勇太「ああ、…今がちょうど16:30だ」

勇太「………で、話ってのは…」

六花「あ、あの、…その……」

森夏「富樫くん」

森夏「あなたが好き。あたしと付き合って」

六花「に、丹生谷…」

勇太「え、…えええ!?いきなりどうしたんだよ……り、六花もいるのにこんなところで…」

森夏「………」チラッ

六花「あぅっ……」

勇太「………」

六花「………」

六花「勇太………」

六花「わ、わたしも………勇太が……好き…」

勇太「」

勇太「………」

森夏「………」

六花「………」

森夏「ねぇ……」

勇太「………」

六花「………」

森夏「答えてよ……」

勇太「言いたいことはわかった……」

勇太「なんで二人同時なんだ……?」

森夏「あたしたち二人ともあなたの事が好きなんだもん」

六花「………そういうこと」

勇太「なんだこの修羅場」

森夏「あなたの……答えを聞かせて」

六花「勇太………」

勇太「………俺は…」

森夏(ああああああああああなんなのよこの空気はあああああああああ)

森夏(こんな事になるなんて…………いや、わかってたけど……わかってたけど………)

六花(……………………………)

勇太「………」

勇太「俺は………丹生谷が好きだ」

六花「!」

森夏「………」

六花「ゆ、勇太………」

森夏「………」

勇太「ごめん…六花」

勇太「申し訳ないとは思ってる」

勇太「これが俺の………正直な気持ちだ」

森夏「えへへっ……」

勇太「丹生谷……俺と……付き合ってくれるか」

森夏「よろしく……お願いします」

六花「………」

勇太「………」

六花「うっ……うぅ…うあぁん……うぅ……」

勇太「………六花…」

森夏「………」

勇太「ごめん六花……ごめん…」

森夏「小鳥遊さん…」

六花「………」

六花「仕方がない」

勇太「………」

六花「正々堂々と勝負して負けた」

六花「素直に諦める」

勇太「六花……」

森夏「………」

六花「………」ダッ

勇太「お、おい!六花!」

森夏「………」

勇太「………丹生谷」

森夏「………これからは森夏って読んで」

勇太「えっ……」

森夏「恋人同士なんだから普通でしょ?……勇太」

勇太「あっ…ああ、そうだな………森夏」

森夏「えへへ……じゃあ、帰りましょ」

勇太「ああ」

翌日

勇太「おはよう」

森夏「おはよう……勇太♪」

勇太「お、おう……なんか慣れないな…」

森夏「だってまだ付き合って二日目じゃない」

勇太「そうだな……」

六花「……おはよう」

勇太「り、六花……おはよう」

森夏「おはよう、小鳥遊さん」

六花「………」

勇太「………」

森夏「………」

放課後

勇太「気まずいな……」

森夏「気まずいわね……」

勇太「で、でもこれからも友人として…これまで通りの関係で……」

森夏「そ、そうよね……うん、それがいいわ」ガチャッ

凸守「ダークフレイムマスタアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」バチコーン

勇太「うわああああああああ!!!」

森夏「きゃああああああああ!!!」

凸守「………」

勇太「いってえ……いきなり何するんだよ!」

凸守「わ、……わたしはお前らを許さないデェス!」

勇太「面倒くさいことに…」

森夏「……あんたちょっとこっち来なさい」

凸守「!?は、離すデス!お前らはわたしが……わたしが成敗してやるデェス!」

森夏「………」

勇太「………どこ連れて行くんだ?」

森夏「内緒」

凸守「うわあああああああああ………ま、マスタぁああああ………」

森夏「お待たせ」

勇太「………」

凸守「で、凸守は………凸守はもうお前ら二人に関与することはしないデス……約束するデス………」

勇太「………何したんだ?」

森夏「内緒」

勇太「まぁいいか…」

くみん「えへへ…おめでとう、二人とも」

勇太「く、くみん先輩……」

くみん「いや~よかったねぇモリサマちゃん」

森夏「あはは……」

勇太「誰に聞いたんですか?」

くみん「えぇ~?聞かなくてもわかるよ~」

森夏「なんなのこの人は」

六花「………」ガチャッ

勇太「あ……六花…」

森夏「………」

くみん「………」スースー

六花「………」

六花「………勇太も……丹生谷も……これからも今までと同じように接してほしい……よろしく頼む」

勇太「あ、あぁ…!変な空気になっちゃったしな……それがいいよ、うん」

森夏「そ、そうよね!それがいいわ!うん」

六花「今日はこれで解散」

くみん「お疲れ様~」

森夏「さてと……勇太」

勇太「ん?」

森夏「一緒に帰ろ♪」

勇太「ああ」

凸守「に、偽サマーめ……マスターの前でイチャイチャイチャイチャ……」

森夏「………」ギロリ

凸守「ひっ!……な、何でもないデス………」

森夏「行きましょ勇太♪」

勇太「森夏、何か食べていかないか?」

森夏「ええ、そうしましょ」

勇太「そこのレストランにするか」

…………………………

森夏「美味しかったね」

勇太「そうだな」

森夏「ねぇ勇太」

勇太「ん?」

森夏「この後家にお邪魔してもいいかしら?」

勇太「……えぇっ!?いきなりどうした?」

勇太「い、今から……?家に?」

森夏「ええ。ご家族に挨拶しておきたいの」

勇太「そ、そういうことか……」

森夏「……?」

勇太「な、なんでもない……じゃ、じゃあ行こうか」

森夏「二回目ね。富樫くんの家に行くの」

勇太「あぁ……そうだったな」

勇太「ただいまー!」ガチャッ

勇太「………」

勇太「ただいまー!」

勇太「………」

森夏「………」

勇太「………」

森夏「………どうしたの?」

勇太「家に誰もいない」

森夏「………」

勇太「どうしよう」

森夏「………」

勇太「せっかくだから……あがっていくか?」

森夏「………そうする」

勇太「………入って」

森夏「おじゃまします………」

勇太「………」

森夏「………」

勇太「………お茶入れてくる…」

森夏「ありがと……」

勇太「あ、部屋荒らすなよ?」

森夏「も、……もうそんなことしないわよ!」

勇太「ははっ……悪い悪い」

森夏「もう……」

勇太「お待たせ」

森夏「ありがと」

勇太「………」

森夏「………」

勇太「この後どうしようか……」

森夏「………」

勇太「………」

樟葉「ただいま~!」ガチャッ

勇太「く、樟葉!?」

樟葉「あ、お兄ちゃん帰ってたの……って誰この人」

勇太「あ、あぁ……この人は丹生谷森夏さん……えっと……」

樟葉「ふぅ~ん……」

勇太「な、なんだよ樟葉」

樟葉「いや~お兄ちゃんがこんな美人な彼女作るなんてねぇ~」

勇太「か、彼女って……まぁ、そうだけど………」

森夏「あたし、丹生谷森夏です。よろしく、樟葉ちゃん」

樟葉「こちらこそよろしくお願いします、丹生谷さん」

樟葉「あ、よかったらご飯とか食べていきます?」

勇太「あぁ、ご飯は外で食べてきた」

樟葉「あ、そうなの」

森夏「じゃあ…あたしはこれで」

勇太「おう」

樟葉「また来てくださいね、丹生谷さん」

森夏「ええ、ありがと樟葉ちゃん」

樟葉「お兄ちゃん、送ってあげなさいよ」ボソッ

勇太「あっ……そ、そうだな…」

勇太「森夏、送っていくよ」

森夏「ほんと?ありがと」

樟葉「気をつけてねー」

森夏「勇太」

勇太「なに?」

森夏「………キスしよ」

勇太「えっ」

森夏「………」

勇太「………」

勇太「………」チュッ

森夏「ん……」

勇太「………」

森夏「初めて?」

勇太「………うん」

森夏「えへへ、あたしも」

森夏「じゃあここで!また明日ね!」タタッ

勇太「………森夏」

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