霧亥「大地って何だ?」 アルミン「えっ」 (32)


霧亥「……」

アルミン「えっと…」

霧亥「目の前に、絵や文字が映ることはあるか?」

アルミン「無いけど…たぶん」

霧亥「……」


霧亥と出会ったのは、
エレンやミカサと知り合うもっと前のこと。

かつての故郷だった町の外で、行き倒れていたところを、
僕の両親が保護してきたのだそうだ。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367023573


僕の家へ運ばれてきた彼は、目を覚ますなり、

"ネットに接続できる人間はいるか?"

などと、よく分からない事を僕らに訪ね、

僕の両親と祖父が、
それに答えられない事を知ると、
今度は小さな注射針を取り出した。

霧亥はその注射針を自分の首筋に刺すと、
操り糸が切れた人形のように崩れ落ち、
また死んだように眠ってしまった。


祖父は困惑する両親たちを見て

「とんだ拾い物だな」

と、笑っていた。

霧亥が再び目を覚ました頃には、
それから丸一日が過ぎていた。


霧亥を保護した僕の父と母は、

奇妙な行動と、不可思議な身なりに加え、
意味の分からない言動の目立つ彼を追い出そうとしていたが、


「『壁』の外から来たのか?」

という僕の問いに

「そうだ」


と答えた霧亥を、
僕の祖父は大層気に入り、
霧亥を気味悪がっていた父と母を何とか説得して、
何日か家に住まわせるこということになった。


僕はというと、
『壁』の中の住人とは異なる独特の雰囲気、
あるいは常人では得難い存在感を放っていた霧亥に対し、

多少の恐怖を抱きながらも、祖父同様に興味を惹いていた。


霧亥は、"ネット端末遺伝子"を持つ
人類を探しているのだと言っていた。

結局、
それがどんなものだったのか、
僕も祖父も理解することはできなかったけれど、

それらしい情報を何とかして得られないか、
三人で何度か町へ繰り出し、
霧亥の探索に協力していた。


ある日。
霧亥と二人で壁──ウォール・マリア──付近まで歩いた時のこと。


霧亥「壁がある」

アルミン「うん。霧亥はあの『壁』を越えてやって来たんだよね?」

霧亥「『壁』とは、超構造体の事ではなかったのか」

アルミン「メガ…えっと」

霧亥「……」

アルミン「何のこと?」

霧亥「俺は、超構造体(メガストラクチャー)を越えて来た」

アルミン「……ううん、違うよ。あの『壁』は"ウォール・マリア"って言うんだ」

霧亥「……」

アルミン「そっか、ここから出た外の世界には、そんな『壁』もあるんだね」

霧亥「……」

アルミン「知らなかった。外の世界は知らないことだらけだ」

霧亥「ああ」

アルミン「ねえ、霧亥が見てきた世界は、どんな景色が広がっていたの?」

霧亥「……」

アルミン「あの『壁』の向こうにある世界を、僕は見てみたいんだ」


霧亥「確かめてみればいい」

アルミン「だめだよ。今は行けない」

霧亥「何故だ」

アルミン「壁の外には巨人がいるんだ。出て行ったらきっと食べられちゃう」

霧亥「巨人?」

アルミン「うん……あれ?」

霧亥「巨人とは、何の事だ?」

アルミン「巨人を、知らないの……?」

霧亥「ああ」

アルミン「奴等に一体も会わずここまで来れた…っていうの?」

霧亥「多分な」

アルミン「信じられない……」


本当に信じられない事だが、
霧亥は巨人について何一つ知らない、
見たことがないのだという。

当時、巨人の姿を間近で見たことがなかった自分でさえ、
祖父や両親から、それがどんな恐ろしい存在なのか嫌というほど聞かされていたのだ。

そんな事は有り得ないはずなのだけれども。

霧亥は嘘を付いている様子でもないし、
僕をからかうようなユーモアのある人にも見えない。

とにかく
外は危険だと。
命の保証はできないと。

その時、僕は必死で霧亥を説得して家まで引き返した。


家路に着く道の途中──
その時に霧亥と交わした奇妙な会話は、今でもおぼろ気に憶えている。


霧亥「お前が言う巨人とは、あの壁の中に居る連中の事か?」

アルミン「…? ううん。巨人は『壁』の中には入って来れないんだよ」

霧亥「……」

アルミン「どうしたの霧亥?」

霧亥「いや、別にいい」


結局、
霧亥が何を言いたかったのか僕は理解できず、
僕は霧亥の問いかけに上手く答えることができなかった。

それっっきり会話も無いまま、最後までで家まで到着してしまい、
その日は結局、霧亥と何も話さないまま眠りについてしまった。


翌日、町の何処を探しても霧亥はいなかった。

きっと、『壁』を越えて、
"外の世界"へ出て行ってしまったのだろう。

あの、妙に噛み合わない一言二言のやりとりが、
僕と霧亥が、故郷で交わした最後の会話だった。


それからしばらくして、僕の町は巨人達の襲撃に遭い、
僕と祖父は故郷を追われる身となった。

父と母を巨人に殺され、
祖父と二人で命からがらシガンシナ区へ逃げ延び、
深い悲しみに暮れ、泣きながら毎日を過ごした。

シガンシナ区に移住してからは、
外界への進出を助長する異端者だと、
近所の子供たちに暴力を振るわれ、
それをエレンとミカサの二人に助けられるという毎日が過ぎ、

それが数年経った頃には、霧亥の事も忘れかけていた。

これは珍しい!でもあり得るクロスだな。期待します。

まさかのブラム。どういう風に着地するのか皆目検討つかんが期待

進撃のSS増えたねェ〜


アルミン「エレン」

エレン「うん」

アルミン「"大地"って、何だと思う?」

エレン「うん……は? 意味わかんねえ」

アルミン「ははっ、だよねぇ」

エレン「何だよ急に……」

アルミン「いや……、何でもないんだ」

ミカサ「気持ち悪い」

アルミン「ひどいよ!? ミカサ!」


シガンシナ区で出会ったエレンは、
僕の『外の世界』に対する考えに、
今までにないくらい共感してくれ、

そんな彼と友だちになるまで、
あまり時間はかからなかった。


エレンの幼馴染であるミカサは対照的に
『外』へ出る事をあまり良く思っていないみたいだけど、
それでも、僕にとって心強い仲間だった。


町から少し離れた平原で、
彼らと三人で過ごしたある日の午後。

エレンは、僕から借りた本を手にとって夢中で読み、
時折、彼からの質問に僕が答えて、
それをミカサが静かに見守っていた。


エレン「なあ、アルミン」

アルミン「なんだよぅ……」

エレン「泣くなって、もう。ほら、ミカサも謝れよ」

ミカサ「悪気は無かった。素直な思いが言葉に出ただけ」

エレン「それ、もっとひどくねーか?」

アルミン「 いや、確かにミカサの言うとおりだったよ。ごめん」

エレン「ほらヘコんだし……。悪いアルミン、コイツ馬鹿で正直なんだ」

アルミン「うん。もう大丈夫」

ミカサ「……」

アルミン「それで、エレンはどうしたの?」

エレン「いや、本にさ、こんなのが挟まってたんだけど」

アルミン「……あっ」

エレンが、僕の本から取り出したのは、
とある装置について描かれた一枚の紙だった。

その装置の形状から寸法まで精密にスケッチされ、
僕らの国にはない言葉で、装置に関する詳細が書かれていた。

それを見た瞬間、
霧亥と過ごした日々が、僕の記憶から鮮明に蘇った。


アルミン「懐かしいなあ」

エレン「ああ、それって、アルミンが前に話してた…」

アルミン「うん、霧亥に描いて貰ったんだ。これを探してるんだって」

エレン「銃……かな? でも、兵団が使ってる信号弾の銃より小っちゃそうだ」

アルミン「詳しいね」

エレン「おう、俺もいつかは! ……なんだよミカサ」

ミカサ「駄目だからね」

エレン「お前には関係ないだろ」

ミカサ「今日こそ小母さんに言いつけるから」

エレン「余計な事すんなって言ってんだよ!!」

ミカサ「……」

アルミン「ケ、ケンカはやめようよ……」

ミカサ「……」

エレン「チッ…。母さんには絶対言うなよ」

ミカサ「うん。エレンが考え直してくれるなら」

エレン「……はぁ、まあいいや」

アルミン(よかった……)


エレン「なあ、アルミン。これ、この銃の名前かな? 何て書いてあるんだ?」


アルミン「えっと、

"第一種臨界不測兵器
『重力子放射線射出装置』"

って、読むらしいよ」


エレン「……名前からしてかなりヤバそうだな」

アルミン「うん。危険だから、見つけても絶対触るなって」

エレン「うへぇ、そんなモンうっかり落としてんじゃねーよ」


ミカサ「エレン」

エレン「どうした?」

ミカサ「この、重力ちゅ」

ミカサ「……」

アルミン(そこで噛むのか……)

エレン「何だよ。ハッキリ喋れ」

ミカサ「その銃、小父さんが持ってた」

アルミン「えっ」

エレン「マジか!?」

ミカサ「ええ。前に家に帰ってきたとき、それを鞄から出してた。」


アルミン「ホントに……、ホントにエレンのお父さんが持ってたの? どうして…」

ミカサ「遠征から帰ってきた調査兵団から、受け取ったんだって」

エレン「くっそー! 俺がいないときに何で…!」

ミカサ「エレンはあのとき、帰りが遅かったから、小母さんに尻叩きされてる最中だった」

エレン「お、おおい! アルミンの前でやめろよ!!」

ミカサ「大丈夫。その日エレンがおねしょしたシーツは、私が洗っておいたから」

エレン「ぎゃー!! 黙れ! それ以上なにも言うなっ!!」

ミカサ「ごめんなさいエレン。私、正直だから」

アルミン(さっきの仕返しなのかな……?)


アルミン「それにしても、調査兵団はなんでエレンのお父さんに?」

ミカサ「キース団長は小父さんの顔馴染みだし、信頼されてたんだと思う。あ、あと……」

アルミン「?」

ミカサ「部下の一人が大の研究好きで、その人が暴走しないうちに兵団の手から離しておきたかった。……みたいな事も、キース団長が言ってたそうよ」

アルミン「そ、そうなんだ……」

ミカサ「ええ」

アルミン「そっ、それで。それはまだエレンの家にあるのかい?」

ミカサ「多分、まだ小父さんが持っていると思う」

アルミン「そっか」

アルミン「ねえ。ミカサ、エレン、お願いがあるんだ……」

エレン「わかってるよ。帰ったら父さんに聞いてみる」

アルミン「うん。ありがとう」

翌日の昼食時──


薪拾いから帰ったエレンは、
調査兵団が拾ったという装置について訪ねてくれた。

エレンのお父さんの話によれば、

「やはり、こういうのは専門でないから、
まとまった休暇をつくって、
王都の工房で調べてもらうところだった」と。


エレンは、僕から預かった霧亥のスケッチを見せ、
その装置が、僕の知人が探していたものであると事情を話したところ、
エレンのお父さんは、明日にでも僕に見せられるようにと、
心良く承諾してくれた。


その装置が危険な代物であることも伝えると、
地下室は堅牢に作ってあるから、
余程の事がない限り壊れはしないだろうと言ったそうだ。


それを聞いた僕はというと、
さっきまでいじめっ子たちに殴られた痛みもすっかり忘れてしまい、
誰よりも、きっとエレンよりも明日を待ち遠しく感じていた。


しかしその日、人類は思い出した。
"奴等"に支配されていた恐怖を──

乙。
sageなくてもいいのでは?

楽しみにしてる
シドニアもいいけどBLAME!の乾いた空気は最高だった

なんという俺特スレ

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──そして思い知った。
そんな奴等でさえ恐怖し、慄く相手が存在したんだということを。



──
───

夕日が沈みかけ、いつものように、静かで穏やかな夜を皆で迎えていた頃。


突然、大きな雷が壁の外に落ちてきたかと思えば──

今まで見たことも無い、巨大な、巨大な巨人が、
シガンシナ区を囲む絶壁から、"ぬっ"と顔を出してきた。


「──今日壊されない保証なんて、どこにもないのに」


さっき自分が言った通りに街も人も壊されていき、
昔、故郷で見た光景が、目の前に広がっていった。


街の家は巨人が蹴り崩した壁の破片で壊され。
いじめっ子は飛んできた瓦礫に潰され。
生き残った家族は巨人に食べられ。

誰もが、巨人の手から逃げ延びるのに必死だった。


僕も、エレンも、ミカサも、
ただ、ただ、家族の安否だけが気がかりで、
それぞれの家へと、一目散に走って行った。


エレンとミサカの二人と別れた後は、
道の途中で運良く祖父と再会できて、
さらに運良く、ウォール・ロゼへ避難する船に乗ることができた。


友人とその家族達の無事を、祖父と二人で祈りながら船の出発を待っていると、
遠くの方──確か、エレンの家の方角──から、
一筋の光が空に向かって飛んでいった。

───
──


──エレンが言うには、こういう事だった。

瓦礫の下敷きになっているエレンのお母さんを助けようとしていた最中。

駐屯兵団のハンネスさんが、
今まさに巨人へと斬りかかろうとしたその間際に、

エレンの家だった瓦礫の山を掻き分けながら、霧亥が這い出てきた。


霧亥は、今の状況をいまいち飲み込めていなかったのか、
皆が唖然とする中、一人で呆然とその場に立ち尽くしていたらしい。

それからすぐのこと。
エレンのお母さんの近くに居た巨人が、
興味の対象を霧亥に換えて掴みかかろうとした。


巨人が霧亥に掴みかかろうとしたその瞬間、
霧亥が手に持っていた『玩具のような銃』から
『ドン!』という大砲の様な音が響いて、

気がつけば、
霧亥を捕食しようとした巨人の、
頭から首元がすっぽりと無くなっていたらしい。


弱点の首元を、頭ごと撃ち抜かれた巨人は、
みるみると溶けるように朽ちていき、
霧亥はそれを不思議そうに眺めていたそうだ。


エレン「く…」

霧亥「……?」

エレン「首だ!! 巨人の弱点は首の付根にあるんだ!」

霧亥「……」


僅かな言語による意思の疎通は、どうにか成功したようで、
霧亥は、エレンが懇願した通りに、人類がこれまで成し得なかった『巨人の殲滅』を淡々と実行していった。

僕も船の上からその一部始終を見ていたけれど、
それはもう、本当に、瞬く間の出来事だった。


霧亥に銃口を向けられた巨人たちは、片っ端から弱点を撃ち抜かれ、
残った巨人たちも、恐怖と屈辱に顔を歪ませながら、街から逃げるように出て行ってしまった。


あの、壁の高さを越す大きな巨人は、
結局最初の一度きりしか出てこない。

鎧みたいに硬い殻を纏った巨人は、
その存在理由も特に無いみたいに、
霧亥に難なく撃ち抜かれていった。


逃げるのに必死だった街の人も、
戦うのに手一杯だった兵団も、
街の誰もが、呆然としながらその光景を見ていた。

シガンシナ区の住人達の時間が再び動き出したのは、
それからしばらく経っての事だった。


復興に向けて街の人たちが動き始めたころ──


巨人たちを撃退し、
この状況を作り出した張本人はというと、
僕の事をずっと探していたらしい。

エレンから霧亥の事を聞きだし、
兵団などの人目を掻い潜り、
ミカサが指定した人気の無い路地裏に誘導されて、
僕と霧亥は数年ぶりに再会した。


霧亥「アルミン」

アルミン「霧亥」


数年ぶりだというのに、
霧亥は顔も格好も全然変わっておらず、
その手には、エレンから聞いた『玩具みたいな銃』を持っていた。


アルミン「見つけたんだね。探し物」

霧亥「ああ。お前と交渉がしたい」


アルミン「うん、そうなんだ」

霧亥「……」


アルミン「えっ」

霧亥「お前の協力が必要だ」




アルミン「えっ?」


こうして僕は、
霧亥に連れられ、『壁』の外へ出ることになった。


何でも、
僕──それも、細胞という、この体にあるとても小さな部品──は、
霧亥が求めている端末遺伝子への適応率が極めて高いらしく、
もしかすると、霧亥が居る外の世界を救う事ができるのかもしれないとの事だ。

ウォール・ロゼ、ウォール・シーナの向こうに居る人たちにも会ったが、
結局、僕だけしか適応者が見つけられなかったらしい。


そして、交渉というのは、
僕がこの体を提供する代わりに、

霧亥を支援している団体から、
巨人に対抗するための武装と物資、
それから技術を提供するという事だった。


僕は外の世界へ行く事ができるし、
みんなが巨人に怯えることも無くなるのならと、
祖父も承諾の上で霧亥の交渉に乗った。

エレンの事はとても気がかりだったけど、
彼のお母さんの怪我の事もあって無理強いはできなかった。


結局、エレンとミカサに別れの挨拶も無いまま霧亥と街を出て、

それからまた暫くの間、外の世界での時間が過ぎていった。



──
───


「──人?」

「そこに入ってろ」


橋の向こうから近づいて来る人影に気づいた僕は、霧亥に言われるがまま、足元の大きな抜け穴に身を隠し、そこで聞き耳を立て様子を伺った。


遠くからやって来た浮浪者の様な男は、
「やあ」と、霧亥に向かって気さくに声を掛けてくるなり、

「──遠くからもう一人いるように見えたんだけど」

「やっぱり気のせいか──」

などと、やはり僕を探しているようだった。


僕が隠れている抜け穴を覗き込もうとした矢先、
浮浪者が霧亥へ向けて敵意を露わにした瞬間に、
彼は霧亥の銃で真っ二つにされてしまっていた。


「霧亥、あいつも僕の細胞がほしかったんだろ?」


橋の向こうで響く爆発音を聞きながら、僕は霧亥にそっと訪ねたけれど、
霧亥は何も言わないまま、僕の手を引いて歩きはじめた。


外の世界は、『壁』の中に居た頃よりも危険で、暗く、
家の本に書いてあるような景色が広がっている、
なんて事は全然無かった。


だけどこの先、
この幾つも連なっている階層を抜けた向こうに、
誰も見たことが無い大地が広がっているのなら、
僕は、それを見てみたい。



──
───

「廃棄階層?」

「うん。ここからずっと下にある階層さ。
そこには、ネットスフィアに遺伝子登録されていない、感染も殆ど見られない人間の居住区があるんだ」

「端末遺伝子の無い人間も処分対象だろ。廃棄されてるにしろ、何だって野放しにされてんだ?」

「上の連中も気づいたんじゃないかな」

「何に」

「規定外だからといって、このまま無差別に排除を続ければ、いずれネットスフィアに接続できる人間が一人も居なくなるんじゃないかって」

「だから、保険を取っておこうって腹か。統治局も合意の上で」

「かもしれないね。
けど、本当のところは、『予想外のイレギュラー』が発生したお陰で、"やむを得ず"って事情もあるらしいんだ」

「どういうことだ?」

「ネットスフィア創設前から我々と対立している、未登録のセーフガードが一体いてね。
そいつは今でも、我々や珪素生物から、その階層に居る人間を保護しているって話だよ」

「たった一体で?」

「経由は不明だけど、どうやらレベル6相当の装備を基底現実に持ち込んでいるらしいんだ。厄介な相手だよ。
それに、人間達の方でも独自の戦力を保持しているみたいでね。
内外共に堅牢な防衛ラインを敷かれているお陰で、居住区まで中々踏み込めないでいるんだ」

「あやかりたいモンだね。今の俺らにとっちゃあ、羨ましい限りだ」

「苦労をかけるね」

「ああ、どうにかして造換塔をブン取っちまいたいとこなんだが……」


「……」

「……」


「ドモチェフスキー、高速で接近してくる反応が一つ。奴だ」

「了解だ、イコ。援護しろ」


───
──

疲れました。
これにて完結です。


そう繋げたか


理由も特に無い重力子放射線が……ww

シャキ 乙

シャキサクはカロメを凍らせると出来るよ乙



イコはブラム学園読んでからは女の子にしか見えなくなった

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