紗羽「田中、パン買ってきて」(143)
大智「……何がいいんだ?」
紗羽「焼きそばパン。あとコーヒー牛乳」
大智「分かった」
紗羽「5分以内ね」
大智「いや、5分は無理」
紗羽「……あれ? そんなこと言っていいんだっけ?」
大智「ぐっ……」
来夏「ねぇねぇ和奏。最近あの二人、どうしちゃったの?」
和奏「さぁ……私もよく分かってないんだけど。田中、紗羽に弱みでも握られてるのかな」
来夏「……でもさ。紗羽ってそういうのタテにして人を従わせるタイプじゃないよね」
和奏「うん。むしろ、そういうの嫌いそう」
来夏「だよね……田中、よっぽどのことやっちゃったのかなぁ」
ガラッ
大智「ハァ、ハァ……か、買ってきたぞ……っ」
紗羽「7分10秒。ぜんぜんダメ」
大智「お前な……こ、これでも、全速力で、ハァ、ハァ……」
紗羽「ハァハァうるさい。キモいよ」
大智「だっ、誰のせいで……」
紗羽「え? 今、何か口答えした?」
大智「い、いや……なっ、なんでもない……」
ウィーン「 そ れ は だ め だ ! 」
紗羽「…………」モグモグ
大智「………………」
紗羽「罰は何がいい?」
大智「げっ……」
紗羽「2分以上もオーバーして、何もないわけないじゃん。バカなの?」
大智「……で、でもな……何がいいなんて言われても困るだろ、普通……」
紗羽「ふーん。じゃあ、無難に人間椅子でいっか」
大智「!?」
大智「に、人間椅子って、あれか?」
紗羽「うん」モグモグ
大智「…………」
紗羽「ほら、早く四つん這いになってよ。でないと……」
大智「わ、分かったって!」
ゴソゴソ...
大智「くそっ……これでいいだろ!?」
紗羽「……んふふ~」
大智「な、なんだよ?」
紗羽「似合ってるじゃん」
大智「……全然嬉しくねぇ……」
紗羽「よっと」
ドスッ
大智「うぐっ、重……」
紗羽「あん?」
大智「……くない! 軽いなぁチクショウ!」
紗羽「軽い? 本当にそう思ってる?」
大智「思ってます! ダイエットなんか必要ないくらい!」
ドゴォ!
大智「うぐぉぉぉぉ!? わ、脇腹を……」
紗羽「クズ! 無神経!」
大智「どう答えりゃ満足なんだよ……」
和奏「本当に、何やったらあそこまで紗羽が怒るのかな……」
来夏「でも、あれだけなすがままにされて反抗しない田中も、なかなか根性あるよね」
和奏「うん……そこまで田中が我慢する理由もよくわからないけど」
ウィーン「フッフッフ……理由が知りたいかい、君たち?」
来夏「知っているのかウィーン!?」
和奏「っていうかウィーン、いたんだ……」
ウィーン「大智が彼女の写真を撮ったって話は知ってる?」
来夏「知ってるー」
和奏「この前聞いたところだけどね」
ウィーン「大智もね……男の子なんだよ」
来夏「?」
ウィーン「皆が帰った後の音楽準備室。そこで大智は、その写真を使って……」
和奏「…………えっ///」
来夏「……どゆこと?」
ウィーン「そこを、忘れ物を取りに戻ってきた彼女に見られてしまったのさ……」
来夏「ねぇ、何の話?」
和奏「田中ぁ……///」
紗羽「私だってダイエットなんかしたくなかったのに……」
大智「……沖田?」
紗羽「…………なんか、急に食欲なくなっちゃった。もうパンいらない」
大智「はぁ? おい、俺が折角ダッシュで買ってきたのに……」
紗羽「じゃああんたが食べてよ!」
ガボッ!
大智「!? ムググ……ングー!!」
紗羽「あははっ、クズ男にはこんな食べさしがお似合いだと思うよ?」
グイグイ
大智「モガガ……!」
大智「モグモグ……ゴクンッ」
紗羽「え……ほんとに食べたの?」
大智「お前が無理やり口に押し込んだんだろ!」
紗羽「そうなんだけど……よく異性が口つけた物なんか食べられるね」
大智「……別になんてことないだろ、それくらい」
紗羽「そう? 私、田中の食べさし口に入れるくらいなら死ぬよ」
大智「ええ……人間椅子とか命令するくせに、そこは躊躇するのかよ」
紗羽「うるさい」
ペチン
大智「おうっ……け、ケツを叩くな! 俺は馬か!」
紗羽「あんたと馬を一緒にしないで。サブレが可哀想だよ」
来夏「ねぇウィーン、写真を使ったって何のことなの?」
ウィーン「肉レッドは多くを語らない!」ビシィッ
来夏「和奏~」
和奏「し、知らない」
来夏「うそ。さっき分かってるっぽかったじゃん!」
ウィーン「そうだよ」
和奏「え、えぇ~……」
来夏「教えてよ! 私たち、友達じゃなかったの!?」
和奏「…………わ、分かった……教えてあげる。でも、ほ、他の誰にも言っちゃダメだよ///」
来夏「さすが和奏!」
ウィーン「グゥレイトォ!」
和奏「その、つまり……」
………………
………………
和奏「……っていうこと……///」
来夏「? よくわかんなかったけど、好きな子のことを考えて気持ちよくなるってこと?」
和奏「だ、大体あってる、かな……」
来夏「ふ~ん。和奏はどれくらいするの?」
和奏「ど、どれくらい!?」
来夏「うん。参考までに」
和奏「………………しゅ、週二……///」
ウィーン「……」メモメモ
紗羽「ふぁ……ぁ」
大智「ん? なんだ、眠いのかよ」
紗羽「昨日勉強で徹夜しちゃったから……ちょっと寝る」
大智「だったら家帰ってから寝ろよ……」
紗羽「イヤ。30分くらいしたら起きる。合唱の練習もしたいし」
大智「そうかよ。じゃあさっさと俺から降りろ」
ベシベシ!
大智「痛い! 痛いって!」
紗羽「命令しないでよ、変態」
大智「ちくしょう……」
http://i.imgur.com/okNdZ.jpg
http://i.imgur.com/KHcWk.jpg
http://i.imgur.com/6VK2C.jpg
http://i.imgur.com/gPIrV.jpg
ハゲろ!
ウィーン「姫様、椅子を並べておきました」
紗羽「さっすがウィーン、気がきくじゃん」
大智「けっ……どうせ俺は無神経だよ」
紗羽「……あれれ~? 田中、もしかして拗ねてんの~?」
うりうり...
大智「ちょっ、や、やめっ……」
紗羽「バーカ。ウィーンは空気読めないけどこう見えて紳士だもんね」
ウィーン「ありがとうございます、姫様」
大智「いや、半分は褒められてないぞ……」
紗羽「……田中、何してんの」
大智「え?」
紗羽「寝床ができても、枕が無いから寝られないじゃん」
大智「はあ? 椅子並べて寝る時は自分の腕枕で寝るだろ、普通」
紗羽「そんなのイヤ。ちゃんと用意してよ、だから無神経なんでしょ」
大智「枕って……そんなもん準備室にねーよ」
紗羽「あるよ」
大智「無いっての」
紗羽「無いなら作って」
大智「無茶言うな!」
はげろ!がツボです
紗羽「じゃあ田中。端っこの椅子に座って」
大智「……なんで」
紗羽「なんでとかいいから、早く」
ガタンッ
大智「座ったぞ……っ!?」
ボフッ
紗羽「ほら。あるじゃん、枕」
大智「……俺の膝、たぶんめちゃくちゃ固いんだけど」
紗羽「ううん、ちょうどいい……じゃ、30分経ったら起こして……」
大智「………………」
ィ/: : : : : :\_、
. /'´: : : : : : : : : : ハ
/: : : : :、{/:.: : : : : : : '.
ト′/ ̄``´´ ̄`ヽ: : : }
}: :/ '.: :.:{
イ: :{ 二´ `二 }: : }
乂:《_=≠》⌒《≠=_》ハ′
{ |  ̄ !  ̄ } } 田中かわれよ!
丶ヘ ーr―‐ァ /''´
\ ` ´ /{
___ } 丶__,/ {レ
/ \ `¨¨/ハ___ ハ\¨¨¨¨¨¨ヽ
| :, / | /ア:|/ } ‘, / ‘,
|/ ′ \/ ´三三} / / ′ ’
/ 「 / ´r '" /`\ { ,
{ \ }. / /、\_′ /=={ } |
| /ヾ, /ヽ い, /:⌒'. , / |
| /\ \} \ ト、{rS::|..r'′ │
{⌒'у ゝ/ム|i;i;\ }ミヘ⌒ヽ{__ {
. }/ /Y / }ヽ'ミ } `ー }
、 / | ′  ̄}ー/ ′
\__,,/ │0 ー― 、 /
} | }`¨¨´
紗羽「zzz......」
来夏「へぇ~、紗羽が男の子の膝枕で寝てるの、初めて見た」
和奏「額に肉って書きたくならない?」
ウィーン「大智、イエスだね!」
大智「どこがだよ……ずっと沖田に言われるがままだし、全然良くねえって」
来夏「じゃあ~、紗羽が寝てる間に田中に質問!」
大智「……いきなりなんだよ」
来夏「田中くんは週に何回くらい、自分を慰めてるんですか?」
大智「…………は?」
来夏「ちなみに和奏は週二らしいよ?」
和奏「こ、来夏……言わなくていいから!///」
ウィーン「ダカダカダガダーン!!」シコシコ
来夏「こうなったのは、もともと田中の行動が原因なわけでしょ?」
大智「なっ……う、ウィーン! お前誰にも言うなって言っただろ!?」
ウィーン「僕はヒーローだ。仲間に隠し事なんてできない」キリッ
和奏「大丈夫、来夏はまだよくわかってないみたいだから」
大智「……でも、坂井は分かってるんだろ……」
和奏「そ、それはね……でも、学校ではやらない方がいいと思う……///」
大智「やっぱ俺、変態なのか?」
和奏「うん、たぶん」
来夏「それで、もし学校でそんな変態行為をしてるところが教頭とかに見つかったら」
和奏「きっと廃部だよね……」
来夏「ということで再発防止策として、これからは部長の私が田中の自慰周期を管理します!」
大智「……は!?」
来夏「また、これからは持ち回りで、田中が放課後に部室で行為に及ばないか監視します!」
ウィーン「うん、いいと思う」
来夏「田中。どうしても我慢できなくなったら、誰かに見つからないように、部員の立会いの下にやってね」
大智「やるわけないだろ! どんな性癖の持ち主だ俺は!」
来夏「あと、他の部員についても同じことが言えます。和奏は特に注意ね」
和奏「し、しないから……///」
ウィーン「危ないのは大智だけだよ。週四で、うち二回は部室だし」
和奏「うわぁ……」
大智「……わ、悪い。もう部室ではやらない」
ウィーン「でも相手が一人だけっていうのは好感が持てるよね」
大智「おっ……お前、なんでそんなことまで知ってるんだ!?」
紗羽「……うるさい」
ベシッ!
大智「うぐっ」
紗羽「せっかくいい気分で寝てたのに、大声出すから起きちゃった……」
紗羽「ていうか、田中……」
大智「いってぇ……なんだよ?」
紗羽「その……それ、ホント?」
大智「それ?」
紗羽「相手が一人だけ、ってとこ……」
大智「………………」
紗羽「………………」
大智「……そうだよ」
紗羽「ド変態。死ね」
紗羽「はぁ……まぁ、変態はお互い様なんだけどね……」
大智「え、何か言ったか?」
紗羽「な、なんでもない! 目も覚めちゃったし、みんなで合唱の練習しよっ」
大智「だから勝手なこと……」
紗羽「あれぇ~? 田中くぅん、まだ分かってないのかなぁ?」ツンツン
大智「くそ……つつくな! 沖田ぁ、俺はいつになったら解放されるんだよ……」
紗羽「あははっ。もしかしたら死ぬまでかもね!」
大智「マジかよ……」
終わり。
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