岡部「今日は…冷えるな」 (26)


・シュタゲ
・日常物


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ガチャ


紅莉栖「はっ、くしゅっ」

岡部「……」

紅莉栖「…」ズズ

紅莉栖「ハ、ハロー!」バッ

岡部「別に取り繕うことでもあるまい」

紅莉栖「……うん」

岡部「入って来るなりくしゃみをするからなにかと思ったがな」

紅莉栖「う、うるさいわね」

岡部「上げかけた手が宙を掻くさまは無様だったな」

紅莉栖「あんたがそうやってからかうから思わず取り繕うんでしょ!?」

ポイ

紅莉栖「ん」

岡部「風邪を引くぞ。拭いておけ」

紅莉栖「…ありがと」

岡部「ふっ、この鳳凰院凶真に礼など不要だ。大体、助手が風邪を引いて困るのは、この俺なのだからな」

紅莉栖「…助手言うなっての」ワシャワシャ

紅莉栖「(…私が風邪を引いたら…岡部は、困るんだ…)」フム

岡部「マッドサイエンティストとしてだぞ。助手がおらねば研究に支障があろう」

紅莉栖「……わ、分かってるわよ、そんなこと」ゴシゴシ

紅莉栖「今さらだけど…」クンクン

紅莉栖「このタオル、ちゃんと洗ってあるんでしょうね」

岡部「安心しろ。今日の降水確率が極めて高いことは昨日のうちに把握していた」

岡部「雨の日に洗濯物を溜めるような愚行はしない、この鳳凰院凶真はな!」

紅莉栖「…日和のいいうちに洗濯を済ませるのが狂気のマッドサイエンティストなのかよ…」

岡部「助手よ」

紅莉栖「助手違う。なに?」

岡部「シャツ一枚で寒くないのか」

紅莉栖「…ま、まあ。ちょっと冷えるかな、とは、思うけど…。この季節に暖房を入れるのも、変な話じゃない」

岡部「俺の上着を貸してやろう」

紅莉栖「へ?」

パサ


紅莉栖「……って、白衣かよ」

岡部「遠慮はいらん。数を揃えておくのも、マッドサイエンティストのたしなみだからな!」フゥーハハハ! バサッ

紅莉栖「…あ、そう」

紅莉栖「…うん。じゃあ、ありがたく、借りる」

岡部「うむ」

岡部「くり返しになるが、貴様が風邪を引くのはラボにとって大きな痛手なのだからな。体は、よく労わるがいい」

紅莉栖「うん」

ザァァァ…


紅莉栖「今日は岡部だけなのね」

岡部「うむ。まゆりはバイトだ。ダルはメイクイーンにいる間に雨が降り出しラボに来るのが億劫だと連絡があった」

岡部「まったく……ラボのために、雨も距離も厭わず顔を見せる見上げたような実験大好きっ娘もいると言うのにな…」ハア

紅莉栖「べ、べつにラボのためってわけじゃないから」

紅莉栖「…まあ、価値観は、人それぞれってことでしょ」

岡部「む、…物分かりのいいことを言うな…らしくない」

紅莉栖「失礼ね」

岡部「それこそがセレブの余裕というわけか」

紅莉栖「知らん」

岡部「助手よ」

紅莉栖「……。なによ」

岡部「冷蔵庫にドクペが入っている。取ってくれ」

紅莉栖「……」

コト

岡部「…なんだこれは」

紅莉栖「コーヒーよ」

岡部「俺は知的飲料を取れと命じたはずだが」

紅莉栖「この寒いのに冷たい飲み物を口にすることないでしょ。ついでに淹れてあげたんだから、これで我慢しなさい」

岡部「……助手よ」

紅莉栖「…なによ」

岡部「ツンデレ乙」

紅莉栖「コーヒー顔にぶっかけるわよ」

岡部「ごめんなさい」

岡部「…ふっ。まあ、たまにはコーヒーも悪くないか」カチャ

紅莉栖「子供舌なオカリンのために、砂糖もあるわよ」

岡部「……」ピク

岡部「いや。せっかく紅莉栖が淹れてくれたのだからな。ブラックのまま飲むとしよう」

紅莉栖「そ、そう」

岡部「う、うむ」ズズ…

紅莉栖「…」ズズ…

岡部「照れるなら言わなければいいんじゃないか?」

紅莉栖「そ、それはこっちの台詞よ」

岡部「…ふーはは…」

紅莉栖「…あはは…」






紅莉栖「…ん」コク

岡部「助手よ」

紅莉栖「…んあ?」

岡部「眠いのならソファを使え」

紅莉栖「…ん…大丈夫よ…」

岡部「よだれで本が汚れるぞ」

紅莉栖「…っ」ゴシ

岡部「俺の白衣の袖で拭うな」

紅莉栖「あ、ご、ごめ…っ」

岡部「それに、目の前でうとうとされると研究の邪魔だ」

紅莉栖「…う、うん…」

岡部「ふっ」

ポン

岡部「大方、雨の中を走って来て体力を使い果たしたのだろう。セレセブに相応しい虚弱さだ」

紅莉栖「…」

岡部「体が冷えるのは思うより体力を食う。無理して研究する姿勢は理想的な科学者とは言えまい」

岡部「休めるうちに休んでおけ。機関はいつ襲撃すると教えてくれたりはしないのだからな」

紅莉栖「…なによ、偉そうに」

岡部「クリスティーナは我が助手だからな。俺の方が偉いのは当然だ」ナデナデ

紅莉栖「…ふん」

紅莉栖「わ、分かった」

紅莉栖「じゃあ…なにか羽織るものも借りられないかしら」

岡部「白衣を貸しているだろう。それをかけて横になるんだな」

紅莉栖「…」

紅莉栖「…そ、そうね。ちょうど、肩にかけてるしね」

岡部「うむ」

紅莉栖「…」

紅莉栖「ねえ、岡部」

岡部「なんだ助手よ」

紅莉栖「…白衣はありがたいけど、その、これでも寒いから…」

岡部「ふむ。それもそうだな」スッ

ギュ

紅莉栖「…」

岡部「いまこのラボで、まともな熱を持っているのは、俺くらいだからな。手を握っておいてやろう」

紅莉栖「う、うん。そうね。その通りだわ」コクコク

紅莉栖「……ん」ウト

岡部「ゆっくり休むといい」

紅莉栖「……ありがと…岡部…」ニコ

紅莉栖「…すぅ」

岡部「…」

岡部「お休み。紅莉栖」






ガチャ


まゆり「トゥットゥルー♪ ただいまなのですー…?」

ダル「? まゆ氏、入口で止まってどしたんー」

まゆり「ダルくんダルくん。しーっ」

ダル「お?」ヒョコ

紅莉栖「…」スー…

岡部「…」



まゆり「二人とも、とっても気持ちよさそうに寝てるねー」ニコニコ

ダル「チッ」ガン!

まゆり「今日は寒かったもんねぇ」

ダル「そう言う問題かお? …くそぅ、オカリンがどんどん僕から遠い存在になってくお…」

まゆり「えへへ。そっとしておいてあげようね」

ダル「くぅ…まゆ氏に免じて、今は見逃してやるお…!」



紅莉栖「…♪」スリスリ

岡部「……」ウーン…

紅莉栖編終わり。次回はまゆしぃ編の予定、希望があればそれでも。

それでいいです
ところでなんでそんなに頻繁にID変わったの?

>>23 イーモバ環境なんで、もしもし→PCと往復して投下して規制を避けてるから。

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