ユリカ「祝いなさい!」かえで「でないと血を吸うわよ、でしょ?」 (20)

某月某日

ユリカ「♪乱反射する眼差し 鏡越しに誰かが見てるの♪」

いちご「ユリカちゃん、入っていい?」

ユリカ「そういう事は、入る前に訊くものでしょ!」

いちご「えへへ。久しぶりに、ユリカちゃんがレッスンしてるところ見てたら入りたくなっちゃって」

蘭「最近は皆忙しくて、レッスンもすれ違いばっかりだからな」

ユリカ「そういう貴女達は、3人一緒じゃない」

あおい「さっきまで、一緒に仕事してたんだ。ラジオ番組の収録で」

いちご「それで、ユリカちゃんは何の練習してたの?」

ユリカ「アイドルライブフェスタのオーディションを受けるのよ」

いちご「アイドルライブフェスタ?」

あおい「えーと……どれどれ? 色々なアイドルが一堂に会する大型ライブイベント、か。
    人数制限はなし、申し込み期限までまだちょっとあるね」

いちご「私も受けたい! あおいも蘭も、一緒に受けようよ!」

あおい「言うと思った」

蘭「スケジュールは大丈夫だ、問題ない」

いちご「ねぇ、ユリカちゃんも一緒に」

ユリカ「嫌よ」

誕生日か

いちご「そんなぁ」

ユリカ「私はソロで受けるから、貴女達は3人で受けなさいよ。
    久々に3人揃っているのだから。ソレイユとして出てみればいいじゃない」

蘭「ソレイユ、か。すごく懐かしい響きだな」

あおい「でも、やっぱりしっくりくるね」

いちご「じゃあ、ライブフェスタのオーディションはこの3人で受けよっ!」

あおい「あれ、このライブフェスタの開催日って」

ユリカ「!
    話がまとまったなら出て行きなさい。レッスンの邪魔よ」

いちご「うん。またね、ユリカちゃん」

>>3
おぬし、なかなかやるな

かえで「ストロベリーから聞いたよ。アイドルライブフェスタの話」

ユリカ「それで、どうしてわざわざ私の部屋まで来たのよ」

かえで「だって、よく見てみたらこのイベント、ぽわぷりのゲスト出演が決まってたから。
    楽しそうだし、あたしも受けてみようと思って」

ユリカ「だから、それでどうして私の部屋に来るのよ」

かえで「オーディション、一緒に受けない?」

ユリカ「はぁ?私は元々ソロで受ける予定だったのよ?
    それをどうして今更デュオに変更しないといけないのよ。
    貴女もソロで受ければいいじゃない」

かえで「持ち歌がないんだよねー……」

ユリカ「……」

かえで「ダイヤモンドハッピーはすっかりソレイユの歌になっちゃったしさ。
    Take Me Higherはトライスターの曲だし」

ユリカ「……仕方ないわね。そこまで言うなら」

かえで「一緒に組んであげると言ってあげないこともなくはないかしら、でしょ」

ユリカ「私の台詞を取らないで! 大体、私と組むなら曲は硝子ドール一択だけど、いいの?」

かえで「勿論! トライスターの時にユリカがソロで歌ってるの、何度も近くで見てたから。
    歌も振り付けもばっちりだよ」

ユリカ「貴女がアメリカのトップアイドルだって事、忘れてたわ。
    それじゃ、明日から空いてる時間に2人でレッスンね」

かえで「私の足を引っ張ったら血を吸うわよ?」

ユリカ「だから、私の台詞を取らないで!」

そろそろかえでちゃんのメイン回あげて下さい…

かえで「オーディションも無事合格したし、後は本番までレッスンあるのみっと」

いちご「かえでちゃん! 合格おめでとう!」

かえで「Hi!そっちも合格おめでと!」

蘭「あれ、ユリカは?」

かえで「オーディションの結果が分かったら、すぐに仕事に行ったよ。
    結構ギリギリだったみたい。そうまでして、このオーディション受けたかったんだろうね」

あおい「それなんだけど。かえでちゃん、アイドルライブフェスタの開催日、覚えてる?」

かえで「えーと、確か12月26日だよね。……って、あれ?」

>>10
マジカルトイは結構優遇されているのに
最初にマジカルトイを着たかえでちゃんが不遇だもんな

あおい「さすが元同じユニットのメンバー、すぐにピンときた!」

蘭「いちごなんて、全然気付いてなかったからな」

いちご「蘭だって、あおいにヒント貰わないと思い出さなかったよね?」

蘭「それでも、自力で思い出しただけマシだ」

あおい「とにかく、12月26日はユリカ様の誕生日。
    本当は、おとめちゃんのところでささやかなパーティでもしたかったんだけど」

蘭「本人が進んで仕事を入れてるからな。ささやかだろうとパーティはできないだろう」

いちご「ユリカちゃん、どうして自分の誕生日に仕事入れちゃったのかな?
    まさか、忘れてたとか?」

あおい「それはないと思う。いちごじゃないんだから」

いちご「えー」

蘭「アイドルライブフェスタに出たかったからじゃないのか。
  結構大きな規模のイベントだし、歌の仕事はアイツの好きな分野だろ?」

あおい「多分、蘭の言う通りだと思う。
    ユリカ様のライブ、ファンの間でも人気だし」

かえで「それだけじゃないと思うけどなー」

いちご「かえでちゃん、何か知ってるの?」

かえで「Sorry、ユリカからは何も聞いてないよ」

いちご「そう?」

かえで「それじゃ、お互い本番までレッスン頑張ろう!」

いちご「あ、うん!」

あおい「かえでちゃん、何かを誤魔化してるって感じ。穏やかじゃないわ!」

ユリカ「このユリカ様を待たせるなんて、200年早いわよ」

かえで「ごめんごめん。ちょっと収録が長引いちゃってさ」

ユリカ「それじゃ、今日は振り付けのレッスンね」

かえで「ユリカがアイドルライブフェスタに出たいって思ったのは、ファンの為?」

ユリカ「ちょ……いきなり何を言い出すんですか!」

かえで「あ、超レアユリカ様だ」

ユリカ「ごほん。いきなり何を言っているのよ」

かえで「昨日、オーディションに合格した後でいちご達に会って、話したんだよね。
    ユリカがどうして自分の誕生日に進んで仕事を入れたのかって。
    蘭とあおいは、このイベントに出たかったからじゃないかって言ってたんだけど。
    それだけじゃないんじゃないかなって、一応あたしなりに考えてみたんだ」

ユリカ「へ、へぇ」

かえで「視線逸らしてるって事は、図星?」

ユリカ「……そうよ。でも、ファンの為だけじゃない。自分の為でもあるわ。
    学園に入って、アイドルになって、吸血鬼の私になって、ファンが増えて。
    そうしたら、誕生日を祝ってくれる声も、段々増えてきているの」

かえで「そりゃあ、スターライト学園のアイカツランキング上位者だからね」

ユリカ「貴女だってランキング上位でしょ。
    キラキラッターやブログで、おめでとうって言われる度に、思っていたの。
    本当にありがとうって。この感謝の気持ちを直接伝えたいって」

かえで「それで?」

ユリカ「アイドルライブフェスタのオーディションの知らせを見つけたのは偶々よ。
    けれど、この日付を見た時、これは絶対に出るべきだって思ったの。
    私が誕生日にライブに出るとなれば、きっとファンは見に来てくれる。
    そして、会場で直接おめでとうって言ってくれるわ。
    その声に、私は最高のパフォーマンスで応える。それが、一番の感謝の証だって思うから」

かえで「ユリカはすっごくファンを大事に思ってるんだね」

ユリカ「貴女には言ってなかったかしら。
    私の吸血鬼キャラを最初に面白いって言ってくれたのがファンなのよ。
    大事に思うのが当然でしょ?」

かえで「それじゃ、今度のライブ、最高のステージにしないとだね」

ユリカ「そうよ。ちょっとでもドジを踏んだら、血を吸うんだから」

かえで「うーん、ただ歌うだけじゃ物足りないし。水中からの脱出マジックでもやる?
    もちろん、脱出する役はユリカで」

ユリカ「断固拒否するわ!」

しおん「どうもありがとうございましたー!」

おとめ「とっても明るくてキラキラしたステージ、らぶゆー!」

しおん「アイドルライブフェスタ、ますます盛り上がっているわね」

おとめ「まだまだこれからなのです!皆さんもまだまだこれからですよねー?」

観客<これからでーす!

観客<ぽわぷりサイコー!

さくら「それでは続いての出演者の方々をお呼びしましょう!次は……」

おとめ「藤堂ユリカちゃんと一ノ瀬かえでちゃんですぅー!」

かえで(特別ゲストって、歌うゲストじゃなくて進行役だったんだ……)

かえで「Hallo!皆楽しんでるみたいだね!」

観客<ハーイ!

観客<かえでちゃーん!

ユリカ「ユリカ様も降臨よ!」

観客<ユリカ様ー!

観客<お誕生日おめでとうございます、ユリカ様ー!

観客<ハッピーバースデー、ユリカ様ー!

ユリカ「ふん。もう推定600回も聞いてきた言葉だから、飽きてきたんだけど。
    今日は特別に、血を吸ってあげても良くってよ?」

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