両儀 式「私より強いやつに会いに行く」 (58)
初めてSSを書くのでお手柔らかに
橙子「いきなりどうした?」
式「どうしたもこうしたも、人を殺せるっていうから橙子についてきたのに、まだ一人もまともに殺してないんだぜ?
こんなん、約束と違うじゃないか」
橙子「なんだ?柄にもなく荒れてるじゃないか。黒桐となにかあったのか?」
式「関係ないね」
橙子「図星か」ククッ
式「そんなことはどうでもいい。とにかく、最近暇だから誰かを殺したいだけだ」
橙子「ハッ、まあいいだろう。
そういえば、ちょっとした仕事があったな。受ける気はさらさらなかったが、こうもうちの番犬が吠えてちゃかなわん。小金だけでも稼いできて貰おうか」ゴソゴソ
式「いくらでも稼いで来てやるさ。それで?内容はどんなのさ」
橙子「ちょっとした暗殺みたいなものさ。あ、このファイルに閉じてたはずだな。目標は、<<5だ」
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石川ごえもん ルパン三世 斬鉄剣は概念武装化
>>5
あ、すみません。安価は型月関係でお願いします。
ぶっちゃけわからんやつとかどうしようもない
再安価>>10で
言峰・麻婆・キレイ
式「コトミネキレイ?」
橙子「ああ、なんでも冬木市とかいうところでなんだか悪巧みをしてるらしい」
式「悪巧みってなんだよ?」
橙子「君に言ってもよくわからないさ」
式「ふうん。でもさ、トウコ
殺していいんだな?」
橙子「ああ。問題ない。だが、注意しろ。こいつは聖堂教会の所属だ。一筋縄ではいかんぞ。情報によれば、黒鍵はもちろん使うし、八極拳の使い手のようだ。そして、好物は麻婆豆腐」
式「面白そうじゃないか。教会の人間なんて初めてだし。その黒鍵とか八極拳とかも聞いたことあるだけだ。楽しみだよ」ニヤニヤ
橙子「気を付けろ。返り討ちなぞごめんだからな。移動には私のハーレーを使え」
式「ああ、行ってくるよ。幹也には適当に言い聞かせておいてくれ」
時間軸は割りと適当です。
冬木市・教会
ギイイイ
言峰「…おやおや、こんな昼間から礼拝とは、中々精の出る信者もいたようだ。神父として実に嬉しいな」
コツコツ
言峰「もっとも、その姿が着物というのは、些か物珍しいが」
式「……」
言峰「よく参られた。その信仰心に、きっと神はお喜びであろう」
式「…はっ、とんだ芝居じゃないか親父さん。私は演劇を見に来た訳じゃないんだけど?」
言峰「これは失礼した。なら、この教会になんのようかなお嬢さん」
式「…あんたがコトミネか?」
言峰「…そうだが?」
式「あんたを殺しに来た」
言峰「私を?これはまた不思議だ。私如きにいちいち[ピーーー]ような価値もないと思うのだがな?」
式「私もそんなの知らないさ。頼まれたからやる。それだけだよ」
言峰「ほう?面白いな。神に仕えるこの身を[ピーーー]か」
式「だからさあ、三文芝居はどうでもいいよ。
さっきから言ってるように、私はあんたを殺しに来ただけだ!!」ダッ
滅茶苦茶ピーしてるwすみません
言峰へと真っ直ぐに駆けていく式。大して長くもない距離を一瞬で詰めていき、言峰の体に映る黒い線目掛けて胸をナイフで引き裂きにかかる。
だが、その直前に式の視界から言峰が消える。
式「!?」
言峰「甘いな」
ふと聞こえた声は足元から。
式は自分の体を左へ90度、直角に跳ばせる。
シャッ!!
式「くっ!?」
一瞬前まで式がいた空間を得物が横切る。極端に柄が短く、刀身の長い剣。式はそれが黒鍵と呼ばれるものと一目で知り、悪態をつく。
式「そんなもん、どこに隠してたんだよ」
言峰「何、軽い手品のようなものさ。よく避けたな少女。君もただの人殺しでは無さそうだ」
式「お褒めの言葉ありがとうよ」
そう言いつつ、式は少し距離をとる。
式「やっぱり、中々骨のありそうな奴じゃないか。気に入ったよ。楽しませてくれよ?」
言峰「私も退屈しのぎになりそうで嬉しいよ。さあ、私を殺してみたまえよ。生憎、そう易々とはいかないがな」
式「そりゃあ、助かるねぇ!!」ダッ
言峰に再び肉薄する式。しかし、言峰も容易に接近は許さない。馬鹿みたいに真っ直ぐに突っ込んでもすぐさま切り身にされてゲームオーバーだ。
そんなことは式にもわかる。だから式は――
ダッ
言峰ではなく、自分の横に跳んだ。
言峰「ん?」
跳んだ式はそのまま教会の椅子を蹴る、言峰の真横を通り過ぎ去るように。
その瞬間、ガギンッと刃がぶつかる音がした。
言峰「ほう。面白い、奇を衒えばどうにかなると?」
言峰の言葉に返答せず、式は跳んだ先にある反対側の椅子を蹴る。
式が次に跳んだ先にあるのは、祭壇だ。
その祭壇に足をつけ、また跳ぶ。今までよりも勢いをつけ、全力で。
式「――んっ!」
言峰へと、その体を跳ばす。
言峰「それなら防げまいと?」
式の突撃を防ぐため言峰は黒鍵を構える。式の飛翔も中々の速度だが、言峰には遅い。聖堂教会の代行者相手には無謀な特攻だ。簡単に防がれてしまう。
だが、式は
式「それでいい」
そういいながら口元を歪めた。
交差は一瞬。言峰に合ったものも、式に合ったものも同じ確信だが、その一方の確信は脆く、崩れ去った。
式「…もう、見えた」
言峰「これは…!?」
言峰の手に合った黒鍵の刃が消える。まるで霧のように霧散する。
言峰「何をした。魔翌力の断絶か?」
式「いや、ただ単に、私は見ただけだ」
言峰「見た…?」
式が立ち上がり、言峰に振り向く。その目に言峰は初めて気がついた。目の前の少女の発していた禍々しい殺気ばかりに気を取られ見落としていた。その目が、魔眼と呼んでいいほどの魔翌力を帯びていることに。
言峰「ふふ……ふはは…フハハハハハ!そうか、ただ者ではない気はしたがそこまでとはな。面白いぞ。面白いではないか少女よ」
式「……」
言峰「どういったものかはわからぬが、興味深い。君がどんな経緯でそれを手にしたか気になるところではあるが。これでは私の不利のようだな」
言峰は察した。あの目がどういうものであれ、断つことに向いた目であると。それならば自分が主に行う肉弾戦では分が悪い。魔翌力のみを断つならまだしも、物体すら切り裂けると言うのであればそれは危険すぎる。鍛えた体も、魔翌力で強度を増している聖衣も無力になる可能性もある。
未だ成すべきことを成していない言峰にとって、この少女は驚異だ。ひとつ間違えば死に繋がる。
式「ああ――――もう、いいや」
言峰の脳内に言葉が駆ける最中、式はそう呟いた。
言峰「なんだと?」
式「だからもういいよ。あんたからの殺意が全然感じ取れない。こんなやつ、何回殺しても気分が晴れない。意味がない」
言峰「……誰かに依頼されていたのではないのか?」
式「どうでもいいね。きっちり殺し合いができなくちゃ、それは徒労だよ」
言峰には、式の言葉は何一つ、理解することはできなかった。
橙子『は?なんだと?』
式「だから、見逃した。あの野郎土壇場でやる気無くしやがって」チャリーン
橙子『……あのなあ、式。お前の信条は知らんが、仕事はこなしてくれないか?』
式「殺しても楽しくない奴とやり合ってなんになる。それよりトウコ。次は?」チャリーン
橙子『次だと?仕事をほっぽいてか?冗談だろ』
式「いや、私だってやる気はあったさ。そりゃあ、つまらないから見逃したけど」チャリーン
橙子『……はあ、頭がいたいよ。とりあえずお前は戻ってきな。着くまでには考えておく』
式「ああ、わかった。そうするよ。それじゃ」ガチャン
式「ちっ、三十円も使ったか。まったく、公衆電話なんか全部無償化すればいいのに」
式「ただいま」
橙子「ああ、おかえり」
式「トウコ、まだ怒ってんのかよ」
橙子「当たり前だろう?今月はお前に頼んだ仕事の金を宛にしてたのに、いつの間にか全部パーだ。どうしてくれる」
式「代わりの仕事をくれよ。あいつはなんかこう……アラヤみたいで気持ちが悪かった」
橙子「ほう?アラヤか。あいつに似てる奴とはな。それは災難だ」
式「まったくだよ。同情するなら許してくれよ」
橙子「ふむ。まあ、次の仕事で稼いでくれればすむ話ではある。じゃあ式、こいつでどうだ」
>>35
浅上藤乃、巫条霧絵、白純里緒、3人まとめて
式「浅上藤乃、巫浄霧絵、白純里緒だ?」
橙子「ああ、そうだが?」
式「あのなあトウコ。みんながみんな解決済みってどういうことだ?私をバカにしてるのか?あ、まだ怒ってるんだなトウコ!!」
橙子「馬鹿になんぞしてないさ。なんでも、三咲町というところにいるらしい」
式「――!三咲町…?」
橙子「まあ、私も嘘ではないかと疑っt式「トウコ」
式「行くよ。なんだか、その三咲町ってとこなら有り得ないことも起こりそうだ」
橙子「…………そうか。やる気になってくれるのはありがたいな」
式「またハーレー借りるよ。トウコも来るか?」
橙子「ん?何故だ?」
式「あそこには確かあんたの妹がいたはずだ。用事とかないのか」
橙子「余計なお世話だよ式。私はあの妹に用などない」
式「……そうか。なら、いくよ」バタン
橙子「……………そうも言ってられんか」ガタッ
三咲町・市街
式「ふうっ。やっとついたか」
式「それにしても。この町はまた可笑しなことになってるみたいだな」
式「相も変わらず町が死んでる。まあ、あのときのは夢みたいなものだし、私も鮮明に思い出せるわけではないけど」
式「――ん?」
式「あのビル、なんだか嫌な感じがする。町全体が死んでるが、あそこだけは死を通り越して……空っぽの生がしがみついてる」
式「とにかく、なんの手がかりもないし、あのビルに向かうのが一番手っ取り早そうだな」
なんかもう、舞台が舞台で相手が相手なんで最終決戦臭くなるのが書いててわかるw
ワラキアの夜じゃん
式「まんまあの頃だな」
屋上を目指すエレベーター内で、式は一言つぶやいた。
三咲町という町が、どこまでしでかしてしまうのかはわからない。だが、式には何となくではあるが、この町がいわゆるトンデモであることは察していた。
夢であるか定かでないときに一度訪れ、元凶を討ち、それでも止まらなかった町。
その時に現れた。私の同類。
あの時のことはずっと気掛かりではあった。ただ確かめる気にもならなかったのは、所詮、夢にも等しい一夜のことだったからだ。
だが、町は再び式を迎えた。ここまで来ればお膳立てが過ぎている気がする。ついでと言ってはなんだが、全てが終わったら、この町を調べるつもりではある。
エレベーターはもうすぐ到着する。式は右手にナイフを握り込んだ。
チーーン
場違いな軽い音がなり、扉が開く。そこには、
白純「あァ?両儀じゃねえか?」
浅上「あれ?両儀…さんですよね?」
巫条『あなたは……あの時の……』
式「まったく、揃いも揃って。どういうことだよ」
彼らがなんなのかは考えない。ただそこにあることだけを確認し、式は彼らの死を視る。
式「さあ、かかってこいよ。お前たち、揃いも揃ってなんなのかは知らないけどさ。今ここにあっちゃいけないもんだろ?」
巫条霧絵はすでに自殺し、浅上藤乃は完治し元通りにあの町で生きていて、白純里緒は自らが殺した。
今ここに存在するのは空虚な伽藍の洞。そのもの自体が矛盾を孕む残留思念。俯瞰することも考察することも出来ない愚か者。
式「だったら――――」
そんなもの。私にとって壁でもなければ障害でもない。
式「殺さなくっちゃなあ!!」
式はそう言って駆け出した。
>>42
ほぼ故人だしそうするしかない
式が走り出すと行く手には真っ先に白純里緒が現れた。
白純「久しぶりだな、式」ニヤ
式「…………」ブンッ
キンッと音がなり、二本のナイフが弾け合う。弾けたナイフはほぼ同時に振るわれ、また音を鳴らした後、鍔迫り合いの様になり、ギシギシ音を奏でる。
白純「少し冷たくないか両儀ぃ!?挨拶くらいしてくれよ」
式「……話すことなんて――――!?」
式は異変を感じとりすぐさま後退する。すると突如、白純の腕があらぬ方向にネジ曲がった。
白純「――はァ!?」
浅上「…………凶れ」
浅上藤乃の声が聞こえ、式は再び位置を変える。すると、今までいた位置の空間が僅かながら歪み、そこに死の線がはっきり見えた。
白純「浅上容赦なしかよ…。邪魔しやがって」
浅上「なんだかよくわからないけど、両儀さんをこの先には通しちゃいけない気がします」
式「はっ、私も買い被られたもんだ。でもなあ、タネの解った手品なんて――ッ!?」
浅上藤乃をすでに倒している式の油断が危機を産み出した。巫条霧絵の存在を忘れていたのだ。巫条霧絵は式の首を握り、持ち上げる。
式「ぐっ、んっふ…ぐぐ!?」
巫条『墜ちろ、墜ちろ、墜ちろ、墜ちろ!!』
霊体を掴める左手で腕をほどこうとするが中々離れない。その間にも、
浅上「凶れ!!」
式「ぐっ!!」ブン
浅上藤野の目を右手のナイフで無効化している。
白純「ハッ、終わりだぜ両儀!!」
式「!?」
そして、白純里緒が頭上からナイフを握り降ってくる。
式は、自分の死を、圧倒的に身近に感じた
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