恒一「好きな人はいるかって?」 小椋「うん。気になる」(220)


恒一「そんなに気になるの?」

小椋「うん」

小椋(恒一君のことずっと好きだったもん///)

恒一(おや? 小椋さんってよく見ると可愛いな)

恒一「それじゃ教えてあげるね」

小椋「早くして」

恒一「あんまり大きな声じゃ言えないけど、
    最近は桜木さんも悪くないかなって思ってるんんだ///」

小椋「」

桜木「……!!」

赤沢「……!!」ガタッ


鳴(え? ちょっと何この展開?
  恒一君はあんなデブ委員長のこと好きだったの?)

風見(何言ってんだてめえ、榊原ああああああああ!!)

小椋(恒一君メガネ好きってこと?
   それともふっくらした人が好みなの?)

恒一「でも気になる人は他にも居るんだ」


三組の生徒から笑みが消えた。


赤沢(なんですってえええ!!)

綾野(好きな人が複数いるってことね。てことは私の可能性も……)

中尾(奴は天然のジゴロだ。許せねえ!!)


鳴(まだ希望はある。恒一君はきっと私の名前を上げてくれる。
  そして桜木さんの名前を呼んだのは冗談だったんだって……)

恒一「金木さん……かな///」


三組にどよめきが発生する。


松井(はぁああ? ちょっと聞き捨てならないんですけど?)

辻井(落ち着け榊原君。金木さんを狙うのはハードルが高いぞ)

勅使河原(しかしなぜに金木? 奴がレズなのは周知の事実だぞ)


小椋「か、金木……さんね……あはは……そ……そうだったんだ……。
   でもどうして金木さんなのかな?」

恒一「雰囲気が大人っぽいし。僕、ああいう人って好みだったんだ///」


赤沢(大人っぽい雰囲気ならなんであたしを選ばないのよ!!)

小椋(はぁ……。あたしちんちくりんだし……もう諦めたほうがいいかな)

鳴(どうしたら身長伸ばせるかな?)


恒一「あと多々良さんも美人だよね。はっきり言ってかなりタイプかな///」


猿田(ここでまさかの多々良来たぞおおおい!!)

多々良(えええ!? 榊原君にそんな風に思われてたなんて///)

有田(なんかよく分からないけどすごい展開ね)


風見「な……なあ榊原君。教室で堂々とそういう話するのは
    どうかなって思うんだけど?」

恒一「あっ。そうだよね、ごめん。
    でもたぶん誰も聞いてないから大丈夫だよ」

風見(全員聞き耳立ててるってのに気づいてないのか?
    それとも天然か? まあいい)

風見「あのさ、さっきゆかりのこと気になるって言ってたけど」

恒一「ああ、桜木さんがどうかしたの?」

風見「まさかゆかりのこと好きなんじゃないよね?」

恒一「えっ……えええ!! そ、そんなことないよぉぉ!!
    僕と桜木さんじゃ釣り合わないって!!」


桜木(私は榊原君さえよければいつでも……)

風見(駄目だこいつ……早めに何とかしないと)

金木(はっきりないわねえ、榊原の奴。
    ま、私には亜紀がいるから関係ないけど)


水野「転校初日に榊原に好きなタイプをきいた桜木さん
    つまりそーいうことだろ?」

恒一「えっ。てことは桜木さんも僕のことを?」

桜木「はわわっ///」

風見「まっ、待ってくれ!! それは誤解だ!!」

鳴「私もそう思う。好きなタイプを聞いたのは偶然」

恒一「ほえ? 僕の勘違いだったのかな?」

小椋「そ……そうよっ。つまらない勘違いだわ」

恒一(必死になってる小椋さん可愛いな……)


恒一「じゃあ桜木さんは諦めるよ」

桜木(えええええ!?)

風見(よし、良い展開だ!!)

鳴(ほっ)

恒一「やっぱり僕には金木さんが合いそうだよね?」

松井(ちょ……。あたしの恋人奪おうっての?)

金木(バカね。男には興味ないのに……)


小椋「か、金木さんは難しいんじゃないかな? いろいろと」

恒一「そうかな? 僕って子供っぽいところあるし、
    お似合いだと思うんだよねー」


小椋「それ以前の問題よ」

恒一「うん?」

小椋「金木さんはほら……あっち系の人間じゃない?」

恒一「あっち系? どういう意味だろ?」


小椋(んもう鈍いわねぇ!! なんで分かってくれないのよ)

鳴(たぶん彼は本気で気づいてない。金木さんがガチだってことに)

望月(僕から見ても彼女は難易度高いと思うよ。選ばなきゃいいのに)


恒一「んー。あっそうか。金木さんはドMだってこと?
    確かに緊縛プレイが好きそうな顔してるもんね」

小椋「そうじゃないわよ!!」


恒一「怒鳴られちゃった……」ショボーン

小椋「あっ。ごめんなさい。榊原君がおかしなこと言うから……」


恒一「もう気にしてないから大丈夫。つまり
    金木さんは縛られるのが好きな変態ってことでFA?」

小椋「全然違うわ!!」

恒一「えー。今のはかなり自信あったのに」


松井(杏子の性癖ばれちゃったね)

金木(榊原……いつか殺す)


小椋「榊原君にぶすぎよ!! 
    私が言いたいのはそういうことじゃなくて……」

恒一「いやいい。全部言わないでくれ」

小椋「えっ?」

恒一「君の言いたいことは分かってる。
    つまり縛られるのは僕か金木さんなのかってことだよね?
    どっちかというと僕が縛られたいなぁ」

小椋「全然話が繋がってないわ!!」

恒一「……ん? ちょっと静かにしてくれ!!」

小椋「なっ、なに?」ビクッ

恒一「殺気を感じるんだ。金木さんに睨まれてる」

小椋「いつからよ?」

恒一「さっき」


恒一「レーズンって目にいいらしいよ。
    読書好きの僕にはかかせないね」

小椋「へえ。ところでフランス語のトレビアンと
    レズビアンて響が似てるわよね」

恒一「それがどうかしたのかい?」

小椋「家のクラスにもレズビアン的な人が良そうよね。
    約二名ほど」

恒一「ああ、望月のことね」

望月「僕は男だよ!!」

恒一「学校中の男子からお尻狙われてるくせによく言うよ。
    なあ川堀君。彼をどう思う?」

川堀「ウホ」

小椋「ちなみにもう一人のレズは誰だと思ってるの?」

恒一「そうだなぁ。見崎かな」

鳴「……!!」ガタタッ


有田「見崎さんは椅子から派手に転げ落ちました」

小椋「私も転げ落ちそうになったわ……。
    あのさ恒一君。理由を訊いてもいいかな?」

恒一「実は見崎の家によく遊びに行ってたんだけどさ」

赤沢(はぁあああ!? 家に遊びに行くほど仲良かったの!?)

恒一「見崎の部屋にはエロ本がなかったんだ」

小椋「女の子なんだからないのが普通だと思うけど」

恒一「かと思ったらオナニーに使う道具すら見つからない」

小椋「大人のおもちゃってわけね。
    健全な中学生なら持ってなくて当然よ」 

恒一「僕は思ったんだ。彼女はいったい何をオカズにしてるんだろうと」

鳴「あの……恒一君をオカズにしてました」

恒一「おや? 今何か聞こえたかな?
    見崎の裸を想像してたから聞き取れなかった」

小椋「そ……空耳よ空耳!! 気にしないで話を続けましょう!?」

恒一「そうだね。関係ないけど、有田さんが僕の私物に
    興味があるそうなんだ。どうも彼女は変態らしい」

小椋「へ、へえ。知ってたんだ」

恒一「放課後、僕の机の角でオナニーしてるのを見ちゃったんだ」

有田(はぅう。皆の前で言われると恥ずかしいよぉ)

中尾(うわぁ……なんで喜んでんだよこいつ……)

久保寺(実に興味深い話ですね。授業の時間ですが、
     後回しにしましょう)

恒一「その次の日はリコーダーをアソコに出し入れしてた。
    楽器っておもちゃ代わりに使えるんだね。びっくりだよ」


小椋「あまり想像したくない光景ね」

恒一「それはもうショックだったよ。
    僕は気づかないでリコーダーを使ってたんだから」

小椋「今まで通り音楽の授業に臨むのは難しいわね」

恒一「恥ずかしいというより、くやしかったよ」

小椋「なんとなく分かるわ」

恒一「だから仕返ししてあげることにした」

小椋「ど、どんな?」

恒一「多々良さんのリコーダーをペロペロすることにしたんだ」

小椋「なっ……冗談でしょ?」

恒一「実は僕、ペロリストなんだ。多々良さんが部活で使ってる 
    マウスピース?もペロペロしちゃった」


猿田「などと言われてるぞい。多々良はどう思っとるんじゃ?」

多々良「あの……榊原君。私のお尻もペロペロしてください」


恒一「ん? 今変な声が聞こえたな。
   縛られてる金木さんを想像してたからよく聞き取れなかった」

小椋「……きっと気のせいよ!! 早く続きを聞かせて!!」

小椋(まさか、わざとやってるんじゃないでしょうね?)

恒一「ある日、多々良さんのリコーダーにも飽きた。
    そこで新しい刺激を欲しがっていた僕は、ついに……」

小椋「ついに?」

恒一「逆に有田さんの私物に手を出すことにした!!」


三組一同は唖然とした!!


恒一「僕は女子トイレでオナニーしてた有田さんに話しかけた。
    おはよう有田さん。さっそくだけどパンツ頂戴って」

小椋「そ……そしたら?」

恒一「ぐっちょり濡れてた。試しに舐めてみたんだけど、
    なんていうか有田さんの味がした」

小椋「訊いてるだけで吐き気がするんですけど?」

恒一「そのうち慣れるよ。で、今度は濡れてないパンツを
    頂戴って言ったの。すると彼女は翌日素直にくれた。
    それを夜のオカズにしてみた」

小椋「へ、へえ。もしかして有田さんのこと結構好き?」

恒一「ん? ごめん。良く聴こえなかった。
    僕は下半身だけ裸になってお風呂場でオナニーしてたんだ。 
    そしたら怜子さんがいきなり入ってきた!!」


小椋「大ピンチじゃない。肉親に見られるなんてトラウマものね」

恒一「うん。僕もそう思った。だから、
    困りますよ怜子さん。お風呂場を開けるときは
    ちゃんとノックしてくださいよって言って誤魔化そうとした。
    あんな緊急事態に素敵なセリフなんて思いつかないだろ?」

小椋「うんうん」

恒一「そしたら怜子さんが、誰のパンツなのかって訊いてきた。
    僕がオナニーしてたことより、誰のパンツなのかが重要らしい」

小椋「保護者ってそんなものなのかしら」

恒一「焦った僕は、自分が趣味で買ったものですって言ったんだけど
    信じてもらえなかった。すごい剣幕で怒鳴られちゃったんだ。
    あの時は本当に焦っちゃってね。小椋さんのだって言っちゃった///」

小椋「な……!?」

有田(っておいいい!! なぜそこで由美の名前を出すんだああ!!)

恒一「怜子さんは深く沈黙した後、こう訊いてきた。
   正直に話してほしい。小椋さんのこと好きなのって」

小椋「……なんて答えたの///」ドキドキ

恒一「否定したらまた怒鳴られるかと思ったから、
    はいって言った。そしたら怜子さんはなぜか切れててね。
   小椋さんのこと事件に見せかけて殺すとか言ってたよ。
   よかったね、小椋さん」

小椋「全然よかないわよ!! つーかあたし殺されるの!?」

恒一「まあいいじゃないか。人間一回死ねば楽になれるよ」

小椋「まだ十代なのに死にたくないわ!! 
   てかなんでそんな他人行儀なのよ!!」

恒一「ふふ。冗談だよ。君を見殺しになんかさせない。
   君を怜子さんの魔の手から守ってあげられるのは僕だけだ」

小椋「え……いきなり何を……」


恒一「安心してよ。僕は命を懸けて君を守る」

小椋(なによその真剣な瞳……。信じていいの?)

恒一「ってセリフを一度言ってみたかったんだ」

小椋「あっそ。もう帰るわ」

恒一「待ってくれ!! まだ話は終わってない!!」

小椋「じゃあ愛してるって言って」

恒一「え!?」

小椋「あたしのことを愛してるって言ってくれたら、
   あなたの話を聞いてあげてもいいわ」

風見「由美ちゃんend」

恒一「な、何言ってるんだい風見君? 変な煽りは止めてくれ」


水野「おめーら、付き合っちまえよ!!」

前島「うん。確かにお似合いだよね」

有田「えー。恒一君には私がいるのにぃ……」

恒一「みんな静かにしてくれ!!
   僕は女の人が苦手だから、そういうのは
    まだ早いって思ってるんだ!!」

久保寺「どの口が女が苦手とか言ってるんでしょうね」

猿田「ぶっちゃけクラス中の女にフラグ立ててるぞな」

望月「はぁ。これだから天然ジゴロは困るよ」

恒一「話を戻すよ。僕の自宅ではパンツオナニー禁止条例が
   出されたんだ。怜子さんが怒ってたから仕方ないね」

小椋「あれ? あたしの話はどうなったの?」

恒一「僕はオカズに困った。
    男子中学生にとってどれだけ大変なことか。
    クラスのみんなも分かってくれるよな!?」

男子一同「当然だ!!」

赤沢「うわ。うるさっ」

恒一「モノをオカズにしてもどうせ怜子さんに見つかるだろうと思い、
    絵を描くことにした。これを見てくれ」

小椋「ふむふむ。縛られた金木さんが描かれてるわ。
    すぐそばに泣きながら榊原君を睨んでる松井さんね。
    そして鬼畜と化した榊原君が二人を電動バイブ責めね」

風見「なんて鬼畜なんだ!! 人間とは思えない!!」

勅使河原「おまえだって脳内で桜木を凌辱してるくせに
       人のこと言えるかよ」

桜木「あの……もう話しかけてこないでくださいね、風見君」

風見「ゆかり……!?」


恒一「風見君、ぶっちゃけ桜木さんに汚物を見るような
   目で見られてうれしいでしょ?」

風見「何をバカなことを……」

小椋「本当ね。風見ったらアソコが元気になってるわ」

風見「ゆかりに踏まれるシーンを想像したらこうなったんだ!! 
   いいから話を続けなさい!!」

恒一「実はこの絵は僕が描いたものじゃないんだ」

小椋「そうなの?」

恒一「情けないけど僕の力量不足でね。見崎さんに描いてもらったんだ」

鳴(なぜ見崎さん!? 鳴って呼んでいいよって言ったのに)

小椋「見崎さん、絵上手じゃない。
    特に松井さんの表情とか最高よね。天井から吊るされた
   ロープで身体の自由を奪われてるわ。そしてアソコにはバイブ」

久保寺「実に心温まるような絵ですね。
     あとで教育委員会にでも提出しときましょう」


恒一「僕はこの絵を部屋に飾ることにした」

小椋「想像を絶する光景ね」

恒一「怜子さんに見つかってもいいように額縁に飾った。
    絵の下にタイトル(二人の裸婦と鞭を持つ男)をつけ、
    芸術作品と偽ることにした」

小椋「そしたらどうなったの?」

恒一「案の定怒られちゃった。エロと芸術を一緒にするなって。
    怜子さんああ見えて美術の先生だからね。こういうのは
    特にうるさいんだ」

小椋「まあ先生だしね」

恒一「さらに絵に文句をつけてきた。金木さんの表情が
    あまりにもエロすぎるとか、特定に部分に射精した
    跡があるとかね。写生だけに射精しちゃいました」

小椋「よく写生会のこと射精会って言う人いるわね」


恒一「怜子さんがあまりにもうるさいから縛っちゃった」

小椋「えっ。証拠写真まであるの?」

恒一「うん。ほら。僕の携帯だけどよく写ってるでしょ?
    叔母さんの顔があまりにも美しかったからムラムラしちゃってね。
   また絵に射精しちゃった」

小椋「なるほど。だからこの絵、イカ臭いのね。
    三神先生には何もしてないの?」

恒一「怜子さんは肉親だよ?」

小椋「うん。知ってるけど、恒一君ほどの変態さんなら
   叔母さんを妊娠させてそうじゃない」

恒一「妊娠させたのはまだ三人くらいだからセーフだよ。
   その中に怜子さんは……たぶん含まれてないだろうね」

小椋「あのさ。今ものすごいこと言ったよね?」

恒一「気のせいだろ? 僕の言うことは風のように聞き流してよ。

   僕はついに夜のオカズに困ることになった。モノや絵はだめだ。
    なら本物の人間に頼るしかないと思い……」


小椋「……」ゴクッ

恒一「有田さんを調教することにした」

小椋「は?」

米村(嘘だろ? なんで榊原君退学にならないんだ)

高林(でも三神先生の態度もフェアじゃないよ。
    既成が多すぎる。彼が凶行に走るのも無理はない)

赤沢(なによこれ。もう話についていけないわ……)

恒一「有田さんは僕の言うことは何でも聞いてくれるんだよ?
    実は今日ノーパンで登校するよう指示したのさ」

小椋「の、ののの、ノーパン!?」

恒一「そしたら有田さんね、普段からパンツ履いてないんだって。
    あははは。困っちゃったよ」


恒一「そんな変態な有田さんだけど、従順なのは美徳だよね。
    ある日僕の家に忍び込ませて夜セックスすることにした!!」

久保寺「続けなさい」

恒一「僕の布団の上で全裸の有田さん。
    というか初めから服なんて着てなかった。
    僕も裸だったからお互い準備完了だよね?」

小椋「ものすごい軽いノリね。それで?」

恒一「有田さんのおっぱいにむしゃぶりつこうとしたら、
    扉が開いて怜子さんが怒鳴り込んできた」

小椋「前回以上の修羅場ね」

恒一「僕は裸でやるエクササイズなんですって
    誤魔化そうとしたらまた怒鳴られちゃった。
    なんでこんなに怒らるのかな?」

小椋「……えーっと。ツッコミどころが多すぎて何も言えないわ」


恒一「僕はただ気持ちよくなりたいだけなんだ!!
   なのに怜子さんたらいつも邪魔ばっかりして!!
    男子の皆もそう思うだろ!?」

シーン。

恒一「あれ? おかしいな。賛同の声がないぞ」

勅使河原「なあサカキ。その……言いにくいんだけどさ」

恒一「水臭いじゃないか勅使河原。
   僕と君の間には隠し事はなしだろ?」

勅使河原「そ……そうだよな!! ならはっきり言わせてもらうぜ!!
     ……三神先生が聞いてるぞ」

恒一「ん?」

怜子「やっほー。恒一君。今すぐ生徒指導室行こうか?」

恒一「う……うわああああ怜子さん!!
   全然気づきませんでした。いつからそこに!?」

怜子「>>3あたりから。小椋さんも指導室行きましょうね?」ギロ

小椋「いやぁ!! 誰か助けてえ!!」


久保寺「待ちなさい三神先生!! 彼らの話を聞き終えてからでも
     遅くないでしょう!? 早まった行動に出るのは止めなさい」

怜子「どう考えても指導するべきだと思うんですけど?」

望月「なら洗いざらい罪を話してもらった後の方がやりやすいですよ!!
    榊原君は何人か妊娠させてるそうですし、
    最後まで耳を傾けましょう!!」

怜子「……はぁ。もっちーにそう言われたら弱いのよね」

望月(も……もっちー? 今なんて呼ばれた?
    僕はあの三神先生にもっちーて呼ばれたのか? うわああ!!)

鳴「モンスターファーム2に同名のキャラいたよね」

恒一「あぁ。あのゲームね。90年代にはたぶん発売してないけどね。
    それと望月、教室でパンツ脱ぐのは止めてくれ」

赤沢「メタネタはいいから話を進めなさい」

恒一「うん。有田さんは服も着させられないまま家に帰された。
    繰り返すけど初めから全裸だったから問題ないよね?
    でも彼女の心境はどうなる!? わざわざ逢引に来てくれたのに!!」


杉浦「つーか女の子が全裸で町をふらつくとかどうなのよ?」

鳴「夜見北じゃ日常風景よ?」

佐藤「そうでしたっけ?」

王子「細かいことはどうでもいいじゃん。まあ有田さんから
   すれば気の毒だよね。榊原君とやれなかったんだから」

恒一「僕は有田さんがあまりにも可哀そうなので
    翌朝、自宅まで迎えに行ってあげたんだ。
   有田さんのお母さんとにも挨拶したよ」

小椋「あのさぁ。それって付き合ってるって言わない?」

恒一「そうかなぁ? それで僕は昨日のことを謝ったの。
   有田さんは優しく微笑んで許してくれたよ。

    家でもよく追い出されてるから気にしてないって。
    父親からは勘当されかかってるんだってさ。素敵だよね?」

小椋「いや、やばいでしょ。すでに家庭崩壊寸前じゃない」

恒一「突然だけど、常識と偏見の違いってなんだろうね」

小椋「本当に突然ね」

恒一「僕は有田さんのお父さんにも挨拶したんだけどね。
    娘さんは貰いますよって冗談で言ったら本気にされた」

小椋「そりゃそうでしょ」

恒一「泣いて喜んでたよ。こんな娘いらないから早く
    なんとかしてくれって」

小椋「……」←絶句

恒一「いくら親子でも仲悪すぎでしょ。あの人は自分の娘の良さが
    分かってないんだ。有田さんは素敵な人だよ? 
    確かにちょっと変態なところもあるけど」

小椋「というか完全に変態じゃない」


恒一「そんな馬鹿な!! 毎朝少し早く登校し、
   僕の上履きの匂いを嗅いでるだけじゃないか!!」

小椋「十分に変態ね」

恒一「他にも僕の体操服に愛液を吹きかけたり、
   リコーダーの先端だけ自分のと入れ替えたり……」

小椋「頭痛がしてきたわ」

恒一「そして有田さんが作ってくれるお弁当は、なぜか血の味がするんだ」

小椋「まさかのヤンデレ!? 浮気したら刺されるわよ?」

恒一「調教してるから平気だよ。新ジャンル・ヤンデレを調教した」

小椋「確かに新しいジャンルね。従順なヤンデレか」

恒一「それより問題は僕のオナネタだ」

小椋「話が振出しに戻ったわ」


恒一「自宅でオナニーできないのがどれだけ苦痛か、
    想像してみてくれ」

小椋「まあ欲求不満だとつらいかもね。思春期だし。
    オカズがないなら想像じゃだめなの?」

恒一「まるでマリーアントワネットみたいな発想だ。
    オカズがないなら想像すればいいじゃないってことかい?
    やってみたけど駄目だったよ」

小椋「どーして?」

恒一「僕は想像力がないからいっつも金木さんの全裸ばっかり
    頭に浮かぶんだ。嫌がる彼女を無理やり松井さんから
    引きはがして……うひひ……」

小椋「キャラが変わってるわ」

恒一「ごめん。そんなわけで金木さんの裸しか思い浮かばないんだ。
    同じネタじゃ三日で飽きちゃうだろ?
    さっきから話題にしちゃってごめんね、金木さん」

金木(ちょ……いきなり話振られても困るわ)


恒一「ねえ金木さん? さっきから下向いて顔真っ赤にしてるけど
    どうしたの? 具合悪いなら保健室連れてくよ?」

金木(な、なによ榊原の奴、ちょっと顔が良いからって調子に乗って。
    ……私だってあいつのこと嫌いってわけじゃないけど、
    変態みたいだし、どう接したらいいか分からないわ)

中尾「さっきから鳴ちゃんが息してねぇ。災厄か」

鳴「はぁはぁ……」ぐったり

恒一「うあああああ!! 見崎さんが倒れてるぞ!!
   息が苦しそうだ!! 人工呼吸しないと!!」

望月「うわああああ!! 大変だ!! さあ誰か早く人工呼吸を!!」

シーン。

恒一「うわあああ大変だ!! 誰も挙手しないぞ!!
   ここは僕が人工呼吸しないといけないのか!?」

わー わー パチパチ パチパチ


恒一「よーっし。今たすけるぞ見崎さん!!」サワサワ

見崎「あの……榊原君……」

恒一「死にそうな顔した見崎さん、どうした!?」

見崎「服を脱がさないで下さい……」

恒一「ごっ、ごめん。わざとじゃないんだ……
   わざとじゃ……」ヌギヌギ

見崎「あの……榊原君……」

恒一「人形のような顔した見崎さん、どうした!?」

見崎「アソコをブラブラさせないで下さい」

恒一「ごっ、ごめん。つい条件反射で全裸になっちゃった!!
   てか君割と元気じゃない? アソコも濡れてるし」

見崎(……)ギクッ


恒一「ちなみに今僕と見崎さんは全裸です」

見崎「言わなくていいから!!」アセアセ

小椋「見崎さん、元気そうでよかったわ。
    早くパンツ履いてよ」

見崎「うっ……うん。それより榊原君、
    どうして私のこと見崎さんって呼ぶの?」

恒一「いけなかったかな? 親しみを込めてさん付にしたんだけど」

見崎「むしろ遠ざかってるから!!」

恒一「じゃあ未咲って呼ぶね」

見崎「みさき違いだから!! 死んでるから!!」

小椋「ねえ、二人はどういう関係なの?」


恒一「美青年とストーカーです」

小椋「ええっ」

恒一「転校初日から質問攻めにあい、
    家まで着けられました」

鳴「全部逆じゃない!!」

恒一「そうだね。実はストーカーなのは僕の方なんだ。えへへ///」

鳴「なんで照れてるの?」

恒一「君のお母さんとした時の事を思い出しちゃったんだ」

鳴「は?」ゴゴゴゴゴ

恒一「囲碁をしたんだ!!」

小椋「そっち?」


恒一「僕はあと数手で負けが確定しそうだった。
    やけになった僕は、霧果さんの
    スカートを脱がして形勢逆転した」

鳴「は?」ゴゴゴゴゴオ

恒一「落ち着いてくれ鳴ちゃん!!
    ちょっとしたイタズラじゃないか!!」

鳴「でもスカート脱がしたんでしょ?
   人の親に何やってんの?」

小椋「気持ちは分かるけど押さえなさいよ。
    榊原君は初めからおかしな人じゃない」

恒一「失礼な!! 僕も下半身裸だったんだからフェアだろ!!」

高林「どう考えてもフェアじゃないね。人妻まで守備範囲とか……」

恒一「何言ってるの。幼稚園児に射精するよりましでしょ?」


小椋「よ……」

鳴「幼稚園児……?」

松井「まさか榊原君はそっち方面にも興味が……?

恒一「バカにしないで。箪笥をあさり、鳴の下着にも僕の匂いをつけた」

鳴「人の下着に何やってるの。いい加減にして」

小椋(恒一君ってやっぱり見崎さんにも興味あったんだ。
   てことはロリもいけるってこと?)

恒一「そうだよ」

小椋「人の心を読まないで!!」

恒一「僕レベルの変態になると読めちゃうんだよね~。えへへ」

鳴「変態なのは自分で認めてるのね」


杉浦「ちょっと疑問があるわ」

恒一「なに?」

杉浦「榊原がとんでもない変態なのは分かったわ。
   でもどうして見崎さんには手を出してないの?
   いないもの時代は仲良かったじゃない」

恒一「見崎は男を食い物にするビッチだったんだ」

小椋「なっ……?」

鳴「違うわ」

恒一「オナニーするときは常に全裸らしい」

鳴「嘘言わないで!!」

恒一「じゃあ本当のことを言うよ。
   ストーカーしてるのが怜子さんにばれて
    怒られちゃったんだ」

小椋「何回怒られてんのよ」

恒一「ストーカーは人権侵害だから、きちんと謝りなさいって
   言われた。だから見崎の家に行ったらたまたま霧果さんがいて……」

鳴「待って。それ何時の話?」

恒一「深夜の二時くらいかな?」

鳴「……」←絶句

恒一「僕はストーカー時代のことを告白し、許しを得た。
   そして私のことならいつでもストーカーしてないと
    霧果さんは言い……僕たちは見つめ合って熱いキスを……」

鳴「その話ちょっと待って。榊原君たぶん病院に行った方がいい」

恒一「病院か。水野君のお姉さんを思い出すよね」

水野「え……?」

恒一「君のお姉さんにはお世話になったよ。オカズのない入院生活は
   辛かった。毎日布団に夢精しちゃってね」

水野「お……おう」


恒一「調子に乗ってお姉さんのお尻にも射精しちゃったよ。
   あははは。面白いよね?」

水野「全然笑えねえぞ!! 人の姉に何してんだ!!」

恒一「ナニをしたんだ!!」

水野「うっせえ!!」

小椋「つーかスレタイとかどうするのよ?」

鳴「カオスすぎて収集つかないよね」

望月「三神先生、暇つぶしに繋がりませんか?」

怜子「いやよ。毎日恒一君の相手して疲れてるから勘弁して」

望月「は……? 今何と?」

勅使河原「ま……まさかサカキの奴は先生とも……?」

恒一「大丈夫だ勅使河原。先生には毎日パンツを盗まれてるだけだ」

勅使河原「全然大丈夫じゃねえぞ!?」

辻井「それって近親相姦だよね?」

怜子「パンツを使っただけだからセーフでしょ」

恒一「叔母が僕のパンツをどう使おうが黙認してます」

赤沢「はっきり言ったわね。この学校もうだめじゃない」

久保寺「でもまだ終わっちゃいませんよ!!」

中尾「うおっ」

望月「びっくりした。久保寺先生も怒鳴ったりするんですね」

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夕飯タイーーーム!!


綾野「ぶっちゃけ叔母とエッチしても近親相姦罪にはならないでしょ。
    結婚できないってだけだよ」

怜子「さすが綾野さんは話が分かるわね。
    美術の成績5にしてあげるからね」

綾野「あまりうれしくないのはどうしてだろ?」

中尾「へえ。先生と榊原は結婚できないのか」

辻井「法律には逆らえないよね」

恒一「普段から全裸登校してる僕に関係あるとでも?」

鳴「どうでもいいから早く服着てよ」

小椋「あたしはもう見られちゃったわ。
    いないもの時代からずっとブラブラさせてるんだもん」


水野「そしてもう一人全裸なのがいるな」

有田「どうして私の方見てくるの?」

水野「おまえが全裸だからだ!!
    男子もいるんだから服着ろ!!」

江藤「でも有田の変態ぶりも慣れてきたからねぇ。
    今更怒る気にも慣れないわ」

風見「全裸で過ごすなんてハレンチの極みだ!!
    最近の学生はどうなってしまったんだ!!」
 
勅使河原「なあ風見。おまえも下半身が涼しいようだが?」

風見「ふっ。僕のはクールビズだ。奴らとは違うのさ。
    そうだよなゆかり?」

桜木「そうですねぇ。死んだ方がいいんじゃないでしょうか?」


恒一「うん。僕もゆかりさんに同意だな」

風見「うるさい!! 君にだけは言われたくないわ!!
    あとゆかりって呼ぶんじゃねえ!!」

恒一「そんなにゆかりって呼ぶの嫌?」

風見「次呼んだらぶっとばす!!」

鳴「そういえば榊原君の好きな声優って誰だっけ?」

小椋「誰だっけ。たしか田村……」

恒一「ゆかりだよ」

風見「てめええ!!」

怜子「ご飯にかけるのはゆかりね」

風見「先生まで便乗しないで下さい!!」

桜木(でも名前を連呼されると興奮しちゃいますね)ドキドキ


風見「ゆかりがドキドキしてる!!」

小椋「分かるわ。名前で呼ばれるとうれしいもんね。
    名前の呼び方って恋愛じゃ結構重要なのよ?」

鳴「そうなんだ。じゃあ恒一君。私のこと鳴って呼んで」

恒一「分かったよ、溟」

鳴「漢字が違う……」ショボーン

恒一「メイちゃん!!」

鳴「それだと↓ぽくない?」

望月「となりのトットロトットロ♪」

恒一「確かに。つーか高度なツッコミだね。
    この漫才って文章じゃないと伝わらないよね」

小椋「ねえ恒一君。あたしのことも由美って呼んでいいのよ?」


恒一「ねえ金木さん。アーチャーが使う武器と言えば?」

金木「え? 弓よね?」

小椋「そっちじゃないでしょ!! ふざけないで!!」

恒一「ごめんね恵さん」

多々良(えっ)ドキッ

小椋「あたしの名前は由美よ!!」

恒一「そうだね。さすがに悪ふざけが過ぎたよ」

鳴(てゆうか悪ふざけしかしてない)

恒一「由美さん。お義兄さんによろしく言っておいてくれ」

由美「んなあ!? お義兄さんって……」

怜子「き……聞き間違えよね? 
    てかなんで小椋さんのお兄さんの話になるのよ」


恒一「君のお兄さん、敦志さんって言ったよね?
    漢字あってるかな?」

由美「たぶん合ってるわよ。うちの兄貴がどうかしたの?」

恒一「この前コンビニで偶然会ったんだ」

由美「引きこもりの兄と会うなんて本当に偶然ね。
    あいつが外出するなんて数か月ぶりかしら」

恒一「僕は挨拶しようかと思ったんだけど
    うわああとか言って逃げ出しちゃってね」

由美「おかしいでしょ。榊原君なんかしたの?」

恒一「さあ。僕はアイスを買いに来ただけなのにおかしいよね。
    気になったんで後を追いかけた。お兄さんはすぐ捕まったよ。
    足が遅かったからね。それで逃げた理由を訊いたんだ」

由美「ふむふむ。それで?」


恒一「敦志さんはこう答えた。君が全裸だから恐ろしくなって
    逃げたんだって。そうだよね。最近町じゃ露出魔が
    出没するって言うからね」

鳴「まさかその露出魔って……」

恒一「僕じゃないよ? 学校で忙しいのに
    そんな暇なことやってる時間ないよ」

小椋(ほっ。恒一君じゃなくてよかった)

恒一「僕は穴掘り魔として警察から追われてるだけだ」

鳴「ちょ……!?」

恒一「主に男性のケツを開拓することに情熱を注いでいる」

川堀「ウホホー!?」

勅使河原「マジかよ……守備範囲広すぎて宇宙みたいだぜ……」

恒一「勅使河原。今のは冗談だ」

勅使河原「嘘かよ!!」


恒一「つまんない嘘ついちゃってごめん。
    敦志さんが逃げた理由は最初から分かってる。
    僕が衣服を身にまとってなかったからだね」

小椋「まあ逃げる理由としては十分ね」

鳴「コンビニでも全裸とか……」

有田「夜見北なんて店長も全裸ですよ?」

江藤「この町はどうなってんのよ……。
    むしろ服を着てる方が異常みたいじゃない」

恒一「人間なんて人の殻をかぶった化け物だよ。
    鳴だって金木さんと松井さんの写生を
    快く引き受けてくれたし」

勅使河原「ちょっと待て。写生ってことはモデルが必要だよな?」

王子「てことは金木さんと松井さんは実際に全裸に?」

金木・松井「やってないわよ!!」

有田「モデルには私がなりました。もう一人は霧果さんです」


鳴「あれは力作だった。絵に射精されたのはショック」

勅使河原「そういうおまえも本気で描いてんじゃねえよ」

水野「なんでそんな誰得な絵を描いたんだ?」

鳴「私の性癖を美術部の後輩にばらすって脅されたの」

赤沢「興味深いわね」

綾野「見崎っちの性癖ってどんなだろ?」

佐藤「脅してるってこと自体はスルーなんですね」

恒一「鳴の性癖なら深夜のトイレで……」

鳴「言っちゃダメ!!」

恒一「うぎゃああっ!! 耳が壊れる!!」

勅使河原「サカキも簡単にばらすなよ。
       せっかく絵を描いてもらったのに」

鳴「私は遊ばれたの。春画を描いてあげたのに、
   用無しなったら即捨てられるのよ」

赤沢「ねえ恒一君。ヨーロッパ原産のバラ科ナシ属の植物、
    およびその果実のことを何て言うのかしら?」

恒一「洋ナシだね!!」

鳴「ひどい!! やっぱり私のことは遊びだったのね!!」

恒一「うん」ニコニコ

鳴「笑顔で肯定された!! もう死んでやるから!!」

恒一「おい見崎。早まるなよ。
    ベランダの先には校庭しかないぞ」

桜木「ちなみに風見君は今でも童貞です」

風見「こんな時に暴露するな!!
    校庭と童貞をかけるのって無理があるだろ!!」


怜子「実況中継します。ヤケクソになった見崎鳴さんは
   ベランダからダイブしようとしてます」

鳴「もういい。離して!!」ジタバタ

中尾「死んだら終わりだぞ!! バカな真似は止めるんだ」

恒一「みんなー、鳴はトイレでオナニーするのが好きなんだ。
   あとお風呂場でシャワーをアソコに
    当てて気持ち良くなってるらしい」

鳴「ちょっと!!なんでこの状況で!?」

恒一「もういい、話してって言ったじゃないか」

鳴「そっちじゃないし!! このやり取りもう疲れた!!」

川堀「なあみんな、落ち着いて話し合いをしようぜ」

前島「その通りだな。おい榊原。
    風見の前でゆかりんとラブラブセックスしろ」

恒一「でも桜木さんが嫌がるよ」

桜木「わ、私は構いませんよ?
   みんなの前じゃなければ……」

風見「ふざけるのもいい加減にしろ!! 
   僕が見逃すと思ってんのかあああ!?」

恒一「やっぱりキレたか。血を見るのも嫌だし、
    ゆかりさんとの愉しみは後に取っておくよ。
   とりあえず今は……金木さんだよね」

金木「ひっ」ビクッ

恒一「金木さん、今まで僕が送った
   ラブレターの数を覚えているかい?」

金木「お、覚えてるわけないでしょ?
    あんなの狂人が書いた手紙よ!!」

恒一「ふぅ。やれやれ。君は本当に物わかりの悪い子だ。
    あれは恋文というより僕の所信表明なんだ」


金木「意味分かんないわ!! こっち来ないで!!」

恒一「いいや、嫌だね。君は僕の気持ちを分かろうとしなかった。
    僕が怜子さんの過酷な圧政にある中、どれだけ君のことを
    想っていたか知ってるのか?」

金木「知りたくもないわよおお!! お願い誰か助けて!!」

恒一「なぜ逃げようとする? ちょっと縛りたいだけじゃないか」

金木「わ、わわわ私なんかより委員長のがおいしいわよきっと」

前島「そうだぞ、榊原。見せつけるようにしろ。
    そして桜木さんもその気になって激しくなる感じで」

風見「ゆかり、ここは危険だ。奴の暴走は僕が食い止める。
    君は先に逃げててくれ」

恒一「そして風見は亡き者になったのだった」

風見「勝手なナレーション加えるな!! クラス委員の力舐めんなよ!?
    これでも喰らうがいい!!」

風見が繰り出した一撃とは……?


風見「下手に動いたらこの女の命はないぞ?」

金木「うっ……」

小椋「金木さんが人質に盗られたわ」

松井「ちょっとぉ!! 私の杏子を離しなさいよねぇ!!
    その子男に触られると五秒でじんましんが出来ちゃうんだから!!」

恒一「へー。そういう体質の人もいるんだ。勉強になるなぁ。
    ちなみに僕は全裸じゃないと落ち着かないんだ」

小椋「世界一困った病気ね。それより彼女助けなくていいの?」

恒一「うーん。全身に鳥肌立ててる金木さんも乙だよね。
    鳴、デッサンを頼めるかな?」

鳴「分かった。タイトルは人質にとられてる女でいいかな?」

小椋「悪くなさそうね」

金木「それより私を助けてよおお!!」


恒一「こら金木さん。動くと鳴に迷惑でしょ。
    大人しく人質に取られてなさい」

金木「なんでよぉお!! あんた私のこと好きだったんじゃ
   なかったの!? ラブレター合計で47通も貰ったんだけど!?」

恒一「あの時は僕も若かった」

金木「ええ!?」

恒一「ちなみに僕、有田さんから128通貰ったからね」

小椋「桁が違うわね」

恒一「しかも文面がよだれで読めなかった。
   でも書いた人の気持ちって伝わるよね。
    これがデジタルとアナログの違い」

恒一「なあ風見君。ちょっと金木さんの服を脱がしてくれないか?」

風見「君は今の立場が分かってないのか? これ以上僕をおこらせ……」

恒一「ゆかりさんの秘蔵写真揚げるからさ」

風見「おい金木!! 殺されたくなかったら今すぐ服を脱ぐんだ!!」


金木「いやよぉ……私は亜紀といられるだけで幸せだったのに……
   どうしてこんなことになっちゃうのぉ……」ポロポロ

恒一「金木さん……」

金木「風見も榊原も許してよ……私なんにも悪いことしてない
   じゃない……なんで私を悲しませるようなとするの……?」

松井「うわぁぁん!! 杏子が可愛そうだよぉお!!」ポロポロ

恒一「……」

金木「ねえ榊原……お願い。もうあんたのこと
    ゴミ虫とか言うのやめるから」

鳴「金木さん、あなたの気持ちはよく分かったわ。でもね」

金木「え?」

鳴「恒一君、ずっと勃起してるよ? あなたが泣き始めた時から」


松井「何興奮してるのよ!! 榊原君、あなた変態よ!!」

恒一「えへ///」

鳴「またおっきくなった」

松井「褒めてないのにどうして元気になるの!?」

恒一「君が怒鳴るからだろ?」

勅使河原「まさか三神先生に怒鳴られてる時も?」

恒一「常にフルボッキでした。言うまでもないだろ?
    それと松井さんも思いのほか美少女だよね。
    あとで僕のオナネタコレクションに追加だ!!」

松井「いやあああ!! 想像しただけで吐き気がするよぉ!!」

怜子「こら恒一君!! オナネタは三人までって言ったでしょ!!」

小椋(さ、三人って誰なのかしら?)

恒一「まだ由美さんは含まれてないから安心して」


小椋「まだってことはこれから含まれるかもしれないってこと?」

恒一「そうだね。あと望月もその内入る予定かな」

望月「ぐぎゃあああ!! 今のは聞かなかったことにしたい!!」

柿沼「なんか興奮してきました」

川堀「俺もだぜ」

風見「なあ、ふと思ったんだが……」

恒一「なに?」

風見「榊原君って金木さんと席隣だよな?」

恒一「そういえばそうだったね」

風見「やっぱ授業中とかチラ見とかするのか?」

恒一「どっちかというとスカートの中を盗撮してるかな」

金木「ひぃ!!」


恒一「もちろんばれないようにやったから平気だよ。
    そうだよね、金木さん?」

金木「ふ、ふざけないで!! 完全にセクハラじゃない!!
    いつか警察に通報してやるんだから!!」

恒一「まあ話を聞いてくれ。ある日、登校した金木さんは椅子に座ると
    違和感を感じる。どうもいつもの椅子より柔らかかった。
    不審に思い、よく確かめると……」

小椋「恒一君だったんでしょ?」

恒一「巨大なダッチワイフだったんだ。四つん這いの体勢のね」

鳴「学校になぜそんなものが!?」

恒一「望月に借りたんだ。アニメのキャラの顔した奴。結構高いらしいよ。
    そんで金木さんの椅子は僕が存分にペロペロした」

金木「身の毛もよだつわ……」ゾクゾク

恒一「そんなに怖がらないでよ。
    六十回くらいしか舐めてないから」


金木「二度とその椅子使えないじゃない!!」

恒一「僕もそう思ったから勅使河原のと変えちゃった。
    ベタベタしてて気持ち悪かったんだもん」

勅使河原「サカキ、てめえ!! 全然気が付かなかったじゃねえか!!」

中尾「さっさと誰かとセックスしろよ
    ってかこの会話茶番やめて行動しろ」

恒一「だってさ金木さん。もう茶番は終わりにして、
    誓いのキスをかわそうか?」

金木「ちょっと……ん……」

目と目が合う瞬間、好きだと気づいた~♪

あんなに嫌いだった男なのに、こんなに
情熱的な目で見られたら断ることはできなかった。

亜紀だって見てるのに、金木杏子はキスを
やめることができなかった。


金木は風見に背後から羽交い絞めにされてる。
つまり両手の自由はなく、榊原を除けられない。

だが、それとは無関係に……

(やだ……こいつの唇気持ちい……)

その表情は恍惚としていた。

もし腕が自由だったら、榊原を抱きしめ帰してたかもしれない。
そんなバカな考えが脳裏をよぎる。

恒一「どうだった? 初めての男とのキスは?」

金木「そうね……悪くなかったわ。少なくともあんたならね」

恒一「よかった。喜んでくれたみたいでうれしいよ」


恒一の手が金木の頭に伸びる。

「あっ……」

思わず声が出たことに自分でも驚く金木。

いつも亜紀を可愛がってばかりだったから、
他人に撫でられることはなかった。

照れくさくて懐かしいような不思議な感覚。
金木は何も話さずしばらくそのままでいた。


恒一「好きだよ? 金木さん」

金木「う……うん。ありがと。でも私には亜紀が……ん……」


文句を言う口は、キスによって塞がれてしまった。
さっきよりも情熱的に、唾液を交換し合いながらの
大人の口づけ。金木の身体がぐんぐん熱くなっていった。


世の中の男なんて愚図ばっかりだと思っていた
そんな彼女の世界が変わろうとしていた。

閉じられた扉が開く瞬間、その先で待っていたのは
榊原恒一という名の少年だった。

席が隣なだけで、ほとんど話したことのない転校生。

でも今は、こんなにも近くにいる。

こんなに近くで自分のことを好きと言ってくれてる。

すごく……うれしかった。


金木「あのさ……今度は私からキスしてもいいかな?」

恒一「いいよ。金木さんの好きにして」

すでに風見は逃亡した。金木は両手を彼の背中に回し、
抱きついた。胸の鼓動の高まり。
密着するとより意識してしまう。


二人はまた舌を絡ませ、キスに没頭した。

ここは教室なので全員から注目を浴びてるのに
おかまいなしだ。愛ゆえに狂ってしまったのだ。

恒一は全裸で金木だけ服を着てるという
アンバランスな組み合わせだが、細かいことはスルーした。


恒一は金木の上着を脱がし、ブラを見る。
色気を感じさせるブラだった。ホックを外して
中身の大きさを確認。

「うおお……」

思わずうねる。

「好きにしていいのよ?」

その一言で恒一のリミッターは外れる。
豊満な果実を貪るように吸い付いた。


恒一は金木に頭を撫でられながら赤ちゃんプレイを続けた。
金木の胸があまりにも気持ちよくていつまでも
そうしていたかった。


怜子「不純異性交遊っと……」メモメモ

鳴「年増の三神先生、何書いてるんですか?」

怜子「あとで校長に報告しようかなって。
   とりあえず二人とも退学かな?」

小椋「退学なんてかわいそうですよ!!」

怜子「でも教室であそこまでやるのはアウトでしょ?」

高林「セ、セーフですよ!! 彼らだって事情があるはずです!!」

鳴「でも恒一君って終始全裸だったよね。
   しかも金木さんのストーカーみたいだったし」

久保寺「だからってまだ終わっちゃいませんよ!!」


このように、色々と不満は出た。

だが、愛し合う二人にとって雑音に過ぎない。
ラジオのノイズのように聞き流せばいいのだ。

それにしても、一番納得できないのが彼女だった。


松井(あの二人だけ気持ちいことしてずるいよぉ。
    榊原君に杏子盗られちゃうなんて思わなかッた……。
    もう杏子は私のモノじゃないのね……どうしたらいいのぉ)


大丈夫だよ松井さんと恒一が声をかけた。


恒一「君は金木さんの親友だ。僕は金木さんを愛する以上、
    君を一人ぼっちになんかさせない。もう金木さんは
    疲れて寝ちゃったよ? 君もパラダイスへおいで?」

松井「私も……いいの? 一緒に居てもいいの?」

恒一「金木さんだってそれを望んでるよ。さあ、手を伸ばして」


壇上の周りにはスペースがあった。
床に軽く押し倒される松井。

求めるようにお互いの唇が重なり、
ネチョネチョと音を立てる。

松井の口腔はすぐに恒一の唾液でいっぱいになった。

「あっ……そこはだめえっ……んっ……」

キスをしたまま、松井の胸や下腹をまさぐっていく。
手つきがいやらしくて身体をよじらせる。

その姿が扇情的なので恒一を燃え上がらせた。

「そのまま大人しくしててね。すぐ気持ちよくさせてあげるから」

愛撫しながら丁寧に服を脱がしていき、ついに裸にしてしまう。
初めて見る松井の裸は美しかった。少女特有の幼さが残るものの、
部分的に大人になりつつある身体。

恒一は成長途中の胸に手を伸ばし、反応を確かめた。


「んっ……」

目をきゅっと閉じて耐えてる松井。

恒一の指示で足を開かされ、背後から触られる。
片方の手で乳首を、もう片方で秘所をいじる。

「あっ……気持ちぃ……もっと触ってっ……」

女同士でやるのとは根本的に違った。

やはり性行とは男女でやるべきなのだと、
この時改めて実感させられた。

身も心も彼に任せてしまっていいと思えるほどに。
快楽を教えてくれた彼になら。

「んんっ……」

一度だけ軽く達し、その後は本番となった。
クラス中が見守る中の本番は緊張したが、もう止まれない。


「あああっ……いいよぉ!! さかきばらくぅんっ……!!」

突いて突いて突きまくる。
単純作業の連続だが、意外と骨が折れる。

だが若い情熱は身体をさらに酷使させた。

松井が喘ぎ、名前を呼び、絶頂に達して果てる。

疲れたのためか、金木と同じように
寝てしまった彼女の髪を優しくなでる恒一。

他人だったはずの彼女が自分の妹のように
愛しく思えた。


怜子「もう気はすんだかしら恒一?」

風見「てめえら、観戦してる僕たちの身にもなれ。
    思わず全裸になっちまったじゃねえか」

望月「男子の大半はトイレに駆け込んじゃったよ」

あー 風呂ターイム


この騒動が終わり、三組の人間関係に変化が生まれた。
恒一は金木や松井と親しくなり、昼食など一緒に食べるようになった。

前回のセックスについては久保寺先生の許可を得て不問になった。

怜子は不満そうだったが、甥のパンツでオナニーするような
変態だったので文句は言えなかった。

さて、恒一が金木松井と仲良くしてるとイライラする人が何人か。
鳴や小椋由美、多々良恵や桜木ゆかりを代表に他多数である。

鳴は屋上の隅で恒一たちを見守ってる。

鳴「あのポジは私の者だったはず。
   どうして仲睦まじそうに三人で食べてるの」ジー

恒一「松井さんって料理上手だっただねー。
    僕が食べてもおいしいよ」

松井「あ、ありがと/// 料理得意な榊原君に褒めてもらえるとうれしいな」

金木「亜紀ばっかり褒められてずるーい。
    私も料理覚えよっかな。帰宅部だから家帰っても暇だし」


恒一「料理なんてすぐ覚えられるよ。
   あっ、よかったら僕が教えてあげようか?」

金木「いいねそれ。今日榊原の家行ってもいい?」

恒一「もちろんさ!! よかったら松井さんも来るかい?」

松井「いいの? じゃあ私もぜひ///」

鳴「ぐぬぬ……なんという展開……私も一緒に行きたいよぉ!!」ジー

見守ってるのは一人ではなかった。

小椋「ふぇぇ。あたしだって恒一君と遊びたいわ。
   スレタイに入ってんだから少しは優遇されたいわ」コソコソ

鳴「小椋さんじゃない。あなた、会話数なら女子でトップだから
  十分でしょ? じゃあ早く帰ってね」

小椋「冷たいこと言わないでよ。あたしたちは負け犬コンビじゃない。
   仲良くいきましょ? 一人で活動するより二人のが確実だわ」

鳴「活動って何やるの?」


小椋「主にストーキング活動ね。
   恒一君に悪い虫がつかないように観察するの」

鳴「すでに虫がついてますが」

小椋「なら、そいつらから奪い返せば良いのよ!!」

鳴「やる気満々だね。なんか私も勇気が出てきた」

小椋「でしょ? じゃあ今日からさっそくストーキング開始よ」

鳴「レッツ・ストーキング!!」

有田「あのぉ。それって犯罪じゃないですか?」

同じように影で見守っていた有田が突っ込んだが、
答えてくれる人は誰もいなかった。

夕方。

恒一「HRも終わったし、さあ行こうか」

金木・松井「うん!!」

三人組は三神家(※怜子の家)へ向けて出発。
鳴、小椋も尾行開始である。


三神家。

金木「へえ。ここが榊原君の部屋なんだ」

恒一「適当なとこガサ入れしていいよ。電動バイブとか
    オナホとか自筆の同人誌とか出てくるから」

松井「なによそれ。本当に変態なんだから。あはは」

恒一「あと僕のことは恒一って呼んでね」

金木・松井「私たちのことも下の名前で呼んでいいからね」

恒一「おk。それじゃ調理場に行こうか?」

ガガタタタタ

一同「……?」

恒一(なんだ今の音? 泥棒でもいるのか?
    まあ怜子さんが帰れば退治してくれるだろ)


キッチン。

恒一「初めてだからカレーでも作るか!!」

金木「いいわねカレー」

松井「まずは野菜切るとこからねー。
    最初にお水で洗いましょー」ジャー

金木「ほー。さすが亜紀は手際良いわね」

恒一「慣れだよ慣れ。かね……杏子さんもいつか
    こんな感じになれるよ。材料となる野菜を
    切ってから鍋で炒めるんだ」

金木「むむ、切るのって結構コツがいるわね」

恒一「慣れないうちはゆっくりでいいからね」

金木「ああっ。足を切ってしまったわ!!」

恒一「金木さん、そこ足じゃなくて手の指だよ!!」

金木「はぁはぁ……出血多量で死にそう……。
    お願いだから指チュパして?」


恒一「望むとこだ!!」

金木「ああっ……いやらしい目つきの恒一君に指を舐められてるわ!!」

松井「ちょっとぉ。二人とも真面目にやりなさいよね」

恒一「でも止められない止まらない」

金木「んっ……んはぁっ……やだ……もうだめ……」

松井「杏子ったらしょうがないわねぇ。
    痛いならばんそうこう張った方がいいよ?」

恒一「よし!! 取ってくる!!」

松井「あっ。待ってさかき……恒一君!!」

恒一「ん? なんだい?」

松井「裸でエプロンしてるのはどうかと思うから
    服は着たほうがいいと思うよ?」

恒一「良く考えるとそうだね。
    じゃあ、ついでにズボンとか履いて来るよ!!」


自室へ戻る。

恒一「ふぅ。服を着ると新鮮な気分だな。ゴムの締め付けとか

   ウザったく感じるよね。僕だけかな? 
    さて、ばんそうこうも取ったし戻るか……」

少し沈黙。

恒一「僕の布団の中に鳴と由美さんがいるのは気のせいってことに
   しておくよ。うん。そうした方がいい。じゃあね二人とも」ガラッ

鳴「ほっ。行ったみたいね」

由美「変なとこに隠れたからばれちゃったじゃない」

鳴「まさか部屋に戻ってくるとは考えられなかったのよ」

由美「これからどうするのよ?」

鳴「リモコンバイブを見つける。恒一君の性癖を知りたいから」

由美「ふぅん。あんたも私も暇人よね」


キッチンに戻り、金木の指を治療。

松井「炒め物はこうやってするのよ?
    火の強さはこれくらいでささっとやるの」

金木「おーさすが亜紀。勉強になるわ。私にもやらせて」

松井「火傷しないようにね?」

金木「うん」

恒一(金木さんもやる気になってくれてよかった。
    僕としても料理好きが増えてくれるのはうれしいよ。
    最初は女っぽい趣味かなって思ったけど今では
    よかったと思ってる。それより由美さん達どうしよう)
 
慣れないながらも松井や恒一の助言を受け、
なんとかカレーを完成させる金木。

まだ完璧とは言えない出来だけど、
彼女なりに頑張って作った。一緒に食べた恒一も松井も
おいしいと言ってくれた。金木は何よりそれがうれしかった。


三人で談笑しながらの食事は終わった。
時刻はちょうど六時前。
少し早い夕食となってしまった。

恒一「ねえ二人とも。実はどうしても話さないと
   いけないことがあるんだ」

松井「改まってどうしたの?」

恒一「実は……僕の部屋にくせ者がいる」

金木「な、なんですってー!?」ドンガラガッシャーン!!

松井「杏子驚きすぎ。くせ者って泥棒ってこと?」

恒一「それに近いかな? 困ったことに僕のよく知ってる人なんだ。
   ……小椋さんと見崎さん」

金木「ちょ……あの二人は呼んでないんでしょ?
    完全に不法侵入じゃない。怜子さんに言いつけちゃえば?」


恒一「いや、それはまずい」

松井「どして?」

恒一「実はね、怜子さんはかなり切れる人なんだ。
    僕への執着がすごいから他所の女を排除したがる」

金木「うわぁ。恒一君も苦労してるのね」

松井「もてる男は辛いねぇ」

恒一「うん。それでもうすぐ帰ってくる時間なんだ。
    僕の部屋を開けられたら一巻の終わり。
    二人はたぶん、生きて帰れない」

金木「そんなに大げさなことなの!?」

松井「あの二人やばいじゃーん!!」

怜子「ただいまー。恒一君」ガラガラ

恒一(もう帰ってきたか。早く鳴たちを逃がさないと!!)ダダダダダッ


怜子は恒一の部屋に向かって歩いていた。
帰って早々説教をしようと思ってたからだ。

今日の学校での蛮行、筆舌に尽くしがたかった。
教師としても親としても、甥を叱る必要があった。

恒一君、入るわよ? と扉を開けたところ、

由美「あっ……恒一君のバイブ気持ちいよぉ」ブルブル

鳴「ほらほら小椋さん、どうしたの? よだれ垂れてるよ?
   恒一君のバイブはそんなに気持ちよかった?」

怜子「……」

由美「……あんっ。強くしちゃだめよぉっ!!」

鳴「うふふ。そんなによだれ垂らしちゃってみっともない。
  あっ。三神先生。おかえりなさい。今日もお勤めご苦労様です」

怜子「てめえら……」ゴゴゴゴゴゴ


怜子が怒りに任せて怒鳴り散らそうとした時、
ようやく恒一が到着した。

恒一「一体何が起こってるんですか怜子さ……ん? え?」

由美「あっ!! こっ恒一君があたしを見てるっ……
    だめええっ……気持ち良すぎてもうイッちゃうう……!!」

鳴「聞いて恒一君。私は無理やり付き合わされてここに来たの。
   そしたら小椋さんが一人でオナニー始めちゃってこの有様なの」

由美「んなああっ……あんたが着いて来いって……言ったんでしょ!!」

恒一「」

怜子「どっちが悪者でもいいわ。見崎さんもパンツ脱いでることから
    変態なのは明白ね。さーて、久しぶりに怒っちゃおうかな♪」

恒一(まずい。最悪の場合殺されるぞ二人とも……)ゾク


恒一「待ってください怜子さん!!」

怜子「なに? 何を待てばいいの?
   小椋さんと見崎さんは今災厄の犠牲になることが決定したのよ?」

恒一「それじゃ災厄じゃなくて人災ですよ!!
   自分の教え子を手にかけなくてもいいじゃないですか」

怜子「でも私の大切な甥っ子の部屋でオナニーしてたのよ?
   あれって恒一君が九歳の誕生日に買ってあげた
    電動バイブじゃない」

恒一「覚えててくれたんですね。当時の僕には早すぎるおもちゃでした」

怜子「人の記念品を勝手に使うなんて許しがたいわ」ゴゴゴゴ

鳴(やばい。早めに逃げたほうがよさそうね。
  小椋さんは置いて行こう)

恒一「……鳴。それはいくらなんでもクズすぎだよ」

鳴「人の思考を読まないで!!」


恒一「でも僕って変態だし」

鳴「理由になってないよ。
   思考を読むとかすごすぎ」

恒一「ちなみに三組女子の整理周期まで把握してます」

鳴「もはや超人並みの変態!!」

怜子「変態も極めればこうなるのよ。
    見崎さんと小椋さんもかなりの変態みたいね」

小椋「家のクラスって変態多いですよね。
    特に自分の甥に手を出そうとする年増の先生とか」

怜子「よ……よく聞こえなかったわ。もう一度言ってもら……」

恒一(もうだめだ。これ以上は火に油。もう怜子さんにキスしかない)

恒一「怜子さん!! 突然ですけどキスしてください!!」

怜子「……なっ!!」


小椋「何言ってるの恒一君!!」

鳴「その年で年上好きになるのは止めた方がいいよ?」

恒一(君たちの命を救うための暴挙なんだ。
    いちいち文句言わないでくれ)

怜子「恒一君、それは私のことが好きってことでいいのかしら?」

恒一「想像にお任せします。とにかくキスさせて下さい。
    いえ、むしろあなたの唇を奪います」

怜子「ちょ……生徒たちが見てる前はさすがに……」

恒一「そうですか? じゃあ今日の夜にしましょう。
    お風呂上りなんてどうですか?」

怜子「い、いいわね。楽しみにしてるわ」ドキドキ

鳴・小椋(そう簡単にやらせはしないわ)


なんだかんだして女の子たちは帰って行った。

そして夜である。恒一は遅くまで金木や松井とメールして
過ごした。今や彼女らは立派なパートナーであり、友達だ。
雑談の他にも悩み事相談もしていた。

恒一は恋愛スパイラルをどうやったら乗り切れるかと
訊いたのだが、私と亜紀のことだけ考えてればいいのよと
軽く返事されて困った。

でも難しいことを考えないのが金木らしくていいなと思った。

怜子「恒一君。夜が来ちゃったわね」ガラッ

恒一「そうですね。今日はいつもより色っぽいですよ怜子さん」

怜子「ありがと。お世辞でもうれしいわ」

恒一「いいえ。本心ですよ。実際怜子さんの身体に欲情しない

    わけないじゃないですか。肉親じゃなければ夜のオカズ
    にしてたところです」

怜子「だったら今夜は直接味わってくれていいのよ?」

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