中島「おーい磯野、バンドやろうぜ」(153)

中島「磯野は好きなパートやっていいよ。」

カツオ「バ、バンド?」

中島「そうだよ。僕はビートルズを超えるんだ。」

カツオ「でも、俺は音楽詳しくないし。」

中島「何言ってるんだよ磯野。かおりちゃんはビートルズ大好きなんだよ。
   この前、空き地でPlease Please me を歌ってるのを聞いてしまったんだ。」

カツオ「え、本当か?」

中島「本当さ。これで僕たちがビートルズを超えればかおりちゃんも僕たちの肉便器だよ。」

カツオ「よしっ。やるよ。」

中島「さすが磯野~。」

カツオ「じゃあ、僕はギターやるよ、中島は?」

中島「僕はボーカルやるよ。」

カツオ「え、楽器はやらないの?」

中島「何言ってるんだよ磯野。僕は楽器出来ないよ。だから、ボーカルだけやるよ。」

カツオ「・・・」

カツオ「バンドってあと何が必要なの?」

中島「最低でもベースとドラムはいるなぁ~。」

カツオ「じゃあ、あと二人か。」

中島「それにあともう1本はギター欲しいから3人は探さないと。」

カツオ「ギターは僕がいるだろ?」

中島「・・・やれやれ。磯野は何も知らないなぁ。ビートルズだってギター2本あるだろ?
   それに磯野はリード弾けるの?チョーキング出来るの?カッティング出来るの?
   磯野は指の細かい作業苦手だろうし、リード弾けるやつ欲しいよ。」

カツオ「そもそも中島がやればいいんじゃ」ぼそ

中島「とりあえず、磯野も誰かメンバーを探してくれよ。僕も探してみるから。」

カツオ「う、うん。わかった。」

中島「それと、ギター早く買いなよ。あまり安すぎないやつが良いって聞いたから、最低でも5万ぐらいの買いなよ。
  あと、アンプも5万ぐらいの買いな。それと、練習すぐしたいから1週間でパワーコードは全部弾けるように
  しといてくれよ。」

カツオ「え、パ、パワーコード?」

中島「じゃあ、任せたぞ。」
タタッ

カツオ「ただいま~。」はぁ

マスオ「あれ、カツオ君、どうしたの?元気ないねぇ。」

カツオ「実は中島にバンド誘われてさ。」

マスオ「えぇぇ~~。カツオ君バンドやるのかい?」

カツオ「でも、ギターもないし、パワーコード?もわからないから困ってるんだよ。」

マスオ「・・・よし、僕が力になってあげるよぉ。」

カツオ「え、マスオ兄さんが?出来るの?」

マスオ「おいおいバカにするなよぉ。僕も学生時代はバンドやってたんだ。
    それにギターだよぉ。」

カツオ「え、ギター弾けるの?」

マスオ「弾けるなんてもんじゃないさぁ。僕のあだ名は日本のボブディランだよぉ。」

カツオ「よくわからないけどすごいや。」

マスオの部屋

マスオ「サザエには言わないでくれよぉ。」
ごそごそ

カツオ「え、物置にすごいギターがたくさんある!!」

マスオ「給料を渡す前に天引きしてギター代の足しにしたんだよぉ。」

カツオ「姉さんには言ったの?」

マスオ「言えるわけないだろぉ。言ったら殺されちゃうよぉ。」

カツオ「そっかぁ。」にやり

マスオ「口止め料にこのギターあげるから。」

カツオ「な、なんだこのギター重いよぉ。」

マスオ「まぁちょっと安物だからね。我慢してよ。」

カツオ「このギターいくら?」

マスオ「う~~ん、これは2万だったかなぁ。」

カツオ「それじゃダメだよ。中島に最低でも5万のギターじゃないとダメだって言われてて。」

マスオ「えええ~~~!?五万~~~!?そんなのあげないのよぉ~。
    ガキのくせに調子乗りすぎだろ中島ぁ~~。」

カツオ「それより、僕、こっちのギターの方がいい。」

マスオ「ちょ、そ、それはホワイトファルコンじゃないかぁ~。
    僕が一番大事にしてるギターだよぉ~~。」

カツオ「これはいくら?」

マスオ「これは知り合いに20万で売ってもらったものなんだよぉ~。
    これは無理だよ。」

カツオ「姉さ~ん!!」

マスオ「やめてくれ~~~~~。」

カツオ「姉さんじゃなくてもお父さんに言うよ!!」

マスオ「頼むからそれだけは!!」

カツオ「じゃあ、そのギター頂戴。」

マスオ「わかったよぉ~~。じゃあ、あげるよぉ~。」

カツオ「やったーーーーー!!」

マスオ「ううう」ぐしぐし

カツオ「マスオ兄さんもしかして泣いてる?」

マスオ「泣いてるよぉ~~。どれだけ手入れしたと思ってるんだよぉ~~。」しくしく

カツオ「あと、アンプも頂戴。えーとこれでいいや。」

マスオ「げっ!!こ、これマーシャルじゃないかぁ。
    こ、これは勘弁してくれ。」

カツオ「母さ~~ん!!」

マスオ「わ、わかったよ。やればいいんだろ、やれば!!」

カツオ「やったぁ、楽器たくさんゲット出来たぞ。」

マスオ「ひどい目にあった。もうこれ以上は何もしないよ。」

カツオ「あ、あと一つだけ頼みたいんだけど。」

マスオ「まだあるのかい?もう許してくれよ。」

カツオ「マスオ兄さんに僕のバンドに入ってほしいんだ!!」

マスオ「え、ええええええええええええ。」

カツオ「頼むよ。ギター探してるんだよ。」

マスオ「ちなみに他のメンバーは?」

カツオ「中島だけだよ。」

マスオ「・・・中島君は何をやるんだい?」

カツオ「あいつは楽器出来ないからボーカルだけだって。」

マスオ「ふ、ふざけるなああああ。そんなバンドは僕は嫌だよ。 
    僕はサバンナ カンフー ジェネレーションっていう
    インディーズでは名の知れてるバンドのギターやってるんだよ。 
    代表曲の海の家まではオリコン12位に入ってるんだよ?
    それなのにそんな楽器出来ないからボーカルやるとかパワーコードも弾けないやつ
    とかふざけたバンドなんかにはいんなきゃいけないんだよ。」

カツオ「父さ~ん。」

マスオ「呼んでもいいよ!!でも、僕は入らない。」

カツオ「タラちゃ~ん、僕と遊ぼう!!今日は空手教えてあげる!!」

マスオ「え、か、空手?」

カツオ「空手ってことは組手もやらないといけないから、怪我させちゃったらごめんね?」てへぺろ

マスオ「わ、わかったよおおおおおおお
    入るよ~~~~~~~~~~~。
    入ればいいんだろクソがあああああああああああ。」

カツオ「無理に入んなくてもいいよ。
    他にも入りたい人はたくさんいるから。」

マスオ「は、入らせてください。」ギリギリ

カツオ「う~ん、マスオ兄さんがそこまで入りたいって言うならしょうがないなぁ。
   土下座したら入れてあげる。」てへぺろ

マスオ「は、入らせてください。」ギリギリ
ぺこっ

カツオ「しょうがないなぁ。頼りないギターだけど、使ってあげるかぁ。」

マスオ「あ、ありがとうございます。」ギリギリ

次の日

中島「お~い、磯野~。メンバー見つかったか~。」

カツオ「お、中島。ギター見つかったよ。」

中島「ホントか!!だ、誰?」

カツオ「マスオ兄さんだよ。マスオ兄さん学生時代にバンドやってたんだって。」

中島「なんだよ、素人かよ。あてになんねぇな。最低でもメタリカ弾けるレベルじゃないと
   使えないなぁ。」ぼそっ

カツオ「昨日はマスオ兄さんにずっと教えてもらってさ。
    朝まで教わったんだ。マスオ兄さん、仕事だから寝かせてくれって言ったけど
    指の動きを見るために1日中弾いてもらったんだ。  
    勉強になったよ。」

中島「そりゃいいね!」

中島「そんな素人のギター見てどうすんだよ。どうせならジャンヌタルクのmeのギターとかyoutubeで見ろよ。
   使えねぇなぁ。」ぼそっ

カツオ「マスオ兄さん上手いんだよ。さすが、サバンナ カンフー ジェネレーションのギターだね。」

中島「…ウクライナ21」

カツオ「クスクス」

中島「なんだよ、そのバンド名。」ははっ

中島「!?」

中島「磯野、今、何て?」

カツオ「サバンナ カンフー ジェネレーションって

中島「マジかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

カツオ「」びくっ

中島「マジかよマジかよ!!!!!!! サバカンのギターかよおおおおおおお
   ギターは確かMASUだったな。それでマスオさんか納得できる。」

カツオ「え、も、もしかしてすごいの?」

中島「すごいの?
   すごいわああああああああああああああああああああああ
   日本インディーズの柱!! 高い演奏力!! そしてボーカルの美声!!
   何より曲の完成度!!!!!  
   ルライト!!!! メラニン!!!!!! 遠く彼方!!!!!!
   全部名曲中の名曲だろおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

カツオ「・・・・・・」

中島「マジかよマジかよ MASUのギターがあればもう一気に俺たちメジャーまっしぐらだ
   生まれてきて良かったぁああああああ。
   生まれてきて良かったぁああああああああああ」

カツオ「マスオさんってそんなにすごかったんだ。」

中島「マスオさんじゃねぇよ!!!!!!!
   MASU様だ!!!!!!
   いくら磯野でもそれはゆるさねぇぞ!!!!!!!!」

カツオ「わ、悪い。」

中島「MASU様には敬語でも足りない。謙譲語を使え!!!!!」

下校途中

カツオ「やれやれひどい目にあった。」

カツオ「それにしても、マスオ兄さんがそんないすごい人だったなんて。」

カツオ「あれから、中島ずっと意志改正!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
    ルライトしてえええええええええええええええええええええ
    しか言わなくなったもんな。」

カツオ「でもこれでデビューに近付いて言ってるぞ。」

どぅんどぅんどぅんどぅん!!!!!!!!
ベンベンベンベン

カツオ「な、なんだ?この凄い音は?酒屋からだ」
ダッ

カツオ「あ、あれは、・・・サブちゃん!?」

サブ「・・・・・・」
どぅんどぅんどぅんどぅん!!!!!!!!!
ベンベンベンベン


店主「おい、サブ!!!!うるせぇぞ!!!!!!!
   静かにしろ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

サブ「す、すいません。おやっさん。」

カツオ「なんだろう、今の音。何の音かわからなかったけどすごかった。」

店主「ったく、近所に迷惑かかるだろ!!!!!
   いつまでミュージシャンの真似事なんてしてるんだ!!!!!!!」

サブ「す、すいません。」


店主「一度メジャーデビューしたのは良いが、それから人気は落ち始め、
   路上で野垂れ死にしそうになってたのを拾ってやったのはどこのどいつだぁ!!!!

サブ「お、おやっさんです!!」

店主「もう敗れた夢なんだ!!!!!
   いつまで女の腐ったのみてぇにやってんじゃねぇ!!!!!!!」

サブ「す、すいませんでしたぁ」

店主「ったく、次うるさくしたらたたき出すからな!!!!!!」

サブ「す、すいませんでした。」

店主「わかりゃいいんだよ。」
ザッ

サブ「・・・はぁ」



カツオ「サブちゃん」

サブ「カ、カツオ君!?」

カツオ「それ何て楽器?」

サブ「・・・これはベースって言うんだ。」

カツオ「え!?ベース!?これがベースなの!?」

サブ「どうしたんだカツオ君?」

カツオ「じ、実は今、僕と中島とマスオさんでバンドを組んでいて、
    それでベースを探しているんだ。」

サブ「・・・そうか。良いねぇ、楽しそうで。」

サブ「バンドはいいものだよ。とっても。」

カツオ「・・・サブちゃん、バンドやめちゃったの?」

サブ「・・・うん。いろいろあってね。」

カツオ「・・・何があったの?」

サブ「・・・僕は昔、マンコーイングステディっていうバンドを仲間とやっていたんだ。」

カツオ「へぇ~。聞いたことないなぁ。」

サブ「だろうね。すぐ解散しちゃったし。」

カツオ「・・・何で解散しちゃったの?」

サブ「音楽性の違いって言いたいんだけどね。
   残念ながら喧嘩別れさ。」

カツオ「・・・喧嘩しちゃったの?」

サブ「うん。僕たちのバンドはインディーズの時はいろいろやらかしてさ。
   俺たちがロックを変えるって言って、ライブ中にケツ出して、うんこしたりもしたし
   客に小便かけたりもしたっけなぁ。」

カツオ「えええええ!?サブちゃんが?」

サブ「そう見えないでしょ?でも、本当にやったんだ。
   あの時は何でも出来ると思ってた。
   あいつらと一緒ならロックを変えられる。・・・本気でそう思ったんだ。」

カツオ「それがなんで・・・?」

サブ「僕たちのメジャーデビュー曲、処女ソー・ヤングは大ヒットを飛ばしたんだ
   オリコン2位の大快挙。俺たちは余りの嬉しさに、ファンの処女と乱交パーティとかもしたっけなぁ。」

カツオ「処女?」

サブ「ああ、何でもないよ。
   でも、それも長く続かなかった。」

サブ「僕たちの処女ソー・ヤングはTVでも大々的に取り上げられた。
  でも、それが僕たちのバンドの崩壊の始まりだったんだ。」

サブ「あの人の中に出されたい ちんぽをしゃぶりたい
   処女ソー・ヤングの歌詞が悪影響を与えるって苦情が殺到してね。」

カツオ「ちんぽをしゃぶりたいってwwwwww」

サブ「カツオくんにはわからないかもしれないけど、この歌詞はネタじゃないんだ。
   好きな人とSEXをしたいって気持ちを歌った歌なんだよ。
   そりゃ少しはふざけたりもしたけど、この曲はおふざけの歌なんかじゃない。」」

カツオ「SEX?」

サブ「・・・何でもない。・・・話を戻そう。
   そうして俺たちは少しずつTVに出れなくなった。
   でも、それでも俺たちは頑張った。
   みんなに聞いてほしくて。
   報われない恋をしている人間、全員に。
   お前らは一人じゃないんだよ。悩んでるやつはたくさんいるんだよって。」

サブ「残念ながら、その思いは逆効果だったようだけどね。」

サブ「そして、僕たちは売春最高って曲を作った。
   最高の曲だった。ギターもドラムもボーカルも、そしてベースもね。
   この曲は他の曲に絶対負けてない。今でもそう言えるよ。
   でも、これが最後の曲になったんだ。」

カツオ「・・・」

回想

ボーカル「どうも、マンコーイングステディです。新曲を聞いてください。」

アナ「では、マンコーイングステディ、曲は、・・・売春最高?」

ボーカル「1・2・3・4」

全員「1・2・3・4!!!!!!」

ボーカル「あの子と手を繋ぐために ああ僕は今まで生きてきたの
     あの子の笑顔を見るためにああ僕は頑張ってきたの
     すっごくすっごくすっごくすっごく愛してて
     すっごくすっごくすっごくすっごく悲しくて
     置いてあるバイクを勝手に使って 高速道路を走り抜けるんだ
     だけど 悲しい話を聞いた あの子が肉便器なんて嘘さ~~」

ざわざわ

な、なんだ

に、肉便器!?

ボーカル「僕の恋がどうか実りますように あああ心がはじけてしまう ああああ
     寝付けない夜を優しく覆う愛のメロディ 抱きしめて今だけ優しくして
     寝付けない夜を優しく覆う愛のメロディ 抱きしめて今だけ優しくして
     あの子はどこかのおっさんと ホ別で10万~~~~~~」

全員「いええええええええええええええええええいいいいいいいい。」

ざわざわ

ディレクター「おい、止めろおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」

楽屋

マネージャー「はぁっ・・・」
ガチャ

サブ「ど、どうだった?」

マネージャー「・・・」ふるふる

サブ「そ、そんな!!」

ドラム「だから言ったんだよ。TVで肉便器とか言うのは嫌だって!!」

ギター「確かにTVだぜ。いくらなんでも公共の場でさ。」

ボーカル「な、何だと!?も、もういっぺん言ってみろ!!!!」

ドラム「何回でも言ってやるよ。お前の作った歌詞は全部下品なんだよ!!!
    下品!!!ゴミ!!!!!中学生のオナニー!!!!!!」

ボーカル「んだとコラァ!!!!!!」
ドゴッ

ドラム「て、てめぇ、やりやがったなコラァ!!!」
ガッ

サブ「ちょ、やめろよ!!」

ギター「一回落ち着け!!」

ボーカル「サブ、止めんなああああああああ!!!!!!!
     こいつはぜってぇぶっ飛ばす!!!!!!!」

ドラム「こっちのセリフだゴラアアアア!!!!!!!」

サブ「おい、いい加減にしろよ二人とも!!!!!!」

ドラム「サブ、引っ込んでろ!!!!!!!
    俺はもうこんな下品な野郎にはうんざりしていたんだ。
    それに俺は元々こんなやつどうでもよかったんだ!!!!!」

ボーカル「なんだと!?ざけんな!!!!
     てめえのずれまくってるドラムを寛容してやったのは誰だと思ってる!!!!!!!!」

ドラム「てめえじゃねぇよ!!!!!サブだろ!!!!!!!」

ボーカル「サブじゃねぇよ!!!!!!!俺だ!!!俺様だ!!!!!!!!
     このバンドのリーダーは俺だ!!!!!!!!」

ドラム「良いこと教えてやるよ!!!!!!!
    俺がこのバンドに入ったのはお前がいたからじゃねぇ!!!!
    サブがいたからだよ!!!!!!!!!」

サブ「ぼ、僕?」

ドラム「そうだよ。俺はお前の作曲センスを見込んでこのバンドに入ったんだよ。 
    お前の曲なら、ボーカルのくっそ下手な歌と聞くに堪えねえバッキングでも我慢してやってこれたんだよ。
    でも、こいつのクソきめえ歌詞のせいで全部台無しさ!!!!!!

ボーカル「て、てめえ!!!!!」

ドラム「お前も気づいてただろ?処女ソー・ヤングで苦情が来た時点でメジャーでは
    お前の気持ち悪い歌詞じゃ非難を喰らうって。
    だから、俺は歌詞をサブに頼んだんだよ。」

ボーカル「・・・サブ?」ちらっ

サブ「・・・」さっ

ドラム「でも、サブもサブだ。ボーカルの歌詞じゃないと、この曲は
    マンコーイングステディにならないって。
    お前も甘すぎんだよ!!!!!!!!」

ボーカル「サブ・・・」

サブ「・・・」

ドラム「全くサブも組む相手間違えたな。心底同情するぜ。お前の作曲センスなら
    俺とギターとサブと良いボーカルがいれば、Mr.childを超えるバンドが出来上がってたのに。
    お前も被害者だよ。同情する。」

サブ「そ、そんなドラムだって、マンコーイングステディの歌詞は最高だって!!!!!
   俺たちは報われない少年、少女のために歌おうって言ったじゃないか!!!」

ドラム「・・・それはインディーズだったからな。下ネタも許されたし、
    話題になるなと思って。
    ・・・けど、今は違う。今はメジャーだ!!! 
    俺たちはもうプロだ!!!!
    いつまでもちんこ出したり、けつ毛を客に食わせたり、
    ザーメン混ぜたカルピスをファンにぶっかけたりしてられねぇだろ!!!!!!!」
    ・・・もうそんなの出来ねぇだろうが!!!!!」

サブ「・・・ドラム」

ギター「・・・」

マネージャー「・・・」

ボーカル「じゃあ、どうしろって言うんだ!!!!!
     今さら、大衆受けを狙って綺麗な、ありがちな恋愛詞を書けってか? 
     ふざけんな!!!!!!!そんなのマンコーイングステディじゃあねぇ!!!!!!
     俺はそんなバンドは死んでもごめんだ!!!!!!  
     そこまでしないと売れないって言うなら、俺は売れなくてもいい!!!!!!!!!!!!」

ドラム「・・・そういうと思ってたよ。」

ボーカル「・・・ああ?」

ドラム「今まで世話になった。俺とギターは今日を持って、マンコーイングステディを抜ける。」

ギター「世話になったな。」

サブ「・・・う、嘘だろ・・・?」

ボーカル「ふ、ふざけんなああああああ!!!!!!!
     い、いきなり、み、認めねぇぞ!!!!!!!」

ドラム「悪いな。俺とギターは前から、話合ってて、次、何か問題をやらかしたら
    抜けようって決めてたんだ。」

ボーカル「他のドラムとギターはどうやって見つけるんだよ!!!!!!!!!!!!!」

ドラム「そっちで何とかしろよ。・・・俺とギターは日本の破滅に入る。」

サブ「そ、そんな、そ、そこまで、決めてたのかよ。」

ドラム「サブ、お前も来るか?お前の作曲能力と技術なら欲しいって言ってたぞ。」

サブ「・・・お、俺にはマンコーイングステディしかないから・・・」

ドラム「・・・そうか、残念だ。もっとお前とやりたかったよ。」

ドラム「じゃあな、ボーカル。元気でやれよ。」
ザッ

ボーカル「ま、待ってくれ!!」

ドラム「・・・」
くるっ

ボーカル「・・・俺にはお前らしかいないんだよ。俺は、俺はお前らじゃなきゃバンド出来ねぇんだよ!!
     だ、だから・・・」
がっ

ボーカル「俺と一緒にバンドやってくれ!!!!!!!!!!!!」
ザッ

ギター「ど、土下座なんてやめろよ。お前らしくねぇよ。」

ボーカル「俺はお前らとだからここまで来れたんだよ。
     お前らとじゃなきゃ俺は、俺は・・・。」
ザッ ガンッ

ギター「やめろって!!!お前のそんなの見たくねぇよ!!!!!!!」

ドラム「・・・ボーカル、もう無理なんだよ。俺とギターはバンドで食っていくしかないんだ。
    でも、お前の歌詞じゃメジャーでは売れない。・・・お前は歌詞を変える気はないんだろ?」

ボーカル「・・・」

ドラム「・・・さっきは言い過ぎた。俺はお前の歌詞は好きだ。
    お前の歌詞は最高だよ。」

ボーカル「・・・なら

ドラム「でも、売れなきゃ意味ないんだよ。」

ドラム「お前の歌詞では売れない。これは変わらない。」

ボーカル「・・・・・・」ぽたぽた

ドラム「楽しかったぜ、お前らとのバンドの生活は。
    一生、俺の宝物だ。・・・宝物だ。」
ザッ

・・・・・・・・・・・・・

ボーカル「・・・・・・・・・・」

サブ「・・・・・・・・・・・」

サブ「・・・・・マネージャーも帰ったね。」

ボーカル「・・・・ああ」

サブ「・・・ドラムとギター探さなきゃなぁ。」

ボーカル「・・・あとベースもな。」

サブ「・・・!? えっ!?」

ボーカル「・・・忙しくなるな、これから。」

サブ「ど、どういう意味だよ?」

ボーカル「・・・何が?」

サブ「・・・ベースもなって、どういう意味だよ?」

ボーカル「・・・そのままの意味だよ。」

サブ「お、俺を辞めさせるって言うのかよ!!!」

ボーカル「・・・ああ」

サブ「な、なんでだよ!!!マンコーイングステディは俺たちでやってきたバンドじゃねぇかよ!!!!!
   このままじゃマンコーイングステディは解散じゃねぇかよ!!!!」

ボーカル「・・・そうだ。マンコーイングステディは解散させる。」

サブ「なっ!?」

ボーカル「今までありがとな、サブ。お前の作る曲、俺は世界で一番好きだ。」

サブ「ふ、ふ、ふ
   ふざけんなあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
ガッ
ドガッ

ボーカル「・・・何すんだよ」

サブ「ふざけんな!!!!!!ふざけんな!!!!!!!!ふざけんな!!!!!!
   ゆるさねぇよ!!!!!!!!ゆるさねぇよ!!!!!!!!!!!!!!!!」

ボーカル「・・・もう決めたことだ。」

サブ「・・・っざけんなああああああああああああああ!!!!!!!!!」
バキッ

ボーカル「・・・すまねぇな、サブ。」

サブ「なんで怒らねぇんだよ!!!!いつもなら口答えするだけで殴ってくるお前が!!!!
   なんで!!!!!!!!!なんでなんだよ!!!!!!!!!!!」

ボーカル「俺はお前とはもうやってけねぇ」

サブ「・・・な、なんでだよ!!!!!!なんでだよ!!!!!!!!」

ボーカル「なんでドラムに歌詞を頼まれたのを俺に言わなかった?」

サブ「・・・そ、それは」

ボーカル「何で俺に言わなかった!!!!!!!!!!!!!」

サブ「・・・」

ボーカル「俺に悪いと思ったか?俺の歌詞はダメだから自分で歌詞を書くって言えなかったか?」

サブ「お、俺はそんなこと・・・」

ボーカル「嘘つくんじゃねぇ!!!!!!!!!!!」

ボーカル「キタねぇ歌と下手くそなバッキングしかできねぇ俺から
     作曲が出来て、綺麗なベースが出来る自分が作詞を横取り出来ないってか?」

サブ「ボーカル、それは違う!!!!俺はお前の歌詞が好きで、マンコーイングステディは
   お前の歌詞じゃなきゃ

ボーカル「そう思ってたとしても俺に言うことくらいは出来ただろ!!!!!!!!」

サブ「・・・悪い。」

ボーカル「結局、お前は俺を見下してたんだよ!!!!!!!
     お前は俺に、同情したんだよ!!!!!!!! 
     お、同じ、同じメンバーに同情したんだよ!!!!!!!!!」

サブ「ボ、ボーカル・・・」

ボーカル「・・・俺はもうお前とはバンドは出来ない。」

サブ「ボーカル!!!」

ボーカル「出てってくれ」

サブ「ボーカル・・・」

ボーカル「出てってくれ!!!!!!!!!」

サブ「・・・」
ガチャ

サブ「・・・」
どさっ

サブ「・・・・・・ううっ」ぽろぽろ

ボーカル「・・・」

ボーカル「・・・」

ボーカル「・・・これでいいんだよな?」

ボーカル「だって、サブには才能があるんだから。
     マンコーイングステディをやめれば、他で活躍出来るさ。
     日本の破滅からも誘われてるんだし。」

ボーカル「・・・今までありがとう。」

ボーカル「サブ、・・・じゃあな。」

回想終了

カツオ「そ、そんな過去が。」

サブ「結局、俺は他のところでバンドをやる気になれなくて、こうなったってわけ。
   ギターとボーカルは今、日本の破滅で活躍してるよ。
   カツオ君も知ってるだろ?」

カツオ「う、うん。そりゃあ、有名だし。
    ・・・それで、ボーカルさんは?」

サブ「・・・ボーカルはあれから音楽界から姿を消したよ。」

カツオ「そ、そんな・・・」

サブ「それから消息不明だよ。今、何をしてるのかもわからない。
   何やってるんだろうアイツ・・・。バカだよな・・・」

カツオ「・・・」

サブ「・・・カツオ君はこんなことになっちゃダメだよ?
   って言ってもこんなことにならないか。
   親友の中島君とのバンドだもんね。」

カツオ「・・・」

サブ「さて、そろそろ配達行くか。
   おやっさんに叱られる。」

カツオ「・・・サブちゃん。」

サブ「・・・ん?どうしたんだい?」

カツオ「僕とバンドを組んでください!!!」

サブ「・・・え?」

カツオ「僕のバンドに入ってください!!!」

サブ「・・・もしかして僕に同情してくれてるのかい?
   ・・・気持ちは嬉しいけど、他のメンバーを探した方が良いよ。  
   ・・・僕はもう引退してる身だし。」

カツオ「同情なんかじゃない!!!」

サブ「・・・!?」

カツオ「同情なんかじゃない!!!サブちゃんは、サブちゃんは、バンドをやらなきゃダメだ!!!」
    

サブ「・・・本当に嬉しいよ。
   ・・・でも僕はマンコーイングステディでしかやる気になれないよ。
   僕は、あいつとじゃなきゃバンドは出来ないよ。」

カツオ「本気でそう思ってるのか?」

サブ「・・・え?」

カツオ「本気でそう思ってるのかよ!!!」

サブ「・・・!!
   ああ、そうだよ!!!
   僕はあいつと以外はバンドは組まない!!!
   僕はあいつとしかバンドは出来ない!!!」

カツオ「ボーカルさんがそんなこと望んでるって本気で思ってるのかよ!!!」

サブ「・・・!?」

カツオ「他のメンバーに土下座してまで残ってくれって頼んだボーカルさんが、
    サブちゃんを辞めさせた理由が本当にわからないのかよ!!!」

カツオ「ボーカルさんは、サブちゃんに、他のバンドで頑張ってもらいたかったから、
    サブちゃんに幸せになってもらいたかったから、本当は嫌だけど、
    マンコーイングステディを解散させたんだよ!!!」

サブ「そ、そんなバカな・・・だ、だってあいつは俺が歌詞のことを言わなかったことを
   許せなくて・・・」

カツオ「そんなことで辞めさせるなら、あんなにひどいことを言ったドラムさんに土下座してまで
    残ってくれって頼まないよ!!!
    サブちゃんのことを本気で考えたから、辞めさせたんだよ!!!」

サブ「・・・そ、そんな。ボ、ボーカル!!!」

カツオ「だから、サブちゃんはバンドをやらなきゃダメなんだよ!!!
    本気でボーカルさんの想いに応えるなら、バンドをやらなきゃダメだよ!!!」

サブ「・・・ボーカル」ぽろぽろ

カツオ「・・・それにボーカルさんはまだどこかでバンドをやってるよ。」

サブ「・・・な、なんでそんなことわかるんだい?」

カツオ「・・・わかるさ。だって、いくら売れなくても自分の歌詞を変えたくないくらい音楽が好きなんでしょ?
    まだみんなに伝えたいことがあるんでしょ?そんな人が音楽をやめるわけないよ!!!」

サブ「・・・カツオ君。」

カツオ「バンドをやっていればいつか会えるよ。
    ・・・だから、サブちゃん、俺と一緒にバンドをやろうよ。」

サブ「・・・はは。年下にここまで言われちゃ入るしかないか。」

カツオ「・・・それじゃあ」

サブ「これからよろしくお願いします。・・・カツオ君。」

次の日

磯野「中島~~。」

中島「お、どうした磯野?」

磯野「ベ、ベースが見つかったよ。」

中島「ほ、本当か磯野?で、どんなやつ?スタジオミュージシャン?
   最低でも1回聞いたら、すぐ耳コピ出来るレベルぐらいはあるでしょ?」

カツオ「それはわからないけど中島も知ってるやつだよ。酒屋のサブちゃんだよ。」

中島「おいおい、磯野。いくら人がいないからって素人は誘うなよ。
   俺たちはマジでプロを狙ってるんだぞ。素人を育てるほど時間も余裕もないぞ。」

カツオ「実力はわからないけど、昔、マンコーイングステディってバンドでベースをやってたって言ってたよ。」

中島「はははwwwwwww何それwwwwwマンコとかさwwwwww
   下ネタのギャグバンドだろwwwwwwwそんな遊びバンドで何年やってようが・・・
   ・・・マンコーイングステディ?
   磯野、何か曲知ってる?」

カツオ「えーと確か、売春最高とか・・・」

中島「売春最高うううううううううううう!?
   ってことはあのマンコーイングステディか?
   マジかよおおおおおおおおおおおおお
   あのマンコーイングステディかよおおおおおおおおおお」

カツオ「あ、あの、中島?」

中島「処女・ソー・ヤング毎日聞いてました!!!!!!!!!!!
   そして売春最高は俺の聖書です!!!!!!!!!!
   早川さんが援交でホ別30万でやってるの知った時に
   俺を救ってくれたのが売春最高です!!!!!!!はい!!!!!
   あの曲は人を救う!!!!!世界を救う!!!宇宙を救う!!!!!!!!!」

カツオ「お、おい、ここ廊下だぞ!!」
   

中島「あの子と手を繋ぐために ああ僕は今まで生きてきたの
     あの子の笑顔を見るためにああ僕は頑張ってきたの
     すっごくすっごくすっごくすっごく愛してて
     すっごくすっごくすっごくすっごく悲しくて
     置いてあるバイクを勝手に使って 高速道路を走り抜けるんだ
     だけど 悲しい話を聞いた あの子が肉便器なんて嘘さ~~
     僕の恋がどうか実りますように あああ心がはじけてしまう ああああ
     寝付けない夜を優しく覆う愛のメロディ 抱きしめて今だけ優しくして
     寝付けない夜を優しく覆う愛のメロディ 抱きしめて今だけ優しくして
     あの子はどこかのおっさんと ホ別で10万~~~~~~

カツオ「お、おい中島やめろ!!」

中島「早川さ~~~~~ん!!!!俺、1万しかないけどやらせてよおおおおおお!!!!
   好きなんだ!!!!大好きだ~~~~~~!!!!!!!
ダダダッ

早川「きゃあああああああああああああああああ」




カツオ「時すでに遅し」

教室

先生「え~~、中島は2週間停学になった。
   彼もいろいろ多感な時期だ。
   そっとしてやってくれ。」

放課後

カツオ「はぁ・・・なんで中島のプリントを俺が届けないといけないんだよ」

カツオ「・・・ん?」

チャチャドドタタドドドドン

カツオ「花沢さん家でなんかすごい音がしてるぞ。
    もしかして、花沢さんがお父さんに暴力を。」

カツオ「ぼ、僕も怖いけど、い、行かないと。」ぶるぶる

花沢不動産

花父「おい、花子。今、お客さんが来てるんだ。
   ドラムをやるのはやめてくれ。」

花沢「・・・・・・」
ドドドドチャチャドドタンドッタドドタ

花父「花子!!!いい加減にしなさい!!!!!!!
   電子ドラムを買ってやっただろう?」

花沢「・・・・・・」
ドドドドドチャドドタタ

カツオ「もしかして、これはドラムの音?
    リズム感がすごいや。

花父「花子!!!!!!やめろと言ってるのが聞こえないのか!!!!!!」

花沢「あ、父ちゃん、いたんだ。」

花父「ドラムをやめろと言ってるのが聞こえなかったのか!!!!!」

花沢「ドラムやってると他の音聞こえなくて」てへぺろ

花父「もういい!!!花子!!!!お前はもうドラム禁止だ!!!!
   電子ドラムだけやりなさい!!!!!!」

花沢「それは困るよ父ちゃん。ドラムと電子ドラムじゃ叩き心地が全然違うんだから。
   腕が落ちちゃうよ。」

花父「そんなことは知らん!!!!もう家でドラム叩くのは禁止!!!!!!!」

花子「いくら父ちゃんでもそれは許さないよ!!!!!!」

花父「だったら何だって言うんだ!!!!!」

花子「こうするまでよ!!!!!」
ドドドド

花父「ぐわあああああああああ
   や、やめろ、スティックで叩くんじゃない!!!!!」

花子「私の8ビートは磯野君しか止められないよ!!!!!」
ドドドド

花父「や、やめてくれえええええええええ」
バタッ

花子「ごめん、父ちゃん、足が止まんない。」
ドドドド

花父「ぐっぐっぐっぐああああああああああああああ」

カツオ「す、すごいや、人間を叩いてるのにリズムが全くずれてないぞ。」

花父「た、頼む、ドラム叩いていいからもう止めてっくっれ
   も、もう、げっげんかっいっ!!!!!!」

花子「ごめん、父ちゃん。私のビートは自分の意志じゃ止まらないのよ。
   磯野君以外は止められないの。」

カツオ「花沢さん、やめて~。」

花子「・・・磯野君!?」
ぴと

ごめんなさい
もう寝ます
サブちゃんのところで頑張りすぎた

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