恒一「きのこたけのこ戦争?」(176)
鳴「そう。3年3組として過ごす1年間の間に、きのこたけのこ戦争をするの」
恒一「…えぇっと…何、それ?」
鳴「きのこの山派とたけのこの里派で別れて、互いに思う事を主張し合って、最終的に勝った方がその後の生活で色々と優遇される決まり」
恒一「はぁ…?例えばどんな?」
鳴「授業中にサボる理由や遅刻の理由が適当でもサラッと流されたり、冬の体育は外でマラソンが教室で自習になったり」
鳴「先生に当てられる事が少なくなったり、日直や当番を放棄出来たり…」
恒一「…それってすごく不公平じゃない?何でそんな事してるの?」
鳴「だってそれは…そういう事に決まっているから」キッパリ
恒一「理由になってないよ。こんな事やめた方がいいよ、教室にいる皆に言ってくる」
鳴「…気をつけた方がいいよ…もう、始まってるかもしれない」
恒一「何わけのわからない事を…」ガラガラ
黒板『 第26回 3年3組 きのこたけのこ戦争 』
恒一「……」
赤沢「待ってたわよ、恒一君。それと見崎さんも。早く席についてくれるかしら」
鳴「…」トコトコ
恒一「赤沢さん!?何してるの!?」
赤沢「何って、これからきのこたけのこ戦争を始めるのよ」
恒一「いやそういう事じゃなくて!」
久保寺「榊原君、席に座りなさい」
恒一「……はい…(どうなってるんだ?このクラスは)」
赤沢「じゃあ皆揃った事だし、用紙を配るから、きのこ派かたけのこ派かを書いてね
後から変更は1度だけ認められます。よく考えるのよ?」ペラ ペラ
恒一「……」ポカーン
恒一「ねぇ望月、何かおかしいと思わないの?これ」
望月「何が?何もおかしくないけど?」カキカキ
恒一「ダメだこりゃ……とりあえず書いておこう…」カキカキ
~集計中~
恒一「ねぇ、何でこんな事するのか教えてくれない?」
望月「ハァー、榊原君、何も知らないんだね」ヤレヤレ
26年前、夜見山岬という生徒が「自分はきのこ派だ」と発言した事から始まった
夜見山岬はクラスの人気者だったし、大半がそれに賛成すると思われた
しかし、たけのこ派が対立した
それから卒業まできのこ派VSたけのこ派で熱い戦いが繰り広げられた
卒業式の日、きのこ派の夜見山岬が事故で亡くなってしまった
結局、その年のきのこたけのこ戦争は岬の死をきっかけに途中で終わってしまった
次の年から戦争を受け継いだ生徒達が再びきのこ派とたけのこ派に分かれて争う事態が発生した
その戦争は今もなお続いている……
恒一「……」
恒一(どうしよう、すごくくだらない)
恒一「じゃあさ、25年前から続いているなら、今はどっちが勝ってるの?」
望月「きのこ12勝、たけのこ12勝、引き分け1…だったかなぁ」
恒一「…なるほど…ちょうど綺麗に分かれてるから皆こんなにはりきってるわけか…
(とは言っても結局自分らの学園生活を楽にしたいという願望が強いのかもしれないけど…)」
~集計結果~
きのこ派 17
赤沢 渡辺 小椋 有田
中尾 水野 川掘
望月 江藤 柿沼
猿田 榊原 王子 勅使河原
松井 金木 杉浦
たけのこ派 13
佐藤 見崎
前島 米村 辻井
桜木 中島 綾野
風見 和久井
藤巻 多々良 高林
赤沢「集計した結果、きのこ派のリーダーを務めさせていただく事になりました、赤沢泉美です」
風見「同じく集計した結果、たけのこ派のリーダーを務める事になった風見智彦です」
赤沢「フフフフ…さあて、この結果にぐうの音も出ないでしょう?風見君」ニヤニヤ
風見「まだ戦争は始まったばかりだ。今は後になって泣かないように笑っておけばいいさ」眼鏡クイッ
赤沢「あなたはクラス委員長で対策係もかけもちしてる。権力はあなたの方が上かもしれないけど今日からは違うわ」
風見「ふん、僕も権力や卑怯な手を使う気は一切ないよ。正々堂々と戦わせてもらう」眼鏡クイッ
赤沢「…その眼鏡クイッが二度と出来なくなるようにしといてやりましょうか?」
風見「…君のツインテールを昇天ペガサスMIX盛りに変更させてやる」
赤沢「…レンズ割ってハゲにするわよこのエセ真面目メガネ。いい加減そのキャラやめなさいよ」
風見「…やれるもんならやってみなよ、僕は中3にもなってツインテールをしている君ほど痛くないからね」
赤沢「……」ゴゴゴゴゴ
風見「……」ゴゴゴゴゴ
恒一(何やってんだあの二人…)
赤沢(きのこ派はチーム対策係はもちろん、恒一君までいるなんて!それにあっちにはゆかりがいるわね、これは上手い事使えそうだわ)
風見(ふふふ…ゆかりがいるだけで十分だが…そしてこっちには大きな爆弾、見崎鳴が居る!何としてでもたけのこ派が勝つ!)
赤沢「ゴホンッ、それじゃあまずはそれぞれの主張を聞きましょう」
~きのこ派の主張~
勅使河原「男と言ったらやっぱりキノコだろ!なぁ!?」
王子「勅使河原君、下ネタはちょっと…」
望月「たけのこ厨には何言っても無駄だよ!あのユニーク且つ繊細なまでの曲線美を解すことはできない!
きのこの山は最早芸術の域に達しているんだよ!」
川堀「水野のキノコ(意味深)」
有田「たけのこなんてそこらのチョコクッキーと同類だよ」
中尾「俺は赤沢さんに一生ついていくッ!!!」
杉浦「きのこの山はチョコとクッキーと、好きな方を別々に食べれるから好き」
小椋「たけのこは持ちにくいしなんか白い粉ついてるのが嫌だなー」
米村(たけのこ派)「俺モブだけど白い粉にツッコむやつは頭おかしいと思う」
~たけのこ派の主張~
綾野「てっしーみたいなエロ河童の下ネタに使われるきのこは教育上良くないとおもいまぁーす!!」
勅使河原(きのこ派)「なっ!?そんなの下ネタだって分かるお前が一番エロいんだろ!!」
そもそも、俺は下ネタで言ったつもりはない、としたら?」ニヤァ
綾野「っ…!!///」カァァァ
中島「勅使河原君それセクハラだよセクハラ!!」
高林「きのこの山はデフォで頭が取れてたりする。恐怖で子供が泣いてしまうかもしれないからフェアじゃないよね」
桜木「そもそもきのこはクッキーじゃない時点で終わってますよ。あんなのただの棒です。棒」
和久井「たけのこの里を食べるようになってから喘息が良くなりました(夜見山・15才)」
中尾(きのこ派)「おい!!そういうのは無しだろ!!」
藤巻「毒きのこはあるけど毒たけのこは無いっしょ?つまりそういう事」
赤沢「皆主張が足りないわよ!!!何やってるの!!!」
風見「全く君達は…たけのこ派リーダーとして許せないな…」
勅使河原「だいたいなんでお前がたけのこなんだよ!意味わかんねぇよ!俺ら親友だろ!!」
風見「たけのこは美味しいからだ、そしてそもそもこの戦争は仲が良い悪い関係ないけど」フッ
勅使河原「なんだと!?きのこがまずいみてぇな言い方しやがって!!」ガタッ
柿沼「きのこたけのこ戦争をする風見×勅使河原キター!!!」
赤沢「いいわよ勅使河原ー!!ほらっ、恒一君からも何か言ってやって!!」
恒一「えっ…うーん…」
恒一「ぁ…見崎はたけのこ派なのかぁ…」チラッ
鳴「?」
ワーワーギャーギャー
フェアジャナイ!! ウルセー!!
多々良「私ぶっちゃけます!!たけのこの里食べ過ぎで鼻血出した事があります!!!」ガタタッ
中島「恵が言うなら私も…!たけのこの里を食べ過ぎて鼻血出して服を一枚ダメにしましたっ!!」
江藤「くっ…負けるもんか――私はきのこの山が美味しすぎて箱まで食べれるんだからぁ!!」ガタガタッ
ワーワーギャーギャー
風見「――お前昔からそんなんだよな、だからバカなんだ」
勅使河原「ぐぬぬ」
赤沢「チッ…早くも論破されてやがる…使えないわねぇ」
桜木「あわわ…あわわ…皆さん落ち着いて話を」オロオロ
赤沢「…ゆーかーりー♪」
桜木「ひゃい!!?」ビクゥ
赤沢「あなた今からでもきのこ派にならない?」ニヤニヤ
桜木「えっ…!いえ…私は断然たけのこ派ですから、ダメですっ」
赤沢「…」
赤沢「あれ?ゆかりさぁ……何か最近…太った?」
桜木「」
赤沢「多分たけのこのせいよそれ、今きのこ派になれば痩せるわよ、マジで」
桜木「なっななななな何を…」ヒヤアセ
赤沢「オススメのダイエット特別に教えてあげるからぁ」ヒソッ
桜木「…………」
赤沢「ふふふ…ね?」腰クネクネ
赤沢「桜木ゆかりはたった今きのこ派になりましたぁー!!!」パチパチパチ
桜木「…、」
風見「なっ…!?赤沢さん君は一体何を!?」
赤沢「何もしてないわよ?ゆかりが自ら望んだのよ」ニヤニヤ
桜木「はっ…はい………」
風見「あぁぁ!!ふざけるなぁあ!!ゆかりを返せぇ!!お前卑怯な手使わないって言っただろ!!!
今のはノーカン!!ノーカン!!」
赤沢「ゆかりはもうきのこ派だから変更は出来ないわよ?残念ねぇー」
勅使河原「ざんまああああああああ!!!風見ざっまああああああああ!!!」プギャー
桜木「…………(ごめんなさい風見君、私痩せたいんですっ)」
――桜木ゆかり、きのこ派へ
ワーワーギャーギャー
小椋「あーうるさいうるさい、これだからたけのこ厨は」
綾野「あっ由美」
小椋「あ、彩…って彩もたけのこ厨だった……くっ」
綾野「今さー」モグモグ
綾野「教卓にあったきのこの山とたけのこの里食べてみたんだけど」モグモグ
綾野「あたしきのこ派になる!きのこも悪くないや!」
小椋「えっ………マジ?………
…でしょ?きのこは美味しいんだようんうん!!」
――綾野彩、きのこ派へ
きのこ赤沢派 _19人
たけのこ風見派 11人
赤沢「きのこ最高ー!!!」
中尾「イヤッフォォ!!!」
風見「チッ…クソがっ…」
高林「風見君、きのこ派はアンフェアな手を使ってきてる」
米村「俺モブだけどこれはやばいと思う」
鳴「…………」ガタッ
風見「………見崎さん?」
鳴「私はあの無能に負けたくない」
鳴「……いい考えが、あるの……」ニタァ
辻井「柿沼さん、食べ比べしてみてよ」
柿沼「は、はぁ……」モグモグ
柿沼「………」
辻井「たけのこを食べた瞬間、じわじわとインスピレーションが沸いて来ただろう!?」
柿沼「おいひい…」モグモグ
辻井「僕達読書の趣味が合うんだからさ、こういうのも気が合うと思ったんだよね」
辻井「自作小説も書きやすくなるよきっと!」
柿沼「…………」
柿沼(………水野の×××××タケノコを川掘は××の×のように××く×み××ように××た………)
柿沼「…悪くないですね」鼻血ドバー
――柿沼小百合、たけのこ派へ
望月「三神先生はどっち派かなぁ~」
恒一「さ、さぁ?…ていうかこんなアホくs…じゃなくてユニークな戦争、初めてだよ」
ワーワーギャーギャー
赤沢「フェアフェアうるさいわよこのそばかす野郎!!」
高林「あー!!またフェアじゃない事を!これだからきのこ派は」
杉浦「たけのこ派はフェア精神がえらくお強いようで…」
松井「…きのこの山口移しで食べさせて…」
金木「…しょうがないなぁ…んむ」
松井「んん…///」
恒一(何だこれ)
風見「やぁ、榊原君」
恒一「わぁ?!ど、どうしたの風見君…って見崎まで!?」
風見「榊原君はたけのこの里、好きじゃない?」
見崎「たけのこの里はサクサクのクッキーが甘くて美味しいチョコで丁寧にコーティングされているのよ?
こんなにも美味しい食べ物、他にないと思う」
恒一「へ、へぇ(ぶっちゃけどっちでも良いんだけど…)」
風見「是非たけのこ派にならないかな?」ニコッ
見崎「……お願い」ウワメヅカイ
恒一「」
恒一(見崎がお願いしている………!僕はどうすれば……!)
見崎「さ」
見崎「か」
見崎「き」
見崎「ば」
見崎「ら」
見崎「くんっ!」キャピッ
恒一「」ズキュゥゥン
風見「今なら見崎さんの写真50枚提供するよ」ボソッ
恒一「――うん、分かった」キッパリ
――榊原恒一、たけのこ派へ
風見「交渉成立…」眼鏡クイッ
見崎「フフフ」眼帯クイッ
きのこ赤沢派 _17人
たけのこ風見派 13人
赤沢「おいそこのクソメガネと眼帯お化け」
風見「?」キョロキョロ
見崎「…?」キョロキョロ
赤沢「あんたらよ!!!」
風見「あぁ、どうしたの赤沢さん」
見崎「榊原君ならたけのこ派になったわよ」
赤沢「知ってるわよ!!あんたたち今卑怯な事したでしょ!!」
見崎「……榊原君ならたけのこ派になったわよ」
赤沢「わざわざ繰り返すな眼帯チビ!!!」
風見「君がゆかりを取ったように、僕も平等な手段を選んだまでだけど」眼鏡クイッ
見崎「全く、無能の上にきのこ厨とか頭おかしいんじゃないの」
赤沢「テメェらぁ゛ぁ゛あ゛!!!」ギリギリ
恒一(…もう何がなんだか)
望月「榊原君までたけのこ派になっちゃったよぉ」
勅使河原「風見はずる賢い所があるからな…どんな手を使ってでも勝利を奪い取ろうとしてるぜ」
猿田「きのこはチョコがいっぱい食べれるのが最高ぞな」
藤巻「あ"?チョコが食いたきゃ板チョコ買って来いハゲ猿」
猿田「いきなり割り込んで来て何ぞな!!きのこは棒の部分でしっかり持てるから棒の役割もあるぞな!!」
藤巻「おめぇはチョコが欲しいんだろ?っつってんだよ棒の話なんてしてねーよこのモンキーマジックが」
猿田「ウキー!!!もう怒ったぞな!!」
ワーワーギャーギャー
王子「皆血眼だな…」
桜木「ちょっとは落ち着いて欲しいです…ハァ」
赤沢「アァァ…恒一君コウイチクンコウイチクンコウイチクンコウイチクンコウイチクンコウイチクン」
杉浦「泉美…過ぎた事は仕方ないよ」ポンポン
中尾「ちくしょう!!風見許さねぇ!!」
見崎「作戦成功だったわね」
風見「やっぱり見崎さんは良い人材だったよ、ありがとう」
見崎「またいつでも呼んでね。赤毛の無能には冬の体育、裸でマラソンしてもらいたいわ」ククク
高林「それはフェアだね!中尾君にもやってもらおう!」
\ドッwwワハハwww/
恒一「あの…僕って何のために
佐藤「きのこの山はパッケージを開けると必ず2~3本の軸が折れている事に皆は気付いた事ある?」
有田「…ないけどぉ」
江藤「うん…」
佐藤「これはビスケットの弱さだけでなく、暗にきのこ厨の主張の脆弱性を表しているように私は思えるのよ」
有田「ふむふむ」
江藤「なるほど…」
佐藤「ほら、証拠として開けてみるよ」ビリビリ
有田「ほんとだ、結構折れてる」
江藤「…受験生に折れるとか弱いとかなんかちょっとアレだねー」あはは
有田「んーじゃあ和江もいるしあたしたけのこ派になろうかなぁ。もともとたけのこ嫌いなわけじゃないし!」
江藤「じゃああたしもー」
佐藤「よっしゃぁあ!!」ガッツポーズ
――有田松子、江藤悠、たけのこ派へ
きのこ赤沢派 _15人
たけのこ風見派 15人
赤沢「…へぇ。どちらも15人、か…ま、このままきのこ派が勝つんだけどね」
風見「その自信はどこから沸いてるんだか、哀れだな」
赤沢「もっぺん言ってみなさいよハゲメガネ」
風見「僕はまだハゲてない!!」
赤沢「まだ?…まだって事は将来ハゲる予定なのね、あーあご愁傷様」
風見「きのこ厨は関係の無い話題でしか相手を挑発出来ないなんて…やはり哀れだ」
赤沢「あんたのその偉そうな態度がムカつくのよ!!!」
恒一(また始まった…)
勅使河原「おい!そういうならお前らも何か主張しろよ!」ガタッ
高林「きのこ厨の言う事は聞かないつもりだけど僕もそれは賛成するよ」
杉浦「そうね。リーダーの主張も是非聞きたい」
赤沢・風見「………」
~きのこ派・赤沢の主張~
赤沢「チッ…そもそもたけのこ派と比べられている事自体が気に入らないわ
たけのこなんてすべてが甘ったるいだけで、下品なたけのこ厨そのものね」フッ
米村(たけのこ派)「俺モブだけど甘い事がたけのこ派だって言われる意味が分からない」
赤沢「――で、小椋が言う白い粉っていうのは、クッキー部分の砕けた粉の事を言うのよね」
小椋「へー」
赤沢「だから見た目も綺麗じゃないし…
それに比べてきのこはくびれ、チョコの安定した形…全てにおいて美しいわ、まるで私のよう」
勅使河原「ん?何か最後余計な一言が…まぁいいか、そーだそーだ!赤沢の言う通りだー!!」
赤沢「たけのこなんて夏場に食べれば手がベトベトになってしまうし、欠点しか無いのよね」フフン
風見(たけのこ派)「…ふん、きのこ厨は見た目でしか判断出来ないなんて…」
赤沢「なあに?あんたも言いたい事あるんでしょ、だったら言いなさいよ」
~たけのこ派・風見の主張~
風見「…いいかい、たけのこの里ときのこの山、1つあたりのチョコの量は」黒板カキカキ
たけのこの里=1.273g
きのこの山=1.792g
「と、きのこの方が圧倒的に多いんだ」
桜木(きのこ派)「チョコが多い方が太ってしまいます…」ボソッ
風見「大事なのはバランス、というのならバランスが取れているのはたけのこなんだ」
きのこなんてただのチョコのかたまりにお愛想程度に棒をつけただけ(笑)」
綾野(きのこ派)「んーでもチョコのかたまりとその棒に意味があるように思えるんだよねー」モグモグ
風見「ていうかきのこの山の要領はポッ○ーやトッ○と同じだし代用出来る」
赤沢(きのこ派)「そんな事言ったらチョコとクッキーを一緒に食べればたけのこの代用にもなるじゃない!」
勅使河原(きのこ派)「おいサカキ!風見が黒板に書いた事の意味が分かんねえ!!」
恒一「勅使河原どんだけアホなの…」
赤沢「…まぁ、チョコの量を計算して主張するとは中々やるわね」
風見「…君も言葉で美しさを表現出来ていたし、中々だね」
赤沢「でもやっぱりきのこの山が最強って言う事でいいのよね」
風見「は?」
赤沢「ん?」
風見「…君は何を言ってるんだ?」
赤沢「正論ってやつよ」
風見「いやいやいや いくら君が頑張って主張してもたけのこに敵うわけない」
赤沢「………」ゴゴゴゴゴ
風見「………」ゴゴゴゴゴ
望月「さすがリーダー同士、何だかレベルが違うね」
中尾「怒った赤沢さんん"!!ハァハァ」
恒一(これ終わるのかなぁ…)
鳴「zZZ」
―――
――
佐藤「つまり」
有田「たけのこが」
江藤「美味しいって事!」
渡辺「へ、へぇ…(すごい威圧感が)」
渡辺「まぁ確かにたけのこはバランスが良いって言われればそうだけど…」
渡辺「きのこのチョコは歯に引っ付いたりするもんなぁ…
デスメタルをやっている身としては歯ギターが出来なくては困る」
有田「てことは!」
渡辺「今日からたけのこ派として生きるよー」あはは
江藤「やったぁ!あたしたちたけのこガールズ!」
佐藤「記念たけのこ」モグモグ
――渡辺珊、たけのこ派へ
赤沢「ま、所詮はたけのこ厨の言う事だし、どうせやる事全部汚い手を使ってるんでしょうね」
風見「君が最初にやったんだろ!?だいたい君はいつも――
中尾「おいテメェ!黙って聞いてりゃ赤沢さんにデカい口叩きやがって!!」ガタッ
赤沢「…中尾…」
勅使河原「いいぞ中尾ー!言ってやれー!」
中尾「ぐ、ぐぬぬ…!!」ゴゴゴゴ
風見「…?」
中尾「ふ、ふおおおおおおおお!このヤロー!!中尾スライスパーンチ!!!」ドカッ
一同「「!?」」
高林「あっ中尾君が風見君に暴力を!!」
前島「おい中尾落ち着け」
中尾「うがあああああああああ!!」バタバタ
有田「汚いさすがきのこ厨汚い」
杉浦「中尾あんたちょっとやりすぎじゃ…」
風見「うう…」フラフラ
赤沢「ふ、ふん…こんな奴殴られて当然よ…」
風見「…主張する言葉が思い浮かばないから暴力で解決しようとする…」
中尾「なんだと!!?」
風見「…きのこ厨っていうのは全くこういう人間しか…」
高林「そうだ!!風見君の言う通りだ!暴力はフェアじゃないよ!」
小椋「殴られたなら殴り返せばいいじゃん!散々汚い手使ったたけのこ厨のがよっぽど陰湿!」
恒一(おお、なんだか険悪なムードに…)
風見「……ううっ」
赤沢「!?」
風見「…ふぇぇ…」グスン
高林「ああーー!!中尾君が風見君泣かした!!フェアじゃない!!」
勅使河原「おい中尾てめー何風見泣かしてんだよ!」
中尾「えっ」
恒一(…仲間割れ!?)
赤沢「ああもう!きのこ派の人間が皆こういう人だって思われちゃうじゃない!何してくれてんのよ中尾!」
望月「調子乗るな中尾」
中尾「えっ」
鳴「…中尾君は代償としてたけのこ派に移るべきよ」ムクリ
恒一(うわ、見崎起きた)
高林「そうだそうだ!たけのこ派になれ!」
柿沼(…個人的には勅使河原君に来てもらいたいんだけど)
中尾「赤沢さぁん…」チラッ
赤沢「ぐ……別に中尾一人くらいいなくたって…」
小椋「…だってあっち泣いちゃってるし…何か悪いじゃん…」
桜木「まさかこんな事になるなんて…」
中尾「」
勅使河原「ああもう中尾なんてどーでもいいや!」
中尾「」
――中尾順太、たけのこ派へ(自滅)
きのこ赤沢派 _13人
たけのこ風見派 17人
中尾「えぇと…すまねえ風見、許してくれ…」
風見「…ふっ…」ピクピク
中尾「!?」
風見「――ようこそたけのこ派へ」キリッ
中尾「!!?」
鳴「…嘘泣き…やるわね風見君」
勅使河原「あっ!てめぇ卑怯だぞ風見!!」
赤沢「おまええええ!!!嘘泣きまでして!ぇ"ぇ"え!!」
風見「…何のことやら」ケロッ
高林「…う、うん!これはギリギリフェアだよ!」
杉浦「あ"ぁ"!?てめぇきのこ派から順太きゅん奪ったくせに何抜かしてんだよ"!!!」
藤巻「自業自得じゃん!委員長泣いてたじゃん!」
小椋「だからあれは嘘泣きだったじゃねーかよ!!もうブチ切れた!!」ガタガタッ
佐藤「売上ではたけのこの方が圧勝してるのよ!!!今更きのこに勝ち目なんて無いから!!」
有田「現にたけのこ派が勝っている事をきのこ厨は認めるべき」
小椋「売上でしか語れないなんてレベル低すぎだろ!!」
赤沢「そもそもきのこの山を引き立てる役として人気があると考えるのが妥当だわ!!」
風見「売上が云々言う前にチョコの量の話で逃げるきのこ厨に言われたくないな」キリッ
勅使河原「もう許さねぇからな風見!何がたけのこだよwwwクソのこじゃねえかwww」ゲラゲラ
鳴「は?もう一回言ってみなさいよこの童貞」
桜木「あわわ皆さん落ち着いて…」
綾野「あっはっはー!何だか面白くなってきたねー!由美がんばれー!」
恒一(あ~あもう見崎まで…そもそもこのやり方はおかしいと思うんだけどなぁ)
~数分前~
赤沢「あなたはクラス委員長で対策係もかけもちしてる。権力はあなたの方が上かもしれないけど今日からは違うわ」
風見「ふん、僕も権力や卑怯な手を使う気は一切ないよ。正々堂々と戦わせてもらう」
~~
恒一「ははは……」
鳴「このチャラ男。一生独身」
勅使河原「それは今関係ねえだろ!!」涙目
望月「見崎さん勅使河原君にそんな事言ってあげないでよ!!かわいそうブフッwwだよwww」
見崎「笑っているくせに何を言っているのかしらね」
赤沢「眼帯クソ女!!あんたの左目にたけのこの里ぶち込むわよ!!!」ガッ
見崎「――ッ! やはりきのこ厨は口より先に手が出る――クズの象徴ね」ササッ
恒一「ちょ、ちょっとぉ!!暴力はもうダメだって!!赤沢さん!!」
赤沢「っ…だって!!この子をどうにかしないと――!」
恒一「「そもそもこんなの間違ってるよーーーーー!!」」
鳴「!?」ビクッ
赤沢「!?」ビクッ
――シーン....
恒一「(餌に釣られた僕が言える事じゃないけど)、正々堂々と戦うなら、誰かを釣ったりそれに釣られたりするのは良くないと思うんだ」
赤沢「……」
恒一「人のコンプレックスを利用して自分のチームへ誘い込んだり…」
桜木「」
恒一「しゃ、写真…とか…上目遣いで…誘惑し、たり…」ヒヤアセ
鳴「…」ジーッ
恒一「挙句の果てには暴力や泣き落としなんて!!」
赤沢「…」
風見「…」
恒一「人の弱みを利用した戦争なんて…戦争じゃない…!
高林君じゃないけど、これは…」
一同「……」
恒一「「フェアじゃないよ!!!!!」」ズバァァン
一同「!!!」
高林(僕の台詞が…)
赤沢「くっ……恒一君の言う事も一理あるわね…」
杉浦「確かに…それはそうだけど…」
中尾「……スマン」
鳴「…」
風見「ちょっと卑怯な事しすぎたかな」
高林「フェアじゃないって僕の台詞…」
ウンウン タシカニイエテルネ
サカキバラノイウトオリダ オレハドウテイジャナイシ...グスッ
恒一「そっか、…分かってくれたならもうこんなわけのわからない事…」
風見「でも榊原君、君も見崎さんの写真と言った瞬間ノリノリだっt
恒一「あああああああああああー!!」ガバッ
赤沢「?」
赤沢「ふむ…そうね…」
恒一「う、うん。や、やめようやめよう…」ハハハ
赤沢「それじゃあ…聞き込み調査を開始するわ!!!!」
ザワザワ
キキコミ? ナンダナンダ
恒一「えっ?」
風見「そうだね、それなら僕達が争わなくて済む」
ザワザワ ナルホド
フェアダネ...
恒一「…えっ?」
赤沢「皆の身内にきのこ派かたけのこ派かを聞き込むのよ。
とは言っても、全員だと収拾がつかなくなりそうだから…」ウーン
風見「一部の人に絞ろうか、どうする?」
赤沢「それじゃあごく身近な人達の…」
―――
――
赤沢「絞込みの結果、調査の対象となるのは」黒板カキカキ
久保寺先生 三神先生
水野姉 小椋兄 赤沢兄 見崎姉妹 見崎母 望月姉
高林祖父・祖母
赤沢「…と、以上の10名となります」
風見「3組と合わせると人数が40人」
赤沢「もちろん不正の無いよう、直筆で書くようにお願いしてね」
風見「不正が発覚した場合は、そうだな…」チラッ
赤沢「中尾からディープキスという罰ゲームがあるのでご注意を」
ザワザワ
キモー ウワーコレハナイワー フェアジャネェ
中尾「なんでだよ!!!」
恒一「これはこれで…いいのだろうか…まぁでも中尾君からのキスだったらさすがに不正なんて出来ないよね」
杉浦「ほう…」
赤沢「これがそのプリント、たった今久保寺先生に作ってきてもらったわ。ご都合主義って言うやつよ、気にしないでね
名前とどっち派につくかをしっかりと書かせておいてね」ペラ ペラ
久保寺「ふむ…では私も参加しましょう」カキカキ
風見「三神先生はこの場にいないから…榊原君は家で聞いた方が良さそうだね」
恒一「あっ、じゃあ僕は交流のある水野さんにも聞いてみるよ」
水野「え」
鳴(未咲や霧果なら工作が効きそうだわ)ニヤリ
赤沢「そこの眼帯チビ、不正したら中尾のキスだけじゃなくて私からビンタ100発ね」
鳴「…チッ、私はあの無能にビンタされるほどの人間じゃないわ……フゥ、仕方ないから真剣勝負してやりましょ」
恒一「うん、それでいいんだよ」ニコニコ
鳴「…っ///」
赤沢「…久保寺先生はたけのこ派か…」イライラ
風見「さすが久保寺先生ですね、今日は一段とカッコいい気がします」
久保寺「いやぁ、それほどでも」テレテレ
赤沢「ま、まだよ…まだ終わらないわよ…――あぁもう!今日は早退します!!
皆も帰宅後しっかりと聞いておくのよ!明日までだからね―ー!!」ダダダダ
中尾「なんで俺勝手に罰ゲームにされてるんだよ…俺が何をしたって言うんだよ…」
川堀「ドンマイ」ニッコリ
――学校生活をかけた戦いはいよいよ終わりの時を告げる――
~見崎家~
鳴「ただいま帰りました」
霧果「あら、おかえりなさい 今日はいつもより早いわね、何かあったの?」
鳴「いえ、これと言って何も…ただ、霧果に聞きたい事があるんです」
霧果「どうしたの?改まっちゃって?」
鳴「…これを」ペラ
―第26回 3年3組 きのこたけのこ戦争/聞き込み調査用紙―
霧果「…」
鳴「正直に書いて欲しいんです、クラスのこれからに響くので」
霧果「そ、そう…鳴はどっちにつくの?」苦笑
鳴「秘密です。不正行為は許されないので…!!」クワッ
霧果(この眼…本気だわ!!)ドキドキ
~病院~
未咲「鳴だー!やっほーやっほー!何しに来たのー?」ワクワク
鳴「体調はどう?退院の日、伸びたって言ってたでしょ?」
未咲「ああ大丈夫だよーこの通り元気だから!最終検査ってのがちょっとあるだけでさぁ」
鳴「そう。なら良かった…えっとね、大事な話があるの」
未咲「うんうん!何!?彼氏が出来たとか!?あっもしかしてこの前私に道案内してくれたあの人~?」ニヤニヤ
鳴「さささ榊原君は違う…ってそんなんじゃないからっ…こ、これ!」ペラ
未咲「(動揺してる、おもしろい…)って…ん?なーに?これ?」
鳴「私の通ってる中学ね…夜見北。その夜見北で今ちょっとした争いが起こっててね…」
未咲「…争いってまさかこの"きのこたけのこ戦争"ってやつ?」
鳴「そうよ…知人に聞き込み調査をする事になってそれで――」
未咲「ぷくくっ…く、くっ…くだらなーい!!」アハハハハ
鳴「―っ!私達にとっては重要な事なの!!」ガタッ
鳴「…あ」
未咲「…へ、へぇ…(鳴がマジ切れした…)」
鳴「ごめんなさい…でもこれは未咲にも参加してもらいたくて…ここにペンもあるから、良かったら」
未咲「う~ん…、まぁ事情はよくわかんないけど、鳴が頑張ってるなら協力するっ」
鳴「ありがとう未咲、早く良くなってね」
未咲「えへへもちろんだよ~」カリカリ
鳴「」チラッ
鳴(たけのこ派…か…まぁ大体予想はついてたけどね、ざまぁみろバカ沢)
~赤沢家~
赤沢「ッひっくし!!ウィーイ...」
赤沢「ふぁあ…風邪でもひいたかしら…おにぃ、入るわよ?」コンコン ガチャ
赤沢兄「おう、どうした?」
赤沢「えっ…うーんと…私ね、学校で起きてるとある争いのリーダーを務めてるの」
赤沢兄「リーダー…!やるじゃん泉美」
赤沢「え、えへへ…///それで…おにぃにも是非協力してもらいたいなぁって…これを…」
赤沢兄「ふむふむ…きのこたけのこs… …!?」
赤沢「ど、どうかした?」
赤沢兄(夜見北の3年3組でこの争いが行われてる噂は本当だったのか…)
赤沢兄「…まかせろ!お前は俺の味方だぞ!」カキカキ
赤沢「そ、そう?…出来れば"まかせろ"って使わないでほしかったわ…でもありがと、おにぃ」
赤沢兄(泉美はどっちなんだ?ここが兄として資格があるか無いかが分かるはずだ――)
赤沢兄(俺は知っている!泉美の事を誰よりも!!泉美がきのことたけのこどちらが好きかという事も!!)
赤沢兄「泉美!頑張れよ!」スッ
赤沢「おにぃ…っ」ブワ
"赤沢和馬 たけのこ派"
赤沢「…」
~小椋家~
小椋兄「…なんだよコレブラクラじゃねーかカス」ブツブツ
小椋「兄貴ちょっといいー?」ガチャ
小椋兄「わああAAA!突然入ってくるな!」
小椋「あ、ごめんね…何見てたの?」
小椋兄「あ、あ、明日の天気だよ(妹モノのエロ画像を漁っていたなど言えない)」
小椋「あー、そう…(天気…?)」
小椋兄「何か用か?」
小椋「兄貴、チョコって食べるかな?良かったらこの調査に協力して貰いたいんだけど…」
小椋兄「調査?」
小椋兄(…うわ、くだらねーなんだこりゃ)
小椋「…」
小椋兄「…」チラッ
小椋兄(めっちゃ真剣な眼差しじゃねーかよ…ったく)カリカリ
小椋「えへへ」
小椋兄「…」カリカリ
小椋「ふむふむ」
小椋兄「ほらよ、用が済んだなら出てけよ」スッ
小椋「うん、ありがとね!」
小椋兄(…たまには何か買ってきてやろうか…。チョコ1つであそこまで真剣になれるとは…)
~病院~
水野姉「な~んか面白そうな事してるみたいね!これでいいのかな?」カリカリ
恒一「ありがとうございました!…水野さんはきのこ派なんですね。」
水野姉「昔から弟と良く食べてたからね~、ま、色々と頑張って!」
恒一「僕もこんな事するべきじゃないとは思ってますけど、まぁ、仕方なく…ですよね」
水野姉「―あ、あれって鳴ちゃんじゃない?」
恒一「…本当だ 未咲ちゃんに聞きに言った後かな、声かけてきますね それじゃ僕はこれで」ヒュンッ
水野姉「早っ…」
恒一「見崎ぃ~!!!」ダダダダ
鳴「あら榊原君、偶然ね」
恒一「未咲ちゃんに会ってたの?」
鳴「そうよ。私の周りの人はこれで全部終わった」
恒一「僕も水野さんに聞いてきたよ」
鳴「そう………、ねぇ、たけのこ派勝利を願って、お茶でもする?」
恒一「…!す、する!するする!イノヤでいいよね!?」パァァ
鳴「ふふ。この戦争、必ず勝ちましょうね」
水野姉(ほぉ~、青春だねぇ)
~喫茶店・イノヤ~
カランコロン
望月「あ、榊原君と見崎さんだ」
恒一「望月もいたのか…あ、そっか。お姉さんに?」
望月「うんそうだよぉ!今奥の部屋で書いてもらってる!」
鳴「でも、何だか意外ね」
望月「?」
鳴「望月君は年上を誘惑して何かイカサマを使うと思っていたから」
恒一「…なるほど」
望月「えっ!何納得してるの?!」
望月「いくら僕でもそんなズルは…た、多少は考えた、けど」
鳴「赤沢さんはどんな小さなズルも見抜きそう?」
望月「そ、そう!僕って嘘が下手だからさ…口も軽い所があって、赤沢さんには勝てない気がしてさぁ」
望月「もしバレちゃったら中尾君からキスでしょ、そんなの絶対嫌だもん」
鳴「……まぁ、私達は敵同士でもあるしね、正々堂々と勝負したい」
望月「あったりまえじゃん!ズルしたらそれこそきのこ派の名が廃るっての!」キリッ
鳴「そうね」キリッ
恒一(なんだ、妙に熱い友情が…?)
望月「つーかぶっちゃけ僕は三神先生がきのこ派だったらどうでもいいんだけどさwwフヒッw
(絶対負けないからねっ!)」
恒一「………」
鳴「そうだ榊原君、三神先生…怜子さんにはもう聞いたの?」
望月「」ガタッ
恒一「そういえばまだだった…じゃあそろそろ帰るよ」逃
鳴「じゃあ私も。」
望月「さ、榊原君!明日は三神先生がきのことたけのこどっちが好きかしっかり教えてよ!!?
僕の極秘三神先生データノートが~」
恒一「わ、分かった…分かったから…(極秘になってないよ…)」
鳴「また明日ね。榊原君、望月君」
~咲谷記念館~
高林「やあおばあちゃん」
高林祖母「!?」
高林祖父「珍しいな郁夫。平日にこっちに来るなんて」
高林「うん、ちょっと学校でアンフェアな戦争が起きてて」
高林祖母「アンフェア!?何ですって!一体何が!?」
高林「…………これだよ」ペラ
高林祖父「………うぬぅ…………!これは非常にアンフェアだ…っ!」
高林祖母「これは郁夫君が負けたらどうなっちゃうの!?」オロオロ
高林「………僕がアンフェアかつアンフェアな事態になるかもしれない……」
高林祖母「た、大変!!おばあちゃん郁夫君に協力するから!
どちらが勝てばいいのかしら?」
高林「…その必要はないよ」
高林「戦争にハンデがあるなんてフェアじゃないよ、フェアじゃない」
高林祖父・祖母「…………」
高林祖父「郁夫がわざわざこっちに来た理由が分かった気がする…」カリカリ
高林祖母「郁夫は本気ね…おばあちゃん泣いちゃうわ…っ」カリカリ
高林「フェアな調査を、そして…フェアな決着をつけたいんだ」
~恒一家~
怜子「たっだいま~!」
恒一「おかえりなさい怜子さん」
怜子「あぁ恒一君、今日は学校どうだった?」
恒一「……きのこたけのこ戦争が、始まりました。」
怜子「……」
恒一「それで怜子さんにも聞き込み調査に協力してもらいたいんです」
怜子「そう…きのこたけのこ戦争…まだ…やってたのね…」
恒一「"まだ"ってことはやっぱり怜子さんの年の3年3組にも…!?」
怜子「あったわよ。けど…あまりいい思い出では無かったけどね」
恒一「詳しく聞かせてもらえませんか」
怜子(いい思い出じゃないって言ってるのに……)
怜子「私達の年は…途中で止まったのよ」
恒一「止まった?」
怜子「ええ…このきのこたけのこ戦争自体は普通に行われていたわ」
怜子「けど、当時はあまりにも盛り上がりすぎてしまったのが原因の1つだと思ってる」
怜子「戦争が3日ほど続いたある日、1人の生徒が怒り出して暴力事件を起こしてしまったのよ」
怜子「"屁理屈だけ並べやがって!""そんなの主張でもなんでもない!"ってね…」
恒一(中尾君はその一歩手前だったのか…危なかった)
怜子「数人をケガさせたその生徒ね…名前は松永君と言ったわ」
怜子「そのままクラス全員が殴り合いみたいになってしまって、収拾がつかなくなったの」
怜子「私や他の女の子達は怖かったと思うし、黙って見てる事しか出来なかったわ」
怜子「それでね、戦争中は担任や副担任は基本的に見てるだけの存在っていうのが決まりだったんだけど…」
恒一「だけど?」
怜子「暴力沙汰とかで厄介な事になるのが嫌だったんだろうね…その先生は大激怒したわ」
怜子「松永君は生徒指導行きで、クラスメイト全員は説教…もちろん直接暴力事件に関わってない私達もね」
恒一「それで戦争が終わることなく途中で止まったと?」
怜子「いいえ…結果は『引き分け』になったのよ」
恒一「引き分け?」
怜子「もうクラスの雰囲気は最悪だったわね、それから卒業までの事はもうあまり覚えていないわ
いや、思い出したくも無い」
恒一「そうですか…」
恒一(望月の言っていた25年間でたった1つの引き分けは…怜子さんの年だったわけか)
怜子「15年前、松永君が戦争を止めたのよ…私はそう思ってるわ」
怜子「恒一君達は聞き込み調査なんてものを行ってるけど、あの時の私達はそんな事頭の中に無かったわね」
恒一「怜子さんも大変だったんですね」
怜子「ん、それで?私は生涯ずっときのこ派よっ書けばいいのね?」
恒一「! は、はい!ありがとうございます」
怜子「恒一君達の年はまだ落ち着いてるモンね、有能な対策係さんまで居て」カキカキ
恒一(有能…ですか…)
怜子「インドにいる理津子姉さんにも、始まりの年の事とか聞いてみるといいんじゃないかな…―っと出来た。これでいい?」スッ
恒一「ありがとうございました」
怜子「決着は明日?」
恒一「はい!」
怜子「終わると、いいね、…気持ち良く」
恒一「――はい、僕もそう願ってます」
~翌日~
キーンコーンカーンコーン....
赤沢「おはよう、風見君」
風見「おはよう赤沢さん…昨日は眠れなかったようだね?」
赤沢「ななな何言ってるの?そういうあなたこそメガネが逆よ」
風見「…」カチャカチャ
風見「ふ、ふははは!そういう君こそツインテールの位置が左右おかしな事になってるし、
左右の靴下の長さが違うじゃないか」
赤沢「…」
風見「…」
ザワザワ ガヤガヤ
キョウガケッチャクカ タノシミダネ フェアナケッカヲ..
赤沢「んん"っ、…それでは昨日渡した紙を回収します」
風見「不正が無いかチェックもします」
赤沢「不正が発覚した場合は中尾からディープキスだからね」
ザワザワ
ウワァ キモッ オ"ェェェ ヤベー ワクイガゲロハイタ!
中尾「…」
~集計中~
鳴「どうなると思う?戦争」
恒一「…どうなるも何も、何事もなく終わって欲しいよ…」
杉浦「順太きゅんを奪った罪は大きい…そして罰ゲームに使われた順太きゅん…」ブツブツ
小椋「たけのこなんてあたしがブッ潰してやる!」
赤沢「――では、結果を発表します」
風見「…」
一同「…」ゴクリ
風見「【久保寺先生 たけのこ派】」
有田「やったぁぁー!!たけのこバンザイ!!」
高林「フェア!フェア!」
赤沢「フン…」
ワァァァ ギャー
赤沢「【三神先生 きのこ派】」
望月「FOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!」ガタタンッ
勅使河原「さすが三神先生だぜぇー!!!」
ギャー ワー
赤沢「【水野姉 きのこ派】」
水野「よっしゃ!!さすが姉ちゃんだぜ!」
川堀「ンアッー!」
高林「アンフェア」
ザワザワ
赤沢「【小椋兄 きのこ派】」
小椋「ふふん」ドヤァ
綾野「わーい!由美すげー!!」
風見「【赤沢兄 たけのこ派】」
赤沢「…」
鳴「あれあれあれ?無能のお兄さんなのにたけのこ?ブフッww
あ、無能のお兄さんだからたけのこなのかwwごめんなさいwww」
風見「見崎さんいくらなんでもそれはひどいよwww」
赤沢「……」ギリギリ
恒一(見崎、煽るなぁ…)
風見「【見崎姉妹…えっと、藤岡未咲、さん たけのこ派】」
赤沢「ヲイ!!双子はちょっと卑怯じゃない!?こんなの同じ人が2人いるも同然じゃない!!」
杉浦「泉美の言う通りよ!」
米村「俺モブだけどそのりくつはおかしい」
赤沢「…チッ…み、【見崎母…霧果、さん… きのこ派】」
鳴「…ふん」
赤沢「ははおやwwwなのにwwブフッwwwww対立wwしてるwww」バンバン
鳴「…っ」ギリギリ
望月「WAOOOOOOOO!!!!」ガタガタッ
勅使河原「お前は年上がきのこ派だったらなんでもいいのかよ…」
赤沢「【望月姉 きのこ派】」
望月「FOAAAAAAAAAA!!!!」ガタタタッ
勅使河原「おい…望月どうしたんだよ…」
王子「そっとしておこう」
赤沢「【高林祖父 きのこ派】」
高林「oh...UNFAIR!!」
鳴「高林君のおじいさんでもきのこにつくか…はぁ」
多々良「このクラスはいつから英語の授業になったのよ…」
赤沢「【高林祖母 きのこ派】」
高林「NO....」
風見「高林君っ、あれだけアンフェアアンフェア言っておきながら何で君の親族は皆きのこ派なんだよ!」
杉浦「ざんまああああああ!!」
赤沢「ふふふふふ…大人の大半がきのこを選んでいる――これすなわち」
赤沢「きのこが大人向けのお菓子である事を証明しているわ!!」
赤沢「ガキはせいぜいたけのこにしゃぶりついてなさいよって話」クスッ
鳴「しゃぶりつくのは寧ろきのこの方じゃないのかしら」ジロリ
恒一「ちょ、ちょっと待った!女子中学生がする会話じゃないよこんなの!!」
望月「BBAか…ぎりぎり僕のラインには引っかからないな…」
勅使河原「いやお前の好みなんて聞いてねぇよ…」
赤沢「以上。きのこ派7名」
風見「たけのこ派3名――」
赤沢「…え?」
風見「…あ、赤沢さん…これって」ヒソヒソ
赤沢「どういう事なの…」ヒソヒソ
藤巻「あ?何だ?何かあったのか?」
中尾「問題解決はまかせろー」
桜木「えぇっと…このクラスではきのこ派が13名、たけのこ派が17名となっておりますから…」
有田「あっ!20人対20人って事になっちゃったの!?」
赤沢「…っ…その通りよ…」
風見「クソッ…何でこんなにも綺麗に分かれるんだ…!」
ザワザワ ガヤガヤ
ドウイウコトゾナ! ミカミセンセイラヴ!! ワケガワカラナイヨ
恒一「まさか…引き分け…?」
鳴「そんな―…」
赤沢「嫌だ…こんな結果認めない!!」
風見「絶対に決着をつけるんだ!!!」
桜木「ですがもう聞き込みは終わりましたしこれ以上人を増やしても逆に収拾がつかないのでは?」
赤沢「で、でも――」
風見「久保寺先生!!千曳先生だ!千曳先生を呼んできてください!!」
赤沢「そうだわ!すっかり忘れていたけど!!」
恒一(ェ…)
久保寺「ほう、なるほど―― 分かりました」ダダダッ
小椋「千曳先生…!」
王子「この戦争を26年間分よく知っている人…」
勅使河原「唯一の人材じゃねーか!」
鳴「これで決まるのね…きのこ派の敗北が」
杉浦「あ!?今なんつった眼帯アホ毛ぇ!!」
佐藤「…ダサパーカーメガネ」ボソッ
杉浦「!?」
佐藤「…今日は天気がいいなぁ…」シラッ
恒一(いや、曇ってるよ…)
中尾「どうした杉浦!俺にまかせろー!」
前島「お前は今たけのこ派だろ!」
小椋「まーたたけのこ厨が発狂してんの?ガキだもんなぁ~しょーがないよなぁー」
綾野「いけいけ由美っ!やったれ由美!」
風見「どうせ君らはまた暴力で
赤沢「うるせえ黙れハゲメガネ!!」
風見「だからハゲてないって言ってるだろ!!」
鳴「赤沢さんこそ、将来悲しい人生を送る事になるんでしょうね、色んな意味で」
ギャーギャー ワーワー
松井「きのこの棒の部分が杏子ちゃんで、チョコの部分が亜紀なのー」イチャイチャ
杏子「えへへずっと一緒ね」イチャイチャ
恒一「ああもう…また始まった…」
ガラガラ バンッ!!
千曳「話は聞かせてもらったよ。尋常ではないね」
恒一「千曳せ…」
赤沢「千曳先生!このクズがきのこ派を馬鹿にしてるんです!!」
風見「君だってたけのこ派からゆかりを取ったじゃないか!!」
綾野「この争いが終わらないんですよーだから千曳先生っ!」タノム
小椋「演劇部3人の交流が深い千曳先生はきのこ派に決まってるわ」ブツブツ
和久井「タッちゃんは僕の味方だからたけのこ派だよ」ボソボソ
鳴「さあ早く。この不毛な戦いに決着をつけて下さい」
赤沢「きのこ派か!!!」
風見「たけのこ派か!!!」
千曳「…………」
千曳「大変言いにくいのだけどねぇ…」
千曳「私は…すぎのこ村派なのだよ…」
一同「…」
鳴「…不毛ね」
【完】
このSSはきのこたけのこ戦争におけるきのこ派の皆さんとたけのこ派の皆さんの意見を参考にしました
至らない点も多々ありましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました
以下最終的な結果です
●きのこ赤沢派 13人
赤沢 小椋
水野 川掘
桜木 綾野 望月
猿田 王子 勅使河原
松井 金木 杉浦
★たけのこ風見派 17人
有田 渡辺 佐藤 見崎
前島 中尾 米村 辻井
中島 柿沼 江藤
風見 榊原 和久井
藤巻 多々良 高林
●三神 水野姉 望月姉 小椋兄 高林祖母 高林祖父 霧果
★久保寺 赤沢兄 未咲
千曳:すぎのこ村派
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