夏海「あー、あっつー……」

小鞠「夏海、暇ならごろごろしてないで宿題やりなよ」

夏海「んだよ姉ちゃん、んなもん後でいいじゃんかよー」

小鞠「そういって去年もぎりぎりになって手伝わされたから言ってんの、ほら宿題」夏海「あーあーあー、聞こえなーい！」

小鞠「ちょっと夏海！」

夏海「ちょっと遊びに行ってくるー！」

小鞠「もー、知らないからね！」

夏海「でさ、姉ちゃんまで宿題しろって言ってきて参ったよ」

蛍「あのでも、宿題はしたほうが良いと思います」

夏海「えー、分かってないなぁほたるんは。よし、今時間ある？」

蛍「え？　はい、お休みですし時間なら」夏海「よーっし！」

きゅっ

蛍「な、夏海先輩？」

夏海「行くよほたるん！」

蛍「えっ、あの、夏海せんぱっ！」

夏海「へっへーん！」

蛍「あ、危ないですからこんな走らなくても！　先輩！　夏海先輩！」

俺「夏海ちゃん、少し、くっついてもいいですか？」

夏海「ん？　良いけど？」

夏海「着ーいたぁー！」

蛍「はぁっ、はぁっ……こ、ここは？」

夏海「はーいほたるん、目つむってー」

蛍「じ、自分でつむりますから目隠ししなくても大丈夫ですよ！？」

夏海「良いから良いから、ほら、ゆっくりと歩いてね、うちに合わせて、ゆっくりゆっくり」

蛍「えっと、こ、こうですか？」

夏海「そうそう、そのまま……はいストーップ！」

ギュッ！

蛍「きゃっ！　せ、先輩？」

夏海「さあほたるん、手、離すからね？」

蛍「は、はい……」

夏海「はーいほたるん、見てごらんよ！」

蛍「……わぁぁ！！」

蛍「すごい……すごく綺麗です……」

夏海「だよねだよね！　ほたるんはこんな景色見たことないでしょ？」

蛍「はい！　本当にすごいです！」

夏海「ほたるん、この辺りにはこんなに綺麗な景色や楽しいことがたくさんあるんだよ、うちはまだまだそれを知ってるんだよね」

蛍「東京じゃこんなの見られませんでしたし、なんだか夏海先輩が羨ましいです……」

夏海「そんな羨ましがる必要なんてないって、夏休みは始まったばっかだしさ、これからたくさん教えてあげるよ！」

蛍「本当ですか！？」

夏海「うん、だからさ」

蛍「？」

夏海「こんなに綺麗な場所や景色見たり遊んだり忙しいんだから、宿題なんてやってる場合じゃないんだよ！」

蛍「結局それが言いたかったんですね……ふふっ」

夏海「さあほたるん！　まだまだ行くよ！」

きゅっ

蛍「は、はいっ！」

蛍「はぁ、今日はずっと走ってたからもうクタクタです……」

夏海「でも楽しかったでしょ？」

蛍「すごくワクワクして楽しかったです！」

夏海「それじゃあほたるん、明日も遊ぼうよ、またたくさん面白いとこに連れてったげるからさ！」

蛍「はいっ！　また明日もよろしくお願いします！」

夏海「オッケー、それと最後に」

蛍「なんでしょうか？」

夏海「家まで送ってってあげるよ、行こう」

蛍「はい！」

きゅっ

蛍「今日はすごく楽しかったなぁ」

蛍「高いところに登るのは怖かったけど、夏海先輩がいたら、なんだか心強かったしなぁ」

蛍「……あれ？」

蛍「こまぐるみ、ちょっと作るの間違えちゃった」

蛍「髪型がなんか、ちょっとパイナップルみたいに……？」

蛍「うーん、考えながら作ってたから？」

蛍「まあ良いよね、これはこれで可愛い気がするし」

>>34ミス
蛍「髪型がなんか、ちょっとパイナップルみたいに……？」
×パイナップル
○糞パイナップル

夏海「ただいまー……って姉ちゃん」

小鞠「な、なんだ夏海か、急にドア開けないでよ……」

夏海「またホラー映画見てんの？　懲りないなぁ」

小鞠「懲りないってなによ！　前のはたまたま虫がうるさくて！」

夏海「へいへい。うちは寝よっかなー」

小鞠「な、夏海！」

夏海「ん？　なに？」

小鞠「ちょ、ちょっと蜜柑持ってきてよ」

夏海「やだよ、自分で行きなよ」

小鞠「え、映画の途中だし！」

夏海「もう、しょーがないなぁ」

夏海「ほい」

小鞠「ん、ありがと」

夏海「それじゃあうちは」小鞠「剥いて」

夏海「……はい？」

小鞠「今映画見てるから蜜柑剥いて」

夏海「いやいや、そのくらい自分でしなよ」

小鞠「今良いとこだから！」

夏海「どう見ても良いとこじゃないんだけど、全くもう」

小鞠「……」

きゅっ

夏海「……何？」

小鞠「動かないで」

夏海「なんで？」

小鞠「今動いたら怪我するから！」

夏海「はいはい、分かった分かった」

小鞠「チェイサー！！」ザシュ！！
夏実(真っ二つ)「ぐはっ！ね、、、姉ちゃん…な、ん、で、、、」
小鞠「パイナップルと間違えて切ってしまったのん…」

完

夏海「終わったね」

小鞠「う、うん」

夏海「それじゃあもううち寝るから」

小鞠「……うん」

夏海「姉ちゃん！　後ろに人影が！」

小鞠「いやぁぁぁああ！」

ギュッ！

夏海「なーんて、本当は兄ちゃんでしたー」

卓「……」

小鞠「ししし、知ってたもん！　ただ兄ちゃんに驚いただけで」

夏海「いや、それはひど過ぎでしょ」

卓「」

夏海「ああほら兄ちゃんも悲しそうな目しながらあっち行っちゃうし」