P「というわけなんだが…」

律子「まったく…伊織ってば子供なんだから…」

P「なあ？」

律子「プロデューサーもです！何でわざわざぬいぐるみの首なんか引っ張るんだか」

P「面目ない」

あずさ「でも律子さん、どうするんです？そろそろ行かないと収録に遅刻してしまいますよ？」

亜美「やっぱここは兄ちゃんがウサちゃんになるっきゃないっしょ～」

P「何言ってるんだよ亜美…そんなこと」

律子「それでいくしかないわね」

P「何と！？」

律子「とりあえず今日のところはそうするしかないでしょう？収録に穴を開けるわけにはいかないわ」

P「し、しかしだな…」

律子「女の子を泣かせたんですよ？責任を取ってください」

P「…はい」

亜美「とりあえずウサミミ取ってくんね～」

P「ウサミミ！？何でそんなもんがあるんだよ！？」

亜美「衣装だよん。別に驚くことでもないっしょ」

P「まあ…驚くことでもないが…しかしウサミミは…」

律子「亜美、ウサミミはいいわ。必要ない」

亜美「えー？でもウサちゃんの代わりっしょー？」

律子「別に伊織はプロデューサーに本当にウサギの代わりになってほしいわけじゃないのよ」

P「そうなのか？」

律子「ええ。要は子供の駄々こねです。ある程度わがままを聞いてやって満足すればそれでよし」

P「そ、そうか…よかった」

律子「第一いい歳した芸能人でもない男性がウサミミつけてテレビ局なんかうろついたら…」

あずさ「竜宮小町どころか765プロ自体の危機ですね～」

律子「そういうことです。だからプロデューサー、今日はできるだけ伊織の言うことを聞いて下さいね」

P「ど、努力する…」

律子「よし。じゃあ伊織を呼んできましょうか」

律子「伊織！ほら、収録逝くわよ！」

伊織「…やだ」

律子「わがまま言わないの！ほら、これあげるから」

P「や、やっほー…ウサちゃんだよー」

伊織「…」

P「…い、いおりーん…一緒にお仕事に行こー？」

伊織「…」

げしっ

P「痛っ！」

伊織「…」

げしっ、ぼすっ、ぎりぎりっ、ぼすっ

P「い、痛い！痛いよいおりん！い、痛い！マジ！痛い！や、やめ…あふん！」

伊織「…仕事…行く」

律子「よかった…さ、それじゃあ準備するわよ！」

P「よ、よかっ痛い！痛い！やめ！スネばっか蹴んのやめ！痛いぃ！」

亜美「あ！いおりん来たよあずさお姉ちゃん！」

あずさ「よかったわ～…どうしてプロデューサーさんはあんなにビクンビクンしているのかしら～？」

亜美「…いおりんに後ろから蹴られてるね…」

あずさ「あらあら～」

P「ちょ！い、いおりん！ヒザ裏とか！んん！アキレス腱とか！んほふ！け、蹴らないで！」

伊織「…うるさい」

律子「お待たせ二人とも！行くわよ！」

P「あ、じゃ、じゃあ俺、車出してくいふん！」

伊織「…シャルルは車なんか運転しないわ」

律子「あ、私が車出しますからプロデューサーは待ってて下さい」

P「あー…お願いおぅ！？」がくん

P「い、伊織！？何を！？」

伊織「アンタはシャルルなの。私はいつもシャルルをこう抱っこしてあげるのよ」

P「あ、あの…下半身が完全に地面に寝ちゃってるんですが…」

伊織「…持ち辛いのよ、アンタ！」げしっ

亜美「いおりん元気出てきたみたいだねぃ」

あずさ「ホント、よかったわ～」

伊織「…し、仕事に行くって決めたからには…ね。持ち辛い！あんた体でかすぎるのよ！」

P「そんなこと言われても…」

亜美「いつもの持ち方はあきらめて首でも持ったら？胴よりは細っこいから持ち易いんじゃないの？」

P「おいおい亜美君何を馬鹿なぐぶぅ！」

伊織「…確かにこれなら少しは持ち易いわね。これでいくわ」

P「ぐっ！ぐふぅ！ぐぅ、ぐふぅ！し、しぬ！しぬ！」

あずさ「あらあら～、伊織ちゃん、プロデューサーさんの顔色が青くなってきたわよ～？」

亜美「なんかちょっと泡吹いてるし…でも目が真っ赤に充血してウサギっぽいね」

P「ぎぶ…ぎぶぎぶ…」

伊織「まったく…根性ないのよプロデューサーのくせに！首絞められたくらいで弱音吐くんじゃないわよ！」

P「はぁー…はぁー…はぁー…む、無茶言うな…」

伊織「…仕方がないからアンタは普通に歩いていいわ。重くて持ち辛いしね」

P「た、助かります」

律子「はーいお待たせ！早く乗って！」

P「お、来た来た。そいじゃよろしあんっ！」

伊織「何勝手に助手席乗ろうとしてんのよアンタは」

P「な、何が痛っ！」

伊織「アンタはシャルルなんだから私の隣に決まってるじゃない！」

P「あ…そ、そうなの？」

あずさ「あらあら～、それじゃあ助手席には私が乗りますね～」

亜美「兄ちゃんモテモテだねぃ」

P「そ、そうなのかな…」

伊織「そんなんじゃないわよ！」

P「そんなんじゃないそうです」

亜美「んっふっふ～、口ではそう言っても心では」

律子「早く乗りなさい！置いてくわよ！」

亜美「ありゃりゃ、そいじゃ兄ちゃん早く乗ってよ」

P「お、おう、わかった…なんか狭いなあ」