ひな「お腹空いたよ!」
かかし「……オレはお前の母親ではない」
ひな「なに言ってるの?かーちゃんはかーちゃんでしょ?」
かかし(刷り込みって面倒くさいな……)
ひな「かーちゃん!ご飯!」
かかし「……ほら、食え」
ひな「…やさい、嫌い」
かかし「ここの畑にはそれしかないからな」
ひな「むぐぅ…」
かかし「食う前にちゃんと『いただきます』しろよ」
ひな「いただきます…」
夜
ひな「zzz…」
かかし「……来たか」
魔女「やあ、畑の調子はどうだい?」
かかし「…特に変わったことは無い」
魔女「ふむふむ、夏野菜の収穫まであとどれくらい?」
かかし「…5日後ぐらいが頃合かと」
魔女「了解、楽しみにしてるから引き続き頑張ってくれたまえ」フワッ
翌日
ひな「かーちゃん!遊んで!」
かかし「今は水やりをしているから無理だ」
ひな「『今は』ってことは後で遊んでくれるの?」
かかし「水やりが終わったら肥料の調合があるから無理だな」
ひな「その後は?」
かかし「また水やりをしたら眠る時間になるな」
ひな「つまんないー」
かかし「……」ジョロロロ
ひな「かーちゃん!おれにも手伝わせて!」
かかし「お前じゃこのジョウロは持てないだろ」
ひな「でも手伝いたいの!」
かかし「…じゃあそこら辺にいる虫でも食べててくれ」
ひな「わーい!ひさしぶりのタンパク質だ!」
数日後
ひな「かーちゃん!飛び方教えて!」
かかし「無理だ、オレは飛べないからな」
ひな「かーちゃん飛べないの?怪我でもしてるの?」
かかし「いや、生まれつきだから気にするな」
ひな「それじゃあかーちゃんはどうやって狩りをするの?」
かかし「オレは狩りはしない、野菜を育てるのが仕事だからな」
ひな「おれも将来は野菜を育てる仕事をするの?」
かかし「……さぁ…どうだか」
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