義妹「こ、こちらこそよろしく……」(134)
方向性>>5
ツンデレ
兄「これから色々面倒かけると思うけど宜しくね」
妹「や、全然気にしないので…自由にして下さい」
兄「そう言ってもらえると助かるよ」
妹「あ、えと…なんて呼んだらいいんです?」
兄「呼びやすいのでいいよ、特に決まってないからさ」
妹「お兄ちゃん…は少し恥ずかしい気がするから兄さんということで」
兄「うん、じゃあ俺はどうやって呼ぼうかな?妹さんでいいのかな?」
妹「さん付けは余所余所しい気がするから…」
兄「じゃあ妹ちゃんでいいかな?」
妹「な、何いってるんですか!!いいいいきなりそんなこと言われても困ります!」
兄「じゃあ妹の方がいいかな」
妹「別に…そう呼びたいならさっきのでも構わないけど……」
兄「じゃ、俺部屋戻ってるから、何かあったら呼んでね」
妹「 」
コンコン
兄「どーぞ」
ガチャッ
義妹「……」
義妹「あ、あの、初めまして、義妹です……」
兄「おー、兄って言います、よろしく」
義妹「こ、こちらこそよろしく……」
妹「兄さんはいつも何してるんですか?」
兄「特に何かしてるって事もないかなあ」
妹「それなら暇な時どうしてるんですか?」
兄「漫画読んだりゲームしたり、ごろごろしてるけど」
妹「なるほどなるほど」
兄「なんでそんなことを?」
妹「いえ、気になったわけじゃないんですけど、普段何してるか知っておいた方がいいかと思いまして」
兄「そうなんだ、妹ちゃんは気配り上手なんだね」
妹「ち、違うんです!これはその兄さんの事を少しは知っておこうと思っただけで決して気になったとかそういうのじゃないので!」
兄「妹ちゃんって面白いね」
妹「あーもう!知りません!」
>>8
はよ
義妹「…」モジモジ
義妹(き、今日から、この人が、あたしの、お兄、ちゃ…)
兄「ん…」
兄「緊張してる?」
義妹「ぅ…」
義妹「ぇ、えと…、いえっ、してませんっ」
兄「はは、大丈夫大丈夫、うちにそんな固い性格の人いないし、もっとリラックスしていいよ」ナデナデ
義妹「ぁ…」
兄「いや、俺もどんな子が来るか、ちょっと心配してたんだけど…」
兄「可愛らしい子で良かったよ」
義妹「…っ」
義妹(か、『可愛らしい』…)
義妹「…」チラッ
兄「…」
義妹(や、ヤバい、なんか、どきどき…)ドキドキ
兄「ん?」
兄「顔が赤いな…」
兄「もしかして、一目惚れした?」
義妹「」
兄「困るなぁー、俺、もう既に予約でいっぱいなんだけどなぁ、はは」
義妹「ま、まず、一目惚れなんてしてませんからっ!」
義妹「勝手に話を進めないでください!」
兄「ムキになっちゃうなんて、可愛いなぁー」ナデナデ
義妹「ぅぁ…っ?」
義妹「も、もぉっ、変な人っ!」
義妹(一瞬でもかっこいいと思ってしまった自分が…)
義妹「うぅ…」カァァァ
兄「…」
兄(良かった、大きい声も聞けたし、これでちょっとはリラックスしやすくなったかな?)
義妹「ぅ…」
スッ
義妹「…?」
兄「これからもよろしく、の握手」
義妹「っ…」
義妹「…」プイ
兄「お、おい」
ニギ
兄「!」
義妹「…」カァァァ
兄(顔は背けるけど、握手は一応してくれる…)
兄(これはいいツンデレ)ナデナデ
義妹「もぉっ、さっきから触りすぎですっ!」
兄「はは、ごめんごめん」
義妹「もぉ…っ」カァァァ
初対面ツンデレは難しかった
グゥゥ
義妹「ぅ…」
兄「うん、腹減ったな、飯食おう」
兄「義母さんのご飯が楽しみだ」
義妹「お母さんの料理、美味しいよ」
兄「そうか、期待しとこう」
兄「行くぞ」
義妹「うん」
兄「…」
兄(敬語もなくなった、良かった良かった)
義妹「…?」
兄「…」
義妹「…」トテトテ
父「遅かったな」
兄「あー」
父「義妹ちゃんに変なことしてたんじゃないだろうな」
兄「…」
父「無視はやめろ」
義母「ふふ、ご飯出来てるから、あったかいうちにどうぞ」
兄「もちろん!」
兄(やべーな、義母さん若くて綺麗だな…)
兄(なんでこんな親父にあんな人が…)
義妹「早く食べようよ」
兄「え?あぁ」
義母「…」ニコニコ
義母「もう、こんなに仲良くなったのね」
義母「ありがとね、兄くん」ニコ
兄「っ!」ドキッ
義妹「な、仲良くないよっ、お母さん何見て言ってるのっ」
義母「またまた、ムキになって…」クス
義母「こんな娘だけど、可愛がってあげてね」
兄「もちろんですよ、ははっ!」
義妹「…」
義妹(むかつくぅ…)
兄「いただきます」
兄「もぐもぐ…」
兄「美味っ!」
義妹「でしょっ、美味しいの、お母さんの料理」
兄「あぁ、これは美味い」
義母「ふふ、ありがと」
義妹「さすが、お母さん!」ニコニコ
兄「美味い、美味い」モグモグ
義妹「…」
兄「お前は?」
義妹「えっ?」
兄「義妹は、料理できるのか?」
義妹「!」
義妹(な、名前で…っ)カァァァ
父「おい、義妹ちゃんを名前で呼ぶな、馴れ馴れしいんだよ」
兄「…」
父「おい」
義妹「…で、できるよっ」
義妹「お母さんより上手だもん!」
兄「ほぉ…」
兄「じゃあ、今度、不意に頼むかもな」
義妹「…っ」
義妹「いつでもどうぞ!」
義母「ふふ、負けず嫌いなんだから…」
父「可愛いなぁ」
兄「ご馳走様でした」
義妹「ごちそうさま」
義妹(部屋戻ろっと…)トテトテ
義妹「あ」
兄「どうした?」
義妹「な、なんでもないよ」テテテッ
兄「?」
義妹「お母さん」グイ グイ
義母「どうしたの?」
義妹「部屋の家具、並べるの手伝って」
義母「引っ越し屋さんがやってくれなかったの?」
義妹「後でちゃんと並べ直そうと思ってたから、そんなにきっちりはしてもらわなかった」
義母「そう、私はいいけど…」
義母「あっ」
義母「兄くんに手伝ってもらいなさいよ」ツンツン
義妹「え…、えーっ」
義母「ふふ、もっと仲良くなるチャンスじゃない」
義母「いい人そうなんでしょ?」
義妹「…そうだけど…」
義母「行ってらっしゃい、頑張って」ニコ
兄「…」
コンコン
兄「はい」
兄(ノックするってことは、義母さんか、義妹…?)
義妹「…」ガチャッ
兄「どうした?」
義妹「あ、あの…」
義妹「手伝ってほしい…」
…
…
兄「なるほど、細かいとこは後で自分できっちりやりたかったんだな」
義妹「うん」
義妹「いいの?」
兄「もちろん」
義妹「ありがとう!」
義妹「じゃあ、部屋行こう」
兄「おぅ」
兄「いくぞ、せーのっ」
義妹「んぅっ」ググッ
兄「どこに置くんだ?」
義妹「この辺がいい」
兄「了解」
…
…
兄「ふぅ」
兄「結構、数あるな」
義妹「ごめん」
兄「いいよ、休憩しよう」
兄「何か飲み物取ってきてやる」
義妹「ありがとう」
…
…
ガチャッ
兄「お待たせ」カラン
義妹「あ、りんごジュース!」
兄「好きなんだってな、義母さんに聞いた」
義妹「うん、大好きっ」
兄「ん」スッ
義妹「ありがとうっ」
義妹「ん、ん…」チューチュー
義妹(美味しい)
義妹「…」ニコニコ
兄「…」
兄(こいつが、今日から、ずっと家に…)
兄(…)
義妹「♪」チューチュー
義妹「…?」
義妹(何か、視線を…)
兄「…」ジーッ
義妹「っ!!」
義妹「な、何見てるのっ…!」アセアセ
兄「ん?」
兄「いや、可愛いなと思って」
義妹「っ」ビクッ
義妹「も、もぉっ、変なこと言わないでっ!」
兄「はは、落ち着けよ」ナデナデ
義妹「んぅ…」
義妹(も、もぉっ…)
義妹(子供あつかいされてるぅっ…)
兄「ん、まだ起こってるか?」ナデナデ
義妹「…」
義妹(なでなで、気持ちいいな…)
兄「…」ナデナデ
義妹「…」
兄「…」ナデナデ
義妹「…」
兄(…)
兄「…」パッ
義妹「あ…」
義妹「…」
兄「もっとなでなでして欲しいのか?」
義妹「…」
義妹「そんなことない」
兄「…」
兄「やっぱお前、可愛いわ」
義妹「な…っ」カァァァ
兄「はは、また顔真っ赤」
義妹「ぅ…」
義妹「もぉっ!!」
兄「…じゃ、そろそろ再開するか」
義妹「…」
義妹「うんっ」
義妹「んしょ、んしょ」
兄「大丈夫か?」
義妹「うん」
兄「…」
兄「そう言えば、お前、明日から、こっちの学校なんだよな」
義妹「そうだよ」
兄「…前の学校、しっかりさよならしてきたか?」
義妹「…」
義妹「うん…」
義妹「…」
兄「!」
兄(ば、バカ、何落ち込ませるようなこと聞いてんだ)
兄(もっと、これからの話を…)
兄「勉強は得意なのか?」
義妹「…」
兄(これもだめかっ…!)
兄「体育とかは好きか?」
義妹「うん、得意じゃないけど、好き」
兄「部活は?」
義妹「うーん…」
義妹「何か入りたいかなぁ…」
兄「何が好きなんだ?」
義妹「えっと…」
兄(兄として、妹の好きなものとか、やりたいことぐらい、知っとかないとな)
義妹「んーっ」
義妹「前は、バレーをやってたの」
兄「えっ?」
兄「その身長で…?」
義妹「…!」
義妹「ばかぁっ!」ペシッ
兄「ぅ…」
義妹「ばかっ、ばかっ、気にしてるのにぃっ」ペシペシ
兄「ご、ごめんごめん、つい…」
義妹「ついって何よぉ、うぅっ」
兄「ごめんごめん」ナデナデ
義妹「ん…」
義妹「…」
兄「なでなでしたら落ち着く、分かりやすいなー」
義妹「もぉっ!!」ペシッ
兄「まぁ、ともかく、バレーやったらいいじゃねーか」
兄「好きなんだろ?」
義妹「うん、好きだけど…」
兄「けど?」
義妹「他にも、面白そうな部活があったら見てみたい」
義妹「せっかく、引っ越しで一区切りついたから」
兄「ふむ…」
兄「浮気性をお持ちということか…」
義妹「う、浮気なんてしないーっ!」
兄「ほう…」
兄「浮気と言えば…」
兄「彼氏は?」
義妹「え…」
兄「彼氏はいたのか?」
義妹「…!」
義妹「な、なんでそんなこと聞くのっ」
兄「いや、気になるから、普通に」
義妹「…っ」
義妹「…」
兄「どうなんだ、黙ってないでお兄ちゃんにお前の男遍歴を…」
義妹「いたもん」
兄「え?」
義妹「いっぱい居たもん」
兄「い、いっぱい?」
義妹「モテモテだったもん」
兄「そうなのか」
義妹「そ、そうだよ」
兄「へー、お前が…」
義妹「何その言い方、むぅっ…!」
義妹(そんなの、できたことあるわけないよぉ…)
兄「…」ナデナデ
義妹「!」
兄「強がっちゃうところも、すごく可愛いぞ」
義妹「…っ!!」カァァァ
義妹「強がってないもん!」
義妹「お兄ちゃんのバカ!」
義妹「バカ!」ポカポカ
義妹「…あ」
義妹(今、『お兄ちゃん』って…)
兄「…」
兄「素晴らしい響きだ…」ウルウル
義妹「!」
兄「『お兄ちゃん』…」
兄「自然にそう呼んでくれる人の存在を、どれだけ待ち望んでいたことか…」
義妹「…」
義妹「そんなに呼ばれたかったの?」
兄「うん」
義妹「…」
義妹「お兄ちゃん」ニコ
兄「」
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