赤司「765プロのライブに行くぞ」 (51)

黄瀬「いや~、皆で当選できて良かったッスね!」

緑間「……フン。オレが人事を尽くして天命を待った以上、当然の結果なのだよ」

紫原「ミドチン、応募ハガキ送ってから毎日尋常じゃないくらい願掛けしてたもんね~」

緑間「……黙るのだよ、紫原」

黄瀬「まあまあ、いいじゃないッスか。こうして皆揃ってライブに来れたんだから!」

黒子「……あれ? そういえば青峰君は……」

青峰「……ワリ。遅れた」

黄瀬「青峰っち……その汗……!」

赤司「……身体は温まっているようだな。大輝」

青峰「……ったりめーだろ。ずっと楽しみにしてたんだぜ……今回のライブ」ニヤリ

黒子「青峰君……!」

~開場~

赤司「僕らはこのあたりだな」

黄瀬「おおー、結構近いじゃないッスか」

緑間「……フン。悪くない席なのだよ」

紫原「てゆーか、俺らなんか周りからジロジロ見られてない?」

黒子「まあちょっと目立ってますね。身長的に……」

青峰「ハッ、紫原の後ろの奴は気の毒だな」

赤司「……ところで、皆コールの練習はしてきたのか?」

緑間「当然なのだよ、赤司。人事は尽くしている」

青峰「むしろ覚えてきてねーやつなんていんのか?」

黄瀬「えっ……」

紫原「…………」

赤司「……お前達、その顔は……」

黄瀬「や! だ、大丈夫ッスよ赤司っち! 現場でなんとかするッス!」

紫原「……うん、そうそう」

緑間「お前達……付け焼刃のコールで対処できるほど、765のライブは安くないのだよ」

黄瀬「や、ヤだなあ緑間っち。そんな怖い顔しちゃって……ハハ……」

黒子(……ボクもそこまで究めてないけど……影が薄くて助かりました)

赤司「さあ。そろそろ始まる頃合いだな。……ん?」

青峰「…………」チリチリッ

赤司「大輝。お前……」

青峰「……わりぃな赤司。今のオレにはあずささんのおっぱいのことしか考えらんねー……」

赤司「……面白い。ゾーンか」

黄瀬「えっ! 青峰っちもうゾーン入っちゃったんスか!?」

緑間「早過ぎるのだよ……ライブは三時間はあるというのに」

紫原「峰ちん、後半息切れしちゃうんじゃないの~?」

黒子「青峰君は本当にあずささんが好きなんですね」

黄瀬「ねぇ赤司っち。一曲目は何が来ると思うッスか?」

赤司「涼太……あまり僕を苛つかせるな」

黄瀬「えっ?」

赤司「僕の天帝の眼【エンペラーアイ】をもってすれば……今日のライブのセトリくらい、全部予知できる」

緑間「!」

黄瀬「うぇえっ!? い、いくらなんでもそれは盛り過ぎじゃないッスか!? 赤司っち!?」

紫原「いやでも、赤ちんがそう言うってことはそうなんじゃん?」

黒子「赤司君……もうそこまで天帝の眼【エンペラーアイ】を自分の物に……!」

青峰「……あずささんのおっぱいあずささんのおっぱいあずささんのおっぱい……」チリチリ

黄瀬「じゃ、じゃあ赤司っち、こっそりオレらにだけ今日のセトリを……」

赤司「馬鹿を言うな、涼太。そんなことをしては面白くもなんともないだろう」

黄瀬「うぐっ……ま、まあ赤司っちならそう言うと思ったッスけど……」

紫原「あ、じゃあ赤ちん、一曲目だけでも教えてよ~。そんくらいならいいっしょ?」

赤司「む……」

黄瀬「そ、そうッスよ! 一曲目だけでも! ね? 赤司っち!」

赤司「……仕方のない奴らだな。……分かった。一曲目だけだぞ」

黄瀬「! やった!」

緑間(赤司の天帝の眼【エンペラーアイ】は絶対……! ここで一曲目を知ることができれば、コールの準備も慌てずに済むのだよ)

赤司「今日のライブの一曲目は……『自分REST@――」

765一同『ARE YOU READY I'M LADY 始めよう~♪』

黄瀬「あっ」

緑間「あっ」

紫原「あっ」

黒子「あっ」

赤司「…………」

765一同『やれば出来る~ きっと~ 絶対 私No.1~♪』

青峰「はい! はい! はい! はい! はい! はい! はい! はい!」

黄瀬「…………」

緑間「…………」

紫原「…………」

黒子「…………」

赤司「…………」

春香『START 始まる今日のSTAGE~♪』

青峰「ステージー!!」

美希『CHECK マイク・メイク・衣装♪』

千早『IT'S SHOW TIME TRY CHALLENGE!!』

青峰「はい! はい! はい! はい!」

黄瀬「……っと! オレらもコール入れないと!」

緑間「あ、ああ、そうだな……」

紫原「てか黄瀬ちん、コール分かんの?」

黄瀬「あっ……そ、そうだったッスね。なんとかしないと……」

亜美『STARDOM 光り光る SPOTLIGHT~♪』

真美『眩しい輝きまっすぐDEBUT~♪』

黒子「はーいはーいはいはいはいはい!!」

赤司「…………」

あずさ『夢は~ 叶うモノ~』

雪歩『私 信じてる~』

真『さあ位置について LET'S GO☆』

青峰「Yeah!!!」

765一同『ARE YOU READY!!」

緑間「FuFuu!」

765一同『I'M LADY!!」

黒子「FuFuu!」

765一同『歌を歌おう♪』

赤司「Fuwa Fuwa Fuwa Fuwa!」

紫原(あっ。赤司っちもう復活してる)

緑間(伊達に洛山の主将は務めていないな……赤司!)

あずさ『夢は~ 叶うモノ~』

雪歩『私 信じてる~』

真『さあ位置について LET'S GO☆』

青峰「Yeah!!!」

765一同『ARE YOU READY!!」

緑間「FuFuu!」

765一同『I'M LADY!!」

黒子「FuFuu!」

765一同『歌を歌おう♪』

赤司「Fuwa Fuwa Fuwa Fuwa!」

紫原(あっ。赤ちんもう復活してる)

緑間(伊達に洛山の主将は務めていないな……赤司!)

紫原「てゆーかやっぱコールよくわかんねーし……ミドチン達みたいに練習しとけばよかったな~……ん?」

黄瀬「…………」

紫原「黄瀬ちん……?」

黄瀬「……ここでPPPH……かぶせるように……タイミングは……」ブツブツ

紫原「……コま、まさかピーする気……? この現場で……?」ゴクリ

緑間(なるほど……その手があったか)

黒子(こんなに真剣な顔をしている黄瀬君は初めて見ます)

赤司(辿り着いたようだね……涼太)

貴音『ひとつひとつ~ 笑顔と涙は』

響『夢になる ENTERTAINMENT♪』

青峰「Fu Fuu!」

――『READY!!』終了――

黄瀬「……よし! コピー完了ッス! ……って、あれ?」

黒子「黄瀬君……もう、曲終わってます」

黄瀬「えぇ!?」

緑間「一足遅かったのだよ」

黄瀬「そ、そんな……」

赤司「コールのコピーはいわばスタイル全体の模倣……とはいえ、コピー自体に時間が掛かるのは致命的だな」

黄瀬「……そもそも赤司っちがちゃんと曲当ててくれてたら、間に合ってたかもしんないスけどね」ボソッ

赤司「……涼太」

黄瀬「え? うわあっ!」ドシャァ

赤司「……頭が高いぞ」

黄瀬「だ、だからってここでアンクルブレイクはないでしょ……」

黒子「黄瀬君。静かにして下さい。MCが始まります」

黄瀬「……はい」

春香『……はい! というわけで~早速今日の一曲目、『READY!!』聴いて頂きました!』

観客「ウオオオオオオオオオ!!」

黄瀬「あー、やっぱはるるん最高ッスわー」

紫原「あれ? でも黄瀬ちんって確かやよいちゃん推しじゃなかった?」

黄瀬「ああ、もちろんやよいちゃんも大好きッスよ。ていうかもう皆好きッス!」

紫原「へぇ、気が多いんだねー」

緑間「……フン。最初は特定のアイドルを好きになるが、応援しているうちに結局全員好きになるというパターンは決して珍しい事ではないのだよ」

黄瀬「あ、ってことは緑間っちも全員推しッスか?」

緑間「……まあな。だが強いて特定のアイドルを挙げるとするなら……」

紫原「するなら……?」

千早『――皆さん、今日は私達のライブに来て頂いて、本当にありがとうございます!』

緑間「……如月千早だ」

黄瀬「あー」

紫原「なんかしっくりくるね」

黒子「確かに、ちーちゃんのストイックさは緑間君に通じるものがありますね」

美希『……さて、このへんで次の曲の準備がある子達は一旦さよならなの』

春香『えへへ、じゃあ後はよろしく……きゃあっ!』ドンガラガッシャーン

赤司「!」

春香『……いたたた……』

美希『あーあー。春香ったらホントにドジっ子さんなの』

春香『えへへ……ごめんなさい』 

黄瀬「ははっ。はるるんってホントよく転ぶッスね」

赤司「…………」

紫原「……てゆーか今のこけ方だと、前の方の席からはパンツ見えたんじゃない?」

黄瀬「えっ! そ、それは許せないッスよ!」

赤司「……フン。なんてことはない。見せパンってやつだ」

黄瀬「えっ」

緑間「赤司……まさか……!」

黒子「天帝の眼【エンペラーアイ】を……!?」

赤司「……言ったはずだ。絶対は僕だと」

黄瀬・緑間・紫原・黒子「……………!」

青峰「……あずささんのおっぱいあずささんのおっぱいあずささんのおっぱい……」チリチリ

黄瀬「ちなみに、紫っちは誰推しなんスか?」

紫原「オレ? いおりん」

黄瀬「へぇー。なんか意外なようなそうでもないような」

黒子「苛められたいんですか?」

黄瀬「黒子っちド直球ッスね」

紫原「うん。そうだね」

緑間「……臆面も無く肯定されるとリアクションに困るのだよ」

黄瀬「まあ分からんでもないッスね。オレもいおりんに叱られたいッス」

黒子「……僕は逆に、苛めてみたいですね」

赤司「ほう。テツヤ……それはどういう意味だい?」

黒子「その通りの意味です。ああいう子ほど、責められたら弱いと思うんです」

黄瀬「あー、確かに……涙目のいおりんって想像しただけでそそるッスよね」

紫原「……聞き捨てならないな」

黒子「! ……紫原君……」

紫原「いおりんから浴びせられる罵声には千金の価値があるって、中学の時にも教えてあげたはずだけど?」

黒子「……それは考え方の相違です。どちらが正しくて、どちらが間違っているということではないと思います」

紫原「わっかんないなあ。いおりんにはそういう才能があるって言ってんの。だからそれを受け入れることこそが正しいファンの在り方じゃん?」

黒子「それも一つの考え方だと思います。ですがそれが絶対とは……」

青峰「ごちゃごちゃうるせーよ」

紫原「! 峰ちん……」

黒子「青峰君」

青峰「……どっちが正しいかなんて、今ここで議論して決まるもんでもねーだろ」

紫原「…………」

黒子「…………」

青峰「……結局は、勝って証明するしかねーんだからよ」

紫原「……まあ、そうかもね」

黒子「……熱くなってしまってすみません」

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