サムエル「全員立体機動に移れッ!!」(804)

エレン「!?」

サムエル「「サシャ!! 盗んだハムを任せた!!
 固定砲整備4班! 戦闘用意!! 
目標、目の前!! 超大型巨人!! 
これは好機だ、絶対逃がすな!! 
壁を壊せるのは超大型だけだ!! 
こいつさえ仕留め…って…」

ミーナ「もう仕留めたよ」

超大型巨人「」シュウウウ…

サムエル「さすがミーナ。仕事が早いな」

ナック「おいおい!俺の手柄も残しておけよ!」

ミーナ「ごめんごめん、あんまりにも鈍かったから…」

ミリウス「敵わねぇなぁ」

エレン「!!?」

ハンナ「あれ?うなじに誰かいるよ?」

フランツ「奴の本体だよ。ちょっと見てくる」バシュッ

ベルトルト「 」

フランツ「…誰?」

上官「超大型巨人は仕留めたが、破壊された壁から巨人が侵入した!
お前等には侵入した巨人の殲滅をしてもらう!」

ナック「やっと出番か…。
右腕が疼いてしょうがねぇ…」

ミリウス「ミーナ!
俺たちの分も残せよ!」

ミーナ「気が向いたらね」

サムエル「さて…行きますかね」スッ

エレン「駆逐してやる…」ギリッ

フランツ「…エレン。
熱くなるのはいいが、なり過ぎはよくない。
動きは熱く、心はクールに、だ」

ハンナ「大丈夫。エレンならできるわ」

エレン「お、おう…」

ザンッ ザンッ

ミーナ「討伐数21っと*」

ミリウス「ちぃっ!さすがに早ぇな!
オラッ!」ザンッ

ミリウス「討伐数11だ!」

ハンナ「フランツ、今ので何体目?」

フランツ「僕は討伐数8さ…今の奴も入れたら9かな」

ハンナ「ふふっ。やるわね。
私は討伐数15だよ」

フランツ「うわっ、負けてられないな…」バシュウウウ

エレン「奇行種だ!避けろおお!」

サムエル「慌てるなって…よっと」スカッ

ザンッ

サムエル「うなじがガラ空きだ」

アルミン「エレン下だ!!」

巨人「アーン」

エレン「っ!?」

ザンッ

エレン「…あれっ?」

巨人「 」チーン

トーマス「ん?どうしたエレン?」

エレン「た、助かったぜ…」

トーマス「気にすんなって。
それより前衛班が見えてきたぞ」

ナック「げっ、総崩れじゃねーか」

ミリウス「先輩方は何やってんだか…」ハァ

モブ訓練兵「お、俺はもうダメだ…目の前で仲間が食われて…」

モブ訓練兵2「オエエッ」 ビチャビチャ

モブ訓練兵(ジャン)「明日から内地だっていうのに…」

???「グーグー…」

ジャン「おい!いつまで寝てんだ!
行くぞ!ダズ!」

ダズ「…ん。もうそんな時間か…」

ジャン「こんな状況で寝てんじゃねぇ!」

ダズ「わぁーってるよ…さて、と」

ダズ「いたずらなバンビーノ(巨人)共にお灸を据えに行こうか…」

巨人「 」シュウウウ

ミリウス「フンッ!」ズバァン

なんで…

ミーナ「ハアア!!」

なんで僕は…
巨人が駆逐されてる光景を…眺めているんだ…
どうして、僕の体は動かないんだ…

アルミン「うあぁぁああぁぁぁぁぁ!!!
役に出番をくれよおおおお!!!」

役に→出番を

どんなミスだよ…
脳内変換よろ

トーマス「よーし。あらかた片付いたか」

ミーナ「え?もう終わりかぁ」

ナック「もの足りねーぞ。もっとだ」

ミリウス「ハンナとフランツは?」

トーマス「あっちで下半身食われた奴の真似して遊んでる」

ハンナ「アルミンwww
トーマスがwww目を覚まさないのワロタwww」

トーマス「人口呼吸うめぇwww」

アルミン(地獄だ…)

巨人「あー」ワラワラ

トーマス「穴を塞がないとキリがないな…
そうだ、エレン」

エレン「ハイッ」

トーマス「巨人化してあそこの大岩で穴を塞いでくれないか?」

エレン「えっ」

ミーナ「私達だけでもできるけど、群がる巨人がいるからね」

ナック「すまないなエレン。
これはお前にしかできない。
いや、お前だからこそできることだぜ」

ミリウス「ああ。
お前だから頼むんだ。
背中は任せときな」ニッ

ガリッ

ーーーーカッ

エレン「オオオオオオ(あ、できた)」

ハンナ「フフッ。やればできるじゃない」

フランツ「エレーン。こっちだ」フリフリ

エレン「ハイッ」ズシンズシン

フランツ「この岩だ。頼むぞ」

エレン「モチアゲヅライ…」モタモタ

ハンナ「持ち上げづらいの?
ちょっと待ってね」ガシッ

ズゴゴ…

エレン「!?」

ハンナ「はい。
下に手を入れてね。これで持ち上げやすいよ」

エレン「アリガトウ…」ペコッ

ハンナ「フフッ。困ったときはお互い様よ」ニコッ

ミリウス「…上手くいってるみたいだな」

トーマス「さーて…こっちもボチボチやりますか、と」チャキッ

ミーナ「平地だけど大丈夫?
巨人も結構いるよ」

ナック「お前の結構の定義って何だよ。
50はいるぞ」

ミーナ「あれ?もしかして怖気づいてるの?」

ナック「馬鹿言え…」

ナック「50じゃ俺等の足止めにもならねーだろ」チャキッ

ガス補給所前

ダズ「おーおー…。わんさかいるじゃねぇか」

ジャン「くそっ!これじゃガスの補給が…」

ダズ「焦るなジャン。
あいつをら蹴散らせばいいだけだ」

ジャン「…馬鹿も大概にしろ。
20はいるぞ…」

ダズ「…絶望にはまだ早いんじゃねぇか?
シルバだ。踊るぜジャン」バッ

シルバ→ジルバ
シルバって何だよ

続き

バシュウウウウ…スタッ

ダズ「…チッ。中にも入ってやがるな…」

ダズ「ヘイ、バンビ共。
おいたの時間は終わりだ。
さっさとケツ巻いて逃げねーと…

おっかねぇスケープゴートに喰われちまうぜ」バッ

ミーナ「この~背中に~」ザンッ

巨人「 」

ミリウス「鳥~のような~」ザンッ

奇行種「 」

ナック「しろ~いつ~ばさ~」ザンッ

巨人「 」

トーマス「つけぇぇえてくぅぅぅだぁさぁぁぁいいいい!!!!」ズバァァァン

巨人群「アアアアア!!!!」ガタガタガタガタ

ミーナ「ちょっとトーマス!
音程外し過ぎ!
巨人逃げちゃったじゃない!」

トーマス「悪い悪い。
俺の悪い癖だ。治すように努力するよ」

ナック「エレン!早く塞げ!
家畜共が逃げ出すぞ!」

エレン「ハイッ」ズシンズシン

フランツ「オーライオーライ。
オッケー、その位置だ」ザシュッ

ハンナ「焦っちゃダメよ。
周りは片付けたから慎重にね」ザシュッ

エレン「ヨッコラセクロス」

<イケエエエエエエ エレエエエエン

ハンナ「エレンの気が散る!静かになさい!」

<ハイッ

ズウウウウン…

トーマス「逃げ道は無くなったな」チャキッ

ミーナ「早い者勝ちだからね。
あとで文句言わないでよ」チャキッ

ナック「ヨーイドンだぞ。
フライングは無しだぜ」

ミリウス「オーライ。
そこの人、スタートの合図を頼む」

巨人「…」ガタガタガタガタガタ

イアン「…よーい、ドン」

トーマスミーナナックミリウス「it's show time!!!!」

巨人群「イヤアアアアアア!!!!」

ダズ「おいおい…」ザシュ

巨人「 」

ダズ「これじゃ模擬訓練と変わらねぇよ」ザシュ

巨人「あー…」

ダズ「手ェ突っ込んで蜂蜜探しもいいが、たまには家畜(ピグレット)にも構ってくれよ」バシュ ギュイイイイン

ズバァァァン

巨人「 」ズウウウン…

ダズ「妬いちまうだろ」チャキッ

ギュイイイイン

ズバババババァァァン

巨人群「あー…」ズウウウン…

ジャン「ダズに続くぞ!」

コニー「続くも何も…」

サシャ「もう巨人いませんね…」

ミカサ(あ…蝶々だ)

巨人「アーン」

補給兵「きゃあああ!!」

ダズ「悪いがデザートはお預けだ」

ザンッ

巨人「 」バタッ

ダズ「これで最後だな。大丈夫か?
今晩はママの子守唄を聞きながらホットミルクを飲むといい。
怯えた夜にはそれが1番だ」

ガス補給兵「あ、ありがとう…///」

ジャン「ダズ!」ガッシャァァァン

ダズ「建物に入るときは入り口からって、ママンに教わらなかったのか?
見ろ、キュートな羊が怯えちまった」

ジャン「わ、悪ぃ…それで巨人は?」

ダズ「豚の餌にしてやった」

ジャン「そうか…」

ダズ「補給所は解放したぜ…
眠ぃ…俺はもう寝る…」

ジャン「おぉい!」

ダズ「あとはあいつらが…どうにかするだろ…グー」

ジャン「寝やがった…あいつらって誰だよ…」

今日はここまで
おやすみおやすみ

ライナー(ベルトルトの奴何やってんだ!
目標の半分も進んでねぇ!)

アニ「ライナー…」

ライナー「アニか。どうした?」

アニ「落ち着いて聞いて」

ライナー「落ち着いてられるか…このままじゃ…」

アニ「ベルトルトがやられた」

ライナー「…は?」

ミリウス「おいナック!横取りするなよ!」

ナック「早い者勝ちって言ったろ!」

ミーナ「討伐数45!」ザンッ

トーマス「負けねぇぞ!オラアアア!!」ザンッ


ライナー「おい…これはどういう事だ…」

アニ「どうもこうもないよ。
ベルトルトはあいつらにやられた。
そして壁も塞がれて、巨人もどんどんやられている」

ライナー「あそこで体育座りしている巨人はなんだ?」

エレン「イイテンキダナ、アルミン」ボー

ライナー「もうどうでもいい…。
あいつらを…殺す!!」

ーーーカッ

鎧「グオオオオオオオ!!!」ドドドドドド

ナック「何だあいつ?」

トーマス「あいつは五年前の…」

ミリウス「恐らく中にいるな。
奴さん相当頭にきてるみたいだ。
概ね、超大型の敵討ちってとこだろ」

ミーナ「油断しないでね。行くよ」チャキッ

鎧「オオオオオオ!!!」ブンッ

トーマス「遅いッ!!」バシュッ

ドゴオオオ

トーマス「もらったぁぁぁ!!!」

鎧「オオオ!!!」ビキビキ

パキィン

トーマス「ちっ、硬いな…っ!?」

鎧「ウオオオオ!!!」ブンッ

バシィィ …ドォォン…

トーマス「がはっ…!」

ナック「やべぇ!トーマスが地面叩き付けられた!」

ミーナ「ナック!集中して!」

ミリウス「大丈夫だ。
前にガスを吹いて衝撃を軽減している!」

鎧「ウオオオオ!!!」ゴオッ

ミーナ「くっ…なかなかやるじゃない!」バシュッ

ナック「馬鹿ップルは何やってんだ!」

ミリウス「あっちで巨人と交戦してる!」

女型(こいつらは…確か馬鹿ップルの…)

ハンナ「ねぇフランツ。
この女型の巨人の中には誰がいるのかな?」

フランツ「ははっ。分かるわけないよ。
うなじを掻っ捌いて見てみよう」スラッ

ハンナ「クスッ。フランツったら…。
本当にあわてん坊さんね」スラッ

女型「…っ」ゾクッ

モブ兵「穴付近に鎧の巨人が出現!
更に特殊な女型の巨人も出現した模様です!」

ピクシス「…状況は?」

モブ兵「負傷者が多少…死者は0です…。
鎧と女型は…その…交戦中です」

ピクシス「む?誰が交戦しているんじゃ?
もうちょっと詳しく頼む」

モブ兵「…訓練兵が数名です」

ピクシス「なんじゃと!?至急増援を…」

モブ兵「その訓練兵ですが…
噂によると超大型巨人を倒したとか…」

ピクシス「!?」

ナック「チッ!ガスが切れてきやがった!」

ミーナ「ナックは下がってトーマスを起こして!
鎧は私とミリウスで仕留める!」

ナック「了解…」

鎧「グオオオオオオオ!!!」ドオオオオン

ミリウス「シッ!」バシュウウウ

ズババババ!!!

鎧「グオオッ!?」グラッ

ミリウス「ミーナ!関節を狙え!
関節部分は鎧で覆われてないぞ!」

ミーナ「オーケイ!」

ナック「トーマス!まだやれるか!?」

トーマス「……ナック。煙草くれ」

ナック「…本気を出すのか?」スッ

カチッ…スパー

トーマス「フー…
ふざけた真似しやがって…。
あの野郎、自分のケツにロケットおっ立ってんのに気付いてねぇ…。
あのガチホモのケツにどぎついのぶち込んでやる」

ナック「…オーライ。援護するぜ」

鎧「グッ…オオオ!!!」

ミーナ「ガスが少なくなってきたわね…」

ミリウス「とんだタフゲイだな…。
俺も次のアタックがラストになりそうだ」

ナック「ミーナ!ミリウス!
トーマスが本気だ!!援護しろ!!」

ミリウス「マジかよ…しょうがねぇ」

ミーナ「あーあ。トーマスにいいとこ持ってかれちゃうね」

トーマス「…準備オーケイだ」ギリギリ

ナック「今だ!鎧の足を止めろ!」バッ

ミーナ「私は右足を!」バシュッ

ミリウス「了解!」バシュッ

ズババッ

鎧「グオオッ!?」ガクッ

ライナー(しまった!足が…!
だが、うなじさえ守れば…)

キュイン

鎧「?」

ザンッ

ライナー(え?何か通った気が…)

トーマス「ロケットマンだ。ベイベー」

ライナー(いつの間に…え?)

ズルッ

ライナー(体が…動か…ねぇ…)

ズゥゥゥン…

ハンナ「ほらほら。回復も硬化も間にあってないじゃない」ヒュンヒュン

女型「アアアッ!!」ブォン

フランツ「フンッ!」ズバッ

女型「アアッ!?」

アニ(くそっ…が…!
こいつら本当にに人間なの!?
人間が出せるスピードじゃない!)

ズゥゥウン…

アニ(ライナー!?)

アニ(不味い!このままじゃこっちが総崩れだ!
巨人を呼んで撤退するしか…)

女型「…スゥ」

キィィィィィアァァァァァァ!!!

フランツ「うるさっ」

ハンナ「仲間でも呼ぶつもりかしらね」

女型「!?」

アニ(ばれてるみたいだけどこれで…)

シーン…

女型「アレッ」

サムエル「待たせたな」スタッ

ハンナ「あ、サムエルどこに行ってたの?」

サムエル「残飯処理だ。
それより今のデカい声は何だ?」

フランツ「奴が仲間を呼ぼうとしたらしいよ」

サムエル「仲間?もう壁内に巨人はいないぞ?
悪いな。俺が食い散らかしちまった」

女型「エッ」

ハンナ「だそうよ。女型さん」

女型「 」ガタガタガタガタガタ

女型「キィィィィィアァァァァァァ!!!」ダッシュ

フランツ「あ、逃げた」

ここでアルミンの説明講座だよ!

今日はトーマスがどうやって鎧の巨人を倒したかだよ!
原理はこうさ!

まず、トーマスがアンカーを2方向に打って固定させる。
そしてナックと一緒にワイヤーを限界ギリギリまで伸ばすんだ。

そこからワイヤーを巻きながら、ガスを最大出力でふかして鎧めがけて駆ける!!!

そうすることでロケットさながらのスピードで突っ込んだってわけ。

良い子の皆はもう分かったかな?

そう、パチンコの原理さ。
あ、パチンコって言ってもジャラジャラでる方じゃないよ!
間違えないでね!

これで皆もロケットマン!

ちなみに、トーマスはそこから更に高速回転して、その遠心力で鎧ごと首を裂いたよ。

もう人間じゃないね

ミーナ「おつかれトーマス」

トーマス「ふー…。
仕事の後の一服は格別だ」スパー

ナック「派手にやられたが大丈夫なのか?」

トーマス「アバラが四番と五番持ってかれた。
後は右足が折れてる」

ミリウス「問題無いな」

トーマス「ふー……。
少しはいたわれよ…」スパー

ズシンズシンズシン

ミリウス「…ん?」

ナック「おいおい…。女型がこっちに来るぞ」

トーマス「もうガスは無いぞ」

ミーナ「んー…立体機動無しで戦う?」

ナック「あ。鎧のうなじかじってる」

トーマス「中身は生きてるぞ。
首皮一枚繋いどいた」

ミーナ「相変わらず甘いねー」

トーマス「後で情報吐かせようと思っただけだ。
追うか?」

ミリウス「ほっとけ。立体機動無しじゃ無理だ。
また来たらホームランしてやれ」

トーマス「そうだな」

その頃調査兵団は…

リヴァイ「おい…
緊急の信号で戻ってきたが…
どういう状況なんだ」

ハンジ「さぁ…巨人が侵入したらしいけど」

ミケ「どこにもいないな」スンスン

モブ連絡兵「リヴァイ兵長!報告します!
超大型巨人が出現し扉を破壊!
多数の巨人が侵入しました!」

リヴァイ「…その巨人はどこへ行った」

モブ連絡兵「超大型巨人は扉付近で討伐されました!
その他巨人も殲滅した模様です!」

リヴァイ「ほう…ちっとはやるじゃねぇか」

ハンジ「誰が超大型巨人をやったんだい?」

モブ連絡兵「訓練兵です!」

リヴァイ「えっ」

モブ連絡兵「侵入した巨人もその訓練兵達が殲滅しました!」

リヴァイ「そいつらの名前は?」

連絡兵「名前が上がっているのは…エレン・イェーガー…アルミン・アルレルト…ミカサ・アッカーマンの三人ですね」

ハンジ「ミカサ・アッカーマンって聞いたことあるね。
1人で100人分の実力を持つ歴代で最高の逸材だとか」

連絡兵「その他にも、ガス補給所に群がる巨人も訓練兵がやったみたいです。
その訓練兵を率いた者の名前が…確かジャン・キルシュタインと言う者だったかと」

ハンジ「それは凄いね。調査兵団に来てくれないかなぁ」

トーマス「情報操作は済ませたか?」

ミーナ「バッチリ。エレン達の手柄にしておいたよ」

ナック「派手にやり過ぎちまったな。
見られてなきゃいいが…」

サムエル「大丈夫だろ。フード被ってたし」

カンカンカンカンカン

ミリウス「お、撤退の鐘だ。
さて…と。帰るとするか…」

トーマス「あぁ。元のモブキャラに戻ろう」

ミーナ「うん。私達は地味が1番だよね」

ナック「目立つのなんてごめんだぜ。
俺はモブキャラで十分だ」

救護班「おーい!お前ら大丈夫か!」

ミーナ「ラッキー。救護班だ」

ナック「怪我人のフリして運んでもらうか」

サムエル「そうだな」

ミーナ「怪我人多数…!中には重傷者も…うっ」ガクッ

トーマス「あ、足が…ぐあああ!!」ガクッ

ナック「た…助かっ…た…」ガクッ

サムエル「くそっ…巨人が…あんな恐ろしいなんて…」ガクッ

ミリウス「エレン達が来なければ今頃…」ガクッ

救護班「おい!しっかりしろ!担架早く!」

救護班2「エレン?あの超大型を仕留めたと言われた訓練兵のことか…」

救護班3「まだ訓練兵なのに…大したもんだ!」

救護班4「新兵がこんなになるまで頑張ったんだ…必ず助けてみせる」

兵舎

ハンナ「あ、ダズがいるよ」

フランツ「また寝てるね。おーい」

ダズ「グーグー」

ハンナ「エレン達の表彰式始まっちゃうよ!
早く行きましょ!」

ダズ「…眠い」

フランツ「…ダズ。
補給所の巨人をやったのは君だろ?
寝坊助にしちゃ珍しく働いたな」

ダズ「知らん…」

ハンナ「20体の巨人がジャン達でどうにかなるわけないでしょ」

ダズ「寂しがり屋のラマン達と一曲踊っただけだ…」

ハンナ「ったく…実力だけなら私達の中で1番なのに…」

フランツ「ハンナ、そろそろ行かないと」

ハンナ「うん。ダズも来なさいよ」

ダズ「グーグー…」

ダリス「これより英雄達の表彰式を行う!」

ワアアアアアア
ピューピュー

エレン「なぁアルミン…。
なんで俺らがこんなとこにいるんだ?」

アルミン「知らないよ…。
僕だっていきなり連れて来られたし…」

ミカサ「シッ。2人と静かに」

ダリス「まずは1人目の英雄!
超大型巨人を撃退するという快挙を成し遂げた!
エレン・イェーガー!!」

エレン「えっ」

ワアアアアアア
パチパチパチパチパチパチパチパチ

ダリス「討伐総数は68!」

エレン「ブフォッ」

スゲエエエエエエ

アルミン「す、凄いな…」

ダリス「続いて、鎧の巨人を撃退!
そして巨人の秘密を解き明かした!
アルミン・アルレルト!!」

アルミン「ファッ!?」

ダリス「討伐総数52!!」

アルミン「ウゴボッ」

ウオオオオオオオ

ダリス「続いて、1人で破壊された穴を岩で塞ぎ、蔓延した巨人を残らず殲滅した!
ミカサ・アッカーマン!!」

ミカサ「なにそれ怖い」

ダリス「討伐総数はなんと…ジャスト100!!!」

ミカサ「ウェ!?」

ダリス「この場にいる英雄達に盛大の拍手を!!!」

ワアアアアアアアアアアアアア!!!!

パチパチパチパチパチパチパチパチ

エレン「 」
アルミン「 」
ミカサ「 」

ミーナ「一件落着、ね」

ミリウス「あっちでパーティーやるみたいだぞ。
飯食いに行こう」

ナック「お!ミートパイ出るよな?出るよな!?」

ミーナ「どうかな~。
ナックのお母さんのミートパイは出ないと思うけど」

ナック「お袋のミートパイを馬鹿にすんな!」


???「パーティーは構いませんが…。
その前に報告することがあるんじゃないですか?」

ミーナック「げぇっ!?」

ミリウス「ト、トム…」

ミーナ「ど、どうしたの?
任務はちゃんとこなしたよ…ね」

ナック「ああ!ちゃんと巨人は殲滅したぞ!」

トム「巨人の殲滅は合格です。
死者は0。それも良いでしょう。
ですが…負傷者数名。
これはどういう事ですかね?」

ミーナック「ギクッ」

ミリウス「ちょっと待て!
俺らが出る前に突っ込んだ奴はどうしようもないだろ!」

トム「言い訳は受け付けません。
サムエルが駆け回らなかったら、被害は増えていたでしょうね」

トム「よってサムエルは無罪放免です。
トーマスは怪我人なのでいいでしょう」

ナック「ハンナとフランツは!?」

トム「彼ら任務はエレン・イェーガーの護衛です。
エレン・イェーガーは無事なので合格になります」

ミーナ「じゃ、じゃあダズは…」

トム「彼の任務は訓練兵の護衛。
そして監視です。
完璧にこなしてますよ」

ミリウス「監視って!
あいつどうせ寝てただけだろ!」

トム「どうですかね。
ガス補給所の解放、それに女型と鎧の中身の目星もついてるみたいですよ」

ナック「あの野郎!
こういう時だけちゃっかり仕事しやがって!」

トム「さて…貴方達はこれからお仕置きタイムです。
そうですねぇ…夜までみっちり私が鍛え直してあげましょうか」

ミーナ「それだけは勘弁…」ガタガタ

ナック「せめてパーティーが終わってからに…」

トム「善は急げ、ですよ。
さぁ行きましょう」

ミリウス ナック ミーナ「Holy shit!!!!」

ミーナ・カロライナ
討伐数69 補佐1(鎧討伐時)

トーマス・ワグナー
討伐数51 補佐0

ナック・ティアス
討伐数42 補佐1(鎧討伐時)

ミリウス・ゼルムスキー
討伐数45 補佐1(鎧討伐時)

サムエル
討伐数96 補佐0

ハンナ
討伐数40 補佐35

フランツ
討伐数35 補佐40

ダズ
討伐数27 補佐0

次回へ続かない

終わり

次回予告

圧倒的な力で巨人達を殲滅したモブキャラ達!

しかしモブキャラの安寧は長くはなかった!

任務で調査兵団に志願したミーナ、ナック、トーマスが壁外遠征に参加することに!

吼えるナック!
ナック「腕の一本くらい無くても何も変わらねぇんだよ…
俺がまとめて相手してやる…
……かかってきやがれ!」

機関車トーマス!
トーマス「フー……
右足は50%ってとこだな。
ま、リハビリ程度にはなるか…」スパー

再び現れた女型!
1人で立ち向かうミーナ!

ミーナ「アニ…。
あんたはクソにもなりきれなかったクソッタレだ。
…その悲しい宿命から解き放ってあげるよ」チャキッ

女型「アアアアア!!!」ゴオッ

オマケ

一方、壁内でも事態は進む!

戸惑いのサムエル!

サムエル「クソが!
こいつらどこから湧いて来やがる!」

奔走するフランツとハンナ!

フランツ「ハンナ。
僕は奴らを始末しに行く。
君は残って兵士と市民を守ってくれ」

ハンナ「…分かった。
終わったら貴方の大好きなイクラ丼が待ってるわよ」

困惑するミリウス!

ミリウス「おい…。
巨人が喋るなんて聞いてないぞ」

現れた鎧の巨人!
ダズが遂に本気を出す!

ダズ「…お前はこの世で1番やっちゃならねぇ事をやっちまいやがった。
おかげでハザードが鳴りっぱなしだ…。

固定砲準備。目標はあのピーチボーイ。
全員下がっていろ。邪魔だ。

……奴と灼熱のタンゴを踊ってやる」

動き出すトム!

「やはり壁外遠征の時を狙って来ましたか…。
ふむ。デスクワークも飽きてきましたね。
おいたが過ぎた坊や達と少し遊んであげましょう」

物語は加速する!
モブキャラ達は何を思うのか!

次回、壁外遠征&壁内防衛編!
乞うご期待!!

とりあえず本当に終わり
お褒めの言葉、ありがたく頂戴いたす

ブラックラグーンやらヘルシングのセリフを真似てみたけど、予想以上に難しかった…

好評だったので続編書くからよろしくね!

ボチボチ投下しようと思うんだが、
次スレ立てたほうがいいのかな?

それともここに書いた方がいい?

壁外遠征までの流れ

ミーナ、ナック、トーマスは調査兵団に入団。

サムエル、ハンナ、フランツ、ダズは駐屯兵団に。

トムは憲兵団へ。

エレンの巨人化能力は虚構の戦果により不問とされ、調査兵団が引き取ることに。

他の上位勢は駐屯兵になることを決意する。

暗雲立ち込める中、舞台は壁外遠征へと移るーーー

上位完全モブ化決定

前回同様、書き貯め無しの思い付きで進行します。
キャラ崩壊、ストーリー崩壊有り。

>>120
モブキャラ達は憲兵団目的のトム以外は上位外になってます。

酒場

ダズ「マスター、バカルディをジョッキで」

マスター「かしこまりました」

トム「お待たせしました。
ダズが先に来ているとは珍しいですね」

ダズ「…酒が飲みたいだけだ」

マスター「バカルディです」ゴトッ

トム「理由になってませんね。
何か気になる事でもあるんてしょう。
マスター、マティーニを」

マスター「かしこまりました」

ゴク…ゴク…

ダズ「…ふー。
気になること、ねぇ…」カチッ…スパー

トム「煙草はやめてください。
百害あって一理なし、です。
私から100m離れたとこで吸ってください」

ダズ「チッ。
トーマスが泣くぜ…」ジュッ

マスター「マティーニです」コトッ

トム「ありがとうございます」

ダズ「…巨人の襲撃から壁外遠征までのが早過ぎる。
盛ったフッカーみたいにがっつく必要があると思うか?」

トム「ええ。
まずは調べることがあるはずです。
兵の中に内通者がいる事に気付いたハズでしょう」

ダズ「匂うな…」

トム「次の壁外遠征は人払い、エレン・イェーガーの誘拐が目的で、上層部から出されたの命令ではないかと思います」

ダズ「…真っ黒か。確証は?」

トム「それを探るために憲兵団に入ったんです。
他に気になることもありますので」

マスター「…こんな噂を聞きました。
今回の壁外遠征にウォール教が介入している…と」

トム「…!」

ダズ「…ますます臭えな」

マスター「おっと。しがない酒場のマスターの独り言ですので、聞き流してください」

ダズ「ごっそさん。ツケといてくれ」

トム「ダズ。
壁外遠征中の壁内で気を抜かないでください」

ダズ「ご忠告どうも…。
俺からも一つ忠告だ。

…俺らの中にも内通者がいる」

トム「…根拠は?」

ダズ「勘だ」

トム「…ご忠告どうも」

ミリウスは?

トム(…あながち勘ではなさそうですね…。
馬鹿トリオの報告だと、次回の壁外遠征は今までとは規模が小さく、限られた精鋭で行われる、と。
そして何故か馬鹿トリオが招集された…。
もし我々の中に内通者がいるとしたら頷けますね。
理由は一つ。
彼らの実力を知り、壁内の戦力を削ぐため。
…しかし、ここで矛盾が生じますね。
馬鹿トリオを遠征に招集すると、エレン・イェーガーの誘拐に間違い無く支障が出る…。

そうか…そういうことか…。
この壁外遠征…馬鹿トリオじゃ荷が重過ぎますね。

…我々の被害も想定した方がよさそうだ)カランッ

>>129
お楽しみ
忘れてるわけじゃないよよよよ

壁外遠征当日

ミーナ「んー…いい天気…」

ナック「弁当でも持ってくればよかったな。
巨大樹の上で食ったら美味いだろうぜ」

トーマス「げっ。タバコのストック忘れた…」

ミーナ「いい加減禁煙しなよ。
そんなに早死にしたいの?」

トーマス「いつ死んでも後悔しないようにだな…」

???「おーい!!」

ナック「あああ!!!師匠おおおお!!!」

ミーナ「モブリット先生!!
お久しぶりです!」

モブリット「おーおー。自分らずいふんとデカなったなぁ!」

トーマス「当たり前じゃないですか!
五年振りですよ!」

モブリット「ミーナもずいぶん大きくなりよって…どれどれ」モミモミ

ミーナ「ぎゃああああ!!
いっ、いきなりどこ揉んでるんですかあああ!!!」ブンッ

スカッ

モブリット「…ふむ。C…いやDか?
これは中々…」モミモミモミモミ

ミーナ「ちょ…やめ…んあっ///」ピクッ

ミーナ「 」グテーン

モブリット「かっかっか。
中身はガキのまんまやなぁ。
そろそろ出発の時間や。
股間の立体起動させとらんで気合入れてけや」

トーマス ナック「ギクッ」

エルヴィン「今回はウォール教の方々が同伴する事になっている。
護衛などは特にいらないそうだ。
人数は10名。
馬車の中は絶対に覗くなと指示されている」

リヴァイ「何だそりゃ…。
上の奴らは何考えてやがる…」

ハンジ「どうだろうね…。
私達の仕事の視察にでもきたんじゃないかな?」

ミケ「…奴ら、普通の匂いじゃないぞ」

ハンジ「大丈夫だよ。
こっちには英雄エレンがついてるしね!」

エレン「ハイッ」

モブリット「どちらにしても目を話さない方が良さそうですね」

エルヴィン「うむ…。
時間だ。出発するぞ」

モブリット「ええか?
この中間地点の巨大樹の森で部隊から抜け出すんや。
ミーナは後方。ナックは右、トーマスは左へバラけぇ。
ワイは中央でエレンを護衛しとる。
絶対にばれんなや」

馬鹿トリオ「はーい」

巨大樹の森 中央

エルヴィン「おかしい…。
ここまで巨人と遭遇していない」

ハンジ「幸先いいね。
このまま地下室まで何も無いといいんだけど」

リヴァイ「…ミケはどこに行った」

ペトラ「あれ?そういえば…」

グンタ「森に入った時に馬車に警戒するように伝えに行きましたよ」

リヴァイ「その馬車も見当たらねぇぞ…」

エルヴィン「参ったな…何もなければいいんだが…」

ハンジ「ウォール教の奴らだし、巨人に食べられたらことにしちゃえば?」

リヴァイ「そうだな」

巨大樹の森 入口付近

ミケ「 」

信者1「厄介な鼻はもういなくなった。行くぞ」

信者2「分隊長でこの程度とは…。
調査兵団も落ちたもんだな」

信者「注意するのはリヴァイとあの『三人』だけだ。
しくじるなよ」

巨大樹の森 右

ナック「…どういうことだ」

巨人群「うー…」ワラワラ

ナック「こいつら…何で木の上にいるんだよ…。
それにあいつはウォール教の…」

信者4「…やれ」バッ

巨人群「オオオオオオオ!!!」ビリビリ

ナック「…マジかよ。
上も下も満員御礼ってか?
これだから人気者は辛いぜ…」チャキッ

巨人「オオオ!!!」ゴオッ

ナック「…悪いが」ヒュッ

ザンッ

巨人「 」シュウウウ…

ナック「途中退場は禁止だ…ぜ!!!」ゴオッ

巨大樹の森 左

バシュウウウウ…

ズバァァァン

15m級「グオオ…」ズゥゥゥン…

信者5「くっ…!信者6と信者7まで…!」

カチッ…スパー

トーマス「フー……
…で、次はどいつが巨人化するんだ?
あ、タバコ持ってないか?
もう無くなりそうなんだよ」

信者8「若造が調子に乗りやがって…!」

トーマス「若造?
ちょっとデカくなれるだけの青二才がよく言うぜ。
サンドバッグ相手からやり直してきな」フー…

巨大樹の森 前方

ミーナ「…ねぇ。
何か言ってよ………アニ…」

アニ「…」パチン

ミーナ「…そう。わかったよ…」

ーーーカッ

ミーナ「アニ…。
あんたはクソにもなりきれなかったクソッタレだ。
…その悲しい宿命から解き放ってあげるよ」

トーマスvs信者

信者8巨人「オオオオオオオ!!」

ドオオオオン

トーマス「フッ!!」バシュウウウ

ザンッ

信者8巨人「ガアアッ!?」ガクッ

信者9巨人「アアアアア!!!」ゴオッ

トーマス「フー…。
せめて一本吸い終わるまで持たせてくれよ」シュッ

バシュウウウ……

ズババババババンッ*

信者8、9巨人「 」ズゥゥゥン…

信者5「クソッ!このままじゃ…!」

信者10「キヒヒヒヒ…。
私の出番ですかねぇ…。
どれ、少し遊んで…

キュイン スパッ

信者10「…え?」ブシャアアア

トーマス「知ってるか?
ブレードの刃って飛び道具にもなるんだよ」

信者10「キヒヒ…そんな…馬鹿…な」ドサッ

トーマス「残るあんただけだが…
どうする?巨人化するか?」

信者5「何故だ!
何故我々が巨人化できる事を知っていた!
ウォール教でも限られた者しか知らないハズだ!」

カチッ…

トーマス「フー……
ウチには怖い怖い参謀様がいるからな。
ウォール教に最近入った奴いただろ?」

信者5「…確かミリウスとかいう者が…ハッ!?」

トーマス「ご名答。
あんたら、勢力を広げようと急ぎ過ぎたな。
もう少し身元は確認した方がいいと思うぞ」

信者5「信者は皆、教団の監視下にあるはず!
そんな簡単に機密が漏れるワケが…」

トーマス「フー……
俺たちを誰だと思ってやがる…?
モブキャラの存在感を舐めるなよ」

トーマス「…一つ聞きたい事がある」

信者5「馬鹿め!
情報を漏らすと思うか?

トーマス「…一つ聞きたい事がある」

信者5「馬鹿め。
俺が情報を漏らすと思うか?」

トーマス「…調査兵団にいる内通者は誰だ」

信者5「!?何故それを!!」

トーマス「ビンゴか。さすがトムだ。
あんたにもう用は無い。
さっさと神様んとこに帰りな」

信者「くっ!」ガリッ

ザンッ

トーマス「…Amen」

信者5「が…速…」ドサッ

巨大樹の森 左

ナックvs巨人の群れ(feat.信者4)

ナック「どうしたどうしたぁ!!
数だけでダメじゃねぇかっ!!」

巨人「 」シュウウウ

信者4「やるじゃないか。
これはどうだ?」バッ

ガサッ

巨人「あー」

ナック「上か!?」バッ

信者4「下もだ」バッ

巨人「うー…」ガシッ

ナック「っ!?」グラッ

信者4「足を掴まれたら動けないだろう?
チェックメイトだ」バッ

巨人×5体「あーん」ガバッ

ナック「しまっ…!」

巨人「あー…」ガブッ

ガブガブガブガブ

巨大樹の森 前方

ミーナvs女型

ミーナ「巨大樹を背にうなじを硬化、そして徹底したカウンター攻撃…。
考えたね、アニ」

女型「…」
アニ(…あの馬鹿ップルに散々踊らされたからね。
こうでもしないと勝てる気がしないよ…しかし…)

ミーナ「…いくよ」チャキッ

バシュウウウウ!!

女型「アアッ!!」ブォン!

ミーナ「遅いよっ!」ヒュッ

ズバババン!

女型「アアアアッ!?」ブシャアアア
アニ(くっ…!右手が…!
こいつは馬鹿ップルとは桁違いだ!
こっちの攻撃が当たる気がしない…!)

ミーナ「…ねぇアニ。
脳のリミッターって知ってる?」

アニ(…?)

ミーナ「人間の体はね、脳のリミッターによって動きを制限されてるんだ。
リミッターを外すことによって、本来の人間ではできない動きが出来るようになるの」

アニ(それってミカサの…)

ミーナ「ミカサも出来てたけど、あれってリミッター解除とは少し違うんだ」

アニ(…違う?)

ミーナ「ミカサはリミッターじゃなくて、ストッパーを外しているの。
ストッパーを外すことで、人体の100%の動きを引き出せるんだ」

アニ(…何が違うんだい)

ミーナ「リミッター解除っていうのはね、要するに限界突破なんだよ」

アニ(…は?)

ミーナ「…つまり、100%以上の力が出せるようになるの。
できる人にも個人差はあるんだけどね」

アニ(ちょっと待って)

ミーナ「ちなみに私の突破率は…

200%だよ」ニコッ

アニ(…ワーオ)

ミーナ「あと、私はまだリミッター解除はしてないよ」

女型「オアッ!?」

ミーナ「それとストッパー解除も、ね」ニコォ…

女型「\(^o^)/」

アニ(…どうあがいても絶望)

すまん、ミーナは前方じゃなくて後方だった。
ちょっとこの後の展開必要なので脳内変換よろ。

ミーナ「これ以上アニを傷付けたくないから…」ビキ

ビギッビキッ

ミーナ「すぐに終わらせてあげる」

ゴォッ!!

アニ(…速っ!?)

ウォール教会 礼拝堂

トム「やはり…ここですね」

???「待て。憲兵団の者が何をしている」

トム「…余りにも美しい建物なので中を拝見しようかと」

???「臭い芝居はよせ。
貴様だな?
最近教団を嗅ぎ回っている者とは」

トム「私じゃありませんよ?
それはミリウスです。
全く…バレバレじゃないですか」

???「ふん…どちらにしろ貴様はここで消えてもらう。
だが、その前に嗅ぎ回っている目的を教えてもらおうか」

トム「構いませんよ?
その目的も今日で終わる予定なので」

???「終わる?バレてもう諦めたのか。
ずいぶんと潔いのだな」

トム「いえいえ…今日で嗅ぎ回る必要も無くなりますから、ね」

???「…何?」

トム「私達の目的は市民兵士の保護、及び害虫駆除です」

???「害虫駆除だと…?」

トム「その発生源の特定、そして破壊。
それが私達の目的です」

???「…どこまで知っている」

トム「お恥ずかしいながら、巨人を人口的に作り出してることくらいまでしか…」

???「…最高機密ではないか。
ふざけおって…」ギリッ

トム「…ユミル」

???「っ…!?」

トム「…やはり彼女を使いましたか。
あなた方はポーカーフェイスを練習した方いい」

???「何の…ことだ…」

トム「彼女は先日の超大型の襲撃以降行方不明になってます。
おかしいですねぇ…死者は0のはずなのですが」

???「…逃げたしたんだろう」

トム「いえ、彼女の性格からそれはあり得ないでしょう」

???「…我々が攫ったという証拠もなかろう!」

トム「攫ったとは一言も言ってませんが」

???「ぬ…ぐ…!貴様ぁ…」

トム「超大型の襲撃…
あれはあなた方の計画の始まりだった。
超大型によって壁を破壊し、
巨人を侵入させて壁内を制圧する予定だったのでしょう」

???「…知らんな」

トム「しかしエレン・イェーガーにより超大型は討伐。
計画はほんの一部で止められてしまった」

???「面白い。
随分と妄想が上手いじゃないか」

トム「だが」

???「…」

トム「あなた方の真の狙いは壁の破壊では無く解放。
違いますか?」

???「…何のことだ」

トム「壁の中の大型巨人。
それがあなた方の狙いだった」

???「…!」

???「どこで…その話を…」

トム「おかしいと思いました。
壁を神と崇めるあなた方が、壁を破壊するということが。
ですが本当の神はその中身で、破壊ではなく解放なら辻褄が合います」

???「くっ…」

トム「超大型は討伐され、オマケに鎧、隠し球の女型までも撃墜。
おそらく鎧と女型は単独行動でしょうか。
計画は完全に破綻し、あなたは窮地に立たされた。
しかし、あなたは一つの奇跡に出会った。
それがユミルです」

???「…」

トム「ユミルは以前から我々に監視されていました。
理由は一つ。
彼女が『始祖』である可能性があったからです。
彼女は襲撃の際に巨人化してしまった。
おそらく友人を助けるため、でしょうね。
ウォール教はユミルの友人、クリスタ…いえ、ヒストリア・レンズを監視していたため、それを目撃。
そこであなた方も気付いた。
彼女が『始祖』である可能性に」

トム「そして計画は変更した。
外部からの巨人の侵攻では無く、内部からの侵攻へ」

???「…く…くく…」

トム「あなた方は『始祖』の力を使い、普通の人間を巨人化に成功。
その巨人を量産して放つつもりですね。
…そう、壁外遠征で調査兵団がいないこの日に」

???「ククク…」

トム「そうでしょう?
…ニック司祭」

ニック「…ククク…クハッ…ハーハッハッハァ!!!」

トム「…」

ニック「そうだ!その通りだ!
我々は神の力を手に入れたのだ!
始祖の力は実に素晴らしい!!
だが、この事を知ってどうする!?
一介の憲兵ごときに何ができる!
巨大な流れに蟻一匹が逆らえると思っているのか!」

ズゥゥゥン…

ニック「始まったようだな…。
今、この時より計画は始動した。
もう誰にも止められはせんぞ。
人類は滅び、我々ウォール教が神となる!
ここで貴様もゴミのように死ぬのだ!」

信者群「…」ワラワラ

トム「遊びが過ぎたなウォール教…。
神の祈る暇も無いと思え」チャキッ

ダズ

ダズサイド

ダズ「フー…」スパー

ジャン「勤務中に一服してんじゃねぇ!」

ダズ「…上官のお手本通りにしてるだけだ」スパー

ジャン「チッ…。
まぁいつもみたいに寝てないだけマシか…。
それより奴を見つけたぞ」

ダズ「…奴?」

ジャン「お前がライナー探せって言ったんだろ!」

ダズ「…二日酔いがヒデェんだ。
チェスター・ベニントンみたいに吠えないでくれ」

ジャン「誰だよ…。
ライナーは裏町にいる。
お前に言われた通り、訓練生だけでばれない程度に奴を奴を包囲した」

ダズ「上出来だ。
奴をネバーランドから引きずり戻してやろうぜ」

ジャン「…ああ」

ライナー「ベルトルト…今、仇を…取る…からな…。
全部壊して、一からやり直そう…」

ダズ「ヘイ、ライナー」

ライナー「…ダズ」

ダズ「ネバーランドの居心地はどうだい。
ピーターパンとティンカーベルには会えたか?」

ライナー「ワケのわからねぇことを…。
…お前も知っているんだろう?
俺の正体が鎧の巨人だってことによ」

ダズ「ああ。
ついでにとびっきりの馬鹿ってこともな」

ライナー「…そうさ。
俺は馬鹿野郎だ。
自分が巨人か人間かの区別もつかんくらいにな」

ライナー「…俺は人殺しだ。
前回はお前らに邪魔されたが、
五年前に何人…間接的には何万の人を殺したかすらわからねぇ…。
大義のため。
俺たちはそのためだけに人を殺してきた。
今更止まれねぇんだ…だから…」

ダズ「大義?
人殺しに大義もクソもあるか。
人殺し分別なんかありゃしねぇ。
全員一致で燃えるゴミ。
皆まとめて焼却炉、だ。
お前は大義って言葉に甘えただけだ」

ライナー「…うるせぇ。
俺がやらなきゃ誰かがやった!
もう帰るとこなんてねぇっ!!!」ガリッ

鎧「グオオオオオッ!!!」ビリビリ

ジャン「…あ、ああ…」

コニー「ライナーが鎧って本当だったのか…」

アルミン「巨人から逃れるために駐屯兵になったっていうのに…くっ…」

ミカサ「主席でごめんなさい。
ライナー、あなたこそが主席に相応しいいいいいい」ガタガタ

ダズ「…ジャン、作戦通り行くぞ。
お前が指示を出せ。
俺はあくまでモブだ。
メインステージには上がれねぇ」

ジャン「わ、分かった…」

ダズ「俺はフードで顔を隠す。
適当に駐屯兵の精鋭とかってことにしといてくれ…」

鎧「オオオオオオオ!!!」ドオオオン

ダズ「さて、と…。
他の駐屯兵が来るまでに終らせるとしようか…。

踊るぜ、ジャン」

ジャン「作戦通り行くぞ!
成績上位だった奴とアルミンは立体機動に移るぞ!」パシュッ

ジャン「うおおおおお!!!
ライナアアアアアア!!!」ギュイイイイイン

ジャン「って、おおおおおおい!!
何で俺一人何だよ!!!」

コニー「怖い」

マルコ「無理」

サシャ「それよりパンか何かありませんかね」

ミカサ「あばばばば」ガタガタガタガタ

アルミン「僕は上位じゃないし」

ジャン(駄目だこいつら…)

ジャン「出番無いからって拗ねてんじゃ…うおっ!?」

鎧「オオオオオオオ!!」ブンッ

コニー「あ、ジャンが死ぬぞ」

サシャ「出番が多い奴はいなくなればええんや」

ダズ「…」ギュイン

シュパッ

スガガガガガガ!!!

鎧「グオオオオオッ!?」ヨロッ

ジャン「あぶねぇ…助かったぜダ…精鋭の人…」

アルミン「チッ」

ジャン「てめぇ!!」

壁上

ピクシス「グーグー」

女側近「おら、起きろ」ドコッ

ピクシス「ぐふっ!」

女側近「壁内に巨人が出現。数は100体程度だ。
さっさと指示を出せ」

ピクシス「すまんが酒を持ってきてくれんかのぉ…」

女側近「呆けたかジジイ。
ここがスウィートルームに見えるか?」

ピクシス「酒が…酒が美味いんじゃ…」

女側近「使えねぇな…さっさと立てクソジジイ」グイッ

ピクシス「漏らしてもうた…」

女側近「知るかよ」

ザワザワ…

兵士1「壁内に巨人だと…」

兵士2「しかも数は100を超えてるらしいぞ…」

兵士3「もう駄目だ…お終いだぁ…」


女側近「チッ。すっかりビビってやがる…。
さっさと喝をいれてやれ」ドンッ

ピクシス「年寄りをいじめないでおくれ…」


兵士1「ピクシス指令だ…」

兵士3「あの人ならきっとこの危機を乗り越えてくれる!」

兵士2「馬鹿言うな…いずれここにも奴らが来ちまう…」


ピクシス「スゥ…ちゅうm女側近「ちゅうううううもおおおおおおくっっ!!!!!」

女側近「壁内巨人が多数出現!!!
てめぇらには殲滅をしてもらう!!!
できないならここで死ねっっ!!
ここで死ねないなら前線で死ねっっ!!
奴らぶっ潰して生を掴みとりやがれ!!!」

サムエル「げっ…姐さん」

ハンナ「珍しくやる気ね…」

女側近「作戦の指揮はキッツ大隊長に行ってもらう!!!
死にたくなければ逆らうんじゃねぇぞ!!!」

キッツ「任せておけ!
奴らに鉄槌を降してやろうぞ!」


サムエル「うわ…キッツの親父まで出るのか…」

ハンナ「フフッ。もう引退して隠居じゃー!とか言ってたのにね」

フランツ「親父が出るなら僕らの出番は無いね」

ハンナ「そんなこと言わないの。
キッチリこなしましょ!」

フランツ「もちろんさ」

ピクシスの女側近なら名前あるよ

>>205
マジか
Yahoo知恵袋で聞いてくる

アンカ「おいサムエル」

サムエル「ハイッ」ビクッ

アンカ「さっき言った通り、キッツ大隊長に指揮は任せる。
お前は最前線で戦え。
絶対に顔を見られるなよ」

サムエル「姐さんは?」

アンカ「大隊長の補佐だ。
あのおっさん、どうせ指揮は丸投げして前線に出るだろ」

サムエル「…でしょうね」

アンカ「ハンナとフランツは市民を守れ。
必要とあらば前に出てくれ」

ハンナ「はーい」

フランツ「了解しました」

アンカ「よし、散れ」

サムフラハンナ「ハッ!」


アンカ「坊や達…死ぬんじゃないよ」

キッツ「ぬぅりゃあああ!!」ズバァァァン

サムエル「さすが軍神キッツ…。
衰えねぇなぁ」

アンカ「あのおっさんは生涯現役だろ。
案の定、指揮してねぇし」

兵士1「大隊長殿!!
前方より巨人の群が出現いたしました!距離400!」

キッツ「丁度いい!
『アレ』をぶち込んでやれいっ!!」

兵士1「使うのですか!?
あの兵器は試作段階です!」

キッツ「構うものか!
今使わずしていつ使うのだ!!
エネルギー充填急げ!!!」

兵士2「エネルギー充填!
いつでも行けます!!」

キッツ「よぅし!
目標!前方巨人の群!!
試作型立体機動砲用意!!
撃てえええええええ!!!!」

兵士1「ヤー!!
立体機動砲ファイア!!」

兵士2「ヤー!!
ファイアアアアアアア!!!」

キュイイイイン…

カッ!!

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

アンカ「…!おい、サムエル。
あそこの壁の上を見てみろ」

サムエル「!?なんだ…あいつ…」

アンカ「あたしの目が腐ってるわけじなゃいみたいだな。
あんなデカイ猿は初めて見たぞ」

サムエル「奇行種…?
いや、中にいますね。確実に」


ドオオオン

兵士1「ぐあああ!!」

兵士2「な、何だ!?砲弾がいきなり…」

兵士3「また来たぞ!退避だ!!」

ドオオオン…

アンカ「野郎…固定砲台の球を投げてきてやがる。
しかも狙立体機動砲をな」

サムエル「…俺が行きます。
このままじゃ滅多打ちにされちまう」

アンカ「…オーライ。
目標は1km先だ。
途中まであたしが道を開いてやる。
あのエテ公にピッチャー返し食らわせてやれ」

サムエル「…ヤー」

ミスた
×しかも狙立体機動砲をな
◯しかも立体機動砲を狙ってな

兵士3「大隊長殿!!
砲弾の出処が判明しました!
およそ1km先の壁上から、特殊な巨人が投擲してます!
被害増加!負傷者多数!」

兵士2「他巨人勢も息を吹き返したようです!
各所で押され始めました!」

キッツ「ぬぅ!小癪な!
ワシがうなじを削いでやるわ!」

兵士3「無茶です!
巨人の群の更に奥ですよ!?」

キッツ「ワシが先陣を切らんとしてなんとする!!
撃鉄を鳴らせ!!
声を上げろ!!
行くぞおおお!!!」

兵士達「おおおおおおお!!!!」ビリビリ

ドドドドドドドドド

信者A「くそっ!こいつら全然ビビってないぞ!
本当にあの駐屯兵なのか!?」

信者B「獣様の援護で陣形が崩れ始めてる!!
我らも行くぞおおお!!!」ガリッ

ーーーカッ

巨人群「オオオオオオオ!!!」


兵士3「前方に巨人が多数出現!!」

キッツ「知らんっ!!
このまま突っ込めえええ!!」

兵士達「オオオオオオオ!!!」

ドオオオン…

アンカ「オヤジが敵を引きつけているウチに行くぞ!」

サムエル「ヤー!」バシュウウウ

巨人「ガアアアッ!!」ゴオッ

アンカ「邪魔だ!」ズバァァン

巨人「 」ズゥゥゥン…

アンカ「道は開けた!
行けっ!サムエル!」

サムエル「ヤー。
後は任せてください」

アンカ「ハッ。随分とたくましくなったもんだ」

サムエル「姐さんほどじゃないですよ」

アンカ「うるせぇ。…サムエル、死ぬなよ」

サムエル「姐さんに心配されちゃあ死ねませんよ。
また後で会いましょう」

アンカ「いってこい!」ドンッ

サムエル「…ヤー!」バシュウウウ

獣「…」ブンッ

ドオオオン…

バシュウウウ…

獣「…!」

サムエル「ハロー、エテ公。
猿回しの時間だぜ」スタッ

獣「…あれ。
全然計画進んでないんだけど、どういうことか知らない…?」

サムエル「!?」

獣「おっかしいなぁ…。
調査兵団と厄介な奴はいないハズなのに…」

サムエル「おい…巨人が喋るなんて聞いてねぇぞ…」

サムエル「…何者だお前」

獣「あ、君も厄介な人の1人なのか。
悪いけど、死ぬか情報吐いてもらうかしてもらおう」ブンッ

サムエル「聞く耳は持たねぇか…!」

ドオオオン!!

獣「あれ…潰したはずなんだけど…」

タンッ タンッ タンッ

バシュウウウ!!!

サムエル「随分と速いじゃねぇか…」スタッ

獣「うーん…確かに厄介だなぁ…」

巨大樹の森 後方 ミーナvs女型

アニ・レオンハートは後悔した。

例えミーナが、リヴァイ兵長並の実力者でもタイマンなら勝てる。
そう思っていた。

しかし相手が悪かった。否、悪過ぎた。
ミーナ・カロライナとは決して戦ってはいけない。

リミッターを完全に解除したミーナはもはや人外。

あらゆる木々をブレード一振りでなぎ倒し、手を出そうものなら瞬く間に細切れにされる。

長い髪を振り乱し、高速で空を駆ける姿はまさに鬼神そのものであった。

女型「アアアッ!!(泣」ブンッ

アニは追い払うように手を振り回すことしかできなかった。
だが、その刹那ーーー

ドンッ!!!

数秒前まであった自分の腕が空を舞う。

アニ(…私は…いったい…)

ミーナ「……」ゴオッ

ザシュッ
ザンッ
ズバババンッ

アニ(…いったい…何と戦っていたんだろう…)

ミーナ「バイバイ、アニ」

ズバァァン…

アニ「……バイバイ、ミーナ」

アニ・レオンハートは笑顔で長旅を終えた。

巨大樹の森 右方 ナックvs巨人群

信者4「他愛も無い…私はハズレを引いたようだな」

巨人「…」ガブッガブッ

信者4「どれ、死に顔でも見てやろう」クイッ

巨人「うー…」スッ

信者4「…どけと命令している」

巨人「あー…?」キョトン

信者4「チッ…まだ使いこなせんか…」

ザクッ

信者4「……あ?」

ナック「…確かにてめぇはハズレを引いたみたいだな」

信者4「貴…様…!何故生きて…!」ゴフッ

ナック「上から降って来た奴に身代わりになってもらったんだよ。
…左腕と引き換えにな」

信者4「……私の負けか…。
だが…!貴様も道連れにしてやろう…!」バッ

ナック「…!」

信者4「クク…私を倒しても巨人共は消えん…。
片腕ではうなじも削げまい…!」

ザンッ

ナック「…うるせぇよ」

信者4「ガ…ハ…」

ナック「…片腕じゃうなじが削げない?
そんなこと…やってみなきゃ分かんねぇだろうが…」

ズシン…ズシン…

巨人の数はおよそ50体。
片腕ではブレードで鋭角を作れない。
ガスもアンカーも片方しか使えない。

しかしナックは冷静だった。

ナック・ティアス。
その実力は並の兵士とは次元が違うが、モブの中ではダズやミーナに比べると遥かに劣る。

しかし、ナックには誰よりも強くなることができた。

窮地。
ナックにとって窮地とは、もっとも真価を発揮できる状況だった。

ナックは五感を研ぎ澄まし、静かに燃えた。
アドレナリンが大量分泌し、即座に切断面を止血。
同時に痛覚も遮断される。

目の前の巨人を殲滅。
ナックはその事だけに全神経を注ぎ込んだ。

「オオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」

ナックは吼えた。
巨人と間違うほどの声で吼え、自らを奮い立たせる。

ナック「腕の一本くらい無くても何も変わらねぇんだよ…
俺がまとめて相手してやる…
……かかってきやがれ!!」

ナックはブレードを咥え飛んだ。

ナック「ガアアッ!!」

ズバンッ!!

ブレードを咥えることで鋭角を作り出すことに成功。

巨人「あー…」アーン

大口を開け、迫り来る巨人。
片腕では回避は不可ーーーー

ナック「…!」パシュッ

カッ

アンカーを巨人の背後に打ち込みーーー

ナック「フッ!」グルンッ

巨人「あー」スカッ

ナック「オラアアアッ!」ズバァン

ガスを片方だけ吹かし、体を反転させ最小限の動きで回避。

普段のナックからは想像できない潜在な動きであった。

潜在→繊細

一体、また一体と倒れゆく巨人。
ナックは動きを止めることはなかった。

ナック「オオオオオッ!!!」

巨人「ガアアアアアッ!!」

ナックは巨人の群へ再び飛び込んだーーー

壁上 サムエルvs獣

サムエル「チィッ!」バシュッ

獣「なかなか素早いね。
捕まえられるかなぁ」ブンッ

サムエル「くっ…!」

戦況最悪だった。

理由は一つ。
壁上のため、アンカーを打ち込む場所が獣と壁の側面しか無かったからだ。

サムエルは回避するだけで反撃に出れない。
サムエルほどの実力者でも立体機動が満足に使えない状況では攻めあぐねていた。

獣きアンカーを打ち込もうものなら即座に掴まれてしまうだろう。

だからと言って側面を使いま回りこもうにも、獣のスピードには追いつけない。

サムエルは回避にガスを使い続けるだけだった。

そんな中、サムエルは一つの才覚に目覚め始める。

獣「なんか…ずいぶんと余裕に見えるけど」

サムエル「お前が疲れてきたんじゃねぇか?」バシュ

獣「そうなのかなぁ…」ドコォォォ

先程まではギリギリの回避をしていたサムエルだが、今のサムエルには獣の攻撃が当たる気配が無い。

サムエル「フンッ!」バシュッ

ズババン!

獣「うわっ」ヨロッ

目覚めた才覚。

それは先見の才であった。

先見。
それは相手の筋肉の動き、動向から動きを先読みする能力である。

極限の状況下でサムエルは集中力のピークに達す。
そして開花した才覚。

サムエルには獣の動きが手に取るように読めていた。

サムエル「右腕の振り下ろし…か」スッ

ドコオオオ!

獣「あれぇ…?」

獣「めんどくさいなぁ…。
もう死んでいいよ」ブンブン!

サムエル「!」

当たれば勝ち。
獣はそう考え両手をサムエルを叩き潰すためだけに振り回した。

しかしーーー

サムエル「そんなに振り回していいのか?」

獣の足に打ち込まれたアンカー。
攻撃に夢中になるあまり、獣はアンカーを打ち込まれたことに気付いていなかった。

バシュウウウウ!!

サムエルは目一杯にガスを吹かし、スライディングしながら足下に接近。

獣「うわっ、いつの間に…」ブンッ

獣はサムエルを振り払おうと、手を振り払う。

カシュッ

だが、サムエルは当たる瞬間にもう一本のアンカーを逆足に打ち込み、方向転換した。

サムエル「ハアアッ!」バシュウウウ!

スバァァン!

獣「くっ…」グラッ

サムエルは獣のアキレス腱を切り裂く。

踏ん張りの効かなくなった獣はゆっくりと壁伝いに落下していく。

サムエル「紐なしバンジーだ。お供するぜ」

サムエルは落下していく獣をめがけてダイブ。

獣「ちょこまかと…!」ブンブンッ

サムエル「丸見えだ」バシュッ

攻撃をガスを吹かして回避。
そして獣の眼前に躍り出る。

サムエル「次は噛み付きか?」

獣「ガアアッ!」グオッ

サムエル「フッ!」グルン

反転して噛み付きも回避。
同時にガスを使い加速。
そしてうなじにたどり着く。

サムエル「動物園で大人しくしてやがれ」

獣「ぐっ…ちくしょおおおお!!!」

ズバァァァン…

アンカ「オヤジ!サムエルが猿をやった!
こっちも盛り返すぞ!」

キッツ「分かっておるわ!!
皆のもの!行くぞおおお!!!」

アンカ「一匹の巨人に五人以上で戦え!
一匹ずつ確実にうなじ削げ!!
野郎共!!
人類の底力を見せてやれ!!」

兵士「おおおおお!!!」

ウォール教 礼拝堂

トム「どうやら祭りも終わりのようですね。
ニック司祭」

ニック「ば、馬鹿な…」

無数の屍の上に佇むトム。
その姿には返り血、埃一つ付いていない。

ニック「この人数を1人で…!
貴様!何者なんだ!!
この化物めが!」

トム「ただのモブですよ」

ザンッ

ニ/ック「あっ」

トム「さようならニック司祭」

トム(こっちは終わりましたよ…。
あとは壁外の三人ですね。
内通者を上手く炙り出してくれるといいんですけど…。
私に死亡報告書なんて書かせないでくださいよ?
ダズではありませんが面倒くさいので。)

ダズ&104期生vs鎧

鎧「オオオオオ!」

ドコオオオオ!

ジャン「どうしたライナー!!
俺一人に手こずる程度なら、人類滅亡なんて到底無理だな!」

ライナー(うるせぇ…うるせぇうるせぇうるせぇうるせぇえええええ!!!)

鎧「オオオオオッ!!!」ドコオオオオ!

ジャン「チィッ!無茶苦茶に暴れ出しやがった!」

ヒュウウウ…

ダズ「…!」

ジャン「瓦礫が…なっ!?」

幼女「きゃああああ!!」

ジャン「何で子供がここに!?
くそっ!避難してなかったのか!
ここからじゃ間に合わねぇっ!」バシュウウウ

ドォォォン…

ジャン「くっそおおおお!!」

ダズ「大丈夫か?お嬢さん」

幼女「え、うん…」

ジャン「ダズ…!」

ダズ「…いいかお嬢さん。
ここはお嬢さんのようなレディに相応しい場所じゃない。
シンデレラの舞踏会場はあっちだ。
ほら、皆お嬢さんを待っている。
ホットミルクでも飲んでのんびりしててくれ」

幼女「ありがとう…///」

ダズ「おい」

104期生「ビクッ」

ダズ「…シンデレラが来たってのに誰もエスコートはねぇのか?
あまりにもキュートで手がだせねぇのか?
それとも…」

104期生「…」

ダズ「ただのルーザー・ドッグか?」

104期生「イラッ」

ダズ「いや、それじゃワンコ失礼か?
お前らは吠えることすらできないしな。
あぁそうかい。
ガタガタ震えてるからな。
お前らは子鹿ーーーー

ブチッ

104期生「うるせぇこの老け顔が!!」

アルミン「フードで顔隠してばれてないと思ってるだろうけど、あんたダズだろ!」

コニー「そんな喋り方するのダズしかいねぇよ!馬鹿!」

サシャ「誰が負け犬や!誰が子鹿や!
調子乗っとるといてまうぞゴラァ!」

ミカサ「ふふふふるえててててなんかかかいないいいいい…」

ダズ「…オーライ。
やればできるじゃねぇか…」パサッ

アルミン「!?」

コニー「お前…その傷…」

ダズ「擦り傷だ。
シンデレラを守るためなら安いもんだろ…」ポタポタ

サシャ「掠めたって…血塗れやないかい!」

※ここからは流血で片目が塞がったダズをイメージしてください。

ダズ「お前らは騎士(ナイト)だ。
あのクソゴリラに触らせるな。
いいか?髪一本血一滴も、だ。
守れ。
決して純潔を汚すんじゃねぇ」

ミカサ「…わわわわかったたた」ガシッ

幼女「おおおおおお姉ちゃんんんんん。
ふふふふふふ震え過ぎぎぎぎ」ガタガタガタガタ

ダズ「オーライ。
お姫さまはお前に任せた」

ミカサ「まままままかせてててててて」ガタガタガタガタ

幼女「あばばばばば」ガタガタガタガタ

ダズ「さて、と…。
よぉライナー」

鎧「……」

ダズ「…俺は死ぬほど許せないことがある。
一つはレディに手を出す奴。
そして二つは…

仲間に手を出す奴だ」

鎧「……」

ダズ「…お前はこの世で1番やっちゃならねぇ事をやっちまいやがった。
おかげでハザードが鳴りっぱなしだ…。

固定砲準備。目標はあのピーチボーイ。
全員下がっていろ。邪魔だ。

……奴と灼熱のタンゴを踊ってやる」


鎧「オオオオオ!!!」

勝負は一瞬だった。

ライナーは本当の恐怖を覚えることになった。

ダズ「ジャン。動き回られるとめんどくせぇ。
固定砲で足を止めさせろ」

ジャン「足を止めろって言ったって、あいつの鎧はそう簡単には…」

ダズ「…あいつを狙えとは言ってねぇよ」

ジャン「…!
オーライ…。俺が指示を出す。
チャンスは一度だ。
しくじるんじゃねぇぞ」

ダズ「はっ…頼もしいな」

鎧「グオオオオッ!!」ドシンドシン

ジャン「来たぞ!!
固定砲六番!指示通り撃てぇ!!」

サシャ「死ねやライナァァァ!!!」

ドォン!

ライナー(砲弾如きで止まるかよ!!)

鎧の巨人は砲弾では止まらない。
その事は五年前に証明されていた。
しかしーーー

ズドォォン!

鎧「オオッ!?」ガクッ

固定砲で狙ったのは鎧ではなく、
鎧の足下であった。

ライナー(くっ…!体制が…)

足場のが崩れたことで鎧は体制を崩し、その場に膝をついた。

その一瞬をダズは見逃さなかった。

ライナーが異変を感じる。
体制を立て直そうとするも、足が動かない。

ライナー(何で動かねぇんだ…っ!?)

ライナーが自身のアキレス腱が大きく削がれている事に気付く。

ライナー(馬鹿…な…いつの間に…)

シュパッ

地面に着いた手を何か通り過ぎた。

ブシャアアア

ライナー(!?指がいきなり…!)

出血と同時に鎧の五指が吹き飛ぶ。

ザザザンッ!

ライナー(今度は何が…!)

両肩の関節部分が削がれ、ぶらりと腕が垂れ下がる。

ザザザンッ!

ライナー(うあッ!?)

ザンッ!
ザンッ!
ザザザンッ!

ライナー(あ…ああ…や、やめて…くれ…)

ズバァン!

ライナー(う…うおおおおお!!!)

肩、肘、手首、股。
次々と鎧の関節部分が削がれていく。

鎧「アアアアアアアア!!」

ライナー(ベルトルト!アニ!!
誰が、誰か助けてくれえええ!!)

ダズ「叫んでもベルトルトもアニも来ねぇよ。
休暇とってバカンスに行ってる」

鎧の眼前に現れたダズ。

ライナー(ひっ!?)

鎧は動けなかった。
当然である。
もはや、鎧には体を動かせる腱がないのだから。

ズバァン!

ライナーは突如暗転。
ダズの放った回転切りで両目が潰される。
ここまで砲撃から約10秒。

ライナー(く、首回りを最大まで硬化すれば…)ビキビキ

ライナーは首を硬化。
だがーーーー

ドンッ!

無情にも鎧の首が空を舞った。

ライナー(な…んで…硬化…して…いたのに…)

ダズ「…巨人の口の中ってのは最悪だ。
臭ぇし汚ぇ…」

切断面からダズが出てくる。

ライナー「てめぇ…ワザと口に入って内側から…」

ダズ「内部は流石に硬化できなかったみてぇだな…。
終わりだ。ライナー」

ライナー(くっ…巨人体と同化してて動けない…!)

ダズ「…」ヒュッ

ライナー(切られる…っ!!)

バキィッ!

ライナー「!?」

ライナー(な、殴られたのか…?)

ダズ「…よぉ。ちっとは目が覚めたか?」

ライナー「ぐっ…早く殺せ…」

ダズ「…まだ起きてねぇみたいだな」

バキィッ!

ライナー「がはっ!」

ダズ「どうだ?妖精がまだ見えるか?」

ライナー「てめぇ…何を」

バキィッ!

ライナー「ぐっ…!」

ダズ「…今のはお前が殺しかけたお嬢さんの分だ」

ライナー「が…あ…」

バキィッ!

ダズ「今のはてめぇが裏切った仲間の分」

バキィッ!

ダズ「…五年前の分」

バキィッ!バキィッ!

ダズ「今のは…

てめぇが自分自身を裏切り続けたライナー・ブラウンの分だ」

ライナー「…!」

バキィッ!

ダズ「今のは……
これから街を直す人の分…って事でいいか」

ライナー「おぉい!特に理由の無い暴力を振るうんじゃねぇ!!」

ダズ「…目が覚めたみてぇだな」

ライナー「……」

ダズ「…いい加減、その臭え着ぐるみ脱いだらどうだ。
たまには何も隠さねぇで舞台に上がって見せろ」

ライナー「……」

サシャ「ライナー…」

パンッ

ライナー(平手!?)

パキッ!

ライナー(からの肘っ!?)

サシャ「どんだけ心配したと思っとるんや!」

ライナー「…!!」

サシャ「…ライナーが鎧の巨人って聞いてから…皆どんだけライナーを心配したか分かっとるんかい!」

ライナー「お前はさっき死ねとか言ってたじゃねぇか!!」

サシャ「…チッ。聞こえてましたか」

ライナー「この芋女が…!」

ダズ「……随分と楽しそうだな」

ライナー「…ダズ」

ダズ「クソホモゴリラと普通のホモゴリラか、どっちが本当のお前かは知らねぇが…」

ダズ「そっちの方が似合ってるんじゃねえか?」ニッ

ライナー「…うるせぇよ」

巨大樹の森 中央

ハンジ「でさー、ソニーとビーンったら私がいなくなると唸るんだよ。
やっぱり巨人にも甘え心があるんじゃないかなぁ」

リヴァイ「奇行種が何言ってやがる…」

ハンジ「奇行種!いい響きだね!
褒め言葉として受け取っておくよ!」

ペトラ「ハンジ分隊長ったら…」

ハハハ…

モブリット(…ケイジ、トウマ。
作戦の確認するからちょっと離れるで)

ケイジ(…分かった)

トウマ「モブリット。
隊から離れ過ぎじゃねぇか?」

モブリット「…せやな。
ここらでええか…」

トウマ「それで、確認って何だ?」

モブリット「…内通者のことやねんけど、目星が着いたで」

トウマ「本当か…?」

モブリット「恐らく…トーマスや」

ケイジ「トーマス…あいつが?」

モブリット「…せや。
あいつが1番怪しいと思うんやけど」

ケイジ「…裏は取れてるのか?」

モブリット「…まぁ嘘やねんけど」

トウマ「……おい。ふざけてる場合じゃ…」

モブリット「軽いダウパリアンジョークや。
そんな睨まんでもええやろ」

モブリット「内通者はナックや」

トウマ「…お前いい加減しろよ」

ケイジ「あの単細胞ができるわけないだろ!」

モブリット「可哀想なこと言うなや。
ナックはただアホなだけやろ。
本当の内通者はな…トムや」

ケイジ「…トムか!あいつが情報を流してたのか…」

トウマ「怪しい奴だとは思っていたが…やはりそうか…」

モブリット「嘘や」

トウマ「…」
ケイジ「…」

モブリット「怪しいと言えばミリウスもサムエルも怪しいわ。
あの馬鹿ップルもきな臭いと思わへんか?
それにキッツのオヤジもアンカもなんか臭うでぇ…!
ダズの老け顔も怪しい…年齢を偽ってるに違いないわ!
あとはミーナ!
あいつの乳は大したもんや!
あの乳になにか重要な秘密が隠されとるんや!
帰ったら乳揉み遠征せな!
ああああ!!
誰が内通者なんや!
どいつもこいつも怪しくてしょうもないわ!」

ケイジ「…おい」

モブリット「でもな!1番怪しいのは…」

トウマ「ふざけるのもいい加減に…」

モブリット「お前らやけどな」

トウマ「っ!?」

ケイジ「はっ…それもダウパリアンジョークか?
全く笑えないな」

モブリット「いま笑ったやんけ。
オモロかったか?
ほんなら、もう一度言ったるわ」

モブリット「内通者はお前らや。このドアホが」

トウマ「…」

ケイジ「何を根拠にいってるんだ?」

モブリット「ケイジィィ…そのセリフは自供してるみたいなもんやで?
まぁええ。
こっちから質問させてもらうわ。
自分ら、前回の壁外遠征のときなにしとったん?
いつも遠征メンバーにおるはずなのに、何であの日だけおらんかったんや?」

ケイジ「ただメンバーから外れてただけだ」

トウマ「ああ。調査兵団の本部で待機してたぞ」

モブリット「ふーん…そうかい」

モブリット「超大型の襲撃の時にも待機しとった、と?」

ケイジ「あれは俺らの任務じゃない。
ミーナ達の任務だろう。
勝手に動いてたら他の調査兵団に怪しまれちまうからな」

モブリット「おっかしいなぁ…。
サムエルが戦闘中にトロスト区で見かけたって言ってたんやけど」

ケイジ「っ!?」

モブリット「嘘、や」

ケイジ「お前…っ!」

モブリット「怪しいトコは腐るほどあるんやけどなぁ…。
とりあえずブレードしまったらどうや?
怪しく無いなら臨戦体制になんなや。
せやろ?」

ガササッ

モブリット「のう…リーネ、ヘニング」

リーネ「…!」シュッ
ヘニング「…チッ」シュッ

ガキィィィィン!

トウマ「背後からのダブルアタックを見もせず難なく受け止めるか…」

ケイジ「…ふん。流石は最強、と言ったところか」

モブリット「はっ…最強の名は…ダズにくれてやった…わ!!」キィン!

ズババンッ!

ヘニング「ぬぅ!」

ババッ

モブリット「チッ。掠めただけかい。
ちったぁやるようになったみたいやなぁ」

ヘニング「へっ!いつまでも最強気取ってんじゃねえ!ここでその看板降ろしっ!?」

ザンッ

ヘニング「うおっ!?危なっ!!
最後まで喋らせろ!!」

モブリット「相変わらずやかましいやっちゃのう。
最強の看板なんざとうに降ろしたって言うてるやろ」

リーネ「目標捕捉…直ちに駆逐…」バシュウウウ!

モブリット「貧乳に用は無いわ!」ヒュッ

ガキィィィン!!

おおう…トーマだったのか…
すまぬが脳内変換でよろ

息抜きに他のSS書いてたりして進行遅れたけど、今日中には完結させる予定なので頑張る。

モブリット「…お前ら何考えてん…
まさか他の奴ら消して日の本に出よとか考えとるんか?」

ケイジ「……何が悪い。
俺たち実力のある者が光を浴びて何が悪い!!
黒子はもうごめんなんだよ!!」

トウマ「俺らだってどうせ死ぬなら見開きいっぱい使って死にたいんだ!
誰も気付かないところで死んでたまるか!」

ヘニング「モブリット!
てめぇもそう考えてんだろ!!
リヴァイなんてちょっと強い小っさいおっさんの下にいておかしいと思わねぇのか!?」

モブリット「…どうしようもないアホやな。
そんなことお前らができるわけないやろが」

モブリット「だってお前ら地味やもん。
ビジュアル的にもキャラ的にも」

トーマケイジヘニングリーネ「……」ブチッ

モブリット「トウマとトーマもどっちだか分からへんし」

トーマ「……」ブチブチッ

ケイジ「…全員リミッター外せ。
…こいつを殺るぞ…」ビキッビキッ

リーネ「…リミッター解除…目標を殲滅する」ビキッ

ヘニング「髪の毛一本残さねぇぞおおお!!」ビキッビキッ

トーマ「…殺れ」ビキビキッ


モブリット「おお怖い怖い。
…悪いが手加減はせぇへん。
死んでも文句言うなや」チャキッ

完結しちゃうの寂しいw
よかったら他の作品も教えてください!

>>320
これの合間に書いたのが、
アニ「ライナー、あんたが犯人だ」と、
現行で聖徳太子の奴。
よかったら読んでね。

では続きを投下。

ガキィィン!

ガキィィン!

一閃、また一閃と高速の刃がモブリットを襲う。
モブリットはそれをブレード一本で軽くいなしーーーー

ザクッ

ヘニング「ぐっ…!」ブシャァ

一瞬の隙を狙い反撃に出る。

モブリット「リミッター外してもその程度か?
刺してくださいって突っ込んで来てるだけやん」

トウマ「この化け物が…!」

ケイジ「四人でかかるぞ!」

リーネ「…了解した」

四人はモブリットの四方に散り、
全速でモブリットに向かう。

バシュウウウウウ!

ヘニング「死にやがれ!」ゴオッ

モブリット「…ホンマにアホやな」

モブリットは半歩下がりーーーー

ガシッ

ヘニング「!?」

ヘニングの手を掴み後ろへいなす。

モブリット「ほれっ」グイッ

リーネ「!?」

ドコッ!

ヘニング「ぐっ…がっ…」

リーネ「あっ…!」

ヘニングとリーネが正面衝突する。

トウマ「殺ったぁぁ!!」ゴオッ!

モブリット「ワイは殺れへんが、笑いは取れたで」ヒュッ

バキィィ!!

トウマ「ぐはっ!」

トウマを鉄拳で叩き落とす。

ケイジ「後ろがガラ空きだぜ!」ゴオッ!

モブリット「ご忠告おーきに」バッ

ドッコォォ!

ケイジ「ぐ…おっ」

モブリットの後ろ蹴りがケイジの鳩尾に深く食い込む。

モブリット「なんや、ブレード使うまでもあらへんな。
さっさと終わらせたろか」

ヘニング「ガアアッ!!」シュッ

モブリット「遅いわ」パシッ

片手ブレードを弾き、ヘニングの首を掴む。

ヘニング「ぐっ…!」

モブリット「ほなさいなら」ググッ

バキッ

ダランと手を降ろすと同時に、ヘニングは巨大樹から落ちていく。

モブリット「よっしゃ。
次。かかってこんかい」ボキボキ

リーネ「…っ!」ゴオッ!

ケイジ「うかつに飛び込むな!」

リーネは巨大樹の枝を滑空するように低く走った。
狙いは足ーーーー

リーネ「フッ!」バシュッ!

モブリット「おおっ?」

ガスを一瞬吹かし、モブリットの頭上を超え背後に回り込む、がーーーー

モブリット「ま、及第点やな」

リーネ「!?」

しかし、リーネの目に映ったのはモブリットの足の裏。
背後に回り込んだのに何故、リーネは一瞬反応が遅れた。

バキャアッ!

モブリットが放った飛び蹴りにより、リーネは数十メートル吹き飛び、巨大樹に打ち付けられる。

リーネの首は在らぬ方向に曲がり、目の光を失った。

モブリット「次」

トーマ「くそがあああっ!!!」バシュウウウ!!

モブリット「…」

ゴキッ

トーマ「躱されたか…え?」

トーマがモブリットを通り過ぎる。
そして自身の異変に気付く。

何故首だけ真後ろを向いているのか、と。

トーマの意識はそこで途切れた。

モブリット「つ・ぎ」クイクイ

ケイジ「…くっ!」シュウウウ…

モブリット「…!お前…」

ケイジの顔の傷から発生する蒸気。
モブリットは悟る。

こいつはもう人間じゃない、と。

モブリット「…人の道を外してまでもスポットライトを浴びたい…か。
大した覚悟やな」

ケイジ「必要なのは個性だ!
巨人化できるという個性があれば俺だって…」

ザンッ

ケ/イジ「あっ」

モブリット「…アホ。
巨人化なんざバーゲンセール状態やろうが…」

ハンジ「あ!モブリット!どこ行ってたんだい!もうすぐ出発だよ!」

リヴァイ「…糞でもつまってたんだろ」

モブリット「すいません。ケツの固定砲の調子が悪くて…」

ペトラ「もー!モブリット!
汚い話はやめてよ!」

モブリット「いや、最初に振ってきたのはリヴァイ兵長やろ…」

ペトラ「やろ?モブリット、なんか訛ってない?」

モブリット「気のせい気のせい!」

ペトラ「?…そう」

オルオ「兵長!!壁内から緊急の信号弾です!
至急戻るように、と!!」

エルヴィン「…またか。今度はいったい何が…」

リヴァイ「答えはみてから考えればいい。とりあえず戻るぞ」

グンタ「撤収だ!!急いで引き返すぞ!!」

モブリット(やはり来よったか…。
まぁ、ダズにトム。それとオヤジもいるし問題無いやろ。
それより…あの三人が戻らん。
やられることは無いと思うが…)

トーマス「…おい…ナック。
何…寝てんだよ…」

おびただしい数の巨人の死骸。
その蒸気によって辺りが蒸し暑い。
そんな中、樹を背中にナックは目を瞑って座っていた。

ナック「……あ?トー…マス…か?
悪ぃ…もう目が…見えねぇんだ…」

片手には刃の無いブレード。
もう一本のブレードは柄の部分が血塗れになっていた。

トーマス「…片手と片足無くしてイメチェンか?
時代を先駆け過ぎだぜ。
ふざけてないでさっさと…」

ナック「討伐…数…92…3だっけか…。
どうだ…ミーナを…抜いてやったぜ…」

トーマス「…そいつは凄いな。
帰ったらミーナに自慢してやれ。
あいつ、悔しがるぜ。
違反かもしれねぇが、調査兵団にみてもらう。
そこまで踏ん張れよ」

ナック「…マジか。
またトム…に…説教され…ちまうな…」

トーマス「あぁ。
お前も一緒に説教だからな。
クソッタレ」

ナック「…あぁ…最悪だな…クソッタレ」

トーマス「手ぇ貸せ。運んでやる」

ナック「…悪ぃ」

トーマス「…よっ…と。
立体機動使うぞ。振り落とされんなよ」

ナック「…悪ぃ…」

トーマス「…気にすんなよ」バシュッ

トーマスは自身が出せる最高速度で駆けた。

トーマス「…おい。ちゃんと掴まってくれ。
支えながらじゃ上手く飛べねぇ」

ナック「…悪…ぃ…」

ナックは今にも消えそうな声で呟く。
だが、トーマスに掴まる手に力が入ることはなかった。

トーマス「…そうだナック。
お前に用事があるからこっち来たんだ。
タバコ持ってねぇか?」

ナック「…わ…ぃ…」

トーマス「…聞こえねぇよ。
はっきり喋ってくれ」

ナックが徐々に重くなっていく。
トーマスは不安をかき消すように立体機動を飛ばす。

ナック「……ぃ…」

トーマス「…ふざけてんなら捨ててくぞ」

徐々にナックから力が抜けていく。
そして体温すらも無くなりつつあった。

トーマス「ふざけんじゃねぇぞ…。
もうすぐ着く。お前の大好きなミーナも待ってるぜ」

ナック「…み…ぃな…」

トーマス「あぁ。
あいつを悔しがらせてやれ。
馬鹿みてぇに悔しがるぜ」

ナック「と…ます…」

トーマス「どうした。タバコでも吸いたいか?
生憎だが俺も今切らしてるんだよ」

ナック「じゃあな」 ニッ

ナックはそう笑うと静かに眠った。

トーマス「じゃあな…馬鹿野郎」

燃える男、ナック・ティアス ここに沈む

ごめん、終わらせるって言ったけど無理だった。

明日の夜には仕上げます by冨樫

巨大樹の森 後方

アニ「……う。
…え…生き…てる?」

ミーナ「あ、目が覚めたみたいだね」

アニ「ミ、ミーナ…!」ビクッ

ミーナ「ちょっと!そんなに怯えないでよ!
傷つくじゃない!もう!」

アニ「…なんで殺さなかったんだい」

ミーナ「…親友を殺せるわけないでしょ」

アニ「親…友…」

ミーナ「でもなぁ…アニをこのまま連れて帰るわけにも行かないし…どうしようかなぁ」

アニ「…置いてってくれ。
私の正体は割れてるんだろう?
このままここで野垂れ死ぬさ」

ミーナ「あ、トムに相談してみよう!
きっとどうにかしてくれるよ!」

アニ「話聞けよ…まったく…」

アニ「あんた、服がボロボロじゃないか」

ミーナ「あはは…本気出すと服が動きに耐えられなくて破けちゃうんだよね」

アニ「…ったく…しょうがないね。ほら」ヌギヌギ

ミーナ「ちょっ、アニ!?」

アニ「ジャケットは厚手だから破けてないけど、インナーがボロボロじゃマズイだろ。
私のパーカーあげるよ」

ミーナ「ありがと…」

アニ「…あんた、いい体してるね」

ミーナ「やめてよ!おっさんじゃないんだから!」

アニ「パーカー…少し小さいね」

ミーナ「…うん。胸回りが特に…」

ゲシッ

ミーナ「痛っ!いきなり蹴らないでよ!」

アニ「悪かったね」

ミーナ「えへへ…アニの匂いがする」モフモフ

アニ「…そうかい」

ミーナ「…やばっ」

アニ「…どうしたんだい?」

ミーナ「囲まれてるよ。三人かな…。
アニ、立体機動は使える?
先に逃げてて」

アニ「…馬鹿言うんじゃないよ。
あんたに拾われた命だ。
私も一緒に…」

ミーナ「私が心配に見える?」

アニ「…わかった。
邪魔にならないように避難しておくよ」

ミーナ「うん。気を付けてね」

バシュウウウ…

ミーナ「…出てきなよ。信者さん」

ミーナ「…出てきなよ。信者さん」

ガサッ

信者1「女型の奴は逃がしたか…」

信者2「おさげちゃんの相手できるなんてラッキーだな。
ヒィヒィ言わせてやるよ」

ミーナ「あれ、もう1人は?
まさか逃げたわけじゃないよね」

信者1「裏切り者を逃がすと思うか?」

信者2「消耗した状態じゃ逃げきれないだろ。
女型も捕まえて一緒に楽しもうぜぇ」

ミーナ「…ダスト・トゥー・ダスト。
ゴミはゴミ箱へ捨ててあげないとね…」

信者1巨人「オオオオッ!!」

ドゴオォン!

ミーナ「…っ!ちょっとマズったかなぁ…」

ミーナは苦戦を強いられていた。
たかが知能巨人が二体。
それもアニほど手練れでもない。

普段のミーナなら瞬殺していただろう。

大きな力には反動がある。
アニとの戦いでミーナの体は限界を超えた。
通常の人間の体ではとても耐えられる動きではない。
ミーナとてそれは同じことだった。

酷使した肉体が徐々に悲鳴をあげ始めていた。

ミーナは自分のコンディション、ガスの残量を考えると短期決戦しか残されていなかった。

巨人の攻撃を掻い潜り、背後からうなじを狙う。

ミーナ「ハアアアッ!!」

ザンッ

ミーナの斬撃は巨人のうなじを削ぐことに成功。
しかしーーーー

ズキンッ

ミーナ「痛っ…!」

巨人1「ガアアッ!」

ミーナ(浅かった!?しまっ…)

ガシッ!

体の痛みで反応が遅れたミーナは、巨人の手を回避することができなかった。

ミーナ「あ…ぐっ…!」ギリギリ

信者2「ようやく捕まえたか。
随分と手間かかったがお楽しみタイムと行くか。
手離すんじゃねぇぞ」

ミーナ「…どうせ…エロい事でもするんでしょ…エロ同人誌みたいに…!」ギリギリ

信者2「その通りだ。
まずはその邪魔な服を…」グイッ

ミーナ「あっ…」

信者2「キツくて中々脱げねぇな…。
おー予想通りいい体してるじゃねぇか」

ミーナ「やめ…て…」

信者2「しかし邪魔なパーカーだな。
破いちまうか」

ミーナ「…アニの…」ビキッ

信者2「ほーら。ご開帳だ」ググッ

ミーナ「アニのパーカーに汚い手で触るなああああッ!!!」

ドンッ!!

信者2「あ?」

信者2の目の前にいたミーナが突如消える。
同時に自分の手が消し飛んだ事に気付く。

信者2「あれ?俺の手ーーーー

ズバンッ!

一瞬。
信者2の体が細切れにされ、無惨に崩れ落ちる。

ミーナ「ぐっ……ああああああッ!!!」ゴオッ!

信者1(なっ、なんだこの動き!?
信者2が一瞬で肉塊になっただと!)

ミーナは選んだ。

自分の体が壊れてもいい。
死んだって構わない。
親友に手をかけようとしたこの2人を許さない。

ミーナは再びリミッターを解除した。

巨人1「オオオッ!!」ブンッ

ミーナの気迫にたじろぎながらも反撃にでる。

ズガガガガガッ!!

ミーナに向けた拳がミンチになる。

巨人1「ッ!?」

ミーナ「~~~ッ!!」ミシッ

ブレードを振る度に自身の筋肉が割ける音が聞こえる。
しかしミーナが止まる事はない。

歯を食いしばり巨人の首に一直線に突っ込む。

ミーナ(…このまま中身ごと首を…!!)バシュウウウ!!

現実は残酷であった。

プシュッ

ミーナ「!?」ガクッ

体より先に限界を迎えたものがあった。
そうーーー
ガスの残量が底をついたのだ。

ミーナ「…あっ」

眼前に迫る巨人の口。
空中に投げ出されたミーナは身動きを取ることができなかった。

バクッ…

アニ「ハァッ…ハァッ…!」

アニは出せる限りの速度で逃走を試みた。
しかし、ミーナとの戦いで消耗しきった体力は回復していない。
信者3との距離が徐々に縮まっていく。

アニ(巨人化する体力も無い…。
立体機動で奴を倒せる実力も無い…。
ここまでか…)

ガシッ

アニ「!!」

信者3「…ツカアエタ」ガパッ

アニの片足を掴み大口を開けて迫る信者3。

アニは抵抗する事も無く目を瞑った。

アニ「…ごめん、ミーナ」

醜悪な笑みを浮かべ、ゆっくりとアニを口へ運びーーー

ゴクン

アニを丸呑みした。

信者3「…ゴチソウサマ」

「…まだデザートが残っとるでぇ」

信者3「!?」

仲間の元へ引き返そうした信者3は背後からの殺気に気付き振り向く。

ズバンッ!

信者3「オッ…ア…!」ズルッ…

振り向くと同時に胴体が切断される。
信者3は切断面に佇む1人の男に目を向けた。

モブリット「よっしゃ、まだ消化されてないみたいやな。
ギリギリセーフや」

アニ「……う…?」

モブリット「安心せぇ。今、あのゴミを片付けたるわ」

信者「ウ…ガアアッ!!」ブンッ!

上半身を崩れ落ちながらも、モブリット目掛けて拳を放つ。

モブリット「おいおい。この子に当たってまうやろ」シュッ

ズバァァァッ!

モブリットの振り上げたブレードが信者3の拳を腕ごと裂く。
その切り口は肩まで届き、拳がモブリットにかすることは無かった。

タンッタンッタンッ

裂けた腕を伝い、モブリットは信者3の頭上高くまで跳びーーーー

モブリット「激甘スイーツ奢ったるわ。
残さず食べや」バシュウウウ!!

ザンッ!!

一刀両断。
信者3は砂煙を巻き上げて沈んだ。

砂煙→土煙

モブリット「立てるか?
ベトベトやけど外傷はなさそうやな」

アニ「私は大丈夫…でもミーナが…」

モブリット「ミーナ?
あいつならこんな雑魚何匹いても平気…」

アニ「ミーナが化け物みたいに強い
のは知ってるよ…。
…でも別れ際のミーナは様子がおかしかったんだ」

モブリット「…おかしい…やと」

アニ「…なんか体を動かすのも辛そうだった。
それに服もボロボロに…」

モブリット「…まさか…!あのアホ…!」

アニ「お願いだ…ミーナを頼む…!」

モブリット「……任せとき」ビキッ

モブリット「とりあえず嬢ちゃんはここにおるんや。
あとでトーマスに拾いに行かせたる。
ほな、また後でな」

ドンッ!!

アニ「うわっ!?
速っ…もうあんな所に…」


モブリット「粘れや…ミーナ」

ゴオッ!!

ミーナ(…短い人生だったなぁ。
やりたい事もあったし、恋だってしたかった。
結局ダズには一度も勝てなかったし…。
ま、楽しかったからいいや。

アニ…絶対逃げ切ってね)

ミーナ「…皆、元気でね」

バクッーーーー

信者1は勝利を確信し、ゆっくりと咀嚼する。

信者1(信者2はやられたが…まぁいい。
今頃、他の奴らも片付いた頃だろう。
合流して調査兵団を壊滅しに……ん?)

信者1は異変を感じる。
噛み殺したはずなのに血が出ていない。
それどころか口の中に何もいないことに気付く。

信者1(馬鹿な…!あの状態で回避など…)

「悪い。遅れてすまなかったな」

信者1「!?」

ミーナが噛み砕かれる寸前、
信者1の眼前を高速で横切った者がいた。

信者1(なっ…!?一体どこから…)

ミーナ「…ごめん。もう死ぬかと思ったよ……。
もうちょっと早く来てよね。

ミリウス」

ミリウス「ヒーローは遅れてくるもんだ。
…後は任せときな」ニカッ

ミリウス「ーーーウチのアイドルに手を出したらどうなるか思い知らせて…」

グシャッ!

ミリウス「えっ」

ミーナ「えっ」

突如、巨人の頭が消し飛ぶ。

モブリット「お、どうにか間に合ったみたいやな」

ミーナ「せ、先生…!」

モブリット「ミーナ…リミッター解除にはあれほど気をつけぇ言うたのに…ん?
ミリウス、こんな所で何しとるんや?」

ミリウス「…返せ」

モブリット「は?」

ミリウス「俺の見せ場を返せえええええ!!」

モブリット「うおっ!?」

モブリット「あー…今日で1番焦ったわ…。
いきなり襲ってこんでもええやろ…」

ミリウス「…だって…せっかくミーナをカッコ良く助けて…これからだったのに…」グスン

ミーナ「よしよし。ミリウスのおかげで助かったんだから。
ほら、元気出して。ね?」

ミリウス「…オーライ」グスン


ミリウス・ぜムルスキー

本気で忘れられるほどの屈指の存在感を持つ。
まさにモブの中のモブである。

実力はモブの中のでもそこそこ強い。

ミリウス「ここに来たのはトムの指示ですり
ユミルを奪還したら直ぐにこっちに向かうように、と」

モブリット「お見通しってわけか。
…末恐ろしいやっちゃのう」

ミーナ「そうだ!アニは!?
ここへ来る途中で会いませんでしたか!?」

モブリット「安心せぇ。
追手を始末して避難させといたわ」

ミーナ「よかったぁ…」

モブリット「俺はとりあえず本隊に戻るで。
ミリウス。アニとミーナは任せるわ」

ミーナ「両手に花だよ。頑張って!」

ミリウス「今度こそ任せときな」

壁内

ハンナ「…どうやらあなたが最後みたいよ。
何か言い残す事はある?」

巨人「ウ…ウ……ウオオオ!!」

ハンナ「クスッ…そんなに焦らないで。
直ぐにあなたも逝かせてあげる…」

ガシッ

ハンナ「あら?」

巨人はハンナの放ったアンカーを掴んだ。
偶然ではあったが、千載一遇のチャンスと感じた巨人はワイヤーを力いっぱい引き寄せたーーーが。

ギシッ

巨人「!?」

動かない。何故?
あの小柄な少女にそんな力があるはずがない。
引いても引いてもピクリと動かない。
巨人の頭によぎったイメージ。

それは山。

ハンナ「ふふっ。力比べかしら?
…いいわ。全力で来なさい」

巨人「~~~ッ!!」ギリギリ

力いっぱいワイヤーを引っ張る。
しかし、ハンナは微動だにしない。
踏ん張る様子も見せず、ただ片手でワイヤーを持っている。
それだけに見えた。

ハンナ「気は済んだかしら?
それじゃ…終わりにしようね」グイッ

巨人「!?」グオッ

釣り上げられた魚のように宙を舞う巨人。

これは夢か。
巨人の頭では理解できない事だった。

ズゥゥゥン…

ハンナ「さて…中身はどんな人かな…」

背後から聞こえる少女の声。
可愛らしい声には似合わぬ言葉。

信者は股間に生温かさを感じた。

グチャッ

ハンナ「んー…この辺かな?」グチャグチャ

巨人のうなじに手を突きたて、中身を掻き回す。

信者は無意識に肛門が緩んでしまった。

グチャッ…グチャッ…

…ガシッ

ハンナ「見ーつけた」ニコッ

ブチブチブチ…

ズル…

ハンナ「んー…フランツの方が断然かっこいいわね」

信者は体中の穴という穴から液体が溢れ出た。

信者「ご、ごめんなさい…許してくださ…」

ハンナ「聞こえないよ」ニコッ

信者「…ひっ」

グシャッ

ハンナ「制圧完了…。
早く撤退しないとね。
…あれ?フランツ…?
どこに行ったのかな…」

カンカンカンカン

ハンナ「撤退の鐘鳴っちゃったな…。
フランツったら…勝手にいなくならないでって言ってるのに」

壁内 某所

フランツ「……」

「フランツ。何処へ行くんですか?
もう撤退の鐘は鳴ってますよ」

フランツ「!…やあ。トム」

トム「こんにちわ。フランツ」

フランツ「悪いけど、僕は少し遅れるよ。
まだ仕事が残ってるんだ」

トム「それはいけない。
私も手伝いましょう」

フランツ「…大丈夫だよ。僕1人で充分さ」

トム「おや、そうですか?
参謀として聞きますが、その仕事の内容はなんでしょう?」

フランツ「…君は本当に厄介だね」

トム「…答えになってませんね。
命令です。仕事の内容を答えなさい。
いや…答えろ。
王政府直轄暗殺部隊兵長のフランツ」

フランツ「…いつから気付いていたんだい?」

トム「三年前。
あなたに出会った時から歳を重ねる毎に不自然に思いました。
最初は体格が良いだけだと思いましたが、確信に変わりました。
あなたの容姿が三年経っても一切変わっていないことに、ね」

フランツ「……」

トム「おかしいでしょう?
人間でいう成長期のはずなのに、変わらない体格。
あなたは人間ではありませんね?」

フランツ「…失敗したなあ。
やはり君は危険だった。
早いうち始末するべきだったよ」

トム「…今からでも遅くないと思いますが」

フランツ「…そうだね」

トム「…」

フランツ「でも今の君とやり合うと、僕も無傷じゃ済まなそうだ。
大人しく引き上げさせてもらうよ」

トム「…見逃すと思いますか?」

フランツ「…強がるなよトム。
手が震えてるじゃないか」

トム「…試してみますか?」

フランツ「…後悔しないでくれよ」バシュッ!

放たれたアンカーがトムの背後に突き刺さる。
同時にフランツがトムの首元にブレードを突きたてた。

トム「……!」バッ

咄嗟に体を反転させて回避。
しかしーーー

ドコッ!

トムの腹部にフランツの膝食い込む。

トム「…甘いですよ」

フランツの膝を掴みトムは直撃を防ぐ。

シュッ

フランツ「…っ!」ババッ

高速の斬撃がフランツを狙うも、難なく回避される。

トム「…掠っただけですか」

フランツ「…皮一枚。痛み分けさ」

トムは首、フランツは頬から血が流れ落ちた。

フランツ「…潮時かな。
それじゃ、また会おう」

トム「逃がさないと言ってるでしょう?」

フランツ「…折れた腕じゃ僕には勝てないよ」

膝を防いだトムの腕がだらりと下がる。

トム「…何のことやら分かりませんね」

フランツ「また今度相手してあげるよ。
じゃあね」

トム「…次は手加減しませんからね」



鐘の音が戦いの終わりを告げる。
人類は物的被害はあるものの、負傷が多数、死者は0という大勝であった。

数日後

ウォール教のクーデターによる混乱も次第に収まり、復興が進むに連れて壁内は徐々に活気を取り戻しつつあった。

ウォール教は壊滅し、王政への黒い繋がりも明るみに。
調査兵団や駐屯兵団による調査で上層部の人間が摘発され、事態は終結へ向かいつつある。

モブリット「よっしゃ、全員揃ったみたいやな。
そろそろ行くで」

トーマス「やべっ、煙草持ったっけ…」

ミリウス「禁煙するんじゃなかったのか?」

トーマス「俺の分じゃねぇよ」

ミリウス「ああ…そういうことか」

アンカ「ミーナ、まだ回復してないんだから無理するんじゃないよ」

ミーナ「…無理してでも行きたいんです。
行かなきゃ寂しがると思うし…」

アンカ「…そうか。あんたが1番長い付き合いだったね」

モブリット「さて…会いに行ったろか。
ナックの所へな」

巨大樹の森

トーマス「…よう。会いに来たぜ」

ミリウス「随分でかい墓だな…」

高くそびえる巨大樹には大きくこう刻まれていた。


最高の馬鹿野郎 ここに眠る


ーーーと。

ミーナ「あれ?あそこになんかあるよ?」

モブリット「…酒、やな」

トーマス「…あいつ…めんどくせぇとか言ってたくせに…」

ミリウス「こっちにも何かあるぞ」

アンカ「…始末書だな」

ミーナ「トムって…鬼だね」

モブリット「かっかっか!
あいつららしいわ!」

モブリット「ほなそろそろ戻るでー」

ミーナ「…はい」

アンカ「…巨人の気配がするな」

トーマス「…本当ですか?俺には何も……?
…いや、いますね」

モブリット「…せやな。
ぎょーさんおるわ。
ちと片付けてくるから、ミーナはここで待っとれや」

ミリウス「え?そんな気配はどこにも…」

トーマス「いいから行くぞ。おら」グイッ

ミリウス「???」

ミーナ「ちょっ、立体機動つけてないのに…」

モブリット「んなもんいらんわ。
留守番任せたで。
…ナックと2人でな」

ミーナ「…!」

ミリウス「で、巨人はどこにいるんですか?」

トーマス「お前なぁ…空気のくせに空気読めないってどうなんだよ…」

モブリット「アホやな」
アンカ「馬鹿だな」

ミリウス「えええ…?」

ミーナ「…ねぇナック。
私もっと強くなるから。
強くなってナックの記録抜くんだ。

そしたらさ…。
また、報告しに来るから。
…待っててね」


ここまで読んでくれてありがとう。

変な伏線張っといて続編は考えてないけど、モブ達の訓練兵時代とか考えてたり。

序盤と比べるとノリもダズの性格もブレまくっていて、続編書いて後悔した…。

後日談とか嘘予告とか、今夜投下できたらしようと思うからよろしくね。

モブ達が訓練兵時代に起きた最大の試練。
巨大な壁にモブ達が挑む物語である。

迫り来る座学という狂気。

モブ達に立ち向かう術はあるのか!?

焦燥するサムエル!

サムエル「…マズイな。
自分の名前のスペルがうろ覚えだぜ…っ!」

聡明のミーナ!
ミーナ「立体機動の最高速度は…かなり速い…と」

ステルスミリウス!
ミリウス「教官!自分の分の用紙がありません!」

うっかりナック!
ナック「テストに筆記用具がいるだと!?
聞いてないぜ!」

苛立つトーマス!
トーマス「クソッタレ!ヤニ切れでおかしくなりそうだ!」

意外と頭が悪いトム!
トム「…見つからなければカンニングとは言わないのですよ」

問題外のダズ!
ダズ「立体機動がどれくらい速いか…
火照ったフッカーがエクスタシーに達するくらい…と」

刻一刻と迫りくる卒業試験!!
脳筋達は無事卒業できるのか!?

訓練兵時代編!
乞うご期待ッ!!

予告②
ダズ「…マスター。おかわりだ」

トム「まったく…飲み過ぎですよ」

ガチャッ

モブリット「おっ、トムとダズやん」

トム「どうも」

モブリット「トム。腕どうしたんや?」

トム「フランツとやり合った時に…。油断しましたよ」

モブリット「…フランツか。次やったら勝てるんか?」

トム「そうですね…フランツも実力の半分も出してなかったみたいですから。
勝率は二割程度…ですかね」

モブリット「…それほどやったか。
流石は王政府の隠し球ってとこやな」

ダズ「…俺がやるよ。先生」

モブリット「おいおい…どういう風の吹きまわしや?」

ダズ「…てめぇのラマンを泣かせたからな」

トム「ハンナ…ですか」

モブリット「ハンナはどうなん?」

トム「直後は取り乱しましたが…
今は落ち着いてますが何とも言えません」

モブリット「また暴走されたら敵わん。
今度は街が消し飛ぶかもしれんで」

ダズ「…させねぇよ。
レディが泣いてちゃ酒が進まねぇ」

モブリット「ハンナは任せるわ。
ところであいつらはどうしたんや?」

トム「ライナー達ですか。
人里離れた小屋にとりあえず住ませてます。
もちろん監視付きですが」

モブリット「監視?
誰が行ってるんや?」

トム「休養中の怪我人を1人」

モブリット「大丈夫なん…それ」

山奥 某所

ミーナ「ライナー!アニー!
こっちこっちー!!」

アニ「ミーナ…!」

ライナー「…あそこが俺たちの新しい家か?」

アニ「…みたいだね」

アニ「…お待たせ、ミーナ」

ミーナ「うん。アニも元気そうでよかった!」

アニ「あんたはどうなんだい?
かなり無茶したらしいじゃないか」

ミーナ「全身の筋肉が避ける寸前だっみたい。
ガスが切れなかったら二度と立てなくなってかもね」

アニ「かもね…って、治るのかい?」

ミーナ「一ヶ月は安静だって。
治るまではここにいていいって!」

アニ「そうか…よかった…」

ライナー「お前…本当にアニか?」

アニ「どういう意味?」

ライナー「い、いや何でも無い…」

ミーナ「ライナーも元気そうだね!」

ライナー「おう」

「あれ?ライナーとアニ?」

アニ「えっ…?」

ライナー「ベルト…ルト…」

ミーナ「ビックリした?
ベルトルトは先にここに住んでて貰ってたんだ」

アニ「ベルトルトは死んだって…」

ミーナ「普通の人だったら死んでたかもしれないけど、巨人の力って凄いね。
ベルトルトって分かった時、凄い心配したんだから!
まぁ、やったのは私だけど…」

ベルトルト「えっ…」

ミーナ「ベルトルトまで引かないでよ!」

ライナー「ミーナもダズと同じか…」

アニ「あんたじゃ勝てないよ?」

ライナー「馬鹿言え。命がいくつあっても足りん」

ベルトルト「…それで、僕達はどうすればいいのかな」

ミーナ「さぁ…トムは聞きたい事は無いから好きにしてくださいって」

ライナー「好きにしろって…どうすりゃいいんだよ…」

ミーナ「お腹減ったし、ご飯にしようよ」

アニ「そうだね。何か食べ物は…」

ベルトルト「何も無いよ。基本的に自給自足だからね」

アニ ライナー「 」

ミーナ「と、いうわけで私は動けないからよろしくね!」

アニライナー「……」

Holy shit!!!!

ごめん、嘘予告②じゃなくて後日談だった…

とりあえずこれで終わり。

聖徳太子の方はネタが思い付き次第ちょいちょい投下する予定。

他にやりたいSSがあるのでそっちメインで行くかも。

そっちも見てくれると嬉しいのでよろしくね。

それではここまでありがとう!

とある酒場。

中にはグラスを拭きながら客を待つマスターが1人。
生憎の雨で客足はさっぱりだった。

ガチャッ

そんな中、酒場が似合わない少女が1人入ってきた。

マスター「…いらっしゃいませ」

ハンナ「……フランツの居場所を教えて」

ずぶ濡れの少女の目には狂気が宿っていたーーーー

マスター「…

すまぬ
ケータイの調子悪い
しばしお待ちを

マスター「…そのような注文は受付けていませんが」

ハンナは虚ろな目付きで微笑み、カウンターテーブルに手を置いた。

ハンナ「…いいから答えなさい」

ミシッ

ハンナ「…聞こえるのよ」

ミシッミシッ

ハンナ「フランツの…」

ミシ…

ハンナ「……私の名前を呼ぶ声が」

バキィッ!

まるでバターのように抉られたテーブル。
ハンナは握り込んだゴミを手から零す。

マスター「…フランツさんと会ってどうするつもりですか?」

ニチャッっとした笑顔でハンナが答えた。

「愛を 確かめないと」

ハンナ「時間が無いの。
だから選んでくれるかしら?
フランツの居場所を教えるか。
死ぬか、を」

マスター「…ご冗談を」

ハンナ「時間切れよ。さよなら、マスター」

グシャッ

ハンナはマスターの頭を握り潰そうとした。が、

ハンナ「…くっ!?」ゴリッ

デーブルに叩きつけられたのはハンナの顔。

マスター「落ち着けハンナ」

テキーラを手に取り、口に含む。

ハンナ「は…なせっ…!」ググッ

力づくで起き上がろうとするが、動けない。
マスターの手に更に力が入る。

バキッ!

ハンナ「あっ…ぐ…!」

ハンナの顔がカウンターデーブルにに埋もれた。

マスター「…ハンナ。
今、お前がすべきことは何だ。
街をジェイソンの様に彷徨い、手当たり次第に八つ裂きでもする気か?」

ハンナ「黙れっ…!」

バキッ!

更にハンナ顔が沈む。

マスター「違うだろう。
お前はフランツを追いかけているようで、ただ現実から逃げ回っているだけだ」

マスター「今のお前がフランツと会ってもズタ袋にされるだけだ」

ハンナ「フランツが…そんなこと……」ミシッ

マスター「…!」ググッ

ハンナ「するわけないッッッ!!」ガバッ!

渾身の力で手を振り払い、マスターに襲いかかろうとする。

しかしーーー

ズダァァン…

ハンナの目に映ったのは天井。

一瞬でハンナは組み伏せられた。
首元に食事用のナイフが当てられている。

ハンナにはそのナイフがブレードを突きつけられている様に感じられた。

ハンナ「うぐっ…!」

マスター「お前はそんな柔な女じゃあ無いだろう。
頭をロックアイスのように冷やしてからまた来るんだ。
ただし、そのハートは冷ますな。
マグマのように煮えたぎらせろ。
いいな?
そのはけ口はフランツにしてやれ」

ハンナ「……」

ハンナは無言で店を後にした。

マスター「…やれやれ。
乙女心とは実に難しい。
…修理費は誰に請求しましょうか」

ガチャッ

モブリット「今のハンナか?
…って、デーブルボロボロやないか。
なんかあったん?」

マスター「…おや。丁度いい所に…」

モブリット「ん?」

ウォール教のクーデターから一ヶ月が過ぎた。

姿を眩ましたフランツの足取りは掴めず、モブ達は各々の兵団としての任務をこなしていた。

サムエル「あー…久々の休暇だ…。
カジノでも行って夜はパーティーでもするか?」

トーマス「お前の傷心パーティーになるぞ」

ミリウス「またケツの毛までむしられる気か?」

サムエル「引き際さえ間違えなければ…」

ミリウス「オーライ。
そいつは全身脱毛コースの注文だ。
カジノの前に服とヅラ置いといてやるよ」

トーマス「しかし三人とも休暇が被るなんて珍しいな…」

酒場

トム「……で、私に修理費を払え、と?」

モブリット「壊したのはハンナやん!
なんで俺が払わないかんのや!」

マスター「部下の不始末は上司の不始末、かと…」

トム「私は同期です」

モブリット「おまっ…!」

ガチャッ

ダズ「………ん?」

モブリット「いい所に!
お前も修理費払えや!」

トム「あなたの大好きなレディが暴れたそうですよ。
責任とってください」

ダズ「…しょうがねぇな」ゴソゴソ

つ【札束】

ダズ「ツケと今日の分もこれで」

マスター「ありがとうございます」

モブリット「…悪い事は言わん。自首するんや」

トム「ええ。見損ないましたよダズ」

ダズ「…やっぱ修理費は返してくれ」

モブリット「すまんかった」

トム「冷静になりなさいダズ」

マスター「またカジノに行かれたのですか?」

ダズ「…酔い覚ましにちょっとな」

モブリット「ちょっとなって…いくら勝ったん?」

ダズ「さぁ…?
ディーラーがブルーマンみたいなってたな。
持ちきれないチップは置いてきちまったよ」

モブリット「…ちょっと用事思い出したわ」ガタッ

トム「私も急用が…」ガタッ

ダズ「もう無ぇよ。
ルージュの似合うレディにあげちまった」

モブリット「チッ」

トム「damm it...」

マスター「こんな夕方から飲まれても良いのですか?」

モブリット「久々の休暇や。
たまにはええやろ」

トム「モブリットさんもですか?」

モブリット「そういえばお前等も休暇なん?」

ダズ「ああ」
トム「そうですよ」

モブリット「奇遇やなぁ…。
それにオヤジもアンカも休みって言っとったな」

マスター「……」

トム「…そういえば例の2人はどうだったんですか?」

モブリット「クーデター直後に消えた2人か。
ミリウスに調べさせたんやけどやっぱり怪しかった」

トム「…!だとしたらマズイですね」

モブリット「ああ。
向こうの者やったら戦力が一気に傾く」

ダズ「…2人?
もしかしてあの人達か?」

モブリット「せや。
俺と同等の実力で調査兵団におったあの2人。
その名は…」

某所

「…光のモブ共の様子はどうだ」

フランツ「休暇を満喫してるみたいですよ」

「ククク…カカカ…
罠とも知らずに…馬鹿な奴らよ」

フランツ「もうすぐ作戦の時間ですよ。
あなた方も出るんですか?」

「ああ。
モブリットは俺達が仕留める」

フランツ「…ダメですよ。
彼は僕の獲物です。
ちなみに先見部隊は送ってますがおそらく返り討ちでしょうね」

「キキキ…部下を捨て駒扱いとは…。
エゲツない男よ」

フランツ「ふふ…。
丸腰相手に巨人を出す方が何を…。

そうでしょう?シスさん」

シス「休暇で立体機動が無いとはいえ、奴らは侮れん。
全力で消しにいくぞ」

フランツ「さて…そろそろ行きますね。
モブリットさんはあなた方に譲りますが…。
トムとダズは譲れません。
手を出したらあなた方も消しますよ?」ニコッ

シス「ふん…殺人狂め」

フランツ「それでは…」スッ…

シス「…夜明けまでに終わらせるぞ。
夜が明ければ俺達が光となる。
そうだろ…ネス?」

ネス「キシシ…。
ぬかるでないぞ…。
モブ達に光あれ…!」

ネス=はげてる
シス=はげてない
で良かったっけ?

>>463

だいたい合ってるよ

では続きを投下

太陽が沈み、漆黒の時がドス黒い殺意と共に訪れる。

モブ達にとって長い一夜の幕が明けた。

【真夜中の激闘 進撃の暗殺者編】

開幕ーーーーー

モブリット「ごっそさん。
俺は先に帰るでー」

トム「おや、私より先に帰るとは珍しい。
何か用事でも?」

モブリット「これやこれ」ピッ

トム「あぁ…アンカさんの所ですか」

モブリット「せや。またな」

マスター「…モブリットさん」

モブリット「ん?」

マスター「今宵は暑くなりそうです。
バテないようにご注意を」

モブリット「マスター、今は真冬やで?
まぁこれから暑くなるようなことはするんやけど」

トム「kill you baby...」

モブリット「おいコラ」

マスター「…お気をつけて」

モブリット「…?また来るわ。ほな」

バタン…

カジノ

サムエル「……」

ミリウス「あ、サムエルいたぞ」

トーマス「背中から悲しみが伝わって来るな…」

サムエル「……」ブルブル

ミリウス「…オーライ。
パーティの準備はしてある。
さっさと帰る…って…」

トーマス「なんだ…このチップの山は…」

サムエル「イエエェェス!!ヤ!ヤ!!
見ろよこのチップの山!!
ヒューッ!
スタンレー・ホーも真っ青だぜ!!」

ミリウス「…ヤバイな」

トーマス「あぁ。こいつが馬鹿勝ちするとろくな事が起きない」

サムエル「んな細けぇこと気にするなって!!
お前らもやるか!?」

トーマス「…やらん。
ここにいたら嫌な予感しかしない」

ミリウス「…先行ってるぞ。
……死ぬなよ」

サムエル「……これからだってのに」

黒服「お客様。
一度チップを換金されてはどうでしょう?」

サムエル「折角だしこのままでいいよ。
チップも離れたく無いって言ってるしな」

黒服「…面白いお方ですね。
きっとあなたのようなロメオ(色男)に、幸運の女神はイチコロなんでしょうね」

サムエル「幸運の女神とこのままゴールインしたい所だ。
それはそうと…一つ聞いていいか?」

黒服「はい?」

サムエル「さっきから背中に握ってるナイフは何なんだ?」

黒服「……!」

シュッ

サムエル「っ!!」バッ

黒服「チッ」

サムエル「いきなり頸動脈狙うんじゃねぇよ!」

黒服「……」ユラァ

サムエル「!?」

ヒュッ!

サムエル(速え!!しかも的確に急所を…!)

ヒュパッ!

サムエル「くっ…!」ブシュッ

黒服のナイフがサムエルの肌を切り裂く。
しかしサムエルは反撃に出ようとしなかった。

何故か?
理由は簡単であった。

サムエル(人が多過ぎて反撃できねぇ!!
こちとら本気出した所を他の兵士に見られるわけにいかないんだよ!)

サムエル「あくまでモブだからなぁ!!」

ガッシャアアアン!!

サムエルの放ったルーレットの台が黒服を襲うが、後ろに下がり回避される。

黒服「…逃げたか」

トイレ

サムエル「ふぅ…ここまで来れば…」

黒服「俺から逃げ切れた、とでも思ったのか?」

サムエル「!?」

黒服「後丁寧

ミスた。

黒服「ご丁寧に血で道しるべを残して行くとは…。
しかもこんな逃げ道のない場所へ逃げるなんて、貴様は素人か?」

サムエル「…何勘違いしてやがる?


黒服「…何?」

サムエル「逃げ道がねぇのはてめぇだよ青二才(サニー)」

ドコッ!

黒服「ゴハッ!?」ミシッ

サムエルの右手が黒服の肋骨に突き刺さる。

サムエル「血を残したのもお前をここに呼び込む罠だ」

ドコッ!

黒服「ガ…ハッ…!」

2発目のボディブローが黒服に突き刺さる。

サムエル「来いよ青二才。
俺が接近戦のレクチャーしてやる」

ミリウス「……つけられてるぜ」

トーマス「……ああ。
カジノから出てからずっとだ」

ミリウス「雨で鼻も耳も聞き辛いが、すげぇ殺気が伝わって来るな」

トーマス「雨に乗じて来たか…。
足音からすると、雨音でおおよそになるが5~6人ってとこか」

ミリウス「…ここでやるか?」

トーマス「こんな人通りの多い場所で戦えるわけねぇだろ。
…あの大通りに出たら二手に分かれて人混みで撒くぞ」

ミリウス「了解。待ち合わせはいつものバーでいいな?」

トーマス「オーライ。
…じゃあ行くぞ」ダッ

ミリウス「後でな」ダッ

「!!」ダッ

トーマス(…向こうも二手に別れたみたいだな。
こっちには三人か。
このまま人混みに紛れて…)

ヒュン ヒュン

トーマス「っ!」

「…遅い」シュッ

トーマス「うおっ!?」バッ

人混みを縫うように黒い影が近寄り、トーマスに刃を放つ。

トーマス(今の動き…!
まさか…アサシンか!?)

トーマス(くそっ!
何でよりによってこんな日に…!)

女「キャアアア!!あの人刃物を持ってるわ!!!」

男「誰か駐屯兵を呼べ!!」

ざわざわ…

トーマス(やべぇっ!!
人目に付きすぎる…!)

ドスッ

トーマス「~~~っっっ!!」ブシュッ

後方から投擲されたナイフがトーマスの腕に突き刺さる。

トーマス(痛ってええええ!!!
こいつらお構いなしかよっ!!)

ザクッ

トーマス「ぐ…っ!?」ガクッ

トーマスの太腿にナイフが食い込む。

男「おい!大丈夫か!」

トーマス「お構い無くっ…!
ただの悪ふざけだ…」

男「馬鹿言うんじゃない!
大怪我してるじゃないか…!」

ブシュッ

男「あ”っ」プシャアアア

男の首元を一閃。
噴水のように血飛沫が舞い上がる。

トーマス「お、おい…」

男「あ…かっ…」バタッ

男は力無く崩れ落ち、その目には光は無かった。

「ようやく足が止まったか。
次は貴様だ」スッ

バカッ!!!

ガシャアアアン!

アサシンA「……」ピクピク

アサシンAの体が空を舞い、空中で二転三転して民家にめり込んだ。

アサシンB「…!」

トーマス「…この人が何したんだ。
誰の差し金かは知らねぇが狙いは俺だろ!!
関係ない人を巻き込むんじゃねぇ!!」

アサシンC「…邪魔者を排除して何が悪いと言うのだ」

トーマス「邪魔だと!?
ただそこにいただけだろうが!!」

アサシンB「知ったことか。
人前で反撃してくるとは予想外だったが…。
いいのか?貴様らモブの規律とやらは?」

トーマス「なるほどな…フランツの差し金か…」

アサシンB「貴様らは特定の条件下でしか本気を出せないんだろう?
規律を守れない奴は死刑と聞いたぞ」

トーマス「規律…ね。
…そんなもん便所の紙に書いて流しちまったよ。
人1人守れねぇ規律なんざクソみたいなもんだからなぁ!!」

アサシンC「その怪我でよく吠える…。
潔く諦めたらどうだ?」

カチッ…スパー

トーマス「ふー……。
知ってるか?
腕と足が千切れても最後まで戦い抜いた馬鹿だっていたんだよ…。
だからこんなもん蚊に刺されたようなもんだ!!」ゴオッ!

バー

トム「…珍しいですね。
今日は全然酔っていないじゃないですか」

ダズ「…酔えねぇんだ。
シュールストレミングみてぇな殺気が鼻についてしょうがねぇ」

トム「やはり気付いてましたか。
…しかも囲まれてますね。
何人くらい来てます?」

ダズ「右の窓に2人。左に3人。
入り口の外に4人」

ガタッ!

アサシン4「…とった」ヒュッ

ダズ「天井に1人、だ」シュッ

アサシン4「!?」

バコォッ!!

アサシン4の顔に裏拳がめり込むと同時に、窓と入り口から一斉に黒い影が侵入してくる。

トム「ふぅ…
まだ腕が治っていないというのに…」カチャ

ヒュパッ

ドスドスッ

アサシン5「がっ!」

トムの投げたナイフとフォークがアサシン5の目と喉に突き刺さる。

アサシン6「油断するな!
丸腰とはいえど手強いぞ!!」

ダズ「そっぽ向くなよ。
俺とのダンスはそんなにつまらねぇか?」

バキィッ!

アサシン6「あがあっ!?」

椅子で腹部を殴打され思わず腰を落とす。

グシャッ!

ダズが顔を踏み抜く。
アサシン6はビクンと動き動きを止めた。

トム「ダズ。丸腰ではキツイでしょう。
これをどうぞ」シュッ

息絶えたアサシン5の懐からナイフを抜き取り、ダズに放る。

が。

ダズ「必要ねぇよ」スカッ

アサシン7「えっ」スコンッ

ダズの避けたナイフがアサシン7の頭部に刺さる。

ダズ「」

ごめん
寝る前と仕事の合間に書いたりしてるから、飛び飛びになるわミスるわで申し訳ないので、しばらく書き貯めしてから投下することにしようかと

年が明ければ更新ペースも上がる…かな

良いお年を

再開
遅れてごめん
前回ミスったまま終わってたんだ…

ダズ「人を刻むのは好きじゃねぇ…」

トム「ふふ。かつて凶刃と呼ばれていた人が何を…」

ダズ「…知るか。
んな事より…残ったラッキーボーイ達はどうする」

トム「そうですねぇ…。
とりあえず吐ける物は吐いてもらいたい所ですが…」

ダズ「吐くとは思えねぇが」

トム「大丈夫ですよ。
『あぁさっさと吐いとけばよかった。クソッタレ』
ぐらいは言わせてみせます」チャッ

ダズ「ハッ。いい趣味してるぜ…トムボーイ」

アサシン8-13「…っ」ゾクッ

アサシン8「数はこっちが有利だ!
多方向から囲んで一人ずつ消すぞ!」

アサシン9「散開しろッ!!」

シュバババッ

天井、壁と蜘蛛の様に部屋中を駆け回る。
高速の動きは渦を巻きながらダズを囲み隙を狙い続ける。

ダズ「…」カタッ

突如ダズが椅子に腰を掛ける。

と同時にーーーーーー

アサシン10「今だ!!殺れッ!!」バッ

アサシン11「舐めやがって…!」バッ

ブシャッ

アサシン10「あ……れ……?」プシャアアア

ヒュンヒュン

アサシン11「おい!?何を…」

ザクッ

アサシン11「…して……え?」プシャッ

アサシン10と11の首から鮮血が飛び散る。

ヒュンヒュン

アサシン12「な、何が…」

アサシン13「おい!動きを止めるな!」ドスッ

ヒュンヒュン

アサシン13「くそっ!老け顔じゃない方か!?
我々のスピードに追いついているとでもいうのか!!」ボタボタ

アサシン12「……お、おい?
お前…その腹……」

アサシン13「何を言ってーーーー」ボタボタ

アサシン13の腹部には自身の物であろうナイフが深く突き刺さっている。
アサシン13は気づいていない。

ーーー自分が致命傷を負っていた。
その事に気付いたのは深い眠りについたときであった。

ヒュンヒュン

トム「スピードに追いついたというか…。
……遅過ぎですよ?あなた方」ヒュンヒュン

アサシン12「ッ!?」バッ

トム「あなたには少し痛い目にあってもらいますよ」ヒュッ

ガコッ!

アサシン12「アガッ!?」バシッ

アサシン12の顎に肘を叩き込み、そのまま腕を取り床に組み伏せる。

アサシン12「グアアッ!」ミシッ

トム「さて…残るお2人には情報的なものを吐いてもらいたいのですが…。
あ、動かないでくださいね
動けばこの人の骨が折れていきます」

ダズ「…」グーグー

アサシン8「ふん…我々が何をされても吐くことはない」

アサシン9「我々は死など恐れては…」

サクッ

アサシン9「いな……い…」バタッ

トムの放ったナイフがアサシン9の頭に突き刺さる。

アサシン8「……っ!」

トム「動くな。
これはお願いでは無く命令。
『プリーズ』では無く『フリーズ』。
余計な事は言わないで結構です」

アサシン12「くっ…そっ…!」

トム「……」グイッ

ベキッ

アサシン12「ぎゃああああ!!」

アサシン8「……」

トム「さて、何から話して…」

ビンッ

トム「…っ!」

アサシン12「貴様も…道連れだ!」

トム(手榴弾っ…!)バッ

カッ

ドオオオオオン!!

バーからは埃が舞い、窓が割れて廃墟のように佇む。

トム「道連れとは…勘弁していただきたい。
ダズ、いい加減起きてください」ポイッ

ドサッ

ダズ「……ん?誰がバーでバーベキューパーティでもしたのか?」

トム「はぁ…マスターになんていいましょう…」

ダズ「せいぜいスクランブルエッグにされないこと祈ろうぜ」

アサシン8「動くな」

トム「……!」

ダズ「……」

アサシン「動けばこの女の首が飛ぶぞ」

女「……」

トム「……いまあなたがしていることはただの自殺行為、ですね」

ダズ「……」

アサシン8「……?」

アサシン8は体の異変に気付く。

手足が重い、呼吸ができない。

全身から汗が吹き出す。

なんだ、これは。

ダズ「……」ズズッ

アサシン8「……ひっ!?」

アサシン8の目に映った物。
ダズの背後に見える黒い影。
その影は徐々に形を成して行く。

アサシン8「あ…ひ…!」

大鎌。
アサシン8の目にはハッキリと見えている。




ダズ「……………………死ぬか?」



アサシン8「うわああああああ!!」カタカタ

ダズが見せた物。
それは純粋な殺気。

アサシン8の目には死神が自分に鎌を振り下ろすイメージが映る。

ドコッ

アサシン8「ぐふっ!?」

人質にしていたはずの女から、不意に繰り出された肘打ちがアサシン8の肋骨を砕く。

ヒュッ

トム「死神でも見えましたか?」ゴッ

トムがたたらを踏むアサシン8の眼前に一瞬で飛ぶ。

バキャッ!

トムの膝がアサシン8の顔にめり込む。

アサシン8「…化物…め」ドサッ

トム「全員やってしまいましたね…」

ダズ「どうせ何も吐かねぇよ」

女「…これは…どういうこと?」

トム「あぁ。また巻き込んでしまってすいません。
ミカサさん」

ミカサ「別に構わない。
これも駐屯兵の仕事、なので、事情を説明して欲しい」

ダズ「…レディが雨に濡れるのは良くねぇ」

トム「ええ。さっきの爆音で人が集まる頃でしょう。
ミカサさん、一緒に来てもらえますか?」

ミカサ「……ダズ、あなた方はいったい…」

トム「あなたはダズの事のことを知っているんでしたね」

ミカサ「恐ろしく、強い」ブルッ

トム「本当は知られてはいけないことですが…。
ダズはあなた方を気に入って信頼してるみたいですから。
外には漏らさないでくださいね」

ミカサ「…オーライ」

ダズ「……行くぞ」

ミカサ「ここから駐屯兵の拠点が近い所にある。
一先ずそこに身を隠して」

トム「助かります。
でもいいんですか?
上司の方に見つかったら…」

ミカサ「大丈夫。
そこの拠点の部隊長は私、ので、好きに使うといい。
ついでにジャンもいる」

トム「助かります」

ミカサ(この人…誰?)

ここまで
ジャンはどうしても出したいんだ
モブじゃないけど見逃してくれ

アンカ「悪い。遅れちまった」

モブリット「遅れたって…待ち合わせに1時間遅れとるやないか…」

アンカ「…いや、あんたが時間通りに来ないから1度家に戻ったんだよ。そもそも何分前に来た?」

モブリット「30秒前や」キリッ

アンカ「殺すぞ」

モブリット「すまん。
…お、ロングスカート履いてくるなんて珍しいやないか」

アンカ「そういうあんたも、そんなデカイ雨具を着て来るなんて珍しいな」

モブリット「まぁ、な。
こいつを取りに帰ったら遅れてもうたんや」

アンカ「…はぁ。考えることは一緒かい…。
嫌になるね」

モブリット「かっかっか。
ほな、行こうか」

アンカ「ああ」

レストラン

ウェイター「お待たせいたしました。
チーズハンバーグになります」

モブリット「お、美味そうやな!」

アンカ「もう!いい大人がハンバーグではしゃがないでよ!」

ウェイター「お熱いうちにどうぞ。
…お二人のように」

アンカ「やだっ!ウェイターさんったら!」

モブリット「ブフッ」

アンカ「あ``?」

モブリット「何でもないよハニー」

ウェイター「フフ…ごゆっくりどうぞ」

モブリット「……」

アンカ「あ、ウェイターさん」

ウェイター「はい?」

アンカ「私、ちょっとレアがダメなの。
ちゃんと焼けてるかどうか確認してもらえるかしら?」

ウェイター「…かしこまりました」

カチャカチャ

ウェイター「この通り中まで火が通っております。
ご心配無く召し上がりください」

モブリット「なんかまだ不安やなぁ…。
ウェイターはん、一口食べてもらっても構わん?」

聖徳太子
サシャ捕獲
コニばれ
過去作あったら教えてプリーズ

ウェイター「…問題ありませんよ?
早く召し上がり…」

「は よ 食 え や」

ウェイター「…わかりました」

アンカ「もう!ウェイターさん困ってるじゃない!
ワガママ言わないでよ!」

ウェイター「いえ…そんなこと…」

アンカ「じゃあお願いします」

ウェイター「!?」

モブリット「よかったなぁ。
ごっつぅええ人や」

アンカ「私この店気に入っちゃったかも」

ウェイター「ハァッ…ハァッ…!」カタカタカタカタカタカタカタカタ

モブリット「…変わった食べ方やなぁ」ジー

アンカ「…両手でフォーク持って食べる人は初めて見たわ」ジー

ウェイター(いかん!怪しまれている…!
早く食べねば…!
でもこのハンバーグには猛毒が…食べたら1分足らずで死…!
いや!食べてすぐ解毒剤を飲めば…!
俺は完璧なウェイター!俺は完璧なウェイタアアアア!!!
うおおおおおおおおおおお!!!)

パクッ

モブリット「…」

ウェイター「お、おいひゅうございまふ…」モグモグ

モブリット「大丈夫みたいやな。
ほな食べよか」

ウェイター(よっしゃあああ!!)ガッツポ

アンカ「すいません、無理言って…」

ウェイター「いえ、お客様の安全守るのも私の役目ですから…。
それではごゆっくりどうぞ」クルッ

モブリット「待った」

ウェイター「ウェイ!?(まずい!解毒剤を飲まなければいけないのに…!)」

モブリット「お冷のおかわり頼むわ」

ウェイター「かしこまりましたァーッ!!」ダダダッ

アンカ「あ、すいません」

ウェイター「何だよもう!!」

アンカ「ひっ!ご、ごめんなさい…。
追加注文したいんですけど…」

ウェイター「も、申し訳ございません…。
変な虫が飛んでまして……」

アンカ「えーっと…。
あれ?何頼もうとしてたんだっけなぁ…」

ウェイター(オイイイイイ!!)

モブリット「ウェイターはん。凄い汗かいてるし、顔真っ青やけど大丈夫なん?」

ウェイター「生まれつきこの顔ですよ…。
それよりご注文を!」

アンカ「うーん…」

ウェイター「早く!!」

アンカ「てめぇ等の情報。
それが無いならお前の命、かなぁ…」

ウェイター「っ!?」

モブリット「…どうしたん?
早よせんと毒で死んでまうで?

…それとも毒の前にミンチにしたろか」

>>538
下二つは何故分かった…
このスレ書き終わったら必ず終わらせる

過去作はちょっと前に書いたけど

アニ「ライナー、あんたが犯人だ」

かなり前になるけど

エレン「茜色の空に」

ウェイター「何故…気付いた…」

モブリット「このレストランの常連やねん。
お前みたいに血生臭いウェイターはおらんわ」

アンカ「尾行もお粗末だ。
一ヶ月前から見張ってるのもバレバレなんだよ。
私らがここに来ることを知ってるのはフランツ辺りの入れ知恵だろ?」

ウェイター「く…!」

モブリット「そんぐらい考えろや。
カッテージチーズみたいな脳みそでな」

アンカ「…死ぬ前に一つ聞いてやる」

ウェイター「……」

アンカ「ここの従業員と客、全員どこにやった?」

ウェイター「!!」

モブリット「…この狭い店や。
ディナータイムは厨房の音がうるさくってな。
なのに今日は物音一つせん。
それに…いつもいる他の常連もおらん。
今のこの店にいる奴もお前の仲間やろ?」

ウェイター「…くそっ!総員戦闘準備!
相手は丸腰だ!!確実に殺れっ!!」

ガタガタと音を立てながら周りの客が一斉に立ち上がり、懐からナイフを取り出す。

バァン!!

炸裂音と共にウェイターが後ろへ吹き飛ぶ。

ウェイター「ギャアアアアア!!!」

ウェイターの右肩から鮮血が飛び散り、白い制服が鮮やかな赤いドット模様を描く。

立ち込める硝煙。
アンカの右手には散弾銃が握られていた。

アサシン勢「…っ!?」

アンカ「くっせぇ口を開くんじゃねぇよ」チャッ

ウェイター「ひっ!」

バァン!!

散弾がウェイターの右手を吹き飛ばす。

ウェイター「ガアアアアッ!!」バタバタ

アンカ「自滅するのを待ってやろうと思ってたが…。
それじゃあ生温いみたいだ。
お前の顔はもう見たくないんだよ」

ウェイター「グウウウウウ…!」

アンカ「…ガーガーうるせぇな。
てめぇはアヒルか」チャッ

ウェイター「…何を、しているっ!!
早くこいつらを……!?」

モブリット「こいつらを…何や?
自分、誰に話しかけてんねん」

ウェイター「馬鹿…な…!!」

モブリットの足元に横たわる屍の山。
それは先ほどナイフを構えていたアサシン達だった。

ウェイター「そんな…数秒で一小隊が全滅…しただと…?」

モブリット「こいつらがブンブン飛びよるから叩いただけや」

アンカ「トマトジュースは好きか?
腹いっぱい飲めよ。
このピーーー野郎」



バァン!!

モブリット「…アンカ。
見つけたで」

アンカ「…首元を一閃。全員即死、か」

モブリット「…すまん。
関係無いあんた達まで巻き込んで…」

アンカ「終わらせてやろうぜ。
このふざけた遊びを…!」

モブリット「ああ。
あのド腐れ共に慈悲なんで必要あらへん。
情報もいらん。
サーチ・アンド・デストロイ。
見敵必殺や。
1人残らず地獄に送ったる」バサッ

モブリットが脱ぎ捨てた雨具の下には、カジュアルな私服には似合わない立体機動装置。

アンカ「はっ。いつになく男前じゃねぇか」ジャコン

アンカは再びロングスカートの中から取り出し、ポンプをスライドさせる。

モブリット「さて…。この店囲まれてるみたいやけど…」

アンカ「私達は客だ。
正面以外のどこから出るんだ?」

モブリット「せやな。
ごちそうさん。
…また、来るわ」

アンカ「行くぜモブリット。
ブラッドパーティの始まりだ」

今日はここまで

イルゼとブラウンの登場が待ち遠しい

>>557
イルゼは正直迷った
オマケであんなに出ちゃってるし、若干重要なポジにいる気がする

ブラウンは頑張って出してみるよ

フィルってハンネスの部下だっけ

じゃあ出てくるって事で

トム(散弾銃の音が微かに…。
…アンカさんか)

ジャン「よぉダズ。トムまでいるなんて珍しいな」

ダズ「…よう伊達男」

ジャン「誰だよ伊達男って…」

ミカサ「ジャン。町の様子がおかしい。
ざわつく感じがする」

ジャン「おっと隊長殿に報告があるんだった」

ミカサ「見回り中に何かあった?」

ジャン「物騒な事件が多発したらしい。
一つはカジノ。
黒服の男がいきなり若い男に切りかかったそうだ。
その後の足取りは不明だ」

トム(カジノ…サムエルですかね)

ミカサ「他には」

ジャン「ほぼ同時刻だな。
大通りで三人組の男が、金髪のもみあげが特徴的な若い男を追いかけていた。
…死傷者と負傷者が出たみたいだ」

ダズ「……」

ジャン「死傷者は四人。
追われてた男が三人組をやった。
それと…一般人の男が一人。
追われてた男もナイフで重症を負わされたらしい。
もみあげはその後姿を消したそうだ」

トム「 」

ダズ「ヒュー」

ジャン「で、これがついさっき入った報告。
裏通りのバーが爆破された。
中に死傷者数名だ。
買い出しから戻ったマスターが第一発見者だってよ」

ミカサ「それはこの2人が」

ジャン「は?お前らが…?
いったい何が…」

トム「……お2人に頼みたいことがあります。
これから話すことは他言無用でお願いしたい」

ミカサ「…?」

ちょっと書き直した

トム(散弾銃の音が微かに…。
…アンカさんか)

ジャン「よぉダズ。トムまでいるなんて珍しいな」

ダズ「…よう伊達男」

ジャン「誰だよ伊達男って…」

ミカサ「ジャン。町の様子がおかしい。
ざわつく感じがする」

ジャン「おっと隊長殿に報告があるんだった」

ミカサ「見回り中に何かあった?」

ジャン「物騒な事件が多発したらしい。
一つはカジノ。
黒服の男がいきなり若い男に切りかかったそうだ。
その後の足取りは不明だ」

トム(カジノ…サムエルですかね)

ミカサ「他には」

ジャン「ほぼ同時刻だな。
大通りで三人組の男が、金髪のもみあげが特徴的な若い男を追いかけていた。
…死傷者と負傷者が出たみたいだ」

ダズ「……」

ジャン「死傷者は四人。
追われてた男が三人組をやった。
それと…一般人の男が一人。
追われてた男もナイフで重症を負わされたらしい。
もみあげはその後姿を消したそうだ」

トム「 」

ダズ「ヒュー」

ジャン「で、これがついさっき入った報告。
裏通りのバーが爆破された。
中に死傷者数名だ。
買い出しから戻ったマスターが第一発見者だってよ」

ミカサ「それはこの2人が」

ジャン「は?お前らが…?
いったい何が…」

トム「……お2人に頼みたいことがあります。
これから話すことは他言無用でお願いしたい」

ミカサ「…?」

トム「…というわけです。
向こうの狙いは不透明ですが、恐らく狙いは私達のはず」

ジャン「…話についていけないんだがよ…。
アサシン?とやらのリーダーがフランツで、そのフランツが馬鹿強くてその他にも2人化物みたいなのがいて、そいつらを倒さねぇとヤバいことになるってことか?」

ジャン「…絶望的ジャン」

トム「……まぁそんなとこですね。
頭を叩けば他のアサシンは止まると思います。
フランツ、ネス、シス。
この3人を私とダズで叩きます」

ジャン「お前らの仲間はどうしたんだ?」

トム「1度集まれれば話は別ですけど、この状況下じゃ厳しいでしょうね。
そこでジャンにお願いしたいことがあります」

ジャン「…戦闘以外ならいいぜ」

トム「立体機動装置を調達してきてください。
最低でも2つは欲しいです」

ジャン「そりゃかまわねぇが…。
そこらへんに落ちてるもんじゃねぇから時間かかるぞ」

トム「…」チラッ

ジャン「おい!俺のはやらねぇぞ!
…あ、そういうことか。
とは言っても俺みたいな下っ端に貸してくれる奴はいねぇだろうな。
近場の同期に当たってみるか…」

トム「できれば早急に。
ミカサさんは私達と一緒に
部隊長の貴女がいれば融通がきくので」

ミカサ「わかった」


ジャン「よし…俺は行くぞ。
しばらくここに身を隠しててしくれ」

トム「お願いします」

ダズ「…トムボーイ。
お客さんが来たみたいだぜ」

トム「思ったより早いですね。
紅茶でも飲んで一息つきたいところだったんですが」

ガチャッ

フィル「ミカサ部隊長ですね!?
私はハンネス班のフィルと申します!」

ミカサ「ハンネスさん?」

フィル「はい!突然で申し訳ありませんが…」

ミカサ「…?」

フィル「貴女にも死んでいただきます!!」ヒュッ

ミカサ「…!?」

ダズ「…がっつくんじゃねぇよ。
…チェリー」グググ…

ダズが手首を掴み、ミカサの腹部から数ミリの所でナイフが止まった。

ミカサ「…フッ!」ヒュッ

フィル「おっと」クルッ

ミカサの右拳を軽く回避し、距離を空ける。

フィル「あの状況で手を出してくるなんて流石は部隊長っすねぇ。
あんたも一般人からかけ離れてますよ」パチパチ

ミカサ「…どうも」

フィル「さてさて…早く仕事終わらせないといけないんで…」クイッ

ラシャド「ようやく出番ですかぁ?待ちくたびれちゃいましたよぉ~」スッ…

ダズ「…!」バッ

ラウダ「…切り捨て御免」ヒュッ

トム(早い…!)バッ

2人の背後から影のように現れ、ブレードが振り下ろされる。
ダズとトムは咄嗟に前に飛ぶ。

フィル「おおっ!?
今のをかわすとはやりますね!
ならこれはどうっすか!?」バシュウウウ!!

ミカサ「…っ!?」スラッ

アンカーを放つと同時にミカサとの距離を一瞬で詰める。


フィル「中々いい反応っすね。
…でも、この舞台で踊るには実力が足りてないっす」

ブレードを抜いて迎撃を試みる。
が、フィルの動きには遥か及ばない。
ミカサが遅いのではない。
フィルが速すぎたのである。

ガキィィィン!!

トム「…踊るなら1人でどうぞ」ググッ…

ミカサの首から数ミリの位置でブレードが止められる。

フィル「あらら…さっきの再現じゃないっすか…」ヒュッ

キン!キィィィン!

フィルが放つ2連撃をナイフで弾く。

ビシッ

トムのナイフに亀裂が入る。

トム「チッ…もっといいナイフ使った方がいいですよ」

フィル「いやそれかなりいいナイフなんすけどね。
まぁブレードを受けたらそうなるっすよ」

ここまで
ごめんなさいごめんなさい

書き溜めしたところハイライトで書いていいっすかねぇ…

トムがフィル、ダズがラウダとラシャドの相手をする

ミカサが恐怖から暴走し、それを庇ったダズが負傷
トムがダズとミカサを庇いつつ3対1になるが、戻ってきたジャンの援護と立体機動で圧倒

ラウダとラシャドは仕留めるがフィルを取り逃がす

フィルは逃げた先にいたモブリットに瞬殺される

>>583もう、何処行ってたの!心配したんだからね!

えっ?もうちょっと詳しくできないかな?

>>587
地獄で亡者とランデブーしてた

>>588
えっ頑張る

ハイライトのハイライト

ミカサ「あばばばばばばば」ガタガタガタガタ

フィル「あらら…壊れちゃったすか?
今度こそさよならっすね」ヒュッ

トム「…ッダァズ!!!」

ダズ「慌てるんじゃねぇよ…」ガシッ

ミカサ「…ひっ!?」グイッ

ザンッ

ダズ「……っ」ブシュッ

ダズの胸元をブレードが深く抉る。

フィル「うは!思わぬ収穫!
1番厄介なあんたもこれで終わりっすね!」

ダズ「ブザービートには…まだ…速え……!」

バキッ!

フィル「ごふっ!!」ドコォッ!

ダズが掴んだブレードへし折り、フィルの腹部に蹴りを放つ。

肋骨が嫌な音を立て、壁際まで吹き飛ぶ。

フィル「こんの…!無茶するっすねぇ…!!
肋骨ぐしゃぐしゃになったじゃないっすか…!」

ダズ「……っ」ガクッ

トム「チィッ!」

ラシャド「悪いけど通行止めだよ~」

ラウダ「お主も散り行く定め…。
大人しくしてるが良い」

キィン!

トム「邪魔を…するなあああ!」

ミカサ「ダズ…ダズ…!」

フィル「…あなたも後を追ってあげた方がいいっよ!」

トム「…っ!!」キィン!キィン!

ジャン「ミカサアアアアアア!!」

ミカサ「ジャン!」

フィル「ああもう!邪魔するなっす!」

ジャン「させるかよぉ!!
こいつでもくらいやがれッ!!」

バァン!バァン!バァン!

フィル「ブワッ!?
煙……信号弾っすか!?」

トム「…待ちくたびれましたよ。ジャン」

ジャンの放った黒の信号弾により、部屋の中に煙が充満する。

フィル「うざったいすねぇ…!
……そこっすね!!」ヒュッ

ガキィィン!

フィル「!!」

ヒュヒュヒュン

ラシャド「アアッ!?」ザンッ

ラウダ「…ぐっ!」ザンッ

ヒュン!

フィル「チィッ!」キィン!

立ち込める黒煙の中、一筋の刃がカマイタのように空を駆ける。

トム「さて…。
お遊びは終わらせましょうかね…」チャキッ

黒煙が晴れる。
そこにはブレードを逆手に持つトムが佇んでいた。

フィル「…厄介な事になりましたねぇ…。
ラウダ、ラシャド…そんな傷じゃ死なないっすよねぇ…」

ラシャド「まぁね~…」ムクッ

ラウダ「…」ムクッ

ジャン「おい…そんな傷って…。
普通なら死んで…」

トム「……普通なら、ですよ」

フィル「巨人化。
していっすよ」

ーーーカッ

ドオオオオン…

漆黒の夜に響き渡る爆音。
降りしきる雨の中、8m級の巨人が突如現れる。

フィル「さ、やっちゃいましょ」

トム「はぁ…こんな街中で…。
後の事を考えると頭が痛い…」

フィル「後なんて心配無いっすよ!
今ここで死ぬんすから!」

ドコオオオオ!!

トム(…あまり騒ぎを大きくせずに片すには…。
瞬殺しか…ないですかねぇ)

ジャン「トム!!
後の事は心配いらねぇ!
コニー達に頼んで辺り一帯は夜間の大規模訓練って事で人払いさせた!
思いっきりやってやれ!!
いいな!?これ以上好き勝手させんじゃねぇぞ!」

トム「its cool…
…いい仕事だ!」チャキッ

トム(…あまり騒ぎを大きくせずに片すには…。
瞬殺しか…ないですかねぇ)

ジャン「トム!!
後の事は心配いらねぇ!
コニー達に頼んで辺り一帯は夜間の大規模訓練って事で人払いさせた!
思いっきりやってやれ!!
いいな!?これ以上好き勝手させんじゃねぇぞ!」

トム「its cool…
…いい仕事だ!」チャキッ

8mという巨体を感じさせぬ程の素早さで、2体の巨人が周囲の建物より高く跳躍。
拳を振り上げトムに襲いかかる。

ジャン「なんつー跳躍力だ!!
危ねえトム…って、あれ?」


巨人達の落下地点にいたはずのトムがいない。

何処へ?

後に駐屯兵Jはこう語った。

J「なんつーか…上手くは話せないんだけどよ…。
普通、巨人と戦う時は立体機動で撹乱しながら戦うもんだろ?
けどよ、あいつは違うんだよ。
真っ向勝負…いや…言葉は悪いけどよ、虐殺…って言う方がしっくりくるな」

ズババババンッ!!

J「まず、巨人の足がなます切りみたいになったんだよ。
それも空中で。
まぁ当然着地も出来ないわな。
そこからだ。
俺の目の前で巨人が巨大なミキサーに入れられたように細切れになっていった」

ズババンッ!
ザン!
ザン!!
ザン!!!
ザン!!!!

ザクッ!!!

J「気が付いたら一匹はもう死んでたよ。
そん時一瞬見えたんだ。
…あいつの顔が」

顔…ですか?

J「背筋が凍るってのは初めてだ。
鎧の巨人とか見た時もそんなことなかったのにな」

…どんな顔でした?

J「…何もねぇよ。
怒りも、笑いも、悲しみも、慈悲さえも。
ただ切り刻むだけ。
料理人が肉を切るみたいにな。
そんな顔してた」

ドォン!!

J「うなじをガードしてたもう一匹の顔がいきなり爆発したんだよ。
多分手榴弾でも口に投げ込んだんだと思う。
…そっからまぁ…分かるだろ?
うなじのガードを解いちまったんだよ。
さよなら、ってわけだ」

敵は3人いたんですよね?

J「いたよ。
巨人が消える頃には逃げたみたいだけどな。
そら逃げたくなるだろ。
味方の俺ですら足が震えてたよ。
そこでトムが戻って来たんだ。
そしたらよあいつ言ったと思う?」

「この立体機動装置、ガス切れてますよ」

J「…だってよ。
確認したら切れてた。
じゃあ、どうやってあんな動きしてたんだっつーの…。
ちなみにサシャだった。」

ワイヤーとブレードだけで戦っていた、と?

J「さぁな。
俺にあいつの常識が測れるかよ。
ちなみに汗一つかいてなかった。
いい意味で悪い夢見てる気分だったぜ…はは…何言ってんだ俺…」

…ありがとうございした

ちなみにサシャだった

ちなみにサシャの立体機動装置だった

トム「…ガスの残量くらい確認してもらいたいですね」

ジャン「あ、ああ…後でサシャに伝えとくわ…」

ミカサ「トム…。
ダズが…」

トム「気にしないでください。
その程度じゃダズは死にませんよ」

ジャン「この出血量だぞ!?
もう…間に合わねぇ…」

ダズ「間に合わねぇって…糞でも漏らしたか?」ゴクゴク

ジャン「」

ミカサ「」

ダズ「…チッ。
もっといい酒置いといて欲しいもんだ…」ゴクゴク

ジャン「お、お前…傷は…」

ダズ「…酒といい女の涙に勝る薬はねぇよ」

ミカサ「…泣いてない」

トム「…夜明けまで時間がない。
そろそろこっちから仕掛けましょうかね…」

ダズ「先生達はどうする?」

トム「私達が心配するのは野暮というもので……」

ガチャッ!

駐屯兵「報告します!!
ここから南の街路裏のレストランでーーーーー」

駐屯兵「店の奥にもおそらく一般人と思われる遺体が多数…」

トム「……」

ジャン「なんてことしやがる…!」

ミカサ「許さない…絶対に…」

ダズ「…やっちまったな」

トム「ええ。
もう連中に朝日を拝める者はいないでしょうね」

ダズ「てめぇでてめぇのケツに火ぃつけてりゃ世話はねぇ。
1番おっかねぇモンと朝まで追いかけっこするハメになってやがるぜ」

ダズはククッと笑う。

トム「露払いは必要無さそうだ。
これで私達のやることは決まりましたね」

ダズ「ああ。
ジャックポットを狙ってやれ。
糞共に溜まりに溜まったもん吐き出させてやる」

トム「…Are you ready?」

ダズ「Let's rock…」

ミリウス・ゼムルスキー

特徴、空気。

ミリ薄と呼ばれる事もある。

ミリウスはトーマスと別れた後、追手に追われることなく単独行動に徹していた。

緊急事態にミリウスにのみ課せられる指令。

それは隠密。

暗に動くモブより遥かに深い闇を駆ける。

常にミリウスは影の殊勲者であった。

ミリウス(どうなってんだ…。
バーは吹き飛んでるし、トーマスも来やしない…。
しかたねぇ。他の連中とは合流は難しそうだし、1人で動くか…。
慣れっこだよ。
1人は慣れっこだよ…)

コニー「すんませーん!これから夜間の大規模訓練が始まりまーす!
立体機動の使用もあって多分危ないでーす!」

サシャ「騒音が響きますけど気にしないでくださーい!
扉に施錠をして」



サシャ「騒音が響きますけど気にしないでくださーい!
扉に施錠をして家から出ないでくださいねー」

ミリウス(サシャとコニー?
何やってんだあいつら…。
そんな訓練の予定は……ん?)

ミリウスは異様な気配を感じ取る。
それが何か分かってはいない。
だが、体が、思考が。
本能に訴えかけて来たものがあった。

恐怖。それだけだった。

それを理解した瞬間、ミリウスの体から冷や汗が流れ落ち、本能が叫ぶ。

全力で逃げろ。今すぐ。とーーー。

ミリウス(…っ!?
なんだよこれ……!!
殺気…か?いったい誰が…)


某所

フランツ「うーん…参ったなぁ。
まさかあの人を引っ張り出してくるとはね…」

???「あの人って…誰のこと?」

フランツ「あぁ、君は彼の事を知らないんだよね。
でも聞いた事はあると思うよ?
五年前位かな?
調査兵団に所属していた伝説の兵士さ」

???「伝説の…?
あ、分かったかも!」

フランツ「僕も詳しい話は知らないけど、壁外遠征中に調査兵団に捨てられたんだよ。
部下に、団長に、友にすら、ね」

フランツ「彼の死に様は後世に伝えられた。
味方を守るために己の命を犠牲にして巨人から殿を務めたってね」

???「っていうことはもう死んでるんじゃないの?」

フランツ「これは調査兵団の生き様の教訓にするためのデマカセなんだ。
さっき言ったように彼は捨てられたんだよ。
殿なんてカッコイイものじゃない。
常に先陣を切って戦っていた彼は、その日1番最初にガスが切れた。
巨人に囲まれた調査兵団は機動力が失われた彼を、ただ巨人の注意を引くために切り捨てたのさ。
その時に彼から切り取った片腕ご丁寧に持ち返って、お涙頂戴の演出。
彼は立派に戦いました!
調査兵団の鏡です!
ってね」

???「反吐が出ちゃうね。
まるで人間の縮図だよ。
誰もが自分の事しか考えない。
本当、糞の掃き溜めだね」

フランツ「彼は死んでいなかったんだよ。
片腕を味方に奪われ、なおも巨人の大群を立体機動無しで生き延びた。
そして彼は誓う。
この腐った世界を破壊するってね」


???「そこをつけ込んでこっちに引き込んだんだね。
概ね、この腐った世界を共に変えないか!
みたいな感じじゃないかな?」

フランツ「正解正解。
…まぁとにかく強いんだよ。
単純に、恐ろしく。
精神面も肉体面も常軌を逸してるよ。
戦闘能力だけだったら僕より上かもね。
今の彼は攻撃に迷いも、思考すらも無いよ。
ただ壊す。それだけなんだ。
だから厄介なのさ」

???「私より強いかな?」

フランツ「どうだろうね?
間違いなく苦戦はすると思うけど…」

???「ふーん…じゃあ彼と当たった人は間違いなく死ぬね」

フランツ「そうだね。
果たしてこのジョーカーを1番最初に引くのは誰かなぁ…」

???「あの人って名前は何だっけ?」

フランツ「……隻腕のブラウン、だよ」

おやすみなさい

ふと、ミリウスの視界に1人の男がゆっくりと歩いてくる。

身長は軽く2mを超え、手にはその身の丈ほどの戦斧を持っていた。

ミリウス「ーーーっ!?」

ミリウスの全身に悪寒が走る。

ミリウス(…何者だよあのおっさん!
おいおいおい!!
何でコニー達の方に…!!)

大男は数百kgはあるであろう斧を軽々と地面に突き立て、コニーの首を掴む。

サシャが慌てて手を引き離そうとするが、微動だにしない。

ミリウス(やばい…!!
助けにいかねーと…!)

ミリウスは駆け出そうとした足を止める。

理由は二つ。
一つはここで姿を現して戦ってしまえば隠密行動ができなくなること。
もう一つの理由。

勝算が全くない事だ。

ミリウス(2人を助けることはできるかもしれない…。
もし俺がこいつに負けたら…。
誰がこの状況下で他のやつとコンタクトを取れる…?
しかも俺は丸腰だ。
素手であの化け物とどうやり合う?
どっちをとれば…。

…くそっ!
んなもん決まってるじゃねーか!!

コニー「うっ…ぐっ…!!」

サシャ「何しとるん!?
コニーを離さんかいっ!!」

サシャの呼びかけにも大男は反応しない。

それどころか手の力は強まる一方であった。

コニー「…っあ…が…」

コニー意識が徐々に遠のいて行く。
大男はトドメと言わんばかりにコニーを高く持ち上げる。

大男「…シネ」

サシャ「コニィィィィィ!!
やめてくださいいいい!!!!」

バキッ!!

突如、大男の巨体がよろめく。

コニーは手を離され、その場に崩れ落ちる。

ミリウス「俺の仲間に手ぇ出してんじゃねぇよデカブツ!!」

ミリウスの渾身の飛び蹴りを受けた。
常人なら即死でのはず。
しかし、大男は首をコキリと鳴らし笑みを浮かべる。

大男「ミツケタ…オマエ…コロス…」

ミリウス「あぁ!!クソッタレ!!
やっちまったよ畜生!!
どうにでもなれってんだ!!!」

記憶が混乱してきたので最初から読み直してきた
王政府&壁教がユミルを利用して人間を巨人化
ユミルはミリウスにより奪還済み

現在敵勢力と市街地で交戦中
トーマス 腕、大腿部刺傷
ダズ 胸部裂傷
トム 右腕骨折
サムエル 軽傷

ミーナ リミッター解除の後遺症で休養中
ハンナ 行方不明

違わない?
アサシンD、Eを撒いたミリウスのステルス性能凄い

>>635
そんな感じ
トムは5割程度なら使えるってことで

再び某所

フランツ「あ、彼の1番恐ろしい所は知ってる?」

???「恐ろしい所?」

フランツ「うん。
並外れた怪力、その他に一つ。

絶対に倒れないんだよ」

???「…それはやだね」

フランツ「片膝つくことさえしない。
僕は怪力よりそのタフネスの方が恐ろしいね」

???「ふーん…」

ミリウス「立体機動でコニー連れて逃げろ!!早く!!」

サシャ「立体機動はジャンが…」ガタガタ

ミリウス「ジャンに!?
……じゃあ走れ!できるだけ遠くに!!」

サシャ「はいぃ…」ガタガタ

ブラウン「ノガサン…」ヌッ

ミリウス「相手は俺だって言ってんだろ!!」

バキッ!

ブラウンのこめかみをミリウスが打ち抜く。

ーーーが。

ミリウス「っ!?」

打ち抜いたハズの拳に鈍痛が走る。

ブラウン「…ナラ…オマエカラ…」ス…

ゴオッ!

ミリウス「ちょっ、マジかよ…っ!」

地面に突き立てていた斧を掴むと、あたかも子供が小枝を降るようにノーモーションで斧を振り下ろす。

ドコオオオオ!!

ミリウス「ぐっ…!」ヨロッ

咄嗟に回避するも衝撃で体制を崩し、尻もちをつく。

ミリウス「じょ、冗談じゃねぇぞ…!」

斧を叩きつけた地面がクレーターのように抉られた。

ミリウス(一旦離れて…いや!
ビビんじゃねぇよ!!俺!!)

ミリウス「うおおおお!!」

ドコッ!ドコッ!

懐に潜り込みボディブロー2発。
ブラウンは微動だにしない。

それどころかーーー

ゴオッ!!!

ミリウス「…っ!!」

攻撃を意に介す事無く斧を振り払う。
ミリウスは体を逸らし紙一重で回避。

当たれば即、死。
一つミスも許されぬ戦いはミリウスの肉体では無く、精神を削って行った。

ミリウス「はぁ…はぁ…!」

戦闘が始まってから5分が経過。
辺りの地面はブラウンの攻撃で荒地に変わり果てていた。

ミリウス(こいつと戦い始めて何分経った…?
1時間?いや30分くらいか?
…わかんねぇや。
…っていうかこいつ何でできてんの?)

ゴオッ!!!

ミリウス「くっ…!」

ドンッ!

ブラウンの攻撃に合わせてカウンターで脇腹に拳を叩き込む。
それでもブラウンは崩れない。
何発、何十発と打ち込んだはず。

ミリウス(何で当て続けてる俺が今にも倒れそうなんだよ!?
あぁもう!考えてもわかんねぇ!
とにかく野郎がぶっ倒れるまで殴り続けてやるよ!!)

ブラウン「カラダ…アタタマッタ…オレ、ホンキ…出ス」

ミリウス「…!?
…奇遇だな…はぁはぁ…俺も…だよ…!」

ゴッ!

ミリウス(さっきより速…っ!
これならかわして反撃に…!)

グルッ

ミリウス「なっ…」

ブラウンは振り払いの勢いをそのままに反転。
そして流れるように高速の振り下ろしをミリウスめがけて放つ。

ミリウス(連…撃……俺…死…?)

ミリウスの頭に走馬灯がよぎる。

トーマスと共に特訓した記憶。
フランツとハンナにリア充爆ぜろと叫んだ記憶。
ナックと共に女風呂を覗いた記憶。
ミーナのおっぱい。
バレて二人揃ってハンナに頭を握りつぶされそうになった記憶。
モブリットのセクハラ行為。
忘れられないミーナのおっぱい。
ダズの老け顔。
夜な夜な夢に出てきたミーナのおっぱい。

ろくな走馬灯では無かった。



ミリウス(くそっ……がああああああああ!!!!)

しかし、そのくだらない走馬灯がミリウスの最後の力を搾り出す。

ミリウス(おっぱいを……おっぱいを揉むまで死ねるかよおおおおおおおおおお!!!!)

後ろ足を力いっぱい蹴り出す。
電光石火の動きでブラウンの懐へ飛び込み、全身全霊のハイキックをブラウンの顎に叩き込むッッッ!!

ミリウス「おっぱいいいいいいい!!!」

ブラウン「ヌゥッ…!」ヨロッ

ブラウンの巨体が始めてグラつく。
いかに鍛えられた肉体であろうと、ミリウスの渾身とハイキックに脳が揺さぶられたのだ。

遂に見えた勝機。
ミリウスは追撃に入ろうとする。

ガシッ

ミリウス「ぐあっ!?」

ブラウンが斧を離し、一直線に突っ込んできたミリウスの首を掴み、そしてーーーー


ドオオオン…

力任せに地面に叩きつけた。

一回、二回と手を離す事無くミリウスを何度も何度も叩きつける。

ミリウスの顔は血に染まり、意識など最初の一撃で無くなっていることなどブラウンは気にもしていない。

壊す。

ただブラウンの頭にはその2文字しか浮かんでいなかった。

ブラウン「コワレタカ…ツマラン…」

ポイとミリウスを放り投げると、ブラウンは斧を担ぎその場を後にしようとする。

ブラウン「ツギ…サッキノ奴ラ…」

コンッ

ブラウン「…?」

後頭部に一つの小石が当たる。

ミリウス「壊…れてんの…は…テメェの頭…だろうが…」

ブラウンが何も言わずに斧を振りかぶる。

ミリウス(あー…もうどこも動かねーよ…)

ブラウン「……」ヒュッ

無情にもミリウスの首をめがけて斧が振り下ろされた。

ミリウス(………あれ?
どうなってんだ…
これもう死んでるのか?
なんか思ってたのと違うな…。
意外とあっさりして…)

ブラウン「……!?」ググ…

ミリウス「…お…お前…なんで…」

振り下ろそうとした斧を誰かが掴んでいた。
ブラウンは力を入れていないわけでは無い。
むしろ振り下ろそうと力を込めている。

しかし斧が動くことは無い。
それは人並み外れた怪力を持つブラウンにとって初めての体験だった。

同時刻

モブリット「フンッ!」ドコッ!

アサシン「ゴフッ!」

モブリット「地獄でお仲間が待っとるで。
ほな、さいなら」チャキッ

ザンッ!

アサシン「ぐああっ!」

アンカ「っし。
ここらは片付いたみたいだな

モブリット「ほんま雑魚ばっかやな。
アンカ、そろそろ本領発揮したろか」

アンカ「はいよ。
じゃあ私は一旦「あれ」を取りに行く。
後は任せた」

モブリット「りょーかい」

モブリット(アンカの準備が終わるまで少しあるな…。
それまでできることは…と)

ヒュッ

モブリット「!」バッ

モブリットの頭上から黒い影がブレード振り下ろし襲いかかる。

モブリット「甘いわ!」ヒュッ!

キィン!

黒い影は斬撃を片手で弾き、大きく後ろへ飛ぶ。

???「あはは。なかなかやるね」

モブリット「フランツでもあの2人でもないな。
…誰やお前」

???「…これから死ぬ人に教える必要無いと思うよ」

モブリット「さよか。
ほんなら叩っ斬って自分で確認させてもらうわ」

モブリット(フードが邪魔でよく見えんが…女か。
それもかなり若いみたいやな。
しかしこのお嬢ちゃん…)

モブリットは今の攻防で相手の実力を把握していた。
かなり強い。
自分と同等、もしくはそれ以上。

圧倒的な力を持つモブリットにとっては滅多にあることではなかった。

???「どうしたの?
もしかして怖気づいちゃった?」

モブリット「すまんすまん。
…さ、始めよか」

パシュッ!

2人は同時にアンカーを射出。
各々の後方にアンカーを突き立てると同時にブレードを振りかざして全速力で衝突し合う。

ガキィィィン…

人智を超えた者同士の戦い。

放つブレードは空を裂き、火花を散らす。

建物を足場に、立体機動を使い高速で空を駆ける。

もはや常人には視認できる速度ではなかった。

拮抗しているように見えるが、徐々にモブリットが押され始める。

モブリット「…っ!」

ガキィィィン!!

???「今のも防ぐの!?
それしまゃこれはどうかな!!」ゴォッ!

モブリットの眼前から上空へ待っとるで上がる。
ーーーそして???はギアを更に上げた。

???はワイヤーを限界まで伸ばし、ガスを全開。
稲妻の如く速度でモブリットに回転切りを放つ。

バキィィィン!

モブリット「ちぃっ…!」ブシュッ

モブリットの刃を砕き、腕を切り裂く。

???「おまけだよ!」シュッ

モブリット「やべっ…!」

回転切りの慣性をそのままにモブリットに浴びせ蹴りを放つ。

ドコォッ!

光速の蹴りはモブリットのガードをぶち破り、そのまま遥か下の地面に叩き落とした。

モブリット「がはぁっ!!」

???「最強と言われるだけあるね。
久々に本気出しちゃった。
粘った方だと思うから、」

???「最強と言われるだけあるね。
久々に本気出しちゃった。
粘った方だと思うからあんまり落ち込まないでね!」

モブリット「ぬかせ…痛み分けじゃアホ…」

モブリットの手に布が握られている。

???「…え?
ちょっと!?なんで!?
それわたしのじゃ…!!」

モブリットの手に握られている三角の布。
そう、パンツである。

モブリット「隙ありぃっ!!!」ビキッ

ズバァン!!

モブリット「…チッ。
首と体をサヨナラさせたろかと思ったんやけどな。
さ、その可愛い顔を拝ませてもらおうかい」

???「油断したよ。
物凄いタフだね…」パサッ

フードが落ち、顔が明るみに出る。

モブリット「!?
お前っ…!!」

???「あ、パンツは返してもらったからね」

モブリット「俺のパンツやで!返さんかい!」

???「いや、私のだよ。変態。
顔見られちゃったし…そろそろ死んじゃおうか?
その傷じゃブレードも満足に使えないで…痛っ!?」ズキッ

モブリット「油断し過ぎや。
肋骨掴ませてもらったわ。
…俺の握力を舐めんなや」

???「…やるなぁ。
どっちも手負い…楽しくなってきたね」

モブリット「ああ。ようやく体暖まってきたわ。
さて、第二ラウンドとしけこもうかかい。

なぁ…クリスタ・レンズ」

クリスタ「…行くよ」ニコッ

名のある進撃のモブ幼女なら!!誰もがエリーを思いうかべるはずだ!!
だッ…誰がッ!! 進撃世界で「かなり若い女」がクリスタだと思うんだよ!

読み返すと最初っから口調がクリスタだったねー

展開が読めない。

>>687
「かなり若い女」としか言ってねぇ
がっつくなよファニーボーイ

>>688
あぁ自分でも読めねぇや
ハレルヤ、今日もいい日だぜベイベー

        / ̄ ̄ ̄\
        /        \

     /   ─   ─  ヽ
      |   (●)  (●)  |
     \   (__人__) __,/
     /   ` ⌒´   \

   _/((┃))______i | キュッキュッ
.. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \
/  /_________ヽ..  \
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

         ____
        /⌒   ー \
       / (●)  (●) \  +

     / :::::⌒(__人__)⌒:::::ヽ
      |     |r┬-|    |  +
.      \_   `ー'´   _,/
      /            \     +
      | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  トン
   _(,,)  このスレは    (,,)_
  /  |  終了しました   |  \
/    |_________|   \

        / ̄ ̄ ̄\
        /        \

     /   ─   ─  ヽ
      |   (●)  (●)  |
     \   (__人__) __,/
     /   ` ⌒´   \

   _/((┃))______i | キュッキュッ
.. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \
/  /_________ヽ..  \
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

         ____
        /⌒   ー \
       / (●)  (●) \  +

     / :::::⌒(__人__)⌒:::::ヽ
      |     |r┬-|    |  +
.      \_   `ー'´   _,/
      /            \     +
      | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  トン
   _(,,)  このスレは    (,,)_
  /  |  終了しました   |  \
/    |_________|   \

ガキンッ!

ガキンッ!

クリスタ「あははっ!!
楽しいね!!いいよ!!あなた凄くいいッ!!!」

モブリット「そら……どうもっ!」ヒュバッ

ズバッ!

クリスタ「あははははは!!!
もっと!!もっと楽しませてよ!!!」シュッ

ズバッ!

モブリット「っぐ……!」

モブリット(あかんわ…こいつマジで強い…)

モブリット(思えばここ何年も苦戦したこと無かったなぁ…。
このひりつく命のやり取り…あかん…むっちゃ興奮してきたわ…)

ズボンが盛り上がる。
性的興奮によってドバドバとアドレナリンが大量に放出されるのを感じた。

そして、笑う。

モブリット「ははっ…はははっ!!!」

クリスタ「あはははははっ!!」

ガキィィン…

コンコンと降りしきる雨音に紛れて金属音と笑い声が響く。

クリスタ「はあっ!!」ヒュッ!

ブシュッ

顔を目掛けた突きをモブリットは頬を掠めながら掻い潜る。

モブリット「フンッ!!」ガッ

クリスタ「きゃっ!?」

モブリットがクリスタの首を掴み、そのまま全力で壁に叩きつける。

グシャッ!!

クリスタ「痛…い…なぁ…!」ブシュッ

後頭部から血が噴き出し、顔面が血に染まった。
しかしクリスタは笑顔崩さない。
愛くるしいはずの笑顔から狂気滲み出ていた。

モブリット「…もみじおろしはお好きか?」グイッ

クリスタ「!!」ズリッ

ズガガガガガガガガガガガガ!!

クリスタの顔を壁に擦り付けながらモブリットが走る。

モブリット「はははっ!!気持ちえーやろ!?」

クリスタ「あはっ…最っ高…だよぉ…!!」チャキッ

ドスッ

モブリット「っ!!」ヨロッ

ブンッ!

クリスタのブレードがモブリットの足を貫く。
モブリットはよろける足を踏ん張り、クリスタを壁に投げつけた。

ドォォォン!

クリスタ「ああっ!!」

モブリット「ぬ…ぐ…っ!」

モブリット「…ほんま…たまらんなぁ…!
さっさと続きを…」

ピィィィィ……

遠くから聞こえる笛の音。
モブリットが動きを止める。

モブリット「……」

クリスタ「?」

モブリット「…悪いが時間みたいや」

クリスタ「時間?まさか逃げる気じゃないよね?
もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと楽しいことしようよぉ!!!」

モブリット「可愛い嬢ちゃんと遊ぶのも悪くないんやけどな。
ウチのおっかない女王さんは時間に厳しいや。
ほな、またな」バシュウウウ

クリスタ「あ、ちょっと!」バシュウウウ

クリスタ「建物の上に逃げても無駄だって!
空中じゃ勝てないって分かってるでしょ?
どんどん追い詰められちゃうよ!」

モブリット「どアホ。
……追い詰められてんのはな…」

クリスタ「?」

モブリット「お前や」

ピィッ!

モブリットが指笛を鳴らす。

バスッ

クリスタ「あうっ!?」

クリスタの膝を何かが貫き、鮮血を散らし膝をつく。

クリスタ「な、何…!?」

モブリット「さっすがアンカ。
あの距離から正確に撃ち抜いとか、どこの殺し屋やねん」

ケータイの画面がヒビ割れてるから誤字やばい

クリスタ「狙撃…!?
どこから…っ!」チャキッ

バスッ

クリスタ「あぐっ!!」

手の甲を撃ち抜かれブレードが弾け飛ぶ。

モブリット「この遠距離じゃ気配もないやろ?
すまんな。もうちょっと遊びたかったんやけどなぁ」

クリスタ「う…くっ…」ヨロッ

バスッ

クリスタ「…っ!!」

残った脚も撃ち抜かれ、クリスタが前のめりに倒れた。

モブリット「…悪く思うなや」

クリスタ「あはっ…もっと…遊ぼ…」

モブリット「…地獄でな」

ザクッ!

突き立てたブレードを引き抜き、屋上に座り込む。

モブリット「はぁっ…!はぁっ…!」

緊張の糸が切れ、アドレナリンによって抑えられていた痛みと疲れが噴き出す。

モブリット「馬鹿みたいに切りよって…。
骨もめちゃくちゃ折れとるやん…。
あー…明日からどうやって隠そ…」

モブリット(…あかん。この傷じゃあの2人に勝てん。
フランツはダズに任せるとしても…状況は最悪やな…。
トム1人じゃいくらなんでも荷が重い。
かと言って他の奴らじゃ勝ち目は…。
あと1人…誰かおらんのか…)

モブリット「…あ、いるやん。
体…鈍っとらんとええんやけど…」

モブリット(とりあえず止血せんと…マジで死んでまう。
こっから1番近いのは…オヤジの家やな。
……行きたくないけど命には変えられんか)

バシュウウウ…


モブリットが立ち去り、クリスタの亡骸が雨に濡れ、周りを赤く染める。






クリスタ「あはっ」

ドォォォン!!!

ドコッ!!

ボコッ!!!

ミリウス「…っ!」

ブラウンが斧を振り回す度に周囲の物が塵へと変わる。
当たれば即、死。
巨人を上回る怪力。まさに化け物。

その化け物と真っ向からぶつかるもう1人の化け物のハンナ。

斧を素手で受け、2mの巨体を殴り飛ばす姿はもはや言葉では説明できない。

ミリウスは動かぬ体でただ、「それ」を眺めるだけだった。

ミリウス(俺の仲間が化け物過ぎて怖い)

ハンナ「ハッ!!」ドコッ!!

ブラウン「…!!」

ドォォォン!!!

ブラウンの巨体が宙を舞い、壁に叩きつけられる。

しかし、ブラウンは倒れない。
何度吹き飛ばしても膝を着くことさえしない。

不死身とも思わせるタフネスはハンナにとっても驚異だった。

ブラウン「オマエ…イイゾ…!」

ハンナ「あら…たくましい殿方に求愛されてるのかしら?
ごめんなさい。
しつこい人は嫌いなの」

ブラウン「オオオッ!!」

ドコォォォン!!!

ハンナの拳がブラウンの顔にめり込み、再びブラウンが宙を舞った。

ハンナ「疲れてきたわミリウス。
一旦逃げましょ」ヒョイ

ミリウス「ああ…ってお前…その荷台どうする気だ…」

荷台を軽々と持ち上げ、ボールを放るようにブラウンへと投げつける。

ガッシャアアアン!!

荷台は粉々に砕け散り、積んであった大量のレンガが散らかった。

ハンナ「どうりで重いと思ったわ。
持ち主の方、ごめんなさいね」

ミリウスの足を掴み、その場から走り出す。

ミリウス「痛ででででで!!!
もげる!!もげるううううう!!」ズザザザ

ハンナ「あら?元気じゃないの。
我慢なさい。男でしょ」

ミリウス「ぎゃあああああ!!!」

バー(だった場所)

ハンナ「着いたわよ」

ミリウス「……」ピクピク

ハンナ「ほら起きて。
手当してあげるから」

ミリウス「助けようとしてるのかトドメ刺そうとしてるのかハッキリしてくれ…」

マスター「おや、いらっしゃいミリウスさん。
…とは言っても何もありませんが」

ハンナ「ただいまダーリン。
いい子にしてたかしら?」

ミリウス「えっ」

マスター「だからダーリンではないと何度言えば…」

ハンナ「何言ってるの?
私の事をあんなに激しく攻めておいて…恋人以外の何だっていうのかしら?」

ミリウス「!?」

マスター「はぁ…。どうしていいのやら。
ミリウスさん、どうにかしてください」

ミリウス「無理」

ハンナ「はい。終わったわよ」

ミリウス「…すまねぇ。
しかし…あいつはいったい…」

マスター「…ブラウン。懐かしい名前ですね」

ミリウス「マスター…知ってるのか?」

マスター「知ってるも何も…奴の片腕を落としたのは私ですから」

ミリウス「そうか…………………………えっ?」

マスター「あの時死んだものだと思ってたんですが…」

ミリウス「ちょっと待て。
俺が馬鹿なのかもしれないが、マスターの言ってる事が良くわからん」

マスター「…あれは私がまだ現役で調査兵団にいたときの話です。
ブラウンは強く勇敢で、常に先頭で戦っていました。
誰もが敬い、尊敬し、誰からも頼れる存在だったんです。
…そんなブラウンに悲劇が襲いかかった」

ミリウス「悲劇?」

マスター「ブラウンが率いた小隊が全滅したんです。
いつも通りにブラウンの小隊は先頭を走り、巨人を陽動していました。
巨人を引きつけ、増援を呼び一網打尽にするのが彼の仕事。
しかし、その日は援軍が来ることが無かったのです」

ミリウス「援軍が…何故?」

マスター「…その日は『何故か』援軍を呼ぶはずの信号弾が上がらず、新しい班の編成直後で『何故か』」新兵が多く、『何故か』いつもより巨人の数が多かったんです。
異変に気付き、ブラウンの元へと私の所属していた小隊が派遣されました。
時すでに遅く、ブラウン以外は全滅。
信号弾を調べた所、『何故か』全て壊れていたのです」

ハンナ「誰かに嵌められた…ってことね」

マスター「巨人を殲滅し、ブラウンを助けることに成功しました。
しかし…彼はもう壊れていたんです。
怒り、憎しみの矛先を調査兵団な向けて…」

ミリウス「…で、ああなったと…」

マスター「身捨てられと思い、彼は怒りに任せて私達に襲いかかってきました。
結果、私のいた小隊も壊滅。
ああなってしまった以上、残った私がブラウンを葬るしかなかった。
今のブラウンは…トドメをあの時刺さなかった…いや、刺せなかった私の責任です」

ハンナ「…なるほどね。
彼を英雄と讃え、真実を隠した。
そうでしょう?」

マスター「ご名答です」

ミリウス「可哀想なのはわかったけど…奴が攻撃してくる以上、こっちも応戦しないといけないな…」

マスター「……」

ハンナ「誰かに嵌められた…ってことね」

マスター「巨人を殲滅し、ブラウンを助けることに成功しました。
しかし…彼はもう壊れていたんです。
怒り、憎しみの矛先を調査兵団な向けて…」

ミリウス「…で、ああなったと…」

マスター「身捨てられと思い、彼は怒りに任せて私達に襲いかかってきました。
結果、私のいた小隊も壊滅。
ああなってしまった以上、残った私がブラウンを葬るしかなかった。
今のブラウンは…トドメをあの時刺さなかった…いや、刺せなかった私の責任です」

ハンナ「…なるほどね。
彼を英雄と讃え、真実を隠した。
そうでしょう?」

マスター「ご名答です」

ミリウス「可哀想なのはわかったけど…奴が攻撃してくる以上、こっちも応戦しないといけないな…」

マスター「……」

ここまで

カジノ

サムエル「いいか!?
俺がお前に何したってんだ!!」

黒服(だった人)「いや…その…任務で…」

サムエル「そんなもん知るか!!
せっかく…せっかく今までの負け分を取り返せるくらいのチップが目の前にあったんだ!!
それをお前は…お前は…!!」ボコッ!

黒服「ぐほぅっ!
い…今からでも拾いに行けば…」

サムエル「あぁん!?
カジノめちゃくちゃにしといてチップ拾って元通りになると思ってんの
!?馬鹿が!!」

黒服「…ごめんなさい」

サムエル「ごめんで済めば駐屯兵はいらねぇんだよ!!
2度と俺の前に現れんな!!」

黒服「は、はい…(馬鹿め!俺に背中を見せるとは…!)」バッ!

サムエル「死にさらせ!!!」クルッ

黒服「!?」

ゴッシャァァン!!

黒服「」ピクピク

サムエル「あああっ!!ファック!ファック!!
収まりがつかねぇよ畜生っ!!!」

キャアアア…

サムエル「ん…?外か…?
ったく、何が起こってんだよ…」

路地裏

トーマス「はぁ…はっ…」

サムエル「…トーマス!?
どうしたんだよその傷は!!
おい!!しっかりしろ!!」

「あんまり動かさない方がいいよ。
毒が早く回っちゃうからね」

サムエル「…っ!?」ゾクッ

トーマス「に…げろ…!」

サムエル「てめぇ…っ!
なんでここにいやがる…!」

フランツ「…やぁ。サムエル」

サムエル「フラァァァァァァンツ!!!」バッ

とりあえずここまで

サムエル「うおおっ!!」ヒュッ

フランツ「ちょっ、待ってくれ。
トーマスをやったのは僕じゃ無いって」スカッ

サムエル「黙りやがれ!
この裏切り者が!!」シュッ

フランツ「おっと。いいから話を聞きなって」

サムエル「オラァッ!」

フランツ「はぁ…」ヒュバッ

サムエル「消え…!?」

シュッ

サムエル「ッ!!」

サムエルの手をかいくぐり、フランツが懐に入る。

サムエル(右の掌打…!躱せるっ!)

チッ

フランツ「おっ」

フランツの掌打を頬に掠めながら、サムエルがカウンターを放つ。

サムエル「もらった!!」

パシッ

サムエル「なっ…!?」

フランツが更に踏み込みサムエルの足を払う。

フランツ「先見かい?
なかなか稀有な才能を持ってるみたいだね」ガシッ

サムエル「しまっ…!」

ミシッ

体が宙に浮いたサムエルの腕を取り、やすやすと腕を固める。

サムエル「が…っ!」ギリッ

フランツ「残念だったね。
悪いけど、君じゃ僕に一発見舞うこともできないよ」

サムエル「くっ…!」

フランツ「おっと、暴れるなって…」ギリッ

サムエル「ぐあっ!!」

フランツ「大人しくしないとトーマスが手遅れになるからね?」

サムエル「…?」

フランツ「トーマスは仕込み毒で瀕死なんだ。
早く血清を打たないと間違いなく死ぬ」

サムエル「汚ぇ真似しやがって…!」

フランツ「勘違いしないでくれ。
やったのは僕じゃない」

サムエル「信じるかよ…っ!」

フランツ「……獅子が兎を狩るのにそんなものがいると思う?」

サムエル「…っ!!」ゾクッ

フランツ「…ここに血清がある」

サムエル「…偽もんだろうが」

フランツ「殺すならこんなもの使わないって言ってるだろう?」

サムエル「ハッ…信用すると思うか?」

フランツ「どっちでもいいよ。
腕、離すから大人しくしてよ」パッ

サムエル「……何が狙いだ」

フランツ「君達に死んでもらうのはまだ困るんだよ。
仕事があるからね」

サムエル「仕事…?」

フランツ「ぶっちゃけるとね、君達が本当に倒すべき相手は僕じゃない」

サムエル「…王政府の犬っころが何言ってやがる」

フランツ「ははっ。そこは間違って無いよ。
確かに僕は王政府の暗殺部隊の隊長だ。
彼らに忠誠も誓ってるし、歯向かう気もない」

サムエル「…言ってる意味がわからねぇな。
王政府以外の誰が本当の敵だって言うんだよ」

フランツ「まぁ君達からしたら僕達は敵だけど、それ以外にも他勢力がいるってことさ」

サムエル「他…だと?」

フランツ「…まぁ知ってるわけないよな。
表向きには王政府の巨大なバックになってるし」

サムエル「…誰だ」

フランツ「教えてあげるよ。
……レイス家さ」

サムエル「レイス…?
レイスって言ったら、クリスタの…?」

フランツ「そう、そのレイス家。
昔は仲良かったんだけどね。
当主なクリスタ…いやヒストリアの父親になってからどうも動きが不穏になってきたんだよ」

サムエル「…それで?
俺らに何の関係があるんだよ。
勝手にてめぇらで潰しあってろ」

フランツ「最後まで話を聞いてくれよ。
前回のウォール教の事件、おかしいと思わないのか?
王政府が自分自身で首を絞めることすると思う?」

サムエル「…手を引いたのはレイス家ってことか」

フランツ「恐らくね。
ウォール教の信者だけであんなことが出来るはずがない。
第一、ユミルが彼らに簡単に捕まるとも思えないしね」

サムエル「…そこでクリスタか」

フランツ「彼女達の関係はしってよね?
多分、ユミルはヒストリアの手助けをしているだけさ。
本人がどう思ってるかは知らないけどね」

サムエル「黒幕はクリスタってことか…。
じゃあお前らは何で俺達を狙ってるんだ…?」

フランツ「僕はレイス家に送り込まれた諜報員だから。
表向きには逆らえないんだ」

サムエル「わからねぇな…。
黒って分かってるなら直接手を下せばいいだろ」

フランツ「それが1番手っ取り早いんだけどね。
向こうには厄介な人が多いからさ」

サムエル「ネス…そしてシスか」

フランツ「その他にも2人いるよ。
隻腕のブラウン。
そしてヒストリア、さ」

サムエル「クリスタ…?
訓練を見る限りじゃ普通の兵士だろ」

フランツ「『クリスタ』は弱いよ。
でも『ヒストリア』は強いんだ」

サムエル「…は?
クリスタとヒストリアは同一人物だろ?」

フランツ「多重人格なんだよ。彼女は」

サムエル「多重…人格…?」

フランツ「皆に褒められたい大天使クリスタ。
皆を殺したい狂戦士ヒストリア。
どちらもこの世の淀みが生み出した産物さ。
どっちかま本当の彼女か分からないし、どっちも彼女なのかもしれない」

サムエル「……クリスタ…好きだったのに…」

フランツ「え?何か言った?」

サムエル「話を続けろクソ野郎」

フランツ「意外と酷いこと言うなぁ…。
君がクリスタを好きなのはどうでもいいけど…」

サムエル「聞こえてんじゃねーか!」

フランツ「はいはい。時間無いから本題に戻るよ。
僕の目的は2つ。
今言った四人を始末すること。
あと、レイス家を潰すこと。
僕の部隊だけじゃちょっと規模が大きくてね。
彼らが戦力を出払って、君達を倒そうとしてるところを横から思いっきり殴りつけてやろうってわけさ」

サムエル「…要するに俺達を利用してレイス家を倒す?
ふざけんな。
てめぇらでやれよ」

フランツ「…彼らの計画を聞けば断れないよ」

サムエル「計画…?」

フランツ「うん。
簡単に言えば人類巨人化計画ってとこかな」

サムエル「…はいぃぃ?」

フランツ「レイス家が巨人を利用して何かしようとしてるんだよ。
一説によると知能巨人を大量生産して軍隊を作ろうとしてるらしい。
それを使ってなにしようとしてるかは知らないけどね」

サムエル「レイス家か王政潰して政権を握ったら他に誰と戦うってんだ?」

フランツ「さぁね。
レイス家が政権を握ったら大変な事になると思うよ」

サムエル「お前の話が嘘って可能性もある」

フランツ「そう。
どっちに賭けるかは君達次第さ。
はい血清」

サムエル「…てめぇをこの場で倒して、レイス家を後から潰すってことにベットする」

フランツ「大穴だね。
成功率はどれ位になるかな?」

サムエル「…試してみるか?」

フランツ「やめてくれよ。
君達には仕事がして欲しいって言ってるだろう?
それに…君には興味が無いんだ」

サムエル「…随分と舐めてくれるな」

フランツ「いや、実際君は強いも思うよ?
でも、僕とやり合うには物足りないだけけさ。
命は投げ捨てるものじゃない」

サムエル「逃がすと思うか?」

フランツ「うん。
だからここは僕が引くとしよう」バシュッ

サムエル「…っ待ちやがれ!」

フランツ「あ、そうそう。ダズとトムは別だからね。
彼らは僕が殺す。
もう我慢できないんだ。
あの2人も同じだと思うしね。
それじゃ、早くトーマスに血清打ってあげてね」

サムエル「…!」ギリッ

トーマス「…う…サムエル…」

サムエル「よぉ。気分はどうど?
血清は本物みたいだったな」

トーマス「フランツは…?」

サムエル「ビビって逃げた」

トーマス「…嘘付け」

サムエル「嘘じゃねぇ。
それより傷はどうだ?」

トーマス「大して深くは無い…毒が抜けりゃすぐ動ける。
…タバコ持ってねぇか?」

サムエル「ほらよ」

カチッカチッ

トーマス「ふー…。
もう大丈夫だ。
そうだ、ミリウスと合流しねぇと…。
バーに向かってくれ。ミリウスがいるはずだ。
そらにマスターなら何か知ってるかもしれない」

サムエル「…ヤー」

ここまで

次回更新はいつか

煙草を咥えながらアンカが口ずさむ。

アンカ「Please allow me to introduce myself …」カチャッ

美しい声が微かに響かせ、銃身をスライドさせる。

アンカ「I'm a man of wealth and taste.
I've been around for a long, long year …」チャキッ

ピタリと動きが止まり、トリガーに力を込めた。

アンカ「Stole many a mans soul and faith…」スッ

バァン!

アンカ「…ビンゴ」

リロードしながら再び歌い始める。

アンカ「…And I was round when jesus christ .
Had his moment of doubt and pain …」ジャコン

銃をクルッと回し狙いを定めた。

アンカ「Made damn sure that pilate
Washed his hands and sealed his fate…」スッ…

バァン!

アンカ「…ビンゴ用紙がたらねぇな」

アンカ「Pleased to meet you
Hope you guess my name …ん?」

アンカが何かに気付く。

アンカ(あの位置…確かクリスタ・レンズが死んでたはず…)

見間違いか?
雨で視界も悪く、見落とすこともあるかもしれない。

アンカ(…いや、間違いなくあそこにいた。
逃げた…?
そんなはずは無い。
モブリットがトドメを刺したはずだ)

銃を下ろし鐘楼から身を乗り出して辺りを見渡す。

アンカ(いねぇな…誰かが回収したのか…?)

アンカ「っ!?」ゾワッ

アンカの全身に悪寒が走る。
蛇に全身を絡み付けられ、ネットリと舐めまわされた感覚に陥った。

アンカ「…マジかよ」

鐘楼から200m程の距離にその気配を放つ者を見つける。

「それ」は笑顔で大手を振り、アンカを見つめていた。

ヒストリア「みーつけた」ニバ

アンカ「足は撃ち抜いたはずなんだけどな…」カチャ

バアン!

雨粒を切りながらヒストリアを目掛けて弾丸が走る。

ヒストリア「もう当たらないよー」ヒュッ

ギィン!

アンカ「っ!!」

アンカ(弾を…切りやがった…!)

ヒストリアが暗がりに向かって何かを話す。
それと同時にいくつかの黒い影が鐘楼に向かって這い寄る。

アンカ「チッ…」ガシャン

アサシンの接近など気にすることもなく、ヒストリアだけに照準やわ会わせ、引き鉄を引く。

バァン!

バァン!

バァン!

キィン!

ヒストリア「あははは、無駄無駄」


アンカ「…化けモンか」

ライフルを背負い、マントを身に纏う。

アンカの背後には既にアサシンが迫っていた。

アサシン「いたぞ!
この距離ならライフルも使えま…」

バァン!

アサシン「」

キィン!

ヒストリア「あははは、無駄無駄」


アンカ「…化けモンか」

ライフルを背負い、マントを身に纏う。

アンカの背後には既にアサシンが迫っていた。

アサシン「いたぞ!
この距離ならライフルも使えま…」

バァン!

ビシャッ!

銃声と共にアサシンの体が吹き飛ばされ崩れ落ちる。

アンカ「あ?
んなもんこの距離で使うわけねぇだろ馬鹿」

アンカの手には散弾銃かま握られていた。

安定の誤字

ここまで

アンカ「こいつの弾だってタダじゃねぇんだ。
ケツに火ぃ付けられたくなけりゃ、回れ右してさっさと失せろゴミクズ共」

アサシン2「舐めたことを言ってくれるな。
この人数で逃げ場も無いと言うのにな」

アンカ「ハッ。
臭え臭えとは思っていたが、臭いの元はオツムだったか」

アサシン3「ふん、減らず口を…」

アンカ「あぁ、臭え口開くなよ。
ところでお前らポップコーンは好きか?」

アサシン3「は?」

アンカ「オーライ。
こいつは奢りだ。
夢の国でたらふく食ってやがれ」

アンカが鐘楼から跳ぶ。

アサシン2「なっ!?飛び降りたぞ!」

アンカ「お前ら、後ろ見てみな」

アサシン3「後ろ…?箱に『DANGER』って書いて…!?」

アンカ「一切合切吹き飛ばす魔法の箱だよ」チャキッ

アサシン2「逃げっ…!」

バァン!

アンカ「…BANG」パシュッ

ドオオオオオン!!

ドオオオオオン……

ヒストリア「何やってんだろあの人達…。
本当に使えない…」

腰に手を当てて大きな溜息をつくと、ヒストリアの眼光が鋭く光る。

ヒストリア「えーっと…いたいた」

崩れ落ちる鐘楼から立体機動で飛ぶアンカを眼に捉え、口元だけを笑わせた。

ヒストリア「…逃がさないよ。
さっきの借りを返さなきゃね」パシュッ

バシュウウウ!

アンカ「…見つかったか」バシュウウウ

背後から迫る狂気を感じる。
おそらく逃げ切れない。
戦えば殺されるだろう。

アンカ(さて…こっからどうするか…。
隠れても見つかるだろうし、人ゴミに紛れようもんなら皆殺し…だな)

バシュウウウ…

アンカ「…!」

アンカ(早い…このままじゃ数分で追い付かれるな)



ヒストリア「あはっ」ゴオッ!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom