鷺沢文香「1日遅れの誕生日」 (39)
文香「…ふふ」
ちひろ「あれ?そのブックカバー」
文香「…はい、さっき貰ったんです。誕生日プレゼントって」
ちひろ「よかったわね、文香ちゃん。」
文香「…ええ、こんなに嬉しいプレゼントは初めてです。」
ちひろ「ちなみに誰から?」
文香「…それは…」
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――――――
―――――
――――
みりあ「ねぇねぇ、プロデューサー、文香さん喜んでたよ!」
P「あ、ああ…」
みりあ「苦労して作ったかいがあったね♪」
P「そうだな…」
みりあ「文香さんにはいっぱいお世話になったからねー」
P「あれは…」
・・・
・・
・
みりあ「ねぇねぇ、本好きなの?」
文香「…本は色々な世界を見せてくれるから。」
みりあ「あは、じゃあアイドルと同じだね♪」
文香「…ええ、そうかもしれません。」
みりあ「なんの本読んでるの~?」
文香「あ、それは…」
みりあ「ジャンヌ・ダルク?」
文香「…フランスを救った英雄の本です。」
みりあ「へー、でもあれ?この人女の人だよ?」
文香「神の声を聞いて国の為に戦い、そして最後は魔女として処刑された。その悲劇性が人気を生んだのよ。」
みりあ「すっごーい!鷺沢さん物知りだね!!」
文香「みりあちゃんも読む?」
みりあ「うー、でも難しいよぉ…」
文香「…子供にはまだ早いかもしれない。」
みりあ「あ、そうだ!」
文香「…どうしたの?」
みりあ「鷺沢さん、その話いろいろ教えて☆」
文香「…いいですよ。本好きが増えるのはうれしいから…」
みりあ「わぁーい!!」
文香「まずこの時の登場人物はね…」
みりあ「いっぱいいるねー」
文香「…元は同じだったのに二つの国に分かれてから…」
みりあ「あ、この人すごいね。文香さんみたい」
文香「…その人は当時珍しく学のある貴族で…」
みりあ「へー…」
文香「…もうこんな時間」
みりあ「また聴かせてね、鷺沢さん!」
文香「…文香でいい」
みりあ「わかった!またねー文香さん!!」
文香「…またね」
みりあ「楽しかったなー♪」
P「本好きはいいことだぞ。」
みりあ「でも怖い話もいっぱい聞けたよ、プロデューサー」
P「そうなのか、あんまり小学生のうちからそんな話を聞くと…」
みりあ「あー、プロデューサー私に反抗した―」
P「い、いや…これは違うぞ!!」
みりあ「なーんてね、じょーだんだよ、プロデューサー♪」
P「た、助かった…」
みりあ「今日もお話聴きに行くんだー」
P「おう、いってらっしゃい。みりあ」
みりあ「プロデューサー、またねー」
文香「…いらしゃい、みりあちゃん。」
みりあ「おはよーございまーす。文香さん!!」
「おじゃましてるっス」
みりあ「荒木さんだー、おはよーございーまーす!」
比奈「おはようっス。比奈でいいっスよ、みりあちゃん」
文香「…みりあちゃんのことを話していたら…」
比奈「面白そーなことをしてたんで参加させてもらうっス」
みりあ「今日はどんなお話聴かせてくれるの?」
文香「…じゃあ、ますは前回の続きから…」
比奈「おっ、ジャンヌ・ダルクっスか、アタシも大好きっス!」
みりあ「わーい、楽しみ―♪」
文香「…比奈さんも好きなの?」
比奈「モチロン、よく漫画やゲームの題材になってるっスからね。」
文香「…じゃあ今日は比奈さんがみりあちゃんに」
比奈「良いんスか?」
文香「…堅苦しい私の話より、アニメや漫画をモチーフに話を進めるのもいいから。」
比奈「じゃあ、みりあちゃんもいいっスか?」
みりあ「いいよー☆」
比奈「じゃあ、ちょっと前に話題になったアニメから…」
比奈「それには色々な英雄が出てきて…」
比奈「その中に…がいて…」
比奈「というわけっスよ!」
文香「…ところどころクトゥルー神話が混ざってますね。」
比奈「そういうごった煮も漫画やアニメ、ゲームの魅力っス」
文香「…アニメや漫画も奥が深いわね」
比奈「特にクトゥルー好きはマニアックな人が多いっス!」
みりあ「怖いけど面白かったー!」
比奈「そうだ、文香さん、ノベライズもしているので今度もってくるっス」
文香「…いいの?」
比奈「モチロンっス」
文香「…ありがとう」
みりあ「あー文香さん顔真っ赤~」
文香「…こんなこと、同年代では初めてだから…」
比奈「ホントに真っ赤っスね」
文香「…ごめんなさい。どんな顔をすればいいかわからなくて…」
比奈「『笑えばいいと思うよ』っス!」
文香「…笑顔は、まだ…その…頑張ります。」
比奈「その意気っス!!」
みりあ「えへへ」
文香「…どうしたの?」
みりあ「おしゃべりって楽しいね!!」
比奈「確かに、こんなに長く話すなんて久々っスね!」
文香「…そうかもしれません。」
みりあ「そうだ!二人とも誕生日いつ?」
文香「えっと…10月27日」
比奈「4月9日っス!」
みりあ「文香さん近いね!!」
比奈「そう言えばそうっすね」
文香「……ええと…はい」
みりあ「とっておきのプレゼントあげるね!!」
比奈「腕が鳴るっスね!!」
文香「…二人とも…ありがとう」
みりあ「今日も楽しかったね。」テクテク
比奈「そうっスね、ところでみりあちゃんは何にするっスか?」テクテク
みりあ「えーっと、ブックカバー!」
比奈「それはいいっスね」
みりあ「比奈さんはー?」
比奈「みりあちゃんがブックカバーなら…比奈はその中に入れる本を用意するっス」
みりあ「よーし、ガンバロー!!」
比奈「おぉーっス!!」
――――――
―――――
――――
みりあ「というわけで、プロデューサー服脱いで」
P「なにがというわけなんだ?」
みりあ「黙って脱いでよ…」
P「理由を言ってくれないと…」
バンッ
P「ひぃ!」
みりあ「また口答えするんだ…」
P「ごめんなさい!すぐ脱ぎます!!」
みりあ「そう、それでいいんだよ、プロデューサー」
P(笑顔でこの口調...相変わらず恐い。)
みりあ「なーんてね、怖がらなくてもいいよ~プロデューサー♪」
P「あ、あれ?」
みりあ「悪いことしてないのに私、プロデューサーのことお仕置きなんてしないよ♪」
P「!?」
みりあ「それにいままでやりすぎたかもしれないし…ごめんね、プロデューサー」
P「みりあ、みりあ!」
みりあ「えへへ、いきなり抱きつかれると照れちゃうよ…」
P「やっと昔のみりあに戻ってくれたんだな、みりあ、みりあ!!」
みりあ「よしよし、私は私だよ、プロデューサー」
P「それでも…それでも!!」
みりあ「ごめんね、プロデューサー…いままで他の子に嫉妬してお仕置きなんてしちゃって」
P「やり直せばいいさ、やり直せば、そうだろ?みりあ」
みりあ「うん、うん!」
P「ふぅ…泣いたら少し落ち着いてきたよ。」
みりあ「私のお洋服もぐしょぐしょだよぉ~」
P「す、すまん」
みりあ「でも平気!やっと仲直りできたんだもん!!」
P「み、みりあ…」
みりあ「また泣きそうだよ、プロデューサ~...ふふ」
P「な、泣いてなんかいないぞ!!」
みりあ「あはは、とりあえずこれ飲んで落ち着きなよ。」
P「ココアか、ありがとう。みりあ、頂くよ」
みりあ「熱いから気をつけてね、プロデューサー」
P「大丈夫…っあち!」
みりあ「ほらやっぱり~」
P「すまんすまん…ってみりあは飲まないのか?」
みりあ「私も着替えてから飲むよ」
P「ス、済まん…」
みりあ「えへへ、じゃあまたね、プロデューサー!」
P「ああ」ゴクゴク
みりあ「エヘヘ…飲んでる飲んでる♪」
みりあ「さてと…お着替えしよーっと…あ!プロデューサーに手伝ってもらえば良かったかな?」
みりあ「まーいっか!えーっとアレどこだっけ…あ、あった!!」
みりあ「おーい、プロデューサー戻ったよー!!ってあれ?」
P「スー…スー…」
みりあ「寝ちゃった…幸せそうな顔してるね♪」
みりあ「よーし、頑張るぞー!!」
「文香さん達からいろいろ聞けてよかったなー」
「あれ?ちょっと失敗しちゃった。止血止血…」
「皮をはいで止血を繰り返すのってりゅーち刑だっけ?あれ?止血はしないんだっけ?どっちにしても今度のお仕置きにいいかも…」
「はいだ皮は腐らないように晶葉さんからもらった薬で…」
「うー、一人じゃ大変だよー!!」
「でも…頑張らなきゃね♪」
「あっ…プロデューサー、目が覚めたんだ…」
P「あれ、ここは…イダッ!!」
みりあ「動いたら危ないよ。」
P「たしかココアを飲んで…まさか!」
みりあ「えへへ」
P「笑っても駄目だぞ、みりあ!」
みりあ「チッ…おはよう、プロデューサー!」
P「クソ、鎖で体が…ここから出せ!」
みりあ「誰に向かって喋ってるの?」
P「みりあ、お前だよ!!」
みりあ「ねぇ、プロデューサー…」
P「クソ、外れない…何だ、みりあ?」
みりあ「いつからそんなに偉くなったのかなぁ?」
P「ヒッ...(またあの目…ハイライトのない…)」
みりあ「今おしりの皮をはがす最中だからもう少し寝ててね。」
P「な、なんでこんなことを…」
みりあ「ねぇ...プロデューサーは誰のもの?」
P「誰の物でも…ヒィ…みりあ様のものです。」
みりあ「だったら何も問題ないよね、プロデューサー♪」
P「せっかく仲直りもしたのに…どうして!!」
みりあ「仲直り?」
P「ああ、ココアを飲んで仲直りもしたじゃないか!!」
みりあ「えへへ、あんなので騙されるなんてプロデューサーもバカだなぁ」
P「っ…じゃあさっきまでのは…」
みりあ「ぜ~んぶ演技だよ♪どう?私女優になれるかなぁ?」
P「」
みりあ「そうそう、その顔が見たかったんだよ、プロデューサー」
P「か、顔?」
みりあ「その幸せから絶望に変わる瞬間の顔がさ…」
P「あ、悪魔…」
みりあ「今の私はわるい子みりあ…つまり小悪魔ってことだからあってるよ。」
P「や、やめろ…その顔で俺を撫でるな!」
みりあ「物のくせにうるさいなぁ…また塞ぐか…」
P「ン…」
みりあ「ん…ぷはぁ…」
P「はぁ、はぁ…」
みりあ「もしかしてプロデューサー、チュウしてほしいから騒ぐのかなぁ?」
P「そ、、そんなわけ・・・」
みりあ「もう、プロデューサーてばヘ・ン・タ・イさん。なんだから…」
P「あ、あぁぁ…」
みりあ「文香さん達の話では一番幸せな時にヤるのがいいって言ってたけど…それじゃあもう会えないからそれはダメだよね。」
P「お仕置きは嫌だ…お仕置きは嫌だ…」
みりあ「あはは、お漏らししちゃうなんて子供だなぁプロデューサーも」
P「た、頼む!もう勘弁してくれ!!」
みりあ「んー、安心してよ、お仕置きは今日しないから♪」
P「ありがとうございます、ありがとうございます!」
みりあ「すっごい幸せそうな顔だね、プロデューサー」
P「助かった…って」
みりあ「ふぅ…じゃあやろっか♪」
P「それはいったい…」
みりあ「さっきの続きだよ、プロデューサー」
P「お仕置きはしないんじゃ…」
みりあ「今日のはお仕置きじゃなくてプレゼント作り♪」
P「プレゼント?」
みりあ「文香さんにブックカバーを作るんだよ♪」
P「ま、まさか、それだけの為に…」
みりあ「さっきからうるさいから猿轡…はないから、みりあのさっき着てた下着でも口に詰めて…」
みりあ「変態プロデューサーさんにはお似合いですよぉ…うふふ♪どう?最近まゆさんの真似はまってるんだ。」
P「んー!!」
みりあ「さぁ、頑張るぞー!」
・・・
・・
・
みりあ「やったー、出来たー!!でも誕生日終わっちゃった…」
みりあ「文香さん達に悪いことしちゃったかなー」
みりあ「まぁ今日渡せばいっか♪」
みりあ「プロデューサーは…しばらく出歩くのは無理かな?」
P「…」
みりあ「文香さん喜ぶかなー♪」
――――――
―――――
――――
文香「…あ、みりあちゃん。」
みりあ「文香さーん、あっ!」
文香「危ないっ!」
みりあ「えへへ、ありがとー文香さん」
文香「…危ないから走っちゃだめよ、みりあちゃん」
みりあ「でも、これ渡したくて…」
文香「…これって」
みりあ「手作りブックカバー!」
文香「…ありがとう。(この質感…)」
みりあ「えへへ、照れちゃうよ///」
比奈「おっ、それがみりあちゃん特製のブックカバーっスか?」
みりあ「うん!」
文香「…ありがとう、大切にするわ」
比奈「それにしてもよくできてるっスね~」
みりあ「ママにお裁縫習ったから…」
文香「みりあちゃん…指が…」
比奈「あ、ほんとっス、大丈夫っスか?」
みりあ「えへへ、だいじょーっぶ!」
文香「…本当にありがとう」
みりあ「わぁ…」
文香「…?」
比奈「ちゃんと笑えてるじゃないっスか」
文香「えっ・・・///」
みりあ「文香さんキレー!」
文香「///」
比奈「そうだ、この本を挟んでみるっス!」
みりあ「なぁにーその本?」
比奈「アタシからのプレゼントっス!」
文香「…サイズはぴったり」
みりあ「やったね!比奈さん!!」
比奈「こんな時はハイタッチ、ハイタッチっスよ、みりあちゃん!」
「「いぇい!!」」
文香「…こんなに楽しい誕生日は初めてです。」
みりあ「1日遅れたちゃったけどね、あはは」
比奈「それにしてもその本…」
みりあ「?」
比奈「ブックカバーのせいか蛸や海星でもでてきそうっスね♪」
文香「ええ、そうね。そういえば…プロデューサーさんも来てくれればいいのに…」
みりあ「プロデューサーが来れなくても、私たちは繋がってるよ!」
比奈「おお、いいこと言うっスね、みりあちゃん」
みりあ「えへへー」
文香「…そうかもしれません」
みりあ「じゃあ、私用事あるから…ごめんね比奈さん、文香さん」
比奈「またねーっス」
文香「…また会いましょう。」
タッタッタ…
比奈「行っちゃったっスね」
文香「…そうね。」
比奈「それにしてもこのブックカバー…材料は何スかね?」
文香「…ふふ、それは内緒」
比奈「そりゃないっスよ~、文香さぁん!」
文香(そうでしょ?みりあちゃん…プロデューサーさん...)
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