岡部「これが、俺たちの選択だよ」(911)

今日は鈴羽の誕生日らしいね! よろしい、ならばダルクリだ



ギャグありシリアスあり鬱あり厨設定ありの長編。書き貯め済み。

SG世界線にて橋田至×牧瀬紅莉栖、岡部倫太郎×○○が成立するif話です。

ダルクリがメインというわけではありませんが、オカクリ好きには本当におすすめしません。


最初の思い。


”あの3週間をともに過ごした紅莉栖のことを”

”俺は、俺だけは覚えているから。忘れないから”

”だから、これ以上は、望まない”


最初の覚悟。

続けなさい


最初の欲。


”せっかく封印しようとしていた、彼女への愛おしさが一気に溢れ出して”

”「なに!? 俺が守れだと!? やれやれ、勝手なことを言ってくれる!」”

”「いや、だから私はクリスティーナでも助手でもないといっとろう――……え?」”

”世界線が変わって、過去と未来が再構築されようとも、記憶には蓄積されている”

”ただ忘れているだけで、きっかけがあれば思い出すこともあるかもしれない”

”俺と君が紡いだ、想い出のことを”

”「これが『シュタインズ・ゲート』の選択だよ」”


最後の罠。


凄く無意味な時間だった
>>1は死ねばいいのにな^^





世界線漂流を経て、ついにたどり着いた幻の世界線――シュタインズ・ゲート。

ここはあらゆるアトラクタフィールドから孤立している。
ディストピアや第三次世界大戦の心配は今のところなく、紅莉栖もまゆりも無事に生きている。

最初はそれだけで十分だった。

だが平和な世界と偶然の紅莉栖との出会いは、俺に驕りと、耐え難い絶望を与えた。

そうして無限の意味を思い知った俺はlgdvg;:dssjbmngnlfscyrerrxd35:b;hjfh:l/nvo,jsmcvajrjkfvkjk




『……おか、べ……?』

                『牧瀬氏? ちょ、ひっくり返ってどうしたんだお』

     『そんな……岡部……うそ、でしょ……』

          『おい牧瀬氏。マジでどうし……』

  『いや……いや……!』

                   『オカ……リン……? あ、あぁぁ……!』




       『いやああっぁぁぁぁぁっぁぁああああああああッッ!!』

       『うわああぁっぁぁっぁぁっぁぁぁああああああッッ!!』






SG世界線、2010年9月某日。



僕は二次元も三次元も有機物も無機物だって愛せる、なんでもござれの博愛主義者である(キリッ
特に好きな三次元はフェイリスたん。二次元はいっぱい。数え切れない。

でも、本当に夢中になれる人は、この年になっても居なかった。

それこそ会った瞬間『君に一生萌え萌え☆キュン! 結婚してくれーーーーっ!』と求婚したくなるような、
そんな一目惚れな出逢いが無いと僕は本気になれないんじゃないかなって、心の底で、自嘲と共に魔法使いの覚悟をしてた。



そして、僕はオカリンを介し、彼女に出逢った。

こういうの書いてるときって死にたくならないの?


うわあああああ
うわああぁっぁぁっぁぁっぁぁぁああああああッッ!!とか赤面モノ

それがルカ子だった

ダル「……オカリン、その人だr……え、もしかして牧瀬紅莉栖さん……?」

紅莉栖「あ、こんにちは。牧瀬紅莉栖と申します。この……えーと」

岡部「未来ガジェット研究所、だ助手よ。さっさと覚えてもらわねば困る!」

紅莉栖「だから助手じゃないって言ってるじゃないですか! あなた、この研究所のメンバーの方ですか?」

ダル「キ…………キターーーーーーーーーーーーーッッ!!」

紅莉栖「ひゃぁあッ!?」

ダル「来た! 2人目の女子ラボメン来た! これで勝つる!」

紅莉栖「えっ、なっ」

ダル「僕、橋田至って言います! 君に一生萌え萌え☆キュン! 結婚してくれーーーーーーーッッ!!」

紅莉栖「はぁぁあッ!?」

岡部「初対面からフルスロットル過ぎるだろ! もう少し出力を落とせHENTAIめ!」

ダル「あでっ!」


アメリカで私は肩身の狭い思いをしていた。

研究所の同僚たちは、ほとんどが私を目の敵にしていた。女性蔑視ではない、アジア人蔑視。能力のある黄色人種を彼らは煙たがった。

純粋に質の高い研究をしたいならそんなものは意識的に切り離すべきだと思うのだが、
実を結びにくい脳科学分野はドロドロとした人間関係をたやすく醸成した。

対策として、私は心に防壁を作った。探求者然とした枠を己にはめ、煩わしい一切を鉄の精神で跳ねのけた。

やがて、防壁は外れなくなる。
どんな相手に対しても身構え、理論武装し、冷静に俯瞰するクセが身に着いていた。
当然、そんな私を好いてくれる人は現れるわけもなく。


そして、私は岡部を介し、彼に出逢った。

紅莉栖「岡部さん……なに、この人」

岡部「ラボメンきってのHENTAI……HENTAIの中のHENTAI。ラボメンNo.002橋田至、通称ダルだ。役職はスーパーハカー「ハッカー!」だ。
   今のようにHENTAIな妄言が目立つが、まぁ仲良くしてやってくれ」

紅莉栖「は、はぁ……」

ダル「妄言が目立つのはオカリンもだろうが! 厨二病に言動をとやかく言われる筋合いはないお!」

岡部「あれは厨二病ではないと何度言ったら! 凶気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真の崇高なる(ry」

ダル「はいはい厨二乙厨二乙。牧瀬氏も気を付けろよ。オカリンは街中でも平気で妄言吐くからな。不用意にとなりに居ると同じ目で見られるぜ」

紅莉栖「あぁ、さっきもケータイ耳に当ててエルプサイ……なんちゃらとかやってましたね」

ダル「うへあーもう洗礼受けてたんかよ! オカリンこそフルスロットル過ぎんだろ、自重しろ自重!」

岡部「お、ま、え、が、言うな!!」

紅莉栖(……なんだか、スゴいところに来ちゃったなぁ)


プロポーズしといてなんだけど、第一印象ははっきり言ってそれほどでもなかった。

『あぁかわいい、顔かわいい、敬語かわいい、声かわいい、ツッコミかわいい』

その程度の感想だった。
そこから数日経っても、テンプレツンデレかわいいが足されたくらい。
まゆ氏への気持ちと同じくらいで、特別な気持ちは何もなかった。


転機は、やはりあの日だろう。


第一印象ははっきり言って最悪。

初対面でプロポーズはあり得ない。頭のネジが飛んでるとしか思えない。

そこから数日経って、印象はさらに悪くなった。
いくらなんでもHENTAI過ぎる。補導歴が無いことに素で驚いた。
もはや絶滅危惧種になりつつあるザ・オタクな風貌で、オープンHENTAIでピザでキモオタって完璧すぎていっそ感慨を覚えた。

もちろんどうとも思ってなかった。マイナス方向に振り切っていた。


転機は、やはりあの日だろう。

紅莉栖「……」

ダル「……牧瀬氏? どしたん?」

紅莉栖「……へ、あ、いえ! なんでもないですよ、なんでも」

ダル「そんななんでもありそうなテンプレ反応返されたら逆に困るお。なんかお悩み? 恋のお悩み?
   ならこの橋田至に言ってみなさい。エロゲで鍛えた1000の恋愛スキルを牧瀬氏に伝授して差し上げ」

紅莉栖「橋田さんって、岡部さんと仲良いですよね?」

ダル「……おおっとぉ、メシマズの予感!」

紅莉栖「どうなんですか?」

ダル「……あいつとは高校2年からの付き合いだお。
   2年からずっとツルんでたわけじゃないけど、まゆ氏に次いでよく知ってるとは思う」

紅莉栖「ほんとですかっ!? じゃあ」

ダルクリ「「岡部さんのこといろいろ教えて下さい!」」

紅莉栖「……えっ、どうして……」

ダル「はぁ……オカリンのこのフラグメイカーっぷりはなんなん? マジ爆発しろ……」

支援

ダル「……つーわけで、女性遍歴は皆無に等しいお。まゆ氏曰く昔はかなりモテたらしいけど、厨二を発症してからはそれも鳴りを潜め。
   大学では僕と魔法使いの誓いをするレヴェルになっちった」

紅莉栖「魔法使いってなん……はッ!!」

ダル「んん~~? 牧瀬氏牧瀬氏ぃ、いま何を想像したのかな。ちょっと僕に教えてくれん?」

紅莉栖「い、言うかHENTAI!」

ダル「牧瀬氏ってさ、男のスラングにもけっこう通じてるよな。あれなん? ムッツリなん? エロ知識蓄えまくりなん?」

紅莉栖「ムッツリじゃないです! あんまりナメたこと言ってるとマジぶっころしょ!」

ダル「……え?」

紅莉栖「……はッ!」

ダル「今の、ブロント語……? 牧瀬氏まさかブロンティ」

紅莉栖「ち、ちがう! マジぶっ殺しますよって言おうとしたのが噛んで縮んじゃったんです! そんなことでブロンティスト認定する浅はかさは愚かしい!」

ダル「……牧瀬氏……」

紅莉栖「……orz」

紅莉栖「そうですよー私はブロンティストですよーそれどころかねらーですよー@ちゃん無いと生きてけないレベルのガチねらーですよー」

ダル「ま、牧瀬氏そんな落ち込まんと。ネラーでもブロンティストでもいいじゃん。なんか僕、親近感湧いたし」

紅莉栖「……親近感?」

ダル「うん。やっぱ大学飛び級の才媛っていうとちょっと腰が引けてたとこがあったんだけどさ」

紅莉栖(腰が引けてる状態であれだけHENTAIを連発してたのかよ!)

ダル「庶民的なとこを見れたから安心したお。牧瀬氏も同じ人間なんだ、って」

紅莉栖(……ふん、なによ。結局それって、自分と同じ低レベルの人間だと認識したから安心できたってことでしょ。イヤな奴……。
    あ、駄目よ私。しっかり壁を作って……)

ダル「……牧瀬氏?」

紅莉栖「いえ、なんでも。それで、岡部さんの話に戻りますけど……」


岡部には好意を抱いていた。
どこからともなく現れて、訳の分からないことを言いながらも父の凶刃から私を救ってくれた人。
厨二病だけど、時おり慈しむような目で私を見ていることには気付いていた。
好意より興味が勝っていたからこそ橋田に相談できたのだけれど、こんな気持ちは生まれて初めてだった。


橋田には嫌悪を抱いていた。
単純にHENTAI過ぎて嫌いだったけど、さっきの一言は私の自尊心に強く爪を立ててくれた。
こういう黒い気持ちは向こうでよく感じたな……と、この時の私は思い込んでいた。


好意と、嫌悪。

ダル「だから、牧瀬氏からどんどんアプローチしてけば、オカリン程度すぐ陥落できると思うお」

紅莉栖「……なるほど、ありがとうございます橋田さん」

ダル「いえいえ。ところで牧瀬氏はどうしてオカリンが好きなん? 参考にするんでヨロ!」

紅莉栖(……何それ。岡部さんを真似ることで私に好かれたいってこと? 何言ってんのこのピザ。自重しろ)

紅莉栖「……詳しくは、色々あってちょっと言えません。ただ、岡部さんは危ないところを助けてくれたんです」

ダル「へぇー、さすがオカリンてば主人公体質。じゃああれか、るか氏と同じパターンか」

紅莉栖「漆原さん? 漆原さんも彼に助けられたんですか?」

ダル「うん。るか氏の巫女さん衣装をコスと勘違いしたカメ子がるか氏に言い寄ってて、そこをオカリンに撃退されたんだよ」

紅莉栖「ふぅーん……」

ダル「おお? 女豹の目になったお今。3次元こえー!」

紅莉栖「は、はぁ!? な、なにを言ってるんですか」

ダル「るか氏が恋敵になるかもって心配したんしょ?」

紅莉栖(な、なんなのよコイツ! ズケズケと……!)

ダル「大丈夫大丈夫。だが男だ」

紅莉栖「……は?」

本日のマグマスレ

紅莉栖「……う、そ……」

ダル「マジ。るか氏男の子。正確に言えば男の娘」

紅莉栖「いやそれ口頭じゃ何言ってるか分かんないですから」

ダル「さすが牧瀬氏お見事なご指摘。ねらーの称号は伊達じゃないっすなー」

紅莉栖「う、うっさい! ……漆原さんが男……か」

ダル「信じらんないのも無理ないお。こんど確認させてもらったら?」

紅莉栖「だ、誰が確認なんてするもんですかこのHENTAI!」

ダル「あれれ~??
   おっかしいな~僕は胸を触ってみればいいってつもりで言ったんだけど牧瀬氏は一体全体どんな風に取ったのかな~ね~牧瀬氏~」

紅莉栖(う、UZEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!)

紅莉栖「む、む、胸だって男の人を触るのは抵抗ありますよ! 当然でしょ!?」

ダル「ほっほぉん。ま、そういうことにしといてやるお」

紅莉栖(こんのHENTAIキモオタピザ野郎がぁぁ……!)

地面か・・・


苛立ち。

それを感じるということはつまり、すでに壁が壊されていたということ。

この時の私は気付けなかった。

ある日。

岡部「おい助手」

紅莉栖「はいはい助手ですよ」

岡部「……え」

紅莉栖「え、ってなんですか」

岡部「……い、いやなんでもない」

紅莉栖「岡部さん?」

岡部「ク、クリスティーナ」

紅莉栖「だからなんですか?」

岡部「え、あ……」

岡部「いやいいんだ。なんでもない……」

紅莉栖「はぁ、そうですか。変なの」

紅莉栖(……)

紅莉栖(ぃよし! やったぜ! 橋田さんの読み通り!)


紅莉栖『あ゛ーもー……橋田さぁん、岡部さんのあの呼び方どうにかしてもらえませんか? 私じゃからかわれるだけだから、橋田さんから言って下さいよ』

ダル『いやいや、牧瀬氏の見事なイジられっぷりも悪い。
   いちいち反応してやるからオカリンが調子づいたまんまなんだお。逆にその呼び名を受け入れてやれば大ダメージ間違いなしだな』

紅莉栖『……なるほど?』


紅莉栖(橋田さんGJ! ありがとう! ちょびっとだけ株を上げておくわ! ホントにちょびっとだけど!)

ある日。

紅莉栖「どうして話してくれないんですか」

岡部「……すまんな」

紅莉栖「私は……根っからの研究者ですから。分からないことは何でも究明したいタチなんです!
    岡部さんが話さなくても、私自身の力で見つけてみせますから!」

岡部「あぁ……まぁ、頑張れ」


岡部(……ごめんな紅莉栖。言うわけにはいかないんだ)

岡部(SG紅莉栖には、『助手やクリスティーナと呼ばれても嫌がらない』という新たなキャラクターが発生している)

岡部(不用意にRSを喚起すれば、この世界線の彼女がどうなるか分からない……)

岡部(俺の身勝手で、今のお前を消すかもしれんような愚は犯せないんだ……)

オカクリ好きだがこれは面白そうだ

ダルクリとな

ある日。ラボからの帰り道。

紅莉栖「……はぁ」

ダル「最近、牧瀬氏ため息多いっすなぁ」

紅莉栖「ちょっとねー……」

ダル「オカリン絡み?」

紅莉栖「うぐ。なんで分かんのよあんた……まぁそうなんだけど。ねぇ橋田」

ダル「ん?」

紅莉栖「記憶にないことが口から飛び出しちゃったことってない?」

ダル「記憶にないこと? 例えば? デジャブ的な?」

紅莉栖「そうじゃなくて……そうね。ある人物間での不文律があるとする。
    Aさんが『あ』って言ったらBさんは『うん』って返す、そういう決まり」

ダル「ほむ」

紅莉栖「でも、その決まりを決めた覚えなんてないのよ。なのに、現在のAさんの『あ』にBさんは『うん』で答えた」

ダル「ん……んん? なんぞそれ、偶然Bさんはうんと答えたんじゃなくて?」

紅莉栖「違うわ。ある種の確信を持って、しっかりと受け応えた」

ダル「イミフ。そんなこと有り得るん?」

紅莉栖「……有り得ないわよね。初めて訪れる場所に既視感を覚えることはあっても、初めての問答に流暢に応えたなんてケース、聞いたことないわ」

ダル「……それが、オカリンとあったわけか。どっちが答えたん?」

紅莉栖「私」

ダル「オカリンと昔会ったことがあって、その時の定番の問答だったってことは?」

紅莉栖「過去の面識の有無は既に調べたわ。皆無。アキバが初対面よ」

ダル「どこかで聞いていて、それが印象に残っていた可能性」

紅莉栖「伝聞での記憶のような漠然としたものではなかった。こう来たらこう返す。すらりと出て来たわ」

ダル「……ふぅむ、オカリンには?」

紅莉栖「もちろん聞いたわよ。聞いたけど教えてくれなかったの」

ダル「……最近のオカリンはなんか秘密主義だからなぁ。ラボメンバッヂも8人分あって、しかも8人目は7年後にどうこうとか」

紅莉栖「……なにそれ。詳しく聞かせて」

紅莉栖「なんてこと……! そうよ、十分に材料はあったじゃない!
    見ず知らずの私を助けた岡部! あの問答! どうしてラボメンバッヂに既に私の頭文字が刻印されていたのか! 8つの頭文字! 7年後!」

紅莉栖(どうしてこの程度のことに気付かなかった!? まるで、発想そのものが何者かにシールされていたみたい……!)

ダル「オカリンに未来視の能力でもあるってか? ないない(笑) いつもの厨二病っしょ」

紅莉栖「カッコワライ言うな! そうでもなきゃ辻褄が合わないでしょ!」

ダル「いやぁ……だって、あのオカリンだぞ?」

紅莉栖「あ、あの岡部だけど。とりあえずこの材料だけ持ってもう一回話を付けてくる!」

ダル「……僕も行こかな」

紅莉栖「橋田も?」

ダル「盛り上がってる牧瀬氏見てたら僕もなんか気になってきた。行くお」

紅莉栖「……ん、分かった。着いてきなさい!」

ラボ。

岡部「……言えない」

紅莉栖「ど、どうしてよ岡部。どうして言えないの? どうしてそんなにも頑ななの……?」

ダル「……」

岡部「すまん……言えないものは言えないんだ。すまん……!」

紅莉栖「……ッ!」

バッ! バタン!

ダル「……なぁオカリン」

岡部「……なんだ」

ダル「オカリンが黙ってるのって、もしかして牧瀬氏を守るためとか?」

岡部「ッ……そうだ。さすがは我が右腕だな。知られてしまっては……マズいんだ」

ダル「……ぉk、分かった」

キィー、バタン


僕にとっての革新はこの時か。

ラボメンとはいえ、こんなにも彼女を気にかけている理由に、僕は思い当たり始めていた。

ダル「……牧瀬氏」

紅莉栖「……なによ」

ダル「ほい」

紅莉栖「きゃッ!? つ、冷たいわよばか! ……あ、ドクペ」

ダル「ん」

紅莉栖「……ありがと」

……コクリ

紅莉栖「ふぅ、やっぱり知的飲料はネ申ね。脳が澄んでいくのが分かるわ」

ダル「そうかお。じゃあちょうどいいな。牧瀬氏、もうオカリンにバッヂのこととか聞くのやめれ」

紅莉栖「……なんでよ。どうしてやめなきゃいけないの。ていうかどうして橋田にそんなこと」

ダル「オカリン、血が滲むほど唇噛みしめて、黙んなきゃいけない理由があるっぽい。何を隠そう、牧瀬氏のために」

紅莉栖「……私のため?」

ダル「あいつからは言えないみたいだから、とりあえず右腕であるところの僕が『牧瀬氏のための理由がある』ってことだけ伝えますた」

俺得だ

支援

紅莉栖「……ふん」

ダル「この秘密を暴かないと、牧瀬氏に何か不利益でもあるん?」

紅莉栖「私の沽券に関わる」

ダル「んじゃ今回だけは自分を曲げて、納得してやれお。オカリンのためにさ」

紅莉栖「……」

ダル「あいつに助けられた借りがあるんしょ? だから、今回のでおあいこってことにしたらいいんじゃね」

紅莉栖「……なんなの橋田。あんたって岡部の女房役だったわけ。キショクわる」

ダル「いや普通に友達だし。友達が困ってたから斟酌してやっただけだお」

紅莉栖「……ともだち」

ダル「そんなETみたいなイントネーションで返さんでも……。こういうのが友達ってもんだろ? ……まさか牧瀬氏」

紅莉栖「違うわよ? ぼっちじゃないわよ? アメリカで友達一人も居ないからネットに娯楽を求めに逃げたとか全然そんなことないから」

ダル「……牧瀬氏……」

紅莉栖「……orz」

紅莉栖「……分からないことは、なんでもかんでも知りたがる性分なのよ。
    だからこそこの年で脳科学の研究者になることが出来たし、だからこそ周囲に面倒くさく思われたのね」

ダル「……」

紅莉栖「まだ納得はいってないわ。岡部の秘密を暴いてやりたい。でも……私のためなんでしょ? そんな理由、初めてよ、卑怯よ……」

ダル「なぁ、牧瀬氏」

紅莉栖「なに」

ダル「オカリンの秘密は聞きたがったけど、僕には聞かんの?」

紅莉栖「……は? 橋田? あんたもなんか秘密あんの?」

ダル「あるかもよ?」

紅莉栖「あってもどうでもいいわ。興味ない」

ダル「へぇ、それっておかしくね? なんでもかんでも興味あるんだろ?」

紅莉栖「……あ」


研究でも対人関係でもなんでも、”なにか”を暴く時には快感がある。

それが好きだった。
私が知りたがりなのはこの快感を求めてのことだ。


だが、橋田には興味が湧かなかった。まゆりもだ。漆原さんもか。萌郁さんも。フェイリスさんも? 岡部だって例の秘密以外は、別に。……。

ラボメンのみんなを暴く気が、私には無かった。
何故だろう。簡単なことだった。

暴きたがりなのは研究者の私だ。
向こうでは、研究者の私を脱げなかった。
脱げなかったから、誰に対しても暴きたがった。

日本。
ラボに来て、私の研究者の殻は、岡部を初めとしたラボメン達の手で脱がされてしまったのだ。

ダル「な?」

紅莉栖「……」

ダル「なんでもかんでも興味持たないと、向こうではやってけないんしょ?
   えーっと? 万物に興味を持ってないとセレンディピティは得られない、とか大学の講義でやってた気がするお」

紅莉栖「……」

ダル「こっちではそんな気ぃ張らなくていいんじゃね。ラボでぼーっと、まゆ氏の隣で洋書読んでればいいと思う」

紅莉栖「……」

ダル「でー、オカリンは例によって例のごとく厨二電波飛ばしまくって、僕はスルー安定でエロゲしてて」

紅莉栖「エロゲは要らない」

ダル「えぇー? 僕はラボにエロゲをしに来てると言っても過言ではないと言うのに」

紅莉栖「あはは、橋田のHENTAI」

ダル「褒め言葉です(キリッ」

紅莉栖「HENTAI。ドHENTAーI。……ありがと」

なにこれきもすぎてわろた

ダル「へ? 今なにか」

紅莉栖「HENTAIも過ぎると通報するわよって言ったの。ほれ橋田、ちょっとメイクイーン付き合いなさい」

ダル「うえ? なんでメイクイーン? 牧瀬氏好きだっけ?」

紅莉栖「うるさいわね、ごちゃごちゃ言わない。いいから行くの。私の筋を曲げさせた礼をしなさい」

ダル「えぇー、い、今持ち合わせが……」

紅莉栖「じゃあそれ全部使って。はーおなか空いたー何食べようかしら」

ダル「横暴だお~……」

紅莉栖「ほーら、行くわよ!」

ダル「え、ちょ。牧瀬氏、手……」


私にとっての革新はこの時か。

ラボメンとはいえ、こんなにも私を見、気にかけてくれる彼に、私の嫌悪は裏返り始めていた。

ある日。2人きりのラボ。

紅莉栖「橋田ー、そのエロゲ何?」

ダル「へ、え? 何って抜きゲだけど」

紅莉栖「抜きゲって……たしか、男の人のソレに使う用、よね?」

ダル「ソレって何? 牧瀬氏牧瀬氏ソレって何?」

紅莉栖「ソ、ソレはソレよ! ソレでしかない! ていうか抜きゲをラボでやるな!」

ダル「いやいや、抜けない空間で抜きゲをやるってのも乙なもんなんだぜ?
   このジリジリ感? 帰ってからやると何故かヤケに捗るしさ。牧瀬氏分かる? ま~わっかんないだろ~な~」

紅莉栖「……分かってたまるかこのドHENTAIが!!」

ある日。2人きりのラボ。

紅莉栖「橋田は何味が好きなの?」

ダル「僕はやっぱトンコツかなー」

紅莉栖「共食い乙」

ダル「う、うっせーお。コッテリ旨いじゃん」

紅莉栖「そんなだからぷよぷよなのよー」ペチッ

ダル「おわっ!?」

紅莉栖「……あ」

ダル「ちょ、ま、牧瀬氏……? 申し訳ないけど脈絡のないボディタッチはNG(約束)。するならもうちょっと段階を踏んでから」

紅莉栖「な、なんの段階だHENTAI! へ、HENTAI……」

ダル「そ、そっちからやってきた癖にそっちがしおらしくなるのはズルいお! 僕もうお嫁に行けない! 牧瀬氏、責任とって!」

紅莉栖「と、とるかバカ!」

ある日。2人きりのラボ。

紅莉栖「はぁー……スゴいわ。あんたの電子工作の腕はやっぱり特一級ね……」

ダル「ふひひ、お褒めに与り光栄だお。興味あることにはトコトンが僕、ってね」

紅莉栖「興味あることにはトコトン……か。私と同じね」

ダル「言われてみればたしかに。あ、でも僕は論破厨だったり暴き厨だったりしないんでそこんとこは混同しないでください」

紅莉栖「悪かったな! ていうかこっちでは暴き厨じゃないでしょうが!」

ダル「なんか最近僕に色々聞いてくるじゃ~ん。あれも暴きの本領発揮じゃないの?」

紅莉栖「え……橋田、いや、だった?」

ダル「はえ? 別にいやじゃないけど?」

紅莉栖「そ、そう。それなら良かった、うん……」

ダル「ん……ん? なに牧瀬氏、僕なんかマズいこと言った? あ、もしかして混同がコンドームに聞こえたとか」

紅莉栖「死ねHENTAI!!!!」

SG世界線って鈴羽が生まれるのは確定してないんだっけ
鈴羽が生まれる場合はダルの浮気が確定事項なわけだが


秘密への興味ではない。
橋田への興味があった。

毎日、あいつと2人きりになる瞬間が来ると嬉しくなった。
橋田の色々が知りたかった。
でも、絶対ないと思うけど、橋田の女性遍歴とかは、知りたくないと思った。
知りたくないという思考に驚き、嬉しくなった。


岡部への興味は薄れていた。

私のためとはいえ、秘密を抱えられるというのはあまりいい気がしないのは確かだったから。
岡部と2人になる時は橋田とのそれよりずっと多かったけど、あまり心は動かなかった。
感謝と好意は別物だ。
根底には結局知りたがりなところがあるんだな、と客観視して、そうして関心を外した。

ある日。2人きりのラボ。

紅莉栖「またエロゲ? ……って、その、子」

ダル「……」

紅莉栖「わ、わ、私にそっくりじゃない! 何考えてんのよアンタ!」

ダル「その反応を見たいと考えてますた!」

紅莉栖「ドHENTAIが!! 即刻プレイを終了してデータを消去しなさい!」

ダル「だが断る!」

紅莉栖「断る権利があると思うな! こんの、とりあえず洋書で再起不能にして」

ダル「ちょ、ときに落ち着け! な、なんだよ牧瀬氏。牧瀬氏に似てるからってプレイしちゃいけないん?」

紅莉栖「いけないに決まってんでしょ!」

ダル「な、なんでさ。僕この子お気に入りだから絶対攻略したいんだお!」

紅莉栖「お、お気に入りって……」

ダル「こ、こ、この子は、その、ま、ま……」

紅莉栖「……な、なに」

ダル「……マニア向けなんだお! 前より後ろでされる方が好きっていう子でエロシーンは全編そっちの穴オンリー!
   喘ぎ声もエロかわいくてこのシリーズじゃダークホースの(ry」

紅莉栖「…………」

ダル「……あれ、急に悪寒が。やけに肌寒いな。牧瀬氏、その洋書を下ろそう。両手でプルプルしながら持ってるその洋書を下ろそう」

紅莉栖「……えぇ、下ろすわよ……」

紅莉栖「アンタの頭の上に、ねッ!!」


ウボァー……

ある日。2人きりのラボ。

紅莉栖「あれ橋田、まだ残ってやってるんだ。精が出るわね」

ダル「あ、牧瀬氏。うん、コイツをイジり終えてから帰ろかなって。あと今の精が出るわねってのを」

紅莉栖「黙れ。メドは着いてるの? そろそろ終電じゃない?」

ダル「まー……終わんなかったら泊まるし。牧瀬氏こそそろそろ帰れお。夜は危ない」

紅莉栖「あ、ありがと。言われなくとももう帰るわ。でもちょっと時間あるから、コーヒー作ってあげる」

ダル「牧瀬氏エキスたっぷりのコーシーktkr! いろいろ捗る!」

紅莉栖「お疲れさまー」

ダル「ちょ、待! 冗談です! 作ってください!」

紅莉栖「HENTAIを挟まないと会話できないのか己は……はいどうぞ」

ダル「ひゃっほう! 牧瀬氏エキ(ry」

紅莉栖「頭から飲むか?」

ダル「口から飲ませてくださいお……」

紅莉栖「ん。もう夜遅いんだから、ポテチとか間食は控えなさいね」

ダル「……牧瀬氏、母さんみたいだお」

紅莉栖「は!? か、か、母さんってなんで私がアンタの奥さんになんなきゃいけないのよ!? ばばば馬鹿なの!? 死ぬの!?」

ダル「えっ」

紅莉栖「……えっ?」

ダル「……母さんって、文字通り僕の母親みたい、って意味だったんだけど……」

紅莉栖「あ……な、あ……」

ダル「な、なんつー連想してんだお、牧瀬氏……」

紅莉栖「わ、分かり辛いこと言うアンタが悪いんじゃない……」

ダル「……」

紅莉栖「……」

ダル(な、なんでこんな時に黙ってんだお僕、何やってんだ、いつもの押せ押せはどうしたんだよ、うぅ……!)

ダル「ま、牧瀬氏!!」

紅莉栖「は、はい!!」

ダル「……終電、大丈夫かお」

紅莉栖「へ? ……あ、あああッ!! マズい時間ない急がなきゃ橋田あと頑張ってねお疲れー!」ガチャバタン!

ダル「お、乙ー……」

ダル(終電大丈夫か、だって。はぁ……)

ある日。2人きりのラボ。

紅莉栖「……」

ダル「牧瀬氏、スプーンなんか見つめてどしたん?」

紅莉栖「あっ……いや、なんでもないわよ……」

ダル「そのなんでもありそうなリアクションはさっさと改めるべき。で、スプーンが?」

紅莉栖「う……ね、ねぇ橋田」

ダル「ん?」

紅莉栖「あんたって……その、マ、マイフォークとか、いたことは……」

ダル「マイフォーク? マイ箸的な? いや持ってないけど……ん、『いた』ってなんぞ?」

紅莉栖「……ッ!」

ダル「マイフォークがいた? なんかの隠語かお? なに、なぞなぞかなんか?」

紅莉栖「あっ、やっ、なんでもない! なんでもないから! あんたの聞き間違いよ! これ以上の追求は禁止!」

ダル「そんなこと言われたら追求したくなっちゃうって……『いた』ってことは、たぶん人物だよな」

紅莉栖「……っ……」

ダル「待てよ、牧瀬氏が持ってんのはスプーンだよな?
   なのにマイフォーク? ……てことは、マイスプーンて隠語ももしかしてあるのかお?」

紅莉栖「ッ違う! ぜーんぜん的外れ! ひ、一人で何突っ走ってんのよ橋田!」

ダル「牧瀬氏演技下手すぐる……マイスプーン、マイフォークが隠語なのは確定、と。
   で、マイフォークが居たことがあるかどうかを牧瀬氏は聞いたわけだろ……。
   隠語が人物だと仮定すると、マイフォークさんは居たり居なくなったりするってことだよな?
   ……両親、兄弟、姉妹、親戚……が居たことがあるか……日本語が変だお、こいつらは違う。
   ……友達、親友、恋人……友達が居たことがあるか……親友が居たことがあるか……

   恋人が居たことがあるか………………、……恋人が居たことがあるか?
   あ、これ一番自然………………ん?」

紅莉栖(そ、そんなばかな……!)

ダル「あ……まき、せし? つ、つかぬ事をお伺いするけど、そのー、マイフォークってのはまさかー……」

紅莉栖「ちっちっ違う違うの! 違うんだってば!
    マイスプーンは友達だけど、マイフォークは恋人なんかじゃない! 恋人なんかじゃ…………あ……」

ダル「……また、自分で……」

紅莉栖「……うううぅ~ッ! そ、そうよ! 橋田に恋人居るかどうか気になったの!
    さ、最初は絶対いないって思ってたけど、アンタけっこう良いところたくsだぁぁーッッ!!
    お、同じラボメンとしてそのくらい知る権利あるでしょ!? あるの!! ほら、早く答えなさい!!」

ダル「え、え?」

紅莉栖「えーじゃない! 恋人! 居るの! 居ないの!」

ダル(え、あ、な、なな? なんぞこれ? 恋人いるか? え? なんで僕こんなこと聞かれてんの?
   なんで牧瀬氏顔真っ赤なん? イミフ、僕の脳の処理能力を越えてるおイミフイミフマジイミフ)

ダル「そ、そりゃー! もちろんいるおー!」

紅莉栖「え……あ、そう、なんだ」

ダル「う、うん! ね、ねねちゃんだろ、しおりちゃんだろー、ほのかちゃんだろー」

紅莉栖「そ、そんなに……?」

ダル「りんこちゃんにー、かいちょうにー、フラウにー」

紅莉栖「……かいちょう? ふらう? ……アンタまさか」

ダル「そ、そう! 二次元に嫁が居るっていつも言ってるっしょー! みーんな僕の嫁だおー!」

紅莉栖「……」

ダル「ひっ……ま、牧瀬氏? どうして洋書を手に持ったんだお……?」

紅莉栖「別に。手に持っただけよ」

ダル「どどどどうしてこっちに近付いてくるんだお!?」

紅莉栖「別に! 近付いてるだけよ!!」


牧瀬氏が、僕に淡い興味を抱いてくれていることを自覚した時。

僕の持ち味の積極性はどこかへ飛んでいってしまった。



今どき小学生でもしないような婉曲アピールを繰り返し、枕に顔突っ込んで足バタバタする毎日。

自他ともに認めるオープンHENTAIの僕がこの体たらく、不思議な気分だった。

彼女をホントに好きだからこうなるんだなって、思った。

メイクイーン。

フェイリス「おーまたーせニャーンニャーン! どうぞダルニャン、オムライスニャー!」

ダル「世界がヤバイキターーーーーーーーー!! フェイリスたんの丸文字に反して僕の僕がとがりそうです!!」

紅莉栖「自重しろHENTAI!!」

フェイリス「クーニャンにはアイスコーヒーになりますニャ。ブラックでよかったかニャ?」

紅莉栖「えぇ。でも目を見て混ぜ混ぜはお願いするわ」

ダル「ブラックで混ぜ混ぜ! そういうのもあるのか!」

フェイリス「かしこりましたニャン! では失礼して……ニャ~ンニャ~ン……」

カランカランカランカラン……

フェイリス(……ニャ? ……クーニャン睨んでニャい? フェイリスのこと睨んでニャい?)

紅莉栖「………………」

フェイリス(フェイリスの頭でダルニャンからはクーニャンが見えてニャい……!
      け、計算されてるニャ! 確実に睨まれてるニャ! 視殺されそうニャ! こえぇニャァ~!)

ダル「ちょ、牧瀬氏裏山! こんな長い間フェイリスたんに目を見て混ぜ混ぜしてもらえるなんて……! ※か! ただし美人に限るのか!」

紅莉栖「………………」ニコリ

フェイリス(ひ、人の気も知らニャいで! 目を離したら取って喰われそうニャァ~!)

柳林神社。

るか「あ……橋田さんに牧瀬さん! こんにちは、お二人がうちに来られるなんて珍しいですね」

ダル「オカリンに修行を見てこいとかイミフなこと言われてね、散歩がてら来たんだお。で、牧瀬氏はるか氏に会いに来たと」

紅莉栖「岡部は今ラボで課題に追われてるわ。ガジェット製作にばかりかかずらって、学生の本分を疎かにするなんて言語道断よね」

ダル(僕も共通科目は散々だってことは黙っt)

紅莉栖「共通科目は散々などこかのピザにも重々気を付けてもらわないと。そう思わない、るか?」

るか「あ、あはは……」

ダル「委細承知ですかそうですか……」

紅莉栖「どう? 修行(笑)はどんな調子?」

るか「はっ、はい! 毎日欠かさず鍛錬してるおかげで、最近は30回は出来るようになりました!」

ダル「ほえー、先月は一桁ばっかだったよな? 30回ってかなりの進歩じゃね? 僕が今そんなやったら二の腕ブルブルしちまうお」

紅莉栖「脂肪でね。この調子ならいつか師匠(笑)を越えられるんじゃない?」

るか「ぼ、僕が岡……凶真さんをですかっ!? む、無理ですよ! そんな畏れ多い!」

ダル「お、畏れ多い?? オカリンに最も似合わない形容詞の一つだお……」

紅莉栖「むしろ岡部がるかに対して畏れ多いわよね……」

支援

あかん…

ブラウン管工房。

萌郁「橋田君……牧瀬さん……」

綯「あ、ダルおじさんと助手のおねえちゃん! こんにちは!」

紅莉栖「綯?」

綯「……く、紅莉栖おねえちゃんこんにちは……」

ダル「いつも通りの閑古鳥すなー。こんなんで大丈夫なん?」

萌郁「……店頭販売は、おまけみたいなものだから……裕吾さんの、出張買い取りとか、業者への売買が、主な収入源……」

紅莉栖「なるほど、需要もあるところにはあるのね。橋田も売上げに貢献してあげたら?」

ダル「だが断る。僕にはREGZAたんが居ますんで」

紅莉栖「宣伝乙。どう綯、ラボは楽しい?」

綯「はい! ガジェットのお手伝いはまだ出来ないけど、回路作るのとかすっごく楽しいよ!」

ダル「綯たん結構飲み込み早くて教えがいがあるんだよ。牧瀬氏も専門のこと教えたげたら? スルスル覚えると思うお」

紅莉栖「……」

ダル(……牧瀬氏?)

サンボ。

紅莉栖「ギ、ギブ。もうギブ。橋田あとお願い」

ダル「牧瀬氏の睡液がトッピングされた究極の牛丼ktkr! 海原雄山も失禁コピペするレヴェル!」

紅莉栖「あんた飲食店でそういうこtうぐぅ……HENTAI台詞にツッコむ気力もないわ……胃が破裂する……」

ダル「つかどうして僕と同じサイズなんか頼んだん? 牧瀬氏そんな食べないのにさ」

紅莉栖「……同じのが食べてみたかったの」

ダル「味は同じなのに? ふぅん」

紅莉栖「い、いいから食べてよ。視界に入ってるだけでもうキツい」

ダル「オーキードーキー! 牧瀬氏牛丼なら何杯でもいけちゃうお!」

紅莉栖「……」

ダル「……あの、牧瀬氏?」

紅莉栖「へ?」

ダル「そ、そうまじまじ見られると気になると言いますか……」

紅莉栖「え、あっ! ご、ごめんね……」

ダル「……いや、うん……」

ある日。2人きりのラボ。
< ……になる長女を絞殺しようとしたとし、××県警は××県××市、会社員××××容疑者を殺人未遂容疑で……

ダル「……牧瀬氏? ちょ、どしたん?」

紅莉栖「……」

ダル「牧瀬氏ってば。……おい、牧瀬氏!」

紅莉栖「はッ!? あ、は、橋田……」

ダル「どうしたんだお。なんかスゴい顔してニュース見てたけど」

紅莉栖「な、なんでもないわ。大丈夫よ」

ダル「大丈夫なわけあるか。まだ顔ひきつってるお」ギュッ

紅莉栖「大丈夫……」

ダル「んな言い聞かせるように言わんでも……。今のニュースの人が知り合いだったとk」

紅莉栖「大丈夫だって言ってるでしょ!」

ダル「っ!」

紅莉栖「あ……」

ダル「ご、ごめんお……」

紅莉栖「は、橋田は何も悪くないわ。ごめん……」

紅莉栖「ごめん……ごめんなさい橋田。あんたに当たったって仕方がないことなのに」

ダル「ふ、ふひひ、気にすんなお。牧瀬氏の罵倒なんてどの業界でもご褒美ですしおすし」

紅莉栖「……何言ってんだか。ありがとHENTAI」

ダル「どういたしましてー」

紅莉栖「……」

ダル「……」

紅莉栖「……今は、ごめん。言いたくない」

ダル「……ん」

紅莉栖「いつか、もう少し整理が付いたらあんたにも話すわ。……話したい」

ダル「分かった。……それまで待つお」

紅莉栖「うん……」

ダル「……」



ダルクリ((……あれ、何この空気))

支援しとこう

紅莉栖「ア、アアアンタいつまで人の手引っ掴んでんのよ! いいかげん離せHENTAI!」バッ!

ダル「あっ、ご、ごめんお! い、いやぁー牧瀬氏の手があんまりプリチーだったもんで、ついつい握っちゃいましてー」

紅莉栖「お、女の子の手を気軽に握るんじゃない! 直接的なHENTAI行為はしないヤツだと思ってたのに!」

ダル「そ、それはその、あれだお、ま、真っ赤に燃えて光って唸った僕の手が牧瀬氏の手を掴めと轟き叫ん(ry」

紅莉栖「ワ、ワケわからんわこのHENTAI! 謝罪と賠償を要求する!」

ダル「ふ、震えてたもんだからあっためなきゃって思って! とっさに握っちゃったんだお! ごめん!」

紅莉栖「ッ……」

ダル(……な、何を僕は自分から誤爆してんだお……!?)

紅莉栖(あ、あああ、あっためなきゃとか、は、橋田何言って……!)

ダルクリ((……))モジモジ

ダルクリ((き、気まずい……! 誰か早く来t))

ガチャッ

まゆり「トゥットゥルー♪ まゆしぃでーす☆」

紅莉栖「まゆりぃぃぃぃぃいいいいいいいッッ!!」ダキッ!
ダル「まゆ氏ぃぃぃぃぃいいいいいいいッッ!!」ダキッ!

まゆり「わわわ~!? ど、ど~したの~2人とも~」


僕と牧瀬氏は、気付けば一緒に行動することが多くなっていた。

特別な何かがあったわけじゃない。けれど、いつも隣でバカ話に花を咲かせていたように思う。

笑った顔、怒った顔、真面目な顔、真っ赤な顔。
目まぐるしく変わる彼女の表情を独り占めしている時、僕の心はどうしようもなく浮かれた。

彼女との時間がとても切なくて、愛おしかった。


私と橋田は、気付けば一緒に行動することが多くなっていた。

特別は何もなかったけど、彼との他愛ない話を楽しんでいる私が居た。

毎日の橋田との出会いに心を躍らせ、毎日の橋田との別れに甘い感傷を滲ませた。

彼との時間がとても切なくて、愛おしかった。

SG世界線でオカクリにならないって何か複雑だな…
でも支援




そして、僕と私の運命の日。


2010年10月下旬。秋葉原駅前。

まゆり「紅莉栖ちゃん~……寂しいよ~……」

紅莉栖「私も寂しい……。でも、こんな長い期間こっちに居られただけでも僥倖だったのよ。年末にはまた来るから、泣かないでまゆり」

ダル「キマシタワー……」

紅莉栖「聞こえてるわよ橋田!」

フェイリス「ニャ~……クーニャン、あっちでも猫耳メイドの素晴らしさを伝えてくれニャ!」

紅莉栖「だが断る、私ゃメイクイーンの広告塔か。日本に面白いお店があったことくらいは伝えてあげるわよ。元気でね、留未穂」

るか「ふ、冬コミこそコスプレしましょうね牧瀬さん。お待ちしております!」

紅莉栖「そこはお待ちしなくていい。あんたのコスだけ見に来るわよ。それまでバイバイ、るか」

萌郁「……」カシャ

紅莉栖「そこ! 勝手に撮らない! 肖像権の侵害よ!」

萌郁「……今さら……」カシャ

紅莉栖「たしかに今さらだけど! 開き直るな! 次来るまでにデータ消しといてよ萌郁さん!」

綯「紅莉栖おねえちゃん……行っちゃうの……?」

紅莉栖「あーあー泣かない泣かない。12月にはまた戻ってくるから。笑顔で送ってほしいな、綯には」

店長「んじゃあな、紅莉栖嬢。また一段と別嬪さんになって帰ってくるだろうあんたを待ってるぜ」

紅莉栖「店長さん……綯が睨んでますよ?
    引き続き岡部たちがご迷惑お掛けしますが、上階の鼠がバカ騒ぎしてるだけと思って、どうか追い出さないでやって下さいね」

岡部「助手の分際で保護者気取りかッ!
   むしろミスターブラウンには我が未来ガジェット研究所の下階に居られることを誇りに思ってもらいt」

店長「家賃が5000円アップしそうな気配がするなぁ岡部。どうしてだろうなぁ、なぁ?」

岡部「ブラウン管工房あっての我らが未ガ研なのだ、不敬があってはならないぞ! いいなラボメン諸君! フゥーハハハハハ!」

まゆり「オカリン変わり身早いね~♪」

岡部「柔軟と言えまゆり!」

フェイリス「こすいニャ、キョーマ」

萌郁「……節操なし……」

岡部「柔軟なの!! 柔軟って言え!!」

ダル(……みんながオカリンに注目してる。今、この瞬間しかない。もう牧瀬氏は行ってしまう……)

ダル(ずっとずっと言えなかった……これが、最後のチャンスだ……!)




ダル「……ま、牧瀬氏」

紅莉栖「ん? なに橋田」

ダル「……ぼ、僕、僕……」

紅莉栖「? うん……」








ダル「キ、キミのことが、牧瀬氏のことが……!」




さるくらったか?
保守

さるさんか

今北産業

取り敢えず保守

鈴羽誕生日記念
ダルクリ
ばいばいさるさん


で、地味にクライマックス。さるさんの空気の読めなさは異常。
ソースは俺。

うむ

>>83
㌧。さるさんには禿同。






ダル「……す、好き……です! 大好きです……!」





この世に生を受けて19年。

これほど勇気を振り絞ったことがあったろうか。

他のみんなはオカリンを見てて、端っこに僕と牧瀬氏が居て、見つめ合ってる。

牧瀬氏は口を半開きにしたまま固まっていた。本当に驚いたときの表情。

目を逸らしてしまいたい。いっそ抱きつくかして事態を泥沼にしてしまいたい。時間の進みが遅い。冷や汗がうざったい。10月なのに暑い。鼓動がうるさい。

永遠とも思える一瞬ののち、彼女の口がふるると震える。

何かを発しようとして。

しえん

紅莉栖「橋」

岡部「うおい紅莉栖! 発車時間は大丈夫なのか? 臀部に蒙古斑が無いと言うなら、大人らしく時間くらいちゃんと守れ!」

紅莉栖「田…………」

まゆり「く、紅莉栖ちゃん!? 発車4分前だよぉ~!」

紅莉栖「…………、え、4分前!?」

店長「おいおい紅莉栖嬢、時間はもっと余裕見て作んな。コイツらと名残惜しいのは分かるがよ」

紅莉栖「は、はいすみません! 間に合え私~ッ!」

ダル「あ……」


返事をもらう時間は、ない。一世一代の告白がうやむやになった気がして、僕の目線は気持ちとともに落ちていった。

牧瀬氏と僕のちょうど間に立っていたスーツケースが目に留まって、それに彼女が手を伸ばして。

そのまま、彼女の手とスーツケースは視界から滑っていくだろう。

そう、思っていた。でも牧瀬氏は。

彼女はスーツケースのタイヤを反転させた勢いで、僕の、隣に。







紅莉栖「また後でメールする。私も好き、橋田」

ダル「……え」





しえんぬ

紅莉栖「じゃあねみんな! また12月に!」


耳をくすぐった、彼女の小さな声。

幻聴かと思ってしまいそうなほど、かすかな声。


岡部「ではなクリスティーナよ! 貴様の身柄は未ガ研が確保していることを忘れるな~!」

まゆり「またね~紅莉栖ちゃ~ん! トゥットゥル~☆」


友人たちが僕を通り越して牧瀬氏に別れの言葉を投げかける中、僕は走り去る彼女の背を見つめることしか出来なかった。

囁かれた言葉を捕まえるように、片耳を押さえる。

後でメール、好き、橋田、メール、好き、橋田、橋田。

短かいセンテンスを何度も耳のうちで反芻し、心に確かめていく。


ダル「まき……せし……」


牧瀬氏が見えなくなって、オカリンに肩を叩かれるまで、僕は彼女の幻を目と耳で追い続けていた。

基本オカクリ派だが、こういうストイックな関係もいいな。

この人数なら4,5分間隔で投下するのがオヌヌメだぞ。

帰り道。

ダル「…………」

綯「あの……ダルおじさん」

ダル「…………」

綯「あの、ダルおじさん? ねぇっ、ダルおじさんてば」

ダル「……え、あ、綯たん。どしたん?」

綯「さっき、紅莉栖おねえちゃんと何話してたんですか?」

ダル「……綯たん、見てたんだ」

綯「はい。なんか2人とも変な感じだったから、気になったんです」

ダル「変な感じ、か……はは、そうだったかも」

綯「?」

ダル「……綯たん、誰にも言わないって約束してくれる?」

綯「あ、嘘ついたら針千本飲ます奴ですか? いいですよ!」

ダル「うん……あっ」ブーン ブーン


メールの着信があって、ダルおじさんはすごい早さでケータイを取り出しました。

目が上から下、上から下、って何回も往復してて、メールを何度も何度も読んでいることが分かりました。

その後、泣きそうな、でもとても幸せそうな顔で、ダルおじさんはゆっくり微笑みました。

おじさんのそんな顔はあんまり見たことがなかったので、少し驚きました。

そのままおじさんは、ラボまでずっとケータイをイジってて。たぶんメールをし合ってたんだと思います。



なんの話をしていたのかは、なんとなく分かったので、けっきょく聞きませんでした。

どんだけ書いたんだ
頑張るな



Fro:牧瀬氏
Sub:( ∵) ←あのときの私の顔
Tex:どうしてあんなギリギリで告
  白したコノヤロー! これ打
  ちながら2828してたら隣の人
  に変な目で見られたじゃない
  ! ばーか! HENTAI! 向
  こうに着いて時間が出来たら
  すぐ電話してやるから、大丈
  夫な時間を教えろ! 橋田の
  気持ちもっと聞きたい。好き
  って気持ちもっと言いたい!
   もー! 2828が止まんない
  んですけど! 気を付けろ!
  私が通報されても知らんぞー
  っ! そうなったらあんたの
  せいなんだからな! HENTAI
  橋田!
  大好きっ!ヽ(///д//)ノ

さすが綯様天使やで踏んでくれ



To:牧瀬氏
Sub:拝啓フヒヒwwwwww
Tex:サーセンwwwwww僕こそ28り
  過ぎて通報28秒前ですぞww
  wwフォカヌポウwwwwコポォw
  wwwwwwwwwwwww
  wwwwwwww去り際の牧
  瀬氏の囁きに僕の心は鷲掴み
  にされました。鳥のさえずり
  のようなあなたの声がまた聞
  きたいです。愛の奴隷より。
  敬具。

そうか…
まぁ頑張れ。出来る限り保守すっから



Fro:牧瀬氏
Sub:なんというポエムwwwww
Tex:コポォの後にいきなりポエミー
  になるなwwwwまた吹いち
  ゃっただろwwwwあんたに
  ギャップ萌えの素養はないか
  らwwww 2828と笑いでわ
  けわかんないことになってる
  ! 電車降りるまでメール見
  ないからな! 送られても見
  ないぞ! 絶対だぞ! 絶対
  だからな!

岡部がクリス以外とくっつくのは別に平気なんだけど、
クリスが岡部以外とくっつくのがこんなきついなんて・・・さるよけ

いったそばからどうしたwwwwwwww
ほっしゅ

>>103
それすごいよくわかるわ。

ほっしんぐ

>>103
分かるお、その気持ち

うっほっほ

ほほっほ

ダルクリとか俺得すぎ天才HENTAI同士お似合いだな
残ったオカリンはまゆしぃがもらってあげたら良いと思うのです☆

>>109
からあげでも貪ってればいいと思うニャン☆

>>109
お前は黙ってろクソ眉毛

なんだろうこの感じ…
新しい境地にたどり着いた気分だぜ…ダルクリ良いかも

SS自体は悪くないんだが、オカクリ派なだけに素直に楽しめねぇ…

だが支援すっからな!



To:牧瀬氏
Sub:無題
Tex:










  コポォwwwwwwwww
  wwwwwww

オカクリ派だけど、このスレを落としてはいけないとガイアが(ry

保守

これ由季さんがダルと結婚しなかったら鈴羽生まれなくね?

オカリンは誰とくっつくんだってばよ!


支援



Fro:牧瀬氏
Sub:ふざくんなwwwwwwww
Tex:コポォやめろwwwww腹筋死
  ぬwwwww告白のあとなの
  にどうしてこんななのよ私た
  ちwwwwww

なにこれ2828する

日陰の女だからこそまゆりは映えるのだ

おk。
朝までは無理だが出来る限り付き合おうず。
さるよけ支援



To:牧瀬氏
Sub:んじゃ真面目に(キリッ
Tex:アメリカまでおあずけはキツ
  い。牧瀬氏の声が今すぐ聞き
  たい。話したい。成田着いた
  らちょっと時間あるっしょ?
  電話くれお。もっと好きって
  言いたい。愛してる、牧瀬氏
  。

こんな情熱的なダルを初めて見たわ

支援



Fro:牧瀬氏
Sub:いきなり素になるの禁止!
Tex:どきってした。もうやだ。絶
  対するから。大好き。

オカリン相手にしてるときより助手がデレてるな

成田。

紅莉栖「……」プルルル……

紅莉栖(もう押さえてられないよ、橋田、橋田……ッ)

ガチャッ

紅莉栖「は、橋田ッ!」

ダル『ままっ、まきまま、まま』

紅莉栖「あははっ、ちょっと落ち着きなさいよ。橋田大好き、愛してる! よっし私の勝ち!」

ダル『ぐぬ、先に言われたお! 牧瀬氏大好きだお、愛してる!』

紅莉栖「私だって大好き! 橋田が好き!」

ダル『僕だって! メールも電話もいっぱいするからな!』

紅莉栖「うん! 私もする! 大好きな橋田にいっぱいするから!」

ダル『僕の方がいっぱいするっての! 大好きだーーーー牧瀬氏ーーーーーーー!!』

紅莉栖「きゃぁっ!? い、いきなり大声で叫ぶんじゃないわよ! ばかーーーーーーー!! 橋田、愛してるーーーーーーーー!!」

ダル『うわぁッ!? ま、牧瀬氏こそうるせぇって!』

鈴羽の誕生日なのに


なぜ鈴羽を主役にしない!!!!!!!!!!!!!!!

この馬鹿ちんがああああああああああああああ

なんだこのイチャイチャカップル…
マグマ沸かすぞこら

紅莉栖「あっはははははは……はは……ぐすっ……」

ダル『なんだよ牧瀬氏……うぐ、泣いてんの……?』

紅莉栖「あ、あんただって……男のくせに、情けない……」

ダル『め、目にゴミが入っただけだっつの!』

紅莉栖「ゴシュッ!」

ダル『ちょwwwwwww泣いてるときに笑わせんなおwwwwww』

紅莉栖「あはははっ! やーっぱり泣いてるんじゃない。男泣きって奴?」

ダル『そ、そうだお。牧瀬氏が、僕の彼女になってくれたなんて、嬉しくて、僕、僕……』

紅莉栖「よーしよし泣かないのー。綯じゃないんだから。私だってさ……ぐす、橋田が、好きって言ってくれたとき、もう、泣きそうで……。
     みんなが居なかったら、あのままわーわー泣いちゃって電車逃してたわよ! あははは……」

ダル『はは、は……あ? 何の音だこれ、や、やば、バッテリー切れそう!』ピー ピー

紅莉栖「え、えぇー!? ちゃんと充電しときなさいよー!」

ダル『ご、ごめ、マズいもう切れる! 牧瀬氏、電話ぉkの時間とかは追ってメールするから!』

紅莉栖「う、うん! またね橋田! 愛してる!」

ダル『またな! 愛してるお!』

プツッ


電源の切れた携帯をじっと見つめた。最後は慌ただしくなってしまったが、今も彼女の言葉は頭の中で残響している。

『橋田大好き、愛してる!』 『橋田、愛してるーーーーーーーー!!』

ふつふつと、実感が湧いてくる。

大好きな女性に真っ向から好意をぶつけられたことが嬉しくて。想いが実ったことが嬉しくて。
こんなにも嬉しいことがあるなんて。もう訳が分からなくて。

「……牧瀬氏っ……!」

居ても立っても、いられなくて。

「ッッ………………しゃあああっぁぁっぁっぁぁあぁあああああああッッ!!」

アキバの中心で、快哉を挙げた。


搭乗ゲート前のベンチに座り、私は携帯の向こうに橋田を見続けていた。
いつも元気溌剌にHENTAI台詞を言い放つあいつが、顔を赤くしてもごもごと言い淀む姿はとても新鮮で。
直後に私の耳を打った言葉はずっと焦がれていたもので。
剥き出しの愛の言葉を携帯越しに叫ばれて。
何度も何度も愛してる大好きって、気持ちを確かめ合って。

「橋田……」

まだまだ大きくなる。
橋田がどんどん大きくなる。
彼の色々な表情が浮かんで浮かんで、私の中を満たしていく。

今すぐにでもとんぼ返りして、ぎゅーって抱き締めてもらいたかった。愛を呟いて欲しかった。いっぱいちゅーして欲しかった。

『牧瀬氏大好きだお、愛してる!』 『大好きだーーーー牧瀬氏ーーーーーーー!!』

「私も……大好きよ……。はしだ……」

頭の中で叫ぶ彼の愛に応え続けた。
涙はまだまだ止まりそうにない。

ぐぬぬ・・・

鈴羽の誕生日に存在が消えるような話書くなんてなかなかの神経だな

翌々日。休日。

岡部(……結局、俺はこの1ヶ月をふいにしたな)

岡部(紅莉栖とは何も進展はなかった)

岡部(俺の抱えた秘密に関して問い正され、それでも黙秘を貫いたことが大きかったのだろう。
   あの日から紅莉栖の態度が微妙に硬くなってしまった気がする。
   俺の方も彼女に合わせるように、積極的な接触を控えるようになった)

岡部(もたもたしているうちに彼女はアメリカへ帰ってしまい……次の機会は、12月)

岡部(とりあえずメールは出しておいたんだが)

岡部(……)カチカチカチ

…………

岡部「……返信、ないな」

うおお…この展開は…きつい…

綯「あっ……オカリンおじさん」

岡部「おぉ、小動物か。ベンチを借りているぞ」

綯「い、いえ、構いません。メール……待ってるんですか?」

岡部「ん? あぁ、よく分かったな。紅莉栖からのメール待ちだ」

綯「紅莉栖おねえちゃん……」

綯(さっき来る途中の喫茶店で、嬉しそうに電話してるダルおじさんを見かけたけど……たぶん相手は紅莉栖おねえちゃんだよね?)

綯(ダルおじさんとの連絡に夢中になって、紅莉栖おねえちゃんメールに気付いてないんじゃ……オカリンおじさんに伝えた方がいいのかな)

綯(ううん、駄目だ。言ったら針千本飲まされちゃう。ダルおじさんの口から直接聞いた訳じゃないけど、分かっちゃったんだから。言っちゃ駄目よ、私)

綯「メ、メールならすぐお返事来ますよ」

岡部「いや、すぐ来ないから困ってるんだが」

綯「ぁぅ」

岡部「……お前に当たっても仕方がないな。綯、今日は萌郁と店番か?」

綯「あ、はい。今日は萌郁おねえちゃんと2人です」

                                           ゲート・キーパー
岡部「フゥーハハハ! ならば光栄に思え! この鳳凰院凶真が3人目の《店番》となってやろうではないか!」

綯「あっ……結構です」

ダルも痩せればイケメンって設定だし、助手とお似合いだと思うな
ダルクリがあるんならオカユキがあっても良いじゃない

オカクリ派じゃないから普通に2828できるな
紫煙

岡部「なに? なんだってシスターブラウン? 拒否の意を表す言葉が聞こえた気がするが? 気のせいだよなそうだよな?」

綯「ぁう……! き、気のせいです……」

綯(……やっぱりオカリンおじさんは苦手だ。こわいよ……)


??「……岡部君っ」


岡部「んん? お、指圧師ではないか。どうした珍しく眉を釣り上げて」

萌郁「……綯ちゃんを、イジめてた……」

岡部「は? おいおい人聞きの悪いことを言うなよ。ただお話していただけだよな、そうだよな綯?」

綯「はっ……! はいぃ……」

萌郁「……言わされてる……」

岡部「なぁっ!? ブ、ブラウン管シスターズめが、結託して俺を悪者にしようったってそうはイカンぞ!
   この凶気のマッドサイエンティストの辞書に退転の二文字はn」

萌郁「謝って」ズイッ

岡部「すみませんでした」

オカクリ厨憤死スレだな





いいぞもっとやれ

オカリン低姿勢すぎだろw

支援

オカクリ派だが普通に続きが気になる
支援

岡部「そんなに怒らなくってもいいだろー。なぁ綯?」

綯「ひっ……」

萌郁「……いちいち、綯ちゃんを怖がらせないで……」

岡部「い、いちいちって! そんなつもりは微塵もない! ただ俺が話しかける度に綯が怖がるものだから……」

萌郁「……気を付けて、話しかけて」

岡部「気を付けてったってなぁ……はぁ」

綯(……おじさんに悪気はないんだよね。わ、私も大人にならなきゃ!)

綯「……お、おじさん、それで、店番いっしょにするんですよね?」

萌郁「……」ギロッ

                           スペース・リパー・スティンギー・アイズ
岡部「うおぉい萌郁ウェイウェイウェイ! なんだその《視殺光線》は! 女2人で店番は心許ないだろうから男の俺が手伝ってやろうと思っただけだ!」

萌郁「……ほんと?」

綯「う、うん……(そんなことまで考えてたとは思わなかったけど……)」

萌郁「……なら、いい」

壁殴り屋を呼ぶんだ

工房。

岡部「ふぅ……へぁんぱない殺気だな萌郁よ。今のの1/10でいいから常に放っておけ。普段のお前はちとオーラが無さ過ぎる」

萌郁「……そう、かな……」

綯「そんなことないよ?」

萌郁「……そんなことないって……」

岡部「あぁそう……綯の意見が絶対的に優先なわけだな。まぁいい。なんにせよ店番は俺もさせてもらうぞ!」ブワサッ

萌郁「……白衣、邪魔……」

綯「……おじさん、他のラボメンの方々は、いつ来れるんですか?」

岡部「あいつらは……たしかまゆりとダルが4時頃に来るはずだ」

綯(あぁ、店番ってつまり暇つぶしなんだ……)

萌郁「……白衣、邪魔……」

岡部「えぇい黙れ黙れ! 俺から白衣を取ったらただのサイエンティストになってしまうではないか! 邪魔だと!? 慣れろ! 脱げ!? 断固拒否!」

綯(白衣を取るとサイエンティスト……そんな設定が……)
 「じゃ、じゃあ、私が白衣を着ると、凶気のマッド小動物……?」ワクワク

岡部「は? 何言ってんだお前。お前は小動物以外の何者でもないだろ。調子乗んな」

綯「」

オカリン余裕なくなってるな…

支援

なんだろうこのもやもやする気持ちは・・・

地面

萌郁「……岡部君……?」ザワザワザワ

岡部「ひぃぃッ!? き、桐生さん綺麗な御髪が勇次郎ばりにざわざわいってますよ!?
   押さえて! ビークールビークール! あなたは しょうきに もどった!」

綯「ぁぅぅ~……」メソメソ

萌郁「……白衣」

岡部「へ?」

萌郁「白衣……綯ちゃんに、貸してあげなさい……」

岡部「だ、だが断r」

萌郁「」ザワッ

岡部「な、綯ー! 白衣だぞー! ほのかにドクペの香る鳳凰院白衣だぞー!」

綯「あ……いいん、ですか?」

岡部「もちろん!(いいわけないだろうが!!)」

綯「じ、じゃあ、ちょっとお借りします……」

オカリン・・・

鈴羽の誕生日なんだから

今から鈴羽主役にしろ

じゃないと地面なぐる

うわーマグマだー!!!

>>151
ユルサナイ・・・

正直、オカリンが幸せになれるなら何でも良いと思うのです。おかまゆとか

フアサッ

綯「わぁ~……!」

岡部「ほぉ……当然のごとく丈はズルズルだが、ふいんき(ryは中々に研究者のそれになったな」

綯「すごい……カッコいい……!」

萌郁「……気に入った……?」

綯「うん! 白衣ってなんだか怖い印象があったけど、着てみるとすごくカッコいいね!」

岡部「そうだろうそうだろう! 若い身空で中々に肥えた審美眼をしているなシスターブr」

萌郁「じゃあ、それあげる……」

綯「わぁ~い!」

岡部「」

オカリン、強く生きるんだ…!

岡部「あげ、あげ? なんて?」

萌郁「岡部君……いっぱい白衣、持ってるでしょ? 一着くらい……」

岡部「ぶわかやろおおおおおおお! んむおえくわあ! 誰の白衣だと思ってるう! ふざけるなあああああああ!!」

萌郁「……ふざけてない、白衣は、岡部君の……分かった上で、一着もらった……」

岡部「過去形かあああああああ! 既に綯のものなのかあああああ!!」

綯「あ、あの、おじさん……これ、やっぱり私にはまだ大きいから、お返しします……」

岡部「ほぉーら萌郁! 見さらせこの綯の品行方正っぷりを! お前もコイツを見習うんだな! 偉いぞ~綯~♪」グリグリグリ

綯「あぅ、あぅ、あぅ(痛い痛い痛いおじさん頭撫でるの下手ぁ~)」

萌郁「……チッ」

岡部「舌打ち!?」

>>152
無かったことにはしてはいけない

岡部「しかし綯よ。お前の白衣姿は存外サマになっていたぞ。こんどまゆりにでも言ってお前用の白衣を作ってもらうか」

綯「ほっ、ほんと!? ……ですかっ!?」

岡部「あぁ本当だ。完成がいつになるかは分からんがな、wktkしつつ待っていろ」

岡部(……クックククク、綯はこのところラボに度々出入りしている。このまま傘下に入れてしまえば、ミスターブラウンはもう俺に強く出れまい)

萌郁「…………強く出れまい、なんて、考えてる……? たぶん逆効果……」

岡部「な、なにぃッ!? 貴様《高速の指圧》だけでなく読心術まで体得したというのか!?」

萌郁「……むしろ、岡部君が、サトラレ……」

岡部「なッ!?」

萌郁「……綯ちゃんを、ラボメンにしたら……裕吾さんはきっと、ラボの活動内容に、危険が無いか、見にk」

岡部「というわけだ残念だったな綯さっきの白衣話は御破算だぬか喜びさせて済まなかった全てはお前の父君が悪いエルプサイコングルゥ」

綯「え、えぇ~……?」

しぇん

萌郁「……じゃあ、椎名さんには、私から話を付けるから……」

綯「ほ、ほんとおねえちゃん!?」

岡部「なぁにぃ!? 指圧師キサマァ綯に白衣が似合うことを発見したのはこの俺だろうが! 手柄を横取りするつもりか!
   まゆりには俺から頼む! 待っていろ綯!」

綯「へ……? あ、は、はい……」

萌郁(岡部君……めんどくさい……)

岡部「完成の暁には、天王寺綯よ!!」

綯「は、はい!!」

岡部「貴様をラボメン(仮)に任じよう! ラボメンカッコカリ、な!
   まだ貴様は幼子だ、正式なラボメンにはなれないが、ラボメン候補生としてならウチに入れてやってもいい!」

綯「……ラボメン……カッコカリ……」

萌郁(年齢制限……あるんだ……)

岡部「返事は!!」

綯「はっ、はい! よろしくお願いします!」

頼むわ……

どういうこっちゃ

支援http://beebee2see.appspot.com/i/azuY5unjBAw.jpg

なるほどそこで8人目の席が埋まるのか

鈴羽ェ…

むこうは別に荒れてないだろ。気にすんなよ

同時刻。某喫茶店。外。

ダル「うん……うん、それじゃ。おやすみ牧瀬氏、愛してるお……」

ダル「……」パタン

ダル「……っふあー……」

ダル(幸せすぎて、死にそうだお……)

ダル(デレデレ牧瀬氏のかわいさ反則だろ常考。なんだあのかわいい生物……)

ダル(口でチュッ☆て。チュッ☆て。やっべ、マジやっべ)

ダル(うがぁ~ちゅーしてぇ~! 12月までのあと2ヶ月待たなきゃいかんとかどゆこと? 地獄? 天国へ続く地獄?)

ダル(はぁ……牧瀬氏牧瀬氏牧瀬氏……頭ん中牧瀬氏だらけだ……日常生活に支障が出そうなレヴェル……)

ダル「はぁ~……牧瀬氏~……! 君に一生萌え萌え☆キュンだお! 結婚してくれーーーーーっ!」

客(((なんだあいつ……)))

なんだあいつwwwwwクソワロタwwww

>>163
光速で保存した

支援

時差ズレて夜。アメリカ。
紅莉栖「うん……うん、じゃあね橋田、大好き、愛してる……チュッ」

紅莉栖「……」パクン

紅莉栖「……えへへへへへ……」

紅莉栖「最後にチュッってしちゃったぁ~、橋田気付いてくれたかな……あいつなら気付いてくれるよね……」

紅莉栖「あぁ~私いま相当ヒドい顔してるって~……橋田橋田ぁ、んん~♪」

紅莉栖「愛してるお(キリッ。何よそれ~! 残念語尾のくせになんでそんなカッコいいのよ~!」

紅莉栖「ちゅーしたいなぁ……橋田にちゅーしてほしい……2ヶ月なんて待てないよぅ、橋田ぁ……」

紅莉栖「はぁぁあ……私今日寝れるかなぁ、橋田が一人、橋田が二人、橋田が三人、橋田が」

紅莉栖「寝れるかぁ! 目ェ冴えるわ! もぉ~寝不足で明日のゼミ遅れたらどうしてくれんのよ橋田~……」

紅莉栖「彼氏のことで頭がいっぱいで寝れませんでした、キリッ! 通るかバカ! 教授陣に張り倒されるわ!」

紅莉栖「……だめだ、寝られるテンションじゃない。そうか、逆転の発想よ、もうちょっと橋田を妄想すれば寝れるはず……」

紅莉栖「橋田……んん、ちゅーしてぇ、ちゅー、橋田にがしって肩捕まれて、ぐいって引き寄せられて、あぁ、ん……ふあ……」

紅莉栖「ってイカンイカンイカン! だから明日はゼミなんだっての! 自重しろ私! 心頭を滅却せよ!」

紅莉栖「むんむむむむぅ~……」

紅莉栖「……もぉ~! 橋田出て来過ぎ! 明日絶対文句言ってやるぅ~!」

これはひどい

やばい一瞬引いてしまったwwww

日本。夜。

ダル「……寝れねー件について!」

ダル「一発抜いたのに牧瀬氏が消えてくんないお!? なんぞこれ!?」

ダル「もう一回抜けというリア充神の思し召しか……? だが眠いのは確かなんだよな、でも目を瞑ると……」

ダル「はいはいはい牧瀬氏出てきたお~わらわら出てきたお~寝れるわけねーから! 明日1限なのにぃ!」

ダル「彼女のことで頭がいっぱいで寝れませんでした、キリッ! 言えるか! 大学のオタ友から総スカン食らうお!」

ダル「はぁあ……もういっそ、牧瀬氏を極限まで妄想して……」

ダル「ラボで……上はそのまま……ストッキング巻きながら脱いで……そしたらなんと直履きで……
   パンツじゃないから恥ずかしくないもん状態で……こう、壁に手を突いて、誘う感じ……」

ダル「……」

ダル「……」ムラムラムラムラ

ダル「うがーだめだだめだ! 作戦失敗! 頑張れ僕、セルフ賢者タイム!」

ダル(南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経南無妙法蓮華牧瀬氏経南無妙法蓮牧瀬氏華経南無妙法蓮華経牧瀬氏牧瀬氏)

ダル「ぬわーーーーーっ! 牧瀬氏自重しる! 振り向いた坊さんの顔がことごとく牧瀬氏って!」

ダル「はぁぁぁ……もうだめぽ。もっかい抜いとこ」

あ?壁殴り代行さん?壁殴り三時間コース、オプションはシェルブリッドで

なんだこのシンクロ率は

アメリカ。朝。

紅莉栖「……」

紅莉栖「……」

紅莉栖「……」

紅莉栖「……」

紅莉栖(……すごい、夢、見ちゃった)

紅莉栖「……」

紅莉栖「……」

紅莉栖「……」

なんかダルクリ普通にいいな
新ジャンルを開拓した>>1の功績は大きい

ダルクリが流行るかどうかは>>1の腕次第か…健闘を祈る

ダル「……僕の夢?」

紅莉栖『……う、うん、……っちな、夢』

ダル「……どんな夢だったん?」

紅莉栖『あの、ね……………………で……………………が………………』

ダル(ぐ、うぐぐ! あっちは夜で自室だから大丈夫だろうけどこっちはまだ昼で大学構内なんだが!
   わざとやってんのか牧瀬氏! 静まれマイサン!
   電話しながらおっ立ててるとかガチ通報もんだお! 自重しろマイサン!)

岡部「お、ダルじゃないか。構内で会うのは久しぶりだな、っと、すまん電話中だっ…………た……か…………?」

岡部、視線下。 橋田、もうどうしようもなくて満面の笑み。

岡部「う、うわ、うわあぁあぁぁっっぁぁああああ……。
   うわあっぁっぁっぁあああああああああ!! みなさぁぁぁぁっぁぁああああん!!!!
   エレクチオンしながら電話してる変態が居ますよぉぉおおおおぉぉぉっぉっぉおおおおおおお!!!!」

ダル(オカリン後でマジぶっ飛ばす……!!)

紅莉栖『ちょ、は、橋田? 何かあったの? 岡部らしき人の奇声が聞こえてきたけど……』

ダル「なんでもないお、ちょっと切る。僕の健全なるキャンパスライフの為に今は襲い来る視線の数々から逃げなければならない!!」

ダッシュ!

おかまゆな

岡部GJ!

このオカリン精神不安定すぎんだろw

紅莉栖「ご、ごめん、あんた外だもんね。不注意だったわ。でもそうなら言ってくれればよかったのに……」

ダル「……ごめん、僕も聞きたかったし、話したそうだったから、遮るのもいやだった」

紅莉栖「……橋田……」

紅莉栖「……じゃあ、さ」

ダル「ん?」

紅莉栖「今週末……土日。こっちは夜でそっちは昼は変わらないけど、どっちも家に居るよね……」

ダル「へ? うん……? ま、まさか!?」

紅莉栖「……えへへ」

ダル「牧瀬氏も……大概HENTAIだな」

紅莉栖「橋田の彼女だもん……このくらいが丁度良いでしょ?」

ダル「ふひひ、たしかに」

紅莉栖「ふふ……」

テ、テレフォンソックス!

なんだいいじゃないか、すごく

紅莉栖「あと、そうだ。橋田のPCにはカメラ付いてる?」

岡部「……Skypeのテレビ電話をご所望かお?」

紅莉栖「あはは、バレちゃったか。電話じゃやっぱり我慢できないもん。橋田の顔、見たいよ」

ダル「うん……僕も。声だけじゃイヤだ。それにSkypeならタダだしね」

紅莉栖「そ。テレビ電話機能はよく遠恋に使われるんだって」

ダル「……遠恋でSkypeなんて、テレビの中だけの話だと思ってた。それを僕らはやろうとしてんだな……」

紅莉栖「だって……私と橋田は、恋人同士だもん」

ダル「……牧瀬氏が、僕の彼女」

紅莉栖「実感ない? 私も、ちょっとまだ。恋人になったのに会えないからかな」

ダル「う、ごめん……僕がもっと早く告白してれば」

紅莉栖「あぁもう。それはもういいって。2ヶ月間、この歯痒い感じを楽しむしかないでしょ?」

ダル「……そうだな。彼女にそんなこと言われるなんて情けない。今から2ヶ月後が楽しみで仕方ねーお!」

紅莉栖「私も! それじゃ授業がんばってね橋田! 愛してる!」

ダル「ん! 牧瀬氏も一日お疲れさま、お休み! 愛してるお!」

助手って最初はメインヒロインじゃなくて鈴羽とまゆりがメイン候補だったんだっけ


日本時間で12時、向こうの時間で22時。

それが僕らの約束の時間。

短い会話はケータイで済ませ、Skypeでは長く楽しんだ。

お互いの近況報告や、今日あったおもしろかったこと、辛かったこと、楽しかったこと、悲しかったこと、色々を話した。

笑い合い励まし合い悲しみ合い怒り合い、時には2人で勢い余ってカメラ越しにえっちなことをしてみたり。

毎日12時が待ち遠しかった。

本物は遠くアメリカにいるのに、ディスプレイを通した逢瀬は、僕らの心を確実に近付けていった。

>>185
ちょw岡部さん何してんですかww

>岡部「……Skypeのテレビ電話をご所望かお?」
オカリンの怨念が…

――――――
――――
――

紅莉栖からは返信はあった。しかし毎回遅かった。

向こうでの研究生活が大変なのだろう、迷惑になっているかもしれないな、と思い、次第にメールの数は減っていった。


最近ダルが昼頃になると頻繁にラボを出て、戻ってくるととても幸せそうな顔をしている。

ツッコんでやると奴にしては珍しく慌てた様子でそんなんじゃないお、と返してきた。いいや、絶対にそんなんだ。

下手に切り込み過ぎると逆にリア充攻勢を食らいそうだったのでそれきりにした。そうしてダルの昼外出も日常となった――


ある日のこと。

いや、反省しろよwwwwwww


再来週に授業参観日を控えた今日。私は放課後、先生とお話ししていました。

「綯ちゃんはお父さんが来るのよね?」

「はい。お仕事休んで、絶対行くって言ってくれました!」

「そう。とっても優しいお父さんだね」

「うん!」

その帰り道、校門で、さっきの話しを聞いていた数人のクラスメートが話しかけてきました。



「なぁ綯。お前って、お母さん居ないの?」


「なんで? ねぇなんで?」

「お前のお父さんってあのハゲチャビンだよな?」

「死んだの?」

「どんなふうに?」

「お前お父さんしか居ないんだ。かわいそうにな」

「ほんとに死んだの?」

「居なくなっちゃったり?」

「わたし知ってるよそれ。ソトニオトコヲツクッタって言うんだって。意味はよく分からないけど」

「あのハゲチャビンじゃ仕方ないよ」

「ムキムキで怖そうだもんね。綯ちゃんも気を付けなよ。絶対、お母さん殴ったり蹴ったりしてたよ」

「それで死んじゃったの?」

「さぁ、居なくなったか、死んじゃったのはたしかでしょ?」

「綯かわいそう」

「綯ちゃんかわいそう」

うわああああああああああああああ


どうして母さんが居ないというだけで、こんなにヒドいことを言われるのか分かりませんでした。

でも、みんなには母さんが居ないというのは、よくないことだったみたいです。

ほんとに私はかわいそうなのかな。私はかわいそうでもいいけど、でも母さんはかわいそうだ。

父さんの話では、母さんは私を生んですぐ死んじゃったみたいだから。

私のせいで母さんは死んじゃったから。

母さんはかわいそうだ。

大事な人を立て続けに失うブラウン…かわいそうだな


ソトニオトコヲツクッテなんかない。父さんは母さんを殴ったり蹴ったりなんかしない。

でも、口を開いたら涙が出てきちゃいそうで。私はぎゅって口を噛んでいました。

みんなは私が何も言わないのが気に障ったらしくて、どんどんヒドいことを言ってきました。

でも、やっぱり私は何も言えません。

ぎゅーって口を閉じて、目も閉じて、次は体も閉じて、心も閉じて、気付いたらうずくまっていました。

赤ちゃんみたいで、とても情けなかったと思います。いつもはもっとしっかり自分の意見を言えるのに。

母さんのことを考えたら、頭が凍ってしまったんです。

いきなりしゃがみ込んだ私を、みんながはやし立てていました。

早く帰ってくれればいいのに、

どこかへ行ってしまえばいいのに。

何を思っても口には出せず、亀の子のように私は縮こまっていました。

そのとき。

まっちょしい





「フゥーッハハハハハハハ!! どぉーした小動物!! いつも以上に小さくなっているぞ!!

 そんな様子ではこれから貴様は微生物と呼ばねばならんな!! フゥーハハハハハ!!」



しえん

救世主オカリン


大きな大きな、あの人の声。

ばっと顔を上げると、居ました。

胸の前で腕を平行にして、白衣をぶわさーってやって、顔をちょっとナナメにして、カッコ付けたオカリンおじさん。

周りのみんなはぽかんとしています。

「このイジメっ子どもが! あんまり綯をイジメていると、こわいこわぁいタコ坊主が貴様らの頭を引っこ抜きに来るぞ!」

「イ、イジめてなんかないよ! 綯にどうしてお母さんが居ないのって聞いただけだもん!」

「いいやイジめていたな! 貴様らの意見など聞いていない! この俺が言うんだから間違いないのだよ!」

「な、なんだよそれー!」

「あの人、綯ちゃんのお父さんのお友達? やっぱり、綯ちゃんのお父さんといっしょで」

「そこのリボンしたガキンチョ! いっしょ扱いするな! 綯の父は怖い! 俺は怖くない!」

「な、なにこの人……なんかヤバいって……」

「!? そこのちょっと太ったガキンチョ! 人をヤバい呼ばわりするな! 俺は至って普通人だぞ!」


オカリンおじさんのペースでした。

おじさんのよく分からないテンションに押されて、さっきまでの嫌な雰囲気はどこかへ飛んでいっていました。

「綯、立て」

おじさんが私の両肩を掴んで、ぐっと立たせました。私の背中を支えて、おじさんの話は続きます。

「綯のお父さんは本当に怖い。俺なんて何度チョークスリーパーでオとされそうになったことか」

「……? チョークの粉で寝ちゃったってこと?」

「阿呆! そのチョークではない! チョークスリーパーとはこうだ!」

「うわぁ! あはははは!」

「やっぱり綯のお父さんは危ない人なんだね~」

「うむ、危ない人だ! ……だがな」

まさかのオカナエか?


「綯のお父さんが怖くて危ないのは、ぜんぶ綯のためなんだよ」

調子が変わったおじさんに、みんなが黙りました。

「お前たちのお母さんが死んだら、お前たちはどう思う?」

「……やだ」

「……悲しい」

「お母さんは死なないもん!」

「そうだ。いやだな、悲しいな。死ぬなんて思いたくないよな。
 そして、残されたお父さんも悲しい。死んだなんて思いたくない。
 でもお父さんは、だからお父さんは、子供を、お前たちを愛して愛して愛しまくるんだよ」

私は、おじさんを見つめていました。おじさんも、私を見ていました。

「綯のお父さんが怖かったり危ないのは、綯を愛して愛して愛しまくっているからだ。
 だから、綯にいやなことをする奴には容赦しない」

「死んだお母さんの分まで、子供を愛するんだ」

ふむふむ


「……ん? でも……おじさんは、綯のお父さんにいっぱいイヤなことされてるんだよね?」

「……フゥーハハハ! よく分かったなクソガキめ! 俺は常日頃から綯をイジメまくっているからな!
 あのタコ坊主には目の敵にされているのだよ!」

「えぇー!? 綯ちゃんをイジメてるの!?」

「そぉの通りだ! 貴様らのイジメを止めたのも、やり方が手ぬるすぎて見ていられなかったから!
 俺もイジメに参加したかったからだ!」

「イ、イジメじゃないってば!」

「ほぅ? とすると、貴様らはイジメる側ではない?」

「そうだよ!」

「すると綯の友達か?」

「そうよ!」

「ふん、つまらん! では、俺はこれから綯を一人でイジメるとしよう! 貴様らは指をくわえてそこで見ているがいい!」

「なっ、なんだよコイツ! みんなー、綯を守れー!」

アニメの綯さんは電車以外天使だった

シエンタ


なんだかよく分からないうちに、私を置いて取っ組み合いが始まりました。

みんなオカリンおじさんに噛みついたり、殴ったり、蹴ったり、タックルしたりしていました。

終わる頃には、おじさんはもうボロボロでした。

「こ、このクソガキどもがぁぁ……!」

「ふーんだ! 思い知ったかしら!?」

「綯! 怪我はないか!?」

「あ……」

今日の放課後までお友達だった男の子が、心配してくれました。だから私は。

「……ありがとう」

心からの、お礼を言いました。彼は一瞬だけ目を見開いて、すぐ下を向いてしまいました。

>>208
綯さんを原作どおり放送したらどこぞのボートみたいになりかねん

オカリンの語りにちょっと泣きそうになった
支援

|∧∧
|・ω・`) そ~~・・・
|o④o
|―u'


| ∧∧
|(´・ω・`)
|o   ヾ
|―u' ④ <コトッ




| ミ  ピャッ!
|    ④

しえんた

>>211
なんだよそれ…

綯オカだった!!!!!!!

ナエオカとか相性最高だよね(SM的な意味で)

>>1はどうした

まゆりを池沼とかバカにするやつは許さねぇ


「ちっ……今日のところは勘弁してやる! また合間見える時を待っていろクソガキーズよ!
 そのときまで、せいぜい友達を必死に守ることだな……エル・プサイ・コングルゥ。
 ……フゥーーーーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」

白衣をはためかせ、ちょっとびっこを引きながら、オカリンおじさんは走っていきました。

みんな、二度とくんなー、おとといきやがれー、おとといは来れないでしょ、とか口々に言っています。

後ろから肩を叩かれました。さっきの彼を含めた数人が、ごめん、って言いました。

叫んでいた子たちも、ごめん、ごめんね、って言いました。

私は今度は違う涙が出そうになりました。

「うぅん、いいよ。みんな、私の友達だもん」

親友が、一気に増えた一日でした。

ほっしゃん。

イイハナシダナー

ふむ。3分がギリギリアウトなのか。

さるよけ支援

猿大変だなぁ

ある日。ラボ。

綯「……オカリンおじさん……」

岡部「この時期にお前の訪問……ッ! そして左手には封筒……ッ!」

綯「は、はい。お察しの通り、家賃を」

岡部「ぐっふぅ! よ、よせ綯、近付くな! その封筒には俺の左手の封印を解く呪法が掛けられているんだ!」

綯「はぁ……」

綯(また始まった……なんだっけ、厨二病? 使い所を間違えなければすっごくカッコいいのに……)

綯「じゃあ、封筒はここに置いておきますから、お金だけ」

岡部「な、なんだと!? しまった……感染型の呪いだったか! すまん綯、おまえ自身も呪いに犯されてしまったようだ!
   クッ! 俺がもっと早く気付いていれば……ッ!」

綯(めんどくさい……)

綯「……何か袋に入れて投げ渡して下さ」

岡部「ぐああああ!! ひ、左手が! 封印が今にも解けてしまう! 逃げろ綯ェェェェェッッ!」

綯「……」ズカズカズカ

岡部「ちょっだから封印が、あっどうして俺の財布の場所知ってやめっ今月は堪忍して電子部品買いすぎてカツカツなのお願いだ綯やめ
   イヤぁぁああああああああああ虎の子のゆきっつぁんがああああああああああ!!」

支援もっともっと

オカリン必死wwwwww

楽しみにしてるぜ

支援するでござる

岡部「うぅぅ……綯に辱められた……」

綯「な、なに言ってるんですか。それじゃ確かに頂きましたから。お釣りはここに置いておきますね」

岡部「鬼ぃ……悪魔ぁ……萎えぇ……」

綯「私の名前が悪口みたいに言うのやめてくださいっ」

岡部「萎えぇぇぇぇ…………え? おい綯。白衣は?」

綯「え? あ、はい。ラボにいるときはちゃんと大切に着てますよ」

岡部「なぁにぃ……!? ラボメン(仮)ならいついかなる時も戦闘服を着ていなければならんだろうが! 何のためのラボメン(仮)だ!
   なんという意識の低さ! やはり貴様はラボメン(仮)だな!」

綯「か、かっこかりかっこかり連呼しないで下さい! それに、白衣着てるのなんて紅莉栖おねえちゃんとおじさんしか」

岡部「シャラァップ! 貴様と俺たちとではラボへの貢献度が違うのだよ! 同列に語ろうなど愚の骨頂! 罰として今すぐ白衣を着ろ!」

綯「え、えぇ~、あんまり汚したくないんですけど……」

岡部「汚れてこその白衣だ! 戦闘服の汚れを気にする戦闘員がどこに居る! ほれ着ろいま着ろすぐに着ろ!」

綯「わ、分かりましたよぉ……」

オカリン楽しそうで何より

オカナエ最高だな!
オカクリ?時代遅れだろ・・・

綯「こ、これでいいですか?」

岡部「うんむ!!!!」

綯(嬉しそうだなぁ……)

綯(……あ、そうか。紅莉栖おねえちゃんがアメリカに行っちゃったから、もう着る人はオカリンおじさんしか居ないんだ……)

綯「……まゆりおねえちゃんに、もう一着お願いしようかな」

岡部「む? 何か言ったか小動物」

綯「何も言ってませんし小動物じゃないです」

岡部「おいおいおいなんだそれは高度なギャグか!? お前が小動物じゃなきゃ小動物の定義が危ういぞ!?
   あ、なるほど微生物と言って欲しいのかそうか。すまなかったな微生物よ!」

綯(む、むかつくぅ~……!)

綯「……万年白衣厨二病ガリガリ老け顔オヤジ」ボソッ

岡部「」

綯「あっ……」

岡部「……綯。おじさん怒らないからこっち来なさい。な? こっち来なさいよ。怒らないから」

綯「ひ、ひぃぃ……! と、父さ~ん!」ダダダダ……

岡部「ちょ、おま! ミスターブラウンを頼るのは反則だろ! 待てこの腹黒小動物!」ダダダダ……

助手とは何だったのか

おそらく>>1はダルクリよりもこちらが書きたかったんだと思う

やっぱりオカリンも基本ツンデレだな






綯を追い、ドアを勢い良く開け放った俺が目にしたのは。

階段を降りるにしてはやけに前傾した、綯の後ろ姿。


ズダン ダン ダン


音。

重い物が、階段を滑り落ちていく音。




ちょおおおおおおお

>>237
見てたらわかるわwww

ダルクリだと鈴羽がかわいそうだし時代は、まゆクリだろ

っておおおおおおおおい

なえさん・・・?

ダルクリもいいと思うよ!









鈴羽の誕生日じゃなければな!

とべよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

オカリンは綯さんに恐怖を感じないのかな?


「あ……?」

そこまでを見て聞いて、やっと俺の体は動いた。

「綯ッッ!!」

階段を段飛ばしで降り、一番下で不自然な体勢のまま倒れている綯を抱き上げる。

「綯、大丈夫か、綯ッ!」

体を揺すろうとして思い止まる。彼女の頭から、つう、と一筋の赤が降りた。

……頭に、怪我をしている。事態は一刻を争う。

覚醒なえちゃん出て来たら呼んで


彼女を静かに抱きかかえたまま工房へ飛び込み、天王寺を呼ぶ。

「ミスターブラウンッ! 綯がッッ!!」

「あぁん? 綯がどうし…………おい綯、どうした、綯!! 綯ッ!!」

不用意に触れようとする天王寺を制し、救急車を呼んでもらう。
綯を工房前のベンチに寝かせ、今一度、容態をよく見る。

体のあちこちに痣があった。内出血。切り傷も。
工房奥の天王寺へ状況を叫んで伝え、俺はラボへ走る。
清潔なタオルとバケツいっぱいの水を持ち、出血の激しい頭部を中心に当てていく。

大汗をかき、青黒くなった綯の顔。ぎりりと拳に力が入った。

(俺が、ふざけていたばっかりに、綯をこんな目に……ッ!)

「綯……踏ん張れよ、すぐに救急車が来るからな……!」

支援

複雑な気分だがスクロールする右手が止まらない




3週間後。


追い付いた
wktk


綯はいまだベッドに体を横たえていた。
子供持ち前の回復力で外傷は全て癒えているのだが、意識だけはいつまで経っても戻らないのだ。

自責の念が俺を苛む。
どうして俺はこうも悪ふざけが過ぎるんだ。世界線漂流をする前と何ら変わっちゃいない。勢いで馬鹿やって、後になって後悔する。

これで綯が目を覚まさないようなら……俺は、再びタイムトラベル理論を……!

そこまで思い至って、頭を振る。

それだけは駄目だ。俺はもう理論を捨てると決めた。

やってしまった過去は絶対だ。それを受け入れて、前に進まねばならない。
未来だ。綯をこんな目に遭わせた過去を記憶に刻んで、これから先何をするのかが重要だ。

気持ちを新たにして、俺は彼女の華奢な手を握る。3週間前より心なしか縮んだ気がする。ミスターブラウンの言っていた通りだ。

最近のミスターブラウンは見ていられない。背を丸め、覇気もなく憔悴しきった彼の様子は、俺の心をきりきりと締め付ける。

彼は妻を亡くしている。このうえ娘に何かあったとなれば、彼がどんな暴挙に出るかは……他世界線から鑑みて、想像に難くない。

いやな想像をむりやりに振り払う。どうも弱気になっていていけない。戦っているのは綯だというのに、五体満足な俺がこんな調子でどうするんだ。

弱い気に魅入られないよう、まるで彼女に縋るように、握った手をさらに強く握り込む。

はい

あとどれくらい?眠いんだが




……押し返される、感触があった。


はやくダルクリに戻ってほしい

ナエオカもっとほしい

色々と胸が苦しくなる世界戦だ


「……綯……?」

彼女の顔を見る。……うっすらと、瞳が開いていた。

「あぁ、あ……!」

顔を覗き込むと、まだ意識ははっきりとしていないようだが、天井に焦点を合わせていることが見て取れた。

「綯……!」

良かった。良かった。加減も忘れて彼女の手を握り、そこでやっと気付く。

「待ってろ、すぐに先生を呼んでくる!」

ナースコールを押し、しかし待っていられず病室を飛び出した。
ちょうど居合わせた看護師に綯が意識を取り戻したことを伝える。
すぐに、いつも世話になっている先生が現れて綯の精密検査を開始した。

病室の外で待たされていた俺は、この吉報を皆に届ける。
皆それぞれ用事があるだろうに、そんなもの、と放り出して、次々に病院に駆けつけてきた。

「綯……みんな、みんなお前を心配してたんだぞ。良かったな、綯……!」

嬉しくて……赦された気がして。
俺はみんなの前で、隠そうともせず泣いた。

4分に1レスで150レス強ってことはだな…

気が付けば執念オカリンのSSが落ちてた…
なんてこったい…。

調度今から寝て起きたらクライマックスだな

おやすみ


先生の話では、後遺症も跡になる傷も特になし、入院中の3週間の記憶はぽっかり抜けているが、混濁は見られない。
何も問題はない、全くの健康状態である、とのことだった。

ミスターブラウンと抱き合って喜び合った。直後ぶん殴られた。

病室の外に、俺、ミスターブラウン、まゆり、ダル、ルカ子、フェイリス、萌郁、綯の学校の友達、ミスターブラウンの友人が一斉に押し掛けた。

看護師に咎められ、3人ずつで見舞う。ミスターブラウンと萌郁と共に覗いた綯の表情は、なんだか困惑顔だった。

「あはは……な、なんだか、申し訳ない、です」

綯の感覚では、彼女は3週間をずっと、不思議な夢の中にいたようだ。
大けがをしたなんて意識はないのに、突然ちやほやされて居心地が悪いらしい。

受け答えは明瞭。血色も良い。3週間前と変わらぬ綯の元気な姿がそこにあった。

とはいえ彼女は病み上がりには違いない。あまり疲れさせないよう、見舞いは手短に済ませ、俺たちは病院を後にした。


それから1週間……経過を見つつ綯はリハビリに励み、先生に太鼓判を押され。無事に退院した。

ほしゅだああああ
ちがう
しえんたああ

>>261
150とか超無理!寝る!
明日残ってたら読む

なんだろう・・・無印でオカクリにはまってFDでオカモエに浮気し、このss
でオカナエもいいなとか思ってきちゃってる。でもダルクリはないかな。漫画での
ダルを語る由紀さんと鈴羽が大好きだったから


             '´  ̄  ̄ ` ヽ、
          、__/ : : : : : )ノ: :ヾ: : : \
.        `7: (: : : : : : : : : : : : :} :)ヽ

         {: : ト; ;ハ,リノ;Y川 } : ノ: : i|

         i::小●    ● ノリル: ; j
          从l⊃ 、_,、_, ⊂⊃从ッ》 私の出番はあるかい?
        /⌒ヽ、|ヘ   ゝ._)   j /⌒i
      \ 〃::(y;)>,、 __, イァ/、__/

.        \:(y;ノ:::::::::}}::::::::(y;/::::::/
         .ルリゞ::::::((:::::::ルリゞ::::/

>>269
とりあえず俺と一緒に寝よう

まだ牧瀬鈴羽の可能性が残ってる
もしくは橋田鈴羽

>>263
78 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2011/09/27(火) 22:50:07.79 ID:zU0gtxkv0
ラウンダーC「畜生!!何処だ!ブッ殺してやるッ!!」

パラララララッ!

岡部「がはァッ!!クソッ・・・!」 ズズズッ

ガシッ!

岡部「!?」

ラウンダーB「見つけたぜぇ?子猫ちゃんよぉ?遊びは終わりだな」 ゴリッ

岡部「飛べ・・・ッよぉ・・・ッ!」 スッ

パララッ

岡部「」 カタッ

まゆり「オカ・・・リン・・・」

ギューーーーーーーーーーーンッ!!!!


「ふあぁー……!」

エントランスを出てすぐ、秋の空っ風が横なぎに吹きすさんだ。綯は体を大きく大の字に開き、全身で久しぶりの風を楽しんでいる。

俺とミスターブラウンがいちいち世話を焼きながら、自宅へと戻る。
綯の足取りは、俺たちの補助が不要なほどにしっかりとしていた。退院したてとは思えない。子供とは凄まじいものだ。

翌々日には学校へも行き始め、その日の帰り。

「3週間ぶりのラボになるんですよね? そんな感じはしないけど……あ」

3週越しにラボへ来た綯は、窓際で風に揺れる小さな白衣に目を留める。
つま先立ちになって無理に取ろうとするので、俺はすぐさま駆け寄って代わりに取ってやる。やはり綯には自覚が足りていない。

恥ずかしそうにもごもごと礼を言い、綯は白衣を着た。

似合っていた。丈も袖も綯にピッタリのそれは、もともと綯の体の一部であるかのようだ。

一気に彼女の雰囲気が締まったように思えて、赤い髪の女が脳裏にちらつく。

綯が俺を見ていた。俺の白衣と、自分の白衣を交互に。
どうした、と首を傾げると、彼女は突然。

「ごめんなさい、オカリンおじさん」

俺の足に縋り付き、泣き始めた。俺は何も反応できず、ただ突っ立っていることしか出来ない。
そんな俺に構わず、彼女はずっと泣き続けていた。わけはわからないが、彼女は俺のために泣いている、そう感じた。
小さな綯の頭を撫でてやる。しゃくりあげる声が少し止まる。そのままずっと撫でていた。密やかで、優しい時間が流れた。

>>270
君では荷が重い、俺に任せておけ

>>269
ただいま消滅フラグ中です

>>272
うん。いつの間にか終わってた。乙と言いたかった…

――――――
――――
――

2ヶ月は短かった。

電脳デートを毎日楽しみ、迫りくる12月に胸を高鳴らせた。

ディスプレイ越しには分からない、本物の橋田のふいんき(ryやあたたかみやにおいを、早く感じたかった。

想像の中にしかない、彼に抱きすくめられる感触を想い心を震わせた。

早く会いたい。彼に会いたい。橋田に、会いたい。

おまえは劇場版SGの内容を知りすぎた

ダル「……しあさってだな」

紅莉栖「うん……今日が最後のSkypeになるわね。と言っても2週間そっちに滞在したらまたすぐ戻ってくるんだけどさ」

ダル「2週間、めいっぱい楽しもうず」

紅莉栖「うん。橋田に会ったら、まずぎゅってしたい」

ダル「だめだお。僕がする」

紅莉栖「ふふ、分かった。ちゅーもしてね?」

ダル「うん、僕からする。あわよくばその先にも行く」

紅莉栖「ぶっ。……ほんとストレートよね、あんたって奴は」

ダル「だってしたいお。牧瀬氏と」

紅莉栖「……うん、私も」

支援だぜ

紅莉栖「……そう、綯は無事なのね」

ダル「うん、骨折もなかったし、後遺症が残るようなこともないって。術後の経過もぉk。今は至って普通に生活してる」

紅莉栖「そっか……良かった……」

ダル「オカリンが近くに居て良かったよホント。頭打ってたから、早期に処置できてなければヤバかったって」

紅莉栖「今回ばかりは岡部GJだわ。リーダーの面目躍如ね」

ダル「入院中も付きっきりで看病してたしな……。やっぱあいつは、ラボのリーダーだよ」

紅莉栖「そうね……岡部のおかげで私たちの関係もあるんだし。帰ったら労ってあげようかな」

ダル「あ、僕にもお願いします! オカリンが居ない間ラボの留守を守ってました!」

紅莉栖「はいはい。あんたは別口でちゃんと労ってあげるわよ」

支援なのだぜ

紅莉栖「みんなに会うの、楽しみだなぁ……楽しみだけど、今年最後のこのSkypeも切りたくないわ」

ダル「名残惜しい感じがするよな……。僕、牧瀬氏の顔が画面から消える瞬間が毎回嫌いなんだよね」

紅莉栖「私も。味も素っ気もなく橋田が消えちゃうんだもん。こう、消えていく感じとかさぁ、もっと欲しいわよね」

ダル「そういうナマの感覚はやっぱ3日後のお楽しみかな。……はっ!」

紅莉栖「言わないわよHENTAI」

ダル「えぇー今更じゃんか。言ってくれおー」

紅莉栖「3日後を楽しみにしてなさい」

ダル「ちぇ、分かった」

紅莉栖「ふふ、じゃあまた。ばいばい橋田」

ダル「うん、牧瀬氏をぎゅって出来るの楽しみにしてるお。じゃね牧瀬氏」

支援だお



お決まりのカメラ越しのキスをして、私と僕は、Skypeを同時に切った。


そして、あっと言う間に2日は過ぎ、私と僕が再会する日。

2010年12月27日。秋葉原駅。
まゆり「紅~~莉~~栖~~ちゃ~~~~~ん!!」

紅莉栖「ま~~~ゆ~~~り~~~!!」

ダキッ!

まゆり「紅莉栖ちゃん久しぶりぃ~! ちょっと背大きくなった?」

紅莉栖「なるか! もうほぼ成長止まってるわよ!」

ダル「……」

紅莉栖「そこのHENTAIどこ見てんだコラ!」

岡部「よくぞ帰ったクリスティィ~ンナッ! 貴様の居ないあいだ我がラボは激しい戦力ダウンに喘いでいたぞ! お前の終生の地は未ガ研にあると知れ!!」

紅莉栖「はいはい久しぶりの岡部節は聞き応えあるわね。心配しなくても、ラボは私の第二の故郷よ」

岡部「嬉しいこと言ってくれるじゃないの……ラボに来てうーぱクッションをファックしていいぞ」

紅莉栖「死ねHENTAI!! 綯を面倒みてあげたって言うからちょっと見直してたのに……あ、綯!」

綯「紅莉栖おねえちゃん!」

紅莉栖「ごふ! ふ、腹部にタックルはよしなさいタックルは。体にも障るわよ?」

綯「むぅ、みんなそうやっていつまでも心配する。私もう大丈夫ですよ?」

紅莉栖「ふふ、我慢なさい。みんなあんたが大好きなのよ。心配し過ぎなくらいが丁度いいの」

るか「お帰りなさい、牧瀬さん」

紅莉栖「相変わらず綺麗ねあんたは……ただいま、るか。あれから素振り「修行だ愚か者!」はどう?」

るか「はい……60回は出来るようになりました」

紅莉栖「……岡部、あんた今度るかと腕相撲してみなさい」

岡部「フッ、なな何をばばばかなことを。師匠より優れた弟子など存在しない!!」

紅莉栖「その論が真なら人類は衰退していく一方じゃないアホか。そして萌郁さん! シャッター音うるさい!」

萌郁「……2ヶ月前と、ポーズ、一緒……」

紅莉栖「う、うっさい! どうせ消してないでしょうから今この場で2ヶ月前含めデータを消させてもらうわ!」

店長「そこら辺にしとけ萌郁。紅莉栖嬢をからかうな」ヒョイ

萌郁「あぁ~……携帯が……」

店長「嬢ちゃんもいつまでも面白リアクション取ってねーで学習しな。さてはいじめられっこ体質か」

紅莉栖「!? き、禁句!! それ以上の指摘は店長さんと言えど許しませんよ! 人の過去を窺うの禁止!」

店長「お、おぅ、すまんかった……」

支援


明日まで落とさないでくれ

うーん…
物書きとしてゆるせないんだが
何この幼稚な文章

フェイリス「必死すぎワロニャ」

紅莉栖「留未穂ひさしぶり! 今なんか言った!? 猫耳引っこ抜くわよ!」

フェイリス「やめるニャ! フェイリスの猫耳を外したらアキバに闇の障気が溢れて途端に死のまt」

紅莉栖「しっかし寒い! 日本寒すぎ、夏は蒸し暑くて冬は乾いてて寒いとか誰得よ!」

フェイリス「無視すんニャー!」

岡部「だからこそ四季を感じられるのだよ。メリケン処女には山紫水明は理解できんかな?」

紅莉栖「コンクリジャングルのアキバで白衣男がぶるぶる震えながら何か言ってます本当に(ry」

まゆり「オカリンは骨皮筋えもんさんだから、寒さや暑さをダイレクトに感じちゃうんだよね~。もっとダルくんみたいにお肉付けなきゃだめなんだよ?」

萌郁「……橋田君は……付けすぎ……」

紅莉栖「言えてる。岡部も橋田も両極端よ。あとデブだからって寒さに強いと思うなよって私じゃなくて橋田が言いなs」

ダル「サムイ」

紅莉栖「はっ、橋田ァァーッ!? く、くちびる紫ワロエナイ! どどどどっかカフェ入ってあったまりましょ!」

この>>1は出来る>>1

追いついた。
1度は廃れたとか思ったけど最近はシュタゲ良SSばっかで俺得すぎる


2ヶ月ぶりの再会。僕らは旧交を暖め合った。たった60日だったけど、とても待ち遠しい旧交に違いなかった。

その日はラボメンのみんなと店長を交えて、お帰りなさいパーティーを催した。

牧瀬氏一人を加えただけで、ラボの空気が以前に戻った気がする。やっぱり彼女は未ガ研になくてはならない人物だ。

たった2ヶ月でこの騒ぎようって、と照れ笑う牧瀬氏のまなじりにはたしかに小さな涙があった。

紅莉栖が@ちゃん語全く自重しなくなったのはダルのせいか




2日経って。12月29日。

橋田がコミケ初日をパスするというウルトラCをやってのけたことで。

私は彼とラボで2人きりになれる時間を得た。


紅莉栖「橋田ぁ~っ!」

ダル「牧瀬氏ぃ~っ!」

紅莉栖「橋田ぁ……待ちに待った橋田の感触ktkr……あぁ、あったかい……思ってた以上に柔らかい……」

ダル「よ、予想以上にピザで悪かったな! 牧瀬氏こそ柔らかいっての!」

紅莉栖「え!? ふ、太ってはないはずなんだけど」

ダル「オパーイが」

紅莉栖「HENTAI! ……もう。うりゃ、もっと味わえ」

ダル「ちょ、そ、そんな押し付けられたら柔らかいところが固くなってしまいますお!」

紅莉栖「重ね重ねHENTAI! ふーんだ、固くなっちゃえ、うりうり」

ダル「ちょちょ、ちょちょちょ!」

            -‐ '´ ̄`ヽ、
           /    '´  ̄  ̄`ヽ
          、__/ : : : : : )ノ: :ヾ: : : \
.        `7: (: : : : : : : : : : : : : : : :;     に
         {: : ト; ;ハ,リノ;Y川 } : ノ: : i      ょ
         i::小●    ● ノリル: ; j      ろ
          从l⊃ 、_,、_, ⊂⊃从ッ      l
          (y /⌒l,、 __, イァト (y     ん
.          (у /  /::|三/:://  (y
          ルリ l  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡,ルリ

紅莉栖「テ、テレビ電話でいろいろしたんだから今さらじゃない。何を恥ずかしがることがある!」

ダル「お、男らしー! ……牧瀬氏がそのつもりならこっちも!」

紅莉栖「ひゃん! い、いきなり胸は、やぁ、ん……」

ダル「うひょー! ままま牧瀬氏の胸やらかすぎワロタ……」

紅莉栖「も、揉みながら奇声を上げるなばか……あぁん、はしだぁ……」

ダル「……ま、牧瀬氏……」

紅莉栖「え、ちょ、ほ、ほんと? し、しちゃうの……?」

ダル「……」

紅莉栖「あ、まってよはしだ……心の準備が、ぁん、ふあ……」

ダル「……」

これはあかんわ壁じゃ足りんわ

NTRじゃないのに…

胸が痛い…。

ダルもう賢者か…

ダル「……ッス、ストップ! っし耐えた! 僕よく耐えた! おぱいの誘惑に耐えてよく頑張った感動した!」

紅莉栖「は、んん……あ、あれ、しないの……?」

ダル「まずちゅっちゅだお!」

紅莉栖「……あはは、そういえばそんなこと約束したわね。流されちゃってたわ」

ダル「このままえっちに雪崩込んでももちろんアリだったけど……やっぱまずちゅーしたい」

紅莉栖「あんたも根っこは純情よねぇ……。……分かった」

ダル「……」ガシッ

紅莉栖「ん……」

ダル「……牧瀬氏、愛してるお」

紅莉栖「私も……橋田、愛してる」

>>299
マグマは出すなよ?

>>297
【速報】コミマ回避にて鈴羽消滅確定

SG世界線だからオカリンの主観的には…

莉栖「…………ちゅ」

ダル「……」

紅莉栖「んちゅ、……ふぅ、……ん」

ダル「ん…………ふ……」

紅莉栖「ふあ…………はぁぁ……、はしだぁ……」

ダル「キ、キスって、すごいな……」

紅莉栖「うん……」

ダル「……牧瀬氏……」

紅莉栖「もっと……したいように、してもいいんだよ? はしだ……」

ダル「……オ、オーキードーキー。え、遠慮なしでやっちまうお?」

紅莉栖「うん……来て……」

>>304
うわああああああああああああああああああああああああああああああ

俺さぁ、なんだか悔しいよ・・・
なんだかさぁ!悔しいよ!

オカリンさぁ、頑張ったじゃん。
すんごい頑張ったじゃん。死にかけたじゃん。

いや、おもしろいよ。コレおもしろいよ。
ダルクリも悪くないのはわかるよ。

でもさ、でもさぁ!
なんか悔しいよ!
オッカリーーン!

これ万が一後日リーディングシュタイナー発動でもしようもんなら阿鼻叫喚だろ
紅莉栖は発狂するわダルは鈴羽関連で悶絶するわ


……大檜山ビル前。岡部倫太郎が、階段を上がっていく。



トン トン トン

岡部「しまったしまった、この俺としたことが定期を忘れてしまうとは。なんたる不覚」

トン トン トン

岡部「改札前でもたつく恥ずかしさは異常。照れ隠しについ定時連絡をしてしまったぞ。フゥーハハハ。これもシュタインズ・ゲートの選択か……」

トン トン トン

ガチャ

岡部「ん? 鍵が開いている?」

岡部「誰か居るのかー……?」

              トイ
              トイ
              トイ
             i三i

            〃   ヾ、
           〃      ヾ、
          〃        ヾ、

         〃 '´  ̄  ̄ ` ヽ、 ヾ、
         〃 / : : : : : )ノ: :ヾ: : :\ ヾ、
       〃 7: (: : : : : : : : : : : : :} :)ヽヾ
       || {: : ト/;ハ,リノ;\川 } : ノ: : i||   <失敗した
       || i::小●    ● ノリル: ; j ||
       || 从l⊃  、_,、_, ⊂⊃从ッ》 ||
         ヾ、(y;)   ゝ._)    (y;)///
        (⌒) >、 ____, イ(y;)(⌒)
         l ly;)ー======一l l
         ヽ_ノゞ::::::((:::::::::::::ルリゞノ

うわああああ

>>311
君はもう、自殺することすら出来ない

マグマだ!!!
マグマしかこのスレを救えない!!

ああああツラいツラい

>>309
その展開に期待したい





俺は、ゆっくりとドアを開けた。

ダルと紅莉栖の靴を認めて。

玄関からラボへ、ひょい、と顔だけを出して。



うわぁぁぁぁぁ

失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した

この瞬間を待っていたわけですよ

Oh…支援




そう、時計は進んでいた。


俺だけをおいて、時計は着実に進んでいた。


変わらないものなどない。


あるとしたら、それは俺の中の時計だった。


世界線に呪われた哀れな男は、扉を開けた先、SG世界線の無限の意味を思い知らされた。


オカリン崩壊√ktkr

もう眠気がやばいと思ったら何というタイミングだ…。





時刻は昼過ぎ。

俺に待ち受けていたもの。

差し込む暖かな日差しを受けた大きな何か。

それは抱き合う2つの人の姿。

ラボの真ん中、横に広い大男と、赤い髪の女が、口付けを交わす姿。



オッカリーン

おい。いちいちレス返すな。
興が削がれる

>>327
ないわー

うわああああああああああ
眠気吹っ飛んだ
こんな世界線ならいっそなかったほうがよかった

うわああああ
でも支援



呼吸が出来なかった。
事態を飲み込めなかった。
全身が凍り付いたように固まり、言うことを聞かなかった。

2人は俺に気付いた様子もなく、ただ一心不乱に互いを求めていた。
紅莉栖が時おり苦しそうに身じろぎし、ダルの背を切なげにさする。
逃がすまいとダルが腕に力を加え、首の角度を変え紅莉栖を貪る。
水音が耳に響く。
体が焦げるように暑い。
心が凍えるように寒い。

林檎のように顔を赤くした紅莉栖が、薄く目を開けてダルの瞳を見つめている。
おもむろに唇を離したダルが、火照った紅莉栖の頬を優しく撫でた。
大きな手に顔を寄せ、安心しきった様子で目を瞑る紅莉栖の表情は、女のそれだった。

>>1はこのまま続けて全部投下する気?





あぁ、どうして忘れ物などしてしまったのだろう。

どうして俺はここに居るのだろう。

どうして俺は2人の可能性に思い当たらなかったのだろう。

どうして俺は何も知らなかったのだろう。

どうして俺はSGを目指そうと思ったのだろう。

どうして俺はSGに居るんだろう。

どうして俺はSGに至ってから何も行動に移さなかったのだろう。

どうして俺はこの光景にショックを受けているんだろう。

どうして俺は静かにラボを出ようとしているのだろう。



俺は、何を、守ろうとしていたんだろう。この気持ちは、なんだろう。



オカリンェ…



俺は2人に悟られないよう、息を殺してラボを出た。

視界がブレる。下りの階段が波打つ。

1段1段、踏み外さないように降りていく。いやもう踏み外した?

1階。地面に足が着いていない。妙な浮遊感。

雑踏はモノクロ。階段を下りるだけで疲れた。工房前のベンチ。

倒れ込むように座る。首を上向ける。青い空。

緑の服。オレンジのキャップ。赤の髪。白い日差し。朱の入った頬。明滅する男女の横顔。

これがNTRか

リトライの数だけ悲しみあんなこれは

ネトリン…

壁殴りたい。

すごい別の意味で。

――――――
――――
――

(アキバの空は狭いな)

1時間は経ったか。肌を刺す冷気が、気持ちも少し冷やしてくれた。

背もたれに首を預け、ただ漫然と空を見上げる。
まゆりには昼でも星が見えているのだろうか。透明な星屑が瞬いているのだろうか。
今の俺には何も見えない。心に覆い被さった多色の曇天が、雲ひとつない青空をマーブルに染めあげる。
赤と緑とオレンジがよく目立った。

(タイムリープをしよう)

ふいに思った。
ずっと忌避してきた考えが、すんなりと心の内から浮かび上がってきた。

(Dメールは駄目だ。バタフライ・エフェクトでSG世界線を外れてしまう可能性がある。
 タイムリープなら世界線変動は誤差の範囲内。かつ、ダルと紅莉栖の関係を崩すことは容易だろう。
 人の生死が絡まない今回の件は、”世界線にとってどうでもいいこと”に違いないだろうから)

体にいまだ力は戻っていない。だのにすっと立ち上がり、何かに突き動かされるように体は澱みなく動く。
向かう先はパーツショップ。

寝る支援


世界線漂流のおかげで、マシンに必要な材料は全て暗記していた。
今日は12月29日。店舗はぎりぎり開いている。1時間半ほどを費やし一通りを買い揃え、ラボへ戻る。

……遠く、ブラウン管工房前に2人の姿が見えた。



2人とも少し気まずそうに、真っ赤な顔を微妙に逸らしながらも、その手はしっかりと結ばれていた。
指を1本1本絡めて、互いが互いを決して離すまいと、強く握り込まれている。



俺は買い物袋を提げた自分の手を見る。
何も握っていなかった。

2人は俺とは反対方向に歩いていく。細い背中と広い背中を見つめる。2人が離れていく。俺だけを置いて、世界が離れていく。

(はやくマシンを作ってしまおう)

2人を強引に視界から外し、俺はラボへ急いだ。

タイムリープは逃げだ
オカリンはこのまま独身で頑張ってもらいたい

逃げるのかオカリンよ

病みリン支援


ラボには俺一人。マシン製作はなんの滞りもなく、順調に推移した。
SERNのLHCへの直通回線も問題なく通っていた。心配はしていなかった。これも収束ということだ。

現在時間、2010年12月29日、17時36分。

遡れる時間は、2010年12月27日、17時36分まで。

上限いっぱいまで飛ぼうとは思わない。俺の脳裏にはラボで見たあの光景がこびり付いていた。

「あれは……13時半頃だったか」

遡行時間は今日の13時28分にセット。ラボへ向かう途中の俺へリープする。

あれほど固く誓った決意をたやすく破ってのタイムリープだというのに、今の俺にはなんの躊躇いもなかった。

「これが、シュタインズ・ゲートの選択だよ」

口に出してみた。自分でもびっくりするほど低い声音。

自嘲して。



エンターキーを押した。

むしろオカリンは逃げず、クリスとダルはRSして苦しんでほしい

ピッピッピッピッピッ

184080265*****

もしもし、FBさんですか?
アナタのお店の上によくくる橋田ってピザがIBN5100隠し持ってますよ

では


ピッ


「っぐ……!」

久しぶりに感じる、尋常ではない脳の痒み。周囲の風景は一変している。目の前に大檜山ビルがある。
タイムリープは成功した。

「……」

ラボを見上げる。記憶の中の光景が、今ここでまた行われているのだ。
根本的な解決になってないのは十分に分かっている。でも今は、俺を苛む2人の姿をとにかく一刻も早くぶち壊したくて、俺はラボへの階段を駆け上がっていた。

ラボの扉を躊躇なく開く。

「きゃぁあッ!?」
「うわぁあッ!?」

甲高い悲鳴と野太い悲鳴が耳朶を打った。2人は抱き合った体勢のまま、目を丸くして硬直している。

「お、お、岡部!? あ、いやあのその、こ、これは」
「オオオオカリンあああああのこここれはえーとえーと」

2人の慌てふためく様を見て、俺の心と体は凍ったままに燃え出す。
どこか遠くから2人を観劇しているような感覚がある。
あるいは、2人のほうが俺を観劇しているのか。

ダルは照れくさそうに帽子の上から頭をかき、もごもごと何かを言っている。
紅莉栖は顔を赤らめたまま足下を見つめ、目線だけを時おりダルとこちらへ寄越してくる。

しかし、SG線といえど一度観測してしまった以上、結局ダルクリに収束するんじゃないか?w

すまん寝る。
>>1頑張ってくれ。

追いついた

綯ェ…

タイムリープして作ってタイムリープして作ってを繰り返せばオカクリの時代が来る

オカクリはオワコンってことか…

>>350
SG線ならダルに浮気とか有り得ないんじゃないか?
命の恩人と一緒にいるのに隠れて付き合うとか童帝にはイミフ


2回目なのに。




さっき見たのに。




改めて2人の仲を目の当たりにして、どうしようもない暗い情念が、ふつふつと沸き上がってくるのを感じる。




2度に渡る目撃は、俺に”激昂する余裕”を与えた。

ふんっ…

SSって自分で書いてて恥ずかしくならないのかよ・・・


どうしてなんだ。

どうして紅莉栖の隣にダルが居るんだ。

どうして紅莉栖の隣に俺が居ないんだ。

彼女の、あの可愛らしい表情は俺にだけ向けられるべきものだ。

俺と紅莉栖のじれったい様子にまゆりは仲良しだねぇととぼけた感想を言い、ダルはリア充爆発しろとからかい混じりに叫ぶ。

そういうお約束だったはずだろう?

なぁダル、それじゃ横取りじゃないか。

なぁ紅莉栖、あのラボで何度も口付けを交わしたことを忘れたのか?

一回じゃ忘れるかもしれないからって、何度も交わしたよな。

どうして忘れてるんだよ、どうしてダルなんかと、どうして、どうしてどうしてどうして。

>>355
命の恩人なだけであって浮気でもなんでもないだろ

>>355
このSSはSG線世界線の話らしいよ!

こいッ!RS!

これは痛い…
知らないとはいえダルはオカリンの努力をとっちまうのは…

何故か2828してしまう俺
しえん


ふらつきながら鬼気迫る様子で近付く俺に、畏怖を感じたらしい紅莉栖が一歩後ずさった。
そんな一挙動さえ許せなくて、俺は大股で距離を縮める。

忘れたのなら思い出させてやる。

強引にでも何度かやればすぐに思い出すだろう。

アキバで再会を果たしたとき紅莉栖は、クリスティーナでも助手でもない、と知るはずのない答えを返した。

断片的には思い出しているはずなんだ。キスのことも思い出さない道理がない。


と、眼前に大きな体躯をした男が立ちふさがった。

「……オ、オカリン。ちょっと落ち着けって」

落ち着け? 何を言っているんだコイツは。
女を取られて落ち着いていられる男がどこに居るってんだよ。

「どけよ」

男の右肩に手をかけ強引に退かそうとする。しかし動かない。

「牧瀬氏おびえてんじゃん。とりま深呼吸でもして」

「どけよ!!」

どうなる...

くそ、明日早いってのに

しえん


反射的に右手を振るっていた。
それは男の顎あたりに命中し、巨体はあっけなく後方へ吹き飛ばされる。
紅莉栖の蚊の鳴くような悲鳴が聞こえ、彼女はすぐに男へすがりついた。

「橋田! 橋田ぁ!」

良いところに当たったのか、男は昏倒し目を覚まさない。
紅莉栖は男のそばに跪いて、必死に男を揺すっている。
目の前まで近付いているというのに、俺を見ようともしなかった。

「紅莉栖」

呼び掛けると、紅莉栖は震えながらもゆっくりと顔を上げた。
怒りに燃えた瞳だった。

あした早いのに…


「岡部……アンタどういうつもり……!」

おびえを怒気で隠し、紅莉栖は俺を詰問する。

こんな表情を向けられたことが今まで一度でもあっただろうか?

こんなにも敵意を剥き出しにした紅莉栖を見たことがあっただろうか?

どうして俺は紅莉栖にこんな顔をさせているんだ?

心の奥底で俺が俺に問いかける。しかし、もう止まれない。


一瞬だけ、紅莉栖の首を絞める中鉢の姿が頭をよぎった。


「お前こそどういうつもりだ、どうして俺以外の奴とキスなんかしてるんだよ」

紅莉栖が明らかに困惑した表情を見せる。

でもこれでダルは一切悪くない上に、ダルが勇気出した結果なんだよな…
どうなるんだ…

きついものがあるな

誰も悪くないのが辛い…


返答を待たず、俺は畳みかける。

世界線漂流で培った、俺たち2人の旅路、絆、愛。
その全てを言って聞かせた。

こうやって紅莉栖に別世界線の話をするのはもう何度目だろうか。そのいずれでも例外なく紅莉栖は俺の話を信じてくれた。

紅莉栖はいつだって俺の味方で、最高の助手で、最高のパートナーなんだ。

どんな荒唐無稽な話でも、コイツは俺の瞳を一直線に見つめ、茶化すこともなく、
親身になって、一言も聞き漏らさないよう冷静に聞いてくれるんだ。



それが、不文律だったはずだろう?



なぁ、どうしてそんな目を泳がせているんだ。

どうしてそんな、得体の知れないものを見るような目をしているんだ。

どうしてそんな……可哀想なくらい、震えてるんだ。


話せば話すほど、紅莉栖の心が俺から遠ざかっていくのが分かった。
気付けば俺は涙声だった。
いつだって俺の味方であったはずの女は、今は横たわる男の手に縋っていた。


「他の世界線で……マイスプーンはもう持ってるから、今度はマイフォークをって……話してくれたよな……?」

苦し紛れに、俺しか知らないであろうことを話す。返答は、俺の予測を越えていた。

「……橋田から、聞いたの……?」

橋田から、聞いた。

これはつまり、SG世界線においてマイフォークの話は、俺ではなくこの男に話したということだ。
カッと頭が熱くなるのが分かった。
思い出を奪われた、と感じた。

「青森へ行こうって……一緒に行って、父と改めて話をしようって……!」

俺はもう正常な思考が出来ていなかった。

他世界線で俺と紅莉栖は青森へ共に行く約束を交わしたが、このSG世界線では中鉢はすでにロシアで更迭されている。

有り得ないのだ。そんな約束をすることは。

だが俺は一縷の望みに賭けて、紅莉栖へ訴えかけた。
世界線記憶を喚起することに賭けた。

だが、紅莉栖の返答はまたも俺の予想を遙かに越えたものであった。


「あ、青森……? ロシア、じゃなくて……? それに、行こうって言ってくれたのは、岡部じゃなくて」

理解した。全身を駆け抜けた驚愕が、知らず、瞳を横たわる男に向けさせた。


あぁ、あぁ、ダル。まったくお前はいつだって予想の斜め上を行く男だな。

実の父に刺し殺されかけるなんて凄絶な体験をした女を、お前は再び向き会わせようというのか。

どんな手を使ったんだよダル。どうやって紅莉栖にそんなことを了承させたんだ。

ロシアへ行ってどうするつもりだ。中鉢に謝らせるのか。

もしくはしっかりと面と向かい合わせることで、今度こそきっぱりと吹っ切らせようというのか。



……そんなこと、俺は思い付きもしなかったよ。

俺は紅莉栖に、早く中鉢のことを忘れてほしかった。そこで思考を止めていた。

なぁ紅莉栖、……もしかしてお前は、俺がそう言ってくれるのを、待っていたのかな。

しえんぬ
寝るから朝まで保守しといてくれ

なにこれ・・・
なんか胸がくるしい・・・

明確なカップリングとかないはずなのにntrに見えるふしぎ

心の底からこの展開を楽しんでるのは俺だけだろうか


決定的な敗北感が俺の身を苛んだ。どうすれば紅莉栖は思い出すか、と冷静に立てていたロジックが崩れさる。
あとに残ったのは目の前の女への妄執。

「”なかったことにしないでくれよ”、紅莉栖……俺たちの、記憶を……」

正体を失った声で俺は詰め寄る。万策尽きた俺は、ただ紅莉栖の情に訴えるほかなかった。

「分かんない……岡部が何を言ってるのか、全然分かんないよ……」

紅莉栖に世界線記憶を思い出した様子は全くなかった。
それでも諦めきれない俺に、脳はある情景を思い出させてくれた。
その最後の一手を、俺は紅莉栖へ伝える。

「紅莉栖……頼む、後生だ。一度でいい。キス、させてくれ」

>>380
IDすげぇお

>>381
わかるぜ


鈴さんどうなるん…


「……な、何を言って……」

「頼む……一度でいいんだ……そうしたら、全部思い出すから……」

「いや……!」

紅莉栖は強く眉根を寄せ、一層激しく首を振った。
聞き分けのない彼女の両肩を押さえ、俺は持てる全てを吐き出す。

「お願いだ紅莉栖! お前だってこんな訳わかんないままでいたくないだろう!?
 バッヂのこととかいろいろ聞いてきたじゃないか! 俺の抱えてる秘密の正体を知りたいんだろ!?
 なら一度だけ! 一度だけ我慢して、キスさせてくれ!
 より強烈な感情とともに海馬に記銘されたエピソード記憶は忘却されにくい、お前はそう言ったよな!?
 このことはお前も例外じゃないはz」

「いやぁぁぁッ!!」

オカリン、それはないわー

オカリン…

これここにいる3人とも辛いよな

壊れかけのオカリンに何いってもショウガナイってばよ


手を――払われた。

「紅莉、栖……」

はっきりとした拒絶に、俺は動けないでいた。

「どうして……私と橋田しか知らないことを岡部が知ってるのか知らない……」

「どうして、岡部とばったり会ったあの日……クリスティーナでも助手でもないといっとろーが、なんて返したのか、今でもわからない……」

「でもそれが……岡部の言う、世界線記憶とかいうのによるものだとしたら……もし私が、それを全部思い出したら……!」

「……私は、岡部を『好きになってしまう』んでしょう……!?」

好きになってしまう。
好きになってしまう。
好きになってしまう。

……しまう?

別の感情からの壁ドン…


うわっ、なんだこれ! 熱っ!マグマ?!マグマだ!

オカリン…

もう違う意味で壁ドンしたい・・・


しまう。不本意の意。本心は別にあるの意。
ただの言葉尻が、これ以上なく俺の心を切り刻む。

「おまえ……今なんて……」

「私は!」

紅莉栖はしゃがみ込み、横たわるダルの体に縋り付いた。

「橋田が好きなの! 岡部がパパから私を助けてくれたことは感謝してる。
 感謝してるけど、私が好きなのは橋田! この人が好きなの!」

「どうしようもないHENTAIの中のHENTAIで、見てくれはデブでキモいオタクで最低の最悪よ。だけど……」

「だけど! 変なところで鋭くて、欲しいときに優しくしてくれて、結構頼りがいがあって、
 愛してるって気持ちをストレートに伝えてくれて、いつだって私のことを見てくれていて……!」

「私は、そんな橋田を……橋田を愛してるの……!」

今までずっとロム専で通してきたが、限界だ
なにこの神展開・・・

オラなんだかワクワクしてきたぞ


本気で紅莉栖の頬を張った。ダルのように無様に倒れ込む。
ぶたれた頬に手をやり、恐怖に彩られた表情で俺を見つめている。

そうだ、萌郁の時と同じように、強引にやってしまえばいい。
必要なことだ。紅莉栖が俺を思い出すには、やはりこれをしなければならない。
今の紅莉栖が俺を拒むのは仕方ない。今の紅莉栖は紅莉栖じゃないんだから。
俺が、俺の手で紅莉栖を元に戻してあげなきゃならない。
最初は嫌がるかもしれないが、すぐにあのラボでのことを思い出して、俺の気持ちに応えてくれるだろう。
そうに違いない。そうに違いないんだ。

「ごめんな、紅莉栖……すぐに思い出させてやらなかったせいで、ダルなんかを好きにさせてしまった……」

「あ……いや……」

「俺のせいだ、ごめん……今から、元のお前に戻してやるから……」

「いや、いや、来ないで……はしだ……はしだ……!」




今まで感じた事のない感覚だ

辛すぎワロタ








「うわああああぁぁぁぁぁっぁぁぁあぁぁぁああああああああああッッ!!!!」






なんだよ…なんなんだよこれは…


「がは……ッ!」

怒声を上げ、全身でタックルしてきたダルに俺は吹き飛ばされる。
PC机の脚に背中を強打し、あまりの痛みに俺は立ち上がることが適わなかった。

「牧瀬氏!」

ダルの方はすぐに体勢を立て直し、紅莉栖の手を急いでひっ掴む。

「あ、あぁ、橋田……!」

表情を一気に弛緩させた紅莉栖が、ダルを惚けた瞳で見つめている。確かめるように、ダルの手をしっかりと握り返していた。

「……紅莉……栖……、ダ……ル……」

背の尋常ではない痛みは、声も満足に上げさせてくれない。俺はドアへと走り去る2人の後ろ姿を見つめることしか出来なかった。

まさかのオカリンヤンデレ化…

うわああああぁぁぁぁぁっぁぁぁあぁぁぁああああああああああッッ!!!!
タイムリープ!タイムリープだろ!?逃げてもゆるされるだろぉぉぉぉ

NTR的なマゾな展開だなwww

オカリンマジキチに見えるが
・勝手に刺されてオカリンに目撃される
・ラボに自ら出向く
・αで手を差し伸べる(オカリンが助けを乞うたのは後)
・βで「忘れないで」、「たまには思い出して」、「相対性理論(ry」発言
・完全に別な人生を歩もうとオカリンが覚悟しる中で秋葉徘徊

恋愛方面で呪いかけてんのクリスだよなどう考えても

>>405
どこに逃げる気だ


ドアが勢い良く開かれた瞬間、2人がちらりとこちらを見た。


ダルの表情には憤怒があった。明確な敵意があった。決然とした拒絶があった。女を守ろうとする男の顔があった。

紅莉栖の表情には悲哀があった。明確な嫌悪があった。信じた父と信じた男に裏切られた子供が居た。男に縋る女の顔があった。





俺は悟った。

紅莉栖にはダルが、ダルには紅莉栖がもう居ると。

SG世界線は、だからこそSG世界線なのだと。

俺の旅路は、”なかったことになった”と。

さっさとDメールで過去改変しようぜ、SG世界線なぞくそくらえ


「何でだよ……ダル……やめろよ……どうして紅莉栖なんだよ……」

誰も居ない空間で、俺は言葉を投げかける。

それはダルだけに向けたものではない。紅莉栖にも。俺にも。世界にも向けたもの。

「お前には、コミケで出逢う可愛い嫁さんが居るんだろ……そう鈴羽が言ってたじゃないか……。
 そうだ……お前がその人と結ばれなかったら、鈴羽はどうなるんだよ……なぁ……。
 生まれてこないかもしれないじゃないか……そんなの、悲しいだろ……。
 αでもβでも悲しい未来が待ってたんだ……今度こそ、あいつを幸せにしてやれよ……お前の手でさ……。
 だから……だからさぁ……!」






                    ――ねぇ、岡部


おいおいオカリンかわいそうだろ・・・
このままじゃ夏目漱石のこころのパクリみたいな展開になるぞ


だから助手ではないし、ティーナでもないって!


                                           泣いてないわよ。男の人に怖い顔で迫られて恐怖を感じたとか、
                                           その後ほっとして涙が出たとか、そういうこと全然ないし!


                      ガッ


                                        開頭して海馬に電極ぶっ刺してやりたい



                             馬鹿なの!? 死ぬの!?

おいぬるぽ

紫煙

ぬるぽワロタ



そもそももしRSが正しいなら、あらゆる人間の記憶があんたの主観に引きずられてることになる


       そんなの、無理が有りすぎる。もしそうだったら岡部は文字通り、神よ


              でも、現実には神なんて、いない


                     世界は、あんたを中心に回っているわけじゃない


                            あんたの脳が、そう錯覚させているだけ


                                   世界にとってあんたが神だと言うなら、同体積の脳を持つ私も、世界にとって神になれるわけで


                                          精神はどこにあるか、って話。そして私は、私の精神をあんたの好きにさせたくない




                                                                             未来の可能性は無限よ

うわああああああ

ああああああああああああああああああああ

萎えさんに火掻き棒突っ込まれたかのような痛みがががが






























すげえな
心の抉りっぷりがパネエ
どういう気持ちで書いたんだ


ACTHの分泌過剰になり、ガンマ波から確率共鳴が起きてヒルベルト曲線のハウスドルフ次元は∞と仮定されるわけだから、
つまり漸近線はポジトロン断層法で計測して……?


                                                 えっ!? と、言いますと!?


                                          し、知りたいのか?


                                   ……目を閉じろ


                            より強烈な感情とともに海馬に記銘されたエピソード記憶は、忘却されにくいのよ


                     どうしても、岡部にだけは、私のこと忘れてほしくなかったから……


              な、生意気なっ。童貞のくせに                     そ、それなら、しょうがないな……


                                                 キスだけ……だぞ……


                                          ちゃんと、その、優しく……して…

うわあああああああああああ

支援




                                                        時間が――あっという間に過ぎていく




       今だけは……アインシュタインに、文句を言いたい気分




                                                 時間は絶対的じゃない









                     ねぇ、相対性理論って、とてもロマンチックで―― とても、切ないものだね……


まさかのオカナエルートか?

相対性理論は破綻した

相対性理論は破綻した

破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した
破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した
破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した破綻した






                「紅莉栖を……連れていかないでくれよぉぉぉぉぉッッ!




                 俺から……紅莉栖を奪わないでくれよぉぉぉ……ッ!




                 頼む……頼むよダルゥ……お願いだ……お願いだから……。




                 うう、……ぁ……ぁぁぁぁぁあああ………………あああああああああああああああああああああああ……!!」




投下してるだけなのに落ち込んできたぁ……。
キリの良い所なので、ささっと風呂入って眠気飛ばしてきます

FBかラウンダーからガバメントかPPK/SかAK47を借りたい

失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した

ダルクリと最初に書いてあったからずっと敬遠してたけど、単純にそういう話ではなさそうなので今から読ませてもらいます

支援

やばい、なんか読んでるだけでめっちゃワクワクしてきた
血液が沸騰しそうだ

こんな胸やけするSSは初めてだ

>>430
酒がいくらあっても足りないレベル

SG世界線でダルクリやったらそりゃオカリンを描くのは避けて通れないしな

ダメなんだよ…
岡部にはクリスじゃなきゃダメなんだよ…

胸がモヤモヤ?むかむか?ざわざわ?よくわからん

SG世界線のSSでこんな悲しい岡部見るの初めてだわ

ムカムカが消えないな
>>1はダルクリは体に良くないことを教えてくれようとしてるのか

リアルで胃が痛い

>>440 正直ダルクリの過程考えてるだけで辛かった。罪悪感がもうパなくてパなくて

再開します

岡部があの夏に囚われすぎてて不自然な気がする

q3/6n3tf0は俺達にオカクリの至高さを教えてくれた。面白いので支援

――――――
――――
――

「…………………………」

どれだけ時が過ぎただろうか。
今はラボ。PC机に寄りかかった体勢のまま、俺は虚無感の海に身を浸らせていた。

立ち上がる気力はない。身をよじらせる気力すらない。
ただ虚空を見つめる。

感情を少しでも動かせば、その途端に俺は衝動自殺を図っていたかもしれない。
しかし俺は緩慢な自殺を選ぶ。
心を凍らせ、体を凍らせ、無為な時が優しく俺を殺してくれることを望んだ。

壁のシミを見つめる。ただ見つめる。意味はない。それでいい。意味を持たないシミが俺の心を定位置に留め置いてくれる。
俺の心を、浮きも沈みもしない、植物にしてくれるのだ。

きた!

スワッピングで夫婦愛が深まる的な感じか

胃が痛い…④


と、無粋な音が空間を乱した。
ドアノブが回される音。ドアの軋む音。

壁のシミからほんの一瞬、関心が外れる。目だけがゆっくりとドアへ向いた。そこに居たのは。


「……オカリン」


まゆりだった。

綯さーん!早く来てくれー!


彼女は最後のダルと紅莉栖の表情を混ぜたような顔をしていた。しかし、その瞳には少なからず俺への憐憫が見えた。

「オカリン」

まゆりは俺の目の前に仁王立ちし、芯の通った言葉を掛けてくる。

やめてくれまゆり。もう一人にさせてくれ。このまま一人で消えさせてくれ。
俺に、感情を取り戻させないでくれ。

「ダルくんと紅莉栖ちゃんから、少しだけど聞いたよ。聞いたけど、さっぱり分からなかった。
 オカリン教えて。あれは一体なんの話なの?」

……あぁ、まゆりもか。
まゆりも、なにも思い出してはくれないのか。

この世界線は、とことん俺が嫌いなようだ。


「オカリンの今の様子を見ても、ただの嘘じゃないって分かるよ。本当に何かがあったんでしょ?
 オカリンの口からちゃんと聞けば、まゆしぃでも何か分かるかもしれない。ねぇ、オカリン」

しゃがんで俺に目線を合わせ、光ある瞳で俺を見つめてくる。

……まゆりにも話したとして。
果たして彼女は思い出してくれるのだろうか。
もし思い出さなかったら、今度こそ俺は耐えられない。今だって先程の記憶から目を逸らすのに必死なのだ。

「ねぇ、オカリン、お願い……まゆしぃに、教えて欲しいよ……」

惑う思考を、まゆりの小さな言葉が引き上げた。
彼女は俺に訴えている。俺の苦しみを、自分も共有したい、と言ってくれている。

「…………」

ブレていたまゆりの輪郭がはっきりと見えてくる。俺の目にも彼女の光が灯る。
俺はゆっくり、しかしはっきりと頷いた。

まさかのオカマユ?

濃~いマグマ分を摂取してムカムカを抑えるお!

うつだしのう


長い、長い時間をかけて話した。
とっくにまゆりは門限を過ぎているだろうに、文句一つ言わず俺に付き合ってくれた。
途中、喉を涸らす俺にまゆりはコーヒーやドクペを口に運んでくれた。
余りに信じ難く、聞き辛いであろう俺の話を聞いてくれた。
まゆりの死も話した。全て話した。包み隠さず、今に至る俺の心境を全て話した。





そして俺は話しているうち、一つの仮説に至った。
全てを語り終えた後、まゆりの表情で、その仮説は事実だと確信した。

やっぱまゆりは天使だな



まゆりは、心配していたのだ。



世界線漂流という辛い体験をしてきた俺を心配したのではない。



真剣な調子で荒唐無稽な話を語り出す、頭のおかしくなった幼なじみを、心配していたのだ。

無限に広がる夢も
描く未来も
僕達に許された虚栄な権利

厨設定か
やめろ...

まゆしぃも天使じゃなかった

前言撤回

孤独の観測者ああああああ

呑み込まれてゆく


孤独な観測者





うわあああああああああいああああああああ

誰か岡部を救ってくれ…

そりゃあSGではまゆり、夢でのRS発動してねえからなあ。βでは信じたのに・・・




今まで、誰かに他世界線の話をした時は、必ず一定の理解は得られていた。


紅莉栖もダルもルカ子もフェイリスも萌郁も、細かいリアクションは違ったが、
俺の真剣な様子を見て、最後にはある程度飲み込んでくれていた。


まゆりも、試したことは終ぞ無かったが、困惑しつつも必ず聞き入れてくれたであろう。


……なのに、目の前のまゆりは違う。


相づちは打っていたが、話を真剣に聞いている様子はなかった。この表情を、俺はどこかで見たことがあった。


あれはたしか、そう、テレビ。
認知症のお年寄りの話を聞き流す、看護婦の表情だ。


無限の可能性って希望に溢れた言葉が怖くなってきた

本編とは違った絶望感。
ゲームクリアしたと思ったら隠しエンディングがバッドエンドでした状態。

ダルクリでもいい
だが、救いがないのはやめてよぉ


俺は、まゆりの反応に、絶望よりも先に違和感を感じた。

起こっている事態の裏に見え隠れする”何か”にデジャビュを感じた。

それは、まゆりの避け得ぬ死に翻弄されているときに感じたもの。先ほどの紅莉栖の様子に感じたもの。


……”世界線の意志”。


確信する。

SG世界線のリスクを。

ディストピアや第三次世界大戦とは今のところ無縁な、この世界線独自の特徴を。





それは

”俺を除き、誰も他世界線記憶を思い出さない。かつ、俺の話を誰も信用しない。
 故に、誰も俺の味方にならない”

ということだ。

>>470
ファンディスクで出たアフターストーリーがこれだったら暴徒化しそう

ダルクリラブラブまではまだ見れたんだけど
今まで頑張ってきたオカリンがここまで打ちのめされていると
辛いな…

オカリン…

>>470
こんな世界線認めねえよ。本編であったらマジ鬱になるレベル。でも話としては
よくできてるから読んでしまうこのジレンマ

>>473
死人が出るぞ


この世界線は、どのアトラクタフィールドからも一切干渉を受けない、たった一つの世界線。

俺以外の全員から、リーディング・シュタイナーが完全に失われている、孤独な世界線。

他世界線のあまねくバタフライ・エフェクトが辿り着けない、ひとりぼっちの世界線。

唯一の例外は、再会直後の紅莉栖。ただそれだけ。そしてあれは”俺に希望を持たせる罠”だった訳だ。

俺を除いて、もう誰も思い出せないし、もう誰も俺の話を信じない。

俺は除かれて、世界は進んでいく。





劇場版これだったらとんでもないことになるな
上映中に嗚咽やら罵声やらが飛んでくるだろ

>>479
ニュースになるわ

>>473
かんなぎやエルフの下級生の比じゃないレベルの騒動になるだろな

さて、>>1はどのような結末にするのか…

>>479
もし映画でこれやられたらガチ泣きする自信あるわ

――――――
――――
――

あの後も、まゆりは俺に何か言葉をかけていたようだった。
だが何も思い出せない。
彼女が優しい表情を作って何か喋っている映像だけが記憶に残っている。音声は欠落していた。

相も変わらず同じ姿勢のまま、俺は時が過ぎるのを待った。
まゆりはいつの間にか居なくなっていた。
傍らにドクペとジューシーからあげナンバーワンがあったが、鼻をくすぐるはずの香ばしい匂いは全くしない。

自分が今どこに居るのか分からなかった。
本当に俺は今ラボに居るのか、もしかしてこれは夢じゃないのか、今は実家のベッドに居たりして。
色々なことを考えた。
そもそもここは本当にSG世界線なのか、というより俺はSG世界線に居るのか、
俺一人だけ6桁未満で変動率がズレており、見ている景色はみんなと同じでも立っている場所は違っているのではないか、
これが夢だとしても果たしてそれは俺の夢か、
どこかの蝶が見ている夢ではないか、
紅莉栖は紅莉栖なのか、ダルはダルなのか、まゆりはまゆりなのか、俺は俺なのか。

しえん

地面か…

フンッ!

うわ、なんだこれ!寒っ!
氷河!?氷河だ!

胡蝶の夢か


取り留めもない思考に身をやつすと、なにか救われた気になる。
でも結局は逃避だ。


紛れもなくここは現実で。
SG世界線で。
紅莉栖とダルは一緒になり。
俺の想いは遂げられず。
横のドクペはぬるくなり。
からあげは冷め切り。
たった独りの俺が居る。

五感が戻ってくる。
嗅ぎ慣れたラボのにおいが鼻をかすめた。
背中に鈍い痛みを感じた。
心に鋭い痛みを感じた。

俺はヨメヤ ソラキ、よろしくな!

うわ!なんだこれ!?
マグマ!?マグマだ!!


「これがシュタインズ・ゲートの選択だ」

リープする気力はもう無かった。
そうだよな紅莉栖。”タイムリープは逃げ”って叱ってくれたよな。
過去は絶対だから過去なんだ。

「これがシュタインズ・ゲートの選択だ」

心は燃えたぎっていた。
そうだよなダル。”どうしてお前そんな冷静なんだよ”って怒ってくれたよな。
慣れてはいけないことだよな。


俺はすでに理解していた。

紅莉栖は俺との記憶を、ダルとの記憶に代えて再構成している。

ダルは阿万音との記憶を、紅莉栖との記憶に代えて再構成している。

2人の仲は収束だ。

俺を世界から爪弾くように、最高の絆が最悪な形で再構成されたのだ。

リープを繰り返せば、俺はたぶん”慣れて”、”2人の仲を認める”だろう。



それだけは、いやだ。

全俺が泣いた

これはこのままどん底エンドの予定なのかな・・・そうだったらもう不貞寝しちゃうんだけど。




だから俺は、無くさないよ。



リープしないし。



慣れもしない。



俺の激情を、この瞬間に留め置くよ。


いやスレタイと>>1からするとまだオカリンに救いはありそう。いやあってくれ

でもまあ余り物カップリングされるよりは救われないオカリンを貫いてくれた方がすっきりするかな

自分らの願望押し付けるなよ

鬱は嫌とかどんだけ鬱耐性無いんだよwww


ラボに置いてある、まゆりの裁縫セットを取り出す。

かなり頑丈そうな太めの糸、いやゴムヒモを取り出す。

何重にも巻いて、ぐっ、ぐっ、と引っ張ってみる。よし、これなら大丈夫そうだ。

裁縫セットには色とりどりの糸があった。赤、青、黄色、緑、紫、ピンク……。

ピンクは手に取らず、俺はたくさんの色の糸をヒモに巻き付けてみた。

鈴羽は世界線の説明をヨリ糸でしてくれた。彼女も連れていこう。

世界線を模したヒモ。

俺は最初から、世界線という真綿で首を絞められていたんだな。

紅莉栖と俺の仲も、そもそもお前が仕組んだことだった。

もう、十分踊っただろ。もう休ませてくれ。

……いや、俺の決意もまたお前の仕組んだことか。

おい・・・

やめてぇぇぇ

まだだ!まだ終わらんよ!

…(゜д゜)


岡部倫太郎は最初、やはり首吊りに失敗した。

最初にリープした17時36分まで岡部は生きていなければならないから。

岡部は待った。

17時37分を待った。

最初の自殺に失敗すると、ほとんどの自殺志願者は怖じ気付いてやめてしまうそうだ。

だが彼は待った。

17時37分を待った。

世界線に束縛されない、自由に死ねる時間を待った。

17時37分、彼は首を括った。先ほどとは違う感触がした。死ねる、と思った。

>>496
鬱耐性あろうと誰だって鬱エンドはいやだろう。映画のバタフライエフェクトみたいな喪失感ならいいが

俺は終始この展開を楽しんでるぞ

オカクリ派じゃないからかも知れんが

鬱エンドどころか最悪の結末だっち






(これが、シュタインズ・ゲートの選択だよ)




うわぁぁぁぁぁl

全ての

悲しみのない時間へのループへと呑み込まれてゆく
孤独の観測者

残酷な約定はあったのだ…

ここで綯ちゃんが腹タックルをかますわけですね

まあエヴァSSの頃に鬱耐性は出来てるから日和られて中途半端に違う幸せ見つけられるよりはずんどこでおk

>>503
強引にグッドエンドに持ってく方が嫌だわ

無理矢理感があると読み終わった時、呆れてしまう


「……おか、べ……?」

                「牧瀬氏? ちょ、ひっくり返ってどうしたんだお」

     「そんな……岡部……うそ、でしょ……」

          「おい牧瀬氏。マジでどうし……」

  「いや……いや……!」

                   「オカ……リン……? あ、あぁぁ……!」




       「いやああっぁぁぁぁぁっぁぁああああああああッッ!!」

       「うわああぁっぁぁっぁぁっぁぁぁああああああッッ!!」



匙は遠く


まさかな
いや、まさかな
ニトロならやってくれそうだ

ははははは・・・

ちょうどいいところで追いついた
胸が痛いがSG世界線ってのはこういう可能性もあるんだよな・・・
悲壮感のある展開は好きだけどなんだかな・・・

支援

これは耐えられない




2010年12月30日、9時17分。

現場は大檜山ビル2階。

第一発見者は牧瀬紅莉栖、橋田至の2名。

岡部倫太郎が首吊り死体で見つかった。


うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した

一秒ごとに世界線を越えて君のその笑顔を

お互いが最悪な結末を迎えるがRSでやり直し続ける無限のループと

まだ終わってないが考えさせられた
OPだけで色々妄想出きるな


岡部の葬儀はしめやかに行われた。

ラボメンの皆が泣き喚き、取り乱し、放心している。

牧瀬、橋田、椎名の3名はとりわけ酷い様相だった。

彼の死を自分のせいだと思い、必死に岡部の死体に縋っている。

後日、彼らは情報を共有し、タイムトラベル理論に行き当たった。

理論の原型は牧瀬の頭の中にある。発展させるのは難しいことではない。

3人は必死に、岡部を助ける手段を探し求めた。

しかし。

”他のラボメンたちが、友人たちが、彼らを止めた。”

もう過去に囚われるのはやめろと、彼はもう死んだんだと、3人を必死に止めた。

3人は次第に考えを改めていった。岡部の死を受け入れ、前を向き始めた。

僕らの存在さえ疑う

SG線は未来はわからないが、救われない…かもしれない
過去(RSクリス)に捕らわれ、未来を嘆くも(ダルクリ線)

鬱展開だけど、凄いわ

>>511
その意見には同意だが最近の作品はグッドよりトゥルーみたいなエンドが多いのは確か。
やっぱり記憶に残るか残らないかなんだが。つーかこの鬱展開は記憶残りそうだな。

シュタインズ・ゲート…特に意味はない

オカリンの頑張りも無意味なものになってしまったな


時というものは偉大だ。ゆっくりとだが悲しみや痛みを和らげてくれる。

いつしか岡部倫太郎は過去の人となり、彼の死を乗り越え、皆は歩み出した。

かつて執念に囚われた男が居たが、あれは特異な例であろう。

人間は根源的に時間的存在である。時とともに生きている。

過去は離れていき、未来は近付いてくる。

轍を残し、前を向くからこそ人は人なのだ。

岡部は哀れな羊であった。

12番目の理論を観測しただけで掌握した気になり、”世界は俺の手の中にある”などと嘯いた哀れな羊。

全て、シュタインズ・ゲートの選択だというのに。

さてここから・・・

>世界は俺の手の中にある

アニメ23話を見直したときに鬱になりそうな文章だ。
すご過ぎるこの>>1

ここからだな

まだ始まってもいない
ちょっと長いプロローグなだけさ…きっと


シュタインズ・ゲートは少し拍子抜けしていた。

たった一度のループで岡部が諦めてしまったことに呆れていた。

”執念”を持ち得る男ではなかったのか、と落胆した。

おもちゃが思ったより早く壊れてしまった、と嘆息した。



ただ、潔い死を選んだことは賢明な判断だったと言えよう。

たとえ生き残り、タイムトラベル理論にしがみついたとしても。

イレギュラーを赦さないシュタインズ・ゲートの原理原則は、必ず岡部を死に至らしめていただろうから。

>>520
るか、フェイリス、萌都(綯)だよな?

フラグ王だし、止めないんじゃないか
特に萌都
この世界線じゃ綯が発狂する

オカリンの死は決定事項なのか…

おい
シュタインズ・ゲートさんってだれだw

コンクリに囲まれた瓶の底みたいな場所で怒鳴りあって……お互い遠いとこまで来ちまったな

ここからが正念場 がんばれ>>1!寝落ちは許さん!

黒幕SGかよ…

シュタインズゲートさんマジ鬼畜
適当に名前つけられたからってそんな目の敵にせんでも

まだ終わらん、まだ終わらんよ>>1



”岡部倫太郎を除き、誰も他世界線記憶を思い出さない。かつ、岡部倫太郎の話を誰も信用しない。
 故に、誰も岡部倫太郎の味方にならない”


岡部の推測は方向性としては正しい。

ただ、シュタインズ・ゲートはもっと優しく無慈悲である。正確には以下だ。


”岡部倫太郎を除き、誰も他世界線記憶を思い出さない。かつ、岡部倫太郎から誰も強い影響を受けない。
 故に、岡部倫太郎の味方にはなるが、彼に囚われる者は居ない”


シュタインズ・ゲートは平和を愛する。

他世界線記憶を有する不穏分子、岡部倫太郎は、シュタインズ・ゲートにとって邪魔者以外の何者でもない。

ゆえに、牧瀬を通し”罠”を仕掛け、牧瀬と橋田の仲の観測を遅らせることで、岡部を死へと誘引した。

そして、周囲の人物が彼の死に大きな影響を受けることもない。

運命石の扉は今ここに閉じた。

そろそろSGさんの擬人化絵を描かねばならぬようだな


最初読むの辛かったが今なんかスッキリしてるわ

SGさん=林&千代丸だろwww

>>539
( Д ) ゜゜

このシュタインズゲートさんハガレンの真理君のイメージなんだけど

フェイリスの『チェシャ猫の微笑』なら救うことできたんじゃね?っていうのは無粋か
>>1最後まで頑張ってくれ

やっべえオラすっげえわくわくしてきたぞw

なえさんがとんでもタイムリープしまくる可能性を俺はまだ諦めない


神の創り出した世界は完全なるもの。絶対の均衡。

支配者気取りの愚かな種族は、うぬぼれた稚拙な定理に囚われる。

無限の未来も夢も愛も、彼に示されるは虚構。

そびえ立つ城壁を乗り越えてみせても、宇宙は意図的な規制を始め、世界は綻びをもみ消すように書き換える。




観測者が記憶してさえいれば、彼の旅路は”なかったことにはならない”。

結果より過程を大事にしろ、とはよく言ったものだ。




以上、全てはシュタインズ・ゲートの選択である。



            ―― True End ――

>>545
フェイリスにしても綯にしても中途半端というか…

彼の死に大きな影響を受けない…と思っていたら綯さん発狂とか?

こんなにまともに壁を殴りたくなったのは久しぶりだ… 壁というよりは地面か

>―― True End ――
おい・・・やめてくれよ・・・頼むよ・・・

>>547
残酷な約定

  ( ^)   地面か…
  (  ) ̄
(  | |  )


  _(^o^)  フンッ!
    ( )|
  (  | |  )

       ( ^o)  うわっ!
      ̄(  )
   (   //  )

             (o^ )  なんだこれ!熱っ!
            (  )ヽ
             | | 

..三  \ \  V  /   (o^ ) 三 マグマだー♪
 三  \ \  V  / (  )ヽ 三
三   \ \  |  /  / /   三


三  ( ^o) \  V // / /  三  マグマだー♪
 三/( ) \  V / (o^/   三
三   ヽヽ  \ |  /(  /  三

..三/( )  \  V  /    (o^ ) 三 
 三  ヽヽ^o) \ V   /  (  )ヽ 三
三    \  )\ | (o^/  / /   三

マグマってレベルじゃねーぞ
>>1

>―― True End ――

まだだ、まだだろ?>>1

結構うまくまとめてきたな
だが…

おいおいまだ伏線残ってるだろ○○の部分が

綯に立てたフラグはどうするんだよ

世界を欺いて紅莉栖を救ったと思ったら…

>>550
こうなるなら綯の話いらなかったと思う



このスレのENDロールの途中で鳳凰院 リンが頭がいたい



            ―― True End ――


                                              /l

                                              / l
                                        {`ヽ、  /   l
                                        }   \ /    }
                                        {   /    l

                                        丶  {      l
                                         }  ヽ、   l
                                         {  _,-ー   ,ア´
                                         ,フ {    /ij

                                        _/ ̄ }  /
                                           {_ノ´
                                          _/



俺…オカリンのために線香上げてくる…
>>1乙と思ったらなんか来た?

>>1乙!
また何か書いてくれ!

あーでもこれはありかもしれん
シュタインズゲートさんが持ってるルールには納得してしまった


ここまでが、岡部倫太郎の物語である。

ここからは夢物語。

蝶たちの見た夢物語。

胡蝶の夢。

それでも、たくさんの蝶たちが夢を見た。

みなが同じ夢を見たならば、それは現実足りうるのかもしれない。

優先される主観は果たしてどちらか。

観測者たちよ、どうか最後まで見届けて欲しい。

>>549
フェイリスは目を通し、読心術として相手の『答え』ではなく自分の能力を第一に信じ答えを得てる
539通りならRS発動しなくてもいい、影響を受けなくなてもいい、少しでも信じて
味方になれば救われたんじゃって話

(*゜д゜)…

俺は最後まで見届けるぞ

           /,r'     /    /// // / i !    i  !: '., ': : : ':.':. i
          /,r' /  //  ////////,イ i !.    }  ! i!: :  : :、 '::.:i
        ,,r'' / /ィ7   / //// / /,r" ,イ,' ! !   /  .! i!: :  :: : :  ':::i
     _,,.-''7 / __,,-'' /   ////// /,=' ,,イ,' ,' ,' .!   /  : .!: i! :  : : : :  '::i
  --''  /_,, -''' /  /   .' .',.'.'.'.'.' ,,r'' _,r'7/i' .,'/ ,イ  ,イ ,': : i!: i!.'  : : : : : ':l
   -''  ̄//. ' /:  : '  : :.',.'.'.',r'' ,ィ''/〃 !' ,'// / ィ// ,i': : ,!i: i!,',' : : : : .: : :l
    // /.'  /:  : :  : :.'.' ,r' ,イ // .ir .,' /./ /// //,':. : ! ! !,',' .' : : : ノ : :l
    ,'/  ,'.' .〃:  : : .:' : :,','r' ,イ:.' ,'i/  !' !/ / /// // ,',' : !__! :/| .' ///,イ .' .:l
   ,','  ,'.' / ,'.:  : : :i : : レ r'i.!i.i.' ,'7 ̄''!ー/ / / / //''"!! : ! ,'/` | ,' ///,イ! / :!
.  〃.  i' / i!.' .i:i:i:! :  ir'::!::!i i!'.:!' !_,,r- // / /  〃 -!'! /=メィ, ,' ,'/ィ.',ィi!,'///;'
  /   ,' ,'  l!: .i!:i::! : .i!::_;!r'!i !i:!'メ゙'ニ''=-!/// /   '" ゙゙゙゙̄''"/.' /,'/ Vヽ/ ノ
     ,'r'.  !i: !i!:i:! : .i!::{ ヘ ! !:! "                 イ.' /〃 /=! | / ほら、みんな頑張って!
     !'   !'!: :!'!i::!  ,'.':'ヽ!ヘ! !! ///   .::     /// // /  ノ ノ//
        ! '!;! !:!:  .'.'ノ!i,、'!、 !         ''         /,r' / /`/i /
          !  !: .'ノ'" リ `='、       、_,、   _,ィ  /''    /~",'/!r'
           ノ / :::   ::::::.丶、      `'--- '"       .r:!,イ,'/r!' :::..
          ,'r'  ::     ::::::::.`ヽ..              .r::::/ ,'/    ::::.
             :::       ::::::::::::::::::::::....       ..r::::::::::/ !'     ::::

でもシュタインズ・ゲートさんということは、αβのほうは関与してないということか
αさんやβさんはどんな人だったんだろうか
βさんなんかオカリン派っぽいよな

落としてから上げるというよりも地獄にいる読者に蜘蛛の糸を垂らすような展開がうまいな

朝まで残っててくれよ
支援保守

手にハサミついてんのかと思った

そうよね…
150レス強あるんだものね…
終わるわけないわよね…

>>567
お借りんが憔悴しきっていたのがあれか


2025年12月29日17時37分。

大檜山ビル。株式会社未来ガジェット研究所本社。

形だけではあるが、2階のラボは今も、昔の姿のままそこにあった。

美しく成長した一人の女が、かつて岡部が首を吊った場所に立っている。

少々丈の長い白衣には、時を経てくすんだラボメンバッヂが縫い付けられていた。

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

きたかっ!

キタ――(゜∀゜)――と言いたい所だが無粋であろう


後は孤独な観測者次第なのだな?

くっ、これじゃ寝れねぇじゃねぇか、もう終わりまで見届けるぜ

萎えさんならもっと陰惨にしてくれると信じてる


「オカリンおじさん」

着ている白衣をかき抱き、女は名前を呼ぶ。

「未来ガジェット研究所は今もここにあるよ。あなたの遺した想いは、消えてないよ」

女は男の跡を継ぎ、未ガ研のリーダーとなった。

「……でも、出来れば」

女の声に涙が混じる。

「オカリンおじさんと一緒に、ラボを続けたかったなぁ……!」

いっそう強く体を抱いて、女は泣いた。
もう死んだ男を想い、女は泣いた。

>>582
ダルクリの泣く頃にか
いや、β線に繋がる…のか?


2010年12月29日17時37分。

ヒモがうまく首のツボに入らず、男は首をギリギリと締め上げられていた。
襲い来る真っ黒な死に、男はただ怯える。こねくり回した下らない理屈など全て投げ捨てて、男の本能は助けを求めた。

しかし今さら後悔しても遅い。頑丈なゴムヒモは確実に男を死に至らしめる。

男はよだれと涙と鼻水を垂れ流し、手足をばたばたと振り回す。

無様に喘ぐ男は、ふと。


誰かが自分を抱き締める感触を得た。

幼なじみでも愛した女でもない、知らない柔らかさだった。

「ぁ、が」

助けてくれ。助けてくれ。男は呼びかける。しかし何者かはただ自分を抱き締めるだけ。
目に見えない誰かへ向け、男は必死に助けを呼ぶ。呼び続ける。

「……っ」

しかし、これは確定した過去。
ヒモが1ミリずれ、男の脈が極まる。一瞬で意識を刈り取られ、男はその命を終えた。




男の最後の記憶は、温もり。


さる

うわ


彼の脳から、一匹の青い蝶が這い出た。

今にも息絶えそうなその蝶は、ぽてり、と力なく床へ落ちる。

小さな小さな彼は、記憶の縁をひとつだけ持っていた。

もう死んだ彼は、なおも死力を振り絞り、羽ばたいた。

ラボの窓から大空へと飛び立った。

アキバの全景を眼下に、彼は飛んでいく。

上空を飛ぶ。

日本を飛ぶ。

世界を飛ぶ。



過去を飛ぶ。

未来を飛ぶ。

世界線を飛ぶ。

最後に自分を抱き締めてくれたあの人を求めて、彼はSG上のあらゆる空間、あらゆる時間を懸命に飛び続けた。

そうきたか…

寝られない

ようやくおいついたぜ


奇天烈な服を着た男性と、彼を袖で見守る女性。違う、彼らではない。


妙齢の男性たちを前に、臆せず意見を言うスーツのよく似合った女性。違う、彼女ではない。


生まれたばかりの赤ん坊を幸せそうに抱える長髪の女性と、その光景を静かに見つめる禿頭の男性。違う、彼らではない。


三つ編みのよく似合う少女を間に、散歩をしている大柄の男性と赤髪の女性。違う、彼らではない。

何この名作
寝られない

最後の行で胸が苦しい


夢幻の時間を漂った彼は、ふと懐かしいにおいを感じて羽ばたきをやめた。

見下ろせば、遙か昔に見た覚えのあるビル。

そのビルの中。

恋い焦がれた、彼の人の温もりを感じて。

彼は真っ逆様に落ちていった。

感動で言葉が出ないとはこの事か

綯「こ、これでいいですか?」

岡部「うんむ!!!!」

綯(嬉しそうだなぁ……)

綯(……あ、そうか。紅莉栖おねえちゃんがアメリカに行っちゃったから、もう着る人はオカリンおじさんしか居ないんだ……)

綯「……まゆりおねえちゃんに、もう一着お願いしようかな」

岡部「む? 何か言ったか小動物」

綯「何も言ってませんし小動物じゃないです」

岡部「おいおいおいなんだそれは高度なギャグか!? お前が小動物じゃなきゃ小動物の定義が危ういぞ!?
   あ、なるほど微生物と言って欲しいのかそうか。すまなかったな微生物よ!」

綯(む、むかつくぅ~……!)

綯「……万年白衣厨二病ガリガリ老け顔オヤジ」

岡部「……」

綯「あっ……」

岡部「……綯。おじさん怒らないからこっち来なさい。な? こっち来なさいよ。怒らないから」

綯「ひ、ひぃぃ……! と、父さ~ん!」ダダダダ……

岡部「ちょ、おま! ミスターブラウンを頼るのは反則だろ! 待てこの腹黒小動物!」ダダダダ……

wktk



天王寺綯がラボを飛び出た瞬間。

彼は、慈母の抱擁を求め、彼女の頭上へと、降り立った。

さる?


ラボを走り出た瞬間。

「……あ、れ?」

私の頭に何かが入り込んだ感触がした。

その直後。

「あ……つい……いたい……なに、これ……ッ!」

猛烈な頭痛。猛烈な熱。
視界が真っ暗になり、汗が噴き出す。平衡感覚が失われ、私は階段を最上段から転げ落ちていく。
鈍器で殴られたような激痛をまず頭に感じ、後はただ落ちた。
節々が痛い。体が動かない。痛みが全身をうねり、声を上げることも出来ない。

「綯ッッ!!」

浮遊感があった。誰かの腕が私を強く抱き上げたらしい。白いひらひらが僅かな視界の隅に映る。
誰かは私に声をかけるが、もうよく耳も聞こえない。

「ミスターブラウンッ! 綯がッッ!!」

「あぁん? 綯がどうし…………おい綯、どうした、綯!! な…………――――!!」

周囲の喧噪は尾を引くように伸び掠れ、世界が遠のいていく。視覚が、聴覚が、五感が、消えていく。

私は意識を手放した。

しえんだ

全ては繋がっているんだな


『……ここは……?』

真っ白い空間に、私の意識だけが浮き立っている。

重力は感じないが、立っている、と認識したとたん足に感触があった。

周囲を見渡しても白ばかり。上下左右、全ての方向にどこまでも続く白が広がっていた。

と、視界のずっと向こうに、青い輝きが瞬いた。それは蝶。……1匹の小さな蝶。

蝶の羽ばたきはふらふらと頼りなく、今にも落ちて息絶えてしまいそうだ。

その子はこちらへ向かっていた。私へ向かっていた。

『……ッ!』

訳の分からない衝動が私を貫く。彼を助けたい。助けなきゃ。

走り出した私と、蝶の距離はぐんぐん詰まっていく。

これなら大丈夫、彼を助けられる。両手を伸ばし、彼を支えようとする。

……しかし、直前で彼は力を失い、ふっと落下した。

『オカリンおじさん!!』

限界まで伸ばしきった、右手の、指先が、彼をかすめて……――。



                 div 1.048596%
                 xxx #.######%




                 div 1.048596%
                 rxx #.#0####%




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                 rxx 0.#0##0#%




                 div 1.048596%
                 rxt 0.#0#00#%




                 div 1.048596%
                 rot 0.000001%

わっふるわっふる

|∧∧
|・ω・`) そ~~・・・
|o④o
|―u'


| ∧∧
|(´・ω・`)
|o   ヾ
|―u' ④ <コトッ




| ミ  ピャッ!
|    ④

>>1prpr




3週間後。


ニュートリノの件でタイムトラベルが可能うんぬん


……長く、そして短い夢を見ていた気がする。色が見えた瞬間から、記憶からは失われてしまったけれど。

こういうときなんて言えばいいって言ってたっけ、ダルおじさん。たしか、そうだ。

”見知らぬ天井”。

「待ってろ、すぐに先生を呼んでくるからな!」

久しぶりに聞いたあの人の声。オカリンおじさん。

ばたばたとせわしなく走り去っていく足音が聞こえて、五感が戻ったことを理解した。

痛みはない。熱もない。頭は澄んでいる。

しかし記憶はない。ひらつく白衣と2人のせっぱ詰まった声を最後に、記憶が断絶している。

長い間、私は幽明を漂っていた。

飛んできたお医者様から、『3週間もの間、意識不明で生死をさまよっていた』と聞かされても、なんら疑問には思わなかった。


父さん、萌郁おねえちゃん、まゆりおねえちゃん、ダルおじさん、るかおにいちゃん、フェイリスおねえちゃん、学校の友達、父さんの友達。

いろんな人がお見舞いに来てくれた。

みんなみんなとても心配してくれたけど、私の主観は時間が吹き飛んでいたのでなんだか申し訳なくなった。

一週間、大事を取って安静にし、簡単なリハビリを終え、私は退院した。

久しぶりの外は気持ちよかった。狭い空、アキバの町並み、肌を打つ風や鼻をくすぐるにおい、全てが新鮮だった。

3週間越しのラボ。ぐちゃぐちゃと色んなものが置かれたラボ。
窓際で小さな白衣が寂しそうに風に揺れていた。
手を伸ばして取ろうとすると、オカリンおじさんがすぐさま駆け寄ってきて取ってくれた。

優しいおじさんなんて変な気分だ。小さくお礼を言って白衣を着る。
なじむ、じつになじむぞー。これは誰だっけ、スピードワゴンさん? だっけ?

おじさんを見た。おじさんもいつも通り白衣を着ていた。3週間、おじさんは一人だった、と唐突に思った。
まゆりおねえちゃんやダルおじさんが居たのに、そう思った。

小さな白衣を着た小さな私、大きな白衣を着た大きなオカリンおじさん。

「ごめんなさい、オカリンおじさん」

謝っていた。何について謝ったのかは分からない。あふれる涙はそのままに、おじさんに縋り付いた。
硬直するおじさんに構わず、私は彼の足に取り付いて泣き続けた。



そして、運命の日。2010年12月29日。

しえ


年の瀬。天王寺家には3人の人の姿があった。

私、父さん、そして萌郁おねえちゃん。

父さんは何をするでもなく、ぼーっとテレビの特番を見ていて。
萌郁おねえちゃんはみかんの筋をせっせと取って、綺麗なみかんを私に渡してくれている。

こたつの3辺にそれぞれ入って、ただ何をするでもなく、時間と空間を共有する。
ゆっくりとした団欒。とっても素敵なひととき。

こんな日がいつまでも続けばいい、というようなことをこの前言ってみたら、オバハンか、と父さんに呆れられた。失礼な。

ちょっと不愉快なことを思い出してしまったので、みかんを2房いっぺんに口へ放り込む。んんー、甘くておいしい。

このちょっとした贅沢がいいんだよね。なんて言うとまたオバハンくさいとか言われそうだなぁ。もういいよオバサンで。

萌郁おねえちゃんにばかり白いのを取らせるのもあれだから、私も協力しようと手を伸ばしtttttttttttttttt

ん?






『(これが、シュタインズ・ゲートの選択だよ)』




腹の痛くなるssだな…


……?

……? ……?

……なに、今の。

オカリンおじさんの、声なき声が聞こえた。はっきりと耳に。

私の中の何かがざわめく。どこかへ導こうとしている。それは羽の付いた何かを思い起こさせたけど、連想はそこで途切れた。

ここに居る時間はない。もう時間は残されていない。正体不明の焦燥感が私を追い立てる。
こたつでぬくぬくしてる暇なんてない。もう一刻の猶予もない!

私はこたつを飛び出す。父さんと萌郁おねえちゃんが目を丸くして私を見ていた。

……私、何してるんだろ。急に恥ずかしくなった。
父さんは渋面を作って、トイレ我慢してたのかよ、と言い放った。全く、デリカシーのない父だ。

なんでもない、急に運動したくなっただけ、と適当に理由を付けて再びこたつへ潜り込む。なんだったんだ今のは。

オカリンおじさんの声なんて聞こえるわけない。彼はいま実家かラボだろう。
どうしてこの家に居てあの人の声gggggggggggggg

頑張れ






『(嫌だ! 死にたくない! 助けてくれ! 助けてくれ! 助けてくれ!)』




言葉が出ないぜ


……。また聞こえた。今度はもっとせっぱ詰まった声。

本格的に病院に行った方がいいかも。なんなんだ本当に。萌郁おねえちゃんのみかんを堪能させてくれ。

夢なら寝ているときに出てきてくrrrrrrrrrr


『……っ……』


……。


『…………』


……。

聞いたことなんてないはずなのに。でもそれはたしかに、人が呼吸をやめる音だった。

死んだはずの人の助けを求める声が頭の中に響いてくるとか怖すぎだろ


消えていた焦りが再び頭をもたげてくる。何かが、誰かが、私を待っている。

「……行かなきゃ」

確固たる気持ちでこたつを出て、私は家を辞そうとする。

「おっ、おい綯! どこ行くんだ!?」

「……綯ちゃん……?」

明らかにトイレに行くような様子ではない私を2人は察する。

「なんでもないよ。ちょっと用事」

「な、なんでもないわきゃねぇだろう! なんでそんな眉間にシワ寄せてんだおめぇ……」

……父さんは、やっぱり鋭い。






「……行ってきます。ありがとう、父さん」




走る。家を出る。走る。父さんの大きな声が聞こえた。けど振り向かない。振り向いてる時間はない。

誰が私を待ってるかなんて分からない。けど誰かが待ってる。


ブラウン管工房前の、ベンチで。


今行くから。待ってて。まだ早まらないで。

さきほど連想しかけていた何かが頭の中で実体を持った。蝶だ。

それは青く輝く蝶。現実にこんな蝶は居ないだろう。私の頭の中だけにいる彼が、私を導いてくれている。

あの場所へ。





彼の運命の大分岐点へ。

支援


「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」

間に合った。彼は待っていた。ベンチに腰掛け、ぼぉっと天を見上げ待っていた。

すぐさま駆け寄る。

「……ッ!」

彼の様子は異様だった。

空を見上げる瞳はさっきから瞬きをしていない。口は白痴のように半開きになっている。

あまりに奇異。その様子に常の私なら恐怖を感じ、話しかけようとはしなかっただろう。


しかし、今の私は違う。

頭の中の蝶、もうそれだけではない、私自身が、オカリンおじさんを助けたいと強く願っていた。

意を決してさらに近づいてみる。

予想以上に彼の纏う雰囲気はひどいものだった。顔には涙の跡がくっきりとある。拭うことも忘れていたようだ。

表情も幽鬼のように青白く、力の抜け切った諦めた表情をしていた。

引きそうになる気持ちを押さえ、私を何度も助けてくれた彼の姿を思い描き、背に芯を入れて、自分を奮い立たせる。

乾く口を強引に開き、話しかけた。



「……ねぇ、オカリンおじさん」


支援


返答はない。

彼は私に気付いていない。

一度言葉を口に出来れば、後は流れるように続けられた。

「ねぇ、オカリンおじさんたら。どうしたの?」

返答はない。

さらに近寄って、白衣を握って強く揺さぶる。

「オカリンおじさん」

私に揺らされるままになっている彼の首が、ガクリ、と垂れ。






私と目が合った。

あれgoodend?
てっきり萎えさんのダル逆行栗断罪特務機関SERNものでドロドロするのかと


「ひ」

光のない瞳。

何も写していない瞳。

暗い瞳が、昆虫のように私を見ている。

じぃ、と射すくめられ、私はただ固まってしまう。

どれだけ時間が経ったか。彼はこちらに目を向けたまま、口を開いた。

「紅莉栖とダルがな、キスしてたんだよ」

唐突なその言葉に、私は反応を返せなかった。

私の様子など意に介さず、オカリンおじさんは続ける。

「ラボで。抱き合って。嬉しそうに。顔赤らめてた」

散文調で、心の言葉をそのまま言葉にし続ける。

オカリン•••

オカリンチュッチュ

結局、牧瀬鈴羽ちゃんになっちゃうのか。ご愁傷さまですオカリン

岡部綯になれば問題はない

>>639
なるわけねえだろ。苗字かわったらAじゃない。ラボメンじゃない。鈴羽じゃない


「さっきラボに寄ったんだ。そうしたらキスしてた」

                    「紅莉栖を助けたのは俺じゃないのか?」

       「ダルも紅莉栖も幸せそうだった」

                                               「どうしてダルなんだ?」

     「俺が何か悪いことしたかな」

                              「あのとき紅莉栖は思い出したじゃないか。クリスティーナでも助手でもない、って」

           「SG世界線の未来は未定ってこういうことだったのかよ?」

   「ならどうして俺を紅莉栖に会わせた。どうして俺に希望を持たせた」

                                    「これが世界線って奴のやり口か?」

         「そうだな。ディストピアやら世界大戦やらよりずっと効いたよ」

                 「ハッキリ思い出せる。忘れられそうにない」

                                              「紅莉栖とダルの表情」

     「誰のおかげでここに居られるかも忘れやがって」

鈴羽ルートみたいなオカリン


「オカリンおじさん!!」

抑揚のない口調で、呪いの言葉を吐き続ける彼を呼び止める。話している内容は所々理解できなかった。

オカリンおじさんが紅莉栖おねえちゃんを好いているらしいことはなんとなく知っていた。
いや、紅莉栖おねえちゃんの向こうに誰かを見ているようにも見えたけど。

とにかく、紅莉栖おねえちゃんはダルおじさんを選んだ。それにオカリンおじさんは激高しているらしかった。

「……ちょっと、お店の中に入ろうよ。少し落ち着こう?」

異様な気配を感じてか、周囲に人が集まっていた。

彼らにオカリンおじさんのこんな様子を見られるのがイヤで、私は彼を強引に店内へ引っ張っていった。

>>641
救いようのない、悪意のある世界線で、いままでのことが無駄になるわけだからラボメンバッジのようには収束しないんじゃね

ダルクリはネーよ。本当に無いわー人それぞれなんだろうけどねー

スポーツ年鑑さえ燃やせば元に戻るさ


42型ブラウン管の前にある机から、パイプ椅子を引っ張りだしてきておじさんを座らせる。

力なく手足を投げ出す彼は、見ていて痛々しかった。

これほどに弱った彼は見たことがなかった。

オカリンおじさんという人は、いつだって正体不明の自信に溢れている人で。

多すぎるくらいのエネルギーがみんなに伝染するような、そんな人だった。

今の彼は逆だ。

見ていると気持ちが沈んでくる。

体中の正の気を全て取られてしまいそうだ。そのくらいに今の彼は重苦しい気に覆われていた。



少しして、彼はぽつぽつと語り始める。




「……ハジマリは、電話レンジ(仮)。そして一通のメールだった」



>>646
わざわざそれを言いに来るとは…
空気を読んで静観しているんだ

鬱話しは有り得ないシチュエーションで阿鼻叫喚にするために書いてるんだから無いのは当然だろ
そのうちオカリンがひどい目にあうのが病み付きになるよ
それが鬱SS
俺はみなぎってきたわ

>>646
今までの全部読んでるの?オカリンははぶられてるわけじゃないぞ
カップリングSSじゃなくてこれはシュタインズゲートとしての設定を生かしたSSと思えたが


荒唐無稽な話だった。

世界線という概念があって、過去を変えられるメールを実験している内、まゆりおねえちゃんが萌郁おねえちゃんに殺されて。

まゆりおねえちゃんを助けるために、Dメールを相殺していく旅。
別の世界線のことを実感とともに覚えていられるのは倫太郎さんだけ、という孤独な旅。


最初は阿万音鈴羽って人。
記憶を失いとあるPCを倫太郎さんへ届けられなかった彼女は、在るべき姿、ラボメンとの思い出を犠牲に無事PCを神社へ奉納した。


次はフェイリスおねえちゃんのメール。
生き返ったおねえちゃんの父さんは、在るべき姿、死へと戻った。


次はるかおにいちゃんのメール。
女の子になったおにいちゃんは、在るべき姿、男へ戻った。


そして萌郁おねえちゃんのメール。
PCの在処を知ったおねえちゃんは、在るべき姿、PCの在処を知らない彼女にににににににににににににににににににににににに。


あれ、萎えさん来る?








『お前は、15年後に殺す。それまで、怯えて待ってなさい』






ようやく追い付いたけど萎さnnnnn

萎えさんキタ━(゚∀゚)━!


……なに、今の。

覚えのない記憶がフラッシュバックする。

包丁を萌郁おねえちゃんのお腹に埋めている私が居る。

大振りのナイフを携えた私が、恐怖と悲嘆に彩られたオカリンおじさんと対峙している。

彼の腕を切り裂き、真っ赤な傷口を指でほじくり、鋭い痛みに喘ぐ彼の表情を楽しんでいる。

こんな記憶を私は知らない。

おぞましい光景は、ある種の確信を以て確かな過去としての色を得ていく。

赤が眩しい。

ひどい臭いがする。

学校のトイレの臭いを酷くした感じ。

何これ、何。

うんちとおしっこの臭い。

何、これ。

萎えさんに刺されたい



『やめてくれ!! もう殺してくれェェェェッ!! ぎゃあああぁあっぁっぁっぁっぁぁぁぁぁあああああああ!!』


『殺すわけないでしょう!? お前に永遠に死は訪れない!!
 何度も何度も何度も殺して殺して殺して過去へ戻って生き返らせて生き返らせて生き返らせて殺し続けてやる!!』


『ひlきいいぃぃぃぃいいいff:vdwfdjmfdfkdぃdふぁいjfd!!』


『強力なRSを持つお前は、死を迎える瞬間!! 他世界線で死んだお前を夢ではなく実感として鋭敏に感知できることを私は突き止めた!!
 それってさぁ、最高にキッツいよね!! 100回目の死の時、お前はその前の99回を再び体感するんだよ!!
 101回目で100回! 102回目で101回!! 苦しみは累乗されていく!! あっははっはははっははははあははああ!!』


『dかfじkdふぁjふぁあjふぁああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーー』



『あれ……? なんだ、壊れちゃった? 無理無理、壊れても逃げられないよ。過去のお前はピンピンしてるんだからね。
 早めに壊れるほど、次が辛くなるよ……? あっはははっはははっははっははひゃはああああああああああ!!』


知らない。何これ。何これ何これ何これ!!

コンナキオク私知らない。覚えてナイ。こんなの私じゃない。私のはずがなイ。ねぇオカリンおじさん、違うよね。
おじさんの変な発作がうつったカナ。厨二病って言うやツ。そうなんでしょ? ねぇ、そうだよね? 岡部倫太郎。



彼は笑っていた。私に話し、私がどうなるかを彼は知っていた。

彼は私に八つ当たりして、私を壊し、同時に自分も死のうというのだろうか。

あぁ、なんて迷惑な。これでもう私は以前の綯でいられない。ラウンダーの綯を取り戻してしまった。

なら、彼の望みに応えてやろう。私の望みに応えてやろう。




――殺してやるよ、岡部倫太郎。

しえ

oh...全盛期の萎えさんがここにおる


力の入れ加減は記憶している。子供の細腕でもコツさえ分かっていれば何も問題はない。最大限に苦しませ、1回目の死を与えてやる。

それで済ますつもりはない。この世界線に現状マシンは無いが、橋田至と牧瀬紅莉栖が居る。
300人委員会のディストピア計画もまだ完全破棄はされていないはず。
元ラウンダーの私しか知り得ない情報をちらつかせれば、彼らは私に接触してくることだろう。
そうなれば――




また何度でも、岡部倫太郎を殺せる♪




嬉しい。嬉しい。絶頂でイキそうだ。未来は光り輝いている、ありがとう世界線。
私はまたコイツを殺せるんだ。父さんを殺したコイツをまたたくさん殺せるんだ。こんなに嬉しいことはない。ありがとう岡部倫太郎。

だからまずは死ね岡部倫太郎。

どうしてこうなった

全盛期の萎えさんはお呼びじゃないのよ!

シュタゲ三大トラウマの二つに萎えさんが関わっている事実・・・支援

恐すぎておしっこ漏らした

心温まるストーリーだと思ったら違った世界戦に来てしまった

そっちを思い出すのかよ!


ギリギリと締まる首。苦悶の表情で悶える岡部倫太郎。自殺の意志があろうが、刻々と迫る死の恐怖に人間は耐えられない。
これだこれだ。久方ぶりのこの感覚。命を真綿で締めるこの感覚。

まだまだ死なないだろう。久しぶりなんだからもうちょっと楽しまなくちゃ。記念すべき第一殺。
SGでの新たな恐怖のハジマリ。私にとっては歓喜のハジマリ。





岡部倫太郎の頭の向こうにある42型ブラウン管に、私の顔が写る。嬉しそうに狂的な笑みを浮かべていた。




――その笑みに、険しい表情を浮かべる別の私がダブって見えた。



やべえただのオカリンヘイトしたいだけの半端なSSかと思いきや
俺好みのガチ鬱SSじゃねえかよ

>記念すべき第一殺。

この記念に一枚パシャリ☆みたいな軽いノリにワロタ







          「オカリンおじさんは死なせない。私が守ってみせる」






”私”は自分を取り戻す。

いつか見た真っ白な空間に、私とラウンダーの私が佇んでいた。

「お前……どういうつもりだ……!」

立ちはだかる女は、大きかった。黒のぴっちりしたラバースーツに身を包み、全身から隠し切れない狂気を放っている。

「言ったとおりだよ。これは私の身体。あなたの好きにはさせない」

「……誘発型のRSの場合、強烈な印象を持った記憶は主人格として強制固着されるはずだ!!
 どうしてお前は自我を保っていられる!?」

「あなたと同じか、それ以上に強い記憶だった。それだけのことでしょ」

「そんな馬鹿な……小学生時点での私の人格なんて……取るに足らないはず……!」

「なにそれ。不幸自慢、人殺し自慢がしたいわけ? 父さんを殺されて、いっぱいオカリンおじさんを殺したから、自分の方が強いって?
 ……ふざけないで。勝手な復讐に取り憑かれただけの馬鹿女のくせに……!」

昼間で残っていてくれよ…


「なんだと……? ……お前の父親は、そこに居る岡部倫太郎に殺されたんだぞ!! わかっているのか!?」

「父さんはオカリンおじさんに正体が発覚した時点で、自分はもう生きられないことを悟った。だから娘に累が及ぶ前に命を絶った。
 そうでしょ? 天王寺家には盗聴器と隠しカメラが仕掛けられていたんだから」

「お前、私の記憶を!!」


”私”は、”私”の人格を以て、”アイツ”の記憶を咀嚼する。


「父さんの自殺を目撃した時点で、あなたは父さんの意を汲んで黙認していなければならなかった。
 ”怯えて口を閉ざした無力な子供”の命を取る意義は薄い。ラウンダーも手を出さなかったでしょう」

「子供のお前にそんな冷静な判断が着くはずがないだろう!! だいたい、父さんの自殺は岡部倫太郎に迫られたせいだ!!」

「あれはSGに至るための行為。故意じゃない。
 オカリンおじさんに父さんを殺す意志は微塵もなかった。あの時のおじさんの表情を忘れたわけではないでしょう?

 ……子供の私に冷静な判断が出来なかっただろうことは同意するわ。
 だから、子供の時点で”記憶”を取り戻すことが出来た私は、今、冷静に判断する。



               ”オカリンおじさんは、私が救ってみせる”」

綯さんが大天使になった…!!!


「……何を言っているんだお前は……私には全く理解できない……!!」

「理解する必要は無い。私もあなたは理解しないわ。オカリンおじさんを殺すことが目的になってしまったイカレ女なんて、理解する意味がない」

「……ッ!! 殺す。お前はここで殺す。岡部倫太郎や桐生萌郁のように殺す! ここで殺して、私はお前に成り代わる!」

「言葉と行動が伴っていないわよ。自分の姿をよく見てみなさい」

「ッ……そんな……透け、てる……!?」

「あなたは私に説得されかかった。私の人格にあなたという人格は負けを認めつつある」

「嘘だ……お前のような鼻ったれのクソガキに、この、私が……」

「どっちがクソガキだってのよ……。図体ばかりデカいだけで、アンタはずっと幼いまま……!!」

>>677
なーに、ちょっとダークサイドに堕ちてただけさ。

まゆりが天使だとすると綯さんは聖母や・・・


アンタの人生は壮絶なものだっただろう。
ただオカリンおじさんを殺すためだけに生きてきた人生。幸せになれる瞬間をふいにし続けてきた人生。

もしオカリンおじさんが故意に父さんを殺したんだとしても、優しい父さんが復讐なんて望むわけがない。

……父さんが私を愛して愛して愛し抜いてくれたように、お前もまた、誰かを愛して愛して愛し抜かなければならなかったんだ!



        「消えろ……ラウンダーの私!!



         アンタの蝶を私は受け取ってやらない!!



         オカリンおじさんを救うために、記憶だけは引き取らせてもらう。”なかったことにはしない”!



         けど、アンタの人格は”なかったことにする”!! この平和な世界線に、アンタという人格は必要ない!!



         そのまま、独り寂しく消えていけ……!!」



「やめて……やめろ……私を否定するな!! 私はアンタだぞ! かつてあったアンタの姿そのものだ!!
 否定するな!! ”なかったことにするな”!!」


「……分かったわ。”なかったことにはしない”であげる。でも、”おいかけはしない”」


「な……」


「アンタの醜態を記憶に刻んで、私は前を向くわ。同じ轍はもう踏まない! オカリンおじさんは……私が助けるんだ!!」


「や……やめろ……! 私を消すな……!!
 やめろ、やめろおぉぉおぉぉぉぉぉっぉぉぉっっぉぉおおおおあああああああぁぁぁぁぁあああああああッッ!!」

綯たんが天使すぎて生きるのがつらくなってきた

帰ってくるまで残ってるかな?


白い世界が一気に晴れる。所狭しと並べられたブラウン管が目に入る。頭が重い。脳が燃えるようにかゆい。
復讐に彩られた真っ黒な記憶が脳の中で渦巻いている。

血が滲むほどに唇を噛みしめ、現実を見据える。

そうだ、ラウンダーの私には克ったが、本題はここからだ。オカリンおじさんを取り戻さなければならない。

おじさんの首に巻き付けていた指を離す。おじさんが苦しげに咳をする。

「オカリンおじさん! ごめん! 私……自分を取り戻したよ! だからオカリンおじさんも絶望したりしないで! 顔を上げて!」

床に手を突き、首を押さえ咳をするおじさんの、目だけがこちらを向いていた。

どうして殺してくれなかった、どうして手を離した、どうして復讐しなかった……。


「なにが……げほ、取り戻しただ……」

「……ラウンダーの私はおじさんを何度も辛い目に遭わせた。だから、その分だけ私はおじさんを助けたいの」

「……」

「紅莉栖おねえちゃんとダルおじさんが一緒になったのは辛いと思うよ。
 今までの世界線で、紅莉栖おねえちゃんはいつだっておじさんの一番のパートナーだったもんね。でも」

「黙れ。お前に俺の気持ちが分かるものか」

「……おじさん」

「もう喋るな。全て、無駄なんだ」

追い付いたけど超展開過ぎたぜ…


「もう分かったんだ。俺はどこへ行っても、たった独りで、世界線に翻弄されるだけで、すべては世界線が俺にやらせていたことだったんだって」




「もういいんだ。死にたい。死なせてくれ。世界線が俺にもう死ねと言っている。まゆりのビンタも同じなんだよ。世界線がやらせたことだ。
 お前のそれもそうだ。自分を取り戻したとか言ってるが、錯覚だよ。すべて世界線の意志だ」




「頑張っても頑張らなくても、なるようになるんだ。全てはシュタインズ・ゲートの選択で……この世には、シュタインズ・ゲートの選択しかないんだよ!!
 人間が介在する隙なんて無いんだ!!」




「SG世界線に至れたのは、世界線の”執念”だ!! そこに俺の意志は無い!!
 紅莉栖が俺の横に居たのは、女を絡ませることで俺にやる気を出させたかった、ただそれだけだ!! それが紅莉栖の役柄だった!!」



「SGに至れたから、もう俺はお払い箱!! 紅莉栖は”いつだって俺の隣にいる”という役から解放され、ダルを選んだ!!
 ……これが、シュタインズ・ゲートの選択だよ……!!」

ここでシュタインズ・ゲートの選択って言うのは逃げだろうな。本編でも
クリスを見捨てる時と助ける時だけは俺の選択っていってんだし。
つーか8時から仕事なのにPCからはなれられねえwww眠いいいいいいいい

まとめに乗れ

お前ら8bitかえ


まくし立てる彼を前に、私は絶句する。


彼はもう私に話しかけていない。私の前に居ない。SG世界線に、立っていない。


彼の意識は世界線の間を浮遊し、俯瞰している。もう戻ってこれない。


あぁ、あぁ、駄目だ。私では駄目だ。


実質はたった独りで世界線と向き合ってきた彼を真の意味で説得できるのは、同じ立場の者、彼自身だけだ。


私では、役が不足している。私では彼を掬いあげられない。


復讐に憑かれた私の絶望とは別種のソレが、身を包む。


私の言葉では、届かない。

お猿ェ・・・

8bitって続編だよな
ストーリーもSG到達後だから紅莉栖がラボメン加入後の話だよな?







――その時、42型ブラウン管に青い燐光が瞬いた。





役不足の揚げ足禁止

ダルクリは悪くないのに何故か腹が立つ
これも観測者の視点のせいだな

おはよう支援


それは夢か幻か。





ブラウン管の向こうから、青い輝きを放つ何兆という蝶たちがこちらへ羽ばたいてくる。





彼らはそのまま次元の壁を突き破り、オカリンおじさんをすり抜け、私の中へ……。


7000万年前へ遡航し意志と化した女は夢を見た。

「彼を助けたい」





己を消す送信ボタンに手を掛けたタイムリーパーの男は夢を見た。

「彼を助けたい」




LHC内で、血に濡れた愛する男に背を向けた女は夢を見た。

「彼を助けたい」




性の壁を前に、己の愛を封じた男は夢を見た。

「彼を助けたい」

しえん


最愛の親とのひとときを過ごした女は夢を見た。

「彼を助けたい」




彼と共に己が手を血に染めていた女は夢を見た。

「彼を助けたい」




失敗し、彼と同じ最期を遂げた女は夢を見た。

「彼を助けたい」




娘と、気に掛かる女を残し、頭を撃ち抜いた男は夢を見た。

「彼を助けたい」

7000万年前の地球に吹き飛び意志を託したのはオカリンだったけどな。支援


岡部倫太郎の蝶が、天王寺綯の蝶が彼らを呼ぶ。

1匹1匹はとても小さくて取るに足らなくても、無限の世界線の無限の蝶が羽ばたけば。



バタフライ・エフェクト。



”なかったことにしてはならない”。



無限の想いが、いま、天王寺綯に託される――

なにが始まるんです?


電車にひき潰されたまゆりおねえちゃんを呆然と見る、私を見る私……ううん、オカリンおじさん。

                        rot 0.179387%

バイトのおねえちゃんを抱き締め、頭を撫でてあげる私……ううん、ダルおじさん。

                        rot 0.293855%

紅莉栖おねえちゃんを殺してしまい、諦めてしまったおじさんをビンタする私……ううん、まゆりおねえちゃん。

                        rot 0.445784%

父さんの、FBの死を前にして、心を凍らせる私……ううん、萌郁おねえちゃん。

                        rot 0.578963%

殻を脱ぎ、本当の自分でオカリンおじさんと向き合う私……ううん、フェイリスおねえちゃん。

                        rot 0.648328%

おじさんの背中にすがりつき、封印しなければならない気持ちを解き放つ私……ううん、るかおにいちゃん。

                        rot 0.714623%

死の恐怖を押さえつけて、愛する人と何度もキスを交わす私……ううん、紅莉栖おねえちゃん。

                        rot 0.851159%

そうきたか・・・

なえの階段落下が伏線だったのはすげえと思ったけどちょいちょいわけわかんない展開になるな


私が知り得ない記憶。


他世界線に打ち捨てられた、私以外の記憶。


すべての世界線、すべての人々、すべての記憶、すべての想いが私の頭の中に濁流のように注ぎ込まれる。


いったいどうしてかは分からない。ただこれは本当にあった記憶だ。


記憶とともに彼らの感情が見える。歓喜、後悔、哀愁、憐憫、諦観、克気、決心、安堵、慟哭、感動。


そうして最後に、あの今にも死に絶えそうだった、頭の中の蝶が最後の羽ばたきを始める。


未来、少し先の未来。


オカリンおじさんの未来の記憶。ラボ。


視点が異様に高い。目線が動かない。いや、ふらふらと左右に移動している。


これはなんの記憶? あ、真ん中に紅莉栖おねえちゃんとダルおじさんが居る。2人とも驚愕に目を見開いている。


ラボの端にある姿見に目が行く。





……首を吊った、オカリンおじさんの姿。

                        rot 0.946721%

辛いから早く救ってやってくれ

救われるのか?

人類補完うんたらみたいなのが綯さんに起こってるみたいな解釈でおk?


私は理解する。


ここがSG世界線のターニングポイントだ。


βで執念を得たおじさんが言った”お前は1年後に再びタイムトラベル理論と向き合うことになる”という言葉が、
SGでは時と形を変えておじさんを襲ったのか。


彼の精神はいつだって張り詰めていた。切れる寸前の弦のように。
偶然にもアキバの雑踏で紅莉栖おねえちゃんに会えた時、彼は少し気を緩めた。報われる、と気を抜いた。
それが、”最後の罠”だったとも知らずに。


おじさんに淡い期待を抱かせたまま、さらに、彼は今日のこの瞬間までダルおじさんと紅莉栖おねえちゃんの仲を”観測”させてもらえなかった。
最も意地悪く彼の精神を傷つけるための、全ては布石。


ここが分岐点。


私の言葉如何で、オカリンおじさんの運命は決まる。――死の未来か、生の未来か。


彼を助けるために、すべての蝶たちが駆けつけた。



彼をこのSG世界線で生かすために、理論のコトワリさえ越えて、あざ笑う世界線の思惑を越えて、彼らは今ここに辿り着いた。



オカリンおじさんをも越えた、万象の記憶を想起させるRSを私に授けてくれた。



蝶たちが私の背を押してくれる。彼を救えと、彼を掬えと。






――世界線の淵に沈み込んだ彼を、掬い上げろと!!


「オカリンおじさん!!」

私は彼を喚ぶ。魂からの声は、彼を僅かながら浮き立たせる。

「執念を得たあなたの言葉を忘れたの!? 世界を騙し切ったあなたの勇気ある行動を忘れたの!?」

「どうしてお前がそれを……まだ話していないはず……いや、これも、シュタインズ・ゲートの選択か」

「違う!! みんなの記憶が、オカリンおじさんを助けるために、シュタインズ・ゲートなんかブッ飛ばして来てくれたんだよ!!」

「有り得ない。有り得ても、それはまだ見ぬ13番目の理論なんだろう。結局」

「……ッ!」

さる?

さるよけ忘れてた・・・不覚

はやく!出勤時間きちゃう(ビクンビクン

まだ落ちるなよ…

支援


まゆりおねえちゃんが私の背を押した。ぐちゃぐちゃな色んな気持ちを込めて、彼の頬を打った。

「いつもの厨二病はどうしたの……!? また諦めるの!? まゆりおねえちゃんが悲しむよ!?」

打たれて、少し呆けた表情をしていた倫太郎さんは、でもすぐに笑う。

「……へへはは、お前のそれも、シュタインズ・ゲートの選択だ。気付かなかっただろ?」

「……この、馬鹿ッ!!」

再度、打つ。もんどりうって、倫太郎さんは床に倒れ込んだ。


ダルおじさんが私の背を押した。倫太郎さんの胸元を握り込み、怒声を浴びせる。

「どうしてそんな諦めきった表情してんのよ!! シュタインズ・ゲートがなんだって言うの!?

 紅莉栖おねえちゃんが取られたから何!? どうしてそこで諦めるんだそこで!!

 取られたなら取り返せばいいじゃない!! 挑みもせず、そうやってふさぎ込んでるようなキャラじゃないでしょアンタは!!

 ……”執念”を持ちなさいよ!! 岡部倫太郎!!」

「……無駄なんだよ、何をやっても……」

「……く……!」

うっきっき

支援


フェイリスおねえちゃんが私の背を押した。彼を抱き締め、優しく声をかける。

「……色んな人が他世界線に消えていったよ。名前は知らなくても、想いを遂げられず道半ばで消えていった人たちもきっとたくさん居る。

 でもね、オカリンおじさんはココに居るの。シュタインズ・ゲートに立っているの。生きて、呼吸して、みんなの隣にいる。

 それを忘れないで。あなたはまだ終わってなんかない。死んでいない。生きている限り、未来は消えないよ」

「……、……」

なんか熱い人が見えた気がしたが気のせいだった
これどうなるんだ・・・タイトルが不安すぎる支援

まぁタイトルと最初のレスでオチがどうなるか予想できるけど
これをどう裏切ってくれるかだな


萌郁おねえちゃんが私の背を押した。彼の耳元へ小さく囁く。

「人の想いは色々だよね。同じ人でも、時には自分を助けてくれて、時には自分を襲いに来る。

 変わる想いがあるから人なの。世界線理論とか収束とか、そんなつまらないモノはもう捨てて。

 紅莉栖おねえちゃんとダルおじさんは好き合った。それは事実だけど、そこに世界線なんて無粋なものは介在していない。

 2人は2人の変わる想いによって結ばれたの。なら、オカリンおじさんもこのたった一つの世界で、努力すべきじゃない?」

「……お、れは……」


るかおにいちゃんが私の背を押した。背中に回した腕に力を込める。

「でも、変わらない想いもきっとある。それは隠さなきゃならない気持ちかもしれない。

 でも、それでも人は迷いながら苦しみながら進んでいける。

 秘めた想いはその時は永遠でも、時が流れてどう変わるかは今の自分には分からない。

 何もかも上手く行く世界なんてない。そんなの、世界線なんて関係なく、はるか昔からみんなが感じてること」

「……綯……」

臭い展開だけど、たまには悪くないな。


バイトのおねえちゃんが私の背を押した。声に芯を入れて、力強く語りかける。

「自分を犠牲にしてでも遂げたい、崇高な想いだってある。自分の幸せをベットに、他人の幸せを大きくする。

 そんな生き方をした人がかつて居た。その人が今のオカリンおじさんを見たらどう思うだろうね?

 がむしゃらに生きた彼女にとって、今のあなたは赤ん坊。泣くことしかしない甘えん坊な赤ちゃん。

 世界線理論にがっぷり組み合うこともしない。紅莉栖おねえちゃんとダルおじさんと向き合うこともしない。

 世界線変動に慎重になるあまり、あなたはやること全てが中途半端。

 落ち込むのなら、何か一つやりきってからにしなさい。辛いのは分かるけど、今の君はまだ何もしていないよ」

「……う……」


紅莉栖おねえちゃんが私の背を押した。今一度、彼の顔をじっと見つめる。

諦めきった顔はそこには無かった。動揺し、目を泳がせ、確実に私の言葉は届いていることが見て取れた。

「紅莉栖おねえちゃんはオカリンおじさんが好きだった。でも紅莉栖おねえちゃんはダルおじさんが好きになった。

 ねぇ、これっておかしくない? これ、おじさんの主観しか加味されてないよね。どうして同一人物だと言い切れるの?

 ほとんどの紅莉栖おねえちゃんがおじさんを助けてくれた。愛してくれた。それは真実。でもどうして同一視するの?

 紅莉栖おねえちゃん『達』が助けてくれた、そうは考えられないの? どうして一人にしてしまうの?

 一人一人がそれぞれ色々なことを考えて、おじさんに力を貸してくれたはずだよ。

 結果は同じでも、彼女たちの心の経過は違ったはず。そこを誤魔化さないで。

 収束とか世界線なんてつまらない言葉で、彼女『達』の多種多様な想いを汚さないで」

「……紅莉栖……。……紅莉栖……!」

さるさる

だからといって至を許容出来るはずもない

おはようしえん


オカリンおじさんの目に光が舞い戻っていく。

でも、

でも。




「今さら……今さら割り切れるかよ!! 俺にとって紅莉栖は一人だった!! たった一人の紅莉栖がずっと俺を支えてくれた!!

 もうその考えは染み着いてしまってるんだ!! みんな別人で、ここの紅莉栖は別の紅莉栖としてダルを選んだなんて、そんなこと思えない!!

 裏切られたって……! 世界を騙したつもりが、もうずっと前から騙されてたんだって……!

 もう、そうとしか思えないんだよおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおぉおおおっぉおおッッ!!」




あと、一歩が足りていない。




まだ、まだ足りないのか。

無数の蝶たちに支えられても、まだオカリンおじさんを救うには足りないのか。

オカリンおじさんの慟哭に、返す言葉が見当たらない。

蝶たちは沈黙している。

打開策が見つからない。




そして、もう死んだ蝶が瞬いた。

もうすぐ終わりか・・・







『お前は……どうしてその男にそれほど執着しているんだ。それを考えることだな……』





あぁ、そうだ、そうだった。これが最初の想いだ。


厨二病全開でバカみたいなことばかり言っている彼の姿。


同級生にイジめられる私を颯爽と助けてくれた彼の姿。


階段から落ちた私を抱き上げ、私の名を叫ぶ彼の姿。


眠ったままの私の手を、ずっと握ってくれていた彼の姿。


みんなのエピソードに比べて、なんて浅く薄くつまらないエピソードだろう。


でも、自身の気持ちにウソは付けない。


みんなのどのエピソードより弱くても、それを受けて輝いた私の気持ちは、他のどれよりも光っている……!

届けよおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ



私は岡部倫太郎さんが好きだ……!


                        rot 0.963901%


私だけの記憶が、私だけの心がそう言っている!


                        rot 0.975237%


みんなの心が、倫太郎さんの凍った心を温めてくれた!


                        rot 0.983648%


最後は、この私自身の言葉で掬わなければならない!


「ねぇ、倫太郎さん! 紅莉栖おねえちゃんのことまだ好き!?」


                       「好きに決まっているだろう!!」


「じゃあ……じゃあ、宣戦布告するから! 私、倫太郎さんが好き、大好き!!」


                       「な……!」


「今は紅莉栖おねえちゃんが忘れられないだろうけど、いつか絶対振り向かせてみせるから!! 私のこと、好きにさせてみせるから!!」


                       「俺は……お前のことは」


「今はどうとも思ってないのは分かってる!! でも気持ちはずっと永遠じゃないよ、絶対倫太郎さんをメロメロにしてみせる!!」


                       「おま……何を言ってるか、分かってるのか」


「分かってるよ!! 倫太郎さんは分かってないみたいだね……なら、分からせてやる!!」

うわああああぁぁぁぁ!



しえん

綯オカキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

アト一歩、アト一歩なんだよ

岡部がロリコンになってしまう

ナエオカ最高や!最初からオカクリなんていらなかったんや!

6歳差だろ!ロリコンでもなんでもねぇよ!

なんで俺はここで絶倫太郎と読み違えるんだ・・・

>>749 否!

ラストスパートなのにもう時間が無い・・・ラスほしゅ





……初めてのキスの味は、よく覚えていない。必死だったから。



助手なんていませんでした

えんだあああああああ





倫太郎さんの少し驚いた顔だけが、印象に残っている。



俺たちが!俺たちが、観測者だ!!





                        div 1.048596%
                        rot 1.048596%


                ―― シュタインズ・ゲートは消滅しました ――

                   ―― 世界線理論は消滅しました ――

               ―― リーディング・シュタイナーは消滅しました ――

                ―― シュタインズ・ワールドに到達しました ――




ロリコンにも程がある><

実績…だと…?!

鈴羽の存在をなかったことにしてはいけない

みんなの想いがシュタインズゲートさんを倒したんやぁ

シュタインズ・ワールドて・・・



42型ブラウン管に2人は写り込んでいた。

自分よりずっと大きな男の襟を乱暴に掴んで、精一杯のキスをする少女。

情緒なんて何もない、ぶっきらぼうなキス。



青き蝶たちは溶けていく。

少女の中に溶けていく。

彼女の記憶として、彼女の一つとして。

彼らは彼女と生きていく。

これ読んでるとSG到達しても別にオカクリじゃなくていいと思えるな
むしろオカリンには助手よりもっといい女がいるはず。例えば大天使綯たんの様な

8bit買え

後の狂気のペドサイエンティスト鳳凰院凶真の誕生である

やはりロリコンマッドサイエンティストか


             ファンタジーが入り込んだ物語。

             想定科学が崩れ去った物語。

             有り得てはならない物語。


             しかし、あなたは今、観測した。

             暗く深い絶望の闇からも決して目を逸らさず、コトワリを破るその瞬間までをあなたは見届けた。


             あなたが観測してくれたことにより、この世界は有り得ることを赦された。

             ファンタジーが入り込んでもよい物語。

             想定科学が崩れさってもよい物語。

             有り得てよい物語。



             全ての想いが望んだ夢が、あなたを喚んだ。

             あなたの存在が、シュタインズ・ゲートを打ち破り、

             新たな唯一世界――シュタインズ・ワールドを構築したのである。

いい話だなー

流石にこれはちょっと引いた

            '´  ̄  ̄ ` ヽ、
          、__/ : : : : : )ノ: :ヾ: : : \
.        `7: (: : : : : : : : : : : : :} :)ヽ

         {: : ト; ;ハ,リノ;Y川 } : ノ: : i|

         i::小●    ● ノリル: ; j  オカリンおじさん!
          从l⊃ 、_,、_, ⊂⊃从ッ》  あたしの体透けてるよ!
        /⌒ヽ、|ヘ   ゝ._)   j /⌒i
      \ 〃::(y;)>,、 __, イァ/、__/

.        \:(y;ノ:::::::::}}::::::::(y;/::::::/
         .ルリゞ::::::((:::::::ルリゞ::::/


6ヶ月後……。

シュタインズ・ワールド、2011年6月11日。ラボ。

>>773
そうだったぁお前を忘れていたああああぁぁぁぁ

鈴羽…

鈴羽の存在をなかったことにしてはいけない

ゾクゾクきた、と思ったらエピローグだった…

シュタインズゲートさんは?
因果律を操る悪意ある神が存在するファンタジー世界だったのはいいとして
愛の前に敗れたということでいいの?

鈴羽出てたじゃないか、ちょっと前に
一応収束はしてるみたいだ

だけど阿万音鈴羽は・・・

紅莉栖「と……もうこんな時間か。至、ちょっとコーヒーブレイクしましょ」

ダル「んー、紅莉栖は休んでてくれお。僕はもうちょっとキリのいいとこまで……」カタカタカタ

紅莉栖「そんなこと言って、昼からずっとソースコードと睨めっこしてるじゃない」ムギュー

ダル「んー……」カタカタカタ

紅莉栖「む」

ダル「おわ。ちょ、紅莉栖抱きつくなお。前が見えな」

紅莉栖「少しは休めって言ってんのー、ていうか構えこの」ギュゥー

ダル「いでで、分かった分かった。休みますから一回離れろって」

紅莉栖「だーめ、あんたも抱き返してくんなきゃ離れませんー」

ダル「はぁ、世話の焼ける嫁だお……」ギュー

紅莉栖「えへへ、もっともっと。もっとぎゅーってしてくんなきゃヤd」

綯「お前らその辺にしとけ」

ダルクリ「「!!?」」

忘れかけてたのに泣きそうだ・・・

あれ…萎え…さん?

綯さん逞しくなっただろ…

綯「開発室のカーテン閉まってるから別にイチャついてもいいやとか思ってました? 丸聞こえだよコノヤロウ。

  ラボは共用空間なんですから。隠れてイチャつくなんて卑猥なマネはよして下さい」

ダルクリ「「すみませんでした……(卑猥て……)」」

綯「ほら、倫太郎さんもあのとおり鬱陶しくなっちゃってるし」

岡部「あ、もしもしダル殴り代行ですか? はい、はい、主に下半身を。ええ、星屑の握撃もセットで」

紅莉栖「新次元の厨二病に罹かっている……」

ダル「ダル殴り代行てなんぞ……つかオカリンも綯たんとイチャイチャすりゃいいんじゃねーの?」

岡部「ははは、お前分かってて言ってるだろ?(笑顔)」

ダル「ふふふ、もちろんだお(笑顔) イチャついた瞬間タイーホ乙! 性犯罪者乙! ペド乙! 凶気のマッドロリコンティスト乙!」

岡部「人が気にしてることを余すことなく言いやがったなスパハカぁぁぁあッッ!!
   代行を待つまでもない、この俺自ら目標を駆逐するッッ!!」

ギャー! ギャー! ……!


紅莉栖「疲れてるだろうに、どうして岡部とああいう馬鹿やる元気はあるのかしら。やっぱり男同士だからかなぁ」

綯「いくつになっても男は子供、って言いますし。父さんも昔の友人と話すときは可愛らしい少年のような表情ですよ」

紅莉栖(小6が実父に対してその発言はどうなんだ……)

この達観…
な、萎えさんだあああああ

萎えさんにタメ口で罵られるとかキュンキュンしちゃう///

オカリンと綯ちゃんさまの夜の相性って最高ですよねSM的な意味で
もう助手はダルとでいいや、鈴羽がかわいそうだけど

ダル「ちょ、オオオオカリン、ギブ、まじギブ、死ぬ、このままじゃオチ、オチ……オ……」カックリ

岡部「ミスターブラウン直伝チョークスリーパーの前に敵はない……!」

綯「倫太郎さんの勝ちー」

紅莉栖「至もこれでやっと休めるわね。岡部、足持ってやってくれる? ソファに寝かせてあげたいから」

岡部「ん、いいだろう」

紅莉栖「よしっと……ありがと岡部」

岡部「ん? お前もソファに座るのか? というか座れるか? ダルの巨体が端から端まで占拠してoh...」

綯「oh...膝枕ですか……」

紅莉栖「あはは、こいつこうやって寝るのが好きなのよ。起きてる時にやるとすぐHENTAI行為に走るから、寝てる時くらいは……ね」

ダル「すぅ……すぅ……んご、紅莉栖……」

紅莉栖「はいはい、私はここに居るわよ。ほら、帽子も脱いで」

岡部(なんだこのリア充オブリア充……叩き起こしてぇ……)

綯「なんだかお母さんみたいですね、紅莉栖おねえちゃん」

紅莉栖「お、お母さん? 至の奥さんみたいってこと? ほんとに? えへへ、もっと言って綯ー♪」

綯「はいはい紅莉栖おかあさん紅莉栖おかあさん」

むしろゴミ女押し付けられたダルが可哀相

おカリンはアマネさんと付き合って鈴羽産めばいいよ

あとちょっとなのに・・・!出勤してくる・・・

ブラウン様が見ている(オカリンを)

鈴羽を思うとなんとも言えない気持ちになる。
だけど、オカ綯ありだな。

>>791
屋上

>>791
そんなこと言うなよ
たとえめんどくさいツンデレで@ちゃんねらーで論破厨でメシマズでも…

助手は魔百合の魔の手にかかってレズに走ればみんな幸せだろ

岡部「紅莉栖、ロシアの件以来おまえ少々ダルを甘やかし過ぎではないか? あまり調子に乗らせるとコイツのことだから際限無く」

紅莉栖「別に私は際限なくなってもいいのに、最近はむしろ至の方が引き気味なのよ。ちょっと押し過ぎなのかな……」

岡部「」

綯「なんというデレデレ。ツン成分はどこ行った。これは明らかにダルおじさんの影響」

紅莉栖「そうかなぁ。実感はないけど、私そんなに変わった?」

岡部「……あぁ、変わったな。もう昔のツンっぷりは見る影もない」

紅莉栖「そう……変わったか。至に変えられちゃったんだ。そっか……」

綯「うわぁ嬉しそう。ダルおじさんホント愛されてるなぁ……」

岡部「ダル殴り代行ですか? えぇ、今邪魔するのはアレなんで、自宅にいる無防備なとこを狙って(ry」

紅莉栖「ねえ至聞いた? 私、あんた色に染まっちゃったってさ。ふふ……」

綯「ダルおじさん殴り代行ですか? えぇ、今邪魔するのはアレなんで、一人になった時を見計らって(ry」

助手はめんどくさい、ツンデレと言う要素を考慮してもめんどくさい
しかしめんどくさくない助手はもはや助手ではないなw

個人的にはもえいくさんといい勝負ができると思う

そういえば綯さんの保護者ポジに入ってたもえいくさんは…

なんか苦しくなるわ
NTR以上に苦しい

ダル「んん、紅莉栖……」ゴロリ

紅莉栖「ひゃっ、おなかに顔押しつけるなっ……! ……もう、今だけよ?」


綯「ウボァー……いよいよ固有結界を張り始めたよ。お邪魔みたいだし、下行く?」

岡部「断る!! リア充にわざわざ気を使うほど俺は人間出来ちゃいない!!」

綯「器ちっさー。下行ったら私が膝枕してあげるからさ」

岡部「はぁん? そのほそっこい足で? 膝枕? まだまだ肉付きの足りてない小房が? 俺に? 膝枕?」

綯「……へぇ、わざわざそっちの方向で喧嘩売ってくるんだ、へぇ~」

岡部(……しまった)

綯「本当に肉付きが足りてないか……確かめてみる? 倫太郎さん……」

岡部(ぐううっ!? あ、相変わらず小学生のする目じゃない!)

綯「ねぇ……ほら、ここ、触ってみなよ。ちょっと撫でるだけ、指を滑らせるだけでいいから……」

岡部(中の人はおばさん中の人はおばさん中の人はおばさん中の人はおばさん中の人はおばさん」

綯「途中から口に出てるぞコラ」

こんな積極的な綯様見たことないぜ
実に素晴らしい

最後ダルクリで締めるなんてなかなかのどSだなwww

場合によってはオカリンがもえいくさんの息子になることもあるのか

やべぇ、この萎えさんプレイ素敵
いくらでやって貰えるかな

お。残ってたか。
読めはしないが出発の前に乙が言えそうで良かった

>中の人はおばさん
久しぶりに笑えた希ガス

ラボを出て。ブラウン管工房。

綯「別に中の人おばさんじゃないってば。そりゃ倫太郎さんよりは年上だけど」

岡部「で、ほんとは何歳なんだ?」

綯「女性に年を聞くんじゃありません」

岡部「ほら、教えてくれないじゃないか。おばさんかもしれんだろ」

綯「だから違うといっとろーが……」

岡部「というよりな、お前を脳内でおばさん扱いしていないと、タイーホ的な意味で俺の危険が危ないんだ」

綯「……ほう? 色仕掛けはそれなりに効果あるわけね? ほうほう」

岡部「ぐっ……! ……冗談でもああいうのはやめろ。
   俺にロリコンのケは無いが、外と中のギャップでお前かなり凄まじい事になってるから」

綯「それってもうちょっとでオチそうですーっていう自供?」

岡部「そ、そんなわけあるかそんなわけあるかそんなわけあるか!」

綯「必死すぎワロタ。……ま、”本気”はまだ出さないでおいてあげるわよ」

岡部「ゾクッ……い、今なにか言ったか綯。背筋が凍えたんだが……」

綯「気のせいじゃなーい?」

こういうのロリオバンっていうんだっけ?

>>811
ロリババアじゃね?

いえ、ドS綯様になります

萎えさん30手前ぐらいか

>>814
アリだな

岡部「……それで、綯」

綯「お? 久々のマジ声」

岡部「茶化すな。あれから夢はどうだ」

綯「相も変わらず。ま、仕方ないよ。これが私に課せられたリスクってことでしょ」

岡部「……目元のクマも、その内メイク程度では隠せなくなるんじゃないか」

綯「そうなったらそうなったで、ガリ勉キャラを装えばいい話。
  それに倫太郎さんの言うことが本当なら、私ってすごく魅力的な女の子なんでしょ?
  ならクマっていうマイナスがあった方が、変な男も寄りつかなくてs」

岡部「綯!」

綯「……」

岡部「……俺は本気で心配してるんだ。頼むから、茶化さないでくれ……」

綯「……」

あ、そうそう。
ラスト手前ならもうちょっと投下間隔詰めても大丈夫だぞ。
順調に伸びてるしな

尻ass…だと…


俺を助けるために、綯はあらゆる人間のあらゆる記憶を受け取った。
その代償は大きかった。


彼女は夜毎、他人の様々な死の瞬間を体験させられているのだ。
かつてのまゆりも悩まされた、RSの副作用とも言えるものだが、綯のそれはまゆりとは比較にならない。


布団に潜り込む度に、本来は安らかであるはずの眠りに怯え、耐えられず寝てしまった直後にある人のある死を詳細に克明に体験し、起きる。
長針が数目盛り進んでいる。
起きていようと思っても、死の体験による精神の磨耗がそれを許さず、また瞼を降ろしてしまう。別の人の別の死を体験する。起きる。
長針が数目盛り進んでいる。

寝る。死ぬ。起きる。寝る。死ぬ。起きる。寝る。死ぬ。起きる。寝る。死ぬ。起きる。
寝る。死ぬ。起きる。寝る。死ぬ。起きる。寝る。死ぬ。起きる。寝る。死ぬ。起きる。


このサイクルが朝までずっと繰り返され、夜10時から朝6時まで床に就いていたとしても実質の就寝時間は1時間にも満たない。

しかも彼女は父に心配を掛けないようにと、うめき声一つ上げずにじっと死を耐えているそうだ。
死の恐怖と痛みに静かに涙し、次の死に静かに備える、そんなことを毎日毎日続けている。

いつしか綯の目元には巨大なクマが出来てしまった。
彼女はそれを隠すため、毎朝誰よりも早く起き、萌郁の化粧道具を借りて、目元に塗りたくっているのだ。

そしてさるよけ支援

支援

綯さん・・・


本人はなんでもない風を装っている。鉄の精神で弱音を封じ込めている。
……こんな、小さな女の子が、だ。


「他でもない、俺のために……お前はそうなってしまったんだ。
 見たくもない死、それも他人の死を、俺が押しつけてしまった!
 ……RSは世界線以上に意味不明で理解不能だ。だが、だがいつか!
 絶対に解明してみせて、お前を死の夢から」

「ねぇ、倫太郎さん」

綯のつぶやきが俺の決意を遮る。

「……なんだ?」

彼女は俺の顔を見て、柔らかく微笑んだ。

「私の中に入っていった蝶たちってさ、どうなるのかな」

「どう、って」


綯の記憶となった無数の蝶たち。
他人の記憶を得るようなRSは発動したことがなかったので、俺からは何も返せなかった。

綯は俺を見つめている。……いや、焦点が合っていない。俺の背後、42型ブラウン管を見つめていた。

「本来、他世界線の蝶たちはさ、本人にのみ還っていくはずなんだよ。
 でもSGは孤独な世界線だったから、蝶たちは本人にすら還ることが出来なかった。
 でも彼らはコトワリを曲げ、倫太郎さんを助けるために、私の中へと還っていった……」

詩を紡ぐように、彼女は話す。

「蝶の1匹1匹に、人生があった。人生……二文字で表せちゃうなんて、なんだかイヤになるね。
 倫太郎さん、あなたの今までの人生、一言で表せる?」

唐突な質問に面食らい、俺はまたも答えに窮した。

「……難しいでしょ。みんなそうだと思う。
 現在の連続の間に、たくさんの感情があって、たくさんの細やかな関わりがあって、人の軌跡は形作られていくんだものね」

むつかしい言葉を朗々と重ね、綯はくるりと外を向き、遅れて白衣がはためいた。
強い日差しが店内に差し込み、小さな後ろ姿は逆光でシルエットとなる。

「私が体感できるのは死の瞬間だけ。人生が終わる瞬間だけ。
 なら私は、彼らの人生を見届けたい。すべての蝶の、すべての人の”終わった記憶”を私の海馬に刻み付けたい。
 ”なかったことにしたくない”の。すべてに意味があって、とくに意味のない事柄なんて無かったんだ。
 大小様々な万物が関係し合い、私たちの今はあるんだよ」

綯様オットナー

なんかすっごい哲学的な話になった


後ろで手を組む彼女の立ち姿は、視界の奥に見える雑踏から一つ浮いていた。

「死を体験するのは、正直言ってとっても辛いよ。怖さも痛さも切なさも、本当にそのままだからね……。
 でも、だからこそとても尊いんだ。きれいごとだけの人生なんてないのと一緒。
 だから私はこれからも目を逸らさない。命の終わりと、向き合い続けるよ」

……いつか、彼女が言ったことの意味が分かった気がした。


”倫太郎さんは、もう赦されたから。全ての責は私が負います。
 ただの人間として、このたった一つの世界を、みんなで生きていこう”


あの時は何を言っているのか理解できなかった。俺の厨二病が写ってしまったのかと思った。

でも違うんだ。さきほどの情景が答えだ。彼女は浮き上がっている。

かつての俺のように、主観が世界を俯瞰している。

ジョン・タイター風に言えばこうか。


彼女は、新たな救世主となってしまったのだ。


暗い店内を照らす陽光と、いつか見たエンジェルラダーが被る。
暖かな光に蝶たちが誘われ、そのまま彼女を連れていってしまいそうな気がして――。



「綯ッ!!」


浮き上がっていこうとする彼女の腕を取り、強引にこちらを向かせる。振り向いた瞳には小さな滴があった。

「お前はどこにもいかせない……連れてなんていかせない! 綯は俺の人質だ。人体実験の生け贄なんだ!

 だから、どこにも逃がさないからな……!」

俺と、まゆりだけが知るはずの問答。でも、綯は知っている。

「そっか……私は、倫太郎さんの人質なんだね。なら、仕方ないね……」

涙を拭い、地に降り立ち、綯は返す。

「あなたもどこにもいかせないよ……連れてなんていかせない。倫太郎さんは私の人質。人体実験の生け贄なんだから。

 だから、どこにも逃がさないからね……」

そうして、俺も返す。

「そうか……俺も、綯の人質なんだな。なら、仕方ないな……」

遂にまゆりポジすら奪ってしまった…だとぅ
この綯さん凄腕すぐる




膝立ちになり、小さな女の子に目線を合わせる。


「ずっと俺のそばにいろ、綯。救世主になどさせてたまるか。お前は、この岡部倫太郎のものだ」




小さくなった大きな男の人と、見つめ合う。


「ずっと私のそばにいて、倫太郎さん。ただの男と女として、私はあなたと生きていきたい」


>>829
誕生日だったのに出番も何もなかった鈴羽に比べたらだいぶマシ





                          「大好きだよ。愛してる、倫太郎さん」




                           「大好きだ。愛している、綯」







……綯との2度目のキスの味は、しっかりと覚えている。彼女が全部欲しかったから。



えんだぁああああああああああああ(2回目)





俺だけを映した綯の瞳が、特に強く印象に残っている。



いああああああああああああああああああああああああああああああああああ

綯神様、綯神様の降臨やで…





世界線漂流を経て、ついにたどり着いた幻の世界線――シュタインズ・ゲート。

ここはあらゆるアトラクタフィールドから孤立している。
ディストピアや第三次世界大戦の心配は今のところなく、紅莉栖もまゆりも無事に生きている。

最初はそれだけで十分だった。

だが平和な世界と偶然の紅莉栖との出会いは、俺に驕りと、耐え難い絶望を与えた。

そうして無限の意味を思い知った俺は、――



消えていった無数の想いと、心優しき少女によって、掬われた。



ん?

そろそろブラウン氏に殺されそうだな





                          俺は、私は、共に歩んでいく。





                               この世界を。





                       この、たった一つの素晴らしき世界を。



鈴羽は?

まだフェイクエンドかまされそうで疑心暗鬼支援

>>842
なかったことになってしまった






                    「これが、俺たちの」     「これが、私たちの」





                               「「選択だよ」」





                            ―― Never End ――



>>844
一応ダルクリの子として産まれるんじゃね?

傷ついて飛べなくなった鳥のようなオカリンと綯さんで泣ける話だった
もっかい最初から読むのは本気で簡便だけど

>>846
もう鈴さんに固執するのはやめようぜぃ…

鈴羽SS読みたくなっちまった

最後の最後でwwwwwwwwwww
さるさんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

例えさるだったとしても、ラストなんだから名前でレスするなよwww

>>1乙いい話だったぜ

助手だけは許さない

よく完走した乙!
しかし休み無しにこれだけ投下か・・・・・・

乙、もっとナエオカのイチャイチャ分が欲しかったわ…助手?どうでもいい本当にどうでもいい

乙。レベル高いんでビックリした。
乙…なんだけどさぁ…

オカナエはいい。しかしダルクリはやはり金輪際流行って欲しくない
絶対これ思い出すから

>>1
なんか俺の中のシュタインズゲートを
いい意味で壊してくれた気がする
久しぶりにすごく面白かった

面白かった!
やっと寝られる…

おつだよおつー
ブラウン氏はどこ行った

以上です! 眠いね!
こんな鬱々長々とした話に朝まで付き合って頂き、皆様本当にありがとうございました!

書きたいことぐあーって詰め込んだせいで、どうにもしっちゃかめっちゃかになってしまいました。猛省。
しかし、シュタインズ・ワールド(笑)とかスーパー厨設定オンパレードだったのにみんなよく耐えられたな……
正直ほとんど勢い任せで細かいことはなんも考えてな(ry
あ、rotはローテーションと読みます。ダイバージェンスdivと同じく電磁気学で使われる記号です。



鈴羽の件だけど、もう世界線理論は無くなったから、ダルクリの間に何故かポンと生まれてきてもいいんじゃないかなと思う。
遺伝子? 些細な問題だよ。
つか一番割食ったのは由季さんですよ。ホントすんませんでした。

乙。楽しめやがったぞ。
色々な意味でな。

>>860
最初はダルクリでイチャイチャ岡部欝ENDかと思ってたけど、
壮大になっててワロタ。やっと眠れる・・・由季さんと鈴羽は俺が貰って行きますね

冬コミ行かずにゆきさん放置はワロタwwwwwww

SGの特性は俺好みの設定だったな
ただでさえイレギュラーな存在なんだしこういうリスクがあってもいいよね!

次は純粋なオカナエを頼む

>>1
由季さんは俺が娶るから問題ない

>>860
長時間乙
おもしろかったぜ!

乙!
ダメだ…しばらく紅莉栖を見れない…
シュタゲSSも読めそうにない…

ユキさん人気過ぎワロタw
オカクリ派だけど楽しめた。俺もオカクリSS頑張るわ

とりあえず>>1
だが鈴羽の件は絶対に許さない

18時間か、>>1
ダルクリに悶々としてたけどシュタゲの設定が生きててよかったよ

また書いほしいわ、・・・今度は普通にオカクリとか書いてくれたら幸せ

マグマ分の致命的な不足で死にそうです。
誰か口直しの物を用意してくれませんか。

>>1乙!

>>860
壮大なオカナエ乙
ぶっ飛んだSG解釈には考えさせられたお


…さて、午後の面接に出さなきゃならん履歴書描かないと
クソ、面接に耐えられる志望動機捻り出すとか未だに慣れぬぅ

>>1乙!
終盤はかなり臭かったが面白かったよ
オカクリは食傷気味だから今後もこういうSS増えてほしいもんだ

最後に空age

いいな、これwww
オカクリ派だが...これもまた味がある。

>>872
地面か…

どっせい!!上段正拳!!

うわ、なんだこれ!熱っ!
マグマ!?マグマだ!

>>1
乙です
特に抵抗はなく読めて面白かったよ

くりすは相変わらずデレテレ過ぎや

これ何気にルカとまゆりくっ付いてない?

まゆしぃは岡部争奪戦に負けたらるか君位しか居ないからな…

(*゜д゜)…?

これから読む
スレが落ちる前に乙しておく

>>1乙カレー

乙!

乙です。オカナエ、よかったです。だがダルクリてめーらはだめだ不幸になれ。
こいつらの間に子供生まれたってそれはもう鈴羽じゃないんだから;;
ssとしてはすごく面白かった。じゃあオカクリの世界線に戻るとするかな。

萎え様には絶望しか感じなかったのに…悔しいけど感じちゃう///

くりちゃんのクリをペロペロ

>>884
よう俺

>>1
乙!



これがシュタインズゲートの選択か……

ヽ(´Д`;)ノアゥア…乙

このスレは埋める価値がある

>>1
なえちゃんが好きになったよ
皆幸せになれそうで良かった・・・

>>891

              }}
       . -――‐-〃‐ .
     .// /⌒  ⌒\\
 イ⌒ ヽ/   '           ヽ.ヽミヽ
     ./  / \ /{     } .ィ  ∨ }
 、 _/   ./{/{/ヽV  ハ/ハ リ ∨
    :   /γ⌒ヽ ∨γ^ヽ∨  .
    |.   | iii、_ノ     、._ノii|  |
 <ハY|  N xxx . ―- 、 xxx.{  |    アイツはもう消した!
   J  |    /     .   }  |
 |  ∧ |.   /    |  ./| }/
 |ハ   ヽ| > 、{     |/ | /
   ∨Vへ.ィ/>ー‐z:<}/}/}/
     /\ へ  ゙ヽ ___ノ’_
    へ、   | ̄\ー フ ̄ |\ー
  / / ̄\ |  >| ̄|Σ |  |
  , ┤    |/|_/ ̄\_| \|
 |  \_/  ヽ
 |   __( ̄  |
 |   __) ?ノ

 人  __) ノ


よかった

>>895
だからお前はd…本当に誰?

オカクリ派も一枚岩じゃないからな

埋めるのか?

今見終わった
面白かったよ>>1

やっと読み終わった
けいおんSSのごねんご!並みに心を抉られる話だった

やっと追い付いた
めっちゃ面白かった、乙やで

読むか悩んでる俺にこのSSの内容を産業で教えろ

オカリン
NTR
自殺

>>1のおかげでオカナエとダルクリの分野が開拓されそうだな

>>904
SG擬人化
オカリン絶望
綯△

ダルクリはオカリンを犠牲にしなきゃいかんからなぁ…

>>908
シュタゲ見たこともやったことも無いんだけど、
ダルクリってありえるの?

オカリン的には紅莉栖とは別に会えなくてもあいつが幸せならいいやと思ってそうだけど
相手がダルだとお世話になった鈴羽も消えるし避けたいだろうね

岡部「これが、俺たちの選択だよ」

テイオー「怒」

かと思った。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年07月11日 (火) 09:00:37   ID: _XSC2Aih

オカクリ厨ってマナー悪いな 静かに読めや

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