グリマスP「千早と桃子」 (13)
---劇場(事務所)
P「おはようございまーす」
小鳥「おはようございますプロデューサーさん」 ハァ… カタカタ
P「どうしたんですか?小鳥さん 新しいカップリングでも見つけたんですかね」
小鳥「違います!私だってちゃんと仕事してますよ…」
律子「ではデスクの引き出しを見せて下さい」
小鳥「スイマセンでした…元・殺し屋に見つかったら逃げられないピヨ…」
P「冗談はさておき、何かあったんですか?」
小鳥「劇場を設立してからもう7ヶ月経つじゃないですか」
律子「そうですね 春香達以外のアイドルにも仕事が増えてきてますし、大分軌道に乗ってきましたね」
P「事務仕事が大変になってきたとか? 俺ももっと頑張りますし、律子だってアイドルの仕事をしながら手伝ってくれるよな?」
律子「勿論です!私に任せて下さい!」
小鳥「違うんです…確かに事務仕事は大変ですけど…」
P「?」
小鳥「春香ちゃん達は言わずもがな、とても仲良しで、それが仕事にも良い影響を与えて良いんですけど…」
P「………皆の輪に溶け込めない子か…」
小鳥「はい…」
律子「でも、仲良くなりすぎるのも考えすぎですよ?あくまで仕事なんですから 公私のケジメはしっかりしてもらわないと」
小鳥「勿論わかってます。でも…さすがに…桃子ちゃんは…」
P「…桃子はなぁ…」
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律子「確かに桃子は…同年代の子とは馴染めてないですね…」
小鳥「はい…あまり世話を焼くのもおせっかいですが…桃子ちゃんは、皆と仲良くしたがってるように見えるので…」
P「…………」
律子「プロデューサーに対してはどうです?」
P「確かに年少組の中では距離を取ってますね…。星梨花や育は話かけるんですが…本人が突っぱねちゃって…」
P「その後、桃子と2人で話すと、弱音を吐いたりもします…」
律子「え?桃子がですか?」
P「あぁ… 『ホントは皆とかわいいシールを交換したい……おしゃべりしたい』 とボソッと言ってたよ…」
小鳥「やっぱり…」
律子「昔の千早とも距離の取り方が違いますしね…」
P「そうだな、桃子は皆と仲良くしたいんだが、どうしても素直になれないというか…」
P「子供扱いすると怒りそうだし、かといって俺達大人が無理に介入すると、桃子のプライドを傷つけてしまいそうで…」
小鳥「私も同じ感想です…。時々すごく寂しそうな顔するんです…。」
律子「子役時代に何かあったんですかね…」
P「その事は俺にも話さないよ、だから俺も無理には聞かない事にしてる」
律子「そうですか…」
小鳥「困りました…」
ガチャ
千早「プロデューサー、今の話…」
P「!?千早…居たのか!?」アタフタ
千早「聞くつもりは無かったのですが…」
P「…まぁ、あまり皆には言う話じゃないから…黙っていてくれると助かる」
千早「はい…」
P「今日は千早に同行だったな よし、仕事に行くぞ」 ガチャ
千早「……桃子…」
---夕方 事務所
千早「戻りました」
P「ただいま~」
桃子「おかえり、お兄ちゃん」
P「おう、桃子 ただいま」
桃子「…桃子ね、ドラマの撮影で疲れちゃった ボーッとしてないで肩揉んで」
P「へいへい」
千早「…………」
桃子「ほら、さっさとやって」
P「…」モミモミ
P「…あのな、桃子」
桃子「なに?手は休めないでね」
P「今度新しくオープンした遊園地を紹介する仕事があるんだ。 残念ながら桃子には仕事の依頼が来てないんだが…」
桃子「………で?」
P「未来達には仕事の依頼が来てて、下見を兼ねて今度遊びに行くんだよ」
桃子「ふーん」
P「それで、未来達と休みが合わなくてな…。未来、昴、ロコ、ジュリアは4人で行くんだけど、やよいと星梨花、育には保護者が必要だから俺も同行するんだ」
桃子「……何が言いたいの?」
P「…いや、その~、、、桃子も一緒に行かないかな~?って…」
桃子「……」
P「歳も近いしさ…皆で行ったら楽しいぞ~」
桃子「………桃子、行かない」ガタッ
P「も、桃子!?」(しまった…切り出し方を間違ってしまったか…)
桃子「…桃子には仕事入ってないんでしょ?…関係無いよ もうマッサージいらない 桃子帰る」
P「 」(やってしまった…)
千早「………」
やよい「ただいま戻りましたー」ウッウー
P「あぁやよい お、おかえり…」
桃子「…………」
やよい「何かあったんですかー?」
桃子「なんでもないよ やよいさんには関係ないし」
P「桃子…やよいに当たるなよ…悪いのは俺なんだから…」
桃子「なに?桃子に意見するの?お兄ちゃん黙っててよ」
やよい「う……」
千早「……桃子、ちょっと会議室に来なさい」
P「ち、千早…」
桃子「千早さんまで…なによ、」
千早「いいから来なさい」
桃子「……わかった」
バタン
P「…大丈夫かな千早…」
-会議室
桃子「なによ、千早さんまで桃子にお説教するつもり?」
千早「桃子」
桃子「桃子、悪いことなんてしてないもん」
千早「私はアナタの事、とっても好きよ」
桃子「な、なによいきなり…」
千早「お芝居に関する姿勢や努力、実力にはとても関心するわ」
桃子「当然よ、芸歴なら桃子の方が先輩なんだから」
千早「…でも」
桃子「…?」
千早「事務所のあなたは、プロデューサーや皆に対するあなたは、とても息苦しそうに見えるわ」
桃子「……」
千早「高槻さんや春香、それに他の皆は、とても楽しそうにしているわ」
桃子「べ、別にいいでしょ、桃子だってお仕事はちゃんとしてるもん!」
千早「ええ、周りはそれで良いのかもしれないけれど」
千早「あなた自身、それで良いのかしら」
桃子「…なによ…」
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