空条徐倫「ここがッ!765プロ……」 (342)

 空条徐倫(ジョジョの奇妙な冒険)
      ×
   アイドルマスター

 のクロス小説です。

注意事項
・アイドル達は、アニマス最終話以降の想定です。
・徐倫は、第6部終了後に生きていた想定です。
・ここに出てくるPは、アニメの赤羽根Pです。

・スタンドバトルはありません…

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1380664012

――プロローグ――

社長「ん~。ただいま帰ったよ!」

小鳥「あら社長、おかえりなさい。
   このたびはアメリカへの出張お疲れ様です」

社長「うむ。やはり海外のプロダクションは参考になるな…。
   我々も今の現状に満足せず、より一層精進しようと思うよ」

小鳥「そうですね…。あ、お茶を出しますね。
   お部屋に行かれますか?
   夕方にはプロデューサーさんや律子さんも帰ってくる予定ですし」

社長「そうだな…。二人の帰宅は待つ必要がある」

小鳥「?」

社長「まあ、その前に……。
音無君には先に伝えておいてもいいだろう。
実は、朗報がある」

小鳥「え…?もしかして!
   海外でのロケとか決まったんですか!」

社長「いやいや、それはちょっと難しかったよ…。
   そうじゃあないが、しかし。それ以上の朗報かもしれん」

小鳥「えっと…。なんでしょうか」

社長「はいってくれたまえ」

ガチャリ…。

???「…………」

小鳥「この子は…?」

社長「自己紹介を、お願いできるか?」

徐倫「どーも。私の名前は空条徐倫。日本語は喋れるけど日本人じゃあない。
   これからこの765プロのアイドルとして…。
   お世話になります…」

社長「空条君は、あっちでたまたま出会い、スカウトに成功した。
   つまり、彼女は今日から、我々765プロに所属する新アイドルだ!」

小鳥「新…アイドル!!つまり、そういうことですか!」

社長「うむ。今日から早速仕事をしてもらおうと思っている!
   プロデューサー君が帰宅したら早速専属でお願いしようと考えているよ」

徐倫「お願いします……」

小鳥「えっと!空条さん…ですよね?
   え…でもでも。どうしたんですか社長…?
   海外で知り合って今、ここに居て…あれ?」

社長「そうだな…。その下りもしっかり説明するべきではあるな。
   まあ、それは皆が帰って来てから改めて説明するとしよう。
   とりあえず、空条君。長旅で疲れただろうから、向こうの応接間でゆっくりしていなさい」

徐倫「とりあえず、寝てもいい?
   飛行機には初めて乗ったし、予想以上に疲れがキてんの……」

小鳥「それじゃあ毛布を用意しましょうか」

社長「ああ、そうしてくれ」

春香「えー!新しいアイドルですか!!」

小鳥「しーっ!春香ちゃんそんな大騒ぎすると空条さん起きちゃうわよ?」

春香「あ、ごめんなさい…。向こうの応接室にいるんですよね…?」

小鳥「ええ、飛行機で疲れたみたいでよく寝てるわ」

春香「ちょっと見てきます」

小鳥「起こしたりしないでね?印象が悪くなっちゃうわよ」

春香「わかってまーす」


コソコソ…

ソロォー……。

春香(あ、あの人かな…。うわぁ、結構スタイル良いし凄い綺麗な人…。
  やっぱ外国人…なのかな…?
  髪型も凄く…なんていうか…個性的だな…)

徐倫「誰?」

春香「ひゃうぁ!」

徐倫「女の子の寝てる姿を覗くなんて。
   悪い趣味持ってんのね……」

春香「いえいえいえいえ!別に覗いていたわけじゃあないんです!
   ごめんなさい。新しいアイドルが海外から来たって言われて、どんな人か気になっちゃ……」

徐倫「空条徐倫」

春香「え?」

徐倫「空条徐倫。それが私の名前。アンタここのアイドル?」

春香「あ!はい!私は天海春香です!765プロのアイドルです。
   えっと、初めまして!」

徐倫「聞こえてるからそんな大声で話さないでくれる?
   飛行機で軽く酔っちゃってんの」

春香「あ、ごめんなさい」
春香(うわぁ…なんかこの人怖そう…。睨んでくるよ…


徐倫「で?私と話でもしたいの?」

春香「えっと…。邪魔しちゃうようでしたら…いいんですけど…」

徐倫「別に?目が覚めちゃったし。いいわよ」

春香「え?あ…はい」

徐倫「私も今プロデューサーって人を待ってるから暇なのよ。
   その人はいつ来るの?」

春香「え?プロデューサーさんですか?
   えっと…。夕方には帰ると思うのであと1時間くらいですかね…」

徐倫「ふうん。そう。
   で?そっちも聞きたい事があるなら聞けば?」

春香「え?」

徐倫「私の質問に答えてくれた。だからアンタの質問にも答える。
   そう言ってるつもりなんだけど?」


春香「あ、えっと…。徐倫さんは海外の方ですよね?」

徐倫「まあね。でも、オヤジがハーフだから実質25パーセントは日本人だけど。
   クォーターって奴?」

春香「えっと…日本語がとても上手なんですが、こっちに住んでいるんですか?」

徐倫「私はついさっきまでアメリカに住んでた。日本語がしゃべれるのは…。
   あれ?なんでだっけ…。まあ、いいわ。
   とにかく…。今日からこっちで住むってことね」

春香「そう…なんですか…」

徐倫「もしかして、怖い?私…」

春香「いえいえ!そんなことないです!」

徐倫「無理しないで。
   自分でも高圧的な話し方って思うもの。
気に障ったんなら謝る。あと、徐倫でいいわ。敬語も必要ない」

春香「え……?」

徐倫「だって、アンタこの事務所のアイドルでしょ?
   ってことは私の上司じゃんか。いいって、タメ口で」

春香「あ、うん。わかった」

徐倫「アンタ、抜けてそうだけど悪い人じゃなさそうね…。
   安心して、私も悪い人じゃないから」

春香(ニッコリと笑った彼女を見て。
  直感的に同意できた。この人は、悪い人じゃあない)

春香「でも…えっと、徐倫。どうして日本に来たの?」

徐倫「私自身も、それが分からないの…」

春香「え?」

徐倫「って言ったらどうする。アンタ、信じる?」

春香「え…嘘ですか?」

徐倫「嘘じゃあないの…。真実。私、記憶がないのよ…」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


 To be continued→

第一話『ア ショート タイム アゴー』


――アメリカ――

徐倫が、来日する数日前。
SPW財団のとある一室の、談話室のような部屋。
ベッドの上に寝る、空条徐倫と。
それを囲むように、空条承太郎と、岸部露伴、高木社長が立つ。


露伴「全く…。承太郎さん…。
   本当にいいんですね?」

承太郎「ああ、そうしてくれ…それが一番なんだ」

露伴「娘さんの意見は聞いたんです?」

承太郎「いや、聞いてはいない。徐倫自信は望んではいないだろうからな」

露伴「だったら…」

承太郎「父親らしい…といえば我がままだろうが。
    もう不可能だ。娘をこれ以上、この世界に居させたくはない…。
    例えどこへ行こうが、スタンド使いは惹かれあい、また戦いの場へ巻き込まれてしまう」

露伴「まあ、僕には子供もいないし、そういう親の気持ちは正直、未知数ですよ。
   でもね。最初に言ったように、僕のヘブンズドアーは100パーセントじゃあない。
漫画も古くなれば廃れるように、風化して記憶が戻る可能性だって…」
 
承太郎「君が無理だというのなら……他の人間に頼むが?」

露伴「分かりましたよ…。まあ、約束通り、SPW財団の取材はさせてもらいますよ?」

承太郎「ああ、構わない」

露伴「はぁ…。ヘブンズドアー!」

サラサラ…カキカキ…。

スタンドにまつわる、スベての記憶をナくす
日本語がシャベれるようになる。


露伴「はい。終わりました」

承太郎「ありがとう…。後は…」

社長「うむ。分かった。
   大手の財団から我々のようなタレントプロダクションに話が来たときには首をかしげたが…。
   あなたの娘さん。しっかりと預かりましょう」

承太郎「よろしくおねがいします…。
    これ以上、徐倫を、危険な目には合わせられない…」

露伴「確かに、日本なら安全でしょうね…。
   DIO・ブランドーの部下はそこには居ないようですし。
   でも、こいつも興味本位で聞くんですけど。どうして日本のアイドルに?」

承太郎「徐倫には、贔屓めかもしれないが、そういう世界が似合う。
    こっちでそうさせてやりたいのだが、コッチでは元囚人というレッテルがつく。
    史実や記録上では無くなったが、事実徐倫はそこにいたんだ。
    ここでは隠し通せない」

露伴「成程…」

社長「でも、まだにわかには信じられないな…。その、スタンド?能力という代物は…」

承太郎「無理に信じて下さいとは言いません。安心してください。
    あなたと我々の関係はこれっきりだ。襲われるようなことはない」

社長「そういう心配ではないんだ。
   ただ…。いや、なんでもない」


――空港――


徐倫「まだよくわかってないんだけど…」

社長「ううむ。そうだな…。私は空条君の母親から君を預かる身だ。
   君が嫌ならば無理強いはしない。帰ってもいいんだよ?」

徐倫「いや、そういうワケじゃないの。
   ママが嘘をつくわけないし?私自身、ここ数カ月の記憶喪失らしいけど…。
   なんだか、日本に行かなくちゃいけない。ここにいたらいけないって誰かに言われている気がするの」

社長「どうする?最終的には君の判断だ。
   君が飛行機に乗れば、私と共に日本でアイドルをすることになるが…」

徐倫「まあ、状況は分からない事も多いけど。
   私が今いちばんすべきなのは。日本でアンタについていく事。
   それは、間違いないのよね?」

社長「ああ、あなたのお母さんもそう言ったように。我々にウソはないさ」

徐倫「ええ、じゃあ、連れて行って…。
   日本へ…。でも、アイドルなんて出来るのかしら」

社長「それは愚問だよ。君は可愛いし、肝も座っているように見える。
   我々と共に、頑張ろう!」






To be continued →

とりあえずここまで。
また今日中に第2話あげます。

一日一話更新くらいでがんばります。
では、乙。

乙乙
これは続きが気になる

おつ
なんだこりゃ、ジョジョキャラがプロデューサーになるのはよくあるけどアイドルになるとか初めて見た
とりあえず期待

スタンドバトルは無くても、
スタンドを所持したままなのかが気になる

背景で「ゴゴゴゴゴ」とかいってるアイドルとか嫌だわ。。

美人でも・・・。

みゆきちって声いい声なんだけどな……

エルメェス兄貴は出しますかな?

出来れば出して欲しい

ViとDa特化だよなあ
ポージングが一つ一つキマってそうだwww

兄貴とFFとユニット組ませようぜ

徐倫が生きてるって事は神父がメイド・イン・ヘブンの発動に失敗して撃破されたかそれ以前の準備段階で承太郎とか仗助辺りに撃破されたと思っていいのか?


『凄み』のあるアイドルって…どんなファンが付くんだろうか…

ファン層がそこだけ濃ゆい事になる

多分大体スタンド使い

ペッシみたいなファンが付くと思う

CDのジャケットはこんなんだな
http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/501013143.jpg

>>21
ミリオンヒット待ったなしだな

初期の倖田來未みたいな歌、歌いそうだな。

でもまあ、徐倫は意外とノリがいいところもあるし、
男好き?なところもあるから、
ツボにはまれば営業とか頑張るんじゃね?

男に注目されてキャーキャー言われるのは
嫌ではないっぽい。

むしろ、女性ファンが多そう

女性ファン多そう 美希みたいに憧れの対象って感じ

アイドルってか洋楽歌手だよなぁ…

エルメェスもFFもアナスイも忘れちゃったなら寂しいな

某入れ替わりスレを思い出したわ。期待

>>11

明確には。スタンドの存在そのものを忘れているって設定。
先の露伴のヘブンズドアーによって。
なので、スタンドによって知り合ったアナスイとかFF等の記憶もない。
承太郎と出会った記憶も消えた。という感じ。

>>14

ジョジョキャラは色々出していこうと思うし。
希望の多いキャラを出していこうとは思う。あまりに世界観に合わない
(死んだキャラや7部キャラ)とかは除外するけど…。

>>17

そう思ってもらって構わないっす。

第2話『空条徐倫、アイドルに会う』

P「ただいま帰りました…」
響「うがー。今日は疲れたぞ…」

小鳥「あら、おかえりなさい。いいタイミングね」

P「ん?どうしたんですか?皆集まって…」

小鳥「社長がさっき海外から帰ってきて。皆にお話があるの」

響「なんだって!もしかして自分達!ついに海外デビューか!」

小鳥「それはちょっと違うけど…。ちょっと呼んでくるわね」

トテトテ…「シャチョー」


P「律子…何が始まるんだ?」

律子「さあ、私もさっき帰ってきたらちょっと待っててって小鳥さんに言われたの」

伊織「なんなのかしら…。もしかして、海外に私たち移転とか?」

亜美「うあうあー。もしそうだったらそれは移転じゃなくてお賽銭だよー」

律子「…多分。左遷っていいたいのかしら?」

真「僕と美希もレッスン後に呼びとめられてさー。
  あ、でも春香は知ってるんだよね?」

春香「え?うん。ちょっと会っちゃって」

千早「会う?その報告ってのは人なのかしら?」


ガチャリ

社長「うおっほん!諸君。久しぶりだな」

P「お久しぶりです。ご苦労様でした」

律子「変わらずお元気なようで、安心しました」

社長「うむ。私も皆の元気な顔が見れて安心だ。
   では、早速本題に入るとしよう」

社長が小鳥に、目で合図をする。

小鳥「はーい。じゃあ、こっちに来てもらえるかしら?」


ザワザワ
「え?誰か来るの?」
「誰だ?」
ザワザワ


徐倫「えっと…。アメリカから来ました…。空条徐倫です。
   今日からこの765プロのアイドルとして働くことになりました…。
   なんていうか…その…。よろしくお願いします」

真美「新しい!?」
雪歩「海外からの!?」
やよい「アイドルですかぁー!?!?」

社長「ああ、父親が日本に住んでいるらしく。
   丁度個人的な付き合いで知り合って。アイドルにスカウトしたんだよ。
   今日からは日本で生活し、この765プロのアイドルととして、皆と同じく。
   切磋琢磨してもらおうと思ってる」

律子「凄い!外国人アイドルですね。凄くお綺麗だし!」

春香「あれ?」

 徐倫は、首をかしげる春香に目を合わせ、指を口元に動かし。
内緒のポーズをとる。

春香(あ、そうか…。記憶喪失なのは秘密なんだ…)

あずさ「あらあら、年齢は私と同じくらいかしら…うふふ」

徐倫「19歳」

あずさ「え…。あらあら…。律子さんと同い年なのね…」

律子「そんなあずささん…。露骨に残念そうな顔しないで…」

徐倫「何?私が19ってそんな意外なの?」

あずさ「いえ、その…。やっぱり。同い年の人間が周りに居ないものですから…」

亜美「わーい!新しいお姉ちゃんだー!」
真美「んっふっふ~!楽しみですなー!一緒に仕事するの!」

亜美と真美は、飛びかかるように徐倫を抱きしめる。

徐倫「ブッ飛んだ挨拶ね……。アンタ達も、アイドルなの?
   見たところ凄く幼そうなんだけど」

亜美「そだよー。幼いからって甘く見ないでよねー!」

真美「そうだよー!ここの皆は売れ売れの売れっ子だよー!」

あずさ「熟れ熟れ…」

律子「あずささんは一度深呼吸して!」

伊織「でも、どうして日本なんかに来たのよ…。
   アイドルや歌手なんて向こうでも出来るでしょ?」

徐倫「まあ、なんていうか…。
   元々日本に行こうかなって考えてたのよね…。
   それで、いい感じに話があって、今こうなってるって感じ?」

伊織「ふーん。まあ、これからよろしくね」

徐倫「ってことはアンタもアイドル?」

伊織「もちろんじゃない!日本人なら知らない人はいないほどのスーパーアイドルよ!
   水瀬伊織!」

美希「またの名をデコちゃんなの」

徐倫「へぇ、よろしくね。デコちゃん」

伊織「ちょっと!ナチュラルにデコちゃんって呼んでんじゃないわよ!美希も何言ってんの!」

社長「はっはっは。早速打ち解けてくれたみたいだな…。
   日本語は達者なので言葉の壁はないとは思うが、なにせアイドルよりそもそも。
   日本に関して知らない事ばかりだろう。皆、先輩として色々教えてあげてくれ!」

響「はーい!なあ、徐倫…さんだっけ?」

徐倫「徐倫でいいわ」

響「徐倫!これからよろしくさー!自分、我那覇響!完璧なアイドルだから。
  なんでも聞いてくれー!」


社長「そして、プロデューサー君。
   君にはしばらく、空条君の専属プロデューサーとして、活動してもらおうと思う!」

P「え!?僕ですか!」

千早「まあ、私たちはもう個人で動ける立場にはいますし…」

美希「えー。ハニーを独り占めってのはズルいって思うな…」

社長「どうだ?やってくれるか?」

P「え…はい!精いっぱい頑張らさせてもらいます!」


 Pが、徐倫に近づき、手を差し出す。

P「と、いうわけで。突然だけど、今日から君のプロデューサーだ。よろしく頼む」

徐倫「私は最初からその話で聞いてたから。突然じゃあないんだけどね。
なかなかいい男じゃん。飛ぶ気でプロデュースしてよね?
   やるからにはマジでやりたいから…」

P「ああ!」

 握手を交わす。それと同時に、社長が手を叩く。

社長「さあ!皆も空条君に色々と聞きたい事や話したい事があると思うが…。
   空条君も今日こちらへ来たばかりでね…。
   顔合わせも早々で悪いが、プロデューサー君。ここに彼女の家を借りたから。
   連れて行ってくれないか?」

響「えー!まだ話し足りないぞー!」

貴音「響。話す事は明日以降でも出来ます。今は彼女の体を気遣うべきでしょう。
   長旅と、知らぬ土地というのは。予想以上に精神的に疲れます」


徐倫「今日はもう終わり?なーんか拍子抜けね。
   まあ、ちょっと疲れちゃったし。いいわ、どこに帰ればいいの?」

P「え…えっと」

 皆が社長が渡した地図を、プロデューサの横から覗き込む。

P「結構近いな…ここから車で10~20分くらいか…」

春香「私の近所とかだと、毎日一緒に通えたのに…」

伊織「アンタの近所って…。わざわざ家を借りるのにそんな遠くにするワケないんじゃない?」


 アイドル達は、口々に想いを語る。それから逃げるように。
早々に徐倫とプロデューサーは事務所から出る。

P「じゃあ、送ってきます。みんなも遅くならないうちに帰れよー!」
徐倫「ペコリ」

バタン

真「行っちゃった…。明日からあの人とお仕事かー。なんていうか、グラマラスだったね」

雪歩「うん。羨ましい。綺麗だし物怖じしていない雰囲気が…。
   私の方が先輩なのに、逆みたいだよぉ…」

やよい「でもでも、なんだか優しそうな人でしたよー?
    笑顔がとっても素敵でしたー!」

春香「うんうん。私も悪い人じゃないって思うよ!」

――Pの車内――

P「改めて、これからよろしくな…えっと…」

徐倫「徐倫でいい」

P「ああ、徐倫。ドタバタしててすまないな」

徐倫「いえ、多分こうなろうだろうってのは思ってた。
   海外から事前に何もなしに来たわけだし。
   あ、そうそう。プロデューサーと2人になったら渡せって、おっさんに言われてた」

 ひょいっと。自分のカバンから1つの封筒を取り出した。

P「これは?」

徐倫「私のプロフィールだったり色々。
   他のアイドル達に見られるとマズイらしいから、私から渡せって」

P「ああ、分かった。これは、今すぐ見た方がいいか?」

徐倫「明日からもうレッスンとかオッサンは言ってたし…。
   その方がいいんじゃない?
   アンタも、私の事を知りたいんじゃないの?色々突然だし…」

P「あ、ああ…。そうだな。じゃあちょっと見せてもらうよ」


 封筒の中から、何枚かの紙が出てきた。

一枚目は、普通の履歴書のようだった。

空条徐倫。
19歳、女性。日系アメリカ人(クォーター)
出身:アメリカ
シングルマザーの元で生活。
過去2回、窃盗罪で捕まる。14歳の頃の出来事であり、本人曰く、幼かったとの事。
一年前、州立G.Dst刑務所に収監。冤罪。

徐倫自身。その時にトラウマがあり、記憶を喪失している。


P「え…?刑…務所…?」

 プロデューサーは息をのんだ。
そこに書いてある事は…。おおよそ予想から大きく離れた履歴書ッ。

徐倫「ええ、そうよ。冤罪…らしいんだけどさ…」

P「らしいってのは…。やっぱりそこの記憶がなくなってるってこと?」

徐倫「ええ、ロメオって言う元彼がヒッチハイクの男をひき殺した…。
   私はその時助手席にいた…。そして、私が運転していたと勘違いした警察は。殺人罪で私をブチこみやがった…。
   冤罪だってわかってもらったらしいけど。
   それ以外、刑務所で過ごした記憶なんかはぽっかり忘れちゃってる。
   ストレスだったりショックだったり、理由は分からないけど…」

P「そ…そうか…」

徐倫「ああ、可哀想とか…聞いてしまった罪悪感とかは感じないでね。
   重要なのはそこじゃない。私が重要なのは。むしろこれから…。
   私は別に、記憶がないから嫌だとかは思わない。っていうか、逆に心配される方が虫唾が走るから」

P「まあ、色々あったんだな…。でも、やっぱり疑問なんだけど。
  どうして日本に?」

徐倫「まあ、あっちで仕事を探すって言っても、やっぱり刑務所に入ったって事実が邪魔するから。
   記録はないから、国を変えればバレる事も少ないと思うし…。
   オヤジの知り合いのなんとかって財団と、765プロのオッサンが知り合いで。
   日本でアイドルでもしてみないかって話が出てきてね…。
   刑務所に入った時すら面会に来なかったのに、今更こんなことしてくれちゃって」

P「成程…。君にも色々事情がある事は分かった。
  でも、気にされるのは嫌なんだろ?じゃあ気にしない。
  明日から、俺と徐倫は二人三脚でトップアイドルを目指そう!」

徐倫「ええ、そうして頂戴。
   高校ではケッコーモテちゃってたの。素質は十分よ」

P「自分で言うのはどうかと思うが…」


 こうして、不思議な迫力と魅力を持った女性。空条徐倫の事を少しだけ分かったプロデューサー。
その経歴は重要ではない。ただの紹介文だと、自分に言い聞かせた。

 その後、車を走らせ。運転中にも色々な話をした。


「え~。普通よフツー。あっちじゃみんなやってる」

「いやいや、それはこっちじゃ逆に非常識だぞ?まあ、アイドル業ではいい事もしれないが」

「普通に皆、徐倫って呼んでる。あ、ママはジョジョって呼ぶけどやめてよね。それはママだけ」

「本当に誰とも付き合ってないってば!そもそも俺はプロデューサーだ、誰かと特別な関係にはならない。確かに皆可愛いけど…」

P「荷物はどうやら先に部屋にあるらしいから。部屋は…405号室だな。はい、鍵」

徐倫「ありがと……。Pって結構面白いのね。
   今度もっといろんな話をしましょ」

P「ああ、今日は早く寝ろよ」

徐倫「分かってるって。おやすみー」

P「ああ、おやすみ」


バタン…ブロロロロ…


P「なんだ、意外と普通の女子高生じゃないか…。
  よーし!明日から忙しくなるぞー!!」



To be continued →

>>27
ジョリーーン!ジョリーーン!徐倫!
ジョッ!リィッヒィィ~~~ン!

いいねぇいいねぇ…これからが楽しみだ

>>29
kwsk

P(グイード・ミスタ)

親戚かな?

Pの正妻が千早か

ピストルズとストーンフリーか。
相性はそんなに悪くないはずだな(戦闘的な意味で

なんの話してんかと思ったら中の人の話か

こういうクロスって新鮮だな~
期待します

徐倫の性格をよく分かってる感じ
ドルフィン刑務所後ならちょうどこんな感じだろうな
期待

やっぱり徐倫はかわいいなあ
FFは死んじゃってるんだろうか

>>38
期待してるようなのとは違うと思うけど
やる夫がアイドルになるようですって作品。
その作品では徐倫とか兄貴がプロジェクトフェアリーでアイドルやってる

徐倫はアイドルよりもモデルとかの方が似合いそう

http://i.imgur.com/VqBL5Qs.jpg

稚拙だけどコラ作ってみた。
アイ…………ドル…………?
オーガと正面切れそうですわ。

>>49
グッド

>>49
ディモールトベネ!

>>49にスパゲティを食わしてやりたいんですが、かまいませんね!

>>49
ジョロンジョロン...
一杯飲めよ

>>49
攻守共に2万超えてそう

>>49

ディモールト、ディモールトベネ!
グレートっすよぉ!コイツは!

明日にしようと思ったが。今から3話書いちゃいますわ…。

http://i.imgur.com/aGaXAHw.jpg
http://i.imgur.com/L44JWRV.jpg

おいおい……随分と反応が有って驚きじゃねェのォ~~
もうちょいアイドルらしくした、完成版置いて読者ワゴンはクールにROMへ去るぜ

握手会で悪さしたファンはノックしてもしもしされそうだわwww

>>56
右下のアナスイの存在がモバらしくてベネ!

good


なんと言うか…その…存在感が違う

…アイドル?

これアイドルというかマドンナみたいなディーヴァだろwww

第3話『ウェザー・リポート』



徐倫「おはよーございまーす」
P「おはようございます」

小鳥「あら、おはようございますプロデューサーさん。徐倫さん。
   朝早くからご苦労様。ミーティングか何かですか?」

P「ええ、ちょっと奥の小部屋、使用しますね」

小鳥「はーい。分かりました。コーヒーでも入れましょうか?」

P「あ、すいません。じゃあお願いします」


――応接間――

P「さて、ごめんな。こんな朝早くからで。
  時差ぼけとか、大丈夫か?」

徐倫「大丈夫かって聞かれたら怪しいわね…。ちょっと眠いかも。
   でも、アンタも私をアイドルにするため頑張ってくれてんでしょ?
   なら、なんでも聞くわ。なんでも従う」

P「ああ、でも。無理はするなよ?キツいと思ったらすぐ俺に…」

徐倫「言わなかった?心配されるのは虫唾が走るって。
   寝不足程度で文句言ってちゃあ、この先駄目だってのは分かるわ」

P「ああ、わかった。
  徐倫、君にはなんていうか、凄味がある。ますます君の…。
  アイドルとしての将来を輝かせてやろうと決めたよ」

徐倫「それはありがと…。で?今日からのお話とかそういう事?」

P「ああ、君のデビューまでの計画を粗方建てた。
  これを見てくれるか?」


 プロデューサーと徐倫の間に、一枚の紙が置かれた。

『デビュー: 765プロLive☆笑顔を皆に届けM@S!
 3ヶ月後の765プロ単独ライブにてデビュー予定。

 それまでに。空条徐倫専用の新曲制作とレッスン。

 前述のライブでは、徐倫はその新曲だけを歌う。


 スケジュール○日レッスン・ミーティング
       ○日・・・・
       ・・・・・・・
                      』




 それは、徐倫のアイドルデビューへ向けての計画表。
1日ごとの、90日間の細部までのスケジュールだった。

徐倫「もしかして…これ…。夜にアンタが作ったの?」

P「ああ。言っただろう?輝かせて見せるって。
  それに、俺が覚悟を見せないと、徐倫だって不安になる。
  昨日、車の中で話した時。君の覚悟を知ったんだ…だから」

徐倫「素敵。プロデューサーってば素敵よ。とてもgood。
   どこまでもついていける気がする…。
   アンタの覚悟が、今。体で感じる」

P「ああ、正直。急ピッチで事を進める必要がある。
  なにせ3ヶ月後だ。ゼロの徐倫には、もしかしなくてもキツい…」

徐倫「弱音を吐くかもって?」

P「そう思っていたら、このスケジュールを徐倫に見せるか?」

徐倫「ふふ…。そうね。人を見る目があるっていうべきかしら。
   私の事。よく知ってるじゃない」


 立った一晩。いや、数時間しか会話していないハズだった2人。
しかしながら、徐倫の気高き闘争心は、プロデューサーの目にしっかりと映った。

 もしこれが、徐倫でなければ。もしこれが、プロデューサーでなければ。
どちらかが違っていたとしても、この意気込みは変わっていた。

 奇妙な運命は、奇妙な結束を生んだ。
2人は動き出す…。
目指すは3ヶ月後…。765プロの単独ライブへ!

人影が1人、応接間に顔をのぞかせる。

社長「盗み聞きする気はなかったんだが…」

高木社長だった。



P「社長!いらしていたんですか」

社長「ああ、君たちの真剣なまなざしを見ていると、中々話を割り込む気になれなくてな。
   そのスケジュール。確認させてもらえるか?」

徐倫「あれ?まだオッサンに見せてないの?」

P「あ、ああ…。なにせ昨日の深夜に作ったもので。ひとまずは徐倫に見せようと思ってな」


 社長はふむふむと、その紙を眺める。


社長「プロデューサー君。君なら必ずこうする。3ヶ月後のライブに焦点を置くと思っていたよ。
   でも、スケジュールの変更が必要な点がある」

P「え…?というと…?」

 不安そうに、社長の目を見る。

社長「今日からの2週間。この表では、新曲依頼期間で、空条君には基礎レッスンのみ。
   と、あるだろう?」

P「ええ、やはり、2週間じゃあ新曲依頼は急ですかね?」

社長「逆だよ」

P「え…?」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



社長「既にある…と言ったら。どうかな?」

徐倫「オッサン…アンタ…もしかして」


 社長はニコリと笑い、スーツの内ポケットから。一枚のCDを取り出す。

社長「空条君のためだけの新曲を、事前に用意していた。
   君の地元、アメリカでね!」

バァーーーーーン!!

P「社長!」


社長「これで、すぐにでも始められるだろう?」

 一枚どころではない。社長は、プロデューサーの何枚も上手だった。
彼は、いつもはのんびりとした性格をしているが。そもそもは『社長』。
プロデューサーが来るまでは、高木社長自身が10人を超えるアイドルを育ててきた。

P「ありがとうございます!」

徐倫「ブッ飛んでるわね…。何も相談していないのに。2人とも息がピッタリ。
   互いが互いを信頼している。普通ありえないんじゃない?」

社長「はっはっは。褒めていると思っていいんだよね?
   私だって、空条君の成功を祈る人間なのだから。これくらい朝飯前さ」


P「早速…!いいですか?」

 社長はコクリと頷き、横の棚の上にあるオーディオプレイヤーにCDを入れる。
徐倫は、ジっと見つめ。次第に目をつぶった。

プロデューサーも期待と興奮が混じる表情で、心臓を高鳴らせる。


 カチリ…。

しばしの静寂の後…。その歌。徐倫のためだけの新曲が、音を響かせ始めた。


 アップテンポな曲。アメリカで制作した曲なので、歌詞は全て英語。

日本語訳された意味では。
 土地を離れた女性が、見知らぬ場所で。全く同じ太陽を眺め、天気を歌う。

そんな前向きで、パッション溢れるダンサブルな曲だった。


 徐倫は目を閉じその歌を聴き入る。

プロデューサーに、英語でつづられる歌詞は通じなかったが。
唯一つ。徐倫の歌だという確信は芽生えた。


 その曲のアウトロが、ピアノの音で余韻を残し終わる。


ただ一言。徐倫は言った。

徐倫「素敵…」

ただ一言。プロデューサーは言った。

P「凄い…」

社長「曲名は『ウェザーリポート』。天気予報という意味合いだが。
   気に入ってくれたみたいだね」



 徐倫とプロデューサーの目がより輝くのを、社長は見た。
早くこの曲を歌いたい。歌わせたい。
早くこの曲を踊りたい。踊らせたい。
早くこの曲を皆の前で…。



P「徐倫」

徐倫「ええ、今すぐにでも。始めたいくらいよ」

P「なら…今すぐだ…!
  ここからが、アイドルとしての…第一歩だ!」

徐倫「今、凄くさわやかなの…。
   不安とか恐怖とかがないってわけじゃない。でも。今は感じない。
   ただ…。まるで。そよ風の中にいるみたいな…。懐かしくて、素敵…」




 それが一歩だった。最初の一歩。
それから全てが始まった。

 こうして、時は動き出す…ッ!


 To be continued→

というわけで今日はこの辺で。

また明日中に4話あげます。

 正直、予想以上の反応でちょっと困惑してる。
期待コメありがとう。精一杯素敵な徐倫とアイドル達を書かせてもらおうと思う。

 では、乙です。

乙!

ウェザー生きてないのかな……

乙!
これ6部勢はどうなんだろう
承太郎は生きてるしエルメェスアナスイあたりは生きてるのかな

自分の信じたい方を信じて待とうぜ。

中の人的にはスタンド使いが惹かれあいまくってるな

とあえずアナスイは死んでそう
生きていたら熱狂的なファンになってそうwwwww

そうか、何気にミスタとホルホースがいるし、どこぞの黒い社長は吸血鬼だしとヤバいな
他にいたっけ?

あまとうはプロ兄貴やな

ピストルズもいるな

アイドルといえばトリッシュは歌手になったんだよな

876にはエアロスミスが飛んでいるんだっけ?

あとディオの取り巻きの少年もいたな

>>56
アイドルの風格じゃねえわな

社長が若くなると気高き血統に目覚めるんですねわかります

徐倫を分解したい…

>>80
お前>>56で顔出てんぞ

>>80
若くなった社長が一緒にゲームをやりたそうにそっちを見ているぞ

そもそもプッチ神父はどう乗り切ったのだろうか。
ジョルノもフロリダに来ていてレクイエムしちゃったのか

承太郎がヘマしなかったか 突っ込まれて正解できなかったか

銛が刺さったんじゃね?

解っているのは神父が誰かに撃破された事だけだしな

ジョセフや仗助を始末しようとして返り討ちにされたとか、はたまたウェザーが神父を撃破した可能性もある

特にウェザーは不運がなければ神父を撃破していただろうし

>>1に6部終了後って書いてるし、普通に一巡した世界でエンポリオが神父をプッチしたんじゃね?

1巡後だったらアイリンだろ

父親の敵が事務所の敵でもあるのか…

徐倫ってリアルで居たら、こんなんやろ・・。

http://gallery.fanserviceftw.com/_images/b2216e88288266d6d563624d85c0e2c8/14686%20-%20cosplay%20jojo%27s_bizarre_adventure%20kujo_jolyne%20tagme.jpg

http://ani.me/site_media/media/articles/2012/09/27/JoJo6_jpg_650x10000_q85.jpg

アイドルしては無いわー。
どんな美人でも売れんわーー。

ちなみに、徐倫に「すごい美人」という設定は無かったと思う。
まあ山岸由花子が絶世の美女という設定なので、ようわからんが・・。

少なくとも今のアイドルより綺麗で可愛くて美しいのは確かだな

絶世の美女の山岸さん

http://www.officiallyjd.com/wp-content/uploads/2011/11/20111101_akb48_34.jpg

まあ路線的にはアイドルってより、倖田來未とかあゆとかだよな

第4話『LESSON1 敬意を払え』その1

P「なんにせよ。今からさあ振付の練習だってワケにはいかない。
  まだ君は『アイドル』っていうものを知らないからな。君のポテンシャルも確認したいし」

徐倫「でも、アイドルを知るって言ったって。どうすればいいの?
   赤ちゃん言葉で話すとか?わたち徐倫でチュゥって?」

P「いやいや、そんな変なキャラ付けをしようとは思ってないよ…。
  身近に素晴らしいお手本があるんだ。今日は挨拶もかねて見学をする」

徐倫「身近な…?」

P「765プロの…先輩のアイドル達だよ」


 プロデューサーは立ち上がり、資料を封筒に戻す。
徐倫にも立つ事を促した。

P「では、社長。早速行ってきます!」

社長「ああ、他にも困った事があれば…頼ってくれよ」

P「はい!さて、行くぞ!徐倫」

徐倫「ええ」


 2人は足取りを軽く、心の奥底からの闘志を燃やし、事務所を後にする。

バタン…。

社長は、窓から空を眺め、独り言をつぶやく

社長「記憶がなくても。感じられるものなのだな…。
   あなたが作ってくださった歌…。彼女は喜んでいたみたいですよ?」

――レッスン場――

トレーナー「はいワンツーワンツー!
      真ちゃん!右手が曲がってる!
      響ちゃん走ってる!」

 ズン…ダダン…ズン…ダダン!

トレーナー「はい!休憩!
      流石765プロね…。ついこの前練習を始めたのに、もうこんなに…」


響「うがー。やっぱダンスレッスンは疲れるぞー…」

真「そうだね…でも、この曲ってやっぱりダンスメインじゃんか?
  だから僕たち3人でまた歌って踊れると思うと。まだまだ練習したくなるよ」

美希「でも、以前に比べてますますハードって思うな…。
   間奏部分のこの動きとか、美希でもちょっとバテちゃいそうなの…」


 レッスン場では、真。美希。響の三人が、765プロのライブに向けて。
『マリオネットの心』の振付アレンジバージョンの練習を行っていた。

 この3人が、自分たちから。さらなる高みを目指したいという希望から。
更にダンサブルな曲に仕上がっていた。

美希「あ、あと響。『Ahもどかしい』のフレーズまだ直ってないの。
   ここの右手のクロールが早いままって思うな」

響「言われなくても分かってるぞ!でも、なんだかここで気持ちが盛り上がって気付いたら…」

真「そうだよねー。僕も毎回サビ入りで右手がこう曲がっちゃうんだよね…」

美希「駄目駄目なの…。もう美希はトレーナーさんに何も言われないくらい完璧。
   ちゃんと私についてきて欲しいって思うな」

響「ピキッ…そうだな。うん。自分しっかり練習しなくちゃな…」
真「ピキッ…だよね。でも、響。やっぱりお手本って欲しいよね?」

美希「今の間は…何なの?」


響「そうだな。『カ ン ペ キ』な美希の振付をお手本にしたいぞ?」

真「うんうん。だって僕たち仲間だもんね。美希だって絶対、口だけじゃないよ。
  本気で僕たちの事を思ってくれての発言に決まってる」

美希「え…?だって、今。休憩…中…」


響「えー?美希は完璧なんだろー?じゃあなんくるないさー!
  自分達『駄目駄目』だからさー?」

美希「怒ってるの…えっと…ごめんなの…」

真「怒ってないよ。ぜーんぜん怒ってない。僕たちもしっかり練習して美希に追いつくから。
  星井先生?ご教授お願いできますか?」

美希「うぅ……わ……わかったの!そこまで言うなら見るといいの!
   美希が踊るんだから。それでも変わらなかったら承知しないって思うな!」


 チャララチャララ…ジャジャジャン…ズン…ダダン!


トレーナー「仲良いなー。
      悪態ついてたかと思うと2人とも必死に美希を見てるし…。
      765プロのアイドルの凄さって…。こういうところなのね…やっぱ」

 いつの間にか休憩時間は自然消滅し、3人は踊り始めていた。
そんな中、レッスン場のドアが空いた。

P「皆。お疲れ…邪魔しちゃったか?」

美希「ハニー!」響・真「プロデューサー!」


トレーナー「あら?もしかしてPの横に居るのは噂の新アイドル?」

P「あ、そうです」

徐倫「初めまして。あなたがトレーナーさんですって?
   空条徐倫。徐倫でいいわ。よろしくお願いします」

トレーナー「あら、結構スタイルよさそうで、この子たちに負けないダンスが出来そうな子ね。
      私がトレーナーよ。色々社長から電話で聞いたわ。
      3ヶ月後のライブに向けてもう練習するんだって?」

P「ええ、今日はその手始めってことで。
 美希、真、響のレッスンを見て、吸収してもらおうと思って…」

響「えー?自分たちのレッスンを見るのか?
  練習風景を見学ってなんか恥ずかしいぞ…」

美希「ねーねー徐倫さん。徐倫さんはアッチでアイドルとかしてたのー?」

徐倫「いや、全然。
   もっぱら遊んでたわ。まあ、ストリートダンスを友達とのノリで踊るくらいかしら。
   歌なんて、日本みたいに『カラオケ』があるわけじゃあないし…。サッパリ」

真「へぇ~。じゃあ本当に初めてなんだ…。何を踊るの?」

響「それ、自分も気になった!3ヶ月後のライブってことは、何か一曲ソロなんでしょ?」

徐倫「どんな踊りかは分からないけど、『weather report』って言う曲」

真「そんな曲…あったけ?」
響「うぇざあ?」

P「ああ、徐倫専用の、新曲だ」

 3人は一瞬目を丸くした。
そして、数秒の静寂の後、ほぼ同時に口を開いた。

「新曲!?!?」

真「凄いや!もう決まったの!」

美希「流石、社長が海外から連れて来たわけなの。準備もばっちりなの」

響「それ、聞きたいぞ!今すぐ聞きたいぞ!」

P「コラコラ。今はお前たちもレッスンしなくちゃいけないんだ。
  レッスンが終わったら事務所にあるから聞くといいが、今は集中しろ!」

徐倫「そうね。アイドルって人のダンス。見てみたいもの。
   完璧…らしいのよね?楽しみ」

響「うがー。えっと…その。期待せずにご視聴をお願いいたしましたいぞ…」

真「響…。言葉づかいがどっか行っちゃってるよ?まぁ、ズバァーンとしたダンスで
  ドガーンとするから見ててね!」

美希「まあ、私たちのダンスで、アイドルの厳しさを知っちゃうと、ちょっとかわいそうかもなの」


 トレーナーが手を叩いた。さぁ、やるよ。と一言言って、三人は位置につく。
徐倫とPも、端っこに寄り、3人を見つめた。

徐倫「……」


 歌がプレイヤーからなり始める。

その瞬間から。今まで騒いでいた女の子3人が、アイドルに変わる。


『ねぇ、消えてしまっても、探してくれますか?』


 美希を中心に、三人が踊る。
まだまだ荒削り。練習中の楽曲ではあったが。
息をそろえ、ハードな踊りを披露する。


徐倫「………」

 Pは横を向いて徐倫の顔を見る。
彼女は、真剣そのものの顔でジっと見つめていた。


『心が…こわれそうだよ……』


 次第に音は消えていき。曲が終わりを告げた。


響「ふぅ…」
美希「あふぅ…」
真「ひぁ…」


P「どうだ?徐倫……。これが、アイドルだ」

徐倫「素敵………」

P「そうか?お前もこうならなくちゃいけないんだぞ?」

徐倫「正直。舐めていたかも…。私。
   凄く素敵で、感動する。なんていうか、歌詞とかメロディじゃなく。
   ダンスが曲みたい…。ぶっ飛び過ぎ」

響「どうだった?自分たちのダンス」
美希「美希達、こう見えて結構アイドルしてるでしょ?
   キラキラしてた?」

徐倫「キラキラしてた。すっごく。
   アンタ達みたいになりたい。私の心を奪うように。
   私も誰かの心を奪えるように…なりたいッ!」

真「へへ…褒めすぎ…じゃないかな…?」

徐倫「そんなことない。素敵。超ステキ。good!」

響「ありがとー!徐倫。そう言ってくれるなら。徐倫も追いつけるよう全力で手助けするぞ!」

美希「その前に響は自分の振付を頑張るべきなの」

響「うがー!なんでそんなこというのさー!」


 徐倫は3人を見て笑っていた。
国籍も生活スタイルも違うここ、日本。
しかし、彼女は。そこで知った。

 素晴らしいものがある事を。

P「徐倫。盗む気で見ろよ。
  1時間くらいしたらお前にも軽く踊ってもらおうと思う」

徐倫「私が…?ここで?」

P「ああ、この『マリオネットの心』をだ。覚えられるわけがないのは知ってる。
  言っただろう?検査みたいなもんだよ。気楽に、どこまで今、徐倫が出来るのかをみたい」

徐倫「わかった。じゃあ、しっかり見るわ。
   今だけでしょ?こうやって見れるの。飛ぶ気で見るッ!」


トレーナー「さて、じゃあいつも通り区切りごとに踊るわよー!
      まずはイントロから…………」……


 それから1時間。徐倫は一切目を離さず、ジっと。3人を見つめていた。

 とりあえず、今日はここまで。
4話後半はまた明日かけしだいあげます。

 ではでは、乙です。

兄貴は765のアイドルたちに女として見てもらえるのかな……

[パンティあげちゃう]エルメェス・コステロ
[ヘイ!何やってんだテメー!]エルメェス・コステロ


アイドル………………?

兄貴は真ポジなんだよ… きっと…

兄貴はアイドルよりレスラーの方が似合う

徐倫ってヘソピとかしちゃうし日本のアイドルとして売れるかなァ アメリカでスターにはなれると思うけど

あと兄貴は陸上だから

765プロ随一のアメリカンアイドル、で納得されてしまうような気が

アイマス世界のアイドルは何でもありだしヘーキヘーキ
自分でアイドルを名乗ればアイドルなのだ

FFは天然系王道アイドルだな

ドレッドヘアじゃ無くせばカッコイイ系でいけそうと思ったが顔の刺青がなー
細かく突っ込んでもしかたないけど徐倫の蝶の刺青も結構やばいんじゃなかろうか

これはアレよォーーっ タトゥーって言ってよ

FFはプランクトン駆使すればあずささん越えも余裕だな

>>108
タトゥーは海外では珍しくも無いが、日本ではヤクザやチンピラのイメージしか無いからな

だから公衆浴場等で刺青やタトゥーをした人が入場を断られるわけだし(なお、刺青やタトゥーをした人を支配人等が追い出しても法律上は問題ないそうな)

SPW財団の科学力で消えてるんだよ!

財団の科学力は世界一ィィッ!!

財団の科学力じゃなくてもあの程度のタトゥーならレーザーで消せなくもない

ttp://www.youtube.com/watch?v=qGEubdH8m0s
ttp://www.youtube.com/watch?v=-PdHhp8oGoM

ジョジョの元ネタは洋楽が多いよね
『weather report』もジャズっぽい曲なんかな

ジョジョにカタカナが出てきたらほぼ全部洋楽が元ネタと思っていいぞ

6部のキャラは海外ブランドじゃなかった?

ディオすらバンド名だしな

>>117
エルメェス・コステロなんかはエルヴィス・コステロとエルメスを合わせてる

タルカスとブラフォードをマジにいると思った奴は少なくないはず

アーラアーラアラナーミタツ ココハアーバナイ

ウェカピポー(テッテレー)

オインゴ・ボインゴやダイアー・ストレイツはわりと基本かも

徐倫ってかなり背高かったよな 175ぐらいだっけ?
やよいと30cmも差があるのか・・・

>>124
174cmだな
5部のジョルノ(172cm)より若干高いんだよな

トレーナー「さて、じゃあそろそろ終わりにしましょうか!」

響「ふぅ…。疲れたぞー!」

真「ふぃ~。どう?美希…。右手結構ピーンとしてた?」

美希「美希に聞かれても困るの…。正直、踊る時まだまだ自分で精いっぱいなの…」


 3人はその場に座り込み、レッスンの終わりが来た。

P「皆、お疲れ。クールダウンもかねて差し入れの飲み物もあるから。飲むといいよ」

真「わぁー。ありがとうございます!」

響「頑張った後に飲む牛乳は格別さー!」


徐倫「流石ね…。3人とも」

P「だろ?ウチが誇るアイドルだからな。
  煌びやかに売れっ子アイドルしてるのは、このたゆまぬ鍛錬ってわけだ!」

トレーナー「さて、じゃあ。早速だけど、見せてもらいましょうか?」


 3人が部屋の端っこへ移動し、壁に寄り掛かると、トレーナーが徐倫を見やった。


徐倫「この曲を、3人のまねをして踊ればいいんだっけ?」


トレーナー「そうよ。まあ、当たり前だけど覚えられるわけはないから。
      雰囲気でアドリブとか入れて踊ってもらえたら嬉しいかな。
      空条さんが、どんなふうに踊れるのか。それを確認したいの」

P「出来るか?徐倫」

徐倫「出来る出来ないじゃなくて。やるかやらないかって事じゃないの?」

P「あ、あぁ……そうだな。やれるか?」

徐倫「やらせてもらえる?」


美希「美希も気になるの。アナタがどんな踊りをするのか」

響「自分も、最初踊った時は緊張したけど。
  このトレーナーは凄いから全部見抜いてくれるぞ!」



 徐倫が、無言でレッスン場の真中へ移動し、大きく屈伸を行う。


トレーナー「じゃあ、準備はいい?曲をかけるわよ?」

P「……」

徐倫「ええ…最初の立ち方は、こうだったかしら?」


トレーナー「うん。じゃあ、かけるよ。3…2…1…」


 ピッ。と、電子音が響く。
それの数秒後。『マリオネットの心』が、部屋に響き渡った。

 徐倫は、見よう見まねで。踊った。
3人と比べれば、単純な記憶力の差で雲泥の差があるが。


P「うおお…」



 彼女の踊りは。繊細だった。
糸のように、繊細。一本一本の毛先まで意識するような動き。
そして、力強さがあった。

 まるで1つ1つのダンスの動きが、絵画のような力強さを持っていた。
それは、ダンスというより、1つ1つのポージングの集合体。



アウトロも終わり。徐倫はダンスを終え、ひとつだけ、息を吐いた。


真「凄い…」
響「うわー…」
美希「あふぅ…」


 3人も声を漏らす。そして、最初に言葉を発したのは。トレーナーだった。

トレーナー「思ったより…」

 しかし、それを遮る形で、美希が声を出した。

美希「ダンスじゃないの…」

P「え?」

美希「なんだか、そう。根本的に違うの。
   すごく惹きつけられて、魅力があるのは認めるの……。
   でも、なんか。ファッションショーで歩いているような。
   自分を見せているだけ。
   徐倫さん、ダンスを踊ってないって思うな……」

真「いや、でも。美希…。徐倫さんは今日アイドルになったばっかで…」

トレーナー「いえ、美希ちゃんにもそう見えてるなら。やっぱりそうなのね?
      確かに。徐倫さんのはダンスじゃなかった…」

徐倫「ふぅん。そう?」

トレーナー「始めて踊ってもらってこんな風に言うのは駄目なんだけど。
      もっと詳しく噛み砕くと。空条さん。貴方のソレは。
      まるで幼稚園児が始めて踊ったダンスでもなく。
      なんていうか…。『踊る』という行為が、あなたの中で完成しているのよ。
      その完成形が、空条さんの中での結論が。日本のアイドルの『ダンス』とは。
      違う。そう言いたいの」

徐倫「がっつり貶されてるかと思ったけど。褒めてくれてるの?」

真「うん!とってもカッコよかった!」

響「そうだぞ!すっごく感動したぞ!」

トレーナー「ええ、確かにあなたの踊りは想像以上だった。
      すっごく繊細で、自由だった。
      でも、なんていえばいいのかな…。
      アイドル達のダンスを、『絵本』で得られる感動だとしたら。
      あなたのダンスは、『モナリザ』で得られる感動なの」

徐倫「雰囲気とか、オーラとか。そういう感じの類の違い?
   その、魚が空を飛べないように、鳥が海を泳げないような」

トレーナー「そうね…。なんだか、私も今こうやってあなたのダンスに感動しているもの。
      心に響いたの。でも、それは『空条徐倫』という人間に感動しただけ」

P「なるほど…」

徐倫「ちょっと、何納得してんのよ。私はさっぱりなんだけど。
   これ何?私もーアイドル諦めて帰った方が良いの?」

P「いや、違うぞ!そうは言ってない!」

トレーナー「うん。でも、正直。何も知らない一般の女子高生がダンスをするのより。
      はるかに難しいってだけ」


トレーナー「今のあなたはモナリザなの。そこに居る三人は…そうね。くまのプーさん。
      『winny the pooh』に例えるとね。
      プーさんって。キャラクターも魅力だけど。それが紡ぐ物語もすっごく大事じゃない?
      物語を中心に、キャラクターがいるの。でも、あなたはそのキャラクターが、物語を必要とせず、そこに存在している。
      物語って言うのは『歌』。それが見えないの。
      だから、あなたがダンスを踊るには…」

徐倫「自分って言うキャラクターを薄めろってこと?」

トレーナー「逆よ。『モナリザ』に…。空条さんに物語をしっかり付けるの。
      分かる?絵画に物語をつけるの。普通の絵本の主人公じゃなく。
      絵画に…。それがすっごく難しいの」


徐倫「なんだ…。よかった。安心したわ。
   だって、それ、すっごくブッ飛んでるじゃない。『モナリザ』にもし。
   その感動を超える物語が付属したら、大ベストセラー間違いない大長編よ?
   全米が泣くわ。それが、私にはダンスで表現できるってことでしょ?」

P「そうだな。どんなダンスよりも素晴らしいダンスになる」

トレーナー「でも、それには3ヶ月じゃあ本当に1秒を争うハードなレッスンが必要になる…」

徐倫「無理?」

トレーナー「無理じゃないけど…でも…」

徐倫「そこだけ。私は全て従う。難しいとかそんな事は最初から分かってる。
   たった3ヶ月でこの3人みたいになれるなんて思わないし。
   だから重要なのは、道のりの険しさじゃなく。出来るか出来ないか。
   覚悟は出来てるわ」

P「徐倫……」

トレーナー「面白い子ね…。なぜか、貴方の目。さっきよりますます輝いてる。
      明日から。本格的に始めるわ。さっき社長からデータも貰った。
      『ウェザー・リポート』の振付。明日から始める!」


響「えっと…。自分達でよかったら本当に何でも聞いてね?」

真「うん!でも僕達も負けないよ!どっちがライブで盛り上がるか勝負だね!」

美希「さっきはあんなこと言ったけど。
   徐倫さんの踊る、『ダンス』が、すっごい楽しみって思うな!」

徐倫「ええ、そっちこそ。追いつかれて悔し泣きしても知らないから。
   超ぶっ飛ぶ気で追いかけるから」


 それが始まりだった。
徐倫という人間の【アイドル】への…【ダンス】への第一歩。



To be continued →

 ちなみに凄く裏設定も裏設定ですが。
徐倫の曲『ウェザーリポート』は、Avril Lavigneの「Idont have to Try」
くらいの曲調のイメージです。歌詞とかまったく噛み合ってないけど…。

 10話くらいでひとまず完結するつもりです。
次はまた、かけしだいアゲますー。
乙です

ポージングの集合体とは上手い表現だな。

https://www.youtube.com/watch?v=IAFlUwh6KUw#t=1m07s

曾祖父がそもそもダンスやってるしな……

おっつおっつ いい表現だ

>>131
念レス


やっぱり記憶が無い事が「物語がない」ってことに関係してるのかな?

黄金の精神が輝いてるだけで今のところダンス必要ないよねって話か
精神エネルギーをダンスに乗せる術を覚えれば「波紋」や「鉄球」と同じくスタンドの発露に近づく技術になり得るのでは

ユニット組んだらスパイスガールみたいになるのか?いや、実在の方の。
ちなみに好きな「立ち」は噴上に助けられた直後の仗助と康平

>>136
康平じゃねーや康一だ。ちょっとエルメェスの兄貴の尻触ってくる。

ヘイッ!何やってんだテメェッ

 >>1です。
色々考えてたら、どうやらSSなんてくくりじゃ終わりそうにない。50話くらいいきそう…。
ところどころはしょって、簡潔にまとめる事にしますわ。
今日中には続きアゲたいところっす。

 長く更新してなくてすいません。

>>139
50話?上等、覚悟はできてる

45スレに渡って続いたシリーズもあるんだぜぇ~ッ!

>>139
なぁに、待つことには慣れてるんだ
無理せずゆっくりやってください

書けばよかろうなのだぁ!!!

50話程度でSSなんてくくりじゃ終わりそうにないのか(笑)

第5話「歌う事」

 徐倫は、ひとまずレッスン場を後にした。
アイドルとしての活動の初日故に、車で次の目的地へ走っていた。

P「この後のスケジュールだ。さっきのレッスン中にアポとかは取っておいた
  目を通していてくれ」

 運転しながら、片手で手帳を取り出し、徐倫に見せる。
手帳のメモ書き欄に、消しては書きなおされた、一日の予定表が書いてあった。

徐倫「ん」

 それを一言で受け取り、徐倫は目を通す。


13:30~宣材写真撮影
18:00~ヴォイスレッスン見学
19:00~歓迎会



徐倫「ん?ねえねえ、ちょっと聞いてもいい?」

P「ん?どうした?」

徐倫「時間が間違っているって言うオチとか、スケジューリングに失敗したオチなら。
   ソッコーで理解が出来るんだけどさ…。このヴォイスレッスン?
   短くない?」

P「ああ、それか。それはそれで大丈夫だよ。
  さっき決めたんだ。3ヶ月で君を最高のアイドルにするには。これが一番だって」

徐倫「話が見えないんだけど…?」

P「端的にいえば、ヴォイスレッスンは付け焼刃だ…。
  徐倫にはこの3ヶ月の間、レッスンの比重を大きく偏らせる」

徐倫「歌をおろそかにするってこと?」

P「そう言うと聞こえが悪いが…。理由はいろいろあるんだ。
  この『ウェザーリポート』は英語歌詞だ。日本の歌のトレーナーしかウチにはいないから、専門的なレッスンは難しい。
  そして、もうひとつ。歌においては、短い時間でもそれなりに仕上げることが可能なんだ…。彼女の力を借りれれば…な?」

徐倫「彼女?」

P「君も既に会っている、ウチのアイドルだよ」


 徐倫は一言、「そう」とだけ返答し、無言で前を見つめた。
車は次の目的地へ…。宣材を撮影しに向かった。

 午後17:30 
時間は既に日没を迎えていた。
徐倫はひとしきりカメラの前でポーズをとった。

P「いやあ、やっぱり徐倫は写真に映えるよ。とても素晴らしい出来だった。
  ついでに撮れればと思っていた、ライブ用のスチルも撮れたし。
  まずは一安心だな」

徐倫「本当にあれでよかったのー?なんかカメラマンが私を見る目が卑猥だったっていうか、ちょっとエロかったんだけど?
   あれなの?アイドルってのは夜のご奉仕も兼ねるためにそういうフェロモン必要なの?」

P「いや……。そういうわけじゃあないんだが…。まあ、エロさっていうか、色気は必要だな。
 アイドルにも色々あるが、徐倫は少なくともその『色気』って部分は押していくべきポイントだし」

徐倫「じゃあ未来的にヘアヌードとかも出しちゃうってコトー?キャー!ぶっ飛んでる!」

P「そんな崖っぷちの商売戦術はウチは使わないよ…。
 そうしないために俺も頑張るし、徐倫も頑張ってもらわないと…」

徐倫「冗談を真に受けて返されるとちょっとヘコむんだけど」


 写真撮影の後故なのか、徐倫はテンションが高めである。
昨日から日本に来て、緊張が延々と続いた結果だった。


P「さあ、この後は、ヴォイスレッスンだな…」

徐倫「またあのレッスン場?」

P「いや、事務所だ」

徐倫「へぇ~。あんな事務所に歌う場所ってあるのね…。
   しっかり見てないから見落としていたわ」

P「いや、そんな大層な設備はないよ…。設備じゃなくて、そこに居るんだよ。彼女が」

徐倫「その暗に秘めた言い方に突っ込むのもメンドくさいわね…。行けば分かるの?」

P「ああ、分かるさ」

―765プロ事務所―

P「さて、ついた。行くぞ、徐倫」

徐倫「ええ、まあ何が来ても驚かないつもりでいる」

 2人は事務所のビルに近づく。
ビルの2階に、事務所の扉があるのだが。プロデューサーはそこをスルーしてさらに上へ昇る。

徐倫「?この上って屋上だけじゃ…」

P「そこに行くつもりだ」

 2人が屋上へ上ると、屋上の扉が空いていた。そして、その空間の先から。
視覚より先に聴覚で気付く。

徐倫「歌声?」
P「ああ」


 屋上で1人、喧噪の街並み。人並みの中で1人。
アイドルが歌を歌っていた。

 下で歩き、遊ぶ人々にはその声は届かないが、空に向かって彼女は歌っていた。

【約束】という名の歌。アカペラであるにもかかわらず、完全なリズムと拍で歌う。
彼女の名前は、如月千早。

 誰といるわけでもなく。ただ1人で歌を歌う。
それを、徐倫は立ち止まって眺めた。

 正確に言うならば、気付いたら眺めていた。
体が動くことを拒否し、歌を聴く。ただそれだけのために全神経を集中させるよう体が強要した。

徐倫「この歌…好き」

千早「誰?」

 千早は、後ろの徐倫の声に気付き、我に返って振り向いた。

徐倫「あ、ごめんなさい。盗み聞きするつもりはなかったんだけど」

千早「あなたは…確か、徐倫さんですよね?プロデューサーとお二人で。
   何か御用ですか?」

P「いや、ただ千早が毎週この時間、ここで歌っているのを知ってるから。
  見学にと思って様子を見に来たんだが」

千早「見学!? そんな……私は別に大層な事をしているわけではなくて……。
   これもレッスンというよりただの趣味というか…その……。
   というよりも!
   見に来るなら事前に言ってください!いつもいつも突然です!」

P「あー。いや、だって事前に行くって言うと、千早は断るだろ?」

千早「それは……。でも、それとこれとは違いませんか!?」

徐倫「でも、凄く良い声だった。聞かれるのは嫌?」

千早「え?……いえ、皆に私の歌を届けたいって気持ちはあるのだけれど。
   ただ、状況というか…。
   って、え?私の声、褒めてくれた?」

P「千早はウチのアイドルの中で一番『歌』に対する覚悟と技量が一番だから。
  その千早の事を知ってもらおうことで、徐倫に何か掴めたらと思って」

徐倫「確かに。仕事やレッスンが終わっても、こういうところで歌う人だもの。
   人並みとは違う気持ちってのはありそうね…」

千早「えっと……。プロデューサーさんは。いったい何を私にさせたいんですか?」

P「その言い方は聞く人が聴いたら誤解を生むからやめてくれ。
  だから俺は単純に、千早の歌を聞かせてやりたいと思った。それだけだ!」

千早「だからそもそも、状況が……。といっても堂々巡りですね。
   では、私はいつも通り歌えってことですか?」

P「ああ、聞かせてくれるか?」

千早「え…ええ。わかりました」

 そして千早は再び歌い出す。
徐倫は改めてその声を聞いた。
音階や、そういう機械的な正確さはもちろんだったが。
彼女の歌う歌には、命があった。抽象的な言葉で表すなら、生きた歌だった。


千早「ふぅ…。えっと、これでいいんでしょうか……」

徐倫「凄いのね…アイドルって……。
   さっきの3人、ダンスの時もそうだったけど。人の心を動かすのが凄いと思う。
   ママに絵本を読んでもらうのでも、映画を見た後とも違う。
   なんていうか、クラシックで演奏者の気持ちが見えるような…。そんな感動」

P「これが、アイドルの歌なんだ。
  歌詞の意味や、リズムの意味を超えた。千早の歌。千早が生む感動だ」

千早「えっと…。そんな褒めても、その……。ありがとうございます」

徐倫「でも、私にはこんな歌い方は出来ない……と、思う」

千早「なんでそう思うの?」

徐倫「え?いや、私って。正直そんなに歌って言う物に真剣に考えた事もないし。
   そもそもアイドルになるつもりなんて本来なかった。
   成り行きって奴?だから、そんな歌い方は…」

千早「別にとがめるつもりはありませんが…。
   そんなに難しい事ではないと思いますよ?」

徐倫「?」

千早「歌というのは、本当は。歌いたいから歌うってことだと思います。
   私も、歌いたいんです。ただ、それだけです。
   皆に私の歌を聴いてほしい。私の歌で誰かが感動するのが嬉しい。
   ただ、単純にそれだけなんです」

徐倫「私が、誰かを感動させたい……。それだけ?」

P「ああ、確かに千早は、その感動の重きを『歌』においてる。
  正直、ダンスのレッスンが多少疎かになってるんじゃないかと心配になるくらいにな」

千早「そんな事…!」

P「ああ、今の千早にそれはないのは分かってるよ。
  でも、逆にいえば、歌うってのは。声が素敵だとか、リズムが完璧とかじゃない。
  ソコより一番大事なものがあるんだ」

徐倫「成程…ね…。さっきプロデューサーが、ヴォーカルレッスンよりもダンスレッスンを重視するって言ったけど。
   そう言うことね?」

P「ああ、ヴォーカルレッスンで3ヶ月しっかり基礎を学べば、後はレッスンじゃあない。
  荒削りな部分はそりゃあ出てくるけど」

徐倫「うん。千早さんの歌を聞いて。分かった気がする。
   歌うってこと。プロデューサーの言ったとおりね、彼女の歌を聴けば分かるって」

P「同じ練習でも、自分で考える事でその結果は大きく変わる。
  だから、まずは徐倫には千早の歌と、千早の言葉を聞いてほしかった」

千早「えっと……。よく話が見えませんが……」

P「ごめんな千早。急に押しかけたりして。
  千早が思う以上に、千早の歌は素晴らしいってことだよ」

千早「ええ!?どうして突然そういう話になるんですか?
   でも…。はい。徐倫さん、もし何かあれば、歌の事でしたらお力になります。
   いつでも聞いてください」

徐倫「ええ、ありがとう」



 徐倫の持つポテンシャルは、素晴らしい。
そして、それを引き出すためには。アイドルを知ることに他ならない。
この一日で。アイドルとしてライブで輝くための歌とダンス。
その二つを学ぶ。

 明日からのレッスンをますます有意義なものにするために。

To be continued→

>>144

 気分を害したんなら謝る。
自分の中で、このSSは行っても1スレ完結くらいの量で書こうと思ってたんだ。
SSそのものを天秤にかけたような発言になってしまってすまない。

 だから、考えるうちに想像以上に膨らんでしまったってことが言いたかっただけです。


 第6話は、歓迎会を書こうと思います。
遅くとも今週中には書くッ!

えっ害してないよ びっくりした

いや、文面どう考えても煽りじゃないか…

徐倫のヌードって今更って感じだな

乙でした、長く楽しめるならそれが一番嬉しいです
(笑)ってもはや完全な煽り専門用語になったよなー
wwwwwwwwならそこまできつい雰囲気にはならなかったと思う

徐倫のヌード(笑)

>>154
需要しかないな

承太郎さんがアップを始めました

ヌード待ちだし、要全裸待機か

あっオラオラはいらないです

第6話『歓迎会に行こう』

P「さて、そろそろお腹が空いたな。
  事務所に戻るか、2人とも」

千早「ええ、そうしましょうか」

徐倫「そういえば、そろそろ19時ね…。
   予定表には『歓迎会』ってあったけど。何か祝ってくれるの?」

P「まあ、行けば分かるよ」

 無邪気な笑みをプロデューサーは見せた。
千早は徐倫に、「行きましょ」っと、はにかみながら歩を速めた。

徐倫「なーにー?特上のスシィとか出てくるのー?」


 会談を降りて、先ほど素通りした事務所の前に立つ。

P「さあ、開けてみてくれ」

徐倫「もう大体何が起こるか予想出来ちゃうんだけど…。
   って、これを言ったらブーね…」


 ガチャリ…。ゆっくりと、事務所の扉が開かれる。


春香「うーわっほい!」


 パパパパパーン!!


 銃声のような音が部屋中に響き渡った。
その音の正体はクラッカー。

春香「えーっと…空条徐倫さん!我が765プロにようこそ!
   僭越ながら、歓迎会を取りしきりゃぃと思います…あー噛んだぁ!」

伊織「もー!台無しじゃない!だから春香に任せるのは嫌だって言ったのよ!」

春香「伊織が考えた言葉が堅っ苦しいんだよお!もっと砕けた感じがよかったんだもん!」

伊織「それと噛む事は違うじゃないの!もう!」


徐倫「…?え?えっと、今の私の反応は。何が正解なの?」

P「あ…あははは…」

春香「ハッ!言い合いしてる場合じゃないよ!えっと!
   徐倫さんの歓迎会がしたくて…。皆に無理言って集まってもらったの。
   でね、プロデューサーさんが色々出前取ってくれて。
   事務所でごめんなさいなんだけど、歓迎パーティーをしようって!」

徐倫「う…うん。それは最初のクラッカーっていうか、プロデューサーが予定表に【歓迎会】って書いていたから知ってる」

春香「えぇええ!?ちょっとプロデューサーさん!サプライズにしようって言ったじゃないですか!」

P「え…え?言っちゃあ駄目だったのか!?」

徐倫「本当…。なんだか今日は色々ありすぎでブッ飛んでる一日ね。
   ここの人たちってなんていうか、優しいしにぎやかね…。やれやれだわ」


 徐倫はため息をつきながら、笑顔を見せた。

社長「んー。では、皆もお腹が空いただろう?早く食事と行こうじゃないか!
   プロデューサー君が、自腹を切って頼んだ品々を、堪能しようじゃないか!」


 社長が一声かけると、皆はテキパキとお皿や箸を配る。
中央に臨時で置かれたテーブルには、ピザやお寿司、更には中華料理など。
色々なものが彩り豊かに置かれていた。


P「まあ、これが765プロだよ。徐倫も、馴染んでくれると嬉しいんだが」

徐倫「馴染むも何も。どうしようと多分向こうの方から迫ってきそうね。
   多分、私に拒否権はなさそう…」

春香「徐倫!何食べるー?よそってあげるよ?あ、それとも自分で選びたい?」

徐倫「ホラね?」

P「はははは……」

春香「うん、そうだね!お寿司とかアッチじゃ見慣れないでしょ?ホラ、選ぼ!」

徐倫「あ、ちょっと引っ張らないでよ。わかったから、行くから!」


 徐倫は、春香に引っ張られて、中央のテーブルへと飲み込まれていった。


律子「流石ウチのアイドル達ですね。
   物怖じしないというか、もう友達みたい…フフフ」

P「ああ、それがウチの持ち味だからな。
  この調子だと、すぐにでも一緒に買い物とか行きそうだな……」

律子「やっぱり、不安もありましたか?」

P「ん?…まあな。親元を離れて国もまたがっての一人暮らしだ。
  同年代の彼女達が支えてくれてホっとしてる」

律子「そうですねー。
あ!!私達も料理とらないと、なくなっちゃいますよ?」

P「え?結構いっぱい頼んだのに…もうないのか!?」


 テーブルの中心では、アイドル達が徐倫にしきりに話しかけていた。


響「すっごいんだぞ徐倫は!ダンスもビシっと決まってたさー!」

真「そうそう!こうバシコーンって来てズババババーンって感じ!」

雪歩「真ちゃん…。全然、伝わらないよ…。あ、徐倫さん。私の入れたお茶、よかったら飲んでみてください!」


徐倫「あ、ありがとう。ついでに徐倫でいいわよ?上司なんだし……」

真「上司かぁー。なんか照れるなーへへ……じゃあ僕の事も真でいいよ!」

徐倫「ん…?このお茶、甘くないわね」

雪歩「え?お茶にはお砂糖入れないよー?」

徐倫「へぇー。向こうだと、お茶に砂糖って普通なんだけど。
   これはこれでおいしいかも…。そもそも緑茶を飲むって習慣があんまり」

雪歩「それは緑茶じゃなくて、玄米茶だよ。お茶にも色々種類があってね?
   今度色んなお茶を作るから、飲んでくれると嬉しいかな…なんて」

徐倫「いいわね、飲ませてよ。
それにしても、あなた結構グイグイ来るのね。
   見た目から…って失礼だけど。もっとオドオドしてるかと思った」

雪歩「ふぇええ!ごめんなさいごめんなさい…。春香ちゃんにすっごくいい人って言われてたから。
   大丈夫かなって思っちゃって…。初対面なのにごめんなさい…私なんて、穴掘って埋まってますぅ!」

徐倫「えー?いやいや、全然オッケーよ?バッチグーよ?
   ここ部屋よ!?ちょっと穴掘ろうとしないでよ!」

亜美「うあうあー。また始まったよゆきぴょんのミスタードリラーが!」
真美「んっふっふ~。もはやプレパラートですな!」

伊織「もしかして、テンプレートって言いたいの?」


徐倫「貴方達もアイドルなのよね…えっと、亜美さんと真美さんとデコちゃんだっけ?」

亜美「そんな堅苦しい言い方はダメっしょー徐倫お姉ちゃん!
   亜美は亜美でいいよー!」
真美「真美も真美でいいよー!よろよろ~!」

伊織「だーかーら!ナチュラルにデコちゃん呼びするのやめなさいってば!
   デリカシーって知らないの?」

徐倫「デリ…カシー…?亜美、真美。知ってる?」

亜美「わっかんない!なんか強そうな名前だねー」
真美「伝説の剣!デリカシー!」

徐倫「あら、イケてるわね。その剣どこにあるのかしら」

亜美「それはそれは深い森の中…。神様が守ってるんだよー!」

真美「その神様こそ、この、水瀬伊織様っぽいよー!」

徐倫「なにそれー!ぶっ飛んでるぅー!ヤッダー!」

伊織「知ってるクセにとぼけてんじゃないわよ!
   年上だからしっかりしてる人かと思ったら、亜美達が1人増えたみたいじゃない!」

徐倫「そんな顔真っ赤にしてると、可愛い顔が台無しよ?いお…」

伊織「?」

徐倫「いお…デコちゃん!」

伊織「今、普通に伊織って呼ぼうとしたじゃないの!無理やりそのあだ名で呼ばなくていいのよ!もー!フンッ!」

徐倫「もう、拗ねちゃったー。亜美、どうするー?」

亜美「どうしよっかー?こんな時には救世主が必要だねー!」
真美「うんうん!やよいっちー!」

やよい「はーい?呼びましたかぁー?」

徐倫「あら、可愛い子ね。誰かの妹?」

やよい「えっと、初めまして、徐倫さん。私も一応アイドルですぅ。
    高槻やよいです!よろしくお願いしまーす!」

徐倫「アイドル?マジ?日本のアイドルってこんな幼い子もやるのね……」

亜美「うあうあー。亜美達の方かやよいっちよりいっこ下だよー?」

徐倫「あ、そう?なんか2人は幼さより別の部分が目立っちゃってて……」

やよい「でもでも!私も、皆に負けないくらい頑張ってますよぉー!」

徐倫「そう?なら、これからよろしくね?やよいさん…」

やよい「ふぇ!やよい……さん……?えへへへー。なんだか私、お姉さんみたいですぅー!
    うっうー!私が教える事何もないかもですけど、一緒に頑張りましょー!」

徐倫「ええ、そうね」

やよい「あれ?伊織ちゃん……なんでムスっとしてるんですかぁー?」

伊織「フンッ!コイツに聞けばいいじゃない?」

徐倫「ごめんってば伊織さん。ちょっと可愛かったから苛めたくなっちゃったの」

やよい「機嫌直そうよぉー伊織ちゃん。折角の歓迎パーティーだよぉ?」

伊織「むぅ、分かったわよー。まぁ、ライブで私の華麗な歌を聞いて、アッと言わせてあげるわ!にひひっ」

貴音「モグモグ…モグモグ……。初めまして…空条徐倫……モグモグ」

徐倫「え?あぁ、貴方もアイドルなのよね。初めまして……。
   あなた、日本人っぽくない顔立ちだけど、貴方も海外から?」

貴音「それは…トップシークレット…モグモグ…です。
   すみません」

徐倫「あ、そう言う感じね。とりあえず口のもの飲み込んでからでいいわよ?
   名前くらいは教えてくれるの?」

貴音「………ゴクン。
はい、四条貴音と申します。これから共に高みを目指す仲間として、よろしくお願いします」

徐倫「ええ、なんだか不思議な雰囲気ね、貴方」

貴音「秘密を持つと、それは魅力へと変わるものです。
   見たところ、徐倫殿にも秘密があるような雰囲気が見て取れます。
   それが、貴方の魅力なのでしょう……モグモグ…」

徐倫「喋ってる最中でも、食べることはやめないのね…。
   ってか、さっきまで貴方のお皿、たっぷり入ってなかった?なんでもう空なの!?」

貴音「それも、秘密です…では、食事を取りに行かねばいけませんので、また……」

徐倫「……えぇ。結構マイペースどころか、ぶっ飛んだ神経してんのね……」

春香「徐倫!食べてる?」

徐倫「ええ、食べてるわ。でも食べる事より、皆と話す方が多いかも」

春香「だよね…。皆徐倫の事が気になるんだよ。新しい仲間だし!」

徐倫「仲間……か…。そう呼んでもらえるのは凄くうれしい」

あずさ「あらあらー?私、まだ挨拶してなかったわー。ごめんなさいー」

春香「あ。あずささん!」

あずさ「初めまして、私。三浦あずさと申します。一応、最年長ですけどあまりお気になさらず接してくれると嬉しいです……」

徐倫「さっきの…貴音…さんだっけ?あの人もそうだけど。
   ここのアイドルの年長者組って結構マイペースなのね」

春香「そうだねー。あずささんは結構おっとりしてるから、ドジっぽいところもあるんだよ?」

あずさ「あらあら。春香ちゃんにドジって言われると、ちょっと心外よ?
    こう見えてもしっかりしているところもあるんです!えい!シッカリ!」

徐倫「……反応に困るわね。でも、まあ、よろしくお願いします」

あずさ「あらあら、そんな畏まって言わなくてもいいんですよ?
    私も、早くご一緒に仕事できる事を楽しみにしております」

春香「えへへ、私も!」

徐倫「そうね。よろしく」

P「どうだー?皆、徐倫とは話せたか?」

 盛り上がっている最中に、プロデューサーは手を振って皆の注目を集めた。

P「ここで、一旦区切って、ちょっと発表したいものがあるんだ!
  聞いてくれ!」

ザワザワ、ザワザワ。

P「実は、徐倫の新曲が。既に手元にある!
  それを、皆に今から聞いてもらおうと思うんだ!」


春香「え!?徐倫の新曲!是非聞きたいです!」
響「そーだ!それを待ってたんだぞー!流してよー!」


P「分かった分かった!じゃあ、今から流すから。聞いてくれ!
  曲名は『ウェザーリポート』だッ!」


 プロデューサーがプレイヤーの再生ボタンを押す。
部屋中に、音が流れ始める。

 今朝、プロデューサーと徐倫自身も聞いたばかりの。
彼女のための歌。『ウェザー・リポート』。



 数分の間、誰一人として声を発することなく。
その曲が部屋を覆った。


 そして、曲が終わると同時に、拍手が響いた。


パチパチパチパチ!

春香「うわー!英語の歌詞だ!カッコイイねー!」

千早「凄く綺麗な歌ね。なんだか温かいわ……」

真「僕たちだと難しそう…。英語の勉強しなくちゃ…」

思い思いに言葉を口にする。


徐倫「次に聞くときは、ちゃんと私の声で歌うわ。
   聞いてもらえるかしら」

春香「もちろんだよ!絶対聞かせてね!楽しみ!」

P「さあ、歓迎会の仕切り直しだ!
  皆が食べ過ぎるから、追加注文もしておいた!時間の許す限り今日は楽しもう!」

春香「わーい!じゃあ、私歌ってもいいかな?」

響「おー!春香の歌かー。若干不安だけど…楽しみだぞ!やれやれー!」

春香「そこ!いらない事言わないッ!」

徐倫「アハハハハハ……」



 楽しい時間は過ぎていく。
明日からの仕事の前の、つかの間の休息。
765プロに今。完全に…。新しいアイドルが誕生した…。

―同時刻・某所―

???「クックックック…。あの765プロに新人アイドルだぁ!?
  笑わせてくれるじゃあないか…。大人しくしておけばいいものを…。
  で?出身はどこなんだ?」

記者「多分…アメリカかと…思います。
   私も聞いた話なんで、定かではないですが…」

???「まあいい。ウチのアーティストの方が素晴らしいに決まってる。
  どうせ高木が選んだアイドルなんぞ、私のアーティストの足元にも及ばんよ。
  クックックック…アーッハッハッハ!!」

記者「で、社長がイタリアで連れて来たのが……彼女ですか?」

???「ああ、あちら側で歌手をやっていると聞いたのでな。
  私のプロデュースの元で日本デビューしてみないかと…持ちかけたのだ」

記者「移籍…ということですか?」

???「いや、違うな。正確にはレンタルだ。
  彼女自身が、色々な国で歌いたいと言うので、私が立候補したのだ。
  当分はこちらで活動する…。事務所も日本に居る我々の方が好都合だろう?」

記者「本当は何と言っているのか…。『黒井社長』。あなたも策士ですね…?」

黒井「ウィー。同時期に、同系列の会社から海外アーティストが売り出されるのだ。
   実力でねじ伏せることなど容易いだろう…。
   なにせ、私の子は、アイドルではなく、『アーティスト』なのだからなぁ」


記者「彼女のデビューはいつです?」

黒井「一週間後だ…。急遽デビューという一面で華やかに頼むよ?
   そのアメリカアイドルの記事をへし折ってでも!」

記者「ええ、わかりました…。見出しはどんな感じが良いですかね?」

黒井「そうだな…………。
   こんな感じはどうだろうか?



   【イタリアの歌姫が日本にッ!歌唱力と美しさを兼ね備えたッ!トリッシュ・ウナ!!】」






To be continued →


そういや恥知らずで歌手になってたな

徐倫はスタンドが見えるの?

乙です
トリッシュかー、パッショーネも絡んでくるのかな?
ジョルノがトップだと黒井社長のやり方は肌にあわなそうだけど

トリッシュかー
ストレートにスパイスガールなのか別の「一味違う」オリ曲なのか
いずれにしろ楽しみだわ

何故だろう、黒井社長がオラオラされる姿が見えるのだが

徐倫のストリップはまだですか><
ストリップの意味はパンツを脱いでケツも突き出すことですからよろしくです

その一週間後輪切りになった黒井社長のホルマリン漬けが!

ちょっと黒井社長とトリッシュも応援したくなった

何をやらかしたんだ…

乙ッ!

スカウトの時点で大いにボコられたがそれでも諦めなかった、と考えたら・・・

グニャングニャンになって一頭身くらいに潰れながらも挫けない社長の絵面が浮かんだ

WANABEられたか……

コレ場合によっては黒井社長へのオラオラ&無駄無駄が発生するぞ

徐倫は万人に好かれるタイプではないし徐倫自身もいい子ではないからちょっとくらい衝突とかしてもいいのよ?

いいのよ?(要望)

第7話『恋する兵士』

黒井「改めて、ようこそトリッシュさん。我が961プロへ」

黒井は、自分の社長室で、桃色の紙の女性。トリッシュと会話する。


トリッシュ「ええ、よろしく。ごめんなさいね、日本語は分からないから…」

黒井「大丈夫だとも。私はこうやってイタリア語が話せるのだから…。
   テレビ出演の際は通訳をつけるよ」

トリッシュ「それにしても、手際が良いのね?もう来週デビュー出来るなんて」

黒井「君はイタリアではとても有名だからね。日本にも少ないがファンはいる。
   事を進めるのは簡単だったよ」

トリッシュ「ふふふ…。でも、良かった。貴方みたいな人がいてくれてて」

黒井「んー?どういう意味かな?」

トリッシュ「いえ?私の素性は知ってるんでしょ?」

黒井「父親の事かい?」

トリッシュ「そう、公には知られてないけれど。私の父親はギャングのトップ。
      それなのにデビュー出来たのは、私の友人が口止めしてくれたおかげ……。
      つまり、そういうことでしょ?」

黒井「君の後ろにはギャングがいると。そう言う事だよね?
   クックックック。大丈夫だと分かっているよ。
   君を拉致監禁なぞすれば話は別だが…。私は真っ当に君を売り出そうと思っている。
   まあ、邪念があると言えば嘘になるがな?」

トリッシュ「それは聞いたわ。なんでも、貴方が個人的に嫌悪するプロダクションが。
      同じように海外から人を連れて来たんでしょ?
      それに被せる形で私を日本デビューさせる。そう言う事でしょ?」

黒井「それも一部だという事を忘れないでくれよ?
   私の思惑の本質は、君のデビューだ。」

トリッシュ「ええ、信頼してないわけじゃない。
      貴方が私を利用するように、私も、この961プロを日本デビューのために利用している。
      言いっこはなしよね」

黒井「ウィ……」

――765プロ・事務所――

伊織「ちょっと!プロデューサーいる!?」

小鳥「あら、どうしたの伊織ちゃん…。そんな血相を変えて。
   プロデューサーさんと徐倫さんなら今はレッスン場よ?」

伊織「ハァ…ハァ…。どうしたもこうしたもないわよ!
   これ!またあの961プロの仕業じゃない!?」

 息を切らして、伊織が握りしめていたのは、芸能雑誌だった。

小鳥「あら、その雑誌。徐倫さんのデビューが書いてある記事よね?
   どんな風になってるの?」

伊織「見れば…分かるわよ……」

小鳥「?……これ…………。社長!!」

 あるページを見ると、小鳥も血相を変えて社長室へ走りこむ。
そのページには……。

――数時間後――

P「ただいま、戻りました!」
徐倫「たっだいま~。お茶ある?砂糖入ってない奴。アレ飲みたい」

 徐倫が入社してから早数週間。
レッスンも上々で、徐倫も事務所に打ちとけて、リラックスしている様子だった。

小鳥「あら、おかえりなさい。お茶かしら?そろそろ雪歩ちゃんが帰ってくるから。
   どうする?私が入れてもいいんだけど」

徐倫「あら?そう。なら雪歩が帰ってくるまで待つことにする。
   彼女が入れたお茶が最高にグーだし」

P「あ、所で小鳥さん。先ほどのお電話の件なんですが……」

小鳥「ええ、その雑誌です」

徐倫「このクッキー…じゃなくてオセンベーだっけ?これも超好き!
   親日家になっちゃいそうよ!」

 徐倫が、事務所のテーブルの上のお煎餅を頬張って、幸せそうにテレビを見ている。
それを横目に、プロデューサーは小鳥さんが差し出す雑誌を受け取る。

 それは、徐倫の疑似的なデビューといってもいい。
初めて公に公開する徐倫の宣伝が乗るはずだった。

 吉澤記者。高木社長の個人的な友人でもある彼に頼んで記事にしてもらっていた。
トップにも大きく見出しを載せて、華やかな宣伝の予定だったのだが…。


 事実の雑誌は違った。


【イタリアを始め、世界で話題のトリッシュ・ウナ!
 有名曲、『恋する兵士』を日本語で歌い直しての、堂々たる日本デビュー!!】

 それが見出しだった。
徐倫の記事はあるのだが、その次のページ。

 特に記事が無くなっていたわけではない。
特に徐倫の誹謗中傷が流れていたわけではない。

 ただ単純に喰っていた。
トリッシュの記事が、徐倫の記事を薄くしていたのだ。


P「これって……。たまたま、でしょうか」

小鳥「そう考えたいものですけど……。
   今までの961プロの、私達への嫌がらせから考えるに。
   今回も、たまたまでは済みそうにはないですね……」

 海外からの日本デビュー。という見出しは、今の徐倫には最大の武器だった。
特に、向こうでは一般人だった徐倫にとっては、唯一無二といっても過言ではない。

 それ故、ここでコケてしまえば。それは徐倫のアイドル生活がいばらの道となることを意味する。


徐倫「で?何の心配があるの?」

P「え?」

テレビを見ていた徐倫が、テレビから目を離さないままに、プロデューサーに話しかけた。

徐倫「大体分かる。オッサンから961ってプロダクションとのイザコザは聞いてたから。
   なんかイタリアから大物アーティストが来るんでしょ?
   で?それに記事を食われて何の心配があるの?」

P「聞いてたのか……」

徐倫「ひそひそ話になってないのよー。私、耳はいいの。
   っていうか分かる。電話の後のプロデューサーの顔色とか見ててもさ。
   で?3回目よ。何の心配があるっての?」

P「あ、いや…。それはだな」

徐倫「私が宣伝1つ失ったくらいで売れないって。
   マジで思っちゃってんの?そんなショッボイ覚悟で私を売り出す気ってわけ?」

P「そんなつもりじゃあないんだが……」

徐倫「じゃあどんなつもりだったワケ?説明が欲しいわね。
   雑誌の記事1つ無くなった程度で血相変えて、まるで私自身は無力みたいね?」

P「ごめん……」

徐倫「謝ったってことは、つまり。認めたってことと等しいのよー?
   謝罪イコール肯定ってことよ?あんたの覚悟は、つまりその程度?」

P「もしかして、徐倫。怒ってるのか?」

徐倫「怒ってるのかー?それ聞いちゃうー?ぶっ飛んでるわね、アンタ。
   ハァ……。うそつき……」

 徐倫は立ちあがり、スラリと事務所から出る。

P「おい、徐倫……待てッ!」

 プロデューサーも後を追う。それに気付いた徐倫は、地面蹴って走りだした。
徐倫の運動神経は、女性というには力強く。プロデューサーが追いつけないスピードで、どこかへ消えていった。

P「オイッ!徐倫…!待てって……!!」


 プロデューサーも全力で走るが。完全に見失った…。


 徐倫は、苛立ちを隠せなかった。
自分が否定されたように思えてならなかったのだ。
プロデューサーの覚悟がハリボテだったと感じてならなかったのだ。

 まるで最愛の恋人に裏切られたような感覚。
それを抱いた徐倫は、その空間から逃げ出した。


 それの片鱗を感じ取ったプロデューサーは。
自らのさっきまでの行動を悔やみ、壁を大きく殴りつけた。


P「黒井社長!おまえのくだらない記事はこれを狙っていたのなら、予想以上の効果をあげたぞッ!」


 プロデューサーは一言だけそう吐き捨てて、徐倫を探すために再び走りだす。

 徐倫は、街を歩いていた。
昼下がりの、街並み。多種多様な人がそこを通る。

 その中でも際立つ徐倫の存在感は、目を引いていた。

徐倫「こうして日本の街を歩くのって、そういえば始めてね…。
   さて、勢いに任せて出て来たはいいけど、どうしようかしら」


 徐倫は、フラフラと行くあてのない散歩を楽しんだ。

不意に。
大きなビルディングのモニターが目に入った。

そこに映っているのは、トリッシュ・ウナ。
先ほどの記事に話で持ち上がった彼女だった。


アナウンサー『素晴らしい歌ですねー。一週間という異例の電撃デビューでしたが。
       ライブチケットも即日完売で、大盛況だったご様子で』

通訳『はい。私も感動しています。日本の皆様に、母国語でこの歌を届けられた事が嬉しいです。
これからも、応援を、よろしくおねがいします』


徐倫「なーんだ。日本語喋られないんじゃないの。甘ったれてるわね」


 悪態をつきながら、そのまま目を逸らして前を歩く。
表路地をふらふらと当てなく歩くと、今度は不意に声をかけられた。


男「そこのお嬢さん!ねぇねぇ、ちょっとイイッスかァ?」

徐倫「お譲さん?私の事?」

男「そうそう君だよ君ィ!なに?可愛いね。外国人?」

徐倫「そうよ、アメリカ。どうしたの?なにか用かしら」

男「まぁ、用ってこともないんだけど。暇なら一緒に遊ばねーかなぁって!」


 話しかける男の周りには、数人の男が付き添っている。
徐倫は一目見て、ナンパだと気付く。

徐倫「あら?私の魅力がわかる?なぁに?私とお茶したいのー?」

男「そうそう!意外と乗り気だね!どう?」

徐倫「素敵なお誘いね。いいわ。すごくいい」

男「おっ!じゃあ……」

徐倫「でも嫌」

男「え?」

徐倫「だってアンタ達冴えないんだもん。私と遊びたかったら。
   トムクルーズくらいのイケメンになるか、金持ってきてよねー?
   ダッサイ癖に外国人ナンパしてんじゃあないわよ。消えなッ!」


 唾を地面にはき、中指を立て挑発する。

男「あ?おいテメー。日本人だからってバカにしてんのか?」

徐倫「何?気に食わないから殴るっての?上等ッ!」

男「チッ!マジでイラつくぜぇえ!ぶっ殺してやる!」


 突然のストリートファイトが始まる。
男が徐倫に右ストレートを当てようと、右足に力を込める。
その後ろに居た付き添い達も、各々殴ろうと構える。

 徐倫もそれに立ち向かうようファイティングポーズをとる。


 その瞬間。

 ドッグォン!



 徐倫と男達の間に、何か鉄のようなものが倒れこんできた。

それは電灯だった。
道の端にそびえ立っていた電灯は、『まるで硬さを失ったように』倒れたのだ。
男達と徐倫を引き裂くように、鈍い音で倒れこんだ。


 それと同時に、徐倫は誰かに手を掴まれる。

「come on」

徐倫「who? (だれ?)」

「an ally(貴方の味方)」


 徐倫は、男たちを尻目に、その場から逃げ出すように女性に手をひかれた。

長くかけてなくて420(失礼)。

とりあえずここまでです。
第7話の後半は今日中にはあげられそうですー。

黒井「狙ってない」

『スタンド使いは惹かれ合う』
眠っていようといまいと……

ちょっとPさんwwwwwwwwww自分のミスを黒井のせいにするのはやめましょうよwwwwwwwwww

トリッシュは時系列を考えると25歳くらいかな?

 そして、街中の公園まで2人は走り続けた。

徐倫「ハァ…ハァ…。なんだっていうのよ……」

「あなたアイドルでしょ?あんなところで喧嘩しちゃあ駄目じゃないかしら?」

 お互い英語で話す。
その女性はサングラスにキャップ帽子を被っていたが、外国人だという事は分かった。

徐倫「私の事を知ってる口ぶりね……?貴方一体誰なの?」

「私?私は……」


 そう言うと女性は、帽子とサングラスを取り、素顔を見せる。
その顔は、徐倫は先ほど見たばかりの顔。

徐倫「アンタ…。トリッシュ・ウナ?」

トリッシュ「ええ、そうよ。不思議なものね。たまたま歩いていたら、知った顔が喧嘩をしようとしてるんだもの。
      感謝してほしいわ?あなたのデビューを今。守ったんだから」

徐倫「どうも……。いやホントに。とても助かったわ。ありがとう。
   感謝してる。サンキュー。グラッツェ。
   それじゃ……」

トリッシュ「あら?もうさようならかしら?とても素っ気ないものね」

徐倫「雑誌」

トリッシュ「ん?」

徐倫「雑誌の件。偶然じゃあないんでしょ?
   表紙の見出しも私じゃなくてアンタ。直の前後になるようにページを決めたのも。
   ワザとなんでしょ?臭うわよ?」

トリッシュ「衛生面には気を使っているんだけど?いまでもアルマーニの香りがすると思うんだけど…?」

徐倫「……」

トリッシュ「冗談よ。睨まないでよ。
      質問にはYes。日本で所属する、961プロって所は、どうやらアナタの事務所をコテンパンにしたいらしいからね…。
      でも、たったそれだけ。恨まれるような事をした覚えはないわ」

徐倫「ええ。たしかに『たったそれだけ』かもしれないわね。
   でも、なんかむかつくのよね。アンタみたいな鳴り物入りでデビューする人が。
   わざわざ、私のデビューを知った上で被せてくる事が……」

トリッシュ「そうかもね。私自身も良い気はしないわ。
      私は別に貴方達に恨みはないしね?でも、上の方針には従う。それがルールだから」

徐倫「だから、助けてくれた事には感謝する。
   これ以上はお終い。それじゃね……」

トリッシュ「待って」

徐倫「まだなんかあるの?」

トリッシュ「これで終わりじゃないの。貴方に教えておきたいの……」

徐倫「何を?」

トリッシュ「貴方って。刑務所に入ってんですって?」

徐倫「何で…?それを…?」

 ドドドドドドドドドドドドドドドド

トリッシュ「社長の黒井は、その情報を仕入れている。
      多分もうすぐ、もしかたら既に。そっちのプロダクションに脅しを入れているわ。
      バラすぞって……。それが彼のやり方だから」

徐倫「それを知ってどうしろと……?」

トリッシュ「いえ。私が、そんな事をすれば私は国に帰る。とでも言えればいいんでしょうけど。
      生憎。そうも出来ない。私は日本でデビューしたかったし…。
      彼がいなければ、私のような境遇の人間を扱ってくれるプロダクションはそういないもの……」

徐倫「私への最大限の良心だとでも?」

トリッシュ「偽善ぶるつもりはない。
      あなたを蹴落としてでも私はデビューしたいという精神があるのだから。
      でも、実際に。蹴落とす必要がないのも事実なの。
      だから、知らせたかった。出会ったのはたまたまだけど」

徐倫「成程。アンタ、善人じゃあなさそうだけど、悪人でもないわね。
   なんていうか、芯がある。そんな目つき」

トリッシュ「だから……。貴方も覚悟して。
      普通にデビューは出来なさそうよ?」

徐倫「惹かれあう」

トリッシュ「え?」

徐倫「いえ、そう思ったの。何故かは知らないけど。私とあなたは惹かれあう運命だったってね……。
   ご忠告どうも。でも、大丈夫」

トリッシュ「そう…。わかった。あなたも奇妙な運命ね。私とどこか似ている。
      貴方になら…。ねぇ、ちょっと座らない?」

徐倫「イタリアの歌姫が?私にナンパ?」

トリッシュ「ええ、そうよ。私とあなたはいわば海外からデビューするライバル。
      そんなあなたの、受動的とはいえ弱みを知ってしまったもの。
      私も教えなくちゃフェアじゃないと思って」

徐倫「教える?フェア?不思議な事を言うものね。
   いいわ。聞かせて?」


 徐倫とトリッシュは、公園のベンチに腰を下ろす。

トリッシュ「でね?私はその友人達と父を殺した。いえ、正確には死んではいないのかもしれないけど……。
      とにかく終わり。永遠の終わりへと到達したのよ」

徐倫「……。まるでホルモン焼きを初めて食べた時のように飲み込みづらい話ね。
   ぶっ飛び過ぎ。ギャングとか、スタンド能力とか……。
   やっぱりさっき電柱を柔らかくした半透明のアレって、そのスタンドとか言う能力なのね?」

トリッシュ「ええ、そう。でも、それを隠して私は歌っている。
      バレてしまえば私の今の立場は崩れてしまうわ」

徐倫「なんでこんな話を私に?」

トリッシュ「言ったじゃない。公平さが必要って。
      私の事務所が貴方の事をばらしたのなら、貴方も私の秘密をばらせばいい。
      これで公平でしょ?」

徐倫「さっきと言ってる事が違うんじゃあないのかしら?
   蹴落としてでもデビューしたいはずなのに。それじゃあイタリアにもどることも難しくなりそうよ?」

トリッシュ「ふふ…。そうね。でもバラされたら…ね…?」

徐倫「つまり。アンタにはバラされない自信がある。こう言いたいのね?」

トリッシュ「ええ。そう言ってる。例えどんな方法でも。私はこの事実を隠す。
      そもそも。私の努力ではなく。それは友人がしてくれていることだけどね」

徐倫「イタリアからわざわざ日本に来るっての?」

トリッシュ「そうね。彼らにとっても、それほどの秘密だから」

徐倫「あっそ……。まぁ、仕返しみたいな真似はしないから。
   例えアンタの事務所が私の事を公表しようが、それはアンタのせいじゃない。
   私が仕返しの矛先をアンタに向けるのは…。お門違いって奴よ」

トリッシュ「そう?やっぱりあなた、一味違うのね。
      ごめんなさいね?だろうと思ったからこそ私は話したの。
さてと……。そろそろ帰らなくちゃ、社長に怒られてしまうわ」

徐倫「そうね。私の方もそろそろバカが迎えに来るころだろーし。
   今度会うときも、笑顔で会えるといいわね」

トリッシュ「ええ、それを願うばかりよ。
      Arrivederci……」

徐倫「アリ…え?何て言ったの?」

トリッシュ「イタリア語よ。私の母国語。
      私、英語とイタリア語とフランス語を話せるの。私は甘ったれていない」

徐倫「あの時から傍にいたっての…?なによそれ…ふふふ」


 トリッシュが手を振って徐倫に背を向ける。
徐倫も同じようにトリッシュの背中へ手を振った。



トリッシュ(あれ?なんで彼女はスタンドが見えていたのかしら……。
      いえ、気にしないでおこうかしら)



P「あ!いたッ!徐倫!!」

徐倫「……あ…見つかった……」


To Be continued→

というわけで。

続きはまたかけ次第あげたいと思います。

ではでは。乙です

乙なんだ...

「乙」だぜェ~

やはり見えなくなっても「惹かれあう」んだな…

正直、徐倫とトリッシュじゃ、アイドルとして徐倫には勝ち目が無い気がする・・。

性格、見た目、顔、どれもトリッシュの方がアイドル向き。

徐倫は、舐めたファンとかADとかボコってカツアゲとかしてるタイプだろ、沸点低めだしな。

いずれ露見して出入り禁止だろうな。

トリッシュは上着脱がせて手を拭いたりワキガに怒鳴り散らすくらいで済んでるからな……
それでもアイドルとしてはちょっと異常だが

しかし、黒井社長とお抱え記者が世界的な財団法人とマフィアを同時に敵に回す可能性が段々と高まってきたな

オラオラ&無駄無駄フルコースフラグが『勝手に』立ってしまってる気もするし

気にしてたところがピンポイントで解消された感じがして快感

この黒ちゃんが、アニマスの黒ちゃんなのか、ゲームの黒ちゃんなのか

雰囲気からすると前者っぽいが…

それにしてもジョルノ達がトリッシュのプロ活動には一切関与してないって設定はどうしたんだ
今まではまだ脳内保管できたけど今回の話はアウトじゃね

「一切関与しないとキッパリ言ったばかりなのに…スマンありゃウソだった」

>>202
 ジョルノが「横やりを入れていない、デビューは実力」と言っていたので。
トリッシュ自身が1人の女性としてデビューするのに関与はしてないが。

 ギャングの娘であるという事実は隠ぺいした。それは別にトリッシュのためでなく。
ジョルノが初めからボスであると思わせるため。

 トリッシュがボスの娘である事がばれれば、ジョルノの立ち位置さえもあやふやになってしまうから。


 と、俺は解釈してる。

 まあ、確かにそれなのにトリッシュ自身がベラベラ喋ってるのと。
黒井社長がそれを知っているのはちょっと無理やりかなとも今更思うけど。

ふと思い出したけど徐倫の祖父、つまり承太郎の父親空条貞夫って世界的なミュージシャンだったな
まあ愛ちゃんが日高舞の娘と本人出るまでバレなかった世界だからどうとでもなるっちゃなるが

>>202
本編どおりの時間軸とするならその発言から10年以上は経ってるし、ま、多少はね?ってことでもいいかと

>>204
それは十分にあり得るな

ジョルノの立場的にディアボロに関する事の情報操作や隠蔽工作をしていない方が不自然だし、トリッシュが知らないうちに全てが終わってた可能性もあるな

ジョルノにしてみれば、トリッシュ云々よりも彼女の身辺を嗅ぎまわるであろう黒井社長のお抱え記者みたいな連中が余計な事を知る前に始末せざるを得ないだろうしな

そもそも原作通りの展開から外れている二次創作でそこまで原作の設定を守らなくても良いんじゃね?

更新はまだかな?

第8話『信頼しろ、アイドルにはそれが必要だ』

P「良かった…見つかった……」

息を切らしたプロデューサーが、徐倫に近寄る。
徐倫はその場を離れようとせず、流し眼で睨みつける。

徐倫「見つかった…って言ったの?それは良かったじゃない。ミッションコンプリィィイト!!って感じ?満足?」

P「ハァ…ハァ…。なぁ、横、座ってもいいか?」

徐倫「別に~?このベンチ私のじゃないし…。私がアンタに対して許可をする必要性も義務もないっての」

P「ああ、じゃあ座る」

 プロデューサーは悪態を突かれている事は重々承知だった。
徐倫がため息を吐くその顔をよそ目に、まるで面接に来た入社希望者のように綺麗に着席する。


P「なあ、徐倫……」

徐倫「『ごめんなさい』は欲しくない」

P「えっ……と……」

徐倫「謝ったらどうなるの?私はアンタを許せるの?違うでしょ?
   謝罪で解放されんのはアンタの罪悪感だけ。
   だから『ごめんなさい』は欲しくない」

P「俺……不安だったんだよ……」

徐倫「言い訳?無駄な時間を過ごすのって嫌いなのよね」

P「頼む。聞いてくれ」

徐倫「嫌だと言ったら?」

P「構わず話す」

徐倫「プッ……。面白いジョークね。いいわ。街頭演説みたく話せばいい。
   聞くかどうかは私の自由よ」

P「ああ。それでいい…。
  でな、俺は不安だった。自分で言うのもなんだが、俺は765プロの今の状態に一役買っていると自負している。自惚れだとしても。
  だから、言うなれば慣れてきてたんだ。アイドルをプロデュースすることに。今回も例外じゃなく、今までの経験から何とかなると思ってた……。
  正直に話す。
  俺はロボットのようなルーチンワークで、徐倫と接していた。自分の中の経験則だけで、文字通り『仕事』を遂行してた……。」

徐倫「…………」

P「だからこそ。961プロの些細な行動に、俺は不安を覚えたんだ。
  経験則だけで機械的に動いていた俺にとって。
  君の過去が暴かれるんじゃないかってリスクとか、そんなイレギュラーな事態が起こりうる可能性が怖かったんだ。
  君はアメリカ人で、僕は日本人だ。文化の違いや感受性の違いが多々ある。
  そんな事にもそっぽを向いて、俺はただただ機械的だった」

徐倫「あっそ……」

P「だから。言い訳じゃなく、謝罪じゃなく。俺は正直に話す。
  今までの俺は、『君を信用してなかった』んだ……」

徐倫「自分で何を言ってるかわかってる?」

P「ああ、もちろん。でも、徐倫に隠し事は通用しないだろ?
 だから、なんと思われようが正直に話してる」

徐倫「で?何?
   でも今は信頼してるって言いたいワケ?都合良すぎじゃないかしら?」

P「ああ、都合が良いな。
  違う。俺が言いたいのはそうじゃない。
  徐倫。お前の口からもう一度、一言だけ言ってくれ。もう一度だけでいい。
  俺に信頼させてくれ」

徐倫「はぁ?」

P「上から目線にしか思えない発言だと思う。でも、俺は君を信頼できないんだ……」

徐倫「ぶっ飛んでる…アンタ。マジにヤバいんじゃないの?」

P「覚悟はあるんだ…。元々俺は、担当するアイドルのためなら血を吐く覚悟はある。
  それは徐倫。君にも伝わっていると思う」

徐倫「まあ…ね?アンタが一日でスケジュールを組んだ時には、その。グッと来たわ」

P「だから後1つ。後1つ必要なんだ。俺と徐倫が二人三脚で歩むためには。
  だから、お願いだ。一言だけ。『何があっても諦めない』と!」


 その瞬間。
徐倫は、何かに気付く。ハっと。すべての点を合わせるように。
徐倫は、飲み込む。

徐倫「私が刑務所に居た事…。バラされてもって言いたいのね?」

P「えぇ!何でそれを……」

徐倫「やっぱり……。こういうことでしょ?
アンタは961プロに『既に』脅されていたッ!
   私の素性で、隠すべき秘密を暴露するってね?
   だからアンタは、さっき雑誌の記事で不安を覚えた。いえ、隠しきれなかった」

P「……そう……だ」

徐倫「アンタに覚悟はあるし、私も覚悟がある。
   それでもアンタは躊躇った。私が、ソレをバラされて平気なのかって。
   私にとって嫌な事実だもの。それを公開するくらいなら私はアイドルを辞めるかもしれない」

P「ああ…だから……」

徐倫「だから信じたかった。いえ、知りたかった。
   このアイドルという生活と、平穏な日常。どっちが大事か。
   このままいけば、もしかしたら私はアイドルの舞台に立てないどころか。
   後ろ指を指されながらアメリカに帰国する可能性だってある……」

P「その通りだよ……徐倫。やっぱり君に隠し事は出来ないな」

徐倫「で?逆にアンタは?」

P「え?」

徐倫「さっきから聞いてれば、アンタそれでも人間?
   最初に怒ったのは私。アンタはそれに対する誠意を見せなくちゃいけない。
   名乗ってほしいなら自分からって言うように。信頼をさせたいならまず自分からじゃない?」

P「俺は……。もし君にその覚悟があるな」徐倫「ifなんていらない」

P「すまん……。えっと。
  俺は、お前をトップアイドルにするためなら。どんなに勝率が低くとも。
  自分の人生を賭けて戦う。
  それはルーチンワークでも変わらない。俺の信念だッ!」

徐倫「はあ…。なら、もう一度。セカンドチャンスよ。
   私はアンタについていく。例えもう一度ブタ箱に入ろうが、私はアンタに従う。
   アンタが言えば、私はビルからだって飛び降りる。
   絶対よ?分かってもらえるかしら?」

P「……本当にいいんだな?」

徐倫「ええ。だってその時は、アンタも一緒よ?
   元犯罪者予備軍を、日本に持ってきた、最悪のプロデューサーってね?
   いや、765プロ全体が傾いちゃうのかしら?」

P「それをさせないために俺が居る。迷惑をかけるのは、君と俺だけだ。
  だから、君には……」

徐倫「しつこい男は嫌われるわよ?
   いい?アンタを信頼するから。今度ビビったりしたら…。
   マジでぶっ飛んでもらうわよ?」

P「ああ!わかった!」

徐倫「はあ……。春香もなんでこんなイカレた男が好きなのよ……。
   いや、でも私の恋人もイカレて…ってアレ?私に恋人なんていたっけ?」


P「さあ、そうと決まればレッスンだ!よし!行くぞ!!」

徐倫「はぁ?今から?もう夜って…オイコラ!待てって!」


P(そうだな…。それくらいで負ける徐倫じゃない。
 すまない徐倫。そして、ありがとう!)


 2人は、全力疾走で事務所まで走った。

 ――夜。事務所前――

P「ヒィ…ハァ…ハァ……」

徐倫「いやいや。アンタが走り始めたのに、100mもしないうちに抜かされるって…。
   男としてどうなの?」

P「だって…ずっと徐倫を走って探してたんだ…。俺、結構限界なんだよ……」

徐倫「だからなんで走ったのよ。相変わらずぶっ飛んでんのねー」



春香「あ!帰って来た!」

 お出迎え…と言えるのだろうか。765プロのアイドル総出で事務所から出てきて徐倫に駆け寄った。


響「やめるのか!徐倫やめるのか!?」


徐倫「え?」


雪歩「駄目だよ徐倫さん!まだ私、飲んでほしいお茶もあるし。もっと一緒に頑張ろうよ!」

美希「ハニーは駄目駄目なところあるから。私達に言ってほしいの!
   セクハラとかされたんなら美希が叱ってあげるの!」

春香「折角一緒に頑張る仲間が増えたのに…。嫌だよ…うぇぇん」

貴音「貴方の踊りは素晴らしいとお聞きしました。
   このまま舞台に立たぬまま帰国されるのは、勿体ないと思います!」



徐倫「いや…え?」



真「徐倫のダンス、絶対凄いって!僕たち以外にもファンのみんなに見せてあげてよ!」

千早「空条さん。屋上で話した事覚えてますか?貴方の歌への思いはそれで終わるの?」

やよい「えぇっとぉ……なんて言えばいいのか…とにかく辞めちゃうなんて悲しいですぅ!」

徐倫「ちょっと!ストップストップ!」

徐倫「なんで私辞めることになってんの?
   いや、辞めないけど……?」

春香「え?」

・・・・・・・・・・・・・・?

春香「え?でも……」

雪歩「じゃあ、さっきのプロデューサーさんの電話は…?」


《P「春香…ハァ…ハァ…徐倫が………ハァ……
もし戻る……事……なったら……ハァ…そっとしてやってくれ……
後で……俺…ハァ……話す…!」
ガチャリ。ツーツー》


P「あ、いや。あれは、もし徐倫が事務所に戻ってたらひとまずそっとしてやってくれって。
  俺が戻って徐倫と話すからって言っただけなんだが……」

徐倫「私を走りながら探している最中に電話したってこと?」


春香「紛らわしい……」

P「その、えっと。なんだ?
あの……ごめんなさい」

春香「ごめんなさいじゃ済みませんよー!もー!
   皆慌てちゃってパニックになっちゃったんですからね!
   私なんか何故かケーキ買ってきちゃったし!費用で落として下さい!」

P「えっと……。ごめんなさい…………。え?何で?」

徐倫「アンタ本当に……。いや、なんでもないわ。
   さあ、明日からまた頑張るんでしょ?プロデューサー?」



小鳥「ホラホラ、夜に外で話してたら近所迷惑よ?
   春香ちゃんの買ったケーキ。食べましょ!」


響「春香のケーキうまそうだったぞー!あ、自分砂糖菓子欲しいぞー!」

貴音「あ、私のは大きめに切ってください!」

雪歩「行こう、徐倫さん。ケーキにあうお茶。淹れてあげる」

春香「うん!とってもおいしいケーキなんだよ!行こう!」

徐倫「分かったから…引っ張らないでってば……」


P「ふぅ……。でもまぁ、なんとか一安心だな。でも、本当にここからだな…。
  再出発だ!」


春香「あ、プロデューサーさんのは貴音さんに食べてもらいますからねっ!」


P「そんな……面妖な……はぁ……」






To Be continued →

 当分書き込めなくて申し訳ない。

ちょっとゴタゴタしてて。

次話は、既に構想あるので、早ければ今日中にあげられそうです。

よかったね…アナスイ

ああケープ・カナベラルで生き残ったんだなアナスイ…

アナスイならCD出たら真っ先に買うだろうな・・・

記憶消すとき、アナスイも立ち合わせてやれよ承太郎さん…

待って…ます…更新…

1です。
長らく更新出来なくて申し訳ない。
今、諸事情でパソコンが使えない状態です。

今週以内には修理が完了する予定

エタったりしてないのでご安心を。
報告までに。携帯からコメントだけ。

ではでは

「エタらない」それだけで俺の魂は救われる…

第9話『ショッピングへ行こう』

――徐倫宅――

春香「と、いうわけで!行こうよ!」

徐倫「もしかして。状況が呑み込めてないの、私だけ?」

雪歩「そ…そうだよ。春香ちゃん…徐倫さん疲れてるのかもしれないし」

春香「でもでも。折角、徐倫もお休みなんだし!」



徐倫「で?わざわざ家まで迎えに来たと?」


真「ごめんね徐倫。春香が聞かなくてさ」

徐倫「まぁ、確かに今日は初めてお休みで。特に予定もないけど…」

春香「じゃあ!決まりだね!」

徐倫「いや、だから…。ちょっと待ってよ。とりあえず上がって。
   着替えとかしたいしさ」



 お昼過ぎ。突然の来訪が徐倫に迫った。
春香、雪歩、真の三人だった。

 3人は午前中で仕事が終わり、春香の言いだしで。徐倫と街へお出かけへ行こうということになったのだ。
その押しにやられたという感じで、徐倫は3人を部屋に入れた。

春香「えへへ。お邪魔しまーす」

雪歩「えっと…ごめんね、徐倫さん…突然お邪魔しちゃって」

徐倫「まあ適当にくつろいでよ。そこらへんにあるもん眺めててー」


 春香達は、徐倫の部屋へと入る。
彼女の部屋には、壁にポスターが貼ってあったり、写真が貼ってあったり。
ぴかぴか光るイルミネーション的な何かといった、にぎやかな部屋であった。


春香「うわー。なんていうか、流石徐倫!アメリカンだね~」

徐倫「どういう意味よ?ってかそれ褒めてる?」

春香「褒めてる褒めてる!徐凛らしい部屋だなって思ったの…ってうわわぁ!」

真「ちょっとちょっと!ここで着替えるの!?」

徐倫「え?何?だって女だけだし?」

 徐倫は、部屋の隅に、干した後取り込むだけ取りこんだ。と言わんばかりに放り投げられている服を掴んで、その場で脱ぎ始めた。

 既に下着姿…いや、ブラはヌーブラなので、既に下半身を1つ隠すのみ。


雪歩「えっと…。流石に人の前で脱ぐのは……
   日本じゃあまり普通じゃないかもだよ……、あ!違うよ!
   別に徐倫さんの国を馬鹿にしてるわけじゃ……ごめんなさい!」

徐倫「はいはい雪歩。分かったから意味の分からない謝罪はやめて…。
   でも実際どうなの?春香、私の裸見て興奮すんの?」

春香「え!?わ……私?いや、えっと……とても素敵なボディラインだと思います……」

徐倫「いや、そういうんじゃなくて。まあ、いいや。
   どっちみちここまで見てんだから、後着るだけ。つまり関係ない。
   だからここで着る」

真「でも、やっぱり目のやり場に困るから、早くしてくれると…嬉しいかな……」



 徐倫はそのまま、首をかしげながら服を着た。

徐倫「まあ、とりあえずコーラでも飲んでゆっくりしなよ。
   どこ行くとかも決めてないんだろうし」

 徐倫は、冷蔵庫からペットボトルのコーラを取りだし、マグカップに分ける。

春香「あ、どうもどうも」

徐倫「ふぅ。コッチ来てから、色んな意味で退屈しないわね。
   でも、丁度私もこのあたり散策したいと思ってたところ」

真「へへっ。じゃあ結果オーライだね!」

徐倫「で?適当に服でも見てみたいんだけど。
   やっぱアイドルっぽい服?とか来てきゃぴぴぴーんとかした方が良いんでしょ?」

真「いいねー。フリフリっとしてて可愛いヤツとか!」

徐倫「グーねグーよ!座りにくそうな花のコサージュあしらったスカート履いて~?」

真「すっごく可愛いよね~。なんかこう…女の子!って感じのヤツ!」


春香「いや……真もだし、徐倫もそういうの似合わないんじゃないかな……あははは」

雪歩「そうだよ!真ちゃんも徐倫さんも、今のままが素敵だよ!」

春香「ん?あ、でもでも。アイドルには服装必要かも」

雪歩「え?」

春香「ほら、アレですよアレ!私達みたいな……変装セット!」


徐倫「私にはまだ早くない?」

春香「ううん。自分たちでいうのもなんだけど。私達765プロは最近色んなお仕事貰うし。
   徐倫は目立つから早いってことはないと思うよ?むしろ今のうちっていうのかな?」

徐倫「なるほどねー。うん。いいわ、じゃあそうしましょう。とっても楽しそうじゃん」


真「そうと決まれば出発だね!行こう!」

春香「うん!しゅっぱつしんこ~!」


雪歩「あ、まってよ3人とも!あ、コーラ残ってた…。ゴクゴクゴク…ゲホッ!」

徐倫「うぉぉい!大丈夫!?」

―街―

男1「ったくよォ~。これだから億安に任せるのは嫌だったんだよォ~!
   初めっから康一に任せとけばよォ!」

男2「うるせーダボがぁ!てめーだって『2人に任せるー』しか言わなかったじゃねぇか!
   康一だって今日のホテルとか探しててくれてっからよぉ、手伝おうと思ったんじゃねぇか!」

男3「まあまあ、2人とも。折角久しぶりに3人であえて、はるばる首都旅行に来たんだし。
   ここらへんだっていうのは分かってるんだし、歩けば見つかるよ。カフェくらい」

男1「まあ、そうだな。折角グレートな休日なんだ。喧嘩はやめにしようぜ!」

男2「なんか俺が悪いみたいで納得いかねーが。まあ確かに腹が減ったし……」

男3「それにしても、トニオさんの紹介してくれたおいしいフレンチカフェ…。
   実際どこなんだろう」


 中年……というのには早すぎるだろうか。20代後半あたりの男三人が、路上で言い合いをしていた。
1人は、頭にリーゼントを蓄えた男。そしてもう一人はサイドを刈り上げた男。
2人とも、言うなれば『ヤンキー』のような風貌だった。
そんな中、背が低く、高校生とも言い難い幼げな風貌の男が間に居る。

 彼らは東方仗助、虹村億泰、広瀬康一の3人だ。
それぞれ仕事につき、会う機会も少なくなった3人が、たまたま休みがあったので、街まで遊びに来ていたのだ。

 その最中、目的地を見失って路上で立ち往生しているというのが現状である。


仗助「わかんねーんならよォ!聞けば、はえーんじゃねーのか?
   ちょっと聞いて来るわ、康一、地図かしてくれ」

康一「あ、うん。はい……」

 時は多少さかのぼり、徐倫たち。


徐倫「それにしても、改めてみると、確かに春香達、重装備なのね。
   帽子にメガネに……真はなんでマスク?」

真「だって、こうしないと帽子とかだけだと僕ってばれちゃうんだもん……」

春香「だってそれは真が普通に私服っぽいんだもん。変装してないよ」

徐倫「まあ変装するなら帽子はいいかもね」

春香「特に徐倫は、髪型が個性的だから結い方を変えるだけでも違うんじゃないかな?」

徐倫「あとサングラス?」

雪歩「そこはメガネじゃないんだ……」

真「あ、じゃああそこ行ってみようよ!」

 真が指差した先には、アクセサリーショップがあった。

春香「自分がみたいだけじゃないんですかー?」

真「違うよー!あーいうところの方が、いいメガネとかサングラスあるんだよ?」

徐倫「まあ、じゃあ行ってみようよ」


雪歩「あ~んも~……。だから待ってってばー!」


仗助「あの、ちょっとイイッすかァ~?」

 3人が歩きだすのについていこうと、数メートル遅れる形で雪歩が駆け出す。
その瞬間を、雪歩の肩に手が乗り。話しかけられた。


仗助「アンタっすよアンタ。道を聞きたいんスけどねー?」


雪歩「………男の…人…怖い…男の人……」

仗助「え?」

雪歩「きゃぁあーーーー!」


真「雪歩!?」

徐倫「ッ!!」



 仗助達が居た場所と、徐倫たちが居た場所はたまたま近く。
仗助が道を聞こうとしたのは雪歩だった。

 しかし、男性にひどくおびえる雪歩に、更に仗助の風貌故、雪歩は尻もちをつく。
振り返った真と春香より先に。徐倫は体が動いていた。


仗助「え?アッレ~?俺が悪い感じ?マジ?
   いや、ゴメンナサイ。そんなビビんねーで欲しいんだけど」

雪歩「カタカタカタカタ……ウルウル」

徐倫「おいコラ、なにやってんの?」

仗助「あ?いやいや、お連れさんっすかァ?どーもこーも道聞こうと思ったらいきな」
徐倫「その髪型ぶっ飛んでるわね?いい年こいて、流行んないわよ?」
仗助「………あ?」

徐倫「うちの雪歩になにするつもりだったのよ?答えねーとブっとばすぞ?」

仗助「……つった?」



徐倫「はあ、聞こえる声で言えっつーの!いきなり雪歩泣かせやがって!
   ぶっ飛んでるのね!マジで!」
真「徐倫ストップ!」



仗助「なんつったかって言ってんだよ?」

康一「仗助クンヤバいよ!」
億泰「止めるぞ康一!」




徐倫「はぁ?」

仗助「俺の髪型の事ォ、今ァ!なんつったかっていってんだよォオオオオオオ!!!!」


プッツーーーーン!!

徐倫「はぁ?もう一度言ってやるわよ!ぶっ飛んだ髪って言ったのよ!」
真「ストップストップストップ!」


仗助「クレイジーダイヤモtttttt」
康一「ストップストップストップ!!『落ち着いて!』」


 徐倫の両腕を春香と真ががっしり掴んで引き留める。

 それと同時に、億泰と康一が仗助にタックルする形で止める。



康一「ごめんなさい!ご迷惑を!」
億泰「『落ち着け』仗助!『落ち着く』んだ!」

仗助「………ん?お前ら何やってんだ?」


康一「ふぅ……。露伴先生に内緒でお願いしといてよかった……」

《落チ着ケと言われタラ、プッツンしテいタ理由を忘れル》


真「徐倫!駄目だってこんな街中で喧嘩しちゃ!周りの目があるんだよ!」

春香「そうだよ!徐倫デビュー出来なくなっちゃうよ!?」

雪歩「ごめんなさい、私のせいで…」




康一「あ、あの。本当にごめんなさい。僕たちがご迷惑をおかけしちゃって」


雪歩「え?いえいえ……私が男の人が苦手なのがいけないんです……。
   ごめんなさいごめんなさい!」

康一「え?いやぁ、謝るのは僕たちの方だから……そんな逆に謝られちゃうと……」

仗助「俺らは別に何かしようと思ったんじゃねーんだ。
   こんな顔だからびっくりさせたかもしれねーけどよォ。ただちょっと道がききたかっただけなんスよ」


徐倫「はぁ?そうなの?それならそうと先に言ってよ。ビックリしちゃうじゃない」

真「え?あ、ここか。ここならあそこに見える信号の左に曲がったところですよ」

康一「あ、わざわざありがとうございます!ホラ、行こうよ2人とも。
   これ以上迷惑かけられないし!」

億泰「そ、そうだな。おい、行くぞ仗助!」

仗助「ん?」

億泰「おい、行くぞったら!」

徐倫「何よ、私の顔じろじろ見て。もしかして、惚れちゃったの?」

仗助「いや、改めて見ると、知り合いに良く似てんなーと思って。
   その人は男なんだけどよ……。それにしても似てんなー」

徐倫「誰によ」

仗助「もしかして、苗字が『空条』とかねぇよなァ?」

徐倫「いや、そのもしかしてがビンゴなんだけど。私、『空条』よ?」


仗助「!?!?」
康一「!?!?」
億泰「???」
春香「???」
真「???」
雪歩「???」


To Be continued→

すいません。更新速度が回を重ねるごとに落ちています…。
なるべく早い更新を心掛けて。

 今日は寝ます。乙でした。


私まーつーわ

スタンド使い同士は惹かれあう…
でも康一君アイドルなんかとあって由花子さんに怒られませんか…?

由花子アイドルデビューフラグか

康一くん達がアラサーだから当然由花子もアラサーなわけで、アイドルデビューにはちょっと…
つか、由花子は既に康一くんの嫁になってそうだw

>アラサー
わからないわ

最後、ジョジョ組とアイマス組で反応わかれてんのかと思ったら億泰分かってねぇwwwwwwww

地味に露伴もひっでぇ指令書き込んでんのなwww

そんな露伴ちゃんの"岸部露伴は動かない"が11月19日に文庫化されるのでみんな買おうな

本当に…動かないを買えば…僕の楽しい時間を増やせるのか…?

更新しろ
結構それが必要だ

第10話
『どのアイドルも、最初の営業はファン増加がたった1人だったbyアイマス2』


 徐倫と仗助の奇妙な出会いは、その場にいた全員を含めて場が固まった。
最初は目を見開いたのは、仗助と康一だけだったが。

 仗助の徐倫に対しての、直後の台詞。

仗助「空条承太郎って…知ってるか?」

 その一言。それに徐倫が続けて目を見開いた。

徐倫「どうし……て?何故なの…?何故親父の名前を知ってんの?」

 その徐倫の一言で、春香と真、雪歩も口をあける。


 終始、億泰だけは、頭にクエスチョンマークを放っていたが……。



 それから6人は、共に食事を取ることにした。
主には仗助と徐倫に、他の4人が付き添う形だった。

――フレンチカフェ・「ネアポリス」――


真「ねぇ、雪歩?ネアポリスって確かイタリアだよね?
  フレンチってフランス料理だよね??」

雪歩「えっと…うん。そうだよね……」

康一「あ、いやいや。えっと、ここは一応イタリアンみたいなんですよ。
   イタリアのシェフがフランスに行って学んだ知恵を生かしたハイブリッドな料理。
   みたいですよ?って…雪歩さん?お名前…確かに今そう呼びましたよね?」

真「あっ……」

康一「……やっぱりそうだ!うわぁああ!」

億泰「どうしたんだァ?康一。由花子に初めて会ったときみたいな驚いた声出して?」

康一「いや、えっと。とりあえず僕の妻を突拍子もなく馬鹿にしたことは後で数倍にして返すとして……。
違うんだよ。うすうすそうなのかと思ったんだけどさ!」

億泰「だからなんだってんだよぉ!ハッキリしろよな?」

康一「アイドルだよ!この人たち。億泰くんも765プロっての知ってるでしょ?」

億泰「あー。知ってるぜ?あの、あれだよな。天海春香って子が一番かわいいよな!」

康一「えー。一番好きって言ってるのに気付けなかったの……?」

億泰「はぁ?」

康一「だから、目の前に居るのが、その天海春香さんと萩原雪歩さんと菊地真さんだよ!」

春香「えっと……どーも。あまみはるかです……」

億泰「え?マジィ?」

真「仕事柄、プライベートでは顔を隠す服を着てるからね……へへへ」

雪歩「でも、康一さん…ですよね?私たちの事知っていてくれてうれしいです」

康一「え?いやいや、すっごく有名じゃないですか!
   今度もライブあるんでしょ!僕、それ行くんですよ!」

億泰「はあ?聞いてねーぞ?なんで俺を誘ってくれねーんだよ」

康一「え?あ……。違うんだよ。友達にも言わず会社の人とだけの秘密にしてたんだ……」

億泰「なんでだよ!」

康一「えっと……ホラ……怒るから。絶対。その。由花子さんが……」

億泰「あー……」

春香「え?でも、億泰さんは765プロの中で私が一番好きなんですか!?
   えへへ……照れちゃうな……」

億泰「でも、実際見てみると、意外とフツーにいそうな女の子だな。春香ちゃんって」

春香「ピキッ……あははは。褒め言葉として受け取っておきます……」

真「え?じゃあ康一さんは誰が一番可愛いと思いますか!?」

雪歩「え、そういうの聞くのやめようよ……。なんか恥ずかしい……」

康一「えー僕?僕はその……お姫様…かな?」

真「姫…?あー。貴音さんか」

康一「なんか、こう。凄く……綺麗な髪だなって……思ってて」

億泰「お前絶対、由花子と付き合って趣味変わったよな」

春香「でも、こうやって私たちの事を知っててもらえるって。やっぱり嬉しいよね!」

真「うんうん!あ、でも。今日の事はどうか内密に……。
  アイドルが一般の男性と遊んでるなんて知られたらちょっとした事件になっちゃうんで……」

康一「え?でもだとしたら今この状況がもう不味いんじゃ……」

雪歩「あ、それは大丈夫です。えっと、窓から見えない位置に座りましたし、入口に背を向けるように私たち座ってますんで、もし隠し撮りしようにも。不可能な場所なんで……」

康一「あ、そういえば……。結構皆、そう言うところはしっかりしているんですね……」

億泰「とりあえず腹が減っちまった!飯食べよーぜ!」

真「あ、じゃあ僕はコレ!」

億泰「お!俺もそれ食べたかったんだ!でも、コッチと迷うな……」

真「あ、じゃあ両方頼んで分けましょうよ!」

億泰「おお!ナイスアイディアじゃねぇか!偉いなお前!」

康一「いいなー。アイドルと料理を半分こなんて……」

春香「康一さん康一さん!こ・こ・に・も・いますよ?アイドルぅ!」

康一「(可愛い……///。だがしかし、あざとい……)」

徐倫「凄いわね…皆。もう打ち解けてる」

仗助「まあ、億安も康一も、色々ワケ分かんねー奴と話す事多かったから。
   コミュニケーションは得意なんだろーよ。
   そっちもアイドルなんだろ?だったらそれこそ得意そうじゃねーか」

徐倫「それもそうね……って。話を戻しましょう。さっきの事。
   なんで私の親父を知ってんの?」

仗助「あ?ああ、単刀直入に言うと……いや、言いにくいな。
   えっと。徐倫、アンタの父親。承太郎さんの更に父親。の、更に父親。
   つまりは徐倫のひいじいさんだな。俺、その人の息子なんだわ」

徐倫「え?ぶっ飛び過ぎじゃない?どんだけ年の離れた兄弟なのよ。
   ってことは私のおじいちゃんの兄弟?若いわね?何、吸血鬼?」

仗助「まあ、話せば長いんだけどな。で、とある事情で、承太郎さんが俺達の住む町に調査に来てた事があって……」

徐倫「成程ね、そこで知り合ったって事ね?」

仗助「そう言う事だ。いやーでもビックリだぜ!
   承太郎さんから聞く話では、色々アメリカで大変だったみたいだからな!
   徐倫がヤベーっつって、あわててアメリカに渡米すんだぜ?
   あの承太郎さんがあわあわしてるのは見てて面白かったけどな!」

徐倫「はぁ?そのヤベー事っての、多分例の事でしょうけど。
   でも。私あの時親父に会った覚えはないわ」

仗助「は?いやいや。そんなハズはねーだろーがよォ」

徐倫「いや、正確には会ったのかもしれない。ただ、覚えてないのよ。
   その、例の事の時の記憶が、ほとんどないの」

仗助「スタンド攻撃でも受けたのか?」

徐倫「スタ……ンド……?なにそれ、日本の流行語?」

仗助「え?あ、いや。承太郎さんの娘なら知ってるハズなんだが。
   コイツは予想以上にグレートな重傷なのかもな……。いや、なんでもねーんだ。
   気にしないでくれ」

徐倫「変なの。まあいいわ。
   で?私に会ってどうしたかったのかしら?」

仗助「いや、別にどうしようってわけじゃねーよ。ただ、承太郎さんの娘さんがどんな人なのか気になってよ。
   それにしても、目のあたりとかそっくりだよな」

徐倫「父親に似てるっての、女性に対して褒め言葉とでも思ってるの?
   似てるって言わないで。アレと同じだとか反吐が出る。
   私が高熱を出そうがママをほっといて日本に居たのよ?多分アンタの所でしょうね?だからってアンタを恨もうとは思わないけど、親父は嫌いだわ」

仗助「そう……か。まあ、俺も父親…ジョースターさんとはイマイチ距離が微妙だったし。
   まあ、それでいいんじゃねーのか?」

徐倫「まあ、今は私もママから離れてコッチでアイドルするんだけどね」

仗助「やっぱそうか。横の春香ちゃんとかと同業者か。
   でも、なんつーか。なんで?」

徐倫「なんでってなんで?」

仗助「いや、なんで『アイドル』なのかなって。
   別に承太郎さんとか血筋とか関係なく、素朴な俺の疑問って奴よォ」

徐倫「色々あるけど、簡単に言ったら。『するべきだと思った』。これだけよ」

仗助「グレートな目をしてやがんだな。気に行ったぜぇ!
   徐倫のライブ見に行く。静とかも気に入りそうだしな!」

徐倫「あら、それは嬉しい。でも、もしかしたらアイドル出来ないかもしれないけど」

仗助「はあ?」

徐倫「なんでかしら。あなたになら言ってもいい。そう思えるの。
   信頼とか信用とか、そんな言葉じゃあない。なんていいうか、心で感じるの。
   貴方になら話したいって」

仗助「何かあんのか?」

徐倫「実は…………。その例の事が、ばらされそうなの」

仗助「え?でもありゃあ冤罪だっつぅ話じゃねーのか?」

徐倫「ええ。でも、そこに入った事実だけで十分よ。
   それだけで私のアイドル人生は断たれる」

仗助「でも、なんでそれを……」

徐倫「961プロっていう。私の事務所の765プロに敵対意識を燃やすトコがあんの。
   ソコがその情報を入手したみたい。
   だから、ばらされたらブーよね。全部終わり」

仗助「おいおい、そりゃなんとかなんねーのかよ」

徐倫「さあ。なんとかなるって話じゃないし。なるようにしかならないわ」

仗助「961プロ……ねえ」

徐倫「そんな事より、たまたまといえど、親戚と会ったのよ?
   食事しましょ」

仗助「ああ、そうだな。おい、億泰。そのパスタちっとくれよ」

億泰「はぁ?駄目だな。こいつはやれねぇ!
   これはまこちんと交換したパスタだ!一口どころか一舐めもさせねぇ!」

仗助「わかったわかったよ……。じゃあなんか頼むか」

徐倫「私これがいい」

仗助「あ、すんませーん!」

 仗助は手をあげて店員を呼ぶ。
その瞬間、徐倫は仗助の肩の素肌が見えた。

徐倫「あんたもあるのね……そのあざ」

仗助「あ?ああ、これか。徐倫もあるよな」

徐倫「ええ、もちろん。ますます近く思えるわ。仗助、アナタと」

 それから数時間。食事の時間を楽しんだ後、彼らはレストランを出た

徐倫「会えてうれしかった。って言うのが正しいのかしらね?
   仗助さんに会えただけで日本に来たかいがあったって感じ?」

仗助「マジィ?そこまで言ってくれるかよ。嬉しい限りだなオイ。
   まあ、俺の地元はM県のS市だからよォ。また近いうちにに遊びでも来いよ」

徐倫「ええ、是非。プライベートか【お仕事】かは分からないけど」

仗助「まだデビューもしてねー奴が言ってんじゃァねえよ」


億泰「またなまこちん!」

真「じゃーねおくやすさん!」

春香「差所は私のファンだって言ってくれたのにぃ……」

康一「まぁまぁ、億泰君、結構能天気だからさ……」

雪歩「でも、本当にそろそろお別れしないと、あんまり外でおしゃべりするわけにもいかないし……」

康一「あ、そうだね。皆はアイドルなんだもんね。じゃあ、名残惜しいけど……」

春香「うん!またぜひ!ライブにも遊びに来て下さいね!見つけたら手を振りますんで!」

康一「ありがとう!さてと、それじゃあそろそろ本当に行こうよ。
   仗助くんも、親戚なのは分かるけど。今は春香さん達もいるんだし……そろそろ」


徐倫「なんだか。また不意に会える気がするわ」

仗助「スタンド使いは惹かれあう……まあ、お前はスタンド使いじゃあなかったんだっけ」

徐倫「意味分かんない。ぶっ飛んでる口説き文句ね。それじゃ……」

仗助「ああ、そうそう。最後に1つだけいいか?」

徐倫「何?」

仗助「お前は絶対デビュー出来る。俺が保証する!」

徐倫「?…………ありがと?」

仗助「ああ!」



 徐倫は首をかしげたが、それを気に留めず仗助は康一と億泰の肩にもたれかかり去っていく。
徐倫も、無意味に口角をあげて小さく手を振った。


春香「じゃあ、私たちもいこっか!」

真「徐倫の親戚さん。怖いけど優しそうな人たちだったね!」

雪歩「あ!結局買い物できてない!!」

徐倫「別に夜中まで話していたわけじゃないんだし、今から行けばいいでしょ?」

雪歩「そ……そうだね。じゃあ行こう?」

春香「うんうん!さぁれっつごー!」



それから4人で色々なアクセサリーや服を見て回った。
結局、徐倫の選ぶ服はどれも露出度の高い服が多く。変装用の服選びは見送られたのだが……。


 奇妙な出会いと、アイドルの仲間との日常を楽しんだ後。
明日からのレッスンに向けて、徐倫はより一層気合が入った。



To be continued→

おつ

訂正しとくとジョースター家なのはホリィさんだから徐倫のおばあちゃんだな

乙!

承太郎の母親の父親の息子だな



黒井社長の死亡フラグ(物理的、社会的どちらも)が強化されたな…

トニオさんの紹介ならば、ここのカフェの料理にもスタンドが混ざってるんだろうか

アイドルにあるまじき光景が見られそうで怖いな

やっぱ徐倫はいいなあ

嫌だよアイドルが内臓吹っ飛んだりドッジボールサイズの垢が出るまで身体掻きむしるレストランとか

…そっち向けのニーズはあるのか?

できれば週一で更新してくれたらうれしいかなーってデキレバダケド

>>1です。

本当に申し訳ない。
色々忙しくて書く時間が……。

でも、ずいぶんと長いのにかけてないのは事実。
ちょっと本気出します。

EX話『岸部露伴は動かない』


編集者「露伴先生!締め切りを守ってくれないなんて初めてじゃあないですか?
    伝家の宝刀『作者取材のため休載』を使いましたけど……。
    ピンクダークのファンは死亡説まで囁いてますよ!」

露伴「わかってるって。悪かったよ悪かった。
   でもさ、いくら僕が速攻で漫画を描けるって言っても。ゼロじゃあ無理なんだよ。
   1時間でも10分でも時間があればだけどさァ?
   杜王町に帰った時にはもう締め切りまでゼロなんだから無理だよ」

編集者「それはアンタが取材に行ってるからでしょうが!!
    一週間跨ぐ取材ならコチラに早めに言って下さいよ!対応しますから!」

露伴「僕だって本来ならその前日に帰るつもりだったさ!
   面倒くさい事が起きちゃったからであって。僕の故意じゃないよ」

編集者「なんですかァ?そのめんどくさい事って……。
    電車が遅れた?間に合わなかった?時間を間違えた?
    殺人事件にでも巻き込まれましたか?重要参考人という事で足を封じられましたか??
    調べますからね?僕。嘘は通用しませんよ?」

露伴「オイオイオイオイオイオイ。そりゃ確かに悪いとは思ってるよ。
   でも、なんでそこまでする必要があるんだい?
   コイツぁ僕のプライベートだよ?いくら君と僕といえど……」

編集者「いいや!僕にはきく権利がある!
    アンタは仕事をサボッたッ!理由はどうであれ事実そうでしょうに!
    僕だってね?この仕事に誇り持ってんですよ。アンタら漫画家ありきの仕事っつぅのは分かってますけどー?だから理由を聞くのは至極当然!当たり前なんスよ!」

露伴「分かった分かったってば。話せばいいんだろ?話せば……」


 この時。僕のスタンド能力は、ヘブンズドアーなのだから。
目の前で必死になるひたむきなワーカホリッカーに『信じる』とでも書きこんで。
適当な嘘をでっちあげれば良かったのだけど……。

 僕は正直に話した。
誰かに話して罪を軽くしたいとかそういう感情からじゃない。

 ただ、この話を他人が聞いて。

 どう感じるのか、それを取材したかった。

 某日。
僕は都内にあるスピードワゴン財団の日本支部を訪ねた。
勿論取材だ。
知り合いの人間から、ちょいとした『お手伝い』を頼まれたソレの報酬。

 普通は入れない、その財団の中身を取材させてもらった。
そこに関しては今回の原稿を落とした理由じゃないから割愛するけど。

 まあ、有意義だったよ。
そして、その次の昼に新幹線で帰ろうとしたんだ。

 本当なら、夕方には帰って、そこから書き始めて朝には間に合わすつもりだった。
でも。帰れなかったんだよ。

 とても興味深い、奇妙な事件に巻き込まれたからね。



 どこから話そうか。
電話が来た所からかな?

 友人の、広瀬康一という人間から電話が来たんだ。
帰ろうとした日の前の晩に。


 961プロって言ったら分かる?
あの、ジュピターだっけ?アレとかのアイドルプロダクション。
近々、イタリアの歌姫のトリッシュとかいうのもそこからデビューするらしいアレ。

 あそこのプロダクションの社長の記憶を奪ってほしいという。
友人からの依頼だった。

 はあ?なんでそんな依頼が僕の所に来るかって?
スタンドとかの話しをしても君は理解できないだろう?とにかくそういう事が出来るの。
僕はね?そこは今重要じゃあないんだよ。

 だから僕は、その電話でこう言ってやったんだ。

「原稿が明日締め切りだから無理だ」ってね?

 そもそもそんな犯罪の片棒担ぐことなんてしたくないしね。
そうしたら向こうがこう言って来たんだよ……。

康一「空条徐倫という人を、露伴先生ご存知ですか?」

露伴「なんだって?」


康一「承太郎さんの、1人娘です。
   僕達、その人に今日会ったんですよ」

露伴「確か、君たちも今旅行で都内にいるんだっけ?
   そりゃあアイドルやってんだから会うのも当然だろう」

康一「やっぱり。知ってるんですね?徐倫さんの事……」

露伴「ああ、知ってるよ。それが何だい?」

康一「覚えてないらしいんです。彼女。とある過去の記憶を……。
   もし意図的に。何かのスタンド攻撃でも受けている可能性があるなら……。
   ヘブンズドアー……先生の能力じゃあないんですか?」

露伴「オイオイオイオイオイオイ!
   何が言いたいんだい?康一君!
   僕が彼女の記憶を無理やり奪ったって言うのかい?」

康一「そうは言ってませんよッ!
   多分理由あってのことだろうと思っています。
   でも、それが本当なら。このお願いは、先生自身にも繋がりますよ?」

露伴「何がだい?徐倫ちゃんの所属してるのは765プロだったろ?
   それなら961プロは関係ないじゃないか」

康一「いえ、徐倫さんの、その記憶。刑務所に入っていたという事実を961プロに掴まれて、公表するぞと脅されているらしいんです」

露伴「はぁ!?だってアレは記録上、もうどこにもないんだぜ?
   スピードワゴン財団が抹消したから。少女一人が逮捕されたことなんか。
   ニュースの隅っこにもならないから、事実上でもどこにもない。
   知りえるわけがないね」

康一「でも、他でもない徐倫さんからそう言われたんです。仗助くんが……つまり」

露伴「分かった!僕じゃないのかって言うんだろ?漏らしたのが」

康一「いえ、その疑いがありますよって事です。
   どこから漏れたのかは分かりませんが……。それを疑われると面倒じゃないですか?」

露伴「確かに。承太郎さんに睨まれるのはごめん被りたいね。
   あの人は僕でも怖い。怖いというより苦手なんだよ」

康一「だから、手伝ってもらえないかと」

露伴「成程ね。
   でもさー。そんな大きなプロダクションの社長に会うなんて簡単じゃあない。どうするの?」

康一「侵入します」

露伴「オイオイオイオイオイオイオイ。物騒だな。見つかったらどうするの?」

康一「見つからないようにします」

露伴「っていうか…そもそも。
   どうしてだい?君たちと徐倫ちゃんに直接的な接点はない。
   なんでそこまでしてあげようと思うんだい?」

康一「仗助くんが。
   『杜王町を救った承太郎さんと同じ事をするだけだ』
   と言ってました」


 空条承太郎。彼にとって杜王町は縁もゆかりもない。
なのに殺人鬼である吉良を倒すのを共に手伝ってくれたのは。
深い理由というよりも、ジョースターと呼ばれる血族の血がそう騒いだから。

露伴「ナアナアナアナアナアナアナア。それこそ僕には関係ないじゃないか。
   しかも前と違って今回は一歩間違えば犯罪だ。
   そんな非道徳的な事の片棒を僕に担げと?そんな事をして僕に得はあるのかいィ!?」

康一「いえ。ただ1人の友人としての。頼みです」

露伴「だから気に入った!」

 とりあえず書いた所まで。

今夜中にEX話はあげます。

 だから次の日。僕はまだ都内に居た。
友人の康一君と、虹村億泰、東方仗助の4人で、961プロに向かったんだ。


仗助「デ…でけーな…グレート……」

億泰「で?どうやって入んだ?」

康一「待ってよ……。僕のact1で見てるから。
   うーん。やっぱり最上階が社長室で、それっぽい人が1人だけそこにいる。
   裏から侵入すれば誰にも会わず行けそうだね」

露伴「…………」

億泰「先生何黙ってんスか?」

露伴「ウルサイな。これでも僕は漫画家。社会的には多少有名なんだ。
   こんな所見られるのは好ましくはないんだよ。
   早くしてくれないかな。そう思ってるんだ」

仗助「本当ありがとうございます露伴先生!アンタのおかげで殴ったりしなくて済むからよぉ」

露伴「僕が居なかったら殴るつもりだったのか?
   なんというか、君たちは流石だね」

億泰「ありがとよ」

仗助「褒められてねーぞ」






康一「ここから侵入すれば、丁度エレベータ前なんだけど……」

露伴「ここからって言っても壁じゃあないか……」

康一「だからこうするんだよ、億泰君」

億泰「ア~イヨ!」

 彼のスタンド、ザハンドが。壁を削り取る。
目の前には、抉られたようにポッカリと入口が出来あがる。


露伴「オイオイ。確かザハンドは直せないんだろ?亜空間かどっかに行くんだから。
   どうするんだよコレェ!」

仗助「仕方ねーだろ?俺の能力で直すにも破壊する音でバレちまうんだからよー」

露伴「いやいや、完全に器物破損じゃあないのか?コレ。
   絶対知らないからな、僕……」


 まあ、そんなこんなで侵入は成功したわけだ。
え?act1とかザ・ハンドがなんなのかって?あー。そう言う能力だって思ってよ。
説明するのめんどくさいから。


 で、次にエレベーターに乗るんだけど。

康一「あ、このエレベーター社員用でカードキーが居るみたい。
   開かないや……」

露伴「そこの階段を使えばいいんじゃないのか?」

康一「階段は、各階の開けたところを通るみたいだから危ないよ。
   エレベーターで行きたいんだけど…」

億泰「じゃあさっきみたいに扉を削り取るか?」

仗助「いや、その必要はねーゼ億泰。
   壁なら破壊音が目立つが、扉なら大丈夫だ」

 そういうと、エレベータの扉をスタンドで思いっきりこじ開ける。
そりゃ多少みしみしと音をたてたけど、周りが不審がる程音は響いてない。


仗助「中に入ったら扉を直して完璧よォ!」

 どうやら中の操作はカードキー入らないみたいだったから。
そのまま、最上階へ向かうことにしたんだ。

露伴「でもさ。思うんだけどさ?
   いや、その可能性ってだけで。そうとは限らないんだけど……」

康一「うん……僕も乗って見て思ったんですけど……」

仗助「あ?何だよ……2人して」

露伴「誰かが乗ってきたらどうするんだろうって……」



 ティンッ!7階に止まります。

4人「ッ!!」

 僕らが向かうのは11階だ…。それなのに7階で止まるってことは……。

仗助「ヤベッ!洒落になんねーぞ!」

露伴「なーんも考えてないのか?嘘だろ?おい、開くぞ!!」


 ガガギギギギギ!


 正確には開かなかったんだ。扉は。

クレイジーダイヤモンドとザハンドの2人が、両側から扉を抑えつけたから。
パワー型の二人だったから良かったものの。例えば僕と康一君なら不可能だったよ。


億泰「ウグォ……」

仗助「開けんなよ億泰!開いたら俺達一巻の終わりだ!」

露伴「…………馬鹿だねぇ……」

冬馬「おい!あかねーぞ!着いたんじゃないのかよ!」

翔太「ホントだ。壊れちゃってるのかなー」

北斗「これは報告しないと。いや、寧ろ今修理中だったのかも?」

冬馬「だったらそう書いとくべきだぜ!クソッ!色々返してもらうために立ち寄ったのに。
   やっぱここは嫌いだぜ!」

翔太「もー冬馬君!黒ちゃんが嫌な人であって、961プロは悪くないじゃんか……。
   そんなピリピリしないでよ」

北斗「そうだぞ冬馬。別にここに喧嘩を売りに来てるわけじゃないんだから」

冬馬「チッ!まあいいや。行こうぜ……」

 そんなこんなでやっと最上階。
開いた瞬間誰かと鉢合わせって危惧もしたけど。そんなことはなかった。
そのまま一直線に社長さんの部屋に着いた。


 ガチャリ

黒井「ン……?誰だ君たちは!」

仗助「あーすんませんね。どうも。
   すぐ終わるんで……」

黒井「はぁ?不法侵入か?いい度胸じゃないか!」

 無言で仗助が僕に両手を合わせてお願いする。
はぁ……。まあここまで来たんだし、不本意ながら片棒を担ぐ事にしよう。

 それに、ちょっと大企業の社長の中身に興味があったし。

露伴「ヘブンズ・ドアー!」


 瞬間で、社長さんは本になった。
後は、記憶を消せばいいだけ。


露伴「ん~?なんだこりゃ。その765プロに敵対するのはそんな理由?マジィ?
   人って分かんねーなぁ……。
   アレ?えー。こんな汚い事やってんの?そりゃあ売れるでしょうよ……」

康一「先生。あんまり人の中身じろじろ見ないであげてくださいよ……。
   僕もだけど結構ショックなんですから」

露伴「分かってるよ。でも取材させてくれよ。
   報酬もないんだからせめてばかりの収穫だよ。
   あと、情報を漏らしたのは誰か知っておきたいし。
   大丈夫。徐倫ちゃんの記憶は消しておくよ。書きこむんじゃなく破ってね」

康一「ええ?でも破ったら……」

露伴「大丈夫だよ。君の時みたいに1ページ丸丸破かず、その部分だけ。
   軽くなるとしても誤差だよ」


露伴「ああ、スピードワゴン財団の中にばらした奴が居るのか……。
   うわぁ、そいつ結構やらかしてるっぽいな……ご愁傷さま」


 え?その財団の中でばらした奴?知らないよ。
僕はただ承太郎さんにその事とそいつの名前を教えただけ。
後は何もしてない。どうなったかも知らない。



露伴「さて、終わったよ。
   これでいいのかい?ハァ、疲れた疲れた。
   さあ、帰ろうよ」

仗助「あ、しまった……」

露伴「え?」

仗助「帰りの事なんも考えてない……」

露伴「オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ!?」

トリッシュ「うるさいわね……」

仗助「うわ!人が居た!ヤベ!」

トリッシュ「さっきからずっといたわよ。
      別に私は社長のボディガードじゃないから見て見ぬふりしてたけど」

億泰「はぁ?何て言ってんだ?俺は英語分かんねーぞ?」

康一「いや、英語じゃないよイタリア語。多分この人、今度デビューするトリッシュ・ウナだよ」

トリッシュ「あら、イタリア語が通じるなんて意外ね」

康一「あ、いや。これも露伴先生の陰なんですけどね……」

露伴「そうか、昔そんな事もしてあげたっけ?消すのを忘れてた」

トリッシュ「大体想像がつくわ。徐倫の秘密を守るために来たんでしょ?」

康一「え?……あ、うん。そうですけど」

トリッシュ「あ、安心して。バラすつもりはないから。私は。
      友人にそんなひどい事。するわけないでしょ?」

康一「は…はぁ……」

露伴「おい康一君。あの子はなんて言ってるんだ?」

康一「とりあえず、敵意はないみたいです」

トリッシュ「で?こんな日本で同じスタンド使いと出会えたのも何かの運命かしら。
      いいわ、私の友人ってことで表玄関から一緒に出してあげる」

康一「え?本当に!?って……同じスタンド使い!?」

露伴「おい!そっちで進めるな!僕たちにも分かるように言ってくれ!」

康一「えっと。彼女が僕たちを友人って言って出してくれるみたいです。
   あと、どうやら彼女もスタンド使いみたいで……」

露伴「何ィ?そりゃあ好都合だな……なにわともあれ良かった」

トリッシュ「それにしても、そこの人。とっても奇特な髪形ね」

康一「あなたがイタリア人でよかったです……」

トリッシュ「?」

――――

露伴「とまぁ、これが僕が今回原稿を落とした理由だよ」

編集者「…………なんてゆーかぶっ飛んでますね」

露伴「だろ?どう思う?」

編集者「んー……。やっぱり漫画家ってそういうファンタジックな夢を見るもんなんですか?」

露伴「なんだって?」

編集者「イヤイヤイヤイヤ。
    あのねぇ先生。寝過したんなら正直にそう言って下さいよ!
    長々夢の話されても困りますって!」

露伴「何ぃ!?信じてないな!」

編集者「当たり前ですよ!なんですかスタンドって!
    新しい漫画の設定構想ですか?」

露伴「正直に話したらこれだよ!
   分かった分かった!寝坊したでいいよもう!」







小鳥「あれ?徐倫ちゃーん?貴方にお手紙よ?
   まだデビューもしてないのに……読んでも意味がちょっとわからないんだけど…」

徐倫「何?誰から?」

小鳥「んーと。東方仗助って人から」

徐倫「!?何て書いてあるの…?」

小鳥「えっと。「安心しろ。なんとかした」ですって」

徐倫「ふぅん。そう。ありがとう。
   フフ……」

小鳥「知り合い?」

徐倫「ええ、とても素敵な親戚よ。
   とってもグレートな人……」





















To Be continued→

この話。書こうとは思ってたんですが。
当初の予定では本編終了後に書くつもりでした。

 でも、時間軸的に丁度いい場所なので今書きました。
次から再び徐倫の話です。


 締め切り決めないとまた間延びしそうなんで。
日曜日には絶対あげると宣言しておきます。

 それでは乙です。


露伴先生
そこはヘブンズ・ドアで1ページほど漫画書いて見せれば信じたんじゃないですかねぇ



露伴がいなければドラララ+ガオンだったのか…


運が良かったのか悪かったのかは何とも言えないがな

露伴先生の単行本も出たところだったし素晴らしいタイミングだな

乙!

黒井社長、とりあえず殴られフラグはなくなったか?
どっちがよかったかは知らんが


俺得過ぎるスレ発見

遅れ馳せながら乙
大叔父殿グレート過ぎるww

第11話『あと一週間!【前篇】』

トレーナー「はいワンツーワンツー!」

 キュッキュッと、シューズが擦れる音が、歌をかき消す。
765プロのアイドル達が、全員集まった上での練習だった。

 皆の顔立ちは焦りにも似た緊張を表していた。
特に準備を怠っていたわけではないし、惰性で練習していたわけではない。

 しかしながら、この期間。ライブまで後一週間というこの状況。
彼女達は新人から今に至るまで。いつでもそうだった。

 それこそがアイドルのライブなのだ。
限界やゴールなどという言葉は存在しない。
一歩進めば次がある。

 そこまで進もうが、終着点などない。
終わりはない練習だった。


春香「ふぅ~。雪歩……お疲れ……」

雪歩「だ、大丈夫?春香ちゃん……尋常じゃない顔してるよ?」

春香「えへへ……昨日もちょっと家で練習してたから疲れがドッときちゃってて」


響「なあ貴音。さっきのこの振付だけどさ?」

貴音「ええ、確かにそうですね。それならもう少し私は右に……」

響「まあ、実際ステージ見なくちゃ分からないから何とも言えないけどさー」



 彼女達は休憩時間中も余念がなかった。
各々が、ライブに向けて一丸となっている。


 そして、そんな中で1人。じっと彼女達を見つめる者がいた。
空条徐倫だ。

 彼女はこの全員参加の曲には入っていない。
練習量が圧倒的に少ないその時間のせいだった。
デビューまでの時間を考え、彼女はそのライブで披露するのは、自身の持ち歌になる。
『ウェザー・リポート』のみに絞られていた。

 故に、羨望も入ったその眼差しで、彼女達の練習をまじまじと見つめていた。
獲物を狩るかのように、獅子のように。彼女達の1つ1つの繊細な動きを得ようと。

 時間は過ぎて、気付けば日が落ちる頃。アイドル達はその日の練習を終える。

真「伊織、ちょっとさっきのダンスで相談があるから、ご飯行こうよ」

伊織「あら、奇遇ね?私もアンタに言いたい事があったの。いいわよ」

真「なんだよ言いたい事って。悪口?」

伊織「そんなわけないでしょ!? ただ普通に伊織ちゃん直々にご教授してあげようと思ってるんじゃない!」

真「わかったわかった……。まあ行こうよ。あ、春香も行く?」

春香「私は今日はちょっと疲れちゃったから……千早ちゃんの家に泊めてもらって寝るよ……」

真「あんまり根詰め過ぎて体壊さないでよ?」

春香「へーきへーき!」

やよい「あのー。私もご一緒してもいいですかぁ?」

伊織「あら、もちろんじゃない。やよいも一緒に行きましょうよ」



 皆が身支度を終えて、帰ろうとする。
そんな中。徐倫は独り言をつぶやく。


徐倫「私……私は…………。765プロの1人なのかな」


 彼女の心に何かが突き刺さる。
別に他のアイドル達といい関係が気付けていないわけではない。

 一緒に御飯も食べるし、買い物にも行く。
この前もあずさと貴音と映画を見に行ったし。
美希とビリヤードもした。

 しかし、徐倫と他のアイドル達に。大きな溝があるように感じる。

 理解はしているはずだった。納得もしているはずだった。
徐倫はつい1カ月もしない前まで普通の女の子だった。
それが付け焼刃でステージに立つ。

 だから彼女達とはモチベーションもポテンシャルも雲泥の差だ。
ステージに立つ時間も、短いのは当たり前。


 しかし、でも。だけれど。
否定の言葉が、徐倫の脳裏で納得を遮る。


 765プロのライブとは言うものの。
徐倫にとっては、正に。765プロ+徐倫のライブと言わんばかりの。

 そんな、感情が根づいてしまっていた。

美希「?…徐倫?どうしたの?怖い顔してるの」

徐倫「え?ああ、ごめん」

 急に美希の声で我に返り、顔をひきつらせる。

美希「悩みがあるなら相談してほしいって思うな。今から皆でご飯に行くけど、来る?」

徐倫「ありがとう。でも心配しないで……。あ、食事はこの後プロデューサーと打ち合わせだから。ありがとね」

美希「うーん。わかったの。心配しないでって言うんならその言葉を信じるの。
   でもね、徐倫」

徐倫「?」

美希「もし悩んでるなら、相談されないとちょっと悲しいの。
   765プロの仲間なんだよ?美希達と徐倫は」

徐倫「そうね。ありがとう」


 そのありがとうは、機械的に口から出された言葉だった。
美希はそれを分かってしまったが、そのまま「うん」と頷いてその場を去った。

P「悪い徐倫。ちょっと会議で遅くなった!」

 事務所に駆け込むように、プロデューサーが入って来た。
徐倫はレッスン場から事務所に移動して、テレビを見ながら待機していた。

徐倫「お腹すいた」

 一言だけそうプロデューサーに行った。
頬を膨らませ、睨みつける。

P「ごめんって徐倫……。好きなものを食べに行こうよ」

徐倫「じゃあお肉がいいわ。高いヤツ。それで許してあげる」

P「に…肉……か。音無さん……」

小鳥「経費は落ちませんよ?」

P「うぅ……今月ピンチなんだけどな……いや。分かった!好きなだけ食わせてやる!」

徐倫「カッコイイわプロデューサー!好きになっちゃうかも!」

小鳥(私もお肉食べたいな……)



――焼肉屋――


徐倫「ねえ、プロデューサー?」

P「どうした?」

徐倫「好きなだけ喰え!って豪語した割にさ?」

P「…………」

徐倫「食べ放題って……。文句はないのよ?でも、その。
   アンタ今、凄くカッコ悪いわよ?」

P「今月……ピンチなんだよ……許してくれ」

徐倫「ハァ……わかった許す。んじゃあ早速食べましょうよ」

P「ああ、そうだな。それと忘れないうちに打ち合わせもするか」


 打ち合わせの内容は主に練習について。
徐倫も、例外なく残り一週間という追いこみの時期なのだ。
ダンスも歌も。好調ではあった。

 それ故、完成度を高めるためにこうやって打ち合わせで練習ペースを調整してるのだった。


P「じゃあとりあえず明日は朝からボイスレッスンして、その後昼からダンスレッスンだな」

徐倫「うん。分かった。じゃあ明日も7時に事務所でいいの?」

P「まあ、アレならレッスン場に直接行ってもいいぞ?それなら俺も直でレッスン場に向かう」

徐倫「じゃあそうする」


 肉を焼きながら、プロデューサーは手帳に話す事柄を記していく。


徐倫「あの……さ。プロデューサー?」

P「ん?」

 そして、ひとしきり打ち合わせが終わった後。
徐倫は徐に口を開き。ゆっくりと喋り始めた。

徐倫「私は。本当に765プロの仲間って言える?」

P「!?……ゲホゲホッ!……ど…どうしたんだ?いきなり」

徐倫「言葉のままの意味よ。私は、765プロのアイドルなのかしら」

P「何かあったのか?」

 プロデューサーは神妙な顔をして、改めて徐倫に問いかけた。

徐倫「いえ、何もないわ。何もないからこそ。そう思うの。
   何もないの。何も」

P「ちょっと言っている意味が難しいぞ?」

徐倫「単刀直入に言うとね?例えばライブで皆でやるREADY!!とか、私だけ参加してない」

P「いや、でもそれは……」

徐倫「分かってる。そう言う時間とかそのもの全てを『ウェザーリポート』に充てているんでしょ?
   何曲も中途半端な私じゃなく。一曲を完璧にした私を。アイドルとしての初めてにしたい。そうでしょ?」

P「あ、ああ。そうなんだが……」

徐倫「だから分かっているの。これはただの我儘よ。幼稚園児がお菓子をねだる様な。
   それと同じ。ただ駄々をこねているだけ」

P「だからお前は、肩身が狭い思いを今。しているのか?」

徐倫「正直そう。周りは勿論個人の曲もあれど。
   一緒に頑張っているっていう形があるじゃない?
   それが、私にはないのよ。なんだか除け者みたい」

P「いや、そんな事……」

徐倫「ええ、そんなことないわよ?だから分かってるって」

 徐倫は、プロデューサーの正論に口をはさむ。
彼が何を言うかは、徐倫自身理解していた。

 本当に、徐倫の言うとおり、ただの我儘。
これで、じゃあ他の曲も今から参加出来るようになっても、徐倫は満足しない。
ただ何をしてほしいわけじゃなく。そう、言うなればかまってほしかった。

 羨ましかったのだ。
響と貴音が、同じステージの話をして。
春香と千早が、同じライブの話を真剣に打ち合わせるように。

 徐倫も、皆と直接的な意味で一丸となりえたかった。


P「……徐倫……」

徐倫「ごめん。プロデューサー。気にしないで。
   アンタ言ったよね。この前公園で。『覚悟を見せろ』って。
   安心して。こんな事で練習しなくなったり、ライブで本気が出ない事はないから」

P「あ、いや。そういう心配をしているわけじゃあないんだが」

徐倫「さてと。ごちそうさま。とてもおいしかったわ。ありがとう。
   明日も朝からなんだし。そろそろ帰りましょう?」

P「え?いや……大丈夫なのか?」

徐倫「言ったでしょ?ただの我儘。言いたかっただけよ。
   一晩寝ればスッキリする。気にしないで」

P「お前がそう言うなら。分かったよ。でもな……徐倫」

徐倫「?」

P「俺たちは、本当に765プロの仲間だ。
  俺には、貯め込まず。相談してくれ……出来る限りはフォローするから」

 ズキン。と何かが痛む。

徐倫「ええ、ありがとう」

 まただ。また機械的に口が動いてしまう。
いつからだろう。徐倫が……。

 私がこんな風に平気で嘘をつくようになったのは

 私は家に帰った。
プロデューサーは終始私を励まそうと色々な話をしてくれた。
でも、そのすべてが私が理解している事。


 一体。私は何が欲しいのだろう。何をしてほしいのだろう。


 私には。失っている記憶がある。
刑務所での記憶だ。医者にはショック故だと聞かされているが。

 本当は何があったのだろう。
何故か、その時の記憶を思い出そうとすると、今のこの状況が尚更胸を痛める。

 皆が、プロデューサーや美希が言う『仲間』。その言葉を、信じられないでいた。
何故か、私は本当の仲間を知っているような気がする。

 誰かのために命をかけられる。
そんな友情や愛情も超えた。仲間という絆。

 美希達が、嘘の言葉を吐いているとは思っていない。
多分。彼女達も、私が困れば自分のことなんかお構いなしに助けてくれるだろう。
でも、事実今は。そう感じる事が出来ない。
1つの物に目線を同じにして頑張っている実感がない。

 練習も同じ時間、同じ場所でしていたとしても。
別の曲。私だけ、違う曲の練習。

 そう言えば、私の高校生だったりの時代は。そういう仲間って言える人間はいなかった。
ただ毎日を過ごすためにバカやったりする友達だけ。

 だから、今こうやって仲間って言える人間は、正直初めてだけど。

 それでも、私は知っている気がした。
比べている気がした。今のアイドル達の仲間と。いつかは知らない。消えた過去にある仲間。


徐倫「意味分かんない。なんでこんな考えてるんだろう。あー……飛びてぇ……。
   チッ。あーもうイライラする!」

 柄にもなく悩む自分に苛立ちさえ感じる。
いや、答えは出ている。ただ、その答えがあまりにも幼稚すぎて。それを答えにしたくない。

 ただ、皆とそういう、同じダンスや同じ歌の話がしたいだけ。


徐倫「コンビニ行こう……」


 パジャマに一度着替えた体を起こし、特に買う物はないが。
夜中の1時。私は外へと散歩に行く事に決めた。


To be continued →

>>1です

後編は今日の夜中にでもあげれたらと思っています。

ではでは、乙です。

自分で乙って言っちゃうのかよww
いいけどさww

待ってる

第12話『あと一週間!【後編】』


「らっしゃいせー」

 やる気のない店員が1人、店の中に入る徐倫に向けてかどうかもあやふやな挨拶。
徐倫はとりあえず雑誌コーナーに進んだ。


雑誌を不意に手に取り、ぱらぱらとめくる。
目に留まるページがあった。

『トリッシュウナ。華やかなデビュー!【恋する兵士】を軽やかに歌う』


 そこに映るスチルは気持ちよさそうに大勢の前で歌うトリッシュの写真。
その後のインタビューでの受け答え。

徐倫「アンタは強いのね。1人で頑張って来れたの?
   それとも、元々1人なら関係ないのかしら?」


 自虐的に独り言をつぶやく。
それから更にページをめくると、そこには徐倫たちの……。否、765プロの記事があった。


『765プロライブ間近!!全アイドルを28ページで徹底解説!』


 天海春香・如月千早……皆の記事が事細かにまとめられている。
これをファンのみんなは読んで、来週のライブを楽しみにするのだろうか。

 徐倫は1人1人の記事を見た後、最後のページを見つける。
そこには自分の記事があった。


 『米国からの新アイドルが、765プロの来週のライブで初披露!』
 そこには先日撮ったばかりの宣材が掲げられていた。

 何人の人たちが、私を見に来てくれるんだろう。
そう徐倫は改めて自分の心に傷を作り。雑誌を閉じた。



「ありやしたー」


 そのまま徐倫はコンビニを後にする。

徐倫「なんでこんなに悩んでるんだろう。
   アレかしら。父親の愛情が無いせいでこういうことに飢えてしまっているってカンジ?」

 独り言を空に投げながら、公園のベンチに座り込む。


「居たッ!」


 夜の静かな公園で、その一言が徐倫の耳を劈いた。
声の方向を向くと、見知った顔の人間が。1人。


 天海春香だった。

徐倫「春……香……?」

春香「探したんだよ!徐倫ッ!」

 彼女は血相を変えていた。徐倫はそれが自分に向けられたものじゃないかのように首をかしげる。
春香はそのまま息を切らしながら、徐倫の目の前に歩いた。


春香「横……いいかな…?」

徐倫「え……ええ」

春香「えっとね。私、聞いちゃったんだ」

徐倫「え?……ああ、そう言うことね。大体分かった」

春香「美希達が心配してるって聞いて、プロデューサーさんに聞いてみたらそう言う感じの事言われて……。心配になって千早ちゃんと徐倫の家に様子を見に行ったんだ。
そしたら部屋に居ないし、鍵も開いてるし……」

徐倫「あれ?あー前はママと暮らしてたから鍵を閉めるの忘れてた…」

春香「すっごく心配したんだから!千早ちゃんは今徐倫の家に勝手だけどあがって留守番してる」

徐倫「そう。それはごめんなさい。それじゃあ帰りましょうか」

春香「待って、徐倫」

徐倫「何?心配なら大丈夫よ。大丈夫。勿論グーよ?はっぴーうれぴーって感じ?」

春香「違うよ。徐倫」

徐倫「何が?」

春香「嫌だよ……私……」

 夜で、光が街灯しか無かった故に見えなかったが。
春香の口調で徐倫は把握した。春香の目には涙が浮かんでいる。


春香「そんなことないよ……違うよ徐倫……」

徐倫「ちょっと春香。どうしたの?」

春香「仲間だもん……徐倫は。私たちの、仲間……。
   だれも除け者なんて思ってない……皆一緒に徐倫と頑張ろうって……。
   そう……思ってるもん……」

徐倫「ちょっと。春香?」

春香「ぇぐ……徐倫が嫌って言うなら。私からもお願いするよ?
   一緒の曲をやろうって!それとも間に合わないって言うなら、私の曲を徐倫とペアにすればいい!
   だから……うぇぇえええん」


 目の前の女子が、徐倫のために涙を流している。
しかし、徐倫も言いたい事はあった。


徐倫「そんな事……そんな事分かってるつもり。
   言ってるじゃない。ただの私の我儘なのよ。今のあたしは、赤ん坊と同じ」

 こういえば、春香は更に涙を増やす。それは分かっていた。
でも、徐倫のその心の溝は、それ故に生まれたものだ。

 それ故?本当に?

 春香達の言う『仲間』という言葉が、自分で信じきれないのだ。
いや、正確にはそんな事じゃない。徐倫はふと我に返る。


 違う。


仲間という言葉が信じれないということではない。

 違う。

 仲間。その言葉に徐倫の脳裏が強く痛むのだった。

 違っていた。

徐倫(何故、私はこんな事さえも忘れてしまっているの?
   忘れた事を思い出した……。私には過去にも仲間がいた)


 しかしながら、その仲間の存在を忘れてしまっている自分が居る。
それ故、今新しく、春香達に『仲間』と言われると、心が痛む。


徐倫「そう……そう言う事。
   ねえ、春香。ごめん。違った。私……」

春香「じゃあどうすればいいの?ねぇ、徐倫……分かんないよぉ」

徐倫「春香……ごめん。貴方達が悪いんじゃないの」


 脳裏が痛む。

 まるで小説の一ページを、無理やり接着剤で張り付けられているような。
そんな感覚がある事に気付いた。

 無理やりはがそうとも、はがれない。
力を込めれば本からページそのものをちぎってしまいそうな。


 でも、少し。読めた。正確には思い出したという言葉が正しいのかもしれないが。
まるで明かりに照らしてページの裏が空けるような感覚。

(ヘイ徐倫。お前さー。仲間って知ってっか?仲間だよ仲間。
 友達とか恋人じゃねーんだけどさー?なんつーか。例えばピンチになったら駆けつけてくれるとかそういうヤツー?)

徐倫(だれ?)

(はぁー?何言ってんの?バッカじゃない?それだけだとなんかこう、ヒーローって感じじゃない?)

徐倫(私は……誰と話しているの?)

(いや、ちげーんだって!その……お互いがお互いのヒーローみたいな?)

(プッ。言いたい事はわかんのよ。言わせたい事もね。
 アンタって結構そういう情に弱いって言うか青臭いの好きなのー?
 言ってあげるわよ。アンタと私は仲間)

(ヘイ!なに言ってくれてんだ!なんか恥ずかしくなるじゃねーか!オイ!)



徐倫(私の、昔の……仲間?)



(ねー徐倫。私ってさ、人間じゃあないじゃん?)

(まあ、そうね?)

(でもさー。それでもよ?私は徐倫と絆を感じている。これって正しいのかしら?)

(アンタは何でも難しく考えすぎなのよ、FF。そう思ったなら既にもう決まってる。
 FF。アンタは私の。大事な仲間よ?)


徐倫(F……F?)

かすれた映画のような断片的な他人の言葉。
でも、それは、確かに徐倫の根底に根付いた記憶の断片。


「ソウ、アナタハ一度自由ヲ勝チ取ッタ……」

徐倫「誰!?」

春香「え?」

「ワタシハ。アナタ。貴方ノ一部……石ノ海カラ自由ニナルタメ。
 ソノタメノ私。ソシテ、アナタ」

徐倫「ストーン……フリー……?」

「ソウ、ソレヲ思イ出セバ。ソレデモウ大丈夫」

徐倫「………………」


春香「ねえ?さっきから大丈夫?徐倫……具合が悪いの?
   えっと、なんかいきなり泣いちゃってごめん。アレ?徐倫?聞いてる??」

 我に返る。
そうだった。徐倫は、真の意味で我に返る。

 何があったか。失われた記憶で何があったかは思い出せていない。


でも、ストーンフリー。その言葉は思い出せた。

 それは、徐倫にとって、徐倫の過去の【仲間】との大切な何か。
それを今。思い出せた。


 空条徐倫の物語が。今。紡がれる。



徐倫「春香……私」

春香「気がついた?大丈夫?」

徐倫「ええ、平気。ねぇ、春香」

春香「ん?」

徐倫「ごめん。私の我儘。全部忘れて……」

春香「え?どういう事?」

徐倫「言ったわよね。私。記憶を失ってるって……」

春香「うん……」

徐倫「それのせい。それのせいで私ちょっと鬱っぽくなってたってワケ。
   でも。アンタのおかげかな?春香が追ってきてくれたおかげ」

春香「え?いや、私は何も……」

徐倫「ごめん。そしてありがとう春香。
   あ、千早も留守番してるんだっけ?お礼言わなきゃ……帰ろっか」

春香「え?アレ?徐倫?え?え?どゆこと??」

徐倫「だから、もう大丈夫って!私は自由になったの。
   だからもう悩む必要なんてなかったってワケ!ぶっ飛んでるぅ!」

春香「うーん……まぁ徐倫が元気になったみたいでよかっ………」


 バタリ。


 徐倫は振り向く。
目の前の、さっきまで泣いていた。否、泣かせてしまった女の子が。
倒れた。


徐倫「春…香…?」


 天海春香の物語が。今。途切れる。
,


To be continued →

どうしたんだ!?

記憶を取り戻す展開いいね、燃えるって思ってたらこれは…

第13話『ジョジョ』

 ガチャリ。

千早「あ、おかえりなさい徐倫……春香ッ!どうしたの!?」


 徐倫の部屋で2人の帰りを待っていた千早に目に飛び込んだのは。
倒れた春香を背負って帰る徐倫だった。

徐倫「突然……春香が倒れたの!」

千早「嘘ッ!」

 千早は足早に、徐倫の方へと向かい。
徐倫が一人で背負っていた春香に手を伸ばす。

春香「ん……千早……ちゃん?」

千早「春香!喋らないで……凄い熱じゃない!」

春香「えへへ……へーきへーき……」

 春香は。いつもそうだった。千早は思う。
ライブの前に、誰よりも努力して、誰よりも積み重ねて、誰よりも高みを目指す。
いつもそう。今回もそうだった。

 後一週間だ!と、息を撒いて、毎日遅くまで練習を続けていたのだ。

 そして、それなのに。

 空条徐倫という新しい仲間が困っている、悩んでいる。それだけで既に自分の事は頭にない。
疲労困憊の自らの体にウソをついて、寒空の夜の街を走り回った。
 気付くべきだった。

 今日、千早の家に泊めてほしいと言われた時点で。
食事の誘いを断った時点で。それでもなお、徐倫を探そうと言った時点で。


徐倫「とりあえず、そこのベッドに寝かせないと!」

千早「えっ…ええ」

 千早と徐倫は静かに春香を寝かせて、千早は熱冷ましシートなどを買いにコンビニへといった。

 徐倫は、症状がこれ以上悪化しないように、タオルで体を拭いてあげながら喋る。

徐倫「ごめん……春香……」

春香「えへへへへ。謝る事じゃないよ、徐倫。
   私は徐倫が心配だっただけ。私、ドジだから……器用にできないんだよね……」

徐倫「本当に、ぶっ飛んでる……飛び過ぎ……。
   そこまでして私が大事?」

春香「大事だよ?だって。私の大事な大事な。仲間だもん」


 その言葉に、溝は感じない。
ストーンフリーが教えてくれた。それが確かに一番大きい要因。
でも、それと同じくらい。目の前の彼女が言う言葉だからこそ。

 改めて。徐倫の心を満たしてくれた。
仲間という言葉。

徐倫「ねぇ、春香?」

春香「なーに?」

徐倫「今、こんな事を言い出して意味分かんないって思うかもしれない。でも。聞いて。
   私の事を、ジョジョって呼んで?今までママにしか呼ばれた事のない私のあだ名。
   空・条徐・倫で、ジョジョ。春香、貴方に、私はそう呼ばれたい……」

春香「徐倫がそう呼んでほしいなら…ジョジョ……」

徐倫「ありがとう、春香」


 それは徐倫なりの仲間という言葉への返答。
その名前は、ジョジョという名前は、彼女にとって重要な事。

 春香にはその名前で呼んでほしかった。
目の前で、自分を否定してまで、徐倫を肯定した少女。

 彼女にジョジョと呼んでほしかった。


徐倫「今日はゆっくり寝て。しっかり休まないと、本当にライブどころじゃないわ」

春香「ありがとー……ジョジョ……」

徐倫「お礼を言うのは私の方よ、春香……」


 徐倫の手が、自然に春香の頭を撫でていた。
それと同時に、心に刻まれる石のような決意。


 同じ曲は踊る事はないかもしれない。同じ歌を歌うことはないかもしれない。
でも、自分自身は『ウェザーリポート』に集中すべきだと。

 何故なら私たちは……。


 そもそも。


 同じライブという時点で、仲間ではないのか。
その原点だけ、その事実だけあれば。本来十分だったはずだ。


徐倫「ちょっとした遠回りしただけ。
   本当に、ただの遠回り。でも、春香。アンタのおかげで。
   この遠回りさえも直進になった…………」

――翌日――

春香「おはようございます」
千早「お早う御座います」
徐倫「おはよう……ございます……」


 3人は、同時に事務所に来た。
徐倫は朝からレッスン場へ向かう予定だったが、事態が事態だったからだ。

P「おはよう3人とも」

 昨晩の事を、洗いざらい夜のうちにプロデューサーに話し、とりあえず事務所に来ることになった。

P「さて……と。ひとまず春香。具合は?」

春香「平気です!今日から練習できるくらいです!」

P「…………」

春香「うぅ~……嘘です。熱は下がりましたが今日は一日安静にしますぅ……」

P「よろしい……。それと、千早。お前は大丈夫か?」

千早「あ、はい。私は昨日もしっかりと睡眠を取ったので。大丈夫です」

P「そうかそうか。じゃあ最後に徐倫だが……」

徐倫「ごめんなさい……」

P「何で謝るんだ?」

徐倫「え?いや……だって……春香がこんなことになったの、私のせいだし」

P「それは違う。まあ、徐倫なら言いかねないと思ったからこそ今ここに呼んでるんだが」

徐倫「?」

P「昨日ことは全て春香が悪い!あと、俺!
  春香は自分の体調を考えず反射的に動き過ぎだ!
  それと俺も徐倫にもう少ししっかり話を聞いてやればよかったし。
  そもそも春香にもう少し話をすればよかったと思う」

徐倫「…………」

P「徐倫はただ悩んでいただけだ。
  それを春香は助けようとしただけ。別に徐倫が悩んでいた事が悪いわけないじゃないか」

徐倫「でも……」

P「いいか?徐倫。勘違いしちゃいけない。
  徐倫が今感じるのは罪悪感じゃないぞ?あるとすれば感謝だッ!
  なんか、俺が言うのもおかしいかもしれないけど……春香が自分の練習時間を結果的に減らしてまで。
  お前の身を案じた。それに対してすべきことは?分かるな…?」

徐倫「ええ。重々承知……」

P「まあ、一応俺が視診するだけならもう春香も元気そうだけど。
  一応病院行くぞ?春香」

春香「えー……練習はー?」

P「さっき自分がした発言を思い出せ」

春香「はぁい……」

P「そんなわけで、スマンが徐倫。レッスンについてやれなくなった。
  まあ、お前も一カ月レッスンを続けて来たんだ。俺が居なくてもそろそろ平気だろ?」


徐倫「ええ、でも春香。本当にごめんなさい。
   私のせいで練習が……」

春香「ジョジョー?次言ったら怒るよー?
   プロデューサーさんの言った通り!私も私の我儘でジョジョを助けたの!
   だからそんな風に言われるとちょっとショックだよ?」

徐倫「でも……いえ。そうね。
   じゃあアンタの我儘なら、早く良くなって私の罪悪感を取っ払って頂戴?」

春香「えへへー。そうでなくっちゃジョジョじゃないよ!」


 徐倫と春香は互いに手を振って事務所で別れた。
事務所には千早と徐倫二人。

千早「徐倫?」

徐倫「ん?」

千早「春香の言うとおり。変に気負いする必要なんてないわ。
   春香はいつもそうだから。私も、春香のおかげで今。ここにいるもの」

徐倫「春香ってさ……。本当にただのアイドルなの?」

千早「ふふふ。そうよ?ただのアイドルって言うより。
   彼女こそがアイドルだって、私は思うわ」

徐倫「春香こそが、アイドル……か……」

千早「だって、貴方も春香に貰ったでしょ?」

徐倫「そうね……本当にそう。彼女こそがアイドルね」

――レッスン場――

トレーナー「はいここまで!ちょっと休憩しよっか」

徐倫「はい」


 レッスン場。トレーナーとマンツーマンで指導を受ける徐倫。
汗を流しながら、必死に体を動かす。

トレーナー「ねえ、空条さん」

徐倫「何かしら?」

トレーナー「何かイイコトあった?」

徐倫「え?」

トレーナー「いや、何故か昨日までより格段にダンスが素晴らしいの。
      語弊を恐れず言えば、まるで人が変ったみたい。
      今の貴方、正直765プロのアイドル顔負けよ?」

徐倫「それってもしかしてアレ?
   本番前に自信をつけさせるためのってヤツ?」

トレーナー「違うわよ。本気で。
      まあ、そうね。空条さんがそう言うなら、さて休憩終了!次、いくよ!」

徐倫「え?いや、まだ5分も休んでな………いや、春香ならそんな事言わないわね。
   いいわ。お願いします!」

トレーナー「良い目ね。空条さんのその瞳。結構好きよ?」

徐倫「告白するタイミングではないと思うけど?」

トレーナー「大人の余裕よ?」

徐倫「大人って言うかバ……」

トレーナー「それ以上言ったらトラウマになってもう私、レッスンできなくなっちゃうわよ?」

徐倫「大人って一体何がよ?」

 それぞれの時間が過ぎてゆく。
徐倫の動きはさらに輝きとキレと伸びを増した。


 刻一刻と迫るデビューの日。
それは同時に765プロの大舞台の日。


 徐倫だけではなく。765プロの全員が、緊張と期待感で胸を躍らせていた。



医者「疲労による急性的な失調症です。
   一週間は大事を取って体を休めた方がいいでしょう」

P「ええっ!?でも、この子には週末ライブがあるんです」

医者「では少なくとも3日。そして少しでも体調不良を感じたらヤメる。
   そうしないと、今度は倒れるだけじゃ済みませんよ?」

P「…………」

春香「……………」



 ただ、1人を除いては。



――本番当日――

To be continued→

>>1です。

 時間があったので一気に書いてみました。
次位が最終話です。
前後編に分かれるかもしれませんが。

 読んでくださっている方がいらっしゃれば、もうしばらくお付き合いください。
早ければ今日。遅くとも週末にはアゲられそうです。

スタンド攻撃とかではなかったのね、よかったよかった


と、トニオさん呼んできてェーッ!


高熱って言うとやっぱりアレなんだろうかね

終わるのもサビシーな
続編予定はありますかね?

>>303
 正直、今のところは特にないです……。ごめんなさい。
また、全く別のSSでも書こうかと思ってます。

 あと、日付変わるまでには次話アゲます。

最終話『空条徐倫』


春香「うぅ……緊張してきちゃった……」

真「ねぇ、春香。本当に具合は大丈夫なの?
  プロデューサーから聞いたけど。結構安静にしなくちゃいけないんじゃ……」

春香「大丈夫だよー!3日前からレッスンしてるけど、全然変なところなかったでしょ?」

真「そうだけどさー。無理そうだったらすぐに言ってよ?」

春香「分かってるって。もう、真は心配性だなー」


 楽屋裏。控室で765プロのアイドル達は全員集合していた。

 一曲目は徐倫を除く全員での『READY!!』だ。
衣装に着替えてスタンバイしている。


小鳥「お客さん凄いよ!今までで一番かも!」

 控室に来た小鳥が井戸端会議の主婦のような手つきで皆に知らせる。

亜美「うあうあー!ピヨちゃんそういうのは言うと逆に緊張しちゃうよー!」

真美「そうだよー!観客の事レンコンって思うようにしなくちゃー……」

雪歩「え?大根じゃなくて?」


伊織「いつもやっぱりこの瞬間はドキドキするわね……」

あずさ「あらあら、伊織ちゃんも緊張?」

伊織「違うわよ!武者震いよ!」


やよい「うっうー!すっごく楽しみですー!」

貴音「やよいは緊張していませんね」

やよい「緊張より、早くお客さん達とパァーッて盛り上がりたいなーって思いますぅ!」

響「自分もだぞ!うがー!一曲目にNext Life歌いたい勢いだぞ!」

千早「一曲目にそれだと、すごくクール過ぎない?」

美希「千早さん。そう言う真面目な事は今言っちゃだめって思うな……」

律子「さて!じゃあそろそろ時間よ!円陣するなら始めちゃいなさい!」

春香「うん!じゃあ皆行くよ!」


 春香の掛け声で、皆が手を円の中心に向ける。

春香「よし!じゃあジョジョ!お願い!!」

徐倫「え?私…?」

春香「うん。徐倫は一曲目には参加できないから。
   私たちを、送り出してよ!」

真「びしっと頼むよ!徐倫!」
雪歩「お願いします!」
やよい「うっうー!」
伊織「シャキっとやっちゃいなさい!」
あずさ「春香ちゃん以外の掛け声って新鮮ねぇ」
貴音「徐倫殿」
響「ちばりよー!」
千早「お願い、徐倫」
亜美真美「んっふっふ~。かっチョイーのズバァーンといくしかないっしょー!!」
美希「眠気なんか覚める一言ほしいって思うな!」


徐倫「じゃあ……いくわよ?」


 徐倫は1つ大きく深呼吸する。

徐倫「今日は私のデビューライブ。
   私が出る前にコケたり歌詞間違えたりしないでよ?
   最高の状態で、私にマイクを回しなさいよね?」

 皆が笑顔でうなずく。

徐倫「行くよー!765プロォオオオオオオ!ファイトォオオオオオオ!!!」


一同「オーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」





春香「行ってくるね!ジョジョ!」

徐倫「行ってらっしゃい!」



 ライブが今……始まったッ!!

P「次は竜宮小町だ。準備出来てるか!?」

伊織「勿論!」
あずさ「ええ」
亜美「もちっしょー!」


P「そして、それが終わったら。準備はできてるか?徐倫!!」

徐倫「ええ!」


 慌ただしくも笑顔で走りまわる彼女達。
そのライブもコンスタントにタイムテーブルが進み。

 竜宮小町の『ハニカミファーストバイト』の後。

 彼女達の紹介で。徐倫が舞台に立つ。



 徐倫は中心に大きな階段があるその上方ステージから登場する予定だ。


 竜宮小町の三人が高らかに踊り歌う。

 そして、徐倫が初めて、万を超える人間の前に立つ瞬間……。


 それが…今…来るッ!

伊織「それじゃあそろそろ、皆お待ちかねなんじゃないかしら?」
亜美「んっふっふ~。あずさお姉ちゃんに負けないくらいのボンキュッボンだよぉ~!」
あずさ「アメリカからのアイドル。私たちの新しい仲間ですぅ」

伊織「それじゃ皆で盛り上がっていくわよー!」


 会場の声が一瞬静まる。
一斉に息を吸った証だ。

 その直後。まるでアンプでも外れたかというくらいの、観客達の叫び声。


「ジョリーーーーーーン!!!!」



 大きな花火と共に、空条徐倫が……。



 ステージに……立った瞬間だったッ!

徐倫「はじめましてー!噂されてる新アイドル。アメリカ育ちの空条徐倫よ!」

「ワァアアアアアアアアアア!!!!」
        「カワイィイイイイイイイイ!」
「スッゲェビジンダァァアアアアアアアアア!!!」


徐倫「ありがと!でもさー。まだ歌も聞いてないのに私の価値を決めないでよー?
   確かに私は超イイ女かもしれないけどさ?
   初めて人の前で歌うこの歌を、アンタラに捧げるんだから。
   もう一度言うわよ?初めてをアンタラに捧げるんだから!しっかり聞けよー!」

「イェエエエエエエエエイイイイ!!」

――――

P「なんというか、徐倫らしいMCというか……。はぁ、どうせこうだろうと思った」

律子「何がですか?」

P「徐倫が俺に見せてくれたMC台本があまりにも丁寧過ぎてさ。
 まあ、徐倫の事だから大丈夫だろうとは思ったけど」

律子「成程。でも、今までにはいない感じで、いいんじゃないですか?」

――――


徐倫「全部英語歌詞だからって、歌詞カード凝視とかすんじゃねーぞ!
   いくよー!『weather report』!!」

 暗転する。
スポットライトの身に照らされる徐倫は、ヘッドマイクで歌い始める。

 同時に踊り始める。


 1つステップの音と、イントロ、そして徐倫の声が同時に会場を駆け巡る。



(『あなたのダンスは、『モナリザ』で得られる感動なの』)

 初めて会った時。トレーナーは徐倫にそう言った。
ポージングの集合体という彼女のダンス。
そう答えるなら。それは変わってはいなかった。


 しかし。そのダンスは魅せる。
 同じように、モナリザに例えるなら。
それが描かれるまでのストーリーを彼女は紡いだのだ。

 白紙のキャンバスに、糸のような繊細な一本さえも目の前で分かるように。
モナリザが描かれるまでのストーリーを紡いだ。


 柔と剛がそこにあった。
指先からつま先までの繊細な動きであり、1つ1つの動きは力強く。

 糸がほどけては、また毬になり、それがまた糸になる。


 彼女。空条徐倫が可能な唯一のダンス。
そのステージで、自由になる彼女。


『魅せるダンス』がそこにあった。

 アイドルとしてのダンス。夢や希望を与える。
春香のように、どんな闇の奥深くに居ても、一歩たちあがる勇気をくれる。
そんな些細なキッカケ。

 それが、アイドルなのだ。


 観客全員が、日本人が9割を超えるその会場で。
英語の歌詞も半分も理解できないままなのに。

 その歌の少女の喜びやかなしさや愛しさが伝わってくる。


 観客の頬には、気付けば涙が流れていた。

 最後の音が消える。
徐倫は、ダンスを終えたそのポーズを、ゆっくりとほどいた。

 雨が去ったような静けさを運んだその曲の終わりから、
徐倫が息を吐くと同時に、嵐のような歓声が舞い上がった。



「ワァアアアアアアアアアアアアア!!!」
 「パチパチパチパチ!!!!」
「ヤベェエエエエエエエ!!」


徐倫「どう……?だった?私」


「ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

徐倫「ありがとう!アンタ達!私のファンになったかー!?」

「モチロォォォォォォン!!!!」
 「イェエエエエエエエエエ!!」

徐倫「でもー!今日はこの曲だけなの!」


 「エェエエエエエエエ!!!!!」

徐倫「だって、私一ヶ月前まで普通の女だったのよ?
   この1曲で精いっぱいだったのよ!
   でも、次のライブはもっともっと歌うから。
   次は【私を見に】ライブに来て頂戴―!」

「行クゥウウウウウ!!!」



 徐倫のカリスマ性とも言うべきか。
会場の空気を一つにまとめ上げた。

 雑誌の紹介だけで、声も姿も曲も知らなかった観客は。
気付けばこの数分間で彼女に魅了されていた。

 765プロのどのアイドルとも違う。
新しいアイドル。空条徐倫が、いまここに認められた瞬間だった。

徐倫「さてっと……じゃあそろそろ次の曲に行かないと怒られそうだから。次を紹介する!」


 そして、徐倫が次の紹介へ移る。


徐倫「新人アイドルお披露目会の後は、トップアイドルの登場!
   春香の番よ!」

「ワァアアアアアアアアアアア!!!」

 春香がステージ上方の横から体を出す。
そしてそのまま、徐倫のが居る中央へと足を運ぶ。

春香「はーい!またまた登場!春香さんでーす!!これからラストに向けての1曲ソロで歌っちゃうよー!」

 「イェエエエエエエエエ!!!」




春香「曲は勿論!!『乙女よ大志を抱け』―!」


 「イェエエエエエエエエエイ!」


 歓声が三度巻き起こる。
春香はイントロが流れると同時に。階段を下る。
ライブ用の、長いイントロ。

 ズンズンと重低音が響くイントロダクション。


徐倫「春香……大丈夫?」


 マイクの電源を消した状態で、春香にささやいた。
近くで見た春香の額。疲れとは違う汗が見えた。

 なにか、とてつもなく嫌な予感がした。

 春香はマイクに電源が入っているゆえに声に出さず。横を去り際に口の動きだけで『平気』といった。

 徐倫は一瞬迷った。
ここで春香を止めれば、その悪い予感は消えてなくなる。でも。大丈夫だったら……?
このライブそのものを壊すことになる。

 一瞬の躊躇だった。

春香「いっくよー!!!」

 そう春香が叫んだ後、右手を大きく上げて、本来のイントロが開始される。
再び会場は暗転し、階段の中心の春香にのみスポットライトが照らされた。

普通なら、その振りあげた右手を下ろす数秒の間。
カチリと、天海春香という時間が止まった。
春香の体が、ぐらりと揺れたのが、後ろの徐倫には分かった。

 しゃがむではなく、かがむではない。完全に、倒れこむ姿勢。

階段の中心で、春香は、その叫び声とともに、前へと倒れこむ。



 一瞬の躊躇だった。


 その一瞬が、徐倫と春香の距離。
階段の最上段の徐倫と、階段の中心の春香の距離。

 届かない距離。

徐倫「……ッ!!」


 徐倫は手を伸ばす。
目の前の仲間が倒れこむその姿に。ただ、手を伸ばす。

 届くはずのない距離。
死。その一文字すらもあり得る高さで倒れこむ仲間へ。差し伸べようと前に。

 手を伸ばす。


 そう。届かない。ハズの距離。

 私の手から伸びる。これは何?
糸…?私の体から出ているこれは糸なの…?


 ストーンフリー。
確か私はそう名付けたはず。


 春香に向かって、それは伸びた。
届かないはずの距離が、ゼロになる。

 糸が、春香を支える。それがワイヤーのように、私の所へと春香を連れて来てくれる。


 この糸は私?始めてみるのに知っている。
覚えてないのに記憶にある。そう、これが……ストーンフリー。


 今、私自身何が起こっているか戸惑ってる。
倒れる春香が。気付いたら私の横で支えられている。

 さっきまで階段の中心に居た春香が、私の所に来ている。


 私から出た糸……。いえ、ストーンフリーが春香を助けた……。

 ステージはざわめく。
スポットライトの春香が何か、見えない何かによってステージの上に登って行った。

 それ以外の場所は暗闇で、何が起こったのかは。
徐倫以外誰も分からない。

 そもそも、春香が倒れかけた事すら分からない。


 何が起こっているのか。場内の観客は互いの顔を見合わせた。



――――

P「春…香…?」

――――

千早「春香はどこ……?」

――――




 それはステージ端や控室でモニターを見るアイドル達も同じだった。
何が起こっているのか分からなかった。

徐倫「…………ごっめーん!」


 そのざわめきの中で、マイクが拾った声は。徐倫の声だ。


徐倫「トップアイドルの出番とか言っちゃったけどー?
   私この曲だけしか歌わないって言っちゃったけどー?
   新アイドル空条徐倫!トップアイドルの持ち歌奪っちゃうわー!キャー!」

 その大きな声と共に春香は気を取り戻す。
自分足で改めて立つ。

 その瞬間。スポットライトも大急ぎでステージの上方へとスライドする。


 皆の目に映ったのは、春香と徐倫が手をつないでそこに立つ姿。


徐倫「乙女よッ!大志をいだっけ!夢~見て素敵~になれッ!」


 徐倫は暇があれば皆のレッスンを見ていた。
曲を覚えていることなぞ容易かった。

 まるで。いや、そうしたのだ。
初めからそうだったということにしたのだ。


 これは演出。


 観客の誰もが、春香の持ち歌を綺麗にかっさらう新人アイドル。
そういう『演出』に見えた。

 春香が歌おうとした瞬間、姿をくらまし、スポットライトを照らした先で徐倫が歌う。


 そういう演出に、でっちあげたのだ。


 空条徐倫。彼女は、ジョースター家の血族。
嘘やハッタリは一八番だ。


徐倫「たーちーあがれっ!女諸君!イェイ!」

 「ワァアアアアアアア!」
   「ジョリーンサイテーーー!!」
 「オイオイ新人アイドルーーー!!」

 悪口のような、歓声だった。
まるで、いいぞもっとやれ!と言わんばかりの歓声!
アトラクションのような演出で、徐倫は繋いだ。結んだのだった。


徐倫「バカ春香……」

 Aメロ手前の部分で、マイクに拾わない声で悪態をつく。

春香「ごめ……ううん。ありがとう…ジョジョ……」

徐倫「ホラ、アンタの歌でしょ?一緒に歌うわよ?」

春香「うん!」


春香「目覚ましジリジリ」
徐倫「学校にまたギリギリ」
春香「は~みがっき」
徐倫「メイク」
春香「って遅刻しちゃう!」
徐倫「いってきます!」


 徐倫の左手と春香の右手が合わさり、まるで打ち合わせ通りと言わんばかりのパート分け。

 乙女よ大志を抱け。その曲を2人で盛大に歌いあげた。

春香「いつ~もあり~がと~……」


 拍手の嵐が降り注いだ。

春香「ありがとう!皆ー!」

歓声にこたえるように、春香と徐倫は手を振った。


 そして、拍手が終わるにつれて、改めて春香がしゃべりだした。


春香「ええっと。まずはみなさんに謝ろうと思います!」

徐倫「え?」

春香「(いいから……まかせて)」

春香「私、実は今日ちょっと体調がよくないんですよね……えへへへへ」


「エェエエエエエ!?」
 「ダイジョウブー!?」

春香「だいじょぶだいじょぶ!
   それで、私、事前に徐倫に頼んでおいたの!一緒に歌おうって!
   他のアイドルの皆にもサプライズだったけど。驚いてくれましたかー!?」

「イェエエエエエエエエ!!」

春香「えっへっへー。それじゃあ作戦成功だねぃ!わっほーい!」


伊織「全く。何がわっほいよ!心配させて!」

真「だから無理はするなって言ったのに!」


 ステージの端から、マイクを持って他のアイドル達が下方へ上方へと顔を見せる。


やよい「でも凄かったですねー!春香さん。本当に消えたのかと思いました!」


貴音「とても、面妖ですね」


 このままエンディングだ。
最後は全員揃って「READY!!」を歌うタイムテーブルになっている。

 皆、春香に一言投げかけながら、自分達の立ち位置へ移動する。

 流石は一流のアイドルだった。
それが本当にトラブルだとかハプニングだとしても。
決してそう思わせない実力。それが765プロのアイドル。


春香「ねぇ?ジョジョ、READY!!歌える?」

徐倫「何当たり前の事言ってんの?」

春香「だよねー。じゃあこのまま、手を離さず一緒に歌お!」

徐倫「ええ!」



 春香は大きく声を出す。
何故か今、春香の体から疲労という物は無くなっていた。


春香「いっくよー!ラストーーー!!!」


全員「READY!!」

『エピローグ』

 あのライブの後。春香はプロデューサーやアイドル達にこっぴどく叱られた。
別に命に別条はなかったけど、それから一週間。強制的に寝かせられ続けた。

 まあ、私が居なかったら本当に春香死んでいたかもしれないのよ?

 無茶する春香には、いいお灸とでも言うべきしら?


 で、私の方は。っていうと。
あの後やっぱりプロデューサーとかに問い詰められたけど。
オッサン。
あ、高木社長が「私の独断でワイヤーアクションを使わせてもらった」って言ってくれた。

 オッサンは分かっていた。
私がやったことだって。こういう能力……『スタンド』の仕業だって。
オッサンからちょっとだけ聞いた。

 社長「実は、君の父親に頼まれたんだよ。記憶を失ったわが娘をアイドルにしてくれと。
    君のお父さんも、そういう不可思議な事が出来る人だったからね」

 なんだか嘘をちりばめたような台詞だったけど。鵜呑みにしておいた。

 この腕から、あれ以来糸が出る事はないし。ストーンフリーも見える事はなかった。
でも、必要ないから存在しないのよね。
私にはもうそんな『スタンド』なんて必要ないもの。

 傍に立つのは『スタンド』じゃなくて、仲間。

 手を繋いで、傍に立って、共に立ち向かう仲間が居る。

春香「ジョジョー?どしたの?考え事?」

徐倫「ん?いえ、この前の事をね」

春香「色々あったもんね。ジョジョが来てからの1カ月」

徐倫「ええ、本当に……」

春香「でもさ、やっぱりあの時はああ言ったけど。
   ジョジョのせいでもあると思うんだよね?」

徐倫「何?怒られたからって責任を痛み分けみたいに使うのは卑怯じゃない?」

春香「あはは。冗談だって。ちょっとからかいたくなったのー!」

徐倫「アンタって本当馬鹿よねー……」

春香「まあ。これからも……よろしく!ジョジョ……」

徐倫「こっちの台詞よ。春香」


 そよ風が気持ちいい。
もう少しで、春になる。


 私は日本でアイドルをしている。記憶もないままだけど。


 今はとても幸せ。


 この仲間に出会えた事。
たくさんのファンに囲まれている事。

 それが本当に、幸せ……。

徐倫「私の仲間であり、私自身。
   ここがッ!765プロ……」




~Fin~

>>1です。

気付けば2カ月かけちゃっているんですね。
最初から読んでくださっている方には本当にもうしわけなかったです。

これで徐倫と765プロのクロスSSは完結です。

ここまで読んで下さった方は。ありがとうございます!

乙!

乙・・・それしか言う言葉が見つからない・・・

おつ

乙! 言わずにはいられない!

おつ!

ジョジョのクロスだとスタンドが前面に出てくるの多いけど、アイマスよりでいい話だった!

乙!!
ただ、6部好きとしては、6部メンバーのその後が気になる。匂わす程度がベストということもわかっているけど

お前らは次に、『感動したッ…!!』と言う!

乙ッ! 感動したッ…ハッ

とはいえ俺もジョジョ勢がどうなったのかは気になるねー。
特にちゃっかり親バカを発揮している承太郎

徐倫法被を着て帽子の上から鉢巻、サイリウム片手に最前列確保する承太郎

>>330
某幼徐倫スレの承太郎思い出したじゃねーか

乙!良い終わりかただ!

名作
欲を言えば途中にいれた外伝みたいなのが見てみたいが…

ニュースで見て日本に行こうとするアナスイとかどうだろう

刑期終了まで幽霊部屋で寝てろ…

LESSON乙
『作者に敬意を払え』だぜ

乙!感動した…ハッ!
他メンバーとの絡みとかもっと見てみたいぜ…!

徐倫意外と面食いだし、敵状視察のつもりで行ったジュピターのライブでキャーキャー言ってるのをみてみたい

乙!また機会があれば続きであれ別作品であれ見たいな

おっつおっつばっちし!
三人組ユニット組んだら名前はフー・ファイターズになるのかな

乙、良かった

そこはやっぱりチャーリーズエンジェルだろ

乙。最高だった。
ただ
春香「ジョジョ」

徐倫「765プロォオオオオオオ!ファイトォオオオオオオ!!!」
の字面がこんなにしっくりこないとは思わなかったw

他の6部メンバーについて、なにかいただけません?

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月19日 (日) 18:33:26   ID: hHcLihMv

句読点の使いすぎで文脈が把握しにくい。
多用してる自覚があるってことは、個性でも出してるつもりなのかねえ

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