穂乃果「ふなっしー?」 (95)

ふなっしー「…………」

海未「はい、これはふなっしーと呼ばれ千葉県船橋市を中心に活動するシンボルキャラクター……と、ウィキペディアにあります」

ことり「ちゅちゅん! これは危険ちゅん、穂乃果ちゃん逃げるちゅん!」

穂乃果「そこを退いてほしいな、ミューズの活動を邪魔なんか……させない!」

ことり「ちゅちゅん! 穂乃果ちゃん、焦りは禁物ちゅん!」

穂乃果「…………うぉぉぉおおおおッ!」

海未「来るッ!」

ことり「伏せるちゅん!」

穂乃果「――くらえッ、ワンダフルラッシュ!」

海未「決まった!」

ふなっしーってデブだよな

ことり「ちゅちゅん! 油断は禁物ちゅん、あっ!」

ふなっしー「…………」

穂乃果「そんな……ワンダフルラッシュが効かないなんて!」

ふなっしー「…………」

ことり「あぶない、ホノケティアン! きゃあああああああ!」

穂乃果「ことりちゃんが…………やられた」


ことり「はふーん♪(。゜▽゜)」


穂乃果「そんな……」

海未「逃げましょう、穂乃果。ふなっしーは……危険です! きゃあ!」

海未「はふーん♪(。゜▽゜)」

穂乃果「う、海未ちゃんまで! 許さない!」

タラヲ展開じゃなくて安心した

えりち「待ちなさい穂乃果、ここは逃げるのよ」

穂乃果「えりちゃん! どうして止めるの!」

えりち「…………穂乃果、いいから逃げましょう?」

穂乃果「だって海未ちゃんがやられたんだよ、えりちゃんは逃げろって言うの!?」

えりち「悔しいけど……今の私たちでふなっしーを倒すのは難しいわ」

穂乃果「そんなことない! 海未ちゃんと、ことりちゃんは無理だけど、七人の力を合わせれば!」

のぞみ「無理やで、穂乃果ちゃん。みてみ、ふなっしーを」

穂乃果「のぞみちゃんまで、なにを見るって……うそ!」

ふなっしー「………………」

のぞみ「分かったやろ、ふなっしーに勝つのは今のミューズでは無理や」

にこ「え、なにこの状況」

のぞみ「仮にウチを入れて九人やとしてもな」

真姫「そこ、強調するのね」

のぞみ「ましてやミューズの銀将金将たる海未ちゃんと、ことりちゃんがやられた以上……」穂乃果「勝ち目は……ない」

のぞみ「せや、飛車たるえりちと、角行たるウチが善戦しても三秒、いや一秒や」

穂乃果「分かった、逃げよう! みんな逃げるよ!」

六人「うん!」


 部室にて


穂乃果「希ちゃんと絵里ちゃんは、海未ちゃんとことりちゃんをお願い!」

のぞえり「まかせて!」「やん!」

穂乃果「にこちゃんと真姫ちゃんは代替となる演目の計画を!」

にこまき「わかったわ!」「でっしょー!」

穂乃果「かよちゃん、凛ちゃん……お願いがあるんだけど、いいかな?」

りんぱな「…………それは」

穂乃果「襲撃されたライブの機材を回収してきて欲しいの」

凛「…………」

穂乃果「無理なら無理で構わない、ううん、無理なのが当然だと思う」

花陽「私は、いきます……」

凛「かよちん!? かよちんは自分が何を言ってるのか分かってるのかにゃ!」

花陽「分かってる! 楽しいだけじゃない、試されるだろう!」

凛「かよちん…………凛はいけないにゃ」

花陽「うん、いいよ」

凛「凛は怖いにゃ……海未ちゃんやことりちゃんみたいに……凛はなりたくないにゃ」

穂乃果「そうだよね、穂乃果も怖い。自慢のワンダフルラッシュは効かなかったし」

凛「ぐすっ、ぐすっ」

穂乃果「いいんだよ、ゆっくり休もう?」

花陽「…………凛ちゃん」

穂乃果「かよちゃん、護衛に雪穂は付ける。ちょっと厳しいかもしれないけど、お願い」

花陽「はい!」ぴしっ

穂乃果「じゃあ、お守りにこれ!」

花陽「これは……」

穂乃果「私のパンツ、ダメだと思ったら投げつけて。時間稼ぎくらいにはなるかもしれない」

花陽「ありがとうございます、じゃあ……行ってきます」

穂乃果「行ってらっしゃい、がんばってきてね」

シンフォギアかなにか?

穂乃果「行ったね」

凛「行ったにゃ…………かよちん、凛は……弱いにゃ」スンスン

穂乃果「ううん、弱くなんかない」スリスリ

凛「穂乃果ちゃん? だって、凛は自分を守ったんだよ、かよちんを見捨てたんだよ?」

穂乃果「たしかに、それは変らないと思う、だけどそれを弱いって分かることは強いことだよ」

凛「穂乃果ちゃん」

穂乃果「かよちゃんも分かってる、自分が弱いことに……でも、止められなかった」

凛「…………かよちん」

穂乃果「それはかよちゃんの、かよちゃんなりの、強さなんだよ」

凛「穂乃果ちゃん…………」ギュッ

にこ「穂乃果、大変よ!」
 バタン!

 一方その頃、街中

花陽「うう、とは言ったものの」

雪穂「まったく、またお姉ちゃんの我がまま言ったんですね」

花陽「ううん、違うの。私が決めたことだから」

雪穂「強いんですね、花陽さん。聞きました、お姉ちゃんから海未さんことりさんの話」

花楊「一瞬だった……穂乃果ちゃんのワンダフルラッシュも効かなかった」

雪穂「ワンダフルラッシュ、確かミューズ五番目の……」

花楊「うん、ことりちゃんがセンターなんだけどね」

雪穂「ことりさんがやれば違った結果になったんじゃないんですか?」

花楊「確かに、正当なセンターと穂乃果ちゃんの場合じゃ効果は違うと思う、でも」

雪穂「結果は変らない、花陽さんはそう思うんですね」

花楊「うん、悔しい。でも穂乃果ちゃんのほうがもっと……」

雪穂「そうですか…………花陽さん、あぶない!」

花陽「雪穂ちゃん、下がって!」


ふなっしー「……………………」


花陽「そんな、まだライブ会場よりも距離はあるはず!」

雪穂「これが、ふなっしー……想像してたよりも、これはもっと違う……別の……」

ふなっしー「………………」

花陽「大丈夫だよ。雪穂ちゃんのお姉ちゃんが託してくれたもの、ここにあるから」

かよちんの字が変わってる…

あっ

雪穂「それは……お姉ちゃんのパンツ! 昨日の、茶色いシミまで!」

ふなっしー「…………」

花陽「私がこれを投げるから、そしたら一目散に逃げよう」

雪穂「でも、ライブ会場はどうするんです」

花陽「…………諦めない、諦めたくない!」

雪穂「作戦は、あるんですか?」

花陽「ある、難しいけど。でも、ライブ会場で直面するよりも、よかったかもしれない」

雪穂「どういう事ですか、こんなところで出会うなんて予定外です」

花陽「私たちの目的は倒すことじゃない、機材の回収なの……それに、ふなっしーが離れてくれた」

雪穂「そうか! ライブ会場から離れたことで、機材の回収がより安全に行える!」

花陽「うん、ふなっしーは走るのが遅いから……勝機はないけど、作戦は遂行できる」

雪穂「わかりました、流石ですね……花陽さん、アイドルって感じです」

花陽「恥ずかしいな、そんなこと。私なんか大したことないよ? 雪穂ちゃんのほうがずっとすてき」

雪穂「やめてくださいよ、今はここを切り抜けるんですから」

花陽「いくよ! くらえっ、穂乃果ちゃんのパンツ!」ヒュッ

雪穂「くっついた! これでふなっしーの視界は止めた!」

ふなっしー「………………」

花陽「逃げマショウ! この隙デス!」

雪穂「はい!」

 タッタッタッタ.......

花陽「なんとかなったね」

雪穂「はい、やりました」

花陽「一時はどうなることかと思ったけど、えへへ」

雪穂「雪穂決めました! 来年は音乃木坂に入ります、だから花陽さん」

花陽「……?」

雪穂「先輩って呼ばせてください!」

花陽「雪穂ちゃん……」

雪穂「先輩、応援してます! そしていつか乗り越えて見えますからね!」

花陽「うんっ! じゃあ、行きまショウ雪穂ちゃん。ライブ会場まで一直線だよ!」

花陽(思えばいろんなことがあった、凛ちゃんに出会って、真姫ちゃんに出会って……)

花陽(そして、穂乃果ちゃんに出会って、漸く本当の自分になれたと思う)

花陽(雪穂ちゃん、ありがとうこれで私は――――)

.

 そのころ部室


真姫「なによそれ、イミワカンナイ!」

にこ「ふなっしーは、ふなっしーは……まだ、本気を出していない」

のぞみ「ふなっしーが、喋るなんて! じゃあ、ウチらどうすればええやん!?」

えりち「落ち着いて、希。今は敵の情報、そして己の情報を真摯に受け止めるべきよ、聞きましょう」

にこ「ふなっしーは本来喋る存在なの、私たちが出会ったふなっしーは一言も喋ってない」

穂乃果「確かに、ただずっと黙ってるだけだった……まるでなにかを考えてるような」

にこ「それだけじゃない、いいえ、これが最も重要なことよ、聞いて」

真姫「もったいぶらないて、早く……」

とりあえず…


海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん!!!!

一番推しが海未ちゃんじゃないやつは弓道の起源は韓国で日本の模倣は許せないと本気で信じこんでるチョン
日本を愛する心があるなら弓道という時点で海未ちゃんを選ぶはず

ミューズの練習に参加して海未ちゃんにタイム測ってもらいたい
息があがってはあはあいってるところに海未ちゃんに「ほら、タイム落ちてますよ」って叱られたい
もう一回頑張って走ったら早く走れて「頑張りましたね」って褒められたい
最後疲れきってばててるところに「お疲れ様です」って水渡してもらいたい
そのあと「その調子ですよ」って頭なでてもらいたい!!!

ミューズのライブに一緒にでたい
緊張して小刻みに震えてるところを海未ちゃんに「大丈夫ですよ。一緒に頑張りましょう」って励まされたい

海未ちゃんに飼われたい
朝「では私は練習に行ってきますから…いい子にしてるんですよ」って微笑まれたい
海未ちゃんが出かけてる間に部屋とか片付けておいて
帰ってきたときに「すごい!全部あなたがやったんですか!?」って褒められたい
でもお皿割っちゃったことがばれて「いけませんね」って怒られたい
20分くらいお説教されたあと「ほら!こっちにきなさい」って海未ちゃんの膝の上に載せられて
スカート捲られてパンツも降ろされて海未ちゃんにお尻叩かれたい
いっぱい叩かれてお尻も真っ赤になって泣きじゃくってるところを優しく抱かれて
「次からは気をつけるんですよ」って耳もとで囁かれたい!!!


ふぅ…

.
にこ「ふなっしーの特徴は、なによりも機動力よ。それは一介のアイドルと変らないわ」

えりち「そんなっ、ゆるきゃらがアイドルと同じ機動力ですって、ありえない!」

にこ「残念ながら事実よ、えりの言う敵の情報だわ」

真姫「待ってにこちゃん。ふなっしーはに非公認の存在よ? 公認のひこにゃんだってアイドルとは比べ物にならないはず」

にこ「そうね、でも非公認だからこそ、レギュレーションがないとしたら?」

のぞみ「破格のチューンナップがほどこせるやん!」

にこ「正解よ、のぞみ」

穂乃果「なんてことなの」

にこ「穂乃果、聞いて? 雪穂と花陽を出したのは不味かったわ……」

穂乃果「…………くっ」

.

 一方そのころ


ふなっしー「………………」

雪穂「う、うそでしょ」

花陽「逃げてっ! 雪穂ちゃんだけでも、はやく!」

雪穂「ありえない、嘘よ。あそこからライブ会場まで直線距離で1キロ以上あるのに」ガクガク

花陽「ど、どどどうしようっ」

雪穂「あわあわわわわわわわ」プシャァァァァアアア

花陽(あーっ、雪穂ちゃんが放心状態になっちゃった、間違いなく機材の回収は不可能)

雪穂「お姉ちゃんおねえちゃんっおねーちゃんっ」

花陽「大丈夫だよ、私がついてる」

雪穂「えっ」

.
花陽「私が相手をする、だから一目散に逃げてね?」

雪穂「そんな……」

花陽「退いて欲しいな、ふなっしー」

ふなっしー「………………」

花陽「きくつもりは、ないよね……私は音乃木坂学園一年小泉花陽、ユニットは……プランタン!」

雪穂「花陽さん!」


花陽「いきますっ、告白日和ですっ!」


雪穂「はなよさーん!!!!!!!」

ふなっしー「………………」

花陽「くっ、まだです! ラブ・マージナル!!」

雪穂「ふなっしーの反撃を凌いだ!」

花陽「今です、私が相手をしてる内に逃げてください! それと穂乃果ちゃんのパンツを!」ヒュッ

.
ふなっしー「………………」

花陽「はやく、逃げて!」

雪穂「これがお姉ちゃんのパンツ、分かりました……先輩!」

花陽(わたし、嬉しかったよ……先輩って呼んでくれて)


 そして部室に


 バタン!

雪穂「お姉ちゃん!」

穂乃果「雪穂! …………かよちゃん、は?」

雪穂「……それが、私を庇って」

穂乃果「くっ、なんて酷い! かよちゃんまで」

えりち「最悪の状況ね、これでプランタンは確実に形成できない」

のぞみ「まともに活動できるのはビビだけやん……ウチもうみちがやられちゃったし」

凛「ああああああっかよちーん、わあああああっ」

真姫「凛、悲しいのね……私も同じだわ」

穂乃果「でも、今は泣いてる暇じゃない。三人がやられた以上、ミューズは……引けない」

えりち、のぞみ、にこ、凛「うん!」

真姫「…………」

雪穂「あ、あのっ」

穂乃果「雪穂? どうしたの、改まって」

雪穂「わたしが補う、花陽さんの分。難しいかもしれないけど……」

穂乃果「だめだよ、雪穂」

雪穂「そんな! 私だって出来る、やりたい! ミューズをこんな目にしたアイツを許せない!」

.
穂乃果「気持ちは分かる、でも戻ってきたからと行って、無闇に動くことはダメだよ」

雪穂「お姉ちゃん、わたし花陽さんから託されたんです」

穂乃果「これはっ! 私のパンツを雪穂に託すなんて、かよちゃんはそこまで信頼してたんだね」

雪穂「だから私はその信頼に答えたい」

穂乃果「……分かったよ、雪穂」

雪穂「お姉ちゃん!」

穂乃果「雪穂のするべきこと、でも、それは前線で動くことじゃない」

雪穂「えっと、それって」

穂乃果「雪穂の友だちを集めて欲しいな、作戦は後で説明するよ?」

雪穂「うん、わかったよお姉ちゃん」

穂乃果「ありがとう」

.
穂乃果「ところでえりちゃん、のぞみちゃん……二人の状態は?」

えりち「全然だめ、あの時から一向に変らない」

のぞみ「一応、ウチのスピリチュアルパワーをちゅーにゅーしてみたんやけど」

穂乃果「というと?」

えりち「見せたほうが早そうね、のぞみお願い」

のぞみ「分かったやん、のぞみぱわーを貴方にちゅーにゅー! はーい!」


のぞみ「ぷしゅ!」


海未「はっ……ここは! はふーん♪(。゜▽゜)」ガクッ

だって可能性感じたんだ

.
穂乃果「こ、これわ!」

えりち「ええ……こういう状況よ、すぐ戻ってしまう。つまり有効打ではない」

穂乃果「でもアイドルの力が有効なのは間違いなさそう、にこちゃんは?」

えりち「試してみたわ、一応見てみる?」

穂乃果「うん、お願い、やってみて」

えりち「オッケー、にこ! お願い!」

にこ「まったく、しょうがないわねー。いくわよ? にっこ! にこ! にー!」

穂乃果「……ゴクリ」

にこ「あなたのハートににこにこにーの矢沢にこです!」

穂乃果「いつみても凄い迫力」


にこ「にこにーって覚えてラブにこっ!」


ことり「ちゅちゅ……はふーん♪(。゜▽゜)」」

このふなっしー無口だな

.
穂乃果「同じか、もっと強力ならあるいは……そうか!」

えりち「穂乃果?」


穂乃果「そうだよ! ライブをしよう!」


えりち「無茶よ、分かってるでしょう、今出来るユニットは一つしかない!」

のぞみ「その一つでなんとか明日のライブをやる、それが最善策やん!」

穂乃果「だからお願い、真姫ちゃんにこちゃん、えりちゃん。三人にライブは任せたよ」

えりち「穂乃果、襲撃される可能性がある以上、私たちに囮になれ、と言うのよね?」

穂乃果「ごめん、悪いけどそうなる。でも絶対に、九人でライブはする」

にこ「仕方ないわね、そこまで言うんだったら私はやるわ!」

穂乃果「にこちゃん、ありがとう!」

にこ「当然よ」

.
真姫「話は聞かせてもらったわ」

穂乃果「真姫ちゃん……お願い、ミューズのためなんだ」

真姫「こればっかりは穂乃果の願いでも聞けない」

えりち「真姫!」

にこ「真姫ちゃん、言ってること分かってるの?」

真姫「いやよ、そこの二人みたいになれなんて」

にこ「逃げるって言うの、真姫ちゃんの覚悟はそんなものだったっていうの!」

真姫「うん、逃げるわ」

にこ「アンタねえ!」

えりち「やめなさい!!」

にこ「えりっ、離して! ふなっしーよりも今は真姫ちゃんが許せないっ!」

真姫「…………っ、ふん! いってりゃーいいじゃないっ!」

 バタンッ

.
穂乃果「行っちゃった」

えりち「にこ、追いなさい」

にこ「はあ? 真姫ちゃんが自分から逃げたのよ?」

えりち「そうよ、だから追いなさい。明日のライブを行うにはビビが要よ、真姫は外せない」

にこ「でも……」

えりち「無茶、させたくないのね?」

にこ「は、はあ!? あの流れでどーしてそんな事が言えるわけ」

えりち「私が止めなくても、飛び掛らなかったでしょ、すんでで止めたんでしょ?」

にこ「ギクゥ」

穂乃果「にこちゃん……」

にこ「ったく、しかたないわねー……! ほんと世話の焼ける子なんだから(ブツブツ」

 バタンッ

.
穂乃果「いっちゃったね、にこちゃんも。 ……ね、えりちゃん?」

えりち「うん」

穂乃果「どうするつもり、かな?」

えりち「ライブ会場には私一人で行く、それしかないと思う」

穂乃果「そっか……」

えりち「にこと真姫の二人を蔑ろには出来ない。かといってライブを前にした人を裏切れない」

穂乃果「うん、その通りだと思う」

えりち「だからこそ、穂乃果たちには、海未とことりを助けて欲しい」

穂乃果「分かったよ」

えりち「ふふ、ここ賢い可愛いエリーチカに任せて頂戴」

穂乃果「うん、任せる」

えりち「さて、問題は後一つね」

.
凛「かよちんの、救出……かにゃ」

穂乃果「ごめん、今の私たちにかよちゃんを助けることは出来ないんだ」

凛「そんなっ! にこちゃんだって真姫ちゃんを追っかけたんだよ? 凛もかよちんを助けたいにゃ!」

穂乃果「……穂乃果も、同じだと思う」

凛「えっ?」

穂乃果「もし、凛ちゃんと同じ立場だったら、穂乃果はきっと助けに行くと思う」

凛「なら、いかせてほしいにゃ! かよちんを助けて、みんなでライブをするにゃ」

穂乃果「凛ちゃんの言ってることは間違ってないし、その目標も正しいと思う」

凛「凛は強くなるにゃ、強くなって、強くなってかよちんとずーっと一緒にいるにゃ!」

穂乃果「わかるよ、だけど……今、凛ちゃんが助けに行っても、稲刈りが稲になるだけだと思う」

.
凛「言ってることがよくわからないにゃあ……」

穂乃果「つまり、凛ちゃん一人で行っても、反撃されるだけだよ」

凛「もう、凛は行くにゃ……穂乃果ちゃんに許しを請うまでもないにゃ!」

穂乃果「だめだよ、いかせない。凛ちゃんにはかよちゃんを助けるためにも行っちゃダメなんだ」

凛「それって……どういうこと、なの?」

穂乃果「凛ちゃんが行っちゃったらね、デュエットができない」

えりち「なるほど、凛と穂乃果なら歌える曲があるわね」

穂乃果「そう、私と希ちゃんじゃ残念だけどソロ二人分の力しか出せない、でもデュオなら?」

のぞみ「倍、いや三倍、それ以上や!」

.
穂乃果「だからこそ、凛ちゃんには二人を元に戻すことを手伝って欲しい」

えりち「なるほど、考えたわね。五人となれば、あるいは花陽を助けられるかもしれない」

のぞみ「助けるだけやけどな」

穂乃果「まあね」

のぞみ「でも……上手くいくん? だって、ヒデコ、フミコ、ミカは本物のライブの演出やし」

穂乃果「そのための雪穂たちだよ」

凛「穂乃果ちゃん、そこまで考えて……」

穂乃果「救出ライブの演出は雪穂たちにやってもらう、踊る以上に厳しいかもしれないけど。丁度いい特訓になればいい」

えりち「決まりね、明日は私が前線に出る。にこは真姫の回収、穂乃果と凛は海未とことりの回復、そしたら花陽を助けて……」

穂乃果「九人で、ライブをしよう」

.
のぞみ「ええけど、ウチがちょっと手持ち無沙汰やん」

穂乃果「のぞみちゃんはどうしたい?」

のぞみ「えっ……ウチが、どうしたいか?」

穂乃果「うん。えりちゃんのサポートで、硝子の花園も全然いいと思う」

えりち「そうね、うんうん」

穂乃果「逆に私たちのサポートに回ってくれる事も嬉しい」

えりち「のぞみは、のぞみのしたい事をすればいいと思う」

のぞみ「う、ウチは…………」

のぞみ(どうしよう、これまではみんなが心配で仕方なかったからアイドルも続けてこられた、でも……)

のぞみ(ううん、こんなのウチやない……ウチはウチらしく! やりたいことをやるだけやん!)

.
えりち「のぞみ、大丈夫?」

のぞみ「ウチはふなっしーを捉える!」

穂乃果「なっ!」

えりち「のぞみ、あなた今の話を聞いてなかったの? そんなの凛と同じよ!」

のぞみ「違うやん、ウチは直接ふなっしーと対峙することはしないんよ」

穂乃果「…………というと、どんなことかな?」

のぞみ「確かに、穂乃果ちゃんの作戦は完璧や、筋も通ってる……でも、一つ見落としてるやん」

穂乃果「そうか、ふなっしーが移動する可能性だね?」

のぞみ「あちゃー、キメ顔で言ったのになあ。大正解、穂乃果ちゃん」

.
穂乃果「私たちが二人を回復させても、ふなっしーの捜索に時間は掛けられない」

えりち「そうね、きっと時間はないわ」

穂乃果「一刻でも早くライブ会場に辿りつけなきゃ……」

えりち「お客様に迷惑がかかる、そこで一定距離にのぞみを設置させて、迅速な展開を可能にする」

のぞみ「どう、ウチに任せてみない?」

穂乃果「任せたよ、のぞみちゃん……みんなのアイ活がのぞみちゃんに掛かってる」

のぞみ「ふふ、ありがと」

えりち「のぞみが心配させるなんて、びっくりしたじゃない。これは雪でも降るかしら」

のぞみ「そうしたら、スノーハレーションで一気にキメるやん!」

穂乃果「くれぐれも、気をつけてね」

のぞみ「うん!」

.

 深夜、例の公園


真姫「しつこいじゃないっ」

にこ「あきらめが悪いわね、ホント」

真姫「まったく、今回だけは降りさせてもらうって言ってるじゃない……」

にこ「でも本当は? 真姫ちゃんは悔しくないの? アイドルとして、いいえミューズとして」

真姫「悔しいわよ! スクールアイドルやって、みんなで頑張ってきた!

にこ「真姫ちゃん……」

真姫「私だってね、ゆるきゃらなんかに負けたくないわよ!」

にこ「じゃあ、にこと一緒に行こう?」

真姫「…………」

ふなっしーの中の人って男?それとも女?

考えてないです

.
真姫「でも、だって……」シュン...

にこ「ああもう! ハッキリしないわねぇ、もういいわっ」

真姫「えっ」

にこ「怖いのはいつだって同じよ! どんなライブだって私は怖い。失敗したくない、みんなに笑って欲しい!」

真姫「それは、そうだけど」

にこ「笑ってもらえなかったら、って思うと足が竦んで動かなくなっちゃう!」

にこ「だけ私はどやりたいの、踊りたい、歌いたい! だからやる、後先なんて考えない」

真姫「にこちゃん、どうしてそこまでの事が」

にこ「明日の午後三時からライブはやるわ。その三十分前までに来なさい、わかった?」

真姫「にこちゃん………」

.

 翌日、某ライブ会場


えりち「集まったのは結局、にこだけね」

にこ「ふん、好きにすればいいわ。やりたきゃ来るし、来なきゃ来ないで、初のデュエットよ」

えりち「それにしては、さっきから着信履歴を確認してるみたいだけど?」

にこ「なーにーよー、私が来て欲しいって思ってる、なんて言いたいわけ?」

えりち「ええ、率直なところね。真姫の事を一番気にかけているの、にこだもの」

にこ「そういうことよく恥ずかしげもなく言うわね」

えりち「ええ、のぞみにでも当てられたかしら?」

にこ「この際だからハッキリしといてあげる、私があの子を気にかけているのはね」

えりち「うんうん」

にこ「仲間だからよ!」

にこ「一緒に踊る、一緒に歌う、決して欠けることなんて許さない、だからにこと一緒に来て欲しい、そう思ったの!」

えりち「ほうほう、それで?」

にこ「うっさいわね、気になるからよ」

.
真姫「」ぽけー

にこ「ま、ままままっままままあ真姫ちゃん!?」

えりち「真姫、来てたの?」

真姫「え、ええ。六十時間くらい前かしらー、まままま真姫ちゃんが? 遅刻しちゃう? そんな事、あるわけ」

にこ「ま、真姫ちゃん、今の聞いてた?」

真姫「」プシュー

にこ「まあ、来てるなら言葉は不要ね、時間になり次第始めるわ。うんうん」

真姫「…………」

にこ「ヒデコ、フミコ、ミカ、準備お願いするわ」

ヒフミ「ラジャッ!」

えりち「そろそろ開演よ、私は先に衣装に着替えておくわ」

にこ「そ、そう、絵里は先に行ってね」

.
にこ「」

真姫「」

にこ「えっと、その……ありがと」

真姫「えっ」

にこ「私がありがとう、って言ってるのよ。感謝しなさい」

真姫「な、なんで私が感謝しなきゃいけないのよ!」

にこ「ふふ~ん♪ しっ、ライブ前に声を荒げると、のどを痛めちゃうゾ」

真姫「!!!!!!!!!!!!!!」

にこ「じゃあ私、先に舞台で待機してるから」スタスタスタ

真姫「にこちゃん」

にこ「え、ええ?」

真姫「あ、ありがと」

不気味おもしろい

.

 三時間前、講堂


雪穂「照明準備できたよ、お姉ちゃん!」

アリサ「音響、舞台準備整いました!」

穂乃果「ありがとう! じゃあ凛ちゃん、行くよ?」

凛「凛も心の準備、かんりょーしてるにゃ!」

海未「はふーん♪(。゜▽゜)」

ことり「はふーん♪(。゜▽゜)」

穂乃果「今、助けてあげるからね。海未ちゃん、ことりちゃん……」

海未「はふーん♪(。゜▽゜)」

ことり「はふーん♪(。゜▽゜)」

穂乃果「穂乃果たちのアイカツはこんな所で終わらない」

凛「穂乃果ちゃん、はやく」ソワソワ

穂乃果「今、それを思い出させてあげるよ」

.
雪穂「3!」

アリサ「2!」

名無しちゃん「1!」


穂乃果&凛「マーメイドフェスタ、ツー! パッションネイト!」


穂乃果(起きて海未ちゃん、ことりちゃん。私ね、嬉しかったんだよ)

穂乃果(アイドルしようって決めたとき、ことりちゃんは着いてきてくれたよね)

穂乃果(海未ちゃんは私に厳しくしてくれた、だから始められた、だから一緒に歩いて来れた!)

穂乃果「目を、覚まして!」

海未「…………」

.
海未(――ううん、ここはどこでしょ)

海未(たしか、謎のゆるきゃらに襲われて、そもそも襲われたんでしょうか)

海未(なんだかよくわからないまま、穂乃果と叫んで)

海未(今に至る訳ですね)

海未(流石に、夢うつつの状態は気分が悪いです)

??「――み、ちゃん! ――う――みちゃん!」

海未(この声は……)


海未「穂乃果!」ガバッ


穂乃果「海未ちゃん! 目を覚ましてくれたんだねっ!」

海未「ここは、講堂? 私は一体なにを……」

穂乃果「ふなっしーから私を守って、それでっ」

海未「なんだか分かりませんが、穂乃果を泣かせるような事になっていたようですね」ピキピキ

凛「パイプ椅子が握りつぶされたにゃあ」

.
穂乃果「な、泣いてなんかないよっ?」

海未「無理をしないでください」ナデナデ

穂乃果「うわーん」

海未「それで今はどんな状況なんです? ライブは?」

凛「ライブまで時間はないにゃ。かよちんは前のライブの機材を回収しに行ったきり……にゃ」

海未「なるほど一日近く寝ていたわけですね。それと花陽まで手をかけるとは、許せません」

穂乃果「わー、海未ちゃーん! 頼もしいよーっ!」

海未「いきなり抱きつくなんて穂乃果!?」

穂乃果「穂乃果ね、頑張ったんだよ! みんな、みんな、すっごく大変でっ」

海未「穂乃果……頑張りましたね。衣装まで着て、ライブでもしたんですか?」ナデナデ

穂乃果「うん! 海未ちゃんと、ことりちゃんを取り戻すにはライブが一番だって、そう思ったから」

海未「そうですか、お疲れ様です。そういえば、ことりは?」

穂乃果「ことりちゃんは……」

ことり「はふーん♪(。゜▽゜)」

.
海未「なるほど、私もこんな廃人だった、という訳ですね?」

穂乃果「うん、凛ちゃんと一緒にマメフェスを踊ったけど、目を覚ましたのは海未ちゃんだけで」

海未「穂乃果、ここは私に一仕事させてください」

穂乃果「海未ちゃん……」

凛「ソロライブかにゃ?」

海未「そんな時間はないでしょう、ライブまで時間は?」

凛「一時間もないにゃ」

海未「それに花陽まで助けるとなると、やはり一肌脱ぐしかありませんね」

海未(出来れば、使いたくはないのですが。でも穂乃果を泣かせたくはない、穂乃果には笑顔でいて欲しい)

海未「だから見ててください、私の変身」

.
穂乃果「行っちゃった」

凛「着替えに行っちゃったにゃー、ライブはしないんじゃないかにゃ?」

穂乃果「まさか!」

凛「なんにゃ!?」

穂乃果「い、一度だけ見たことがある。海未ちゃんが一度も着たことない、ことりちゃんさえ作ったことがない、衣装」

凛「そんなモノがあるのかにゃ」


海未「お待たせいたしました」(海未ちゃんUR衣装


穂乃果「海未ちゃん!」

凛「す、すごいにゃ……」

.
海未「あまり見ないでください、恥ずかしいんですから」

穂乃果「こ、これを一人で作ったの?」

海未「はい、こういう衣装、私だって着たいんです」

穂乃果「ほえー、すっごい」

海未「さて、弓を引きます。穂乃果と凛は下がって」

穂乃果「は、はい!」

凛「気圧されるにゃあ」

海未「ことりのハート、打ち抜くぞーっ!」

穂乃果「」

海未「ひっさーつ! ラブーアローッ、シュー――ッ!」


海未「バァン!」ドスッ


凛「うっ頭が」

.
穂乃果「こ、これは」

凛「コメントできないにゃあ……」

海未「さて、ことりはどうでしょう」モジモジ

ことり「ちゅ……ちゅん……ちゅんちゅん……ちゅーん、ちゅーん」

穂乃果「ことりちゃん!?」

ことり「Hallow world」

海未「ことり!」

凛「す、すごいにゃあ……かんたんに目を覚ましちゃったにゃあ」

ことり「ちゅちゅん! 目が覚めたちゅん、ここはどこちゅん!」

海未「かくかくしかじか」

ことり「ちゅちゅん! 分かったちゅんかよちゃんを助けに行くちゅん!」

穂乃果「よしいこう、かよちゃんを助けに!」

凛「にゃーっ!」

.
アリサ「いっちゃいました、ね」

雪穂「うん、いっちゃった」

アリサ「ほんとにお姉ちゃんたちってすごいなあ、憧れます」

雪穂「私は憧れない、むしろちょっと妬ましいかな」

アリサ「えっ」

雪穂「お姉ちゃんたちは、私の欲しいもの全部持ってるんだもん」

アリサ「ハラショー……私も同じです。夢に向かうこと、真っ直ぐになること」

雪穂「なによりも、支えあえる仲間がいる。いつか、いつかきっと私も」

アリサ「いつかなんて、ことはないですよ、きっと」

雪穂「いつか乗り越えてブチ倒してやる」

アリサ「えっ」

.

 一方その頃


のぞみ「ふぁーあ、朝からつかれるやん」

のぞみ「まあ、お互い一歩も動いてないんだけど。妙な動きどころかピクリともしないやん」

ふなっしー「…………」

シャバドゥビタッチヘンシーン シャバドゥビタッチヘンシーン シャバドゥビタッチヘンシーン

のぞみ「穂乃果ちゃんから電話やん、ぴ!」

穂乃果『もしもし、希ちゃん?』

のぞみ「はーい、ミューズ一番のスピリチュアル少女、あなたの今日のうんせーは大吉!」

のぞみ「あなたのためのラッキーガール、とーじょーのぞみです!」

穂乃果『げ、元気だね』

のぞみ「半分徹夜テンションなの、分かる?」(低い声)

穂乃果『はい』

.
穂乃果『それでね、今からかよちゃんを助けに行くんだけどー、場所は?』

のぞみ「えーっと、元のライブ会場やん。機材もそのまんま、ただね」

穂乃果『どうかしたの?』

のぞみ「かよちんの姿が昨日から見当たらないの」

穂乃果『どういう、こと?』

のぞみ「分からないやん、ただかよちんの眼鏡をかけてるってことだけは分かるやん」

穂乃果『当たって見るしか……』

のぞみ「ないやん?」

穂乃果『分かった、すぐ行くよ!』

のぞみ「わかっ……きゃあっ! は、走ってきた!」

穂乃果『のぞみちゃん!?』

のぞみ「早すぎるやん! き、きもいー!」

なんだかセンパイシリーズの狂気がところどころに垣間見える

なんだこれ

.
穂乃果「で、電話が切れた」

凛「そ、それでかよちんは無事なのかにゃ」

穂乃果「それが、姿が見えないみたい、どこかで無事なのか」

凛「でもかよちんの電話は繋がらないにゃ……」

海未「急いだほうがよさそうですね、希も心配です。ラブアローシュートも使ってしまいましたし」

穂乃果「一回しか使えないんだ……」

海未「使いたくないだけです」

ことり「ちゅちゅん! 善は急げちゅん、のぞみちゃんも助けるちゅん!」

穂乃果「目指すは旧ライブ会場、急ごう!」

ことり「ちゅちゅん!」

ことり(ことりも必殺技が欲しいちゅん)

.

 一方のぞみちゃん


ふなっしー「……」

のぞみ「純愛レンズっ! っダメやん、ひーっ!」タッタッタ

ふなっしー「…………」

のぞみ「でもウチのメリットは弾数やん! のぞみぱわーちゅーにゅー!」タッタッタ

ふなっしー「………………」

のぞみ「はーい、ぷしゅ!」スタッ

ふなっしー「……………………!」

のぞみ「ええやん、食い止めたやん! もういっちょ! ぷしゅしゅしゅしゅしゅしゅしゅしゅしゅ」

ふなっしー「……………………」

のぞみ「ひーっ、くるなーっ!」タッタッタ

.
のぞみ「つ、疲れるやん! これからライブやん!」

ふなっしー「……………………」

のぞみ「ひーっ、ぷしゅ!」

ふなっしー「Private wars」

のぞみ「へっ、弾かれた?」

ふなっしー「告白日和」

のぞみ「ウチたちのライブを真似するなんて、ひきょーものっ!」

ふなっしー「孤独な」

のぞみ「まさか、その曲はっ! かよちんの曲!」

ふなっしー「!」

ふなっしー強いな…

センパイシリーズってけいおんだよね
昔けいおんSS書いてた層はラブライブに流れたのか

.
ふなっしー「………………」ガクガクガクガクガク

のぞみ「よ、様子がおかしいやん!」

ふなっしー「っしー!」

のぞみ「しゃ、喋ってるのをみると、なんかあるっぽいー!?」

花陽「……ぞみ……ちゃん……のぞみちゃん!」

のぞみ「ぎゃーっ! かよちんの生足がふなっしーの目玉から生えてるぅ!」

花陽「逃げてください! ふなっしーはアイドルを飲み込んで、亡き者にする気です!」

のぞみ「こ、怖いやん!」

花陽「恐らくゆるきゃらの商品展開に、都道府県の別のスクールアイドルが邪魔なのでしょう」

のぞみ「そ、そーなの?」

花陽「既にアライズは手に落ちてます」

のぞみ「衝撃の事実、ウチ撤退を覚悟」

ふなっしーが化け物ってことを学んだ

.
花陽「それでいいんです、逃げてください。私が抑えてる以上、孤独なヘブンはさせません!」

ふなっしー「!」

花陽「きゃあ!」

のぞみ「かよちん!」

ふなっしー「孤独な」

のぞみ「きゃっ…………」

ふなっしー「……………………」

のぞみ「ん、んん? だ、大丈夫やん、生きてるやん」


穂乃果「待たせちゃったね」スタッ


のぞみ「ほのかちゃん!」

.
海未「私もいますよ?」

ことり「ちゅちゅん! ことりもいるちゅん!」

凛「凛もいるにゃー」

のぞみ「みんな! まるで筋肉マンみたいな展開やん!」

ふなっしー「………………」

のぞみ「穂乃果ちゃん、聞いて。ふなっしーは全てのアイドルを破壊するつもりなの」

海未「いきなりとんでもなく物騒な話ですね」

ことり「ちゅちゅん! 話が読めないちゅん!」

のぞみ「よーするに、ウチらアイドルは商売敵ってところやん! そのためにアイドルの力を奪い続けてるやん」

凛「そんな、ひどい!」

.
のぞみ「既にアライズのみんなは取り込まれてて、かよちんは中で耐えてるみたい!」

凛「かよちんは生きてるんだにゃ?」

のぞみ「なんとかやん、けど、それも時間の問題やん」

凛「どういうことにゃ」

のぞみ「ふなっしーはアイドルの力を吸収して真似できる。吸収されたアイドルは……」

穂乃果「取り込まれるんだね、ラブライブってこんなんだっけ」

凛「とにかくやっちゃうにゃー」


穂乃果「いくよみんなっ! ミューズ、ミュージック――スタート!」ウィンウィンウィンシャキーン

.

筋肉マンみたいな展開吹いたw

.
理事長「スクールアイドルミューズ、彼女たちが衣装チェンジにかける時間は僅かコンマ一秒である」

穂乃果「凛ちゃん、分かってるね? かよちちゃん助けられるのは凛ちゃんだけ」

凛「……言われなくても、そのつもりにゃ。凛が、凛がかよちんを助けるにゃ!」

穂乃果「私たちの誰かじゃない。凛ちゃんが、凛ちゃんの力で……もう一度、かよちゃんの手を掴んであげて」

凛「うん!」

海未「それで、どうするつもりです?」

穂乃果「私たちが引き寄せる、そしたら背後から希ちゃんがわしわしMAXで抑える」

のぞみ「りょーかいやん!」

穂乃果「後は、分かるね」

凛「分かったにゃ。危ないけど、怖いけど、凛がやらなきゃ――ううん、凛がやるんだ」

.
ふなっしー「シィィィイイイ!」(ダンッ

穂乃果「早いッ! 海未ちゃん、ことりちゃん……スタート・ダッシュだよ!」

海未「分かってますよ穂乃果、私たち三人の力を見せるときです!」

ことり「ちゅちゅんがちゅん!」

ふなっしー「………………!」

のぞみ「よし、囲んだやん!」

穂乃果「くらえ、」

海未「私たちの、」

ことり「――――夢!」

三人「スタート・ダッシュ!」アイセー

.
穂乃果(――抑えたッ、これで三分、いや四分は抑えられる!)

海未(――最初に会ったときは不意を突かれましたが、今は違います。)

ことり(――ちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅ!)

ふなっしー「!!!!!!」

穂乃果「のぞみちゃん、今だよっ!」

のぞみ「…………ぐわし! わしわしマックスやで~」モミモミ

ふなっしー「!?!?!?!??!?」

穂乃果「よし、これで確実に抑えたッ! 凛ちゃん、今だよっ!」

凛(凛はやるよ、凛がやるよ、凛が歌うよ、凛がかよちんを助けるよ)コツ コツ コツ

凛「覚悟するにゃ!」グッ

変身ヒーローなのかな(困惑

.
凛「恋のシグナル!」

穂乃果(来た!)

のぞみ「ううっ、もう耐えられないやん! はやく!」

ふなっしー「…………!!」


凛「rin rin ring a bell」


ふなっしー「!?!?!?!?!?!?!??!?」

のぞみ「わわわわわわわわわ」

穂乃果「のぞみちゃんが巻き添えを食らってる!」

のぞみ「ううううううウチのことはええやん! む、むしろ力が沸いてくるやん?」

凛「rin rin ring a bell」

のぞみ「うおーっ! ウチも一気にキメるやん! 純愛レンズ、ぐわし!」

.
ふなっしー「…………!!!!」

花陽「………………り、凛ちゃん!」

凛「かよちん! どこにいるにゃあ、声だけ聞こえるにゃ!」

花陽「うんとこしょ、どっこいしょ」モソモソ

凛「アタマが出たにゃあ、ふなっしーのお腹からアタマだけにゅーって出たにゃあ」

花陽「ダ、ダレカタスケテー」

凛「今いくにゃぁぁぁああああああああ!」タッタッタ


凛「かー よー ちーん!」ぐわし


凛「うんとこしょ、どっこいしょ」

..
花陽「凛ちゃん、逃げて! ふなっしーがそろそろ動き出す!」

凛「い、嫌にゃ! もう凛は逃げないにゃ、かよちんと一緒にいるってそう決めたにゃ!」

ふなっしー「………………」

凛「この手はもう一度だって離さない、凛はいつだってどこでだって、かよちんの傍で居たいんだにゃ!」

ふなっしー「!!!!!」

凛「きゃあっ……」ポーン

のぞみ「やーんっ!!」ド ス ン

花陽「凛ちゃん、花陽はうれしい、そうやって手を伸ばしてくれて、アイドルになった時も」

凛「ううん、そんな湿っぽいの凛は嫌いだにゃ!」スクッ

穂乃果「立ち上がった!」

チェンゲのインベーダーみたいだな

.
凛「かよちんも、せーいっぱい歌って踊るにゃ!」

花陽「えっ……」

凛「かよちんはアイドル続けたいんでしょ! それならもっと、わがままになっていいんだよ!」

花陽「凛ちゃん……」

凛「凛がかよちんと一緒にいたいのも我がまま、だからかよちんのせーいっぱいの我がままを凛にぶつけて!」

花陽「分かったよ、私はこんなところでアイドルを止めたくないもん」

凛「にこちゃんは居ないけど、せーいっぱいで決めるにゃ!」


りんぱな「リストゥン、マイ、ハート!」


ふなっしー「!!!!!!」

花陽「うううんん、えいっ! 」

凛「うんとこしょ、どっこいしょ」

.
穂乃果「穂乃果も手伝うよ!」

海未「私もいますよ」

ことり「ちゅちゅん! 忘れては困るちゅん!」

のぞみ「ウチも負けてられないやん!」


みんな「うんとこしょどっこいしょ!」


凛「それでもかよちんは抜けないにゃー!」

ことり「ちゅちゅん! みんな伏せるちゅん!」ヌギヌギ

穂乃果「ま、まさかそれは!」


ことり「ことりのいちごパンツ見て欲しいなっ」ヒュッ


穂乃果「伏せろーッ!」

凛「rin rin ring a bell :(」

.
ふなっしー「!?!?!?!?!?」

 ドカーン

凛「かよちーん!!!!」

 モクモクモク

花陽「り、凛ちゃん……ケホケホ」

凛「よ、よかったにゃ……生きてるにゃ」

花陽「ことりちゃんのパンツが爆発物なんて……ケホケホ」

凛「かよちーん! さみしかったにゃあ!」ぐわし

花陽「凛ちゃん!?」

凛「うう、よかったにゃあ……ぐすっ、ぐすっ」

花陽「ありがとね、りんちゃん。花陽は嬉しかったよ、とっても」

凛「ぜーったい、ぜーったいに話さないにゃ! かよちんを一人になんてしないにゃ!」

穂乃果「雪穂、南無」

.
ふなっしー「………………」

花陽「皆さん、ふなっしーが動き始めます。さ、凛ちゃんも立って!」

凛「うん! みんな行くにゃ、もうライブが始まってるにゃー!」

ふなっしー「……………………」

ことり「ちゅちゅん! ことりのパンツは遅効性ちゅん、その効果が残ってる間に距離を開くちゅん!」

花陽「まだ効果が残ってるのォ!?」

 タッタッタ

花陽「ライブ会場に急ぎまショウ! 九人でライブをして、あわよくばライブの力でふなっしーを……」

穂乃果「どういうこと、たしかにアイドルを飲み込むとかなんとか言ってたけど」

花陽「ふなっしーは要するに偵察兵です。一気に押しつぶせるかどうか、確認しに来た尖兵なのです」

海未「なるほど、その言い方であれば奥にもっと巨大なモノが控えてるんですね」

花陽「はい。いま地球の上には巨大な宇宙戦艦があり、ゆるきゃら軍団が待ち構えています」

のぞみ「ウチ、そろそろ目覚ましが鳴ることに期待する」

.
穂乃果「壮大だね。ライブが終わったら一筆書こう、うんうん」

海未「うーん、似たような物が世の中にはありそうな気がしますよ。戦うアイドルとか」

穂乃果「とにかく! 私たちがライブをやる事は事実だし、時間がないのも同じ」

海未「そうですね、別にゆるきゃらがどうとかって余り関係ないですしね」

ことり「ちゅちゅん! はやく絵里ちゃんと真姫ちゃんと、にこちゃんに会いたいちゅん!」

のぞみ「その勢いやん、目の前のことを精一杯やる! それがウチらミューズやん!」

凛「いくにゃ、凛たちのラブライブにゃ!」

花陽「うん!」

.

 一方その頃、ライブ会場


えりち(――遅いわね、思った以上に苦戦してるのかしら)

にこ(せめて時間には間に合わせなさいよ……まったく)

真姫(無事なら、それで、いいんだけどっ!)

三人 スタッ

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

えりち「さて、次の曲は……ゼエゼエ」ガクッ

観客「!?!?!??!?!??!?!?」

真姫「えりちゃん!?」

にこ「えり!?」

えりち「大丈夫よ、立てるわ……」スクッ
観客「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

.
観客「ミューズ! ミューズ! ミューズ! ミューズ!」

真姫「これは、一体……」

観客「ほ・の・か! ほ・の・か! ほ・の・か!」

にこ「くっ、化けの皮が剥がれるわね……不味いわ」

観客「こ・と・り! こ・と・り! こ・と・り!」

えりち「一旦引くわ、衣装換えって事にしましょう……」

にこ「疲れてるわね、絵里。残念だけど、三人でできる曲はもう無いわ」

真姫「それってつまり……」

にこ「衣装換えが理由にならない。ましてや衣装換えには時間が掛かる」

えりち「お客様を、冷ましてはならない……」

にこ「そうよ、不味いわね……テンポが崩れる」

えりち「いいわ、ソロライブで回しましょう。ありふれた、かなしみの」

にこ「無理よ、その体じゃ」

真姫「せめて休まないと」

にこ「なら、私たち二人で回すしか……」

ここまで長期戦になるとは思わなんだ

さるさん

そりゃさるるわ

.

 テーテレーテテー♪


えりち「この曲は……まさか、僕らは今の中で……?」

 タッタッタ

穂乃果「お疲れ様、えりちゃん、真姫ちゃん、そしてにこちゃん」

観客「オオオオオオオオオオオオッ!」

にこ「労いの言葉なんて要らない、必要なのは歌うことよ、違う?」

穂乃果「うん、分かってる。えりちゃんも大丈夫?」

えりち「ふふ、任せなさい。私を誰だと思っているの」

穂乃果「お待たせ致しました、みなさん」

穂乃果「聞いてください、僕らは今の中で」

九人「ミューズ、ミュージック……」


観客&九人「「「「スタート!」」」」」


ふなっしー「なっしー……」

ふなっしー「なっしー、スクールアイドルとか舐めてたなっしー」
 
ふなっしー「のんちゃんをエセ関西弁の棒読みと笑ったのは悔しいなっしー」

ふなっしー「思った以上に熱かったなっしー、ふなっしーは悩むなっしー」

ふなっしー「うーん、とりあえずラブライブは応援したいなっしー」

ふなっしー「来年の春が楽しみなっしー、りんちゃんの梨汁プシャーも見たいなっしー」

ふなっしー「アライズも開放したっしー、ふなっしーはこれにて帰還――――」

 ドスッ

ふなっしー「っしー……??????」バタッ

 一週間後、ミューズの奮闘もむなしく、ゆるきゃら軍団による地上の制圧が始まった。

 全国各地のスクールアイドルたちは三日で殲滅され、ゆるきゃらの支配下に置かれた。

 最後に残された希望の土地、東京・秋葉原を最終防衛線としてミューズは立ち上がる。

 「私決めた、やるったらやる」

 穂乃果たちの戦いはこれからだ、おわり。

以上です。
五時間近くの間、ありがとうございました。

面白かったおつ

乙です ああ

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