三毛・ザガリアス「……」(44)
ガチャ
エルヴィン「ミケ、次の壁外調査について話し合いたいことがあるんだが……」
エルヴィン「ん?いないな……トイレにでも行ったのか」
エルヴィン「仕方ない、ソファに座って待っていよう」
エルヴィン「…………?」
三毛猫「……」
エルヴィン「……」
三毛猫「……」
エルヴィン「……三毛猫」
三毛猫「……」スピスピ
エルヴィン「かわいらしいな。しかし何故猫がミケの執務室に」
エルヴィン「窓から入ってきたのだろうか……」
1時間後
エルヴィン「……遅いな。なにをしてるんだ」
エルヴィン「……」チラ
三毛「……」スピスピ
エルヴィン「よく見ると……鼻の下の模様がミケのひげのようだな……」
エルヴィン「……いや、……まさかな……」
エルヴィン「いやいやいやいや……」
エルヴィン「……。……ミケなのか?」ボソッ
三毛「……」パチ
三毛「ニャーン」
エルヴィン「!?!?!?」
ハンジ「でねでね、このあいだの巨人の実験でさ、すっごいことが分かっちゃってね!!聞きたいでしょリヴァイ!?」
リヴァイ「聞きたかねえよ」
バターーン!!!
エルヴィン「リヴァーーーイ!!ハンジーーー!!」
エルヴィン「大変だッッ!!!まずいことになったぞ!!!!!」
ハンジ「ど、どうしたのエルヴィン!?」
リヴァイ「巨人か……!?」ジャキ
エルヴィン「ミケが……!!」
ハンジ「ミケになにが……?」ゴクリ
エルヴィン「こんな姿に……!!」
三毛「ニャー」
リヴァイ「……あ゛?」
いやだあああああやめてえええええあ
リヴァイ「てめえ、おちょくってんのか。さっさとその猫外に返して来い」
ハンジ「さすがにそんなウソにだまされないって~ 新兵じゃあるまいし」
エルヴィン「本当なんだ。ミケを彼の執務室で待っていたんだが、1時間待っても来なくてな……」
エルヴィン「ミケの姿を二人とも、今朝から見たか?」
ハンジ「あれ。そういえばみてないかも…」
エルヴィン「だろう。そして執務室にはこの猫が一匹だけ残っていた。すると、導き出される答えは?」
リヴァイ「まさか……こいつがミケだっていうのか……」
ハンジ「ほんとに……!?」
三毛猫「……」
リヴァイ「……いや待て。人が猫になるなんて、聞いたことねえぞ」
エルヴィン「ああ。私もない。だがよく考えてみてくれ、リヴァイ……」
リヴァイ「あ?」
エルヴィン「ミケはもともと匂いで巨人の位置が分かるくらい嗅覚が鋭かったな……」
ハンジ「!」
エルヴィン「気づいたか、ハンジ。さすが調査兵団のブレーンだ」
ハンジ「まさか!この三毛猫がミケ本来の姿……!?」
リヴァイ「なにぃ……ッ!?」
エルヴィン「そう考えた方が自然だろうな」
三毛「……」ゴロゴロ
三毛「……」バリバリ
エルヴィン「あっ……机でツメを研がないでくれ……ミケ」
リヴァイ「よくよく見りゃ毛色もミケの髪の色に似てるな」
ハンジ「寡黙なところもね」
三毛「……」スンスン
三毛「……」フッ
ハンジ「あの仕草……信じられないけど本当にミケみたいだね」
リヴァイ「おい、どうするんだこいつ。こんなんじゃ兵士として戦えないだろう」
ハンジ「NO.2がこんなことになったことが知られれば大変なことになるね…」
エルヴィン「とりあえず……ミケには調査兵団のマスコットになってもらおうか」
リヴァイ「おいおい」
ハンジ「部下たちには知らせない方がいいよね。動揺させちゃうし」
エルヴィン「ああ。じゃあ私はさっそく内地で猫用のもろもろのグッズを買ってこよう」
ハンジ「猫草も会った方がいいね。よろしくエルヴィン」
エルヴィン「またたびなんかもあったらあげてみたいな」
ハンジ「首輪は何色にするの?やっぱ赤?」
リヴァイ「おい楽しそうだなテメーら」
☆
窓際
三毛「……」ジーッ
ハンジ「ミケ?窓の外をじーっと見つめてるけど、なに見てるの?」
三毛「……」
ハンジ「へえ、そうなんだ」
エルヴィン「なるほどな……猫に戻ってもミケらしいな。ハッハッハ」
リヴァイ「なんでお前ら猫と会話できてんだよ」
リヴァイ「そして何故俺の部屋に居座る……ミケ連れてとっとと出てけ」
ハンジ「だってミケがこの窓際から動かないし~」
エルヴィン「リヴァイの部屋の窓が南向きだからな。日差しが一番暖かいのだろう」
リヴァイ「知るかよ」
ハンジ「ほらそんな仏頂面してないで、リヴァイもミケ撫でてみ?かわいいよ?」
リヴァイ「人型があんなオッサンの猫撫でても楽しくねえよ……」
エルヴィン「まあまあそう言わずに」ガッシ
リヴァイ「実力行使やめろ」
エルヴィン「まあまあまあまあ」グググ
リヴァイ「てめこらヤメロはげ」
エルヴィン「はげちゃうわボケ」グググ
リヴァイ「……」
三毛「……ニャー」
リヴァイ「……ふん……悪くねえなミケ」ナデナデ
ハンジ「わ~ リヴァイが猫撫でてる光景ウケる~」
エルヴィン「まぢ激ャバって感じ~?」
エルヴィン「……ん?誰か部屋に近づいてくるな……」
コンコン
ナナバ「ねえ、ミケが見当たらないんだけど、見た人いる?」
ギクッッ
ナナバ「……え。なんだい いまのギクッッって」
ハンジ「さささささあ?なんのことやら」
リヴァイ「おいハンジ……お前隠しごと下手すぎだ」ウロウロ
エルヴィン「そういうリヴァイも、目がマグロの急襲に怯えるイワシの大群の様だぞ」
エルヴィン「私にまかせなさい、二人とも」
ハンジ「団長さすが!」
エルヴィン「あー、ミケには内地へ伝令に行ってもらってるんだ。急なことでね、今朝発ったんだよ」
ナナバ「そうなんだったんだ。じゃあ私の用事は今度でいいか……あれ?その猫は?」
ギクギクッッ
ナナバ「だからなに、その古典的なリアクション…」
ナナバ「おや かわいい」
三毛「……」フンフン
ナナバ「ハハッ、その仕草まるでミケみたいだな。そういえば君も三毛猫だね」
ナナバ「おもしろい偶然だと思わないか?ねえ三人とも……」
ハンジ「そそそ、そうだね!イヤーまじで偶然の一致ってすごいわー!」ダラダラ
リヴァイ「そうだ、これは偶然であって、その三毛猫がミケってわけじゃねえからな。本当だからな」キョロキョロ
エルヴィン「え?似てる?その猫とミケが?ハッハ、まさか。どこらへんがだい?え?全然似てないと私は思うけどなあ」
ナナバ「……今日なにかあったの?」
支援
ミケさん大好き
>>1は良い趣味してるじゃないか、ミケさんを選ぶなんて…
三毛「……!」バッ
ナナバ「うわ。どうしたの、三毛」
リヴァイ「そいつはミケじゃねえぞナナバ!」
ナナバ「いや分かってるよ」
ハンジ「あっ!ミケが逃げ出したっ!」
リヴァイ「だからミケじゃねえだろ!!」バシッ
ハンジ「痛い!」
エルヴィン「まずい!早くミケ・ザガリアス、調査兵団実力NO.2のあの男を追いかけるぞ!!」
リヴァイ「テメーら隠す気あんのかゴラァ!!」
ダダダダダッ
今日はこのへんにしときますね
ミケさんいいですよね。ミケSS増えろ…増えろ…
おもしろいw
ザガリアスだったっけ?
ザカリアスだと思ってた
うわあ。ザカリアスでした ごめんなさい
堂々と間違えてた…はずかし
タッタッタッタ
三毛「……」
バタバタバタバタッ!!
エルヴィン「うおおおおおおおっ!!待てぇぇえミケーーーーー!」
ハンジ「ミケーーーーーーーーッ!!!」
リヴァイ「なんだ?部屋に入ってくぞ」
ペトラ「っきゃー!オルオなんとかしてよー!」
オルオ「おおおおお落ち付け!!とりあえず隅に追いやってだな…!」
ペトラ「ひぃぃ、こっちこないでーーー!……って、団長!?」
オルオ「ハンジ分隊長に兵長も!?ど、どうしたんですか!?」
エルヴィン「いや……」ハァハァ
エルヴィン「この部屋にミケが来なかったか?」
ペトラ「ミケ分隊長ですか?いえ、来てないですけど」
リヴァイ「だからミケって呼ぶなよ。それより騒いでたが何があった?」
ペトラ「そ、そ、それがですね!奴がでたんですよ!!」
ハンジ「奴?奴ってだれ?」
カサカサカサ……
ペトラ「うわああああっ!!でてきたぁあぁぁぁ!!」
ハンジ「なんだ。ゴキブリか」
三毛「……」ダッ
ハンジ「うお!ミケ!?」
ハンジ「ミケ!まさかゴキブリを!?」
オルオ「え?ミケさんいるんですか!?どこに!?」
三毛「……」ピョーン
エルヴィン「ミ……ミケの立体機動だ!!」
ペトラ「え?え?いないですよ!?」
三毛「……」パクッ
エルヴィン「ああああああああああああああああああああああ!!!!!」
ペトラ「きゃあああああああああああああああああああ!?な、なんですか団長!?!?」
エルヴィン「こらあああああああああ!!ミケ、そんなもん食べたらだめだろうがっっ!!」
エルヴィン「ぺっしなさい、ぺっ!!!」
オルオ「だからミケ分隊長なんていませんよ!?」
リヴァイ「エルヴィン、お前わざとか?」
ペトラ「……はあ。助かりました、団長。ところでこの三毛猫は?」
三毛「……」ゴロゴロ
ペトラ「喉鳴らしてる。かわいいー」
エルヴィン「ああ。調査兵団のマスコットキャラ、三毛だ」
オルオ「マスコットキャラって……そんなんいたんですか」
ハンジ「ふう、捕まえた。かってに逃げ出しちゃだめだろう、三毛?」
三毛「……」
エルヴィン「帰ろうか、リヴァイの部屋に」
リヴァイ「なんで俺の部屋なんだよ」
ミケ「……」スースー
ミケ「……ん」
ミケ「いかん。どうやら寝ていたようだ」
ミケ「確か今日はエルヴィンとの約束があったな。……まずい、大分時間が過ぎている」
ミケ「とにかく急ごう」
ミケ「それにしても外で眠りこけてしまうとは……」
ミケ「む?何故エルヴィンがリヴァイの部屋に? なにか声が聞こえるな」
ミケ「……?」
エルヴィン「こうしていると、お前と出会った日のことを思い出すよ、ミケ」
三毛「……ニャー」
ミケ「!?!?」
wktk
支援
本家ミケさんキタ
14話、ミケさん初登場シーンでビジュアル系みたいな斜めに構えるポーズしてて笑った
つづき待ってます
エルヴィン「初対面で握手をしようとしたら、いきなり背後をとられて匂いを嗅がれた時は、思わず殴りかかろうかと思ったよ」
三毛「ニャー」
エルヴィン「ははは、すまない。でも本当に驚いたんだ」
三毛「……」
エルヴィン「お前は本当に変わらないな。普段は寡黙で必要な時にしかしゃべらない。だからこそ言葉に重みが増すんだろうが……」
エルヴィン「昔話くらい饒舌に付き合ってくれてもいいだろう」
三毛「……」フガフガ
エルヴィン「まあいい。そうだ、私が調査兵団に入団すると告げたあの日にも、君は黙って頷いただけだった……」
エルヴィン「入団式の日、ミケが調査兵団の列に残っているのを見て驚いたよ。お前ときたら、一言くらい私に言ってくれてもよかったろうに」
三毛「ニャー」
エルヴィン「え?言ったって?……そうだったかな」
ミケ「………(なんだ……これは……)」
ミケ(あの三毛猫が俺だと思ってるのか?……本当に?)
ミケ(それとも、約束を破った俺をからかっているのか……?)
ミケ(いやただ単にエルヴィンがボケた……?)
ミケ(……そんなはずはない。エルヴィンは常に先の先を考えている)
ミケ(今までも奴の先見の明には感心させられたものだ。あいつこそ、調査兵団を担うにふさわしい男)
ミケ(だからハンジも俺も、あのリヴァイでさえも、いついかなる時もエルヴィンの判断を信じてきた―――)
ミケ(これも、何か意味があってのことなんだろう……)
待ってました
ミケ(ならば俺もエルヴィンを信じて行動しよう―――)
ミケ(窓の外の死角に隠れて……)コソコソ
エルヴィン「昔は私もお前も青かったな。今では随分丸くなったが」
三毛「ニャー」
ミケ「ああ、本当だな。昔は殴り合いの喧嘩をしたこともあったな」
エルヴィン「あったなぁ。確か私の10勝9敗だったか」
ミケ「馬鹿いうな。俺の10勝9敗だ」
三毛「……」ペロペロ
エルヴィン「いや違うだろう。最後の喧嘩は確か私の勝ちだったはずだ」
ミケ「ボケたかエルヴィン?俺の勝ちだった」
三毛「ミャーン」
エルヴィン「……この場で決着をつけるか?お前も本来の姿に戻ったし、本領発揮できるんじゃないか?」
ミケ「本来の姿……?よくわからんが、俺はやってもいいぞ」
三毛「……モグモグ」
エルヴィン「こらミケ、何をいま食べたんだ。まさか虫じゃないだろうな」
ミケ「? 俺は今何も口にしていない……」
三毛「……モグモグ」
エルヴィン「うそをつくなぁぁ!!!いま口に含んでるものをすぐに出せ!!お腹を壊したらどうする!?」
三毛「フシャー!」
ミケ「!?ど、どういうことだ?」
ミケ(でもエルヴィンが言うということは何か意味があるはずっ?)
ミケ(俺も知らず知らずのうちに口に何か含んでいたというのか!?)
ミケ「ま、待て。今確認してみよう……ぺっぺっ」
三毛「ウニャー」
エルヴィン「ふう……やっと口から取り出せた。窓際に置いてあった草か。リヴァイに知られたら怒られるな」
ミケ「俺は知らず知らずのうちにリヴァイの育てた草を食べていたのか……あとで謝っておこう」
ガチャ
リヴァイ「おい、いつまで俺の部屋でくつろいでんだよ。さっさと出てけよ」
エルヴィン「ああ、すまない。ミケと話し込んでしまってね」
リヴァイ「どうやって意思疎通をしてたんだお前。猫語がわかんのか」
三毛(の背後のミケ)「リヴァイ、すまない。お前の育てていた植物を食べてしまったようだ」
リヴァイ「ッ!?」
リヴァイ「お前……しゃべれ……!?」
三毛(ミケ)「ああ」
リヴァイ「……俺はお前がミケだということに少々疑いをもっていたのだが……この様子だと信じざるを得ないな」
三毛(ミケ)「まあな」
リヴァイ「本当に猫になっちまったのかよ…どうするんだ、次の壁外調査」
エルヴィン「しかし、巨人は人間以外を捕食対象として見なさないからな。これはかえってチャンスかもしれない」
ミケ(えっ……)
リヴァイ「確かにそうかもな。嗅覚も人間の時の何倍も鋭くなっているだろうし」
ミケ(えっ……)
エルヴィン「次の調査でもミケ、お前にはこれまで以上の活躍を期待してるぞ」
三毛「ニャー」
ミケ(ええっ……)
壁外調査 当日
ハンジ「ミケは自分で馬に乗れないだろうからね、私の馬に乗るといいよ」
三毛「……」ピョン
ペトラ「ハンジさん、その猫も連れていくんですか?」
エルド「というか……ミケ分隊長は行方不明のままなんですか」
ハンジ「あーうん、そうそう。でも大丈夫、この三毛がミケ相応の働きをしてくれるはずだから」
リヴァイ「このメガネの言う通りだ。三毛をミケだと思ってくれてかまわん」
オルオ「えー…」
エルド「えー…」
エルヴィン「さあ、出発するぞ。皆気を引き締めていけ」
ミケ「……」コソ
ミケ(まずい……エルヴィンもリヴァイもあの猫を私だと信じきってしまっている……)
ミケ(もしかしたら演技なのかもしれないが、そこはかとなく言いだしづらい雰囲気があって結局壁外調査の日を迎えてしまった)
ミケ(どうしよう……。とりあえず、一般兵士に紛れてついてくか……)
パカラッパカラッ
ミケ(……む!右方から巨人が1匹近づいてきてるな)
ミケ(エルヴィンに知らせなければ……)
ミケ「おいエルヴィン!巨人が右方から接近中だ」
エルヴィン「分かった。進路を変更しよう」
三毛「ニャー」
ハンジ「いや~ミケは猫になっても便利だね」
ミケ(くっ……なんかめんどくさいな)
ミケさんかわいいよ三毛さん(*´д`)ハアハア
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