【薔薇の】夢追う安価は永遠に踊れ【マリア】 (447)

このスレは、角川スニーカー文庫より発売中の「薔薇のマリア」の安価スレです。
なにもかも初心者の自分ですが、よろしければお付き合いください。

とりあえず、人がいればキャラクターメイキングなどを。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375233707

とりあえずはじめてみようぜ

まあ始めてみようぜ

連投あり?連取あり?鬼畜安価殺害安価スカトロ安価あり?その辺は最初に決めておいた方が良いな

原作がアレだから鬼畜は普通にアリな気はするがな

>>2
わかりました。

>>3
とりあえず一回の安価で一人一つとさせていただきます。
>>3 >>4
鬼畜安価などは状況によってはありとします。

では、キャラメイク始めます。

まず、あなたの性別は?

1.男?
2.女?
3.それとも……

直下レスにより決定。

女の子

>>7 女の子

あなたは女の子です。

あなたの容姿は?

コンマ一桁が、1に近いほど醜悪 9に近いほど美人
0では男女関係なく虜にする魔性

>>10により決定。

ksk

0で

女で醜悪とは、これで戦闘力も低かったらどうしようもないねー

すいません、ちょっと席外してました。

>>10 3…あなたは周りから見向きもされないようだ。

襲われる確率が減ったと思えば。

あ、あと美人になればなるほど襲われるイベントは発生しやすくなりますので。

あなたの身長は?

コンマ一桁が、1に近いほど低い 9に近いほど高い
0では指定

>>14により決定

へい

言われてみれば汚れているせいで醜く見えるとかもあるか
薔薇のマリアの安価スレは初めて見たので期待してます

>>14 1…あなたは相当小さいようだ。

見向きもされないってそういう……

あなたの髪の色は?

直下レスにより決定

>>17 青

あなたの髪は青です。

あなたの資産はどれくらいだろうか。

コンマ一桁が、1に近いほど貧乏 9に近いほど裕福
0では指定

>>20により決定

ksk

s

>>20 9…あなたは有数の富豪のようだ。

あなたの職業は?

>>22により決定

魔術師

>>22 魔術師

あなたは魔術師のようだ。

あなたの魔術師としての才能は?

コンマ一桁が、1に近いほど乏しい 9に近いほど豊富

>>25により決定

昼間だから参加者が少ないのか、ROM専が多いだけなのか

みてるぞ

うわぁ…ごめん…

大丈夫才能がなくても努力すればある程度は伸びるから!多分

>>25 1…あなたの才能は無きに等しいようだ。

あなたの魔術師としての知識は?

コンマ一桁が、1に近いほど乏しい 9に近いほど豊富

直下レスにより決定

こんどこそ!

>>29 4…あなたの知識は平均より少し低いようだ。

才能1 知識4 
以上の結果からあなたの魔術士階位は魔術士(マジシャン)に決まりました。

あなたに家族はいますか?
いるとしたら家族構成もお願いします。

>>32により決定

何とも酷いな まあ金は持ってるから用心棒でも雇うか

いない

ダメだった…

>>32 いない

あなたに家族はいません。

あなたはどのようにして生計を立てていますか?

直下レスにより決定

両親の遺産を元手に株式や為替で

この世界、そういうのあったっけ?

>>35 両親の遺産を元手に株式や為替で

あなたは両親の遺産をやり繰りしながら生活している。

あなたはどこに住んでいますか?

>>38により決定

すいません、ちょっと急用で席を外すことになりました。
再開するとしたら携帯からになってしまうかもしれないので、そのときはよろしくお願いします。

Ksk

エルデン

外出先から携帯で失礼します。

下にずれ>>39 エルデン

あなたはエルデンの第何区で生活していますか?

直下レスにより決定。

>>41 2

あなたは第二区に家を持っているようだ。

あなたの家はどのような家か?

直下レスにより決定。

地上部は周りと同じような目立たない家だが地下は広く充実した設備と蔵庫

>>43
地上部は周りと同じような目立たない家だが地下は広く充実した設備と蔵庫

地下にはどのような設備が?

直下レスにより決定。

フリークス解剖研究室

フリークスは異界生物ということでお願いします

>>45
異界生物解剖研究室

何か一気にきな臭くさくなりました。

あなたは誰かと関わりを持っているだろうか?

直下レスから3レスまでキャラ指定。

サフィニア

きゅー

コロナ

>>48 サフィニア

>>49 きゅー

>>50 コロナ

見事に全員魔術関係者。

直下レスから3レスまで順番に好感度判定。

コンマ一桁が、1に近いほど悪い 9に近いほど良い。

好感度位は良い目が出て欲しい

でろ?

かい

コロナ忘れてるだろこれ

>>52 サフィニア…5
あなたとサフィニアは友人同士のようだ。

>>53 きゅー…8
あなたときゅーは親友同士のようだ。

>>54 コロナ…1
あなたとコロナは他人に近い関係のようだ。

あなたの戦闘力は?

コンマ一桁が、1に近いほど弱い 9に近いほど強い。

人体改造

すいません、安価先つけ忘れました。
とりあえず直下のレスで。

>>57 8…あなたはかなりの強者のようだ。

あなたの戦闘スタイルは?

今回は安価先つけ忘れにより、安価の人体改造も加えます。

直下レスで詳細指定。

誰も来ないので取らせてもらう
体内での毒素生成、10mほど伸びる右腕による毒手の貫手、メス
竜の鱗を移植した背中による防御
色々と切り貼りした自分の体を無理やり動かす死霊術の応用
魔術の才は無いので近接戦闘

ノートで投下できるようになったので投下します。

>>59
体内での毒素生成、10mほど伸びる右腕による毒手の貫手、メス
竜の鱗を移植した背中による防御
色々と切り貼りした自分の体を無理やり動かす死霊術の応用
魔術の才は無いので近接戦闘

なんだかすごいことになっちゃたぞぉ。



あんま人いないんですかね?
いないなら今日はここまでにした方がいいですか?

8にしては強すぎるなら竜の鱗オミットしてください
自分以外に居ないみたいならここまでの方が良いかもしれんです

いる

どう書けば良いのか分からなかった人が多いだけじゃないかな

才能無いとはいえ魔術師なのに杖忘れるのは洒落にならんでした
変更可能なら持ち物に金属製の杖を追加で

>>61 竜の鱗オミット
大丈夫だと思いますよ。
進めば丁度よくなると思いますから(ゲス顔)

とりあえず、次の安価で人がいないようなら今日は終わりにします。

あなたは普段どのような装いか?
ブランドならブランドの名前を。原作で登場したものは勿論、オリジナルでもOKです。

0:30までの安価の中から、後に多数決で決定。

>>62
ありがとうございます。

>>63
すいません。なるべく分かりやすく書けるよう頑張ります。

>>64 金属製の杖を追加
分かりました。

surp

T.M.RevolutionのHOT LIMITの衣装(背中は防御用に布地ナシ)+マント

背中の空いた灰色のドレスっぽい、フリル状になった部分に触媒などを入れられるもの

>>67
すみませんが、装いも書いていただかないといけません。

>>68
T.M.RevolutionのHOT LIMITの衣装(背中は防御用に布地ナシ)+マント

>>69
背中の空いた灰色のドレスっぽい、フリル状になった部分に触媒などを入れられるもの



1:T.M.RevolutionのHOT LIMITの衣装(背中は防御用に布地ナシ)+マント

2:背中の空いた灰色のドレスっぽい、フリル状になった部分に触媒などを入れられるもの


1:05までに投票の多かった方の案を採用します。

2

ちょっと投票が少ないですが、このまま決めてもよろしいでしょうか?
それとも時間をあけて再投票したほうがいいでしょうか?

自分で入れていいのなら2で

他に投票する人は居ないみたいですし、
このまま決めても良いんじゃないでしょうか?

投票の結果
背中の空いたフリルをあしらったドレス風の魔術士衣に決まりました。

長らくお付き合い頂きありがとうございます。
これにてキャラクターメイキングを終了いたします。


【性別】 女
【容姿】 周りから見向きもされない
【身長】 相当小さい
【髪色】 青
【資産】 有数の富豪
【職業】 魔術士 階位:魔術士(マジシャン)
【家族】 なし
【生計】 両親の遺産をやり繰り
【住所】 エルデン第二区
【戦闘】 かなりの強者

【対人関係】
サフィニア…友人

きゅー…親友

コロナ…他人に等しい

【住居】
外観は周りと変わらない家。
地下には異界生物の解剖研究施設と、それらのデータを纏めた書庫がある。

【戦闘スタイル】
近接格闘
体内で生成される毒素による、伸縮する右腕を用いた貫手
背中に移植した竜の鱗による防御
人体改造の結果、崩れやすくなった体の各部位を強制的に動かす死霊術

【装備】
背中の空いたドレス風の魔術衣(灰色)
金属製の杖


キャラメイクも無事終わったので、今回はこれにて終了とさせて頂きます。
お昼にもしかしたら再開できるかもしれないので、その時はよろしくお願いします。

お疲れ様でした

人いますでしょうか?
いたら投下したいと思います。

昼休みしかいないがいる

少しだけなら参加できる

一応おります

>>78
>>79
>>80
ありがとうございます。
やっぱり夜に投下した方がいいんでしょうか。

その方がいいかと

とりあえず、本編を少し投下します。



自分にとって、父と母は尊敬できる人だった。

この、屑の見本市のような街エルデンにおいて、両親の行動は人の目を引いた。

魔導師であった父は、弟子達を率いて誰にでも分け隔てなく魔術を教えた。

もちろん薬物投与などはせず、一人ひとり懇切丁寧に教えていった。

「皆が魔術を扱えるようになれば、魔術は皆の頼れる支えとなる」

父はいつも子供のような笑顔で言っていた。


錬金術師であった母は、自身の技術を惜しみなく提供した。

母の発明は画期的で、私には父より母の方が魔術士にみえた。

「私の技術が、もっと大きな発明の糧になるなんて、想像するだけでもわくわくするわ」

母はいつも子供のような笑顔で言っていた。

私を含め、皆が心から笑っていた。

ここはエルデンの楽園だと、ここは皆の安らぎだと。





だから、蛇に目をつけられた。



その日、私は買い物に出かけていた。

両親とも作業に手が離せない状況で、お昼の材料を買うために市場にきたのだ。

卵、トマト、玉ねぎ、鶏肉など、材料をテンポよくバッグに入れていく。

メニューは母直伝の玉子料理、オムライスだ。

材料を買い終え、私は少しだけ早足で帰路を急いだ。

最近は父も母も煮詰まっているらしく、声をかけても返事をしないことが多い。

そんな二人に、娘の私が作った料理を食べてもらい、笑顔にする。

そんな想像を楽しみながら歩いていると、向こうから一人の男が歩いてきた。

男にしては、いや人としても奇妙に生白い肌をしたその男は、不意にこちらに目線を投げてきた。

男と目線が合った瞬間、私は動けなくなってしまった。

2メーテル近い身の丈も、異様に長い手足や首も、すべてが私に金縛りのような恐怖を与えてくる。

着ている黒いスーツも、似合っているようで似合っていない。

まるで白い大蛇が人の恰好を真似ているような、そんな感覚。

「お嬢ちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだが」

男に声をかけられ、無理やり金縛りから解放されるような感覚を覚えた。

「は、はい。 いったい何でしょう」

舌が少しもつれたものの、しっかりと聞き返す。

「お嬢ちゃんが大事そうに抱えてるそのバッグ、いったい何が入ってるんだい?」

そう言うと、男は興味深げにバッグを見てきた。

「えと、オムライスの材料ですけど」

毒気を抜かれた私は、苦笑い気味に答えた。

それを聞くやいなや、男は目線をバッグから私に変えてきた。

「もしかしてそのオムライス、お嬢ちゃんが?」

「はい、一応」

少し照れながら答えると、男はダランと下げていた両手を胸の前まで持っていき、パチパチと拍手を始めた。

「素っ晴らしい! お腹のへったパパとママのためにオムライスなんて! 我輩涙が出ちまいそうだよぉ!」

感極まったかのように拍手をし続ける男に対し、照れからか頬が熱くなったのを感じる。

「おっと、それならこれ以上時間を取らせるのはだめだねぇ」

「では、我輩はこれにて」

そう言って男は、背を向けて去って行った。

SIX来たか
貴女の純潔大ピンチ

「なんだったんだろう。 あの人」

家がもう見える距離まで歩き、私は先ほどの男の人を思い浮かべた。

「変な人だったけど、悪い人じゃなかったな」

そんなことを呟きながら、気づけば家の扉の前に着いていた。

「オムライス食べながら、二人に話してみようかな?」

二人とも顔が広いし、もしかしたら知り合いかもしれない。

「ただいまー。 お」

発しようとした言葉は、お母さんだったろうか、お父さんだったろうか。

そんなことを考えながら、私は仲良く赤いソファーに座っている二人を見た。

二人が座っているソファーは、私が生まれた時に有名な職人に発注して作らせたものらしい。

小さいときは二人の膝の上で、いまは三人一緒に座って。

そんな温かい思い出がいっぱい詰まった




白いソファーだった。


「あ……れ……?」

そうだ、ソファーは白かった筈だ。

あんな赤色じゃない。

変だ。

「なん……で……?」

私はふらふらとソファーに近づく。

変だ。変だ。変だ。

「どう……し、て……?」

二人が目の前にいる。

変だ。変だ。変だ。変だ。変だ。変だ。変だ。変だ。変だ。変だ。

「ねぇ、おとうさん、おかあさん」

どうして?







どうして、おなかがぽっかりあいてるの?





とりあえず今回は導入までで。
続きはまた夜投下します。 お付き合いしてくださった方、ありがとうございました

乙です

乙です

乙乙

投下再開します。
人いるでしょうか?

いはするけどもうすぐ寝る…すまん。

いるー

いる

「また、あの夢……」

窓から射し込んで来る日光を煩わしく思いながら、あの日の夢から覚める。

朝から陰鬱な気分だ。

「起きなきゃ」

いつまでもベッドにいたい気持ちはあるが、それを押し込めてベッドから出る。



まだ半分眠っている頭を無理やり働かせ、寝間着から愛用の服に着替える。

ドレス風の魔術士衣に袖を通し、ベッドの傍に立てかけてあった杖を手に取る。

ただそれだけで、ぼんやりとした眠気が消えていく。

「さて、今日の予定は……」

>>109により指定。



ksk

特にないので近所をふらふら散歩

>>109 特にないので近所をふらふら散歩


「今日は特に予定はないか」

家に居るのもなんだし、街に出てみよう。


1:香水市場
2:PCMAキャンプ
3:その他

直下レスにより決定。

>>111 香水市場

「そうね、香水市場にでも行きましょう」

香水臭いのは頂けないが、あそこの品揃えはなかなかだ。




家を出て歩いていくと、人々の雑多な話し声が聞こえてきた。


【香水市場】
第二区に存在するこの市場は、隣接する第九区・クァラナド歓楽街で働く男女の住居が密集しているため、香水の匂いが常に漂っている。


「相変わらずひどい匂いね」

いくつもの香水が混じった匂いなので、当たり前といえば当たり前なのだが。

「さて、なにかあるかな?」

直下レスにより所持金判定。

コンマ一桁が、1に近いほど少ない 9に近いほど多い
0なら指定

下3レスまで買いたいもの指定。

遘∵恪

消臭剤

薔薇の香りの香水

控えめな香りの香水

文字化けしてやがる
あんか下で

>>113 3…3万ダラー

所持金:3万ダラー

すいません、言葉が足りず誤解が生じてしまったようです。
香水市場は第九区の兄ちゃんや姉ちゃんの香水の匂いがきついというだけで、香水のみではなく色々なものが売っています。

>>115 消臭剤…600ダラー

>>116 薔薇の香りの香水…1万ダラー

>>117 控えめな香りの香水…8000ダラー

「う~ん、どうしようかな」

他に目についたものがあれば。

下3レスまで。

蘭奢待

露出の少ない服

謎の液体入り小瓶

>>120 蘭奢待…推定1億ダラー

>>121 露出の少ない服…1万6000ダラー

>>122 謎の液体入り小瓶…2000ダラー

「どれを買おうかな?」



消臭剤…600ダラー

薔薇の香りの香水…1万ダラー

控えめな香りの香水…8000ダラー

蘭奢待…推定1億ダラー

露出の少ない服…1万6000ダラー

謎の液体入り小瓶…2000ダラー


所持金:3万ダラー

直下レスで買いたいもの決定。
所持金以上の買い物を希望の場合、第五区の第一王立銀行へ向かうことも可能です。

消臭剤、控えめな香りの香水、謎の液体入り小瓶

>>124 消臭剤、控えめな香りの香水、謎の液体入り小瓶

【消臭剤】置き型の消臭剤。「浮気の香りもこれでリセット!」が売り文句。

【控えめな香りの香水】あまり鼻につかない香水。上品に決めたい時に。

【謎の液体入り小瓶】謎の黒い液体が入った小瓶。なにかが中で蠢いているような。

合計:1万600ダラー
所持金:1万9400ダラー

「こんなものかしらね」

買った品物をドレスの、フリルに見せかけた収納スペースへ仕舞っていく。

「買い物はこんなところでいいかしらね」




さて、次はどうしようか。

「そういえば、まだ朝ご飯を食べてなかったわね」

時間も丁度いいし、外で食べるのもいいかもしれない。

下2レス目で行動指定。

キャラクターが行動を示唆するような言動をした場合、それはイベントの兆候です。
グッドイベントかバッドイベントかは、その時の安価により決定されます。
また、示唆した言動に従わなくてもイベントは発生します。
あくまで、こちらが用意したイベントへの誘導です(キャラクターの言動)

ksk

大変申し訳ないのですが、眠気がそろそろ限界にきています。
安価は取って頂いても構わないので、今回はこれにて終了とさせて頂きます。
お付き合いしてくださった方々、ありがとうございました。

やけに派手な格好をしたメリクルに似た男が居る店が目に入った

次はいつやるんだ?

すいません、ちょっと忙しい時間が続き投下できませんでした。
30分になったら投下しようとおもいます。

了解
待ってる

舞ってる。

…原作知らないけど大丈夫だよね。

投下始めます。

>>132
なるべく知らない方にも楽しんでもらいたいので、大歓迎です

>>128

「ん、あれは……」

周りの店を見渡していると、ある一軒の店に目を惹かれた。

正確に言えば、目を惹かれたのは店ではなく、店の中にいる男である。

男は随分と奇妙な恰好をしていた。

身に着けている鎧、剣、盾。手に持っている兜。

例外なく装備品の全てが羽にまみれていた。

「ずいぶんとまぁ、面白い恰好だこと」


男との好感度判定
何の店か
接触するか


安価下2

すいません、好感度判定はコンマ一桁を参照で。

1に近いほど悪い、9に近いほど良い。
0で……

安価下2

>>132
ここの>>1は描写に気を遣っているから問題無い、追々エルデンの雰囲気や事情も分かってくると思うぜ

原作は面白いから興味が沸いたら読んでみて欲しくはある
ハードボイルドでどのキャラも個性的、世界観も魅力的だ

コンド読んでみるわ…

おっと、>>136でコンマは取ったのに内容を指定してなかった

何の店か→彼のクランがマリアローズ達との打ち合わせで使ってた店
接触するか→してみる

>>138
大変申し訳ないんですが、打ち合わせって何巻くらいの話でしたっけ。
いま4巻を確認中なんですが、違う巻でしょうか。

Ⅳ巻だったはず
間違っていたらごめんなさい

>>140
確認しましたところ、別人物との打ち合わせに使われた店の名前が出てきましたので、
その店を採用させていただきます。


「まぁ、あんな恰好してるのなんて、彼しかいないわよね」

そう呟き、とある居酒屋の中に入る。

居酒屋の名前は、【高貴なる爆乳】(ノーブルハイパーチッツ)

クァラナド歓楽街の端っこに位置するこの店は、ボインでツンな店員さんで経営しているというもので、その手のマニアにはたまらない店らしい。



「だから、その時私は言ってやったのだ! この罪深い悪鬼め、天が許してもこのファニー・フランクが許しはしない! とな」

朝から酒を片手に怪しい武勇譚を仲間に話している彼も、そのマニアの1人であることは疑いようもない。



「悪いけど、相席お願いしてもよろしいかしら?」

空いている彼の隣の席に座りながら、すこし悪戯っぽく言う。

「ん? おぉ、貴女だったか! こんなところで会うとは珍しい」

突然現れた私に驚いたのだろう、その手に持つグラスからお酒がすこしこぼれた。

「いったい今日は何の用で? このファニー・フランク、恩人の頼みとあらば可能な限りお聞きしますぞ」

「まぁ、頼もしいこと」

必要以上に調子が良い彼の返事に、私は思わず笑ってしまう。

「あの、フランクさん。 その人知り合いなんすか?」

談笑している私たちの横から、好奇心が抑え切れていない声が降ってきた。

「あら、新人さん?」

声の方向を見れば、彼のクランには見ない顔があった。



【クラン】
他の作品で言う、パーティーやギルドのようなもの。
様々な目的のもとにクランは成立し、中には昼飯を一緒に食べるということが決まりのクランも存在する。




「ええ、この前クランに加入したばかりでして。 明日が彼の初のアンダーグラウンドなのですよ」

へぇ、アンダーグラウンドに。



【アンダーグラウンド】
エルデンには全部で13の、地下に大きく広がっている空間がある。その空間には異界の生物が住んでいて、それぞれが独立した空間を作り上げている。
人間と変わりない知性を持っている者も少なくなく、そうした者たちは自分たちの文明を作りあげている。
異界生物が持つ物、または異界生物そのものは非常に貴重であり、高値で取引される。
これらを目的とし、アンダーグラウンドに入り異界生物たちから奪うことを生業とする者のことを、侵入者(クラッカー)と呼ぶ。
むろん安全ではなく、欲をかいて屍を晒す、なんてことは侵入者業には珍しくない。



「で、それにかこつけて酒盛りしてるってわけね」

さすがにフランクも経験者だし、明日に備えて飲みすぎってことはしないだろうけど。

そんなふうに考えていると、新人の子が餌を待つひな鳥のような顔で私を見てきた。

「あぁ、ごめんなさい。 自己紹介がまだだったわね」

謝りながら、私は懐から名刺を一枚取り出した。

「どうも、私こういうものなの。 なにか用があれば言ってちょうだい、出来る限り協力するわよ」

そう言って、名刺を新人の子に渡す。


名刺に書いてある肩書きの指定

ステータス【有数の富豪】により、大規模な肩書きとなります。


安価下3



何でも屋

豪華絢爛

万屋

携帯から失礼します。
寝落ちしちゃってたみたいです、すいません。
今日はちょっと用事で投下できそうにないです。
毎回遅筆でなかなか話が進みませんが、お付き合いいただければ幸いです。

把握
まずはリアルを優先してくれ

乙。ゆっくりでいいよー。

携帯から失礼します。
再開が大変遅くなりましたが、人いますでしょうか?

ほーい

居るぜ

投下始めます。

「万屋? 万屋って、あの万屋っすか?」

渡した名刺に書かれた肩書きを見て、新人さんは目を白黒させる。

「え、だって万屋って、あの大手クランの……」

理解出来ないという顔をした彼は、自分のクランのマスターに説明を求めるように視線を向けた。

「む? うむ、よろしい。 私がその疑問に答えよう」

自身に向けられた視線に気付いたのだろう。
フランクは妙に誇らしげに、私のことを語った。

「君が見た名刺に書いてある通り、こちらの女性はかの大手クラン、万屋のマスターなのだ!」

フランクの大袈裟な身ぶり手振りを交えての紹介に、私を不思議な生き物を見るような目で新人さんは見てきた。

「いやまさか、あの万屋のマスターがこんな子どもだったなんて思わなかったっす」

素直に驚いている様子の彼に、ちょっとしたいたずら心が湧いてくる。

「ふふ、若く見てくれるのは嬉しいけど、私これでも○×歳よ?」

まぁ、私の身長は子どもと思われるほど低いから、間違えるのも無理はないけど。



「は?」

私の発言の意味が理解出来なかったのか、目を丸くして新人さんはこちらを見てきた。

「信じられない気持ちは分かるが、この方は○×歳だぞ、○×歳」

フランクが重ねて言う。
悪気はないのだろうが、女性の年齢を連呼するのはいただけない。


「もう自分、なにを信じたらいいか分かんないっす」

童顔でちまっこいから見向きもされない(魅力ちょい低め)なのか…
コロナと本格的に交流したら仲良くなれそうだが

あの後も新人さんの反応や、フランクの怪しげな武勇譚を楽しみながら、気付いたらいい時間になっていた。

「それじゃあ創世の翼の皆さん、明日の侵入業にご武運を」

フランクのクラン、創世の翼(ジェネシスウィング)一行に別れを告げて、私は自分の家の帰路につく。



イベント判定
コンマ一桁により決定

安価下2

kskst

モホ

直後判定だったらクリティカルだったのに…

「おい、嬢ちゃん。 人にぶつかっておいて詫びもなしかよ」

クァラナド歓楽街は男女の欲望が集中しているような地区だ。
そのような地区には当然のことながら、いい人だけがいるわけではない。

「結構派手にぶつかっちまったからなぁ。 どうしてくれんだよ、この腕」

「お嬢ちゃん、早めに謝っといたほうがいいよぉ」

「ま、謝るだけじゃあ足りねえがな」

かといって、誰もが恐れるような奴はそんなに多くない。
大半は群れて、弱者から奪うようなことしか出来ない小悪党がほとんどだ。

「しかし嬢ちゃん、おめぇも運がねえな」

「よりにもよって俺たち、地底悪魔にぶつかっちまったんだからなぁ」

「いや全く運がねえ」

頭の悪さは底なしに見えるこの三人も、要はそんな小悪党なのだ。
この街に住んでれば、大なり小なり似たような出来事に遭遇する。
現にわたしも、このような出来事は過去に何回も遭っている。

「で、一体なにが欲しいのかしら?」

いちいち相手するのも面倒臭いので、金で解決するならさっさと渡して帰りたかった。

「ほう、利口な嬢ちゃんだ」

「きっと親の躾がしっかりしてんだよ」

「だとしたら、とんだ腑抜け親だな」

『ギャハハハハハハ!』




そう、だからこれは今までやってきたことを繰り返すだけ。
私の両親は、目の前の屑どもの言葉などには汚されない貴い存在なのだから。





「その耳障りな声」

笑い続けている奴等のそばに一息で近づき、それぞれの喉に貫手をくらわせる。

「その目障りな顔」

自分たちの身に起こった襲撃にゆがませた顔を、鏡で見れないほどボロボロにする。

「タ、タヒュ……、タヒュケ……」

「喋るな」

倒れながら助けを求めた者の喉を踏み潰す。


その後もいくつかの部位を私は破壊した。
三人が痙攣しかしないようになった辺りで、私は周囲に人だかりができているのに気付いた。


「うへぇ、ひどい有り様だ」

「奴ら生きてんのか? もう顔なんて……」

「しかしよりによって、あいつに手を出そうとするなんて。 新顔か?」



「長居すると不味そうね」

段々と集まってくる周囲の人に目をやり、私は呟く。
エルデンでは、トラブルをひとつ解決したとしても、本当に解決したとは言えない。
その解決したトラブルの関連したトラブルに芋づる式に巻き込まれ、面倒なことになる。
今回私がボロボロにした奴等もクランに所属している様だったし、早くこの場を去らなければ。




「面倒なことしちゃったなぁ……」

そう言って、自宅に向かう私の姿を見つめる視線に、私はこの時気付かなかった。

はい、やっとプロローグ的ななにかが終了しました。
安価スレ、というかssスレ自体初めての挑戦だったとはいえ、予想以上にぐだぐだしてしまいました。
次回からはもう少しまともに進めたいと思っていますので、よろしければ次回もお付き合いください。


今回の投下は終了したのですが、まだ起きていられそうなので、皆様からの質問などがあれば答えたいと思います。



周りから見向きもされないのってやっぱり幼い容姿しててちまっこいから?
それと、彼女のギルドには総計何人ぐらいメンバーが在籍しているのだろうか

>>165
主人公の容姿
そうですね、顔の造形は良いほうなのですが、身長などが子どもにしか見えないため、ステータスの評価となっています。
ちなみに身長が低いのは、人体改造の副作用です

クランの在籍人数
大体30名ほどをイメージして設定しています。
メンバーのほとんどは両親の教え子たちで、メンバーのほとんどが年上です。

これ原作面白い?
よさそうなら買ってみようかな


すいません、寝落ちしてました。


>>167
群像劇が好きな人なら、間違いなく面白いと思える作品だと自分は思っています。
内容は結構残虐なところなんかもあるので、そういうのが苦手な人は少しきついかもしれません。

>>168の>>は半角の方が良いぞー

>>169
すいません、これで大丈夫でしょうか?

>>170OK

返答に感謝
メンバーのほとんどが両親の教え子ってことは皆それなりに経験を積んでいそうだ

>>168
ふむふむ、なるほど
残虐なのとかは全然大丈夫なので、
気が向いたら買ってみようと思います
ありがとうございました

>>173
番外編も現在Vol.1~5まで出てるからお見逃しなく

投下始めます。
今回試験的に、他のキャラの視点でも進めてみようと思うので、ご協力お願いします。

把握
待ってたぜ

両親が死んでからしばらくして、父の古い友人を名乗る人から贈り物が届いた。

【ご両親の突然の不幸に、ただ驚いております】

そんなありきたりな一文から始まった手紙には、遠方にいるのですぐにはそちらに行けないこと、娘の私には強く気をもってほしいということが書いてあった。

手紙が終わりに近づいた辺りで、それまでのお悔やみの言葉とは違った、私個人に対する文が綴られていた。



【貴女には是非とも力をお貸ししたく、僭越ながら私の研究成果を提供させて頂きます】



そこから先に書かれた内容、同梱された研究成果に、私の口は久し振りにつり上がった。



【ご両親の友人 ネクス・アークより】


「ネクス・アークより」…えっ?

………ええっ?!

両親の交友関係やべえ
万屋なんてまともなクラン名とはかけ離れた黒いものを感じる
まあ貴女の能力からしてあれなんだが

「室長、今回の研究結果のまとめです」

「ありがとう、そこに置いておいて頂戴」

自宅の執務室にてクランに関する書類を読んでいると、白衣の人物がノックとともに訪れた。

「現在進めている研究は、いずれも順調に進行中です」

「そう、分かったわ。 下がっていいわよ」

報告に来た者を退室させ、渡された資料に目を通す。

あの日贈られた技術は、私に大きな変化をもたらしてくれた。

無気力だった私は、周りの者が驚くほど活動的になった。

両親が遺してくれた莫大な遺産を元に資金を作り、自宅の地下にある施設を建設した。
両親の教え子だった人たちに声をかけ、クランを創設した。

私が無理をしてるんじゃないかと何人かは心配したが、それも時間と共に薄れていった。



「大丈夫、私は変わらない。 これからもずっとね」



そう、私は変わらない。
私の身に何があっても、私は変わらない。

「さて、今日はどうしようかしら」

渡された資料によれば、もう少し実戦においての情報が欲しいらしく、アンダーグラウンドへの侵入が提案されていた。

行動指定
安価下2

ksk

アンダーグラウンドD8 怪虫の坩堝ガンズゲイルに軽く侵入
珍しい虫を持ち帰るのを目標に

「そうね、行くならD8が良いわね」

D8 怪虫の坩堝ガンズゲイルは、エルデンに存在するアンダーグラウンドの中でも、人気がないうちのひとつとして知られている。

ある者の言葉では、D8に行くくらいなら下水さらいでもしてたほうがましとまで言われている。

「私の身体にも関係はあるし、久し振りにいってみましょうか」



お腹の中で動く存在を感じながら、私は自宅を後にした。





あー、ネクス・アークが恩人ってそういう…

「故郷に帰ってきたせいか、今日はやけに元気ね」

相も変わらず虫たちの王国なガンズゲイルの中を歩きながら、私は一人呟く。

「元気なのはいいんだけど、あんまり動かれると……」


前方に人の気配を感じ、呟きを止める。

そこにいたのは……



1:紅い髪の麗人
2:すみれ色の魔女っ子
3:黒い髪の人形

安価下2

ksk

「故郷に帰ってきたせいか、今日はやけに元気ね」

相も変わらず虫たちの王国なガンズゲイルの中を歩きながら、私は一人呟く。

「元気なのはいいんだけど、あんまり動かれると……」


前方に人の気配を感じ、呟きを止める。

そこにいたのは……



1:紅い髪の麗人
2:すみれ色の魔女っ子
3:黒い髪の人形

安価下2

「故郷に帰ってきたせいか、今日はやけに元気ね」

相も変わらず虫たちの王国なガンズゲイルの中を歩きながら、私は一人呟く。

「元気なのはいいんだけど、あんまり動かれると……」


前方に人の気配を感じ、呟きを止める。

そこにいたのは……



1:紅い髪の麗人
2:すみれ色の魔女っ子
3:黒い髪の人形

安価下2

安価下

3連投してるが結局安価は2と3のどちらなんだろう

すいません、なんか連続で投下してました。
安価は>>190を採用させて頂きます。

「ああぁ何でこんなとこに来なきゃいけねえんだよくそ糞[ピーーー]てめえ等死んじまえ」

入ってから文句しか言ってないサトーに同意するのはむかつくことこの上ないが、この時だけは同じ思いだった。

エルデンでも不人気で有名なガンズゲイルにレニィたち一行がいるのには、ちゃんと理由があった。

怪虫(ガウンド)と呼ばれる異界生物の巣には、好事家たちが欲しがるような奇妙な生物がたくさん存在する。
今回はその中の一体である、金帯虫と呼ばれる怪虫の捕獲が目的だ。

なんでも聞いた話だと、奴等は金貨や銀貨を自分の腹に溜め込み、量や質によって優劣を決定するらしい。
普通は30サンチ位の大きさだが、でかい奴は3メーテルを越えるという話だ。




「それでレニィさん、コロナたちはなんでその虫さんを捕まえないといけないんですか?」

「なんでって、さっき説明したじゃねえか」

とぼけた様子で尋ねてくるコロナに呆れながら、再確認の意味もこめて教える。

「いいか、依頼人は虫好きの好事家。 そいつはまだ自分が持ってねえ虫が死ぬほど欲しい」

「はい、コロナも虫は嫌いじゃないです!」

納得するのはそこじゃねえと思いながらも、レニィは説明を続ける。

「そいつは金帯虫を持ってないから、捕獲依頼を出した。 一匹捕まえれば一人7万ダラー」

「な、7万ダラー!?」

コロナの驚きはよく分かる。 虫なんかにそんな大金、およそ金持ちの考えることは理解できない。
レニィ、コロナ、権堂、ヴィヴィアン、サトーの5人で合計35万ダラー。
虫一匹にかける値段としては上等過ぎる額だろう。

「しかも溜め込んでる金貨は俺たちが好きにしていいって話だ」

これだけの好条件、D8を攻める勇気も湧いてくるってもんだ。


「お主ら、談笑も良いが気を引き締めよ。 なにか来るぞ」

「……っ!?」

横からかけられた権堂の声で、コロナと同時に身構えた。



「あら、あなたたちは……」



好感度判定
コンマ一桁が1に近いほど悪い、9に近いほど良い
安価下



「あんただったのか」

「あら、怪虫だとでも思った?」

警戒したさきから現れたのは、知り合いの女だった。

コロナと同じくらいちんまい身体には、背中が大きく空いた灰色のドレスを纏っている。
それだけでも見た目不相応な雰囲気を感じさせるが、この女はそれだけにはとどまらない。

すいません、ちょっと今回はこのへんで失礼します。

質問などがありましらどうぞお尋ねください。

アンケートを行いたいと思います。

主人公の名前
父親の名前
母親の名前

それぞれの名前を投下時間まで募集します。
今日は21時位に投下を予定しています。

邵コ谿サ

アリア・ヴェルクマイスター
ヴェルトール・ヴェルクマイスター
リゼット・ヴェルクマイスター

主人公の名前:ルイナ・ミリアワークス
父親の名前:エヴァンズ・ミリアワークス
母親の名前:ライラ・ミリアワークス

すいません、21時に投下を予定していたのですが少し遅れるかもしれません。

名前はまだまだ募集していますので、よろしくお願いします。

グローリア・ナインフィールド
アンブローズ・ナインフィールド
グレイス・ナインフィールド

投下の前に主人公たちの名前を決定したいと思います。

22:10までの安価で一番多かった名前を採用します。

1:>>205
2:>>206
3:>>208

1

2

あれ?自薦ってアリ?

縺ゅ▲

1

>>213
この前から文字化けしてね?

所で>>1>>214みたいに自分に二回も投票して良いのか?

自薦はありかもだが複数投票はどうかと思う

自薦はありですが、複数は無しとします。

票がわれたので、安価下で決定したいと思います。

皆様、ご協力ありがとうございました。

主人公:グローリア・ナインフィールド?
父親:アンブローズ・ナインフィールド?
母親:グレイス・ナインフィールド

主人公一家の名前は上記に決定しました。

それでは投下します。

ない。

エルデンの数あるクランの中でも女のクラン【万屋】は、5本の指に入るくらい有名だ。
万屋は第2区に拠点を持つクランで、その拠点は5階立てのなんでも売ってる店として大繁盛している。
日常品から魔術用の触媒まで本当になんでも揃えていて、ある客が言った『万屋があればエルデンでも天国』は、雑誌でも度々使われるほどだ。

商売だけではなく、女は戦闘の腕もとんでもなく立つ。
レニィが初めて女と出会った時も、ガタイのいい男どもを何人も打ちのめしていた。
それはアンダーグラウンドでも同じで、レニィが苦戦するような奴等相手に一方的な戦いを強いている、なんて場面に遭遇することもある。



「あ、あの!」

斜め後ろにいたはずのコロナが、いきなり前に出てきて声を上げた。

「わわ、私コロナというもので、よ、よろしくおねがいします」

「これはご丁寧にどうも。 こちらもよろしくね」

激しく頭を上げ下げするコロナに対し、女はレニィの目から見ても分かるくらい優雅に頭を下げた。

「しかし可愛らしい魔術士さんね。 レニィ君の彼女かしら?」

「ほ、ほあぁ!? い、いえ、コロナはその、なんというかあれで」

顔を真っ赤にし、手をバタバタさせているコロナを見ていると、こっちまで恥ずかしくなってくる。



「ふふ、本当にレニィ君が言った通りいい子みたいね」

そう呟き終えると、砕けた雰囲気をただし、女はコロナに語りかけてきた。

「戯れをお許しを、コロナ殿。 私は魔術士グローリア、師は魔導師アンブローズ」

佇まいを魔術士のそれにして、女、グローリアはコロナに謝罪する。

「い、いいえそんな、謝って頂かなくても」

その変わりように驚いたのか、コロナはまた頭を上下させていた。



「……あら、ごめんなさい。 つい話し込んじゃったみたいね」

グローリアが意味ありげにそう言い終えると同時に、権堂が愛刀「千日雨」を構えた。

「っ! 怪虫か!?」

それで察したレニィも即座に長剣を構える。
コロナも身長に不釣り合いな長剣を構え、医術士のヴィヴィアンは皆をいつでも治療できる位置につく。
こんな時でも、なにやら文句を言っているサトーはもうどうしようもない。

「さてと、どのくらいの怪虫かしら」

暗闇から放たれる敵意に対し、自身の身体の調子を確認する。

故郷の空気のせいか、お腹の彼女は好調なようだ。

敵の判定
コンマ一桁が1に近いほど弱い、9に近いほど強い。
安価下3

コンマ判定は直後でいいのでは?

ksk

コンマ安価は直下で良いと思う
言動の安価と違って

連投でとっても問題ないよね

途中で送信してしまった

コンマ安価は直下で良いと思う
言動の安価と違ってじっくり考えたりそれまでに出た書き込みを参考にする必要が無いわけだし

すいません、コンマ安価は以降直下とします。


「まぁ、そこそこの数ね」

暗闇から姿を現したのは、人間の子どもくらいはある蝿だった。
数は丁度その場にいた人数と同じ六匹。

「さて、どうしようかしら」

戦闘指定

1:格闘
2:魔術
3:人体改造

コンマ判定
1に近いほど苦戦、9に近いほど善戦

安価下

「Gyyyyyyyy!」

「たまにはこの子達も使ってあげないとね」

蝿がその顎で食いちぎろうと迫るなか、私は右腕を一閃させる。

低い身長に応じた短い腕だが、その腕は本来の長さ以上に伸び、迫る蝿の頭を破裂させた。

「う、力強すぎちゃったかしら」

頭を貫く筈が破裂させてしまったことに、今後の調整の課題を見出だす。



「レニィ君たちの方は大丈夫かな?」



コンマ判定
安価下

ほい

どうやら苦戦しているようだ。

蝿たちはお互いを補うように動き、その身に攻撃を当てさせない。

「ちょっとまずい状況みたいね」

このままでは……

1:格闘で加勢
2:魔術で加勢
3:人体改造で加勢


コンマ判定
安価下2

3

「レニィ君、いまからそっちに魔術を放つわ! 私が杖で床を叩いたら、皆を散開させて!」

蝿たちの攻撃をなんとか避けながら、顔はそらさずレニィ君から返事がくる。

「っと、分かった! 強力なの頼むぜ」

レニィ君からの返事を聞きながら、私は魔術の準備をする。

魔術指定

1:要素魔術(魔術名指定)
2:自身の中に宿る魔術

安価下2

2

「アクセスーーー我がシン」

厳密に言えば、これは魔術ではない。

「呪いを衣として身に纏え。呪いが水のように腑へ、油のように骨髄へ」

これは自身の中にいるものの力を汲み出す術。

「纏いし呪いは、汝を縊る帯となれ」

かつてガンズゲイルにて猛威を奮った、怪虫の力。

「肉を食み骨を溶かし、霊の一片までも爛れ落として陵辱せしめよ」

様々な大怪虫(メガガウンデ)を生み出し、自身もまた強力な大怪虫であった怪虫たちの母。

「死に濡れよ」

その力がいま、彼女の子どもたちの命を絶つために解放される。

「グローインベル」


術の完成と同時に、私は力強く杖を打つ。

「全員、散れえ!」

レニィ君の言葉で、皆が一斉に蝿たちから離れる。

『Gyyy……?』

蝿たちがその行動に戸惑うなか、術はその力を現した。

『Gy? Gyyggi』

蝿たちの周りに、赤い雨が降りだしたのだ。

ガンズゲイルでは降るはずのない雨が降り、蝿たちは混乱した。


混乱した蝿の一匹が雨に触れた。



その瞬間、蝿は叫ぶ暇もなく雨に溶けていった。



「う、なんだありゃあ……」

「む、虫さんがと、溶け……」

その後も蝿たちは雨に次々と溶けていき、雨がやむ頃には完全に溶けきってしまった。

雨がやんだのを確認し、中の彼女との接続を切る。

「ふう、ま、ざっとこんなところかしら」

今回はこれで終了といたします。
>>234さん、安価間違えてしまい申し訳ありませんでした。
代わりといっては何ですが、叶えられる範囲での設定の付加を一つ行いたいと思います。

安価下2

何が良いかな…

ksk

蘭奢待

そもそも設定の付加って何に対して有効なんだろうか…

安価下なら
クラン【万屋】のメンバーorグローリアの好きな食べ物について詳しく

>>244 何に対して有効
分かりにくくてすいません。
主人公のステータスや境遇などに設定を一つ追加という意味です。

>>243 蘭奢待?
所持品に蘭奢待?を追加ということでよろしいでしょうか?

投下したいと思います。
人いますでしょうか?

いますです

「お疲れ様、怪我はなかった?」

「うむ、グローリア殿のおかげで皆怪我もなく大事ない、助勢感謝する。」

私が声をかけると、髪をポニーテールにした男の人が礼を言ってきた。

「いいわよ、大したことじゃないし。 ええと、貴方は……」

「権堂だ、以後よろしく頼む」

そう言って手を差し出してくる権堂に、私も笑いながら手を差し出す。

「ええ、こちらこそよろしく」



その後に話を聞けば、なんでもレニィ君たちは金帯虫を探しているらしい。

実戦のデータは取れたし、金帯虫も珍しい虫ではある。

さて、どうするか?


言動指定
安価下2

ksk

私は別の獲物を狙うことにするわ
気を付けてね

「私は別の獲物を狙うことにするわ?。 
気を付けてね」

そう言って、レニィ君一行とは別の道を進む。




「なにか珍しい怪虫は……」

そう呟く私に、なにかが近づいてくるのを感じる。

敵判定

1:蠍
2:百足
3:蟷螂
4:蜂

コンマ判定
コンマ一桁が9に近いほど珍しい。

安価下

「蟷螂……、怪虫デサイザー」

私の前に姿を現したのは、私の身長ほどの蟷螂だった。



【怪虫デサイザー】
両手の鎌で獲物を捕獲し、巣に持ち帰る習性をもつ。
鎌の切れ味はそれほど鋭くないが、一度捕まれば抜け出すのは困難とされる。



「捕まったらちょっとまずいわね」

近接戦闘は分が悪いかもしれない。


戦闘指定?

1:格闘?
2:魔術?
3:人体改造?

コンマ判定?
1に近いほど苦戦、9に近いほど善戦?

安価下

3

「間合いの外からがベストね」

デサイザーに向けて右腕を放つ。

右腕が敵の頭を貫通すると思った瞬間

「Sgyyyy!」

「あら、意外と素早いのね」

右腕は当たる寸前で避けられてしまう。


コンマ判定
安価下

縺輔※

0は特殊?

ネクスさんの研究成果を曲がりなりにも受け継いでいるんだよな、この貴方…

出来るならだけど、特殊な性質を持ったフリークスと出会ったら憑依or人体改造による組み込みをさせたりしてみたいな
多分、彼と同じように魔術の才を魔法系フリークスで補えるだろうし


0はボーナスとして希少なアイテムが出現します。




「でも、素早いだけじゃね」

空を穿ったと思われた腕は、意思を持つかのようにデサイザーの頭を貫いた。

「ただ伸びるだけじゃないのよ、私の腕は」

頭を貫かれ絶命した怪虫に、説明するように一人呟く。

「ん、何かしらこれ?」

怪虫の死骸に近づくと、なにか光る物を見つけた。

そこにあったのは……


1:メダル
2:琥珀
3:指輪


安価下2

三?

3で

「指輪?」

拾い上げた手の中には、蟷螂の意匠が描かれた指輪があった。

「いったいこれは……? なにかの力のようなものを感じるけど」





『母の気配だ』



母は錬金術師だっけ






「っ!?」

『驚くことはない、母の契約者よ』

頭に語りかけてくるような声に、思わず指輪を手放してしまう。

「あ、あなた一体、なに?」

『母の契約者よ、それはいかなる意味でだ?』

『我が兄弟たちの中で、そして人間がいう怪虫のなかでどのような存在という意味でか?』



『それとも、我が君にとって』

瞬間、闇で満たされていた空間に

『害を為す存在という意味でか?』

無数の眼が現れた。


アクナクウィアラ的な奴のことか?

「いきなりご挨拶ね!」

いつ飛び掛かられても対応出来るよう、彼女たちとの接続を開始する。

『ほう、その力、母だけではないな。 なんとも愉快な存在よ』

「そんな、どうして!?」

一目で見破られた身体の秘密に、接続していた意識が途切れそうになる。

「どうやらとんでもない物を拾っちゃったみたいね」

かなり絶望的な状況に、思わず弱音を吐いてしまう。




『そんなことはない。 我などつまらぬ存在だ』

そう言うやいなや、周りを蠢いていた眼が一斉に引いていった。


「……どういう風の吹き回しかしら」

『もとより君に危害を加えるつもりはない。 少し試しただけだ』

その割りには命の危機を感じたのだけれど……

「で、引かせてくれたってことは、お眼鏡にかなったと見ていいのかしら?」

あいにくとその眼鏡が何なのかは分からないので、まだ油断は出来ないのだが。

『うむ、まさか母だけでなく竜をもその身に宿しているとは。 長い間生きてきたが、君のような者は初めて見る』

「正体までばれてるなんて……。 あなた本当になにものよ」

『なに、長生きをしていれば見る眼くらいは養われるものだ』

ずいぶんとフランクになってきた彼?に、私は思いきって聞いてみた。

「結局の所、貴方ってなんなの?」

『む、そうだな、我は一言で言えば……』

「一言で言えば?」

思わず急かし、彼?の正体に迫る。

『一言で言えば……』

















『そう、一言で言えば、我は魔導王なのだ』

「……へぇ」

私、今日は厄日かもしれない。

今回はここまでで終了とさせていただきます。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
なにか質問などがあれば、お気軽にどうぞ。


そういや魔導王って結構ノリが軽いヒト達ばっかりだったな
あの人とか魔導ウェポンになってたし

所で>>259で既に出てる質問だけど、グローリアはどこまでネクス・アークの技術を知っているのだろう?
そして、憑依魔術は行使できるのだろうか?
これ以降の展開に支障がない範囲でいいので教えて欲しいです

>>272
グローリアには、ネクス・アークの持つほとんどの技術が提供されていると考えてもらってよろしいです。

これから明かしていくことになるのですが、主人公はある特殊な事情により身体に彼女たちを宿らせています。
よって、彼女は憑依魔術を行使することはできません。

返答感謝します

本編で出てたあの技術のイロハをものにするとは凄いな…


投下したいと思います。
人いますでしょうか?

居るぜ

わがままなお願いだと分かっているけれど、出来れば次回はいつ頃来るかとかも教えて欲しい

>>276
すいません、次から気を付けます。




「魔導王、ねぇ」

『ふむ、あまり君の理解は得られていないようだな』

いきなり語りかけてきた指輪の話を信じる人がいたら、私はその人を心配してしまう。



しかし魔導王、魔導王ときたか。




【魔導王】

今より昔、世界では魔導王という強大な魔術士たちが力を奮っていた。

その強大な力を魔導王達は抑えようとはせず、遊戯感覚で戦争まで始めるほどだった。

強すぎる力を持った魔術士達は人という限界を超えるため、時空を操る力、つまり不死性を手に入れようとした。

しかし結局は魔導王の誰も不死性を獲得するには至らず、一人また一人と姿を消していった。




今から九百年も前の魔術士と対話している。

字面にすれば1ダラーも貰えない冗談だ。

『今の財貨の価値は分からぬが、どうやらこの状況は塵に等しいようだな』

「さっきからだけど、私の考えは筒抜けみたいね」

あまりヘタなことは考えないほうがよさそうだ。



「まぁ、仮に貴方を魔導王とするわ」

『君の理解に感謝する』

どういたしまして、と心の中で返事をする。


「まずは名前でも教えてもらえるかしら?」

魔導王ともなれば、名前を聞けばピンとくるような有名人ばかりだろう。



名前指定
安価下

蠱王ヒュオニア=セラ

蠱に関係なかったら異名の蠱王は無しで

あ、原作とは関係なくていいのね…

>>279
原作で判明してる魔導王はこの指輪の王に対して特性etcが当てはまらないからな…

>>1、もし原作と関係づけなきゃならないんだったら無効にして下さい

すいません、ちょっと席外してました。

>>279 >>280
なるべく自由性の高いスレにしたいので、原作の根幹に関わらないのならどのような設定でもOKです。






『我の名はヒュオニア=セラ、または蠱王とも呼ばれていた』

蠱王ヒュオニア=セラ。また随分と大物の名前が出てきた。

魔導王たちはその力ゆえに様々な逸話を持つ者が多いが、ヒュオニア=セラはその中でも異彩を放っている。

そんな魔導王の逸話とは……


逸話指定

安価下
安価下2

蜘蛛を操り蜘蛛の糸で雲をつくり雨を降らせた

他の生物の意識をジャック、自らの思考の支配下に置き第三脳として利用
よって万単位の分割思考と意識のバックアップを持つ


ヒュオニアは様々な虫たちの王として有名で、配下の九蟲鎧軍(レギオナウス・ナインゼクト)を率いて数多くの伝説を作り上げている。

ある時は戯れに、隠密頭・スパイデントの吐く糸で雲をつくり大雨を降らせたなど、ヒュオニアの逸話には虫たちが深く関わっている。



ヒュオニア配下の者たちはただの兵隊ではなく、ヒュオニア自身だとも言われている。

そう噂されている理由は、彼らはヒュオニアに自身を掌握され、いざという時の代行体とされていたという話が存在するからだ。

ヒュオニアはその特殊な魔翌力で他の生物の意識をジャックし、自らの支配下に置いた。

それは代行体を生み出すだけでなく、万単位の分割された思考を可能にした。

平均の魔術士以下の知識しかないグローリアには理解しにくいが、そのジャックした思考は結果として、第三脳(サードブレーン)と呼ばれる技術を確立させた。

ヒュオニアは自身にではなく、他者を媒介とした不死性に手を付けた。



そんなヒュオニアの確認された最後は……


安価下

自らの不死性を完全なるものにする為、独りアンダーグラウンドへと降り立ち姿を消した

ヒュオニアの不死性へのアプローチは、思わぬ落とし穴が存在していた。

代行体への転移が、徐々に成功しづらくなってきたのだ。

意識を完全に支配しているとはいえ、元々は別の魂が入っている体に転移するのは、いかに魔導王といえど負担がかかる。

加えて、転移の連続によりヒュオニアの魂は知らず知らず消耗していた。

この事実に気付いたヒュオニアは、配下の者たちに一方的に別れを告げた。

そして自分一人で、混沌と恐怖の巷(エルデエイニオン)の中枢たる大穴に消えていった。




これが、蠱王ヒュオニア

今回はここまでで終了とさせていただきます。
次は20時位から投下したいと思います。
お付き合いいただきありがとうございました。

>>286 訂正

ヒュオニアの不死性へのアプローチは、思わぬ落とし穴が存在していた。

代行体への転移が、徐々に成功しづらくなってきたのだ。

意識を完全に支配しているとはいえ、元々は別の魂が入っている体に転移するのは、いかに魔導王といえど負担がかかる。

加えて、転移の連続によりヒュオニアの魂は知らず知らず消耗していた。

この事実に気付いたヒュオニアは、配下の者たちに一方的に別れを告げた。

そして自分一人で、混沌と恐怖の巷(エルデエイニオン)の中枢たる大穴に消えた。


これが、蠱王ヒュオニア

すいません、何かうまく投下出来ないようになってます。

>>286


これが、蠱王ヒュオニア

すいません、また次に投下し直します。


これが、蠱王ヒュオニア

蠱王ヒュオニア

これが、魔導王ヒュオニア

記号をすべて抜いてみるといい。機体依存文字とか受け入れないことがあるから。
後、ここでしたら?

テストスレ 第壱拾陸章
テストスレ 第壱拾陸章 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373986105/)

>>291
助言ありがとうございました。
試してみたら、イコールがまずかったみたいです。

ヒュオニアの不死性へのアプローチは、思わぬ落とし穴が存在していた。

代行体への転移が、徐々に成功しづらくなってきたのだ。

意識を完全に支配しているとはいえ、元々は別の魂が入っている体に転移するのは、いかに魔導王といえど負担がかかる。

加えて、転移の連続によりヒュオニアの魂は知らず知らず消耗していた。

この事実に気付いたヒュオニアは、配下の者たちに一方的に別れを告げた。

そして自分一人で、混沌と恐怖の巷(エルデエイニオン)の中枢たる大穴に消えた。




これが、蠱王ヒュオニアセラの伝えられている最後である。

『なんとも懐かしい話だ。 我が友たる九鎧将は健在だろうか』

昔に思いを馳せてそうな声が頭に響く。

再開?

再開か?それとも昨日の残りか

すいません、ちょっと投下遅れます。

把握

投下したいと思います。

ヒュオニアが率いる九蠱鎧軍は、魔導王たちの中でも有数の戦闘集団として有名だ。

武装した虫たちを中核とした戦闘集団はヒュオニアを頂点とし、その下に九体の蠱鎧将(インゼクトル)が存在することで数々の戦場にて猛威を奮った。

参謀・ビーザック
直接的な戦闘力以上に、仕掛けた策により敵から恐れられた蜂の鎧将。

『参謀の提案する策は面白いように当たってな。 我が覚えている限り、参謀の策を却下したことはないほどだ』

因みに、結果として殺めたものの数が一番多いのは参謀だという。

ある本には、ヒュオニアさえも恐れをビーザックに抱いており、意のままに動かされていたとある。

しかしこの話を聞く限り、ヒュオニアの信頼が参謀ビーザックに不名誉な称号を与えてしまったのではないだろうか。

「って私、本人だと思っちゃってるし……」

まだ本人と断定するのは早すぎる。

大斥候・アントワニー
無数の小さきものたちを用いて、敵よりも敵を知る蟻の鎧将。

『大斥候は知らぬことなどないかのような物知りでな。 我もよく色々なことを聞いたものだ』

九体の将の中で長老格であったアントワニーは、仲間内での争いも瞬く間に納めたらしい。

「放任主義っぽいものねぇ」

そう言い、指輪にチラリと目線をやる。

隠密頭・スパイデント
いかなる者もその牙と糸からは逃れられないといわれ、標的は確実に葬る蜘蛛の鎧将。

『隠密頭はあれで愉快な性格でな。 我の悪ふざけにもよく付き合ってくれた』

ヒュオニアの逸話のうち、スパイデントは共に出てきた話が最も多い。

隠密頭という肩書きから冷酷な将を想像しがちだが、逸話では指輪の言う通り愉快な面が存在している。

「一体どんなひとなのかしら?」

目の前の指輪は、それを知っているのだろうか。

先手大将・カブテリオス、クワガタイタン
自軍の先陣を務め、敵には恐怖を、味方には勇気を与える、甲虫と鍬形虫の鎧将。

『先手大将の二人は頼もしい者たちでな。 勇猛なカブトと思慮深いクワガ、まさしく名双将であった』

九蠱鎧軍の戦いはまず、カブテリオスとクワガタイタンの活躍から始まる。
兵たちは二将の背中を追う形で進軍し、跡には敵の骸しか残らないという。

「ラフレシア帝国辺りが飛び付きそうな人材ね」

そんな将が率いていた九蠱鎧軍、一体どれほどの力だったのか。

中軍主将・テントウ
軍の総指揮官であると同時に、王であるヒュオニアの親衛隊の隊長たる天道虫の鎧将。

『中軍主将は謹厳実直な者でな。 あの者のおかげで、身に降りかかる危険など感じたことはないほどだ』

ヒュオニアが戦場に現れる時、傍には必ずテントウがついている。

軍の猛者たちを突破しヒュオニアに近付いても、次の瞬間にはテントウの手にかかっている。

「なんだか凄い苦労人のように思えてきたわ」

ヒュオニアの逸話を見る限り、あの魔導王は大人しいなんて柄じゃなかったはずだ。

遊軍主将・キルマンティス
味方の危機、敵の好機などあらゆる状況を掻き乱し、自軍の勝利に貢献した蟷螂の鎧将。

『遊軍主将は実に奔放であった。 あの者を見ていると、自分がいかに鈍重なのかを思い知らされる』

風のように現れ嵐のように去っていく、キルマンティスの動きはまさにそれだったらしい。

またキルマンティスには兄弟が存在する。
ヒュオニアが常に騎乗していた大蟷螂、カマキラスはキルマンティスの弟にあたるらしい。

「兄弟揃って、か」

それほどまでに魅力的だったのだろうか、蠱王ヒュオニアは。

九蠱鎧軍には、双翅と呼ばれる二将が存在する。

蠱鎧将はいずれも強者揃いだが、その将逹をして別格と言わしめる二将、それが双翅である。

双翅の右翅・デスコーピオン
双翅の左翅・ムカデリンガー
どのような戦況も覆し、敵味方ともに畏怖されたという、蠍と百足の鎧将。

『今でも我は思うのだ。 何故あれほどのものたちが共に歩んでくれたのか』

一度力を振るえば、敵の命を百奪い、味方の命を百救うと言われている双翅の鎧将。
それほどの力を持ちながら、蠱王ヒュオニアに仕える道を選んだ者。
彼らはヒュオニアに、一体何を見たのか。


「本人でも分からないことってあるのね」

それとも本人だからこそ、分からないことなのだろうか。

『久方振りに友のことを思い出せた。 君に重ねて感謝を』

「どういたしまして、蠱王ヒュオニア」

そう言い、私は指輪に頭を下げる。

『おや? 君の中から我に対する疑念が、大分薄れてきているのが感じ取れる』

何故なのかとばかりに、頭に声が響く。

「貴方は意識してないんでしょうけど、さっきから頭にお友達のイメージが流れ込んできてたのよ」

『なんと……、それは、すまない……』

申し訳なさそうに響く声に、思わず可笑しくなってしまう。

「ふふ、そんな謝らなくたっていいわよ。 私からすれば、とっても貴重なもの見せてもらったことになるし」

『ふむ、そう言ってくれると助かる』


『ところで君、頼みがあるのだが、良ければ聞いて貰えないだろうか?』

「頼み?」

魔導王の頼みとは、なんだか身構えてしまう。

「私なんかが力になれるか分からないけど」

『なに、そう身構えなくてもいい』







そうしてヒュオニアが私にした頼みとは、なんとも意外なものだった。

『君、私を拾ってくれないか?』



今回はここまでで終了とさせていただきます。
次の投下は、明後日の21時を予定しています。
お付き合いいただきありがとうございました。
質問などありましたら、お気軽にどうぞ。

時間軸はまだSmCある辺り? ある程度したら原作二巻に進む?

>>313
はい、smcはまだ存在しています。
このあといくつかのイベントを経て、smc編へと突入していきます。



SmCは色々と厄介だな…


投下します。
人いますでしょうか?

一応いるにはいる

居るかも

時間ずらしたほうがいいでしょうか?

しばらくこのままで様子を見て良いんじゃない?
あまりに人が集まらないようだったら少しずらすとか

>>320
ご意見ありがとうございます。
とりあえず投下します。




「貴方を、拾う……?」

意外といえば意外な頼みに、間を置かず聞き返してしまう。

『君の疑念は理解できるつもりだ、母の契約者よ』

「理由は聞かせてもらえるのかしら? 貴方を拾う理由を」

話してみて害がなさそうとはいえ、相手はかの魔導王だ。

思わずその頼みの理由を問う。

『もちろん理由は答えるとも』

そういって魔導王ヒュオニアは語る、その頼みの真意を。


理由指定
安価下

地上を離れて星霜の月日が経った故、地上は私の与り知らぬ場所となっているだろう
無理にとは言わないが、我が朋友の九蠱鎧軍と今一度会いたいのだ
あるいは、彼らの足跡を、生きた証をたどりたい

それに、先ほども言った通り、君自身にも興味が湧いたのでね
かつて魔術を研鑽した者として、君の生き様を見てみたくなった

あ、上の文は「だから手助けして欲しい」的な意味です
無理強いしない感じで




『私はもう随分と昔から、このアンダーグラウンドに存在している』

かくしてヒュオニアが語る、その胸の内。



『地上を離れて星霜の月日が経った故、地上は私の与り知らぬ場所となっているだろう』

臣下たちと別れ、ひとり大穴へとその姿を消した魔導王。


『無理にとは言わないが、我が朋友の九蠱鎧軍と今一度会いたいのだ』

人よりも虫たちを己の友とし、常勝軍と名高い九蠱鎧軍を率いて戦場に名を馳せた蠱王。


『あるいは、彼らの足跡を、生きた証をたどりたい 』

人に理解されぬが故に虫たちを生涯の家族とした、魔導王・蠱王ヒュオニア=セラ






『それに、先ほども言った通り、君自身にも興味が湧いたのでね』

「わ、私!?」

ヒュオニアの驚きの発言に、目を剥いて大声を上げてしまう。

『そんなに驚くことかね?』

「そりゃあ、他ならぬ魔導王の貴方の興味を引けたのならね」


正直、なぜ興味を引けたのかわかりかねる。

『かつて魔術を研鑽した者として、君の生き様を見てみたくなった』

「ちょ、ちょっと待って! ちょっと待って!?」

わざとではないのだろうが、その言葉に顔を赤くしてしまう。




『む、顔が赤いぞ。 体調になにか異変でも』

「なんでもないわ! ええ、なんでもありませんとも!」

誤魔化すように大声で答える。

子供のようにむきになって否定する自分なんて何年振りだろうか。



『まぁ、理由としてはこのように自分勝手なものだ。 君が良ければ、力を貸して欲しい』


私は……


言動指定
安価下




私では力不足かもしれませんが、出来る限りは手伝う事を約束しましょう
クランのメンバーにも、貴方のご友人に関する文献や伝承を探るよう働きかけてみます
その代わり…私や仲間が危機に陥ったときは助けて頂けますか?

魔導王時代の記録は、今はもう殆ど残っていません。誰かによって、意図的に消し去られたかのように。其れを行ったのは、生き残った一部の魔導王ではないかと私は睨んでます。
指輪型とはいえ生きていた貴方のように、この世界にはまだ魔導王が生きていて、この世界の秘密を隠している。
世界の秘密を探ることは私の望みでも有りますから、協力させて下さい。




「私では力不足かもしれないけど……」

『おお、では……』



「私の仲間にも、ご友人のことを探すよう頼んでみるわ。 出来る限りの協力は約束するつもりよ」

『母の契約者よ、君に無限の感謝を』

頭に、ヒュオニアの声が深く響く。


「代わりといってはなんだけど、仲間が危機に陥った時、貴方の力を貸してもらえるかしら?」

『ふむ……』

何か考えるような声を発するヒュオニアに、まずいことでも言ってしまったかと身構える。


『君の提案、一つ条件を加えさせて欲しい』

「……提案? 一体何かしら?」

思わぬヒュオニアの言葉に、緊張しながらなんとか聞き返す。


そうしてヒュオニアが加えた条件とは……






『仲間だけでなく、君自身の危機も救わせて欲しい』


その言葉を理解すると同時、静かにヒュオニアを自身の手にはめる。





「ええ、よろしくお願いするわ。 ヒュオニア」

『こちらこそ、よろしく頼む。 グローリア』






この日アンダーグラウンドで私は、優しい魔導王の知り合いができた。


すいません、明日から少し用事があり投下できません。

いつにも増して短いですが、今回はこれで終了とさせていただきます。

毎度遅筆で少ないというスレですが、それでもお付き合い頂いている皆様には感謝しきれません。

頑張って完結までは持っていこうと考えているので、どうかこれからもよろしくお願いします。

では、質問などありましたらお気軽にどうぞ。



あと近いうちに、クランのメンバーを数名出したいと思っているので、皆様よろしければメンバーの設定など提案してくださると幸いです。



投下したいと思います。
人いますでしょうか。

居るぜ

では投下します。






もう充分に珍しい者とは出会ったし、身体のデータも取れたが、探索はどうしようか。

「う~ん……」

急いで帰れば、この指輪のことを相談できるかもしれない。



1:続ける
2:続けない

安価下

おりますです

つづける


「ヒュオニア、悪いのだけど探索を続けてもいいかしら?」

『我に遠慮することはない、グローリアよ。 気のすむまで付き合おう』

快諾してくれたヒュオニアに感謝しながら、探索を続ける。





「何かしら、一体」

しばらく周囲を探索していると、こちらを窺うような気配を感じる。




コンマ判定
安価下2

ksk

ほい


「Syyyyaaaaaayy!」

「残念だけど、見えてるわよ」

闇からの不意打ちを難なく躱す。

「蜂……、怪虫トルービーね」

不気味に羽音を鳴らす怪虫を見ながら、その正体を呟く。



【トルービー】
頂点に女王をもつ蜂の怪虫で、女王の命令のもと冷酷な兵隊として敵に襲いかかる。
常に集団で行動し、その連携の前には大型の怪虫も獲物同然だという。



集団で行動するはずのトルービーが単独で襲いかかってくるとは……。

「幸運なのか不運なのか、判断しかねるわね」



戦闘指定
コンマ判定

1:格闘
2:魔術
3:人体改造

安価下

2


「錆びつかないように、ちゃんと使っておかないとね」

才能のない自分は、常に魔術の感覚を磨いておかなければならない。

『グローリアよ、一つ提案なのだが』

下準備に入ろうとした時、ふとヒュオニアが声を発した。

「何かしらヒュオニア、その提案って」

怪虫から目を離さずに、ヒュオニアの声に答える。



『うむ、君が任せてくれればの話なのだが』

「ええ」

そういって聞かされたヒュオニアの提案は、魔術士にとって驚嘆すべきものだった。

『我の魔術を君の中に転送し、君がそれを発現させるというものなのだが……』

「……はい?」

その提案に戦闘中なのにも関わらず、思わず呆けてしまった。

「え、ちょ、ちょっと待って!? それってつまり、私が貴方の魔術を使えるってこと?」

『まぁその通りだ』

こともなげにヒュオニアは肯定する。



魔術指定

1:要素魔術(術指定)
2:自身の中に眠る魔術
3:ヒュオニアの魔術

安価下

ものは試しだ、安価は3で


私とて魔術士の端くれだ。

偉大な先達であるヒュオニアの魔術に触れられる、その事実に歓喜を抑えるのは至難の技だ。

「……お願い、してもいいかしら」

『もちろんだとも』

その声と同時、自身の中に膨大な何かが入ってくるのを感じた。


虫たちの声、息遣い、思考、羽音、鼓動。

塗りつぶされるその思考がこのちっぽけな存在は迎合すべきだと安らぎであり救いだとsoの孫剤haきhisubekiも乃出はなi戸




『君はグローリアだ、その存在は揺るいではいけない』

拡散しかけた思考が、その一言で再構成される。

『すまないグローリアよ、我の不注意で』

「……いいえヒュオニア、貴方が気に病むことはないわ」

ヒュオニアの謝罪を自身の否定で中断させる。

「続けて、ヒュオニア」

『……了解した』




「Gsyyyyy!!」

しびれを切らしたのか、トルービーがその針を突き出し迫ってくる。

「素之houyou派須部tewo筒無」

瞬間、自身の知らない、だが確かに知っている詠唱が口からこぼれた。

詠唱の効果はすぐに実を結ぶ。

「Giyッ!?」

ずっと鳴っていた羽音を鳴らさず、しかしトルービーは空中にいた。

『我が初めて編み出した魔術だ。 単純なものだが、なかなかに使えると自負しているよ』

ヒュオニアの声を聞きながら、目の前のトルービーが陥った状況を確認する。






全身を土で覆われ、トルービーはその自由を奪われていた。

しかも拘束している土はじわじわと収縮しているようで、トルービーは苦しげに身をよじらせている。

『悪戯に苦しませるのも酷だ。 楽にしてやるといい』

その言葉に従うように、自身と拘束している土のつながりを認識する。



『つながりを感じたら、そのまま握りこめばいい』

トルービーに重ね合わせて開いた手を、一気に握りしめる。

その結果、トルービーは一瞬にして小さな土塊と化した。



「すごいわね、やっぱり」

『君が頑張った結果だ、我は背を押しただけに過ぎない』

本気でそう思っていそうなヒュオニアに、思わず脱力してしまう。

「なんか、立て続けにすごい体験してるわね、今日のわたし」

探索途中だが、自身を落ち着けるため腰を下ろす。



『精神的な疲労が濃いようだが、大丈夫か?』

ヒュオニアの心配に、私は笑って返す。

「心配しなくても大丈夫よ」

それに疲労といっても苦痛ではなく、これは喜びに分類されるものだろう。

「だとしたら、随分と贅沢な疲れ方してるわね」

アンダーグラウンドでこのような喜びを感じるとは、夢にも思わなかった。




「探索、どうしようかしら」


1:続ける
2:続けない



一旦帰って状況整理でもしよう
安価は2で



「一旦帰って状況整理といきましょうか」

指輪のヒュオニアに語りかけながら、地上を目指して歩く。


『私がこの地に降りたのが数百年前、一体地上はどのようになっているのだろうか』

「まぁ、貴方の頃よりは安全だと思うわよ」

好奇心を滲ませた声に、思わず微笑みながら歩く。







「何かしら、あれ?」

地上まであと少しの距離という所で、私は足を止める。

『ふむ? なにやら人だかりが出来ているようだが』

ヒュオニアの言うとおり、アンダーグラウンドの出口になにやら人だかりができているのだ。

人だかりは全員男で、砂にまみれた悪魔のメダルを皆首からさげていた。

あのメダル、最近どこかで見たような……




『グローリアよ、気のせいかもしれないがあの者たち、我等の方を見てはいないか?』

「……え?」

最近の記憶を思い返している私を、ヒュオニアの声が現実へと引き戻す。





「間違いねえのかトーベ、このガキがてめえをボコボコに?」

「は、はい、間違いねえです! ミゲットとジャニもこいつに!」

私を囲むようにして、人だかりの男たちが集まる。

その中から二人、男たちの中でもひときわ大きい男と、何やら全身を包帯で縛っている男が前に出てきた。





「よう嬢ちゃん、オレの部下たちを随分可愛がってくれたらしいな」

大きい男がメダルをいじりながら話しかけてくる。

その顔はお世辞にも善人とはいえず、暴力で生活している者特有の色が濃く出ている。

「生憎だけど、貴方の部下なんて知らないわ」




これでもそれなりのクランのマスターを務めている身だ。

その肩書きは自身に、様々な出来事を体験させる。

万屋の支援など、クランへの協力を申し出てくれる人たち。

両親の子供としてではなく、一人のグローリアを慕いクランに加入してくれる人も最近は現れてきた。

もちろんこのように良いことばかりではない。


むしろ、悪いことの方が圧倒的に多く起こっている。

このような外見の者がマスターを務めているクランの名が大きくなれば、それだけで気に入らないと思う者はこのエルデンには大勢いる。

万屋の名声だけでなく、利益を奪おうとする者も多くいる。





別にそれはこのエルデンでは悪いことではない。

サンランド無統治王国の王、我等が戴くキング・グッダーの方針は、建国以来変わっていない。

すなわち、君臨すれども統治せず。支配すれども関知せず。

この方針のもとエルデンでは、法も秩序も存在しない。

盗みたければ盗み、奪いたければ奪い、殺したければ[ピーーー]。

しかし忘れてはならないのは、この街では狩る者が常に狩る者だとは限らないということだ。

盗んだから盗まれ、奪ったから奪われ、殺したから殺される。

つまりエルデンとは、そういう街なのだ。





だから、クランに害を与えた者には報復した。

万屋が有名になり始めた頃から今まで、報復により潰れたクランは片手では余るほどだ。

万屋のメンバーにはやり過ぎだと注意されるが、こればかりは譲ることはできない。

私はもう二度と、自分の周りの人たちを失いたくないから。






「しらばっくれてんじゃねえぞガキが! 俺をこんな目に合わせておいて、知らねえで済むと思ってんのか!」

包帯男が前のめりになりながら怒鳴る。





「申し訳ないけど私、全身を包帯で縛るような性癖の人に心当たりはないの」

奇人変人は何人か知り合いにいるが、目の前の男はそのどれでもないようだ。

『ふむ、我の知り合いにも変人は大勢いたな。 まともに話せたのはジブリールくらいだった』

ヒュオニアが懐かし気に声を頭に響かせる。

ジブリールというと、魔導王・恵みと慰めのジブリールだろうか?






「嬢ちゃん、あんまり俺たちを馬鹿にしないほうがいいぜ」

飛び出しそうな包帯男を下がらせ、大男が前に出る。

「エルデンに住んでるなら嬢ちゃんも聞いたことあるだろう? 俺たちのクラン、地底悪魔の名を」

そう言い、見せつけるように首からさげたメダルをかざす。





地底悪魔(デザートデビル)

近年勢いを増している悪党クランで、メンバーは全員首から、砂にまみれた悪魔のメダルをさげている。

五十人ほどのメンバーで構成され、必ず三人以上で行動しているようだ。

あるクランとの同盟が近頃成功し、それが勢いの原因と私は見ている。




「地底悪魔、ね」

以前あるクランを調べている時、繋がりのあるクランの中にそんな名前があったのを思い出した。

「おっ、やっぱり聞いたことくらいあるか」

「俺たちも有名になったなあ」

「それもこれも頭のおかげってもんだ」

こんな時でも媚を忘れないのには感心するが、どうやら男たちは勘違いしているようだ。

「しかし嬢ちゃん、聞いたことがあんなら、俺たちに手を出したのは間違いだったな」

大男のその言葉で、包囲の輪が縮む。



「頭、あのガキ捕まえたら俺にまかせてくれませんか。 犯して殺るだけじゃ気が済まねえ」

「いいぜ、他の奴等がやり終えたら好きにしな」

耳が汚れそうな話題に、思わず顔をしかめる。

「いまさらそんな顔したって遅いぜ嬢ちゃん。 恨むなら自分を恨みな」

「あぁ、思い出したわ」

私のそんな言葉に、不審げに大男が首をかしげる。

「何を思い出したって? 詫びの言葉かなんか」








「地底悪魔って、SmCのおまけクランじゃない」








私の言葉の意味が理解できなかったのか、あるいは私がこの状況でそんなことを言う意味が分からなかったのか。

男たちはその身を硬直させていた。



「あら、どうかしたの?」

私の問いに、大男が呟くように返してきた。

「……おいガキ、いま何て言った?」

「聞こえなかったの? いいわ、もう一回言ってあげる」

そう言って、先ほどよりもハッキリとその事実を告げる。





「地底悪魔って、SmCのおまけクランって言ったのよ。 ちゃんと聞いておきなさい、その耳までおまけなの?」

言ってからふと大男の方を見る。

「うわ、すごい顔」

顔中の血管が浮き上がり、随分と気持ちの悪いことになっている。





「容赦することはねえ! テメエら、一気にやっちまえ!!」

大男の言葉で、男たちの硬直が解ける。

手にそれぞれの得物を持ちながら、一目散にこちらに向かってくる。





『力を貸そうグローリアよ。 この数は少々骨だろう』

「いいえ、大丈夫よヒュオニア」

せっかくの申し出だが、それには及ばない。

『しかし』

「貴方の魔術を使うには、ちょっと勿体ない相手よ」

そう言い、男たちに向き直る。




助勢判定
コンマ二桁が50以上なら、対人関係に基づいたクランなどが助勢してくれます。

現在の主人公の対人関係

サフィニア:5
きゅー:8
コロナ:1
レニィ:8
フランク:9

このうち同クランの者たちの数値が10以上なら助勢可能となります。
現在はクランZOOのみ助勢可能です。

安価下






すいません、安価しといてあれですが、今回はここまでとさせていただきます。
次回は30日の20時を予定としています。
今回もお付き合い下さり、ありがとうございました。
質問などありましたら、お気軽にどうぞ。

おつ
あとコンマすごい

早速質問
00出たけどこれは100扱い?ダブルクリティカル?ただの0?それともまさかの800?

>>356
まさかの00。ちょっと驚きを隠しきれません。
これはダブルクリティカル判定でいきたいとおもいます。

戦闘後、ZOOに関する特典を用意させていただきます

了解です
今のところ全コンマが成功という…

クランのメンバーについては簡単な設定を考えるだけで良いですかね?

>>358
はい、メンバーの設定は気軽に考えてもらって結構です。

取り敢えずメンバー案

飛瑠(フェイル)
・龍州から流れ着いたは良いものの、エルデンの地になじめず行き倒れになり掛かった所をアンブローズに救われる
 以降、彼の下で万屋のメンバーとして働くようになった
 特に頼る当ても無かったので、基本的にギルドに住み込みで働いている
 中背で痩身の青年然とした風貌だが、見かけによらない剛力を持つ
 どんな味でもどんな食材でも食べられるものであれば全部食べるが、ナインフィールド家の手料理が一番の好物だった
 名前はエルデンで『失敗』を意味するが、彼自身は失敗とは正反対の極めて有能な人物である

ロータス・フィロソファー
・第五区、パドメゾール付近を住まいとする魔術師崩れの女性
 本来は高位の僧や魔術師を輩出する第十三区の高貴な家柄の出身だったが、複雑な事情によりある日出奔
 色々な場所を転々としながら過ごすうちにグレイスと出会い、彼女の生き様に感銘を受けて万屋のメンバーとなる
 蘇生術が盛んな第十三区で育ち、幼少期から人の生死に触れてきたため、生命や霊魂に関する魔術に秀でる
 グレイスへの憧れから錬金術の修練もしているが、魔法と違ってあまり伸びは良くないようだ
 利発ではあるが、おっとりマイペースでどこか世間ずれした雰囲気を纏っている



 

>>360
うおお、素敵なメンバー設定ありがとうございます!
魅力的なキャラクターを活かせるよう、自分も頑張ります。

>360ですが、外見やエルデンへ流れ着いた理由、複雑な事情などは適当に考えて下さっても構いません
いや、むしろお願いします
それと、飛瑠の『ナインフィールド家の手料理が一番の好物だった』ってのはナインフィールド家の暖かい雰囲気の中で食べることに
無類の幸せを感じていたのであって、グレイスの手料理を作れるグローリアが作ってくれる料理も勿論好きではあります




>>362
了解です。


投下したいと思います。
人いますでしょうか。

居ます




「爆条Mexes雷來礼」


男たちを迎え撃とうと構えた瞬間、幾条もの雷が男たちを感電させた。


「爆雷索?」


たった今放たれた魔術の主を探そうと辺りを見回すと、少し離れた所に見知った男女の集団がいた。





「い、一体何が……」


「さぁ、何かしらね?」


動揺している男たちの数人を打ちのめし、包囲の輪から脱出する。





そのまま男女の元に走り、魔術士風の女性に語りかけた。


「魔術の援護ありがとうサフィニア。 相変わらず惚れ惚れするような腕ね」


「……い、いえ……そんなこと……」


いつものように謙遜するサフィニアに、思わず笑みがこぼれる。


翡翠色の瞳を遠慮がちに伏せる彼女の他にも、そこには見知った顔が揃っていた。






「余計な手出しだったか?」


派手な炎模様(ファイヤーパターン)の鎧を纏った男が尋ねてくる。


「いえ、助かったわ。 さすがにあの人数は骨よ」


「ふむ、そうか? お前なら簡単に片づけられそうだが」


首を傾げながら彼、トマトクンは、いまだ混乱している男たちのほうを見て言う。






「簡単にって……、何十人もいるように僕には見えるんだけど」


それを聞いたのだろう。


マリアローズがそのきれいな瞳を、呆れたように細める。


「ていうか、一人でD8に来るとか。 僕には信じられないんだけど」


「そう? 慣れれば結構いい所よ」





「来まス」


マリアローズと話していると、横から砂色の元アッサシン、ピンパーネルの声が飛んできた。


ピンパーネルの視線を追えば、地底悪魔の男たちがこちらに向かって来るのが確認できる。


すいません、ちょっと席外します。

蜀埼幕縺励※縺溘°

ただいま戻りました。
投下再開します。




「ごめんなさいね、なんか面倒事に巻き込んじゃって」


「んな水臭いこと言いっこなしやで、グローリア」


二本の変形斧を構えながら、カタリが陽気に笑う。


「カタリの言う通りよ。 私たち、知らない仲じゃないでしょう?」


「……まったく、私には勿体ない友人達だわ」


灰色がかった青い瞳で優しげに見てくるユリカの言葉に、意図せず頬がゆるむ。





「誰だか知らねえが、さっさとそのガキをこっちに渡しな」


大男が、手に持った大剣をちらつかせながら言った。


「あいにくとこいつは仲間でな、悪いが諦めてくれないか?」


大剣など眼中にないかのようにトマトクンが振る舞う。


「あ? 何だてめえ、俺を誰だか知ってそんなこと言ってんのか?」


トマトクンの余裕の態度が気に障ったのか、大剣を突き付けながら大男が尋ねる。


「俺とお前は初対面だしな、もちろんお前のことなど知らん」


のんきに答えるトマトクンに、そういう事じゃないとばかりにマリアローズが頭を抱える。


「あのさトマトクン、それってそういう意味じゃ……」


「女は引っ込んでな」


勘違いを正そうとしたのだろうマリアローズに、大男が声を発っした。





それを理解したのだろう、マリアローズが言葉を打ち切った。


「あーあ、言っちゃった」


小さく震えているマリアローズを見て、私は呟きを漏らす。





「なんだ、震えてんのか? 無理するもんじゃねえぜ、嬢ちゃ」


「……僕は」


そこからのマリアローズの行動は早かった。


四メーテルほど離れた大男の眉間に、籠手を装備した右手を突き出し、籠手に付いているスイッチを左手で押す。


「女じゃない!」


その瞬間太い針のようなものが籠手から飛び出し、それは見事に大男の眉間に突き刺さった。





「ん? なん」


刺さったものを見て、なんだこりゃとでも言おうとしたのだろう。


「どぶべ」


しかし大男が発した続きは、意味をなさない呻き声だった。


針に仕込まれた即効性神経毒に体を痙攣させながら、大男はその巨体を地に伏せる。








「か、頭!? てめえ、汚ねえ手を」


「あなたたちも大人数で私を嬲ろうとしたし、おあいこでいいじゃない」


非難してくる包帯男に、やんわりと返す。






「マスターも倒れちゃったし、どう? このへんでお開きといかない?」


「ざけんな! ここまで虚仮にされて、黙ってられるか!」


期待はしていなかったが、包帯男は怒りで体を震わせながら叫ぶ。


大男の心配よりも、私への怒りの方が大きいらしい。


「どこまでも馬鹿にしやがって、ぜってえぶっ殺してやる!」


その叫びを合図に、男たちが飛びかかってくる。


「ああ、結局こうなるのね」


喚きながら向かってくる男たちを見ながら、今日何度目か分からない呟きをもらす。




今回はこれで終了とさせていただきます。
お付き合い頂きありがとうございました。
質問などありましたらお気軽にどうぞ。


>>356のダブルクリティカルにより、ZOOに関する特典を設定します。

ZOO全体、またはメンバーのうちの誰かとの関係を設定できます。



>>372
>>373
>>374

上記の安価に設定をお願いします。



ZOO全体

>>373は途中で送信してしまった…
ZOO全体とは結構良好な付き合い
いつものごとくカタリがいたいけな美少女が悪漢に襲われていると勘違いして助けに入って勝手に自爆し、ZOO一行が間に入って事なきを得たのが交流の始まり

後二つ出来る感じ?
なら一つはマリアローズで

外見から色々と勘違いされやすいという共通の悩みを持っているため二人で愚痴を言い合ったりする仲
ZOOと知り合った後に知り合い、意気投合した

所で次はいつですか?


>>375
すいません、投下予告忘れてました。
次の投下は5日の20時を予定しています。


ZOOに関する設定はあとひとつ追加可能ですので、皆様よろしければどうぞよろしくお願いします。

ではあと一つはカタリと、稀少物蒐集家として、またギルドどうしの会合での繋がり。
魔導王の遺産の情報探して書物漁って解釈を議論したり、ファルコーネとか含めて互いのゲットした稀少物や世界情勢について話し合う会合に参加したり。

5日の20時に投下予定でしたが、バイトにより少し遅れます。
申し訳ありません。

先ずはリアルを優先して下さい
待ってますから

それと、クランのメンバー案はまだ受け付けていますか?

携帯から失礼します。


>>379
ありがとうございます。
メンバーはまだまだ募集していますので、お気軽にどうぞ。

ただいまバイトから帰ってきました。
投下したいと思います。
人いますでしょうか。

います

おります


結果だけ言うと、地底悪魔との戦闘はすぐに片が付いた。


「まぁ、随分と間が悪かったわね」


地面に倒れている男たちに向けて、僅かながらの同情の念をまぜて言葉を放つ。


「しっかしこいつら数だけで、自力は全然やないか」


「見たところ、群れてどうにかなってたような連中だからな。 実際はこんなもんだろう」


カタリの言葉にトマトクンが答える。


見れば他の皆も怪我はないようで、小さく安堵の息をつく。





「ち、畜生……、なんで俺たちが、こんな奴等に……」


「あら、意外と早かったわね」


倒れ伏している男たちの中から、包帯男が声を上げる。


恨めし気に見てくる男の目には、いまだ抵抗の意思が存在しているようだ。


「それはちょっと不味いのよね」


地底悪魔だけならなんとかなるが、その後ろにいるクランに感づかれるのは良くない。


さて、どうするべきか……。



行動指定

安価下


※行動次第で今後のイベント進行に影響が出ます。

手早く気絶させて場所を移す
死んだ奴は仕方ないとして、あまり残虐にならないように


「いや、早まっちゃ駄目ね」


ZOOの皆がいる手前、殺すのは不味い。


ここは気絶でもさせて、どこか別の場所に捨てるのが正解だろう。


「という訳で、お休みなさい」


有無を言わせず男の意識を絶つ。


「トマトクン、頼みがあるんだけど」


「ん、なんだ?」








「こんなとこでいいか?」


「ええ、協力感謝するわ」


ガンズゲイルを出た後、ZOOの皆に協力してもらい男たちを捨てる。


「近いうちになにか奢らせてちょうだい」


道中好奇の視線に晒された皆には、なにか美味しいお店にでも招待しようか。


「ちゅーかやなぁグローリア、女が一人でアンダーグラウンドは危な過ぎるって」


「あら、心配してくれるの?」


カタリの言葉に悪戯げに返す。


純粋な彼の気遣いには、毎回わけもなく嬉しくなる。


「当たり前やがな」


「当たりマえでス」


カタリだけでなく、ピンパーネルまで返事に加わる。


「本当、私には勿体無い人たちね……」


このような人たちと友達になれたのだから、エルデンも捨てたものではない。






「ところでグローリア、この後予定はあるの?」


ユリカが尋ねてくる。


この後は……。



行動指定

安価下





取り敢えずは予定は無い
後でクランには寄って調べものなどをしようと思っているが、何か有るならそちらに付き合うのも良いかも



予定を頭の中で振り返ってみるが、特に急ぎの用事はない。


ヒュオニアにも確認を取る。


『我のことは後回しで構わぬ』


「特に予定はないわね」


ヒュオニアの言葉に感謝しながら、ユリカに返答する。


「この後、私とサ(しゃ)フィニアとマリアで服を見に行くんだけど、よかったらどう?」


「皆で服を?」


ユリカの提案は、なんとも心躍るものだった。


「いいのかしら、私が一緒でも」


「もちろんいいって。 グローリア可愛いし、すっごい選び甲斐あると思うよ」


「……私も、そう思います……」


サフィニアとマリアローズの言葉に、つい照れ隠しで口を手で覆ってしまう。







「ちょっと待ってえな! グローリアの予定が空いとんのなら、わしの誘いも聞いて欲しいんやけど」


頬の熱を引かせる努力をしていると、カタリが横から声をかけてきた。


「なんだよ半魚人、僕らが先に提案したの見てなかったの? あ、そうか脳が魚だから理解出来なかったのか」


「だれが脳が魚やボケェッ! 先に提案したのくらいわかっとるわい!」


売り言葉に買い言葉で、そのあともカタリとマリアローズの罵り合いは続く。





「それでカタリ、私にお誘いって何かしら?」


罵り合いが一段落ついたところで、カタリにお誘いの内容を聞く。


「いやぁ、予定が空いてんならわしとデートでも」


マリアローズが無言で籠手をカタリに向る。


「じょ冗談やがな、冗談!」


自分でも悪気はあったのか、その後すぐに用件を話し出す。



「わしこれから稀少物蒐集家(レア・ハンター)の集まりに行くんやけど、よかったらグローリアもどうや?」


「あら、会合って今日だったの?」


カタリの誘いも、また心惹かれるものだった。


稀少物蒐集家とは、この世に存在する珍しい武具や秘宝に並々ならぬ情熱を持つ者たちのことで、カタリはその中でもひとかどの人物なのだ。


そんな稀少物蒐集家たちは頻繁に会合を開き、互いの情報を交換したり、自らが獲得した宝を自慢したりする。


私も人よりはそういう物に興味がある性格で、カタリに頼んでよく出入りさせてもらっている身だ。


「他の奴等もグローリアのこと気に入っとるみたいで、出来たら連れてくるよう頼まれてんねん」


「数回出入りしただけなのに……。 気持ちのいい人たちね」


誰もが子供のような顔をしているあそこは、とても暖かく懐かしい気持ちにさせてくれる。



1:服を選びに

2:会合に

安価下




「相変わらず賑やかね、ここ」


「ここは話の分かる奴しかおれへんからな、皆普段は喋り足りないんやろ」





あの後、私はカタリの誘いに付いていった。


ユリカたちには大変申し訳ないが、服選びは後日またということになった。


「お、グローリアじゃねえか。 どうよ、今度一緒にD1に挑まねえか」


「やっぱり小さくて可愛いわねぇ。 どう、今度お姉さんと一緒に」


「見てくれグローリア、これはとんでもない発見だ!」


カタリと会場を歩いている途中、色々な人に話かけられる。






「グローリアもすっかり人気者やな」


そのことが嬉しいのか、自分のことのようにカタリは喜んでくれている。


「これもカタリのおかげよ」


「なんや、わしの魅力に気づいてしまったんか?」


そんな風に話し合っていると、前から見知った人が歩いてきた。




その人物は……。


安価下


※原作キャラでもオリジナルキャラでも構いません。
 オリジナルキャラの場合、簡単なプロフィールを書いて頂けると助かります。



今回の投下はこれで終了とさせていただきます。
次回は明日の21時くらいに投下したいと思います。
質問やクランメンバーなど、お気軽によろしくお願いします。
お付き合い頂きありがとうございました。


ところで皆様にお聞きしたいのですが、今の書き方で大丈夫でしょうか?
見直せば随分とこちらで勝手にキャラ付けをしてしまい、なんか僕が考えたオリ主みたいな印象が……。
ここはこうした方がいいなど、ご指摘などもよろしかったらお願いします。


ロドリゴ・ファルコーネ

今の書き方で大丈夫かと
元々基本設定は安価で決めたんだし、それ以外は>>1の裁量に任せます
グローリアも良いキャラになってきているし特に問題は無いと自分は思いますが

予定より早いですが、投下したいと思います。
人いますでしょうか?

居ます



「おうグローリア、やっと顔見せてくれたか」


褐色肌の偉丈夫、ロドリゴ・ファルコーネが声をかけてきた。


ファルコーネは鉄の心臓協会(アイアンハーツソサエティ)というクランのマスターで、稀少物蒐集家の中でもその実力は五本の指に入る。


またファルコーネだけでなく、そのクランもアンダーグラウンド攻略が専門のハードな日々を過ごしているそうだ。


「ごめんなさいねファルコーネ、ここ最近クランの用事が忙しくて」


「まぁお前んところは幅広くやってるしな。 その年で大したもんだぜ、まったく」


男らしく笑うファルコーネにつられ、私も笑みを浮かべる。






そんな風に談笑していると、傍に立つカタリが不満げに声をあげる。


「なんや二人だけで喋りおって、わしもちゃんといるんやで」


「まぁそう気を悪くすんなよカタリ。 ほら、この前仕入れたばかりの情報やるからよ」


さすがに長年の付き合いで御し方を分かっているのか、カタリはすぐに機嫌を直した。


「気にする事なんかないてぇ、わしとオッサンの仲やないか!」


そんなカタリの様子に、ファルコーネと二人で笑う。


「んで、んで? その情報っちゅうのはどんなもんなんや?」


「俺も本当に仕入れたばかりで、裏付けもしていない情報なんだが」


堅実なファルコーネがそう言うからには、本当に仕入れたばかりなのだろう。


知らず知らずのうちに、私もその話に集中する。




1:武器の情報

2:防具の情報

3:秘宝の情報

4:異界生物の情報


安価下

3





「なんでもD2で、首辺りに宝珠を埋め込んだ竜を見た奴が数名いるらしい」


「宝珠ちゅーことは、魔導王時代の」


「秘宝ってわけか。 本当なら大発見と言っていいわね」


ファルコーネの情報は、予想を上回るものだった。


ここ最近は魔導王時代の秘宝は発見されておらず、本当ならば皆が血眼になって求めるほどのものだ。







「オッサン、その情報はどこから入ってきたんや?」


「ああ、情報は逆鱗会(シグルマリス)の連中からだ」


情報元の名前で、この情報に真実味が増してきたきたような気がする。


逆鱗会は竜狩りを専門に行うクランで、あのクランの竜に対する思いを考えれば嘘は言わないだろう。


「連中が狩りの途中、メンバーの何人かがその竜を見たらしい」







ファルコーネの話を要約すると、逆鱗会は予定していた竜を狩りに行ったらしい。


そして目的の竜を発見、前もって決めておいた布陣で戦闘を開始し、終始優勢に進めたらしい。


しかしそこに宝珠を首に埋め込んだ竜が乱入、逆鱗会は一時混乱した。


されどそこは歴戦のメンバーたちで、その竜は撃退、目的の竜は無事討伐に成功したらしい。





「宝珠の話も興味深いけど、竜を二匹相手取る逆鱗会の方も凄いわね」


「俺もその話を聞いた時、全く同じことを思ったよ」


竜とは本来一匹相手でもその力は強大なものだ。


その巨大な足で踏み潰され、強靭な顎で噛み砕かれ、灼熱の気吹(ブレス)で焼き尽くされる。


人など竜にとって羽虫と同等の存在でしかないのだ。





現に私がその力の一端を手にしようとした時も、払った代償は軽いものではなかった。


背中に無意識に力を入れながら、ファルコーネに確認をとる。


「それで、私たちにその話をしたってことは」


「俺たちはもう別の目標があるんでな。 察しの通り、お前たちに譲るさ」





「なんやオッサン、随分と太っ腹やないか」


カタリの言葉に、ファルコーネは笑いながら返す。


「そんだけお前らには期待してるってことだよ」


先輩の素直な褒め言葉に、後輩である私とカタリは嬉しくなる。


「よっしゃ、やったろうやないか!」


「貴方にそう言われちゃあ、ね」


「おうその意気だ、頑張れよお前ら」


そう言うと、マスターとして会わなければならない人がたくさんいるのか、ファルコーネは人ごみの中に消えていった。






カタリを見れば期待されたことが嬉しいのか、身体を震わせながらやる気の表れを口にしていた。


「やるでやるでやったるでぇ! 漢が漢に期待されたなら、それに応えるのが漢道ってもんや!」


「ねぇ、カタリ」


意気込むカタリに、ある提案をするため話かける。


「ほ? なんやグローリア」


「これは提案なんだけど、今回の話協力しない?」


私のその言葉に、カタリは少し考え込んでから答えた。


カタリの答えは……



1:協力する

2:協力しない


安価下


1
うちらのクランが力を合わせれば百人力や!
まぁ、みんながみんな、そう都合良く揃うとは限らんがな




「ZOOと万屋、わしらが力を合わせれば、今回の件はもう成功したも同然やで!」


「快い返事感謝するわ、カタリ」


了承を得られた所で今後の打ち合わせといきたいが、カタリがそれは無用だと言う。


「でも、いいの? 竜相手なら綿密な打ち合わせをしたほうが……」


「大丈夫やって、ZOOの皆にはわしから話とくさかい」


この話はこれでお終いとばかりに言い切り、カタリは人ごみの中に突撃していった。






まぁ決めるところはしっかりと決めるカタリだから、そう心配はしなくても大丈夫だろう。


「久しぶりの会合だし、私も楽しもうっと」


スキップ気味に歩きながら、カタリに続くように人ごみに向かう。



情報指定

21:00まで安価で募集



情報指定って何を指定するんです?

取り敢えず
今話題の異界生物、それから曰く付きの武器や防具について

すいません、指定情報書いてませんでした。


1:九蟲鎧軍関連

2:SmC関連

3:異界生物関連


コンマ一桁が6以上で情報獲得


21:15まで安価募集

1

一人何回までだろう
有効なら2

3




情報獲得数……0




「なんか、今日はやけに濃い一日だったわね」


会合もそこそこに自宅へと戻った私は、書斎の椅子に深く座る。


地下の書庫から資料を纏めるよう頼み、その到着をヒュオニアと共に待つ。







「リアちゃ~ん、頼まれてた資料持ってきたよぉ」


「ありがとうロータス、入って大丈夫よ」


私がそう言うと、扉を開け一人の女性が入ってきた。


ロータス・フィロソファーは両親の教え子の一人で、フワフワの金髪が特徴の魔術士だ。


彼女が得意とする魔術は特殊で、私もその知識には数えきれないほど助けられた。


「重かったぁ、腕がつっちゃうかと思ったよ」


「ご苦労様。 そこに座って、お茶でも淹れるわ」


温めておいたポットにお湯を注ぐ。


茶葉は龍州産のもので、ただよう香りが気分を落ち着けてくれる。


「リアちゃんが淹れてくれるお茶美味しいから好きぃ」


「ふふ、ありがとう」


時々妹にすら思える彼女の前に、淹れたてのお茶を置く。









今回の投下はこれで終了とさせていただきます。
次回の投下は11日の21時くらいを予定しています。
お付き合い頂きありがとうございました。






取り敢えずメンバー案

クロム・スティルネス
・ラフレシア第三帝国出身、くすんだ灰色の髪をした元フリーランスのクラッカー
 国から追われ傭兵まがいの仕事で日銭を稼いでいたが、ある日たまたま依頼ボード貼ってあった万屋の依頼を受注したのをきっかけに
グローリアと出会い、よく依頼を受けるようになる
 腕は立つのだが他者に依存する受動的な性格で、誰かと組んだり指示を受けたりしないと中々本気を出せない
 その性格の為に少年期に国家反逆の濡れ衣を着せられ、国から追われて必死で隠れ逃げ回っている内に気配や音などを絶つ技術を身につけた
 自らの隠密性を最大限に高め、自らを護ってくれる迷彩柄を好む。服やアーマーのみならず、武器にすらペインティングする程
 忍刀や仕込みナイフ、暗器、ワイヤー等の暗殺やアンブッシュに向いた武装に精通している

乙です

メンバー案

レイヴン
・烏の濡れ羽色という言葉が相応しい見事な黒髪と、透き通るような白い肌を持つ美しい女性
 衣服や顔立ちから東方の出身のように思われるが、自らの身の上については黙して語らないため本名も不明
 原因は不明だが左目の全域が真っ黒に染まっており、視力の一切が奪われているため日常生活では使い物にならない
 失った視力と引き替えに、左目で気配や空気、魔翌力の流れといったものを感じ取れるようになったが、負担が大きいので普段は眼帯を付けている
 近~中距離戦闘と狙撃に秀でており、対をなす武装、黒の十三連装銃剣“黒百合”と白の六連装弩剣“白百合”をメインに戦う
 遺品・名品の刀やモトローリィ刀の蒐集が数少ない趣味の一つであり、“百合”一式の他に猛毒の染み出すダガー“彼岸花”等を所持している

あれ?結局来なかったな…
忙しいのだろうか…

すいません、急用でPC使えない日が続いてました。
今日の21時くらいには投下できると思うので、よかったらお付きあいください。

素敵なメンバー案ありがとうございます。

把握
何かあったんじゃないかと心配したぜ…

投下したいと思います。
人いますでしょうか。

居ます




ロータスが持ってきてくれた資料に目を通していると、正面に座る彼女からの視線を感じた。


「どうしたのロータス? お茶のおかわりかしら?」


彼女のカップを見れば、中身のお茶はすでに空になっている。


ポットを取ろうと立ち上がりかけると、それを遮るように彼女が声を発する。


「リアちゃん、ちょっと聞いてもいい?」


「ええ、どうぞ」


どうやらお茶のおかわりを希望する視線ではなかったらしく、椅子に座り直す。






「さっきフェイ君が言ってたんだけど、近いうちにドラゴン狩りに行くって本当?」


「もう皆の耳に入ってるの?」


少々の驚きと共に、有能過ぎる彼の顔を思い浮かべる。


もしかしたら今頃、ドラゴン討伐の準備を進めているかもしれない。


「フェイ君が皆に言ってたよぉ。 『お嬢様のドラゴン討伐の為、皆用意を怠らないように』って」


ロータスの言葉に、思わずその様子を想像する。


無駄のない彼のことだから、メンバーの中でも戦闘慣れしている者にのみ声をかけたのだろう。


そうなるとそろそろ……。








「お嬢様、飛瑠です。 入室よろしいでしょうか?」


規則正しいノックの音と一緒に、聞きなれた声が響く。


「噂をすればってやつかしらね」


彼の場合、すべて計算されたとも思えるから恐ろしい。


「お嬢様、どうかされましたか?」


「なんでもないわ、飛瑠。 入ってきて頂戴」


入室を促すと、先ほどまで思い浮かべていた彼が入ってきた。





「失礼します」


そう言う彼の髪や目は黒く、彼が東方出身であることをうかがわせる。


飛瑠は龍州の出身で、私がクラン創設の際最も力を貸してくれた存在だ。


大抵の悩み事は容易く解決してしまい、もし兄がいたらこのような人なのかもしれないと常々思っている。


「フェイ君お先~」


「ロータス、先に来ていたのか」


飛瑠がロータスに気付くのと同時、彼にお茶を差し出す。


「まぁ取りあえずは座って。 お茶でも飲みながら話しましょう」


「これはお嬢様……、ありがとうございます」


お礼を言いながら座り、飛瑠はお茶を一口飲む。






「龍州のお茶ってなんかいいよねぇ。 心が落ち着くっていうか」


「我が故郷の数少ない長所だからな」


ロータスの言葉に、口調こそ穏やかだが飛瑠が毒づく。


飛瑠は龍州からこのエルデンに流れ着き、行き倒れそうになっていた所をお父さんに拾われたらしい。


龍州でなにがあったのか自分からは語ろうとせず、飛瑠の過去は両親しかしらない。


龍州でなにがあったのか、どうしてエルデンに流れ着いたのか。


私は、まだ両親ほどの信頼を獲得できていないのだろうか。






「それで飛瑠、なにか私に話でも?」


暗い考えを振り払うように、飛瑠に話かける。


カップを目の前のテーブルに置き、彼は用件を話す。


「ドラゴン討伐の話なのですが、よろしければ自分も同行させて貰えないかと」


「あら、予定は大丈夫なの?」


飛瑠は万屋の中でも重要な位置にいるメンバーで、彼抜きでは進められない仕事がいくつもある。





「ご心配なく。 先ほど片づけねばならない案件はすべて終わらせて参りました」


簡単そうに言うが、彼がこの月に担当していた仕事は相当な量だったはずだ。


それをたった数時間で終わらせるとは……。








「フェイ君の部下さんたち、皆すっごい顔色してたよ。 私、思わず杖構えちゃったもん」


ロータスの言葉で、死屍累々の有様となっている彼らに謝罪の念を送る。


「今度、皆で慰安会でもやりましょうか」


「いいねぇ慰安会、リアちゃんの家でぱーっとやりたいかも」


「ならばその時の手配は自分が」


こんな時でも準備役を買って出る彼に、思わずロータスと二人で笑ってしまう。






「それでお嬢様、同行の件なのですが」


「そうねぇ……」


飛瑠が加わってくれれば確かに心強い。


ここは……。



同行者指定

三名までメンバーを指定できます。
現在のメンバーの中から選んでください。


メンバー詳細


>>360
飛瑠
ロータス・フィロソファー


>>409
クロム・スティルネス


>>412
レイヴン




安価下

飛瑠 、ロータス・フィロソファー 、レイヴン





「それではお嬢様、残りのメンバーはこちらで」


「リアちゃん、お茶ご馳走様ぁ」


飛瑠とロータスが揃って退室する。


あれからいくつかの打ち合わせを二人と行い、今日はお開きとなった。





『君は随分と多くの人の上に立っているようだな』


二人が退室してすぐ、ヒュオニアが声を発する。


「九蟲鎧軍の主に言われるなんて、これは光栄だわ」


『あれは実質参謀が組織していたようなものだ。 私はいただけに過ぎない』





そう言い、ヒュオニアは言葉を続けた。


『対して君は違う』


『仲間一人一人のことを最大限に考えるその姿勢』


『私にもあの時、そのような考えが出来ていたら』


悔いるように零すヒュオニアのその言葉は、かつての自身の行いを指してのものか。











『不死を我が身に求め、混沌なる穴にその答えを見出そうとした』



『そこで幾月もの試行錯誤を繰り返しているうちに、ふと気付いたのだ』



『我は何故、その身に不死を求めたのか』


「それは……」






問うようなその言葉に、思わず自身の考えを口にした。


「皆と、一緒に居たかったから?」


『……』


私の言葉に、ヒュオニアは何かを耐えるように沈黙する。


その沈黙が何の意味を持つのか、私には分からない。


分かるのは、彼が勇気をもって私に何かを伝えようとしてくれていること。


『……その通りだ。 やはり君は人の上に立てる人間だな』


若干声に疲れを出しながらも、ヒュオニアは語る。


『友たちとずっと一緒に居たかったから。 なんてことはない、理由としてはそれだけだったのだ』



『気付いた時は愕然としたものだ。 何故今までそのことを忘れていたのか、とね』



『答えはすぐに分かったよ』



自嘲気味に、自身を言葉で嬲るように、ヒュオニアは語るのをやめない。










『我は既に、そのようなことさえ思い出せないほどに、自身を摩耗させていたのだ』


「転移の使用過多……」


その原因に、呻くように呟く。


『そう、幾たびもの代行体への転移により、我は自身でも気づかぬうちに壊れていたのだ』


『手段であった筈の不死が、いつのまにか目的へと変わった』


『それに気付いた時、心底自身の愚かさを思い知らされた』






『そして、不死への情熱が一気に引いていった我は、自身の指輪に自ら封印されたのだ』


「それで指輪に」


全てを賭けて追い求めた不死への情熱の喪失は、彼ほどの者をしても自暴自棄にはしらせるものだったのだろう。


『その後は君に出会うまで、様々な虫たちの元を渡り歩いた』


『そして今は君の元に、こうして置いてもらっている』


『これが、世間では随分と持ち上げられている、一人の愚か者の真実だ』




中途半端ですが、今回はここまでとさせていただきます。
次回の投下は、20日の21時を予定します。
長く投下していなかったのに、お付き合い頂きありがとうございました。
質問などありましたらお気軽にどうぞ。

おつ

そういや、今回はZOOとの合同探索だから人数限定みたいだけど、通常時は何人まで一緒に連れて行けるの?

携帯から失礼します。
大変申し訳ありませんが、今回の投下は見送らせていただきます。
なんとか書こうとは思っているのですが続きが書けず、投下予定分まで完成していません。
拙作をお読みになってくれている方には大変失礼ながら、投下はまた近いうちにさせていただくことになりました。


>>429
他のクランとの合同でない場合、最大主人公含め6人までとなります。

うーむ、そうなるともう一人くらいは欲しい所かな
でもエルデンに住む他の色んなキャラが突発的に仲間になるかもしれないし一枠分は残した方が良いのだろうか

中々>>1来ないな…

>>1、まだ来ないのか?

もう…

長い間報告もせず申し訳ありませんでした。
とりあえずここ最近の用事は片付き、また投下できる目途がたちました。
つきましては、21:30からの投下を予定しています。
生存報告も出来ない愚鈍者ですが、またご参加くだされば幸いです。

投下したいと思います。
人いますでしょうか?

いますよ

すいません、PCが使えないので携帯から失礼します。

重ねてすいません、PC使えました。



『これが、世間では随分と持ち上げられている、一人の愚か者の真実だ』


ヒュオニアの自身を蔑む言葉に、私は思わず口を閉ざしてしまう。


そうじゃないと否定をするのは簡単だ。


だが、短い間ながらも形成されたヒュオニアへの理解がそれは間違いだと叫ぶ。


しかしそれこそ、一日も経っていない理解など信用できるものなのか?


私は、一体どうすれば……。


行動指定

下レス2まで

教えてくれてありがとうございました。
私が力を求めたのも、大切な人々を護る為、一緒に過ごす為。
手段が目的にすり変わらないよう、私も気をつけます。

「個人的には否定したい所だけど、まだ貴方を知ったというにはほど遠い
だから、少しずつでも貴方の事を理解していきたいと思う」と言う


意を決し、私はヒュオニアに語りかける。


「ヒュオニア」


『うん? なんだね』


自身が味わった苦痛など感じさせないその声は、かの魔導王そのものである証なのだろう。


しかし、それでも自身の暗い過去を語るのは、彼にも少なくない決心が必要だったはずだ。


そうしてくれた彼の気持ちに、私は答えなければいけない。






「私も、力を求めたわ」


大好きな皆と一緒にいる為、大切な人を守る為。


このエルデンという街は、力を持たねば生きていけない街。


だから、自身の体に異なる命を宿した。


研究成果を自身に余すところなく詰め込んだ。


後悔はしていない。


そのおかげで、私はいまでも皆と笑っていられるから。




「あなたと同じ、皆と一緒にいたかったから」


だれか一人でも欠けた未来なんて、想像できないし認めない。


ある種、傲慢でもある思いだ。


故に、私はこの思いを誰にも告げたことがなかった。


自分以外からすれば、その思いは支配ともとれる。


もし皆からこの思いを拒絶されたらと思うと、それだけで夜も眠れなくなる。


それほど、自身の思いを他者に伝えるのは恐ろしいのだ。


「でもヒュオニア、あなたは伝えてくれたわ」


彼からすれば未熟者以下の私に、その思いを語ったのだ。


思い出すだけでも胸が張り裂けそうな思いを、最後まで。


だからこそ、私が口にするのは否定の言葉ではなく……。




「教えてくれてありがとう、ヒュオニア」




きっと、感謝の言葉なのだろう。



『まったく、君という人は……』


呆れたような声色のヒュオニアが、小さく呟く。


『……』


沈黙を始める彼に習い、私も口を閉ざす。


私からヒュオニアに伝えるべき言葉はすでになく、これ以降は彼の言葉を待つべきだろう。


そうして待っていると、ヒュオニアが声を絞り出すように発した。


『よりにもよって、ありがとうとは……。他になにかなかったのか?』


呆れつつも、どこか嬉しそうに聞こえるのは、私の錯覚だろうか。


『グローリア』


そんな風に考えていると、ヒュオニアが唐突に私の名を呼ぶ。


『我もそれなり以上に人を知っていると自負していたが、それは間違いだったようだ』


おかしそうに言うヒュオニアの言葉には、不思議と活気が満ちているように感じられた。


『君のような人には、今まで会ったことがない』


『そのような君が我を拾ったことは、一体どういうことなのか』


自然とヒュオニアの次の言葉に集中する。


ただの勘だが、次に発せられる言葉は彼が決心してのものだろうと確信した。


『生憎と、それがどのような意味を持つのかは分からない』


『しかし、君の先ほどの言葉の真意は分かっているつもりだ』


『故に、我が返すべき言葉もきっと……』




『ありがとう、なのだろうな』





これにて今回の投下は終了とさせて頂きます。
皆様、お付き合いして頂きありがとうございました。
次回からようやくZOOとの合同に突入します。
慣れないシリアスはやるもんじゃないと確信しました。

なんとか年内に投下出来てほっとしています。
長い間投下しなかったのにご参加頂いた皆様には、感謝しきれません。
本当に、ありがとうございました。

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