セイバー「二次元に行ける魔術……ですか?」 イリヤ「うんっ!!」 (65)

セイバー「私は現界した際に予備知識を多々受けてますが、二次元と言われましてもあまりピンとこないのですが……」

イリヤ「要するに漫画とかアニメの世界に行けるってことだよ!」

セイバー「あぁ、創作物ということですね……というか、魔術ってレベルじゃないような気が」

イリヤ「気にしない気にしない。それよりセイバーって強いんでしょ?」

セイバー「ええ勿論。今回の聖杯戦争で負けることはあり得ませんよ。イリヤスフィール」

イリヤ「じゃあ二次元の誰かと戦って、セイバーが強いってところを見せてほしいなぁ!」

セイバー「なるほど。イリヤスフィールは決闘の観戦がしたいのですね。貴族ならではの娯楽というわけですか」

セイバー「しかし、私はマスターの許可が下りない限りは……」チラッ

切嗣「……」

切嗣「アイリ、ちょっといいかい?」

アイリ「どうしたの?」

切嗣「セイバーに、さっさと行け。と伝えてくれないか?」ボソッ

アイリ「ええ、構わないけど……というか自分で言えばいいのに」

アイリ「セイバー。切嗣が許可を出してくれたわよ」

セイバー「有難う御座います。イリヤスフィールを楽しませて参りますので」

イリヤ「やったぁ!キリツグー、ありがとうっ!」

切嗣「お褒めに与り光栄だよ、イリヤ」ニコニコ

もうセイバー苛めはやめろよ

セイバー「さぁ行きましょうか、イリヤスフィール」

イリヤ「で、どこの世界の誰と戦う?」

セイバー「いやぁ……私に問われましても。何分、作品自体の知識は皆無ですので」

イリヤ「そっかー。じゃあキリツグに決めてもらおっかな」

切嗣「僕が決めていいのかい?」

イリヤ「うん。出来ればセイバーといい戦いしそうな相手を御願いっ」

切嗣「そうだなぁ……じゃあ言峰綺礼とからくりサーカスの鳴海を戦わせるなんてどうだい?」

>>3
大丈夫。次はキリツグの番だから

つづけたまえ

イリヤ「えっ、セイバーを戦わせないの?っていうかコトミネって誰?」

切嗣「聖杯戦争の参加者で厄介なのがいてね。それが言峰さ」

切嗣「ヤツの実力を知っておきたいのもあるし、イリヤの魔術でそいつをからくりの世界に放り込んでくれないか?」

イリヤ「え〜?セイバーの戦いが観たいのに……」

切嗣「ごめんごめん。僕の我侭だから、嫌なら構わないよ」

イリヤ「仕方ないなぁ、キリツグに一つ貸しだからね!」

切嗣「ありがとう。イリヤ」ニコニコ

―日本・時臣邸―

アイリ「予定より早く日本に来ちゃったわねぇ」

切嗣「イリヤを城から連れ出せたのは怪我の功名だね」

イリヤ「ここにコトミネっていう人がいるんだー」

切嗣「ああ、恐らくは……邪魔するとしようか」ガチャッ

言峰「っ!?」

言峰(衛宮切嗣!?もう奇襲を……いや、アインツベルンの連中を連れているということは…)

言峰「……挨拶も無しに押し入るとは、物騒だな。アインツベルン」

言峰「だが、ご一行様ということは時臣氏へ共闘の申し出か?」

切嗣「いや、遠坂はどうでもいい。お前に用事がある」

言峰(コイツが私に……?何を考えている)

切嗣「娘を楽しませろ。それだけだ」

言峰「……は?」

切嗣「イリヤ!今のうちにやれッ!!」

イリヤ「それじゃーからくりサーカスの世界に〜レッツゴー!!」キュインッ!!

イリヤ「よっとぉ!」スタッ

アイリ「わぁ……なんか殺風景なところね」スタッ

言峰「っ!?なんだ!?何をしたお前たち!!」スタッ

切嗣「ん……病棟があるということは……あっ、鳴海がいたぞ」


アンゼルムス「かッ!…ぁ……が……ぁ゛!」

鳴海「……」


イリヤ「うわぁ……エグイ」

切嗣「なるほど。アンゼルムスとパウルマン先生を倒した直後か」

言峰「おい!いい加減説明しろ!」

切嗣「おい言峰。鳴海を倒してこい」

言峰「鳴海とは……あの血だらけのヤツか?というか何故私が。それ以前にここはどこだ?」

切嗣「漫画の中と思えばいい。あの血だらけを倒したら令呪を一つくれてやるが……どうする?」

言峰「ワケのわからんことを……だが、令呪を寄越すというのは本当だろうな?」

切嗣「なんだったらギアスでも書こうか?」

言峰「……いや、そこまで言うのなら構わん。死人同然が相手ならば容易いのもあるがな」


鳴海「おい……誰だ、お前達?」

切嗣「ああ、君に倒してほしいオートマータがいてね。コイツだ」グイッ

言峰「オートマ?……というか引っ張るな衛宮!」

鳴海「オートマータ、だぁ……!?」

言峰(なんだこの男・・・・・・尋常じゃない殺気を放つな)

鳴海「アンタ、見た目は人間同様だが……俺は今笑える気分じゃねぇ」

言峰(だが、令呪の獲得は聖杯戦争に大いに役立つだろう)

言峰「ああ、私はオートマだが。それがどうした死に損い?」

 “ボゥン゛ッ!!”

言峰「ッぅ゛!?」

鳴海「……チィ」

軽い爆発音に似ている。
その音が尋常でない拳速によるものだと気づいたのは、言峰の本能が背後へ回避命令を出した後のことである。
咄嗟の回避が間に合ったのは、血の滲む研鑽を重ねた八極拳法の恩恵であった。

言峰(なんだコイツは……!?)

切嗣と言峰仲良いな

言峰「その怪我でどこまでもつか見ものだが……殺させてもらう!」

 “シィンッ!!”

鳴海「子供達に……約束したんだ。おまえらを叩き、潰してやるっ…てよ」

黒鍵なる短刀を片手に三本、両手で計六本を瞬時に顕し、言葉を終えると同時に切りかかっていた。
この間合いなら投擲よりも斬撃が有効と襲い掛かるも、死人同然とは思えない体捌きで鳴海はそれらを躱す。

言峰(馬鹿な……死に損いが何故こうも……!)

 “シィ゛ッ!!シパッ!シュッ……ヒュィン゛ッ!!”

鳴海「そしておれは…誓ったんだ。そのためになら鬼にだって…悪魔にだって……なってやるってなァ」

さんざめくのは風切音だけではなかった。
言峰の一挙手一動が放つ斬撃は並大抵のものではなく、重症を負った鳴海の肉を削ぎ始めている。
軽い羽音が鳴る度に血飛沫と肉が、乾いた空に舞い散るが……致命傷でなければ難を得ないと言わんばかりに、華麗な体捌きは止まらない。

言峰(令呪で身体能力を上昇させるべきだが……それでは乗った意味を成さない……!)

鳴海「だから…」

昨日のとは別なん?

若言峰ならがんばれる

鳴海「俺は……!」

言峰(否……ここで死んでは元も子もない!使うッ!!)

 “キィイィンッ!!”

今やただの斬撃だけでなく、流れるような綿密さを持ち合わせた八卦拳が交えられている。
穿掌、劈掌、単換掌、十二連腿、これら四手に続くは龍形八掌、単操十二式。
この目にも止まらぬ殺人術を繰り出して尚、全てが致命にならない焦りから……令呪を発動させた。
淡く光る掌より、言峰はこれまでに味わったことのない高揚を得る。

鳴海「悪魔がくたばるわけには……!」

躱しながらの独白に、よりいっそうの力が篭る。
この時、鳴海は常人なら死んでいるだろう大怪我をものともせず……言峰が放つほんの僅かばかりの気の変化を捉える。
激痛に身を滞らせることなく、貧血で狭窄する視界を尚開き、形意拳従来の構えへと移っていた。

鳴海「いかねぇんだよ!!!」

 “ズドゥン゛ッ!!”

言峰「ごッ!?……が、ァ゛!!」

>>14
昨日と同じで、建て直しです。
昨日の続きから安価ふります

その内誰か奪還屋の世界とか行くのかしら

言峰「か……ッ、ぁ……?」

鳴海「ふゥ――――ッ……!」

塵よりも細かい刹那に、全身の経絡より内功を練り出し、充足した気を放つ必殺の一撃に乗せていた。
だがしかし、端から見た威力と言峰自身が感じたものは……そう大したものではない。

言峰(令呪で威力を殺せたか……!)

鳴海「……崩拳」

言峰「あ?」

言峰「……ぁ?…あっ!?ァア゛ッ!?ぎゃぱェアぁ゛あっ゛!!?」

 “ドパァ゛ン゛ッ!!!”

言峰「…………ぁ゛……っ…」

内部よりすべからず破壊し尽くす殺戮の絶技……形意拳の基にして終着点である“崩拳”。
その発勁を込めた一撃は、時間差を置いて、言峰の首から下の肉、臓器、骨、筋いずれをも爆散させていた。
乾いた空気に塵と化した血肉が舞上がり、砂の上には首だけが転がっている。

アイリ「きゃぁあぁああぁああ!!!?」

イリヤ「ひいィえええやあぁあっ!!!?」

鳴海「さって……ベスのとこ行くか」スタスタ

切嗣(やはり言峰は厄介だったな。あれほど凄まじい動きとは思わなかった)

切嗣(しかしまぁ、ここで死んだから良しとしよう)


アイリ「いやっ!!嫌ぁぁああぁああっ!!」

イリヤ「きゃぁぁあっ!!きりっ!キリツグー!!」

切嗣「ハハッ。まったく、イリヤは怖がりさんだなぁ」ニコニコ

イリヤ「首がっ!首がーーー!!」

言峰の首「……」

切嗣「大丈夫。首だけだからもう死んでるよ」ガシッ、プラーン

イリヤ「ぎゃー!!キリツグのバカーーー!!!」

アイリ「馬鹿言わないで切嗣!!魔術を解除してイリヤ!!」

イリヤ「あっ、ぁ……そうだ、解除っ!!」キュィンッ!!

鳴海かと思ったらケンシロウだった

イリヤ「はァ―――ッ……ぅう゛……!」ガクブル

言峰「ぁ……あっ?ここは……」

切嗣(ん……なんだ。魔術を解除したら元通りになるわけか)

言峰「生きて……いる?のか、私は…」

切嗣「ああ生きてるともさ。死ねば良かったのにな」

切嗣「さて、イリヤ。そろそろセイバーでやってみようか」

イリヤ「えぇ……やるの?」

セイバー「お呼びですか、切嗣」スッ

イリヤ(まぁ、セイバーは強いから大丈夫……だよね)

イリヤ「キリツグ!次の相手を決めちゃって!」

切嗣「そうだな。進撃の巨人の世界に放り込んでみようか」

セイバー「進撃?巨人?」

アイリ「巨人が大勢いる世界よ。と言っても襲ってくるだけの巨人だから」

セイバー「ほう。ですが、その程度なら造作もなく倒せますよ」

イリヤ「よぉっしそれじゃ〜!進撃の巨人の世界へレッツゴー!」キュィンッ!!

鳴海ってこんなに強かったっけ
あとアサシン軍団と遠坂陣営はどこいった

セイバー「ここが……私が昔住んでいた国に似てますね」スタッ

アイリ「あれっ?巨人がいないけど」

切嗣「平和なようだし、もしかすると巨人が去った後なのかもしれないな」

イリヤ「えーっ!?じゃあセイバーが戦える相手なんて……あっ」


ミカサ「フッ!!」

ライナー「ぐォッ!?痛ぇ……!」


イリヤ「ミカサだ!格闘訓練やってるよ!?」

アイリ「あら、ナマで見ると可愛らしいわねぇ」

切嗣「やはりと言うか、ライナーは相変わらず理不尽な暴力を受けてるな」

セイバー「ほぅ……中々の体術ですね。ちょっと挑戦してきます」スタスタ

イリヤ「……えっ?」

セイバー「そこの方、少しお時間をよろしいですか?」

ミカサ「ん……」

ライナー(誰だこの人……見慣れない服着てるな)

セイバー「私は今、強き者を探していまして……猛者と呼べるほどの者がいるのでしたら、是非手合わせ願いたい」

ライナー「おいおい正気か?ミカサは強いが、大人ですら勝てないくらいだぞ?アンタじゃ無理だろ」

ミカサ「というか……わざわざ戦う必要が、あるの?」

セイバー「いえ、アナタが戦いたくないと言うのでしたら……そうだ。他に強い人はいませんか?」

ライナー「まぁ単純に強いのは……エレンあたりか?因みにあそこにいるヤツだが」

エレン「おーいライナー、今呼んだか?……って、誰その人」

セイバー「これは失敬。私はアルトリアと申します……猛者と手合わせ願いたく」

ミカサ「待ってエレン。私がやる!」

エレン「ん?この人とお前がやんの?」

ライナー(あぁ。エレン病か)

セイバー「私としては一番強き者が望ましい……嬉しい限りです」

ミカサ「……さっさと終わらせたい。手加減しなくていいから」

セイバー「その気概……買わせてもらいますよ」

セイバー「エクスゥウゥ゛ゥッ!!!」

 “キィイィ゛イインッ!!!”

ライナー「っ!?」

エレン「は!?」

瞬として抜いた剣に光が宿り、その刀身は灼熱の如き白光に包まれている。
彼女の本気を汲み取ったセイバーは、一切の手抜きを無礼と鑑みての一撃必殺を用意したのだ。

ミカサ「……えっ?」

セイバー「カリバァ゛ア゛ァアア゛ァッ゛!!!!!」

 “ボシュ゛ゥン゛ッ!!!……ズドォオオォ゛オ゛オ゛ンッ゛!!!!!”

ミカサ「ッ゛―――――!!!?」

この日、ミカサ・アッカーマンは死んだ。
その強大過ぎる威力に巻き込まれたエレン・イェーガーもライナー・ブラウンも、その後方で訓練をしていた皆も死んだ。
町の一角までもが吹き飛び、ただの人間に成す術などあるはずがなく、人々は理不尽に死に逝った。
何の罪もない人々が、ただ、ただ闘争したいという理由だけで……殺された。

セイバー「ふっ……他愛もありませんね」

セイバー「どうですかイリヤスフィール!やりましたよっ!」

イリヤ「……」

セイバー「あっ、あれ?イリヤスフィール?」

切嗣「……」カチッ、スパー…

切嗣「アイリ。こいつに、英雄サマは今すぐ死ぬべきだ。令呪が勿体無いから自害しろ。と、伝えてくれないか?」

アイリ「セイバー。アナタ、今すぐ死んだほうがいいわ。本当に」

セイバー「えっ……いや、私は結構頑張つもりなんですが……」

アイリ「こんなに人を殺してアナタ何がしたいの!?ただの大量殺人者じゃない!!」

セイバー「そっ、それは……!」

切嗣「もういいよアイリ。次の相手を用意してあげようじゃないか」

切嗣「僕は猛烈にセイバーが奮闘する様を見たい気分でね」

アイリ「全くだわ……イリヤ。次はヘルシングで御願い」

切嗣「うん。最高の選択だよアイリ」

セイバー「あの……一応聞いておきたいのですが、本気は出さないほうが宜しいのでしょうか?」

アイリ「ううん。次は本気も本気で構わないわ……でないとセイバー死んじゃうから」

セイバー「ハハッ、これはまたご冗談を」

切嗣「よし、やってくれ。イリヤ」


イリヤ「それじゃーヘルシングの世界へ〜……レッツゴー!!」キュィンッ!!

セイバー「っと……ここが、ヘルシングの世界ですか」スタッ

アイリ「わぁ……ヘルシング家邸宅、趣があるわねぇ」

イリヤ「すっごーい!」

切嗣「今からここが戦場になると考えると、少し残念だね」

セイバー「私は誰と戦えば宜しいのですか?」

アイリ「ここのアーカードって人を呼べばいいわ。私たちは避難しておくから」

切嗣「とりあえず数キロ後ろあたりまで移動しようか。おいで、イリヤ」


セイバー「あのー、すいませーん」ピンポーン

ウォルター「はい。どちらさまでしょう?」

セイバー「私はアルトリアと申します。アーカードなる人物と決闘したく参じた次第で」

ウォルター「……死にたいのですかな?」

セイバー「いえ。そのようなつもりは端からありません」

ウォルター「宜しいでしょう。中へお入りください」

アルトリア「それではお邪魔しm」

 “バカァ゛ンッ!!!”

アルトリア「まッ゛!!?ツ゛ァ゛あッ!!!」

銃声よりも先に、己の頭部を鉛が打つ鈍い音が脳内に響き渡る。
その弾丸の軌道の元には男女が佇んでおり、若い女の手元には20mm改造対戦車ライフルが構えられていた。
セイバーは激痛にのたうち回った後、送られる殺気をようやくして感じ取った。

アルトリア(なんッ……いきなり!?)

セラス「うわ……本当に生きてますよ、あの人」

アーカード「不穏な気を感じたが、やはり人間ではないな。あの女」

セラス「20mmで死なないっておかしいですよ……貫通すらしてないし」

セイバー「あの二人か……!」

数十メートル先の二名を睨みつけるものの、全く意に介そうとする気配はない。
それどころか次の銃器を持ち出している。

アーカード「よし、次はハルコンネンを使ってみろ」

セラス「ラジャー!」

セイバー「させるか!!」

巨大な銃口はまだこちらを向いていない。
ならば迅速に駆け抜けて奴らを直接叩までと、地を蹴りだすものの……。

 “ギチッ……!”

セイバー「っ!?」

ウォルター「土足で屋根を昇るつもりでしたかな、お嬢さん?」

両足に何かが巻きついて自由を奪われたことだけは理解出来ていた。
だが、それが極細の鋼糸であるまでは凝視する余地などない。

セイバー「ならば貴様から死っ―――!」

 “ドカァ゛ンッ!!!”

セイバー「んぐゥ!!?……ガっ…が、ハッ!!」

剣を振りかざすよりも早く、30mm弾が腹部に直撃。
これでもまだ貫通しないことにウォルターは驚くものの、喰らった当の本人はめり込んだ弾によって尋常でない吐き気を催していた。

セラス「ちょっ……マジで?」

アーカード「ふむ。私が出るとしよう」

アーカード「ウォルター。解放してやれ」

ウォルター「申し訳ありません……銃に些か不具合があったようで」

アーカード「なに、アレ自体はパーフェクトだ。この娘が多々おかしいだけでな」

アーカード「さて……お前が何なのか、じっくりと……」

セイバー「聞くつもりで?私が答えるとでも思いましたか。不意打ちを食らわすような連中に」

アーカード「いや……じっくりと、身体の隅々まで解剖するつもりだったが?聞くよりも早く出来そうだからな」

セイバー「やってみろッ!!」

 “ボゥ゛ンッ!!!”

セイバー「ハッ……拍子抜けですね」

小爆発に近い音と共に、鞘から抜いた刀身から放たれた“ストライク・エア”
ただ佇むだけでそれを受けたアーカードの上半身は、見るも無残に削られている。

アーカード「……!!」

セイバー(このまま……殺しきるッ!!)

 “パガァ゛ンッ!!”

セイバー「ッご!?ぁ……!!」

三度目の銃声。
ハルコンネンより放たれた30mmの弾頭がセイバーに三度直撃するものの、衝撃と激痛を与える程度で致命傷には至らない。

セイバー「こっの……!!」

セラス「わー!?わぁああ!!?マスター!マスター!!!」

セイバー「エクスッ……!!」

 “バァ゛ン!!バカァン゛ッ!!”

セイバー「が!?あぁ゛アっ!!?」

アーカードから目を離すべきではなかった。
宝具にての一撃を高台にいる府警へ撃ち込もうとしたその瞬間……手首に、とんでもない痛みが走る。

セイバー「っ゛あ……!ぎぃい゛ッ!!?」

ジャッカルなる拳銃より放たれた二発の銃弾が、セイバーの利き腕を弾き飛ばし、手首は剣ごと宙に舞わせている。
純銀製マケドニウム加工弾殻、マーベルス化学薬筒nna9法儀式済み水銀弾頭の威力は伊達ではない。

セイバー(馬鹿な!?ただの拳銃のはずなのに……!!)

アーカード「面白い……貴様を、カテゴリーA以上の何かと認識しよう」

アーカード「拘束制御術式第三号、第二号、第一号開放……状況A、クロムウェル発動による承認認識……!!」

アーカード「眼前敵の完全沈黙までの間、能力使用限定解除開始……!!」

セイバー「ッ!?」

目、目、目……暗い闇が周囲を包んだかと思えば、そこから除くは無数の目であった。
幻覚の類かとも思われたが……違う。まごうことなく、それら一つ一つが邪悪と殺意を放っている。

セイバー「きっ、貴様の宝具か……!?」

アーカード「何だっていいだろう……これから行われるのは、教育なのだからな!!」

セイバー「くっ……あぎゃァッ!!?」

 “グチュッ!!ブチィ゛ッ!!”

セイバー「いぎゃ゛ぁアアぁ゛っ!!!」

唐突に何処からともなく現れた黒い犬が、セイバーの両足を噛み砕いていた。
一瞬では喰い千切れなかったのか、頭を左右にグイグイ振り回し、セイバーの膝から下を強引に引き千切る。

セイバー「ぎぃ゛!!ぁあぁ゛あアア゛ッ゛!!?」

アーカード「どうした……まだ両足と片腕が千切れただけだぞ?かかってこい!!」

アーカード「使い魔を出せ!体を変化させろ!!脚を再構築して立ち上がってみろ!!」

セイバー「ひッ……ひぃい゛いッ!?」

アーカード「さぁ、夜はこれからだ!!」

もはや人間の姿ではないアーカードより無数のムカデが沸き踊る。
その蟲達はセイバーの周囲を囲み、次第に服や口の中に潜り始めていた。
正気を保つことさえ困難なこの状況に、セイバーは千切れた脚でのたうち回ることしか出来ないでいる。

セイバー「いや゛っ!!嫌ぁああぁ゛ア゛アッ!!!」

セラス(うわぁ……酷い……)

旦那、それ吸血鬼ちゃう

アイリ「……で、どうだった?」

セイバー「どうっ、って……むっ…蟲……!」

セイバー「うぁあぁあああ!!!?」ガクガク

イリヤ「やりすぎだったんじゃないかなぁ」

切嗣「丁度いい薬だから、イリヤが気にすることはないさ」

セイバー「まっ、マスター!!そう言うなら、次は貴方がやってみてください!!」

切嗣「……」

イリヤ「えっ!?キリツグやってみる!?」キラキラ

切嗣(やりたいわけないだろう。だが……イリヤが喜ぶなら)

切嗣「そうだなぁ。たまには僕もいいところ見せないとね」

イリヤ「本当っ!?わぁーい!やったぁ!」キャピキャピ

アイリ「切嗣……あまり無茶しないほうが……」

切嗣「構わないよ。イリヤ、僕の相手を決めてくれ」

イリヤ「んー、それじゃあ>>40で」

ヘルシング

仮面ライダー龍騎

BETA

>>40すまん、わからないから再安価で>>44

>>1が内容を把握してる作品ははまどかマギカ、Fate/ZERO、鬼哭街、禁書、からくりさーかす、幽☆遊☆白書、マルドゥックスクランブル、サザンアイズ、ヘルシング、進撃、えとせとら、ジャンプ系、ヴェドゴニア
あたりなので、考慮してくれたら助かります。

ヘルシング

はんたー

へる

またかよ

>>45
カッコつけようとするけど結局負けてイリヤから侮蔑されて絶望する切嗣がみたいんだよ
なんか文句あるか

セイバーが勝てない奴に勝てる分けないですやん

イリヤ「んー、それじゃあヘルシングで!アンデルセン神父とか!」

切嗣「……」

アイリ「イリヤ。お父さんを殺したいの?」

イリヤ「えっ?」

切嗣「アイリ。いいんだ……これは何かの運命と思えばいい」

アイリ「いや……本当に地獄を見ることになると思うのだけれど……」

切嗣「ただ、僕一人じゃ少しキツそうだから、舞弥を連れて行ってもいいかい?」

イリヤ「うん、いーよー!」

舞弥「切嗣、お呼びですか」スッ

切嗣「ああ、ハナシは聞いていたか?」

舞弥「正直……無理があると思いますが」

切嗣「……イリヤのためだ。彼女を喜ばせるために僕らは何としてもヤツを殺す必要がある」

切嗣「策戦さえどうにかすれば……勝てるはずだ」

舞弥「了解しました」

―孤児院付近―

切嗣「策戦は頭に入ったか?」

舞弥「ええ。問題ありません」

アイリ「ふたりともー頑張ってー!」

アイリ「本当に無茶しないでね……」


切嗣「さて舞弥。定置に動いてくれ」

舞弥「了解」タタッ

切嗣「ま……やってみるか」

軽く意気込んだ切嗣の両手には、巨大な砲塔が握られている。
切嗣がその昔から愛用している兵器……対戦車擲弾発射器(グレネードランチャー)RPG-7。
焦点を孤児院の窓に合わせ、中に居るだろう子供たちのことなど一切顧みず、なんの躊躇いもなく引き金を引いた。

 “ズドォオ゛オゥン゛ッ!!!”

切嗣「アンデルセンは一応人間だからな……流石に死んだだろう」

あ、これ切嗣死んだわ

切嗣「舞弥、中の様子は?」

舞弥「対象らに最後まで変化はありませんでした。恐らくは死んだものかと……」

破壊された孤児院近くから監視を続ける舞弥に、無線機で連絡を取ると、期待通りの言葉が返ってきた。
孤児院全てを破壊したわけではなく、アンデルセンと子供が居る部屋に撃ち込んだため、その周囲から子供らの阿鼻叫喚が無線越しに聞こえる。
しかしまだ……死体を見るまでは油断できない。

切嗣「そうか。煙が収まったら死亡確認を……」

舞弥「ッ!!?」

切嗣「どうした?」

 “ドゴォ゛ンッ!!”

切嗣「馬鹿な……」

アンデルセン「エェェ゛エィイ゛メェエ゛ン゛ッ!!!」

瓦礫の一部を蹴り飛ばし、対象のアンデルセンは切嗣に向かい慟哭を上げた。
その両手にはバヨネットが携えられており、ひび割れた眼鏡の向こうからはとてつもない眼光を放っている。

舞弥「対象……生きています」

切嗣「見ればわかる……策戦続行だ。舞弥」

舞弥「了解しました」

セイバーで勝てなかったんだからもう…

アンデルセン「貴ィ様ァ……貴様ァア゛アァ゛ッ!!!」

切嗣「っ゛……!!」

想像こそ出来ていたものの、やはり間近で見るアンデルセン神父の放つ殺気は途方もないものだった。
大気を振るわせるのは豪声などではなく、間違いなくその殺意であると切嗣は理解させられた。
今回は誰がどう見ても切嗣が悪いわけであるが……当人は何に臆することなく睨みを返す。

アンデルセン「お前が何処の誰か…目的が何か……訊くのが当然だが……私にはもう、無理だ」

アンデルセン「その汚らわしい人体をォ゛……細胞すら残さず、引き裂いてやるゥ゛ッ!!」

 “ヴォヒュゥン゛ッ!!”

切嗣(速いッ!?)

それは剣が生む風切音などではなく、ただの一蹴りで間を詰める動作音。
もはや音速に近いその速度は、切嗣を棒立ちのままに射程へと追い込んでいた。

アンデルセン「死ィ゛ねッ!!!」

 “ズパァ゛ッ!!”

切嗣「っ゛~~!!」

固有時結界三倍加速(タイムアルター・トリプルアクセル)で避けるつもりだった。
だが、その切っ先は切嗣の額を一線している。端から見れば肉を裂いた程度だが、薄っすらとだけ骨までもを削っていた。
完全に避けたつもりでさえこの有様。通常回避であれば、今頃は頭部の杯が完成していたであろう。

切嗣「っグ……ぅ……!!」

アンデルセン「鈍いなァ……!」

切嗣「……!!」

 “バギパパギァ゛ンッ!!パパパギァン゛ッ゛”

アンデルセン「どうしたどうしたァ!!ア゛ァッ!!」

初手を避けたと同時に、切嗣は腰に手を伸ばしていた。
バヨネットを振りかざすアンデルセンに短機関銃キャリコM950を最短で撃ち放つものの、音速同等のその一発一発全てを打ち払われていた。
弾薬が奏でる破裂音と共に、金属同士が打ち合う挟撃音が逢い混じる。

切嗣(化け物かコイツは……!!)

アンデルセン「いーつまで弾がもつか!!楽しみだなッ!!?」

舞弥「動くな!!」

アンデルセン「っ……!?」

切嗣「舞弥!」

アンデルセン「貴様ら……ッ!!」

少しばかり離れた久宇舞弥の腕の中には、孤児院に居ただろう子供が閉じ込められている。
この行動こそが当たり前と言わんばかりに、舞弥は子供の頭に銃口を突きつけていた
勿論これは、当初に切嗣が計画した一端の策であった……人質策戦が間に合ったことに、切嗣は胸中を撫で下ろす。

みてるぞ

切嗣「よし……動くなよ、お前」

アンデルセン「……」

拳銃を威力の高いコンテンダーに持ち換え、即座に銃口を額へ合わせた。
人質を取られては大人しくしてるだろうと、切嗣も舞弥も、思っていた……が。

アンデルセン「動くな」

切嗣「……何を言っている?状況がわかっていないのか?」

予想外の言葉がアンデルセンの口から飛び出す。

アンデルセン「解っていないのはお前たちだ……いいか?これ以上1mmでも動いてみろ」

アンデルセン「バヨネットの餌食にしてやる。お前も、女もなァ……!!」

舞弥「っ……!!」

切嗣も舞弥も、この発言が本気だと……その殺意から十二分に理解していた。
この男なら、1mmと動く前に剣を両方に投げ放ち、一瞬に殺せるだろうと。

切嗣「……わかった」

切嗣「舞弥。その子供を解放しろ」

舞弥「ですが……!!」

切嗣「銃も捨てるんだ……でなければ、僕たちは殺される」

アンデルセン「懸命だな……」

切嗣「舞弥」

舞弥「……わかりました」

二人が拳銃を地に投げ捨て、舞弥は子供を解放した。
その子は泣きながら、アンデルセンの元に駆け寄る。

子供「しんっ、神父さまーー!!!」

アンデルセン「おぉ……怖かっただろうに……よくぞ耐えた」

子供「うぇぇえー……ひぐっ、グスッ……」

背の丈が合わない二人が抱擁すると対照的に、切嗣と舞弥はいそいそとその場から離れだす。
それはアンデルセンから退避するための行動ではなく……未だ続く、策戦の一部であった。

アンデルセン「さぁ、この場から離れ―――」

 “ズドォ゛オ゛オゥン゛ッ゛!!!!!”

久宇舞弥は、あらかじめ人質にした子供に爆弾をセットしていた。C4爆薬を子供の背中に1kgも仕込んでいたのだ。勿論、切嗣の命令で。
遠隔でスイッチを押すと同時、凄まじい衝撃と爆風が崩れかけの孤児院を瓦礫にまで追い込んだ。

舞弥「……やりましたね」

切嗣「いい演技だったよ。舞弥」

これが人間のやることかよ

はよー

舞弥「そういえば、お怪我のほうは―――」

 “ズドォッ゛!!!”

切嗣「っゴ!!?きぴゃッ!?きョ……っぺェ゛!!?」

舞弥「切嗣!?」

爆炎の中より唐突に飛来したバヨネットが、切嗣の首に鈍い音を立てて突き刺さる。
頚動脈はおろか、声帯まで貫通したことにより、その激痛による嗚咽をまともに漏らすことさえ出来ない。

切嗣「っこ!……ォ゛……!?」

アンデルセン「やって……くれたなァ゛ッ!!!」

アンデルセン「オラァッ!!!」

 “ヒュン゛ッ!!ズドドドッ!!”

舞弥「っぎゃ!?ふぁギャあ゛ァ!!」

切嗣「んゥ!!んィィ゛イ゛ィッ!!?」

アンデルセン「散れェ゛ッ!!!」

 “ズドォ゛オ゛オゥン゛ッ゛!!!!!”

大量のベヨネッタが二人に突き刺さった直後、発動された爆鎖導。
剣を抜くことも逃げることも叶わない二人は……木っ端微塵に吹き飛ばされ、肉片一つすら残らなかった。

イリヤが見ていると言うのに・・・

切嗣「……」

切嗣「ん……はッ!?」

舞弥「あっ、起きましたか。切嗣」

切嗣「ここは……元の世界に、戻ったのか…」

イリヤ「……」

切嗣「いっ、イリヤ……その……」

舞弥「申し訳ありません……私のサポートが至らないばかりに…」

切嗣「イリヤ……何か、言ってくれないか」

イリヤ「……」

アイリ「暫くは切嗣と喋りたくないんですって」

切嗣「そうか……いや、僕が悪いんだ。喋ってもらえないのは当然かな……」

切嗣(もっと強く……冷酷にならなければ……!)

この後、切嗣は第四次聖杯戦争で鬼畜同然の働きを見せることとなる。
敵のアジトをビルごと吹き飛ばしたり、自害させたり、人質ごと射殺したりと、まさに外道の見本であった。



―終わり―

ヘルシング勢は頭おかしい事を再認識した

さすがヘルシングのチート軍団だ勝てる気がしねえ

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