宮尾美也「あ、紬さん。おはようございます〜」

白石紬「おはようございます。宮尾さん、その箱は？」

美也「これは、『宮尾美也カルタ』ですよ〜」

紬「み、宮尾美也カルタ……。なぜ、そのようなものが？」

美也「神社で巫女さんの舞を踊ったときの映像が来月に発売される予定で、このカルタは特典なんですよ〜」

紬「ああ、なるほど……」

紬（来月はもうカルタで遊ぶ時節ではないような気もしますが……）

美也「試作品が今日届いたので、実際に遊んでもらった意見を聞きたいと思いまして〜」

紬「そういうことでしたら、お付き合いいたします」

美也「ありがとうございます〜。ですが、もう少し人手がほしいですね〜」

紬「そうですね、劇場にいらっしゃる方を誘ってみましょう」

島原エレナ「みんなで遊ぶノ？ 混ぜて混ぜて！」


横山奈緒「美也のカルタ？ 面白そうやん！ やるわ！」


真壁瑞希「ですか。もちろんやります。早押しの特訓で鍛えた腕の動き……ご覧あれ」


高山紗代子「試作品のテスト？ うん、協力させて！」


紬「読み手の宮尾さんを除いて5人集まりました」

美也「みなさん、ありがとうございます〜。では、取り札を並べますね〜」

エレナ「わぁー、ミヤの写真がいっぱい！」

瑞希「50枚近くのブロマイドと考えると、ファンの方はきっと嬉しいはずです」

紗代子「でもカルタだから札を思いっきり叩かないといけないんだよね……」

奈緒「これはアレや。保存用、鑑賞用、実用用で3つ必要になるやつやな」

美也「これは試作品ですから、遠慮なく叩いてくださいね〜」

エレナ「ワタシ、カルタで遊ぶのって久しぶりだヨ」

紗代子「私は弟と遊ぶよ。お正月だけだけど……」

瑞希「白石さんからは強敵の予感がします」

奈緒「確かに。和服着てカルタやってる姿が目に浮かぶわ」

紬「ど、どうでしょうか。百人一首には多少覚えがありますが、宮尾さんのカルタを遊ぶのは初めてですので……」

美也「並べ終わりました〜。では、いきますよ〜？ 『“さ”ンドイッチの具材は平らなものから並べましょう〜』」

奈緒「いきなりなんの話やねん！」

エレナ「ハイ！ これだよネ？」

奈緒「しまった！ ツッコミのせいで出遅れた！」

瑞希「宮尾さんはサンドイッチを作るとき実際にこうしているのですか？」

美也「はい〜。例えばレタスを先に置くと、後から乗せるチーズやハムが波打ってしまうんですね〜」

美也「次は……『“ん”ー、困りましたな〜』」

奈緒「美也のカルタである必要がないやんそんなの！」

紬「はいっ」

奈緒「ああ！ またツッコミに気を取られてもうた！」

紗代子「その写真、すごく困った顔だね」

美也「はい〜。“ん”から始まる文章が思い付かなくて困っているときの写真が採用されたんですよ〜」

奈緒（くっ……これはアカンやつや。札より先にツッコミ所を探してまう……。かくなる上は……）

奈緒「美也。この勝負、悪いけど降りさせてもらうで」

美也「何か急用ですか〜？」

奈緒「いや、ツッコミに集中したいんや。私のことは『ツッコミ手』だと思ってや」

美也「わかりました〜。では、次の札……『“た”れ目がチャームポイント』」

エレナ「ハイ！」

奈緒「ツッコミ所がない！？」

美也「次は……『“い”ごより将棋の方が強い』」

奈緒「そんな、ことわざみたいに……」

紬「宮尾さんは将棋の方に自信がある、ということですか？」

美也「いえ、実際に戦ったらの話ですよ〜」

紬「？？？」

瑞希「長年に渡る戦いにとうとう終止符が打たれたのですね。ちなみに、勝負の決め手は？」

美也「碁石は相手の陣地に入っても成れないことですね〜」

美也「『“お”じいちゃんはかまぼこが好き』」

奈緒「まさかのおじいちゃん情報！？」

エレナ「ミヤのおじいちゃん、かまぼこ好きなんダ？」

美也「私にとってのお茶が、おじいちゃんにとってのかまぼこですね〜」

紗代子「じゃあ、私にとってのたい焼きくらいなのかな」

瑞希「白石さんにとってのあんみつでしょうか」

紬「……それはつまり、私が好物ばかり食べる偏食家だとおっ」

美也「『“お”じいちゃん、朝が早い』」

奈緒「おじいちゃんはだいたい朝早いねん！」

紗代子「しかも2枚目の“お”……」

美也「あ、ツッコミ手でないのにツッコんだらお手つきで1回休みですよ〜」

紗代子「そんな！」

エレナ「これ、ミヤのグランパなの？ 写真じゃないよネ？」

美也「おじいちゃん札は私が似顔絵を描きました〜」

紗代子「お、おじいちゃん札っていうカテゴリがあるんだね」

美也「全部で3枚ですよ〜」

美也「『“は”や口言葉が得意なんです』」

瑞希「はい」

紗代子「あっ！ 目の前にあった……」

紬「この札は……QRコード、ですか？」

美也「読み込むと、私の早口言葉が流れるんですよ〜」

奈緒「へー。ちょっとやってみよ」

美也『あかまきがみあおまきがみきまきがみ〜』

美也『あかまきがみあおまきがみきまきがみ〜』

美也『あかまきがみあおまきがみきまきがみ〜』

奈緒「遅いな！ 知ってたけど！」

美也「実はこれ、一発撮りなんですよ〜」

紬（宮尾さん、誇らしげに……）

美也「『“も”くひょうは、歴史の教科書に載ることです』」

エレナ「ハイっ！ ……ヤッター！ 最後の1枚もゲットだヨ！」

美也「優勝はエレナさんですね〜。おめでとうございます〜」

紬「くっ……完敗です」

瑞希「瞬発力では敵いませんね。……残念」

紗代子「まさか1枚も取れないなんて……ぶつかると危ないから眼鏡を外したせい……？」

奈緒「せやろなあ」

美也「みなさん、私のカルタはどうでしたか〜？」

エレナ「すっごく楽しかったヨー！」

瑞希「宮尾さんのことをたくさん知れてよかったです」

紬「お写真もとても可愛らしく、ファンの方にもきっと満足いただけるかと」

美也「むふふ、照れますな〜」

紗代子「本当によかったよ！」

奈緒「せやな。もっといろんな種類があってもおもろいと思うわ」

美也「なるほど〜。では早速取り札を増やしてみますね〜」

美也「おじい」

奈緒「あっ増やすならおじいちゃん札以外にしてな」

おしまい
ネタが思いつけば今年もよろしく