由比ヶ浜と観覧車に閉じ込められた。 (47)
やはり俺の青春ラブコメは間違っている/俺ガイル のSSです。
SS書くのは2作目です。
前回はゆきのんとの話を書いたので今回はガハマさんを書きます。
前作→豪雨のせいで雪ノ下と二晩共にした。
豪雨のせいで雪ノ下と二晩共にした。 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1375542975/)
時系列とかは特に気にしないでくださいw
では、よろしくお願いします!!!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376225220
とある休日。
俺と由比ヶ浜は神奈川県にある某遊園地に行くことになっている。
俺としてはあまり気が進まない。
しかし由比ヶ浜がうるさいので一度付き合ってやることにした。
一度付き合ったら言わなくなるよな・・・?きっと・・・。
ていうか遊園地に二人って完全にデートだろ。
そんなイベントあったら普通好きになっちゃうじゃねーか。
俺が恋愛経験豊富(失恋のみ)だから良いものの・・・。
見た目も良い由比ヶ浜のようなタイプは普通の男子なら惚れるぞ。
童貞風見鶏の・・・なんだっけ?なんとか君。ああいうやつは特に。
八幡「じゃ、小町。行ってくる。」
小町「行ってらしゃいお兄ちゃん!ちゃんと帰ってきたら事細かに教えてよー?」
八幡「ああ。アトラクションの内容だな。任せろ。ネットにない情報まで持ってきてやる。」
小町「い、いやー。小町そういうことを言ったつもりじゃないんだけどなぁ・・・。」
八幡「え、なんだって?」
小町「これだからゴミいちゃんは・・・。」
八幡「変な造語を作るのはやめろ。もう行くからな。」
小町「って、結衣さん迎えに来るんじゃないの?」
八幡「え・・・。あ、そうだった。」
そうだった由比ヶ浜が迎えに来るんだった。
そういや俺が寝坊したらー、とかうるさかったなぁ・・・。
まあ確かに学校とか遅刻するからそういうイメージついても仕方ないか。
ピンポーン
八幡「へいへーい。」
結衣「あ、ヒッキー!やっはろー!」
八幡「うっす。じゃあ行くか。小町ー、行ってくるから。」
そう言って俺は外に出る。
小町「あ、結衣さんやはっろー!じゃあ二人共行ってらっしゃいです!」
小町が出てきて由比ヶ浜に話しかける。
結衣「うん、行ってくるね小町ちゃん!あ、お土産買ってくるから!」
小町「ありがとうございますー!でもー小町のこと何か気にせず二人で楽しんできてくださいよ!せっかくのデートなんですしー?」
小町はにやにやしながら由比ヶ浜に言う。
結衣「ちょ!なに小町ちゃんなに言ってんの!」
由比ヶ浜は顔を赤くして慌てて突っ込んでいる。
小町「えー?違うんですかぁー?」
小町はにやにやしている。悪い顔だ。
結衣「うー・・・と、とにかく行ってくるね!じゃあね小町ちゃん!」
小町「はーい!では楽しんで!」
由比ヶ浜が俺の元にやってくると同時に玄関のドアが閉まる。
八幡「おう、話済んだか?」
結衣「うん!じゃあ行こう!」
ここからはまず電車で東京に行き、それから乗り換えて神奈川にある某遊園地に行く。
まあ2時間くらいかかってしまうが出発時間がそれなりに早い。だから行ってすぐに帰ってくるようなことはない。残念。
あと由比ヶ浜がお弁当作っていく!なんて恐ろしいことを言うもんだから止めるのには随分苦労した。
まあ、止められなかったんだけどな。昼飯食うのが怖い。
ちなみに2時間の移動中、由比ヶ浜は大半寝ていた。
起きていてもどこか寝ぼけているレベル。
もしかして弁当作るのに結構早起きしたのか?
「料理苦手だけど頑張って作ってきたの!どう?おいしい?」ってアニメとかギャルゲーとかなら結構ポイント高いことが多いよな。一般的に。
ただ料理の味が殺人級でなければの話だが・・・。
試験召喚戦争やるFクラスのピンク髪の子の料理とかおかしいでしょ!
なんで塩酸とか入れてるの。頭良いから塩酸がダメなことくらいわかるでしょ!?
結衣「着いたー!!!!!」
八幡「おう。じゃあチケット買いに行こうぜ。」
結衣「うん!行こ行こ!」
俺達はチケット売り場に移動する。
八幡「結構並んでるなー。」
結衣「まあ、今日休みだしねー。」
数分後―
八幡「一日フリーパス、大人2枚で。」
店員「あ、男女2名ですとこちらのカップル限定フリーパスの方がお安いですよ?」
結衣「か、カップル・・・へへへ・・・。」
八幡「じゃあ、それで。」
店員「4000円になります。」
結衣「そっかー。カップルに見えるのかー・・・へへへ・・・。」
八幡「じゃあ、はい。」
一度由比ヶ浜の方を見るが何かブツブツ言っているので無視して俺が払ってやることにした。
店員「ではこちらパスになります。ではお楽しみください。」
八幡「どーも。おい、行くぞ由比ヶ浜。」
結衣「えっ?うん!あ、ヒッキーお金!」
八幡「ん?ああ、2000円だけど」
結衣「じゃ、これ!はい!」
由比ヶ浜は2000円を差し出す。
八幡「お、おう。」
まあもらっておこう。おごる約束してるわけでもないし。
俺たちは由比ヶ浜が持ってきた弁当をコインロッカーに入れ、入口すぐの広場に戻りこれからどうするかを話し合う。
結衣「ねーねー、どれ乗る?どれ乗る?あ、あれ乗ろうよ!あれ!」
由比ヶ浜がぐいぐい袖を引っ張ってくる。
話し合うっていうか由比ヶ浜の独断だった。まあ特に希望ないから良いけど。
八幡「わかったわかった。じゃああれな。」
たいして見ないで答えたのは完全なミス。
由比ヶ浜が指差していたのはフリーフォールだった・・・。
俺と由比ヶ浜はフリーフォールに乗るために並ぶ。
八幡「おい、由比ヶ浜。本当にこれ乗るのかよ。」
結衣「えー?ヒッキー良いって言ったじゃん!?あれ、もしかして怖いの?」
八幡「なっ、ばっか!全然怖くねえし。絶叫マシンとか超余裕。む、むしろお前の方が心配だ!」
本当は絶叫マシンとか超苦手。マジあれが楽しいってやつどういう神経してるの?
結衣「し、心配・・・そっか私の心配してくれてるんだ・・・へへ。やっぱり優しいなーヒッキー・・・。」
八幡「え、なんだって?よく聞こえなかったんだが。」
結衣「べ、別に聞こえなくて良いし!バーカバーカ!」
八幡「なんで俺はいきなり罵倒されてるんだ・・・。」
俺たちの順番が来てフリーフォールに乗り込む。
念入りにロックを確認し、覚悟を決める。
係員の声と共に徐々に上がっていく座席。
八幡「おい・・・これ高すぎじゃね?覚悟揺らいできたぞ。」
結衣「わー、高ーい!すごーい景色良く見えるー!」
バカと煙は高い所が好きって言うのは本当なのかもしれない。
バカ代表の由比ヶ浜がこれだけはしゃいでいるからな。確定して良いだろう。
なんでこんなにはしゃげるんだよ。景色見る余裕なんてねーよ。
結衣「あ、止まった!」
上昇が止まった。つまりあとは落ちるだけ・・・。
3、2、1の電子音と共に始まる急降下。
八幡「なあああああああああああああああああ!!!!!!!」
もう無理、目閉じよう。見なければ何も怖くない。もう何も怖くない。
結衣「キャーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
声しか聞こえないけどなんでこいつこんなに楽しそうなの?
ドM?ドMなの?だから楽しいの?
次第にゆっくりになる降下。
助かった・・・。
八幡「く・・・。死ぬかとおもった・・・。」
結衣「あー、楽しかったねー!ねーヒッキー?次あれ乗ろうよ!」
八幡「え、どれだよ?」
結衣「あれ!あのジェットコースター!」
八幡「え・・・」
結衣「あれ、やっぱり怖いのヒッキー?」
八幡「だから怖くないって言ってんだろ!」
一度怖くないと言った手前怖いとは言えない。
ここで怖いと言うなんて比企谷八幡の名が廃る。
結衣「じゃあ行こう!ほらほら!」
結局午前中は由比ヶ浜に連れられてほとんど絶叫マシンだった。
俺と由比ヶ浜は昼食を摂るために広場に来ていた。
結衣「えーと、どこで食べようか?」
八幡「あ、俺レジャーシート持ってきてるから、そこの芝生で食おうぜ。」
結衣「お、ヒッキー準備良い!」
俺達はレジャーシートを敷き座った。
由比ヶ浜が弁当を準備している間に俺は持ってきておいたMAXコーヒーを飲む。
生きてて良かった。ほんとに死ぬかと思った。
結衣「じゃーん!どう!?頑張って作ったんだよ!」
八幡「こ、これは・・・」
見た目は・・・割と普通・・・。中の下。もしくは下の上。そんなレベル。
主食はおにぎりでおかずは唐翌揚げ、卵焼き、たこさんっぽいウィンナー、ミートボール、ミニトマト、枝豆、ブロッコリーなど定番なおかずが入っていた。
結衣「ね、ねえ?どう?」
ちょっと上目遣いで聞いてくる。
やめろよその上目遣い。ちょっと可愛くてドキッとするだろ。
八幡「いや、見た目はそれなりに良いんじゃないか?クッキー作ってた時のお前の料理センスから考えると別人だ。で、自分で作ったのはどれだ?」
おにぎりと卵焼き以外は冷凍食品とか切っただけでなんとかなるようなものだ。
一応どれが安全かどうか判断する為に聞いておこう。
結衣「えっとね、おにぎりとー、唐翌揚げとー、卵焼きとー、ウィンナーは私が作ったんだよ!まあ、ママに教えてもらいながら作ったんだけどね!」
八幡「そうか・・・」
つまり大半はメイドイン由比ヶ浜結衣というわけだ。
でも見た目は特別悪くないし・・・。
八幡「じゃあ、これから・・・」
俺は卵焼きを取った。卵焼きを作る人はだいたい料理が上手い。
旨い寿司屋かどうか見極めるにはまず卵を頼めと言うのと同じだ。
俺は意を決してそれを口の中に入れる。
結衣「ど、どう・・・?」
八幡「・・・ちょっとしょっぱいが・・・普通に食えるぞ。」
結衣「そ、そっか・・・。なら今度はもうちょっと塩減らすね!」
てかこいつ塩入れてたのかよ。出汁の味もするがこいつ出汁+塩か。
そりゃあしょっぱいわ。でもまあ食えるレベル。許してやろう。
その後も一つ一つ由比ヶ浜の弁当を食べるが特にまずいものはなかった。
普通に全部食えた。
八幡「まあ、旨かったぞ?全部食えたし。前は食うのも辛かったし。今日は辛くなかった。」
結衣「あ、ありがとう・・・。こ、今度はもっと美味しいの作るね!」
八幡「お、おう。」
今度があるのか・・・。まあ今日くらいの料理なら良いだろう。
変な冒険だけはしないで欲しいものだ。
とりあえず書き溜めてたのはここまでです。
ここから書き次第うpになるのでテンポ悪くなります。
よろしくお願いします!
期待して待ってます
待ってるぜぇ
続きに期待
仕事速い>>1に感謝と敬意
期待させてもらいます
昼食を食い終わり、俺達は遊園地のアトラクションに戻る。
結衣「ねー、次あれ乗ろうよ!ゴーカート!競争しよ!」
八幡「良いだろう・・・。俺のドライビングテク舐めるなよ。頭文字H見せてやる。」
結衣「ヒッキーなに言ってんの?わけわかんない。」
ネタが伝わらなかった・・・。
そしていざゴーカートに乗り込むと・・・。
八幡「どうしてこうなった・・・。」
結衣「はは、なんでだろうねー?」
俺達は二人乗り用のゴーカートに乗っていた。
運転席は由比ヶ浜。助手席に俺。
きっとあれだ、カップル限定フリーパスのせいだ。
だから俺達をカップルだと勘違いしたあの係員が二人乗りに誘導したんだ。
結衣「じゃあ、しゅっぱーつ!」
由比ヶ浜の運転は超荒かった。
何回縁石替わりのタイヤにぶつかったか。
こいつに運転は向いてないな。
免許取れたとしてもこいつの車には乗りたくない。
結衣「あー、楽しかった!」
八幡「・・・。なあ由比ヶ浜。」
結衣「え、なに?」
八幡「もしお前が免許取っても俺が運転するから、お前運転しなくて良いぞ。」
結衣「え・・・それって・・・」
由比ヶ浜の顔が少し赤くなる。
八幡「あ・・・」
何か俺すごい恥ずかしいこと言ったんじゃないだろうか。
なにそれキモい。とか言われてもおかしくない。
なんとかごまかさなければ。
八幡「そ、その・・・な、なんつーかあれだ。俺の命の為にもっていうか・・・その・・・」
結衣「う、うん・・・」
八幡「あ、ああああじゃあ次あれ行こうぜ!あれ!なっ?」
とっさに由比ヶ浜の手を取り俺が指差す方へ向かった。
結衣「ちょ、ちょっとヒッキー!?」
結衣「手・・・へへへ。」
俺達はお化け屋敷の前に来ていた。ここのお化け屋敷は大層怖いことで有名だ。
散々怖い思いをさせられてきたんだ。俺も仕返ししてやる。
ここからは俺のターンだ。
八幡「さて、入るか。」
ちなみにもう手は離している。
手繋いで歩くとか恥ずかしすぎるだろ。
カップルには羞恥心ないの?人生夢で生きてるの?
結衣「う、うん・・・。」
八幡「なんだ由比ヶ浜。お前もしかして怖いのか?」
結衣「こ、怖いわけないし!どうせ全部作り物なんだから!全然怖くない!」
八幡「よし、じゃあ行くぞ。」
由比ヶ浜の言っていた通り、お化け屋敷など所詮作り物だ。
それっぽいものが突然やってくるから怖いと感じる。
だからお化け屋敷で感じる怖いは「びっくり」が本質だろう。
つまり、ある程度予測できてしまえば怖くなどないのだ。
それに、あいつらは人間に直接手を加えない。
どんなに近づいて来ても攻撃などしてこない。心配することはない。
俺達は進んでいく。迷路ではないから迷うこともない。
ただ進んで行けば良いのだ。
八幡「あんまりくっつくなよ・・・」
結衣「うー・・・」
こいつ聞いてねえな。俺の声が聞こえないレベルで怖いんだろうな。
ちょっと置き去りにして別室でモニター鑑賞とかしてみたい。
10回叫んだら罰ゲームみたいな。アイドルの番組とかでよくあるよな。
結衣「きゃああああああああああああああああああああああああああああ」
仕掛けの度に由比ヶ浜は叫んでいる。
正直由比ヶ浜の叫び声の方がびっくりする。
八幡「お、終わりみたいだな。」
結衣「や、やっと終わった・・・?」
八幡「なんだ、やっぱり怖かったじゃないか。」
結衣「だからぁ!怖くないって言ってんじゃん。」
八幡「その割にはずっと叫んでたし逃げ腰で俺のこと掴んでたよな。俺に腕にお前の指の跡付いたぞ。」
結衣「るっさい!ヒッキーのバーカ!ヒッキーだって絶叫マシンビビってたくせに!」
八幡「ばっかお前、あれはその、絶叫マシンっていうくらいだから絶叫してただけだし。正しい楽しみ方に基づいていただけだ。決して怖かったわけじゃない。」
結衣「嘘!あれは絶対本気でビビってた!」
八幡「あー、もう行くぞ。ほら、次どこ行く?」
このままじゃ埒があかないので話題をすり替えた。
こういう時はこれに限る。相手の意識を逸らしてしまえばどうってことない。
その後、俺達は他のアトラクションを転々とした。
てかなんで遊園地ってあんなに絶叫系多いの?
もうちょっとのんびりできるやつないの?
ほら、優雅に船旅しながら昼寝できるとか。そういうやつ。
そして日も暮れてきた。
八幡「そろそろ帰るか?」
結衣「んー、あ、最後にあれ乗ろう!観覧車!ほらっ!」
八幡「お、おう。」
俺たちは観覧車に向かった。
観覧車は誰も並んでおらず、すんなり入ることができた。
仕事速すぎこの>>1は有能
八幡「結構でかいんだな。この観覧車。」
結衣「そうだね。一周20分とか書いてたよ!」
八幡「結構時間かかるんだな・・・。」
結衣「まあ、でも景色見たり話したりしたらあっという間だよ!」
八幡「そうだな。寝てたらすぐだな。」
結衣「いや寝ちゃダメだし!寝かさないから!」
寝かさないから!って時と場合によってはすごいエロい。今は全然だけど。
一周20分。長く感じるかもしれないが、由比ヶ浜の言う通り、景色見たり、喋ったり。
そうすればあっという間に一周が終わりそうだ。
だが、下に着く頃に事件は起きた。
八幡「なぁ由比ヶ浜。これどうやって降りるんだ?」
結衣「えっとね、係の人が開けてくれるはずだよ!」
八幡「その係の人が出てくる気配がないぞ。」
もう乗り場のところまで来ている。しかし、係員の姿はどこにもない。
俺達が係員まだかなー?となっている間に2周目がスタートした。
結衣「2周目・・・だね・・・。」
八幡「なにやってんだここの係員・・・。仕事しろ。」
結衣「ま、まあいいじゃん?時間には余裕あるし・・・。」
八幡「まあそうなんだけどな・・・。金もらってるならちゃんと仕事しろよ係員。」
結衣「それに・・・ヒッキーと二人きりでいられるし・・・」
八幡「え、なんか言ったか?」
由比ヶ浜が最後になんか言っていた気がするが全く聞こえなかった。
なんて言ってんだろう。
結衣「いやいやいや!全然!なんでもない!」
八幡「変なやつだな・・・。」
ちょうど頂上に着いたところだった。
ガタン
突然観覧車が止まり、ゴンドラ内に揺れが起きた。
結衣「きゃっ!」
八幡「なっ!?」
結衣「止まったのかな・・・?」
八幡「まあ、アナウンスの一つでも流れるだろ。」
アナウンス「えー、ただいま故障により観覧車が停止しています。復旧までしばらくお待ちください。」
八幡「おいおいマジかよ・・・」
止まり始めて10分。まったく動かない。
それどころか風が強くなってきたのか、結構揺れだした。
結衣「ひ、ヒッキー、隣座っても良い?」
八幡「あ、ああ・・・。」
密室で由比ヶ浜と隣同士。
そしていつ動くかわからない不安が混じるこの状況。
ラブコメの神様はたまに良いことをする。
結衣「ねえ・・・このまま動かなくなったらどうしよう・・・。」
八幡「まあ、それはないだろ。直に動くさ。」
結衣「うー・・・でも・・・。」
八幡「まあ、あんまり心配すんな。」
由比ヶ浜の頭をポンポンと叩く。
結衣「ひ、ヒッキー・・・。」
だからその上目遣いやめろって。
こういう状況だと余計に可愛く見える。
しばらく見つめ合う。
八幡「・・・。」
結衣「・・・。」
おい、なんで目を閉じた。
結衣「良いよ・・・。」
良いよってなんだよ!キス?キスなの?
こんなの現実であるの?
二人しかいないし、良いのか?
行くしかないのか!?
八幡「由比ヶ浜・・・」
俺も男だ。覚悟を決めよう。もしドッキリでも黒歴史が一つ増えるだけだ。
だから―
もう少しで唇が重なる・・・その時。
ガタッ
突然の揺れ。風の時とは違う。とっさに離れてしまった。
アナウンス「えー、ただいま復旧いたしました。これより運転を再開します。」
八幡「・・・。」
由比ヶ浜「・・・。」
何か気まずくなってしまった俺達は降りるまで一言も交わすどころか目も合わせなかった。
八幡「・・・帰るか。」
結衣「・・・うん。」
帰りも妙に気まずかった。二時間もの間二人とも起きていたのに最低限度の会話しかしていない。
本当なら遊園地楽しかったね!とか話すべきじゃないだろうか。
でもあんまりそんな気分になれなかった。
普段あれだけ明るい由比ヶ浜でも無言だったあたり、気持ちは同じだったのだろう。
結衣「ヒッキー、じゃあ私・・・次だから・・・。」
由比ヶ浜が降りる準備をする。
八幡「ああ・・・。」
あっという間に由比ヶ浜が降りる駅に。
結衣「じゃあね。ヒッキー。また・・・。」
八幡「・・・。もう暗いし近くまで送る。」
結衣「えっ?あ、ありがとう・・・。」
俺も由比ヶ浜が降りる予定の駅で降り、送ることにした。
それに・・・何だかあそこで降りない気分にはならなかった。
送るとは言ったものの、ただ送るだけで何を話して良いかわからなかった。
無言で歩き続ける俺と由比ヶ浜。
でもそれも終わる時がやってくるわけで・・・。
結衣「じゃあ、私もうそこ家だから。」
八幡「お、おう。じゃあな。その・・・今日は楽しかった。・・・ありがとな。」
とりあえずこれだけは言っておこう。そう決めていた言葉を由比ヶ浜に伝える。
決して小町に帰りに言うこと!とか言われたわけではない。
結衣「私も・・・私も楽しかった!だから・・・その・・・」
由比ヶ浜が一歩ずつ近づいてくる・・・。
結衣「また・・・一緒に遊びに行ってくれる?」
八幡「お前が良ければ・・・な・・・。」
上目遣いのお願いにはほんとに弱い。どうしたんだ俺。
結衣「うん!でもたまには・・・ヒッキーからも誘ってね?」
俺が返事を言おうとしようとしたその時、由比ヶ浜は俺にキスをした―
結衣「ごめん・・・でもさっき・・・できなかったから・・・」
由比ヶ浜は下を向きながら言う。
八幡「あ、いや・・・その・・・」
結衣「じゃ、じゃあね!」
そう言うと由比ヶ浜は走って帰っていった。
八幡「逃げるなよ・・・」
走り去る由比ヶ浜に向かって、俺はつぶやいた。
-八幡の部屋-
俺はベッドで仰向けになりながら、今日のことを考えていた。
八幡「由比ヶ浜・・・」
今日のことと言っても、正直観覧車内の出来事とあの帰り道でのキスくらいしか考えていない。
こんなにモヤモヤする日は初めてだ。
そもそもキスなんて人生でしたことなかったんだから当然かもしれない。
でも、今日一日で、わかったことがある。
それを明日伝えれば良い。
わかったのはキスしたからじゃない。
今までずっと目を背けていただけなんだ。
今日、目を背けることができなくてわかったんだ。
俺は・・・比企谷八幡は―
由比ヶ浜結衣のことを―
-由比ヶ浜と観覧車に閉じ込められた。完-
完結です。
一気に駆け抜けた感じになりましたw
でも思いついた段階であんまり長くは書けないかな?
前作ほど書けないだろうな。と思っていたので
このくらいが予定通り、という感じです。
感想待ってます!
ありがとうございました!
乙でした。
観覧車はたまにドッキリで緊急停止するサービスがあってもいいと思うw
乙面白かったよ
次回作はよう
後日談書いてもええんやで
乙
さて、ヒッキーに告白させよう。
乙乙
後日談をををを
あれ、もしかして後日談書くべきですか?w
書けますけど時間かかりますが良いですかね・・・?
はやくしろ!
間に合わなくなっても知らんぞ!
乙
続きは三作目の傍らにやっていきますw
あくまでもおまけということでw
おまけ
二人のその後の話。
俺は由比ヶ浜のことが好きだ。
でも俺なんかが由比ヶ浜と付き合って良いのだろうか。
由比ヶ浜は優しい。だから由比ヶ浜はそんなこと気にしないだろう。
でも俺にはスルーすることができない。
思い出される花火大会。
由比ヶ浜が周りの女子から蔑まれる原因。それは間違いなく俺だ。
もし俺じゃなく葉山だったら。戸塚だったら。
そんなことばかり考えてしまう。
俺ひとりの問題なら周りの目など気にしない。
そもそもカースト最底辺の俺に興味を持つものなどほとんどいないのだから。
しかし、由比ヶ浜はカースト上位層。クラス内なら最高位グループ。
そんな由比ヶ浜が俺と付き合うのは・・・。
やっぱりダメだろう。
なんかおまけって割にあっさり終わらなそうなノリ
由比ヶ浜にはちゃんと付き合えない。そう話そう。
俺はそう誓い眠りについた。
そして次の日。部活も何事もなく過ごした。
俺と由比ヶ浜が部活に出ないと雪ノ下が不審がるかもしれない。
長くなりそうな話は部活が終わってから・・・そう決めていた。
そこで俺は前日、放課後部活が終わったら学校近くの公園に来るように伝えていた。
-公園-
スポルトップを飲みながら、ベンチで由比ヶ浜を待つ。
色々考えるがうまくまとまらない。もう出たとこ勝負だ。
そう決めた時だった。
結衣「ひ、ヒッキー・・・」
由比ヶ浜がやってきた。
八幡「おう、まあ、座れ。」
俺は自分の隣をポンポンと叩く。
結衣「うん・・・。」
由比ヶ浜は俺の隣に座った。
結衣「それでヒッキー・・・話って・・・?」
八幡「結論から言うと・・・俺はお前とは付き合えない。」
結衣「ヒッキーは私のこと嫌い?私は誰よりもヒッキーのこと好きだよ?」
八幡「嫌いじゃない。俺だって由比ヶ浜のことは好きだ。でも・・・付き合えない。」
結衣「なんで・・・?お互い好きなのに付き合えないなんておかしいよ・・・。」
八幡「どうしてもだ。」
俺とお前じゃ住む世界が違う。俺が言いたいのは単にこういうことだ。
由比ヶ浜が俺と付き合うと由比ヶ浜まで蔑まれる。俺はそれが許せない。
でもそれを言うべきなのか。俺はそれを迷っていた。
結衣「理由になってないよそれ・・・。ちゃんと言って?ヒッキーが思ってること。ちゃんと・・・。」
由比ヶ浜はいつになく真剣だ。そんな彼女に俺は嘘をいう自信がなかった。
もう・・・俺の本音を言うしかないだろう。
八幡「由比ヶ浜、一緒に行った花火大会のこと覚えてるか?」
結衣「忘れるわけないじゃん・・・。」
八幡「そこで、相模と会ったことも覚えてるか?」
結衣「うん・・・。」
八幡「俺はあの時、すごく嫌な気持ちになった。なに、俺だけがバカにされたり蔑まれるのは構わない。ただ、由比ヶ浜も俺と同じようにされてたのが・・・俺は嫌だったんだ。」
あの時の相模とその他の目。あれは俺と由比ヶ浜を蔑んだ目だった。
そしてあの時は無性に腹が立った。そして由比ヶ浜がかわいそうに思えた。
八幡「だから、俺と一緒にいることで、由比ヶ浜が周囲の人間から蔑まれたりするのが俺は許せない。そしてそれで傷付くお前を俺は見たくない。これは俺のわがままかもしれない。でもこれが俺の気持ちだ・・・だから・・・」
「お前とは付き合えない。」
そう言おうとした時だった。
バシッ!!!!!
頬に強い衝撃を受けた。
すぐに由比ヶ浜の方を見ると由比ヶ浜は泣いていた。
そしてその姿勢から俺は由比ヶ浜にビンタされたのだと気付く。
そして由比ヶ浜が口を開く。
結衣「なんで・・・」
八幡「え?」
結衣「なんで私のことばっかり考えるの・・・。もうちょっと・・・自分のことも大切にしてよ・・・。」
八幡「・・・。」
返す言葉がない。俺は黙り込む。
結衣「私も同じ・・・。ヒッキーが傷付くのを見ると・・・私だって傷付くの。私だってヒッキーがバカにされるのは見たくない。私もヒッキーと同じ気持ちなんだよ・・・。」
結衣「だから・・・もう一人で何とかしようとしないで・・・これからは私と・・・。」
ガバッ!!!
由比ヶ浜は何か続けようとしていたが・・・俺はつい由比ヶ浜を抱きしめてしまった。
結衣「ひ、ヒッキー!?」
八幡「その・・・なんつーか・・・ごめん。」
結衣「いいよ。だから、もう少しこのままで・・・。」
八幡「ごめん。ほんとに。お前の気持ちに気づけなくて・・・。」
結衣「さっきも言ったけど・・・もうダメだからね?一人で抱え込むの。」
八幡「ああ。」
結衣「だからこれからは・・・二人で・・・ね・・・?」
俺が思っていたより、由比ヶ浜結衣はずっと強かった。
昨日あんなに考え込んだのは何だったんだろう。そう思えてきた。
だからもう、何も悩むことはないのだ。
八幡「由比ヶ浜・・・」
俺は手を緩め、由比ヶ浜と向かい合い、まっすぐ見つめる。
結衣「なに?」
八幡「俺と・・・付き合ってくれ・・・!」
結衣「うん・・・。ずっと待ってた・・・。」
そうして俺達は・・・また抱きしめ合った。
そして俺は心に誓った。
俺はもう、この子は泣かせたりしないと。
この子をずっと守ってやると。
二人で・・・幸せになることを。
-由比ヶ浜と観覧車に閉じ込められた。 おまけ 完-
強引な宣伝だよってミサカは(略
上条「安価でヤリまくろう」
上条「安価でヤリまくろう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376407878/)
おまけもこれにて完走です。
ありがとうございます。
現在第3作目を書いているのでそちらもよろしくお願いします。
俺の彼女とクラスメイトが修羅場すぎる
俺の彼女とクラスメイトが修羅場すぎる。 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376323379/)
乙素晴らしい
強引な宣伝だよってミサカは(略
上条「安価でヤリまくろう」
上条「安価でヤリまくろう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376407878/)
よかったお
ゆいゆいss最高
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません