コメディです
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1548773545
~控え室~
藤居朋「いやー、緊張するわねー!」
白菊ほたる「はい……! ゲームショーでのお仕事なんて……!」
緒方智絵里「しかも、有名ゲームの販促ステージですっ……」
ほたる「面白さをちゃんと伝えなくちゃですね……」
朋「うんうん! ……あれ? なんてタイトルだっけ?」
智絵里「ええと……『ファーストファンタジークエスト:ラストエピローグ・ジ・ビギニングファイナル~始まりの物語の終焉~』ですっ」
朋「終わるのか始まるのかハッキリしてくれない?」
~~~~~~~~~~
前作
藤居朋「ほたるちゃんの」緒方智絵里「声が出ない?」
朋「あんまり言いたくないけど、面白いのかしら……?」
智絵里「紗南ちゃんに聞いたんですけど、確か……」
「ああ……うん、……ホントに出るの?」
智絵里「……と」
朋「へ?」
ほたる「延期に延期を繰り返しているようですね……」
智絵里「その間に外伝やスピンオフばかり出してお茶を濁して……」
ほたる「やっとナンバリングタイトルが出たけどストーリーが全然わからない……」
朋「す、ストップ!!! そのパターンは傑作が出るやつだから! だ、大丈夫だから!」
~ステージ~
司会者「はい! ファファクエ最新作のステージをご覧のみなさん! こんにちは!」
司会者「今日は、豪華なゲストに来ていただいています! Lack Luckのみなさん! お願いします!」
朋「こんにちは~(これファファクエって略すのね……)」トコトコ
ほたる「よろしくお願いします……」トコトコ
智絵里「あっ、ほたるちゃんがいるからといって、延期のお知らせではないですよっ」トコトコ
朋「智絵里ちゃん」
司会者「3人は、ファファクエはプレイされたことはあるんですか?」
朋「ごめんなさい、あんまりあたし、ゲームとかやったことなくて……! でも、これを機にやってみようかなって思うわ!」
司会者「ほたるさんはどうですか?」
ほたる「なぜゲームのコントローラーはあんなにすぐ壊れるんですか……?」
司会者「え?」
ほたる「決して私がゲーム下手というわけではなく、本当にコントローラーがすぐ効かな」
朋「ち、智絵里ちゃんは!?」
智絵里「はいっ! ファファクエラスジビハジモノシュはわたしもとっても楽しみにしていましてっ」キャルンッ
朋(さ、さすが智絵里ちゃん……! でも略し方キモっ!)
司会者「そうなんですね~。では、3人が実際にゲームの世界に行ったら、どんな職業をやってみたいですか?」
ほたる「あ、確か朋さんは以前、ファンタジーをモチーフにしたお仕事をされていましたよね……?」
朋「うん! その時は吟遊詩人と踊り子をやったけど……やっぱり占い師とか魔法使いとか、そういうのがいいわね! 未来を予知したりして戦うの! 『あんたの運勢……大凶よ!』って言いながら、魔法で敵を倒したりしちゃって! カッコいいでしょ!」
ほたる「そうですねぇ」ニコニコ
智絵里「そうですねぇ」ニコニコ
朋「あっ! その聞く姿勢ずるい!」
朋「あたしだけはしゃいでるみたいじゃないの!」プンプン
智絵里「じ、実際はしゃいでいたような気がします……」
朋「ほらほら! ほたるちゃんはどう?」
ほたる「植木鉢職人としてひっそりと暮らします」
朋「剣も魔法もファンタジーもありゃしないじゃない!」
ほたる「争いは何も生みだしません……」
朋「もうちょっとゲームイベントのコンセプトに順応して! ち、智絵里ちゃんは!?」
智絵里「クローバー農家としてひっそりと……」
朋「もー!!!」
司会者「ふふ……ほたるさんと智絵里さんは、平和的なタイプなんですね」
朋「いえ、そんなことないわ」キッパリ
ほたる「本人たちより先に否定を……」
智絵里「暴力反対っ! ですっ」
朋(どの口が……?)
司会者「だがその余裕もいつまで続くかな」クワッ
朋「急にどうしたの!?」
司会者「ここで3人には、ミニゲームに挑戦していただきます!」
朋「え?」
ほたる「ミニゲーム……ですか?」
司会者「あちらをご覧ください!」
智絵里「?」
朋「あれ、いつの間にかステージの上に……何?」
ほたる「人形……でしょうか?」
司会者「ぜひ、近づいてみてください!」
朋「?」トコトコ
ほたる「あ、これは……」トコトコ
智絵里「ほたるちゃんの人形……?」
朋「ぬいぐるみね! かわいい!」
智絵里「メルカリの準備をしますねっ」
朋「売らない売らない」
司会者「あっ、動かしちゃダメですよ!」
智絵里「?」
司会者「では、そのほたるさん人形の真上をご覧ください!」
朋「真上……?」
ほたる「……あっ、天井の骨組みにスタッフさんがいます……!?」
朋「えっ、けっこう高いわよ!? 大丈夫なの!?」
智絵里「何か持ってますね……?」
朋「あれは……う、植木鉢!?」
ほたる「……ですね」
朋「あ、危ないじゃない! あんな高さから落としたら……!」
司会者「いえ、遠くてよく見えないかもしれませんが、あれもぬいぐるみなんです」
朋「あ、そうなのね……」ホッ
智絵里「それなら安全ですね……」
ほたる「はい……」
司会者「では、ルール説明に」
「ああ!? ぬいぐるみの植木鉢と本物の植木鉢を間違えて発注しただと!?」
「すみません!!!」
「どうりで重いと思ったんだよ!!! どうすんだ!!!」
「も、もうこれでいくしかないかと……!!!」
「ふざけんな!!! 怪我でもしたらどうすんだ!!!」
「そ、その時は……その時かと……」
「あぁ!?」
「……」
「……」
「……」
「……まあ、それもそうだな」
「はい!」
朋「……」
ほたる「……」
智絵里「……」
司会者「では、ルール説明に」
朋「バカじゃないの!?!?!?」
朋「えっ、じゃあやっぱアレ本物じゃない!」
智絵里「スタッフさんの手、プルプルしてますね……」
司会者「ルールは簡単! 上から降ってくる沢山の植木鉢がほたるさん人形に当たらないように、この剣で弾き飛ばしてください! リズミカルに振ることがコツですよ! 1つでも人形に当たったらゲームオーバーです! では、頑張ってください! 健闘を祈ります!!!」ペラペラ
朋「反論を挟む隙間もない!!!」
智絵里「ど、どうしましょう……」
朋「い、イヤよ! ケガしちゃうかもだし!」
ほたる「では……私が出るしかありませんね……」スチャ
朋(か、かっこいい……)
ほたる「これは、私(のぬいぐるみ)を守る戦いです……」ゴゴゴゴゴ
朋「が、頑張って!」
智絵里(ほたるちゃん人形も、がんばってね)ナデナデ
ほたる「では、おふたりは人形から離れてください。流れ植木鉢が当たる可能性があります……」
朋「き、聞き覚えがない概念だけどスルーするわね!」
智絵里「頑張って……!」
ほたる「はい、もちろんで……」
「ああ!? 植木鉢の数、10個のはずが間違って100個発注しただと!?」
「すみません!!!」
「道理で多いと思ったんだよ!!! どうすんだ!!!」
「も、もうこれでいくしかないかと……!!!」
「ふざけんな!!! 今にも崩れそうじゃねえか!!! 怪我でもしたらどうすんだ!!!」
「そ、その時は……その時かと……」
「あぁ!?」
「……」
「……」
「……」
「……まあ、それもそうだな」
「はい!」
朋「……」
ほたる「……」
智絵里「……」
司会者「準備はいいでしょうか!」
朋「いいわけないでしょ!!!!!」
朋「10のはずが100!? バカじゃないの!? 今にも崩れそうじゃないの!」
「大丈夫です!」
朋「え!?」
「”崩れそう”じゃなくて、もう崩れます!」
朋「いや意味わかんな」
ガラガラガラガラ!!!!!!!!!!!!!!
ほたる「と、朋さん! 智絵里さん!」
智絵里「きゃああああ!!!」
朋「わああああああ!!!!!」
ガシャァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!
ガシャァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!
ガシャァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~
~???~
「――――! ――――!」
「……」
「――さん! ーもさん!」
「……んん」
「ともさん! 朋さん!」
朋「……はっ!」ガバッ
朋「あ、あれ……ここは……」キョロキョロ
朋「え……原っぱ……?」
ほたる「あ……目が覚めましたか……!」
智絵里「よかった……」
朋「あ……ほたるちゃんと智絵里ちゃん……って、その格好は……」
スライム「ピギー!!!」バッ!!!
朋「えっ!? な、なに!?」
ほたる「朋さん! 下がっていてください……!」
朋「えっ」
ほたる「……落ちろっ!」
ガシャン!!!!!
スライム「ピギー……」シュゥゥゥゥ
朋「えっえっ」
ほたる「ふう……」
智絵里「おケガはないですか……?」
朋「えっ、何……この……えっ何!?」
ほたる「語彙力の低下が見られますね……」
朋「だ、だって、さっきまでゲームのイベントに……!」
ほたる「はい、ですが気がついたら……」
智絵里「ここに3人で倒れていたみたいです……」
朋「そんなことって……っていうか、その恰好は」
スライムの群れ「「「ピギー!!!」」」バババッ!!!!!!
朋「なんなのもう!!!」
智絵里「話はあれを倒してからですっ」
朋「それどっかのゲームでよく聞くけど!」
智絵里「5体!」
スライムの群れ「「「ピギー!!!」」」ピョーン
朋「わああ一斉に来た!!!」
智絵里「ほたるちゃんっ!」
ほたる「はいっ!」バッ
ガシャン!!!!! ガシャン!!!!! ガシャン!!!!! ガシャン!!!!!
ほたる「1体外しました……!」
スライム「ピギー!!!」バッ!!!
朋「きゃあっ!」
智絵里「朋さんっ!」バッ
シュルルルルルル
朋「な、何……!? 地面から草が……クローバー!?」
智絵里「捕らえてっ!」
スライム「ピギッ!?」シュルルルル
朋「か、絡みついた!」
ほたる「――スキだらけです」スッ
ガシャン!!!!!
スライム「ピギー……」シュゥゥゥゥ
ほたる「ふぅ……」
智絵里「ふぅ……」
パチンッ(ハイタッチ)
朋「ふたりの適応能力は何なの!?」
智絵里「……落ち着きましたか……?」
朋「……まあ、ほたるちゃんが植木鉢を落とせるのはいいわよ」
ほたる(いいんだ……)
朋「智絵里ちゃんが地面に手を着いたと思ったら、敵に絡まるようにクローバーが生えてきたでしょ? あれは何?」
智絵里「ステータス画面に使えるって書いてあったので……」
朋「また知らない概念が……」
ほたる「では、試しに私のを見てみましょう……”ステータス”」
フォンッ
朋「わ! く、空中にウィンドウが……?」スカスカ
ホタル
職業:植木鉢職人
朋「希望そのまま通っちゃったの!?」
朋「だからそんな陶芸家みたいな服装だったのね……」
HP:209
UP:65535
朋「HPはわかるけど、UPって何?」
智絵里「ウエキバチ・ポイントですね」
朋「なるほどね(思考放棄)」
ほたる(ああっ、朋さんが考えるのをやめてしまいました……)
こうげき:15
ぼうぎょ:65535
すばやさ:29
かしこさ:16
朋「……これほたるちゃんいれば負けなくない?」
いとしさ:41
せつなさ:68
こころづよさ:92
朋「このパラメータいる!?」
とくぎ
・植木鉢落とし
効果:敵一体に防御力無視の大ダメージ(10個まで同時発動可能)
ほたる「一体に10個をぶつけることもできますよ」
朋「強っ……」
智絵里「次はわたしですっ……”ステータス”」
フォンッ
チエリ
職業:クローバー農家
朋「もうこれモブでしょ」
HP:40
MP:59
朋(こっちは普通にマジックポイントなのね……)
こうげき:12
ぼうぎょ:37
すばやさ:45
かしこさ:17
智絵里「ほたるちゃんよりちょっとかしこいんですよっ! お姉さんなのでっ」フフーン
朋(かわいさのパラメータあったらトップかもね)
とくぎ
・クローバー召喚
効果:草生える
朋「あってるけども」
ほたる「では、朋さんのステータスも見てみましょう……」
朋「ち、ちょっと緊張するわね……えっと、”ステータス”」
フォンッ
トモ
職業:まじない師
朋「あまり聞かないわね……?」
ほたる「占い師と魔法使いの中間職でしょうか……?」
HP:22
MP:30
こうげき:9
ぼうぎょ:12
すばやさ:23
かしこさ:15
智絵里「なるほど……」
朋「ち、ちょっと待って!」
ほたる「どうかしましたか……?」
智絵里「全体的に数値は低いですが、朋さんは普通の人なので……」
朋「じゃあふたりは普通の人じゃないの!?」
朋「……って、そこもだけどそうじゃなくて!」
ほたる「え?」
朋「かしこさが一番低いってなんで!? あたし最年長よ!?」
ほたる「あっ」
智絵里「あ、あの……ゲームのパラメータですから……」
朋「でも現実準拠なんでしょ!? 異議ありよ! 異議あり!」
智絵里「お、落ち着いてください……! おそらく『他の19歳と比べて』というモガッ」
ほたる(さ、逆撫でしてどうするんですか……!)
智絵里「もごもご」
ほたる「き、きっと、朋さんが目覚める前に私と智絵里さんは魔物と少し戦ってたので、そこでレベルが上がったのかと……!」
智絵里「もごもご……」
朋「むぅ……」
智絵里「もご……も……」
ほたる「あっ、ほ、ほら朋さん! じゅもんの欄がありますよ……!」
朋「えっ! あ、ほんとだ! あたし、呪文使えるの!?」
ほたる(セーフ……)
智絵里「……」チーン
ほたる「……あ」
朋「智絵里ちゃん!!!」
智絵里「三途の川で加蓮ちゃんが手を振ってました……」
朋「存命よ」
ほたる「す、すみません……」
じゅもん
・ファイア
・サンダー
朋「えっ、2種類も……!?」ワクワク
ほたる「さすが朋さんです……!」
智絵里「すごいですっ」
朋「つ、使ってみていいかな?」ワクワク
智絵里「どうぞっ」
朋「じゃあ……ファイア!」
ポンッ
朋「……」
ほたる「……」
智絵里「……」
朋「えっ、弱っ」
ほたる「ええと……」
智絵里「あ、暖かい風が……きました……ね」
朋「……」
ほたる「も、もしかしたらサンダーの方がメインかもしれませんっ……!」
智絵里「そ、そうですよっ! 見てみたいな! 朋さんのサンダー!」
朋「……サンダー!」
パチッ
朋「……」
ほたる「……」
智絵里「……」
朋「静電気レベル……」ズーン
ほたる(はわわわわ)
智絵里(はわわわわ)
朋「……あたし、ファンタジーの才能ないのかな」ズーン
智絵里「た、たいきばんせいなんですっ! きっと!」
ほたる「だ、誰でも最初はこんなものですよ……!」
朋「……」
ほたる「……」ドキドキ
智絵里「……」ドキドキ
朋「……ま、落ち込んでてもしょうがないわね!」
ほたる「ほっ」
智絵里「ほっ」
朋「?」
朋「とりあえず、今後の動きを決めましょうか?」
ほたる「そうですね……」
智絵里「でしたら、あっちに見えるお城を目指しませんか……?」
朋「お城? ……あっ、ホントだ!」
ほたる「あの規模のお城なら、城下町も大きそうですね……」
智絵里「まずは情報を集めましょうっ」
朋「でも、スライムにお城に呪文……まるでド◯クエみたいな世界観ね……」
智絵里「はい……まるで◯ラ◯◯みたいな世界観です……」
朋「せっかくの伏せ字を器用に無効化するのやめてくれない?」
〜城下町〜
ワイワイ ガヤガヤ
朋「わ! 結構栄えてるわね!」
智絵里「お城も大きいです……」
ほたる「とりあえず適当な人に……」
朋「あ、すみません!」
「おや、旅の人かい? ここはミシロの城下町だよ。パジャマがダサそうなお姉さん」
朋「だ、ダサくないし!!!」
ほたる「お、落ち着いてください……」
朋「いきなり煽るなんてどういう了見なのよ!?」
「おや、旅の人かい? ここはミシロの城下町だよ」
朋「それはもう聞いたから!」
「おや、旅の人かい? ここはミシロの城下町だよ」
朋「だーかーらー!」
「おや、旅の人かい? ここはミシロの」
朋「もう!!! NPC!!!」
ほたる(このツッコミは滅多に聞けないやつですね……)
智絵里「ともかく、お城に向かいましょうか……?」
朋「大丈夫かしら? こういうの、いきなり捕まったりとか……」
ほたる「その時は……少し眠っていただきましょうか」ニヤリ
朋「冤罪が現行犯になるだけよ」
智絵里「このほたるって人に脅されて……」
朋「仲間を売る予行練習をしないの」
~お城・ロビー~
朋「うわっ、広い……!」
智絵里「豪華なお城ですね……」
ほたる「王様とかに話を聞ければ早いのですが……」
朋「ううん……あれ?」
「ああ、忙しい忙しい……!」パタパタ
ほたる「あっ」
朋「ち、ちょっとそこの……」
「はい?」クルッ
朋「やっぱり! 菜々ちゃん!?」
メイド長・ナナ「ええと……ご、ごめんなさい、どこかでお会いしましたか……?」
朋「えっ」
ほたる(どうやら、私たちの知っている菜々さんとは別人のようですね……)
朋(あ、そうなんだ……じゃあ、性格も違うかも……)
智絵里「メイドさんのお仕事が終わったらやっぱり一杯飲むんですかっ?」
ナナ「そうそう、疲れた体にこの一杯が効くぅ~……って! ナナはお酒飲めない歳ですからっ!!!」
朋「菜々ちゃんだ~!!!」ダキッ
ナナ「わひゃう!?」
朋「――というわけなの」
ナナ「そ゛うなんでずか゛ぁぁぁ……」グズッ
朋「そ、そんなに泣く!?」
ナナ「だっで……いき゛なり゛しらないばし゛ょに……」ズビー
ほたる「だ、大丈夫ですから……!」
ナナ「ぎ、決めましだっ!」
智絵里「は、はい……?」
ナナ「ナナ、みなさんが元の世界に戻れるようにサポートします! なんなりと言ってください!」
朋「ナナちゃん……」
ほたる(どこの世界でも、菜々さんは優しいんですね……)
智絵里「メイド歴は長いんですかっ?」
ナナ「そうですねぇ~、このお城ができた時くらいからずっと……い、いえいえ! ナナはメイドさんの中でも一番若くて!!!」
朋「智絵里ちゃん」
『この国で活動するなら、まずは女王様に許可をいただかなくちゃダメですよっ! 話は通しておきますから!』
朋「ってナナちゃんは言ってたわね……」
ほたる「そして、この大きな扉を開ければ女王様の玉座……」
智絵里「……行きましょうっ!」
朋「そうね……! 失礼します!!!」
ギギィ……
女王・ミシロ「君たちがメイド長の言っていた客人か……よく来た。歓迎しよう」
朋「……」
ほたる「……」
智絵里「……」
3人(やっぱり……)
朋(まあ正直、街の名前を聞いた時から予想してたけども)
ミシロ「話は聞いている。しかし……まじない師に植木鉢職人にクローバー農家。……正気か?」
朋「うん、あたしもそう思う」
ミシロ「……まあいい。情報を集めるなら、どうだろう、この城の傭兵として活動するのは?」
智絵里「洋平……?」
朋「誰」
ミシロ「傭兵としてなら、各地へ任務という形で向かい、情報を集めることができるだろう」
智絵里「なるほど……」
ミシロ「とはいえ、こちらも戦えない者を雇う余裕はない」
朋「……」
ミシロ「というわけで、私からの最初の依頼を出そう。これを成功させれば、傭兵として迎え入れ、情報提供も惜しまない……どうだ?」
朋「……」
ほたる「……」
智絵里「zzz……」
朋「起きなさい」
朋「わかったわ。内容は?」
ミシロ「ここから北に進むと山がある。これまでは交通の要所として機能していたのだが、最近、4人組の山賊が現れるようになったらしく、迷惑しているようだ」
ほたる「山賊……」
ミシロ「君たちには、その山賊を懲らしめてきてほしい。受けてくれるな?」
朋「おっけ。山賊だかなんだか知らないけど、クビ洗って待ってなさい! 絶対に懲らしめてやるわ! ……ほたるちゃんが!」
智絵里「朋さん」
朋「……てへ」
ミシロ「ああ、あちらに武器庫がある。何か必要なものがあれば持っていって構わない」
朋「えっ、くれるの?」
ミシロ「ここに置いてあっては農耕器具にすらならないだろう」
朋「さっすがぁ! 杖あるかしら杖!」ガサガサ
ほたる「ロケットランチャーはありますか……?」ガチャガチャ
智絵里「殲滅力ならショットガンですが……」ガチャガチャ
朋「剣と魔法のファンタジーを重火器で制圧しないで」
朋「じゃ、この杖貰っていくわね!」
ミシロ「ふむ……」
朋「……?」
ミシロ「……魔法は、意志だ。胸に留めておくように」
朋「……え?」
ミシロ「では、健闘を祈る。ここにないものは、武器屋のアキ、防具屋のマナミ、道具屋のユカなどから入手するといいだろう」
朋「この街の住民、平均戦闘力高くない!?」
~北への道~
ほたる「依頼の山は、この道を進めば辿り着けるようです……」
智絵里「では、れっつごーですっ」
朋「……」
ほたる「……朋さん?」
智絵里「体調が悪いなら……」
朋「いや……その……あたし、戦えないのになんか、勝手に依頼受けちゃって……」
ほたる「朋さん……」
朋「で、でも! あたしだって頑張るから!」
智絵里「えいっ」ピンッ
朋「いたっ!」
ほたる「大丈夫です。朋さんは、私たちが頑張る理由ですから」
智絵里「最悪の場合はほたるちゃんを置いていきましょうっ」
朋「……本当に最悪ね」クスッ
朋「とはいえ、こっちの方は魔物もだんだん強くなっていくみたいって聞いたわ!」
ほたる「そうですね……」
ゴブリン「ブギィィィ!!!」
ほたる「えいっ」
ガシャン!!!!!
ゴブリン「ブギィ……」シュゥゥゥ
智絵里「休憩を取りながら進むのも大切です……!」
ほたる「そうですね……」
ゴーレム「グゴゴゴゴ!!!」
ほたる「えいっ」
ガシャン!!!!!
ゴーレム「ゴゴゴ……」シュゥゥゥ
朋「このペースなら夜には着きそうね!」
ほたる「そうですね……」
ワイバーン「ジャァァァァ!!!」
ほたる「えいっ」
ガシャン!!!!!
ワイバーン「ジャァァ……」シュゥゥゥ
智絵里「あっ、山が見えてきましたっ」
ほたる「そうですね……」
ドラゴン「ギャオォォォォォ!!!」
ほたる「えいっ」
ガシャン!!!!!
ドラゴン「ギャオォ……」シュゥゥゥ
朋「……」
智絵里「……」
ほたる「どうかしましたか……?」
朋智絵里((強っよ……))
〜北の山〜
智絵里「お相撲さんの名前みたいですねっ」
朋「誰と話してるの?」
ほたる「報告があったのはこの辺りですが……」
朋「うーん……むやみに探しまわるのも……」
ほたる「……あれ?」
智絵里「?」
朋「どうかし……」
ほたる「しっ」
朋「……?」
ほたる「何か、聞こえませんか……?」
智絵里「へ……?」
「……! ……!」
朋(!)
「……ゃ! ……にゃ!」
朋「ネコ……?」
ほたる「……いえ!」
「……にゃ! ……ぴにゃ!」
「ぴにゃ! ぴにゃ!」
朋「こ、この鳴き声は」
ほたる「はっ! 智絵里さんっ! シールド!」
智絵里「はいっ!」バッ
シュルルルル
朋「わ! クローバーがでっかい盾に」
タンッ!!! タンッ!!! タンッ!!!
朋「矢が!?」
「あちゃー、バレちゃってたかー」
「そもそも威嚇射撃なんだから関係ないって」
「うんうん! びっくりさせて帰ってもらおう大作戦は失敗かぁ」
「一筋縄でいく相手ではない……ということですね」
朋「この声は……!」
「とうっ!」
「ユズ!」
「シノブ!」
「アズキ!」
「ホノカ!」
ユズ「4人揃って!」
シノブ「フリルドスクエア!」
アズキ「山賊団!」
ホノカ「……」
ホノカ「……」
ホノカ「……です!!!」
朋(持て余したわね)
智絵里(持て余しましたね)
ほたる(持て余してましたね)
ユズ「決まった……!」キラーン
シノブ「いつも思うんだけど、アタシのとこ2つに分けた方が綺麗にならない?」
ホノカ「いえ、私はこの役割に誇りを感じています」キリッ
シノブ「言った相手全員がもれなく『持て余してる……』って顔するのに……」
アズキ「そもそもアズキたちって山賊なの?」
ホノカ「確かに……」
アズキ「まあ、アズキもこの”行き交う人たちが山賊呼ばわりしてくるからいっそこっちから名乗っちゃおう大作戦”は気に入ってるけど……」
シノブ「作戦名と呼ぶには支障がある長さだよね」
ユズ「そもそもホノカチャンのせいじゃない?」
ホノカ「そんな……私はただ、ぴにゃこら太の良さを知ってほしくて……」
アズキ「道ゆく人々に”これ、可愛いですよね? 可愛いですよね?”って問い詰めて」
ホノカ「首を縦に振らなかった人を懲らしめているだけなのに……」
シノブ「……実質山賊なんだよね」
ホノカ「この子を緑のブサイク呼ばわりするなんて…、許せません!」
ユズ「ブサイクだと思うけどなあ」
シノブ「まあ、ちょっとブサイクだよね」
アズキ「ブサイク布教大作戦はうまくいかないね……!」
朋「味方が積極的に刺しにいってる」
アズキ「とはいえ、ここで会ったがひゃくねんめ!」
ユズ「この緑のブサイク、どう思うカナ?」
ホノカ「わ、私が聞きたかったんですが……」ズーン
ユズ「わ! ゴメンゴメン!」
シノブ「どっちが言っても変わんないと思うけど……」
アズキ「じゃ、ホノカちゃん、どうぞ〜」
ユズ「わ〜」
ホノカ「では……」コホン
ホノカ「……」
ホノカ「な、なんだか期待されると言いにくいですね……」テレッ
アズキ「も〜」
ユズ「ホノカチャンそういうとこだよ〜」
ホノカ「だ、だって……」
イチャイチャイチャイチャ
智絵里「……ほたるちゃん」
ほたる「はい」スッ
ガシャァァァァァン!!!!!!!!
ユズ「ぐえー!!!」
シノブ「ゆ、ユズちゃん!!!」
ユズ「きゅぅ……」
アズキ「ふ、ふいうち大作戦なんて卑怯なりー!」
智絵里「スキを見せる方が悪いんですよ……」フフフ
ほたる「戦場でおしゃべりなんて、呑気なものですね……」フフフ
ホノカ「くっ……!」
朋(これ、どっちが悪者かしら……)
アズキ「ユズちゃんがやられちゃった……!」
ホノカ「我々フリルドトライアングル山賊団も、一層身を引き締めていかなくては……」
朋「切り捨てるの早っ!」
アズキ「次のシノブちゃんもやられたらどうなるの?」
ホノカ「確かに……2点では図形になりませんね……」
シノブ「えっアタシ次やられるの確定!?」
ホノカ「フリル・ド・棒に」
朋「フリル・ド・棒」
ほたる「実際に試してみましょうか……」スッ
シノブ「えっ、ちょっっ」
ガシャァァァァァン!!!!!!!!
シノブ「きゃっ!!!」
アズキ「シノブちゃーん!!!」
シノブ「きゅぅ……」
智絵里「こんにちは、フリル・ド・棒のみなさん……」フフフ
ほたる「あと2人ですか……」フフフ
アズキ「くっ……!」
朋(同情するわ……)
ホノカ「どうしましょう……このままではフリル・ド・任意の点Aになってしまいます……」
アズキ「と、とうとう線すら書けない……!」
ほたる「問題ありません。同時に葬ってあげます……」スッ
朋(アイドルがあんまり”葬る”とか使わないでほしい!)
アズキ「あの黒髪の娘が落としてるみたい! ホノカちゃん! 避けまくり大作戦だよ!」
ホノカ「はいっ……あっ!」
アズキ「ホノカちゃん? どうし……あっ」
シュルルルルル
ホノカ「足に……植物!?」
智絵里「ほたるちゃんっ」
ほたる「はい。――スキだらけです」
ガシャァァァァァン!!!!!!!! ガシャァァァァァン!!!!!!!!
アズキ「きゅぅ……」
ホノカ「きゅぅ……」
ほたる「ふぅ……」
智絵里「熱い戦いでしたね……!」
朋「ごめんね4人とも……」
ほたる「これできっと、悪さもしなくなるでしょう……」
朋「いきなり植木鉢ぶつける方がよっぽどの悪さだと思うんだけど……」
智絵里「では、お城に……」
「……ゃ! ……にゃ!」
朋「……え?」
「ぴにゃ! ぴにゃ!!!」
朋「ど、どこから……!?」
ほたる「あ、あのホノカさんの持っていたぬいぐるみが……!?」
「ピィィィィィニャァァァァァ!!!!!」ズモモモモモモモ
智絵里「お……」
ほたる「お……」
朋「おっきくなったー!?!?」
ほたる「3メートルといったところでしょうか……!」
朋「や、やばいって!!!」
ほたる「10個!!!」バッ
ヒュンヒュンヒュン!!!!!
ポヨンッ ポヨンッ ポヨンッ
ほたる「は、跳ね返されました……!」
朋「物理効かないの!?」
ぴにゃこら太「ピィィィィィニャァァァァァ!!!!!」
朋「ってかうるさいわね!!!」
ほたる「……!」
智絵里「ほたるちゃん?」
ほたる「……”ステータス”!!!」
朋「ど、どうしたのいきなり!?」
ホタル
ぼうぎょ:0
朋「ぜ、ゼロ!?」
ほたる「あの鳴き声、防御力を下げる効果があるようです……!」
ぴにゃこら太「ピニャァ!!!」ダッ
ほたる(く、来るっ! 回避は……間に合わない……!)
朋「ほたるちゃ」
智絵里「ほたるちゃん!!!」バッ!!!
ドンッ
ほたる「え……? 智絵里さ」
ザシュッ!!!!!!
智絵里「うぐっ……!!!」
チエリ
HP:2
朋「智絵里ちゃん!!!」
ほたる「智絵里さん……どうして……」
智絵里「お姉さん……だからね……?」ハァ……ハァ……
ほたる「そんな……」
朋(……え?)
朋(え? え? 何? どうして?)
朋(だってさっきまで、すごい適当に進んでて)
朋(敵も倒して、あとは帰るだけで)
朋(なんで? なんで智絵里ちゃんは倒れてるの? なんでほたるちゃんはあんな顔してるの?)
智絵里「朋さん……だけでも……」
ほたる「朋さん、逃げてください」
朋「……え?」
ほたる「私たちは大丈夫ですから……」
智絵里「はやく……」
朋(どうして? あたしが……)
朋(あたしが……)
朋「……弱いから?」
朋「……」
智絵里「……?」
朋「……ない」
ほたる「……え?」
朋「……許せない」
智絵里「朋……さん……?」
朋「あたしは……あたしが許せない……!」ゴゴゴ
『魔法は、意志だ』
朋「自分は戦わなくていいって決めつけて……」ゴゴゴ
『たいきばんせいなんですっ!』
朋「ふたりの強さと優しさに甘えて……」ゴゴゴ
『私たちが頑張る理由ですから』
朋「こんなんじゃ……こんなんじゃふたりに顔向けできない!!!」ゴォッッ!!!!!
ほたる「杖が……光って……」
朋「ふたりから離れなさい!!! ファイア!!!」
ボウッッッ!!!!!
ぴにゃこら太「ピニャァッ!?」
智絵里「つ、強い……!?」
ぴにゃこら太「ピィ〜ニャ〜!!!」サササササッ!!!
ほたる「速い……!」
朋「――止まりなさい。サンダー!」
バチバチバチィ!!!!!
ぴにゃこら太「ニャァ!?」ビリビリ
朋「終わりよ」スッ
智絵里「ほ、ほたるちゃん……上……!」
ほたる「え……あれ……月が……」
智絵里「大きい……」
朋「あたしはトモ……名に月を冠する者……! 月の加護に伏しなさい! ――ルナティック・キャノン!!!!!」
ズガァァァァァァン!!!!!!!!!!
ぴにゃこら太「ピィ……ニャ……」シュゥゥゥゥゥ
朋「残念ね……あんたの運勢、大凶よ」
〜お城〜
ほたる「もう本当にかっこよくて!!!」
智絵里「決めゼリフも最高で!!!」
朋「も、もうそれくらいに……」カァァァァ
ミシロ「成程、良い仕事をしてくれたようだ」
ナナ「すごいですねぇ〜」
ほたる「おふたりにも見せたかったです……!」
智絵里「かっこよかったです……!」
朋「やめて……」
ミシロ「ふむ、君たちなら、隣国の脅威にも対抗できるかもしれないな……」
朋「え?」
ほたる「隣国……?」
ミシロ「ああ、隣の国は資源に乏しく、これまでは細々と続くだけの小さな国だった」
朋「……」
ミシロ「だが、最近になり、王女が即位したことによって、みるみるうちに国力を伸ばしている」
ほたる「有能な王女さんなんですね……」
ミシロ「私も即位の儀には招かれたが、その時は可憐な少女であると、そのくらいの印象にすぎなかった」
智絵里「なるほど……」
朋「相当なやり手ね……!」
ミシロ「いったいどのようにして、あのシマムラ王国は栄えたのか……」
朋「あっ」
ほたる「あっ」
智絵里「あっ」
ミシロ「この国に迫る勢いで成長するあの国が、いつ侵略を仕掛けてきてもおかしくはない」
朋「卯月ちゃ……えっと、その王女様は、侵略戦争で国土を拡大してきたの?」
ミシロ「表向きには、全て交渉で取り込んだとされているが……裏でどのようなことをしているか……」
朋「なるほど……」
ほたる「脅威ですね……」
智絵里「恐ろしいですね……」
隣国の王女・ウヅキ「いえいえ! ちゃんと話し合いで解決していますよ!」
朋「」
ウヅキ「ちょっとだけ、”長引いちゃう”こともありますが……」
ほたる「」
ウヅキ「みなさん、最後には素直に従ってくれます!」ブイッ
智絵里「」
朋「じ、女王……ど、どうするの……?」
ミシロ「動じるな」
朋(さ、さすが一国の主……!)
ミシロ「人間、いつか死ぬ」
朋「諦めてた!!!」
朋「も、目的は何!?」
ウヅキ「いえいえ! ちょっと強そうな傭兵さんがいるって聞いたので!」
智絵里「洋平……?」
朋「そのネタはもういいから!」
ウヅキ「……脅威は早めに摘むことが大切ですよっ!」ゴッッ
朋「っ!?」
ほたる「せ、戦闘態勢……!」
智絵里「き、強敵ですっ、ちゃんと陣形を組んで戦いましょう……!」
朋「じ、陣形!?」
智絵里「はいっ。わたしたちはインペリアルクロスという陣形で戦います……!」
朋「3人で!? それ5人くらいの陣形じゃなかった!?」
智絵里「防御力の高いほたるちゃんが前衛、両脇を植木鉢が固めます」
朋「固まらなくない!? 置いてあるだけじゃない!?」
智絵里「わたしは朋さんの後ろに立ちます。わたしのポジションが一番安全ですっ。安心して戦ってね?」
朋「これほたるちゃん盾にして一列に並んでるだけじゃない!?」
ウヅキ「おしゃべりは終わりましたか?」
智絵里「ずっとおしゃべりしていれば攻撃されないんですか……!?」
朋「そんなわけないでしょ!?」
ウヅキ「では、小手調べに……」
ほたる「来ますっ……!」
ウヅキ「最終奥義☆ファイナル・デス・インフィニティメテオ!!!」
グゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!
朋「何が小手調べよ!!! 最終奥義って言ってるじゃないの!!!」
ほたる「お、お城が崩れます……!」
智絵里「つ、捕まってくださいっ!」
ズガガガガガガガガ!!!!!!!!
ガラガラガラガラ!!!!!!!
「きゃぁぁぁぁ……!!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~
〜控え室〜
朋「……」
朋「……ん」
朋「……んん……」
朋「……」
朋「……あれ!?」ガバッ
朋「こ、ここは……」
ほたる「……スゥ」
智絵里「……スゥ」
朋「ほ、ほたるちゃん! 智絵里ちゃん!」ユサユサ
ほたる「……あれ……?」
智絵里「……わたし……?」
スタッフ「そろそろ出番ですので、準備お願いしますー!」
朋「あ、はい!」
ほたる「ステージ開始前……?」
智絵里「……?」
朋「夢……だったのかしら……?」
~ステージ~
司会者「では! ここで3人には、ミニゲームに挑戦していただきます! あちらをご覧ください!」
朋「あ、ほたるちゃんの人形!」
司会者「え?」
ほたる「上から降ってくる植木鉢が人形に当たらないようにするんですよね……?」
智絵里「剣で弾き飛ばせばいいんですねっ」
朋「リズミカルに振るのがコツなのかも!」
ほたる「1つでも人形に当たったらゲームオーバーな気がしますね」
司会者「も、物分かりいいですね!?」
司会者「では、最初の挑戦者は……」
ほたる「私が……」スッ
智絵里「頑張ってっ!」
朋「あっ、その前に……!」
司会者「?」
朋「落ちてくる植木鉢、本当にぬいぐるみ? 間違って本物だったりしない? あと、数もあってる? ケタを間違って発注とかしてない???」
司会者「そんなに疑い深い人でしたっけ……!?」
「大丈夫でーす!」
朋「そ……。ならいいけど……」
司会者「では、気を取り直して……!」
ほたる「準備はできています……!」
司会者「よーい、スター……」
「ああ!? 拾ったライターで遊んでたらぬいぐるみの植木鉢に火がついちゃっただと!?」
「すみません!!!」
「お前は小学生か!!! どうりで熱いと思ったんだよ!!! どうすんだ!!!」
「も、もうこれでいくしかないかと……!!!」
「ふざけんな!!! 全部燃え移って大炎上してんじゃねえか!!! やけどでもしたらどうすんだ!!!」
「そ、その時は……その時かと……」
「あぁ!?」
「まぁ、白菊ほたるちゃんですし……」
「あぁ!?」
「……」
「……」
「……」
「……まあ、それもそうだな」
「はい!」
朋「……」
ほたる「……」
智絵里「……」
司会者「スタート!!!!!」
朋「ちょっ!!!!!」
ポイポイポイポイポイ
ほたる「……」メラメラメラメラ
朋「ほたるちゃん!!!!!!!」
智絵里「ふぁいあ!」
朋「智絵里ちゃん!!!」
おわり
ありがとうございました。
直近の過去作
藤居朋「ほたるちゃんの」緒方智絵里「声が出ない?」
朋「年忘れ!」未央「苦労人事務所の!」ありす「大質問大会?」(pixivのみ)
橘ありす「いちフレ、にタカ、さんデリカ?」
【モバマス】死の前に一寸、偶像を
などもよろしくお願いします
乙
相変わらずのクオリティ
UPはアンラッキーポイントかと思った
むしろロケラン抱えたほたるちゃんも……
乙でした
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません