【モバマスSS】奈緒の眉毛の最適な調理法について (13)

加蓮「どう思う?」

奈緒「んー、そうだなー・・・」

凛「ちょっ、ちょっと待って」

加蓮「え?」


凛「調理・・・って言った?」

加蓮「うん」

凛「どう整えるか、みたいな比喩表現じゃなくて、そのままの意味で調理?」

奈緒「何かおかしかったか?」

凛「・・・ちょっと待って。一回落ち着くから」

凛「・・・すー、はー」

凛「・・・食べるの?」

加蓮「食べるよ?」

奈緒「どうしたんだ凛?」

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凛「こっちのセリフだよ!? 一体どうしたの二人とも!」

加蓮「どうしたの急にヒートアップして」

凛「急に眉毛食べるとか言い出したらヒートアップもするよ!」

奈緒「いや、何がおかしいのかわからないからこっちも困ってるっていうかさ」

加蓮「奈緒の」

奈緒「眉毛を」

加蓮「食べる」

奈緒「どこか変なところあったか?」

凛「・・・ごめん、ちょっと考えるから、二人で話進めてて」

奈緒「? まあいいか。それで加蓮、まずは・・・」

凛(・・・うん、大丈夫、私は正常なはず。やっぱり眉毛を食べるなんてありえない)

凛(だったら、やっぱりおかしいことを言ってるのはこの二人の方だ)

凛(冗談で言ってるようには・・・見えないかな。ドッキリの可能性はあるけど、こんな突拍子もない話でやる理由がない)

凛(ドッキリなら、ターゲットに『ドッキリかも』って少しでも思われた時点で破綻するからね)

奈緒「生で食べるのもけっこういいなって気はするんだけど、どう思う? サラダ感覚でさ」

加蓮「んー、素材の味を感じられるのっていいよね。採りたてだとシャキシャキして、ほんのり甘さもあって」

凛(甘いの!?)

加蓮「たださ、やっぱり奈緒の眉毛って調理前提な素材って感じがするんだよね。シンプルに油で炒めたりとか」

奈緒「そうそう!油との相性がいいよな!」

加蓮「サラダ油が鉄板だと思ってたんだけど、オリーブオイルもすっごく合うよ」

奈緒「ああ、アヒージョみたいにするとか? きのことかと一緒にさ」

加蓮「あ、それも美味しそう。私がやったのは眉毛とベーコンを、ニンニクと一緒にたくさんのオリーブオイルで炒めたやつだけど」

加蓮「そういえば、チーズとかも合うよね。上にチーズ乗せてオーブンで焼いただけだけど、すっごく美味しかった」

奈緒「あと、あたしの眉毛って意外と鍋とかにも合うんだぞ」

加蓮「うそ!? そっちはイメージになかったかも」

奈緒「まあ普通の寄せ鍋とかじゃなくて、トマト鍋とかかな。トロットロになってさ」

凛(普通に話が進んでるけど・・・どういうこと?)

加蓮「・・・こんな話してたらお腹空いてきたんだけど」

奈緒「あたしも。もういっそいろいろ食べ比べて確かめようか」

奈緒「じゃあまず生からだな。ほい」ポンッ

凛(!!?)

加蓮「ありがと。じゃあいただきまーす」カリッ

加蓮「んー美味しい、やっぱ奈緒の眉毛は新鮮なのに限るね」モグモグ

凛「ちょっと!?」

奈緒「ん? どうした凛? 凛も欲しくなったか?」

凛「いやいや、今何が起こったの!?」

奈緒「いや、眉毛を収穫しただけだけど」

凛「収獲!?」

加蓮「ねえ、ほんとにどうしたの凛? さっきからちょっと変だよ?」

凛「へ、変って・・・変なのは二人の・・・」

ガチャッ

茄子「おはようございますー。あら、三人揃っておしゃべりですか?」

凛(!! そうだ!!)

凛「茄子さん!奈緒の眉毛食べたことある!?」

奈緒&加蓮「!!」

茄子「え、奈緒ちゃんの、眉毛・・・?」

茄子「・・・凛ちゃん、まさか食べたことないんですか? 同じユニットなのに・・・?」

凛(!!?)

奈緒「・・・凛、なんか体調でも悪いのか? それとも何か悩んでるんだったら、あたしたちでよければ話聞くぞ?」

凛「・・・ごめん、なんか、何が正しくて、何が間違ってるのかわからなくて、その、」

凛「私の中では、やっぱりその、みんなが普通にしてる『眉毛を食べる』ってこと、わからなくて」

凛「ねえ奈緒、加蓮。私、何かおかしくなっちゃったのかな。わたし、いったいどうしたら・・・」グスッ

茄子「凛ちゃん・・・」

加蓮「ねえ凛。私たちは、今の凛がどうなってるのか、どうしたらいいのかはわからない。ただの女子高生だしね」

加蓮「ただ・・・まずは、食べてみない? 奈緒の、眉毛」

凛「加蓮・・・」

奈緒「あたしも、凛に食べてほしいな。あたしの、眉毛」

凛「奈緒・・・」

凛「・・・うん、わかった。あれこれ悩むより、まずは食べてみないと始まらないよね」

奈緒「じゃあ凛の分と、茄子さんもいる?」ポポンッ

茄子「いいんですか? ありがとうございます♪」

凛「・・・・・・」

加蓮「大丈夫だって。私が食べてたの見たでしょ?」

凛「うん。じゃあ、いただきます・・・」カリッ

凛「!!!」

凛「おいしい・・・!」

奈緒「だろ? あたし眉毛にはけっこう自信あるからな」

凛「瑞々しくてすごく食感がよくて、なんだろう、何か新鮮な野菜みたいな。それでいてほんのりと甘さもあって」

凛「サラダとフルーツの間みたいで、どれだけでも食べられそう・・・」ポリポリ

加蓮「こんな美味しいものを食べるってことを忘れちゃったのかどうなったのかは知らないけど」

加蓮「それなら、もう一回知ればいいだけだからね」

凛「ちなみに、他にアイドルの誰かから収穫できるものってあるの?」

奈緒「あんまり多くはないけどな。飛鳥のエクステも食べれるって知ってたか?」

凛「そうなの!?」

加蓮「しかも色によって味が変わるんだよね。どの味の時も生でも食べれるけど、あの白のやつ覚えてる?」

奈緒「あー、夏に流しエクステやったやつな。白はレアだから準備がなかなかできなくって」

加蓮「でも普通の色の時が一番素朴で好きかな」

凛「ふーん、今度飛鳥に頼んでみようかな」

奈緒「あ、あたしの眉毛と一緒で引っこ抜いてもすぐ生えてくるから背後から不意打ち気味に抜いても意外と気づかれないぞ」

凛「そうなの?」

加蓮「まあ飛鳥の話はまた次の機会にしようよ。じゃあ次は、奈緒の眉毛のいろんな調理法を試してみようか」

奈緒「ふー、食った食った」

茄子「ほんと、どれも美味しかったですねー」

凛「うん、油との相性がいいって話、ほんとだったよ・・・あっ」

奈緒「どうした?」

凛「やばっ、4時からベテトレさんのレッスンあったんだった!急がないと!」ダッ

加蓮「凛!?」

凛「ごめん、またあとでゆっくり話そう!あと奈緒、眉毛美味しかったよ、ごちそうさま!」バタンッ

奈緒「・・・・・・」

加蓮「・・・・・・」

茄子「・・・・・・」

奈緒「行った?」

加蓮「行ったね」

奈緒「・・・っくくく」

加蓮「・・・っふふふ」

奈緒&加蓮「あーっははははははは!!」

奈緒「な、なんだよ、眉毛、食べるって!あはははははは!!」

加蓮「ふふっ、ちょ、お、おなかいた、ふ、ふふふっ」プルプル

茄子「あ、やっぱりドッキリか何かだったんですね?」

奈緒「そ、そう、晶葉が、あたしの眉毛から野菜っぽいものを無限生産する薬を作って」

奈緒「眉毛に塗ったら、こ、こんなことに、くくっ」ポンッ

加蓮「やめて、私の前で、しゅ、収穫しないで」プルプル

奈緒「あ、この眉毛は食べても体に害はないから」

加蓮「なんだっけ? 茄子をもう少しフルーツ寄りにしたような野菜っていうオーダーだっけ」

茄子「カコじゃなくてナスですよー」

奈緒「これを言わせたかっただけ感あるな」

加蓮「そ、それで、これを使って凛にちょっかい出してみようっていう話になって」

加蓮「でも茄子さん、前の時(劇場わいど67話参照)もそうだったけど、ノリよくて助かったよ」

茄子「あれだけ凛ちゃんの後ろからアイコンタクトされれば・・・」

奈緒「でも、急に凛がシリアスになったあたり、笑いをこらえるのが大変で、ふふっ」

加蓮「そ、そう、罪悪感1割、笑わないように必死なのが9割くらいで」

加蓮「ほんと、私たち名女優だよね、なんかの賞取れるよ」

茄子「でもそういえば、凛ちゃんはドッキリに引っかかったままですけど大丈夫なんですか?」

奈緒「あー、レッスンだって言ってたし、終わるころにネタバラシしに行く感じで」

茄子「今日のレッスン、飛鳥ちゃんと一緒だって昨日聞いたような気がしますけど」

奈緒&加蓮「・・・えっ?」

~レッスンルーム~

凛「すいません遅れました!」バンッ

飛鳥「おや、凛が遅れて来るなんて、珍しいこともあるものだね」

凛「あれ、飛鳥だけ? ベテトレさんは?」

飛鳥「ああ、何かの用で少し遅れるらしい。先に柔軟だけしておいてくれとのことだよ」

凛「そっか。助かった」

飛鳥「とにかく、着替えたら柔軟の相手をしてくれないか? 一人だとどうにも効率が悪くてね」

凛「わかった。ちょっと待ってて」


凛「お待たせ、じゃあ始めようか。背中押すよ」

飛鳥「ああ、頼んだ」

凛(・・・そういえば、飛鳥のエクステも食べれるんだっけ)

凛(・・・・・・)ウズウズ

凛(・・・・・・よし)

バンッ

奈緒「凛!いるか!?」

飛鳥「えっ?」

ブチィッ


その後、飛鳥の絶叫が木霊し、飛鳥に土下座する凛と、二人に土下座する奈緒と加蓮の姿が見られたらしい。

以上で完結です。ここまで読んでくれた方ありがとうございました。
トラプリの総選挙応援SSを書いていたはずなんですが。



あきえもんより、志希にゃんの方が……

とりま奈緒を食べたい


古めのssだと晶葉が薬でイタズラしてたこともあったしセーフ

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