甘奈「プロデューサーさん、ちょっといいかな」
P「どうした?」
甘奈「実はね、甜花ちゃんが変なんだ」
P「変?」
甘奈「うん」
P「……えっと、それだけじゃよくわからないから、詳しい話を聞かせてくれるか」
甘奈「そ、そうだよね」
↓1 甜花がどう変なのか
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プライベートで頭の上にチョココロネを三つ乗せてる
甘奈「お仕事とかレッスンとか、アイドルとは一切関係ないプライベートでのことなんだけど」
甘奈「頭の上にね? チョココロネを3つ乗せてるんだ」
P「……」
甘奈「ごめん、なに言ってるのかわかんないよね。だけど本当のことなの」
甘奈「そのことについて聞いても、やんわりと濁されて話題をすり替えられちゃうし……」
P「すまん甘奈。まだよく理解できてないんだが……チョココロネって、あのチョココロネか?」
甘奈「うん、あのチョココロネ。頭から食べるかお尻から食べるかでよく議論されてる、美味しいパンのこと」
P「なんでそんなものを頭に」
甘奈「それを知りたいんだ。どうすればいいかな」
P「本人に直接聞くしか解決法はないんじゃないか?」
甘奈「でも、また話題変更されちゃうよ。何度質問してもダメだったからね」
甘奈「あっ! ひょっとして聞かれたくないのかな」
P「さあ……考えれば考えるほど謎だ……。とりあえず甜花のところへ行ってみるか」スッ
甘奈「えっ? プロデューサーさん、聞いてくれるの?」
P「そのために俺に相談したんだろ? 任せてくれ」
甘奈「ありがとうっ! レッスンルームで休憩してるとこだよ!」
甘奈「甜花ちゃん!」
甜花「あ……なーちゃん……どこ行ってたの……?」
甘奈「ち、ちょっとね」
P「甜花、話があるんだ」
甜花「プロデューサーさん……? 話って、なに……?」
P「甘奈に聞いたんだけど、プライベートで頭にチョココロネを乗せてるんだって?」
甜花「!」
P「その理由を教えてほしいんだよ」
甜花「……」プイッ
甘奈(あっ……やっぱり、そっぽ向いてごまかしちゃう)
P「言いたくない?」
甜花「……」
P「実は、はづきさんから有名店のシュークリームをもらったんだけど、よかったら食べるか?」
甘奈(物で釣る作戦!?)
甜花「……!」ピクッ
甘奈(興味を示してくれた!)
P「ただし、理由を教えてくれたらの話だけど」
甜花「……っ」
甘奈(そう来たか、って顔してる。可愛い)
甜花「……わかった」
P・甘奈「!」
甜花「理由、教える……」
P「取引成立だな」
甘奈「て、甜花ちゃん! なんでコロネを頭に乗っけてたの?」
甜花「↓1」
ジョジョ5部のアニメを見てたらつい
甜花「……アニメに、影響されたの……」
甘奈「アニメ?」
甜花「うん……ジョジョの奇妙な冒険、第5部……原作から追ってたんだけど、アニメも楽しくて……」
甜花「キャラクターが魅力的で……特に甜花が好きなのは、主人公の…」
P「ジョルノ・ジョバァーナか」
甜花「!!」
甜花「プロデューサーさん……知ってるの……!?」キラキラ
P「面白いよな。マンガは持ってるけど、まさかアニメがやってるとは……」
P「あ、そうか。そういうことか」
甘奈「?」
P「頭にチョココロネが3つ。なるほどな」
甜花「わ、わかってくれた……?」
P「うん」
甘奈「ねえ、どういうこと? 甘奈だけ仲間外れにしないでよー!」
P「ごめんごめん。ジョルノ・ジョバァーナっていう主人公の髪型がな、チョココロネを3つ乗っけたような感じなんだよ」
P「甜花はそれを真似してたんだ」
甘奈「へー、そうなんだ! それならそうと言ってくれればいいのに!」
甜花「……こんなこと、言えない……」
甘奈「なんで?」
甜花「だって、恥ずかしいから……」
P「恥ずかしいって……もしかして、高校生にもなってアニメのキャラの真似をしてることがか?」
甘奈「気にしすぎだよー! 甘奈、そんな甜花ちゃんを見ても笑ったりしないよ?」
甘奈「むしろ可愛いよ! アニメのキャラの真似っこしてる甜花ちゃん、動画に撮りたいくらい! あとほら、最近コスプレとか流行ってるし!」
甜花「……違う……」
甘奈「へ?」
甜花「アニメのキャラのコスプレとか……しても、全然苦にならない……むしろ楽しい……」
P「じゃあなんで恥ずかしがるんだ」
甜花「……クオリティ、低いから……」
P「……」
甜花「どうせなら、もっと本格的にやりたいけど……お金とか、やり方とかも勉強中だし……」
甜花「少しでも早く、真似したくて……これ買ったの……」スッ
甘奈「チョココロネ3つ!」
甜花「厳密に言うと……チョココロネの、ぬいぐるみ……」フニフニ
甘奈「わわっ、本当だ! 本物かと思ったよ!」フニフニ
甜花「これをただ、頭に乗っけて……」ポフッ
甜花「『覚悟』とは……!! 暗闇の荒野に……!!進むべき道を切り開くことだ……!!」ドドドド
甜花「ってやっても、かっこよくない……」
P(まあ確かに)
甘奈「けど、めっちゃ可愛いよ! もう1回見てみたいくらい!」
甜花「だ、ダメ……もうやらない……! バレた以上は、やりたくない……!」
甘奈「うん、大丈夫☆ 強要は絶対にしないよ!」
甜花「……プロデューサーさん……」
P「ん?」
甜花「シュークリーム……」
P「ああ、冷蔵庫に入ってるから食べてくれ」
甜花「ありがとう……そ、それと……」
甜花「よかったら、また今度……ジョジョについて、話したい……」
P「お、おお、構わないよ。語れるほどじゃないけど」
甜花「にへへ……ありがとう……」
冬優子「……」ジー
あさひ「冬優子ちゃん、なにしてるっすか?」
愛依「早く行かないと、パフェ売り切れちゃうよー」
冬優子「い、今行く!」
冬優子(ジョジョ好きなアイドルが283プロにいたなんて……すごく話したい……!)
冬優子(あいつに根回ししてもらおう。そうしよう)
(後日)
甘奈「それでね! あの日の夜に、甜花ちゃんからマンガを貸してもらって読んでみたんだけど、ハマっちゃったんだ!」
甘奈「今は第1部の終わりくらいまで読み進めてるの!」
P「はは、そうなのか。こんなに楽しんでもらえて、甜花も嬉しいだろうな」
甘奈「えへへ♪ レッスンの休憩中とか、甜花ちゃんとジョジョで盛り上がってるよ!」
千雪「あ、いた。プロデューサーさん」
P「千雪? 俺を探してたのか」
千雪「はい。ちょっと気になることがあって……甜花ちゃんなんですけど」
甘奈「甜花ちゃんがどうしたの?」
千雪「甘奈ちゃんもいたのね。ちょうどよかった」
千雪「私の思い過ごしかもしれないですけど、さっきから様子がおかしいんですよ」
P「え」
甘奈「て、甜花ちゃんの様子が?」
P(この間も甘奈から同じことを相談されたけど)
P「どうおかしいんのか、話してくれるかな」
千雪「はい……」
↓1 甜花がどうおかしいのか
自分の髪をとかしてる
寝ます
安価、感謝です
千雪「自分で自分の髪を梳かしてるんです」
甘奈「ええ!?」
P「あの甜花が、自分の手で自分の髪を!?」
千雪「はい。レッスンが終わって、まとめていた髪を下ろしたら、自分から率先してやり始めたんです」
千雪「私がやろうか? と言っても首を横に振って、『いい、自分でやる』って」
P「何から何まで甘奈や千雪にお世話してもらってる、あの甜花が……!」
甘奈「……すごい」
千雪「?」
甘奈「甜花ちゃん、すごい! 偉いよ! 自分で自分の髪を梳かしてるって、つまり自立への第一歩を踏み出したってことだよね!?」
千雪「く、詳しい話を聞いてないから、理由はわからないけど」
甘奈「甘奈、ちょっと行ってくる!」
P「どこに?」
甘奈「甜花ちゃんのとこだよ! お祝いしてあげなきゃ!」
P「なるほど……いい考えだな。俺も行くよ!」
千雪「あっ、プロデューサーさん! 甘奈ちゃん!」
千雪(違う理由かもしれないのに、いきなりお祝いなんてしたら……。でも、それ以外に思いつかないし……)
甜花(こ……こんな感じ、かな……)スッスッ
甜花(髪、梳かすの……やったことないから、わかんない……)
甘奈「甜花ちゃんっ!」バンッ
甜花「!?」
P「甜花、おめでとう!」
甘奈「おめでとう甜花ちゃん!」
甜花「え……? え……? な、なに……?」
甘奈「甘奈、すっごく感慨深いよ。あの甜花ちゃんが……!」
P「立派になったな」
甜花「……?」
千雪「プロデューサーさん、甘奈ちゃん。まずは理由を聞かないと」
甜花「あ……千雪さん……」
千雪「ごめんね甜花ちゃん、ビックリさせちゃって」
甘奈「そっか。確かに、なんで甜花ちゃんが自分で髪を梳かしてるのか聞いてなかったね」
P「早とちりしてたな」
甜花「……え、えっと……?」
甘奈「ねえ甜花ちゃん、教えてほしいことがあるの。髪を梳かすのって、いつもは甘奈か千雪さんにやってもらってるよね?」
甜花「うん……」
甘奈「でも、今そうやって自分の手で梳かしてるよね? なんでかなーって思って」
甜花「……これは……↓1」
一人で仕事行った時にぐしゃぐしゃな髪をプロデューサーさんに見られると恥ずかしいから練習
甜花「なーちゃんと千雪さんがいない……1人でお仕事に行ったとき……もしも、髪がぐしゃぐしゃになっちゃったら……」
甜花「なおす人、いないから……状況に備えて、練習してる……」
甘奈「なるほど! やっぱり甜花ちゃん偉いね!」
千雪「そうね。でも、甘奈ちゃんや私がいなくても、メイクさんがいるんじゃないかしら」
甜花「も……問題は、メイクさんになおしてもらう前で……」モジモジ
P「どういうことだ?」
甘奈・千雪「!」ピーン
甘奈「ふふっ、甘奈わかっちゃった♪」
千雪「私も♪」
P「???」
甘奈「言ってもいい? 甜花ちゃん」
甜花「……うん……」
甘奈「プロデューサーさん。甜花ちゃんは髪のセットが乱れたとこ、プロデューサーさんに見られたくないんだよ」
甘奈「だから、メイクさんに直してもらう前に、自分である程度整えたいんじゃないかな」
P「どうして」
甜花「……恥ずかしい、から……」カァァ
千雪(俯いちゃった)
甘奈(甘奈もその気持ち、すっごくわかるよっ)ウンウン
P「恥ずかしい……?」
甜花「と、とにかくそういうことだから……練習してた……!」
P「そ、そうか」
P(思い返せば、確かに撮影が終わって俺と顔合わせるとき、目が泳いでたな。あれは恥ずかしがってたのか)
甘奈「あーもう! 甜花ちゃん可愛すぎだよ!」ギュッ
甜花「ひゃっ!? な、なーちゃん……?」
甘奈「ごめんね、もじもじする甜花ちゃん見てたらぎゅってしたくなっちゃった」
千雪「甜花ちゃん。もしよかったらなんだけど、私にもお手伝いさせてもらえない?」
甜花「お手伝い……?」
千雪「ええ、セットの練習のお手伝い」
甜花「う、うん……! 1人じゃ、どうすればいいか、わからなかったから……嬉しい……!」
甘奈「えー! いいないいなぁ! 甘奈もお手伝いしたいよ! いいかな?」
甜花「にへへ……ありがとう、なーちゃん……」
甘奈「やったー☆」
P(俺抜きでとんとん拍子に話が進んでいく)
P「……ん? うわ、もうこんな時間か」
千雪「お仕事ですか?」
P「ああ、そろそろ外回りに行かなきゃならないんだ。準備しないと」
P「できれば練習に付き合いたかったけどな」
甜花「プロデューサーさんから、アドバイス……すごくレベルアップしそう……」
甜花「でも、なーちゃんと、千雪さんがいれば……百人力……!」
P「はは、そうだな。頼もしい味方だ」
P「夕方までには帰ってくるから、もしまだ事務所にいたら、どんなふうになったか教えてくれるか?」
甜花「うん……!」
甘奈「行ってらっしゃい!」
P「行ってきます」
パタン
甘奈「……さてと」スッ
甜花「なーちゃん、それなに……?」
甘奈「昨日買った雑誌だよ。色んな可愛い髪型が載ってるんだー」
甘奈「あのね甜花ちゃん、ちょっとだけでいいんだけど、これとか試してみてもいい?」スッ
甜花「かわいい……い、いいけど、甜花にセットの仕方を……」
甘奈「もちろんだよ! それが終わったらでいいから!」
甜花「わかった……」
千雪「ねえ甜花ちゃん?」
甜花「千雪さん……? それは……」
千雪「可愛いお洋服のカタログよ。一昨日買ったの」ペラ
千雪「見て、これとか甜花ちゃんに似合うと思うんだけど」
甜花「かわいい……」
甘奈「本当だ、めっちゃ可愛い!」
千雪「でしょう? 甜花ちゃんさえよければ、作ってみようかなって考えてるの」
甜花「え……いいの……?」
千雪「むしろ作らせて欲しいくらい。甘奈ちゃんの持ってきた雑誌を見ながら、どの髪型とどの服が似合うかな、とか考えるのも楽しそうね」
甘奈「賛成! 究極の可愛さの甜花ちゃんを見てみたい!」
甜花「……」
甜花(そういえば、最近お仕事忙しくて……こういうこと、できてなかった……)
甜花(なーちゃんと千雪さんに、コーディネートしてもらうの……。2人とも、ずっと我慢してたのかな……)
千雪「さてと。その前に、甜花ちゃんが自分で髪をセットできるように」
甘奈「全力でアドバイスするよ!」
甜花「よ、よろしくお願いしましゅっ……!」
(夕方)
P(ふー……承諾してもらえてよかった。あとは企画の書類を……)
甘奈「プロデューサーさん、おかえりなさい!」
千雪「おかえりなさい」
P「!」
P「甘奈、それに千雪! ただいま。残ってたんだな」
千雪「はい。甜花ちゃんにアドバイスしてたら、あっという間に時間が過ぎてしまって」
P「アドバイスで? 相当みっちりやったんだな」
甘奈「アドバイス自体は、3時間くらいで終わったんだけどね。他にあれこれやってたから」
P「あれこれって?」
甘奈「えへへ♪ 出てきて、甜花ちゃん!」
甜花「……」
P「!!」
千雪「どうですかプロデューサーさん。事務所にあった衣装を借りて、それに合わせて髪型をセットしたんです」
甘奈「テーマは“森の妖精”だよ!」
P「……なんていうか、その……」
甜花「……っ」
P「すごく似合ってるよ。テーマの通り、まるで妖精みたいだ」
P「可愛い」
甜花「あぅ……あ、ありがとう……ございましゅ……」カァァ
甘奈「でしょ? 甘奈も何枚写真撮ったかわかんないよ! あとでプロデューサーさんにも送ってあげるね☆」
P「ああ、ぜひ。しかしこれは……」
千雪「どうされました?」
P「いや、ちょっとな。アイディアが湧いてきたんだ」
千雪「アイディア?」
P「ああ。上手くいけば、甜花の仕事が増えるかもしれない」
P「必ず形にしてみせる! 待ってろ甜花!」
タタタタッ
甘奈「……行っちゃった」
甜花「お、お仕事……増えるの……?」
千雪「そうみたい。プロデューサーさん、すごいやる気だったもの」
甘奈「こんな可愛い妖精さん、たくさんの人に見てもらわないともったいないしね!」
甜花「そ、そんな……これ以上増えたら、ただでさえ積んでるゲームがもっと増えちゃう……!」
甜花「プロデューサーさん、待って……!」
タタタタッ
甘奈「甜花ちゃんも行っちゃった」
千雪「あの娘も、プロデューサーさんに負けない情熱を持ってるみたいね」
甘奈「あはは、お仕事より遊びたいって情熱だね。そういう甜花ちゃんもめっちゃ可愛いけど♪」
甜花「プロデューサーさん……! 待って……! 待ってぇ……!」
おわり
リハビリがてら安価スレ立てたらよく分からない感じになってしまった
ありがとうございました
これを読んだ方に限定甜花ちゃんが何人も来ますように
乙
面白かったしこれ読んだら300連目で限定甜花ちゃん来てくれた
それ実質0枚じゃねーか
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