絵里「寸劇!不思議の国のアリス」 (42)
ある日の昼下がり。アリスはお姉さんと一緒に本を読んでいましたがスッカリ飽きてしまいお姉さんの目を盗んで川のほとりでくつろいでいました。
絵里「あ~あ~本を読むのも飽きちゃったな~」
亜里沙「アリスー?アリスーー?どこに行ったの?」
絵里「わっ!?お姉ちゃんが私の事を探してる。って言うか…なんで亜里沙が私の姉役なのよ…。悪意を感じるわ」
その時、チョッキを着て大きな懐中時計を持ったウサギが走っているのを見つけました。
海未「大変です。遅刻…このままでは遅刻です。女王様に叱られてしまいます」
絵里「どうしたのかしら?気になるわ」
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アリスはウサギが気になり追いかけているとそのうちトンネルに入いりその先にあった穴に落ちてしまいました。
絵里「きゃあああああ」
ズドン
絵里「イタタタ…何んでこんな所に穴が…」
海未「あ~遅刻、遅刻」
絵里「あっ!?さっきのウサギさんだわ」
アリスはウサギを見つけ追いかけている途中に奇妙な空間の部屋に辿り着きました。
絵里「ここは…どこ?取り敢えずドアがあるけど…」
ラブライブ童話劇好き
アリスがドアノブを回そうとしたその時…。
「いやいや、その大きな体じゃこの扉はくぐれないやろ」
絵里「ひいっ。ドアノブが喋った」
「ウサギが喋ってるんやし今更やん」
絵里「そうだけど…。どうすればいいのかしら」
バン!!!
絵里「きゃあ!!!な、何?」
アリスが悩んでいると急にガラスのテーブルが現れ、その上には小さな小瓶が置いてありました。
絵里「何…何なの…?何か書き置きしてあるわ」
すっごい説明口調やなぁ。
絵里「ちょっと!!!ナレーションの心の声が漏れてるわよ!!!」
…。
絵里「全く。で、えっと…私を飲んで…飲めばいいのね」
ゴクゴク
すると、アリスの体がわずか3cm程度になってしまいました。
絵里「体が小さくなってしまったわ。けど、これで扉を通る事が出来るわ」
ガチャガチャ
絵里「あれ?開かない…鍵が…」
ドジやなぁ。鍵は机の上の瓶の隣に置いてあったのですがアリスは小さくなり過ぎて鍵に手が届かなくなってしまったのです。
絵里「ドジは余計よっ!!」
すると今度は急に箱に入ったクッキーが急に現れました。そこには小瓶の時と同じく私を食べてと書いてありました。
絵里「これ…カントリーマアムじゃない…大好きだけども」パクパク
ギュィィィィィィン!!!!
絵里「え?え?」
なんと今度は部屋につっかえる程に大きくなってしまいました。それに驚いたアリスは泣き出してしまいました。
絵里「え~ん」
ふふっ。え~んって…。もうちょいなんかあるでしょ。
ふふっ、笑っちゃ悪いよ、にこちゃん。
絵里「…余計な声が入り混んでるんだけど」
アリスが泣き出したので部屋は大粒の涙で浸水してしまったので、アリスは咄嗟に小さな小瓶の中身を飲みました。そして、小さな瓶の中に入り込み、喋ったドアノブの鍵穴へと流れ込んで行きました。
絵里「ん…んん…ここは…」
ことり「あっ!起きた!」
花陽「本当だ!起きた!」
絵里「えっと…あなた達は…」
花陽「あの…一緒に遊びませんか?」
絵里「へ?」
ことり「一緒に遊びましょう」
絵里「いや…あの…」
トゥイードル・ディーとトゥイードル・ダムに出会ったアリスは二人に遊びに誘われましたが
海未「あ~遅刻です。遅刻、遅刻~」
走っているウサギを見かけたので誘いを断る事にしました。
絵里「あの、遊びたいのは山々なんだけど。私、用事があって」
すげ~飛んだな
…ってか鏡かよ!
ことり「え~遊びましょう」
絵里「あの…本当に…私、ウサギを追いかけてるから」
花陽「ウサギさんを?どうして?」
絵里「どうしてって…気になるからよ」
ことり「そうなんだ。物好きだね」
花陽「物好きと言えばお米さん達も好奇心が強かったね」
絵里「……お米?カキじゃなくて?お米?」
花陽「うん。お米と農家のお話」
絵里「何よそれ…」
花陽「気になりますか?」
ことり「やったね」
花陽「お米を作るには八十八回の作業をしなければいけません。農家の方々の物凄く大変な作業があるから私達は美味しいお米を食べられるのです。まず、3月になったら田おこしから始まります。美味しいお米を作るには土が大切ですから…」
絵里「待って!何?お米が出来るまでを全部説明する気?」
花陽「はい!どうして美味しいお米を食べれるのかを、農家の方々の苦労と努力を私達は知るべきです」
絵里「いや…うん。それは大切だけど。今はその時じゃないと言うか…この世界観に合わないと思うんだけど」
花陽「でも…」
絵里「あの…本当に。ことりの出番が少なくなっちゃって申し訳ないんだけども私は行くから」
花陽「えっ!?」
ことり「行っちゃうの?」
絵里「ごめんね。また別の機会に」
花陽「ああ…これからなのに…」
このフリーダムな感じ好きだわ
絵里「全く。付き合ってられないわ」
双子から離れたアリスはウサギの家に辿り着きました。
トントン
絵里「あの~ウサギさん?居ますか?」
ガチャ
海未「あ~忙しい忙しい」
絵里「あっ!ウサギさん!」
海未「ごめんなさい。今忙しいので」
絵里「どうしてそんなに忙しいの?」
海未「どうしてって、女王様が…あら?しまった…手袋を忘れて来てしまいました」
絵里「手袋?」
海未「あっ!そうだ!二階に手袋があるから取ってきてくれませんか?」
絵里「私が?いいけど…」
海未「お願いします」
アリスはウサギに頼まれて二階に手袋を取りに行きました。
絵里「これかしら?」
と、手袋の横に高級チョコレートが置いてありました。
絵里「これ見よがしに…食べろって言うのね」パクっ
するとアリスの体がみるみると大きくなりました。
絵里「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」
ドカバキ バキバキ
海未「あぁ…私の家が…」
絵里「ち、違うのよ。私はただチョコレートを食べただけで…」
海未「人の家のチョコレートを勝手にですか?」
絵里「それは…いや…でもね」
海未「言い訳無用。チョコレートを食べただけでデカくなる人間が居てたまりますか!」
絵里「本当だってば」
海未「妖怪退治は武闘家のつとめ」
絵里「武闘家じゃなくてウサギでしょ。もう…」
海未「覚悟!」
絵里「だからぁ…」
アリスは咄嗟に近くにあった梅干しを手に取り食べました。
絵里「ちょっと待って。梅干し?梅干しなの?」
アリスは咄嗟に近くにあった梅干しを手に取り食べました。
絵里「嫌がらせ…完全に嫌がらせじゃない。なんで梅干しなのよ」
アリスは咄嗟に近くにあった梅干しを手に取り食べました。
絵里「分かったわよ。食べれば良いんでしょ!食べれば!!!!」
パクっ
絵里「ん~酸っぱい」
するとアリスの体はみるみると小さくなっていきました。
絵里「本当に…本当に梅干しダメなのに…ってウサギさんは」
海未「あ~忙しい、忙しい。あんな妖怪にかまっていられません」
絵里「ええ…あんなところに。もう…待って~」
またまた、ウサギを見失ってしまったアリスはお花畑に紛れ込んでしまいました。
絵里「なんか綺麗な歌声が聞こえるわ」
にこ「あら、あんた?こんな所で何してるのよ?」
絵里「あなたは?」
にこ「私?私は……蝶よ……」
絵里「芋虫でしょ?」
にこ「………蝶だってば」
絵里「羽ないじゃない」
にこ「……あるわよ」
絵里「どこにあるのよ?」
にこ「それは…あの…見えないのよ…正直者にしか…」
絵里「じゃあ、にこにも見えないじゃない」
にこ「にこはいつだって正直者よ!」
怒った事をキッカケに芋虫は蝶へと変貌しました。
にこ「このタイミングで!?」
絵里「良かったわね。それじゃあ」
にこ「待ちなさい」
絵里「何かしら?」
にこ「あんた何か悩んでるんでしょ?」
絵里「どうして?」
にこ「何故って…それは…とにかく悩んでるんでしょ?身長の事とか……」
絵里「そうね。小さくなり過ぎちゃって。どうにか大きくなれないものかしら?せめて…7センチくらいには…」
にこ「あ~なるほど。それなら…えっと…あれ?何だっけ?」
絵里「……」
にこ「えっと…あれ?どう言う話だっけ?」
絵里「そこにある大きくなるマッシュルームと小さくなるマッシュルームを交互に食べればちょうど良い大きさになれそうね」
にこ「それよ!そうそれ!マッシュルームを交互に食べなさい」
絵里「アドバイスありがとう。流石は蝶々さん」
にこ「ま、まあね」
絵里「それじゃあ…」
芋虫…もとい、蝶のアドバイス通りマッシュルームを交互に食べ望み通りの大きさになったアリスはチェシャ猫に出会いました。
凛「にゃ~。何をしてるのかなにゃ~?」
絵里「あなたは?」
凛「凛?凛はチェシャ猫にゃ~」
絵里「そ、そう。チェシャ猫さんね。ねえ、私今迷い子みたいなんだけど。どこに行けばいいのかしら?」
凛「行きたい所に行けばいいんじゃない?凛ならそうするよ」
絵里「あなたはチェシャ猫でしょ?」
凛「そうだよ。何言ってるの?」
絵里「いえ、だって…」
凛「だって何?ウサギを探してるんでしょ?ウサギはあっちに行ったよ」
絵里「あっちに行ったの?」
凛「誰が?」
絵里「いや、ウサギが」
凛「どこに?」
絵里「凛があっちに行ったって言ったんじゃない」
凛「ダジャレ?」
絵里「違うわよ」
凛「凛ならウサギの事はかの有名な帽子屋さんに聞きに行くけどね」
絵里「帽子屋さん?」
凛「うん。ウサギさんもいるよ」
絵里「え?ウサギも?」
凛「あっ、でも絵里ちゃんが探してるウサギとは違うよ。三日月ウサギ」
絵里「アリスだけどね。とりあえず、よく分からないけど。ありがとう、行ってみるわ」
アリスはチェシャ猫のアドバイス通りイカレタ帽子屋に会いに行きました。
絵里「ここが帽子屋さんの家…。穂むらって書いてあるけど…思いっきり宣伝じゃない。帽子屋なのに」
トントン
絵里「ごめんください」
ガチャ
穂乃果「イェーイ。今日は何でもない日だ~。だってパーティ終わらない~」
凛「今日は何でもない日だにゃ~」
絵里「げっ…穂乃果…しかも、また凛…」
穂乃果「おや?私に何か用かな?プレゼントは持ってきたかな?」
絵里「持って来てないけど…」
穂乃果「どうして?今日は穂乃果の何でもない日だよ?」
凛「凛の何でもない日だにゃ~」
穂乃果「イェーイ。何でもない日ばんざーい。愛してるばんざーい」
絵里「えっと…何でもない日って?」
穂乃果「何でもない日を知らないの?」
凛「何でもない日を知らない何て…」
絵里「あの、教えて下さる?」
穂乃果「何でもない日ってのは生まれなかった日だよ」
凛「そう。誕生日は一年に一回だけだけど何でもない日は364回もあるんだ」
絵里「じゃあ今日は私の生まれなかった日だわ」
>>15
チョコの後に梅干しは苦手じゃなくても辛いw
穂乃果「え?そうなの?じゃあお祝いしなきゃ!何でもない日ばんざーい。誰の?」
絵里「私の?」
凛「何でもない日ばんざーい!」
穂乃果「誰の?」
凛「凛の!」
穂乃果「愛してるばんざーい」
凛「ここで良かった!」
穂乃果「あなたと私でさあ!明日のために!」
凛「BANZAI!」
絵里「あの…お祝いも良いんだけど。聞きたい事があるの」
穂乃果「何だって?聞きたい事があるの?」
凛「それは何?」
絵里「えっと…ウサギを探してるのよ。懐中時計を持った白ウサギ」
凛「何だって!凛を探してるのかにゃ~」
絵里「違うのよ。あなたじゃなくて…ウサギだけど。三日月ウサギさんじゃなくて白ウサギ」
凛「ん~難しいにゃ。最初から詳しく」
穂乃果「経緯を」
絵里「えっと…川原で本を読んでたのよ。そしたら、白ウサギが」
アリスが説明をしているとそこに白ウサギが乱入して来ました。
海未「あ~忙しい、忙しい」
穂乃果「おや?どうしたのかな?」
絵里「あら!探していたウサギだわ」
海未「あ~もう時間がない。遅刻です、遅刻」
穂乃果「遅刻するのは当たり前だよ。あなたの持ってる時計は二日もも遅れてるんだから」
海未「え?二日もですか?」
穂乃果「これは直さなきゃいけないね。よし、バラバラにしよう」
海未「えっ?ちょっと待って下さい」
穂乃果「よしっ。凛ちゃん押さえてて」
凛「ガッテン」
海未「大事な時計なんです。ああ…そんな乱暴に」
穂乃果「ん~何がいけないんだろう」
凛「あんこを塗れば?」
穂乃果「そうだね!あんこを塗ろう」
海未「何ですって?あんこは…」
穂乃果「ん~あとは…」
凛「お茶は?」
穂乃果「あっついのにしよう」
海未「ちょっと。何をやってるんですか!」
穂乃果「ん~…」
凛「砂糖は?」
穂乃果「それだ!あと…」
海未「穂乃果!凛!」
穂乃果「ひいっ。な、何?」
凛「ど、どうしたの?」
海未「やめろと言っているでしょう」
穂乃果「いや…演技…」
凛「凛達、物語に沿って…」
海未「あなた達は悪ふざけが過ぎます』
穂乃果「そう言うお話だから…」
海未「もう良いです。時計を返しなさい」
穂乃果「あっ、はい。どうぞ」
海未「私は行きます。それではごきげんよう」
穂乃果「さようなら…」
凛「バイバイ…」
絵里「なにそれ…」
穂乃果「…」
凛「…」
絵里「えっと…今日は何でもない日…」
穂乃果「いや…無理。テンションが…」
凛「はしゃげないにゃ…」
絵里「そ、そう。なんか…あれね。私ももういいかな。お家に帰ろうかしら。帰り方分からないけど」
穂乃果「そうしなよ」
絵里「うん」
アリスは家に帰る事にしましたが道が分からずハート女王の居るトランプ王国へ迷い込んでしまいました。
ヒデコ「白い薔薇を」
フミコ「赤く塗ろうよ」
ミカ「急いで~」
絵里「なにをしてるのかしら…あの…何をしてるの?」
ヒデコ「何って?」
ミカ「白い薔薇を赤く塗ってるのさ」
絵里「どうして赤く塗るの?」
ヒデコ「間違えて白い薔薇を植えたからさ」
フミコ「女王様は赤がお好き。間違えて白い薔薇を植えたなんてバレたら…」
絵里「バレたら?」
ヒデコ「首をはねられてしまう」
絵里「えっ!?大変。手伝うわ。白い薔薇を~赤く塗ろうよ~」
ヒデコ「ピンクはダメ」
フミコ「黄色も」
絵里「もちろん青もね」
パラパラパラ~
ヒデコ「あっ!女王様だ!」
フミコ「女王様がお越しになったぞ」
絵里「え?」
ミカ「あなたもひれ伏して」
絵里「え、ええ…」
海未ちゃんこわひ…台本とかなく記憶を頼りに演じてる感じなのかな
真姫「ふん」
穂乃果「ええい。控えおろ~」
にこ「…」
穂乃果「ちょっと。にこちゃん」
にこ「なんでにこが真姫のしもべなのよ」
穂乃果「そんな事言ったって仕方ないじゃん」
真姫「何よ。嫌ならやらなければいいじゃない」
にこ「何ですってぇ」
真姫「何よ」
穂乃果「あぁ…もう。頭が高い。この方をどなたと心得る」
絵里「えっと…女王様…」
穂乃果「そう。だから…だから…」
絵里「え?」
穂乃果「えっと…首をはねろ~」
にこ「何で穂乃果が言うのよ」
にこ「バカね。全く」
穂乃果「にこちゃんに言われたくないよ」
にこ「はあ?何ですってぇ」
真姫「何でもいいけどアリスも困ってるけど」
絵里「いや…だって…」
真姫「まあいいわ。取り敢えずもう捕まえて来なさいよ」
穂乃果「ラジャー」
にこ「仕方ないね」
絵里「ええ…何の罪で捕まるのよ…」
穂乃果「絵里ちゃん大人しくしててね。首をはねなきゃいけないから」
絵里「怖っ!怖いわよ。そんな事言われて大人しくする訳ないでしょ」
穂乃果「あっ!逃げた!」
にこ「追いかけなきゃ」
穂乃果「待て~」
絵里「いやぁぁぁぁ」
凛「どこに行くのかにゃ~」
絵里「家に帰るのよ。帰り道はどこ?」
凛「さあ?アリスの家は知らないけど扉ならあそこ」
女王様から逃げて来たアリスは行きに通って来た扉に辿り着きました。
絵里「あっ!あれは私が行きに通って来た扉。ってドアノブが寝てるんだけど」
穂乃果「待て~」
にこ「逃がさないわよ」
絵里「ちょっと。ドアノブさん、起きて。ねえ」
ガチャガチャ
絵里「そんな…」
ふとアリスはドアノブの鍵穴を覗くとその先には眠っているアリスが居ました。
絵里「ああ…そうか。これは私が見ている夢の中なんだわ。アリスーーー!起きて!アリスーーー!」
穂乃果「待て~。待つんだー」
にこ「もう逃げられないわよ」
絵里「ひぃぃぃぃ」
絵里「はっ!!!!」
亜里沙「あら?アリス、やっとお目覚め?」
絵里「え?ここは…」
亜里沙「寝ぼけてるのね」
絵里「…なんだ。夢だったのね」
凛「さあ?本当に夢だったのかにゃ?」
絵里「え?」
完
微妙に怖いオチ
面白かった乙でした
乙ー
乙!
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