モバP「秘伝忍法、四十八手?」  あやめ「はい!」 (31)


モバP(以下、P)「四十八手・・・」



P「何だっけそれ」



・書き溜めをどんどん投下していきます
・誤字脱字がありましたらすみません



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あやめ「ですから秘伝忍法です!」

P「いやいや、どっかで聞いた事あるんだよ」

あやめ「そんなはずはありません! わたくしの実家の蔵から出てきたんですから!」
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― 数日前 ―
~浜口家・蔵~

あやめ『お掃除、お掃除~♪』サッサ・・・!

あやめ『あ、床の板がはがれちゃってる・・・ん?』

葛籠(つづら)『』


あやめ『なんで床下に葛籠なんてあるんだろう?』

あやめ『ん~~~! よいしょっ! けほっ、けほっ!』

あやめ『結構古そう・・・』カパッ

あやめ『これは巻物?』

あやめ『!』ピーン!

あやめ『まさかこれは浜口家に伝わる忍術書では!?』シュルルル

あやめ『・・・・・・・【四十八手】?』


あやめ『二人で組んで何やら技をかけている絵が・・・これは体術?』

『あやめ?』

あやめ『!』ビクッ!

あやめ父(以下、父)『掃除をしていると思ったらやっぱりサボっていたのか』

あやめ『お父さん!』

父『ん? あやめは何を持ってるんだ?』


あやめ『お父さん、これ!』

父『なんだこの古い巻物・・・・・・・なっ!?』

あやめ『床下から出てきたんだよ! もしかして浜口家のみに伝わる秘伝体術とか!?』キラキラ

父『・・・これはそんなもんじゃない』シュルルル

あやめ『お父さん?』

父『取りあえずこれはお父さんが預かっておきます』スッ

あやめ『何で!?』


あやめ『お父さんはそれが何だか分かるの?』

父『いいからあやめは掃除の続きをしなさい』

あやめ『待ってよ! 何で教えてくれないの!? 四十八手って何!?』

父『あやめ!』

あやめ『』ビクッ

父『その言葉を人前で二度と言うんじゃない。絶対だぞ』スタスタ

あやめ『お父さん、どうして・・・・・』
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P「それ俺に話しちゃダメなんじゃないか?」
あやめ「あっ・・・!」


あやめ「と、とにかく! その時の父の焦り方を見てあやめは秘伝の術であると確信したんですっ!」

P「う~ん、でもやっぱどこかで聞いた事ある気がするんだよな。ちょっとパソコンで調べてみるか」

あやめ「出てくるはずがありません!」

P「えっと、【四十八手】っと・・・」カタカタ・・・ッターン!

P「・・・・・お、ほら出てきたぞ」

あやめ「えぇ!?」


P「四十八手とは・・・あぁー、そうそう! 相撲の決まり手だ、思い出した!」

あやめ「み、見せて下さい!」

P「古い書物で二人で組み合ってる絵っていうのも相撲だったら説明がつくな」

あやめ「そ、そんな・・・」ガクッ

P「まぁ元気出せって。ケーキでも食べ行くか?」

あやめ「・・・・・・・・あれ?」

P「どうした?」


あやめ「ちょっと待って下さい!・・・・・・・・あっ!」

P「なんだよ、どうしたんだ?」

あやめ「これはわたくしが蔵で見たものと違います!」

P「はい~・・・?」

あやめ「絵の下に技名のようなものが一緒に書かれていたのですが、その名前が一つも載っていないんです」

P「それはあやめが間違えて覚えてるとかさ・・・」

あやめ「いいえ、間違えるような名前ではありません」


P「えらい自信があるじゃないか」

あやめ「はい。その技名の中にこんな物がありました・・・・その名も【千鳥】」

P「千鳥って・・・まさか!?」

あやめ「それともう一つ、【鳴門】」

P「!?」

あやめ「【千鳥】と【鳴門】、この二つの名でP殿も気づかれたのでは・・・?」

P「そ、そんな馬鹿な・・・! もう一度調べてみるぞ!」カタカタ!

【四十八手 千鳥 鳴門  
検索結果:0件  もしかして:NARUT○】

P「!」


P「会社のパソコンで使われている検索エンジンは晶葉とマキノが作ったものなんだ! 調べられない物なんてあるはずが無いのに・・・!」

あやめ「だから秘伝なんですよ」

P「ひ、秘伝・・・」ゴクリ





仁奈「パソコンかたかたするですよー♪」カタカタカタカタ
みりあ「みりあもやりたーい!」

千枝「そんなに乱暴にやったら変なページ開いちゃうんじゃ・・・」
ありす「会社のパソコンは不適切なサイトを完全に遮断するフィルターがかかってるので大丈夫ですよ」


P「晶葉たちの技術をもってしても検索できない、そして【鳴門】と【千鳥】という名前。これはまさか本当に本当なのか・・・?」

P「待てよ、という事はあの漫画の作者も・・・」

あやめ「えぇ。忍者の末裔かと」

P「マジかよ・・・」

あやめ「人々を引き込むような漫画が描けるのも忍術の一つなのかもしれませんね」

P「知らない内に俺も忍術にかかっていたという事か・・・」


P「これは俺達の想像以上に大きな問題なのかもしれないな・・・あやめ、この話俺以外の誰かに話したりはしたか?」

あやめ「いえ、P殿だけです」

P「そうか・・・よし、乗りかかった船だ。俺も協力するよ」

あやめ「本当ですか!?」

P「あぁ。そうなるとやっぱ重要なのがあやめの見つけた巻物だよな」

あやめ「ですがあれは父が持っていってしまったので」


P「こうなったら実家に行って直談判するしかないか」

あやめ「しかし素直に見せてくれるかどうか・・・」

P「今日あった事全てをお父様に話そう。俺達の誠意を示せばきっと分かってくれるはずだ」

あやめ「そうですね! 分かりました、ではわたくしから父に連絡しておきます」

P「頼んだぞ」

あやめ「はいっ!」


ガチャ

ちひろ「あら、お二人とも・・・時間は大丈夫なんですか? 確か取材が入ってるんですよね?」

P・あやめ「え・・・・・・あぁっ!?」

P「あやめ! 早く支度をっ!!!!」

あやめ「は、はい~っ!」
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~カフェ~
男記者(以下、男)「今日は浜口あやめちゃんの取材っすよね?」

女記者(以下、女)「えぇ、346さんはウチのお得意様だから失礼な事しないように。分かったわね?」

男「うーっす」


カランコロン

P「す、すみません。お待たせしました!」
あやめ「すみませんでした!」

女「いえいえ、私達もさっき着いたばかりですので」
男「20分くらい待ちましたけどね――女「」ゴスッ!

男「~~~~ッ!!!」


P「えっと・・・そちらの方は?」

女「私の後輩です。本日はご一緒させて頂いても構いませんでしょうか?」

P「え、えぇ・・・それは全然構いませんけど」


女「では始めましょうか♪」

あやめ「本日はよろしくお願いします!」

女「あやめさんは忍者アイドル、『忍ドル』として活躍されていますがアイドルになろうと思ったきっかけは何でしょうか?」

あやめ「元々『お色気お銀』くノ一選考オーディションを受けようと上京したのですが、間違えてアイドルオーディションを受けてしまったんです」

あやめ「でもせっかく来たので何かやってみようと特技の手裏剣投げを披露したところ面接官であるP殿から合格を頂きアイドルとして活動する事となりました!」

女「なるほど、それではアイドルになる前から忍者が好きだったという訳ですね」

あやめ「はいっ!」


女「忍者アイドルという事は何か忍者っぽい事とかができたりするんですか?」

あやめ「先ほどお話した手裏剣投げに加え、隠れ身の術に水遁の術。この前は煙玉を作ったりもしました!」

P「煙が多過ぎて事務所が軽くパニックになったけどな」

あやめ「す、すみません・・・」アハハ・・・

女「では今注目していたり、練習したりしている忍術とかはあったりしますか?」

あやめ「四十八手です!」


女「」
男「ヒュ~」

女「し、四十八手・・・ですか?」

P「!? こ、コラッ! あやめ!」

あやめ「はっ!? そうでした、これは極秘の・・・」

女「・・・」

P「い、いえ四十八手というのはアレですよ!? 相撲の決まり手の事でして!」ドスコーイ!

あやめ「そ、そうです! もちろん相撲のですよ!?」ノコッタノコッタ!

女(その言い訳は苦しすぎる!)


女(二人はそういう関係なの!? 大スクープじゃない!)

女(でもこんな事を記事にしようものならウチみたいな弱小会社は・・・)

女「」ブルルッ

女「な、なるほど! あやめさんはお相撲にも関心があるという事ですね!?」

P「はい!」
あやめ「その通りです!」

男「男性プロデューサーと夜な夜な四十八手の練習・・・」カキカキ
女「」ガンッ!

男「ッ!!!」
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P「まったく、あやめは」

あやめ「申し訳ありませんでした」シュン・・・


P「上手く誤魔化せたから良かったものの、もし詮索されてたら面倒なことになってたぞ」

あやめ「一般の方を巻き込むわけにはいきませんからね・・・」

P「あぁ、そうだ。まぁバレなかったし今度からは気を付けような」

あやめ「・・・」

あやめ「本当にすみませんでした」

P「いや、だから今度から気を付ければ―――あやめ「いえ、そうではなく」

P「え?」


あやめ「一般の方を巻き込みたくないと言いましたが、実際P殿を巻き込んでしまっています」

P「・・・」

あやめ「元々わたくしが話さなければこんな事には」
P「あやめ」ポンッ

あやめ「?」

P「俺はあやめの担当プロデューサーだ。あやめの悩みは俺の悩みでもある・・・いわば一蓮托生ってやつだな」

P「だからそんな事気にする必要はない」ナデナデ

あやめ「P殿・・・」ウルウル

P「絶対『四十八手』の謎を解こうな!」
あやめ「はいっ!」

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――――――
~あやめの部屋~

あやめ「・・・」


P『四十八手、極めようぜ!』


あやめ(P殿がついている。これほど心強い事はありません)

あやめ「・・・よしっ!」ピッピ・・プルルル


あやめ「あ、お父さん・・・? 今週末帰ろうと思うんだ。P殿も一緒に・・・うん、急だけど・・・」


あやめ「大切な話があります―――」

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――――――

あやめ「これでもう後戻りはできない」

あやめ「・・・でも、P殿と一緒ならきっと乗り越えられるはず!」

あやめ「そうだ、取りあえずもう一度ネットで『四十八手』について調べておこうかな」カタカタ

あやめ「・・・」



あやめ「・・・・・・・・ん?」


~ P宅 ~

P「四十八手か・・・」

P「・・・」

P(相撲の決まり手って本当にそんなに種類があるのかな?)

P「・・・ちょっとスマホで調べてみるか」

P「お、出た出た・・・・ん?」

P「んん~っ?・・・・・・・・・・」






「「うえぇぇぇぇぇ!!??」」



終り


― おまけ ―

~浜口家~

父「あっはっは! そういう事でしたか! 大事な話があるって言うからこちらも緊張してたんですよ?」

P「大変お騒がせしました」ペコリ

父「いえいえ、とんでもない! 元はと言えばうちの娘のせいですから・・・」チラッ

あやめ「ごめんなさいっ!!!」ドゲザ!

P「いえ、僕も乗り気だったと言いますか・・・あやめさんだけの責任ではありません。本当に申し訳ございませんでした」


父「まぁこれで一件落着ということですね。もう夜も遅いですし今日は家でゆっくりしていって下さい」ニコッ

P「お言葉に甘えさせて頂きます」

父「よし! それじゃあ今晩はPさんと一緒にお酒が飲めるって事だな! 母さんお酒持ってきて!」

母「はいはい♪」

祖父「私も混ぜてくれるかい?」


ワイワイ! ワイワイ!



P「楽しいご家族だな」
あやめ「はい、わたくしの自慢の家族です♪」

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― 夜中 ―
~浜口家・蔵~

ギィィィ・・・バタン、ガチャ!

父「」シュルルル

ガタッ・・・

父「・・・誰だ。上の階にいるのは分かっているぞ」

ギィ、ギィ・・・

母「私よ」

父「なんだ母さんか」


父「二階から入ってきたのか? そんな所あやめ達に見られたらどうするんだ」

母「だってお父さん鍵閉めちゃうから・・・巻物が気になったの?」

父「まだ未熟だが、まかりなりにも私の血を受け継ぐ娘だ。もしもということもある」シュルルル

【四十八手 指南書】

父「」ガサガサ、ガサガサ

母「巻物に幾つもの工程を加える必要があるなんて普通気づかないと思うけどね」

父「今は知らなくてもいい」


父「・・・いずれ知る時がくる」

【浜口家 秘術・忍―――】


終り

以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました!



こちら前作になります。暇な時にでも読んで頂けたら嬉しいです

TP「VRモバP?」  ちひろ「はい!」
TP「VRモバP?」  ちひろ「はい!」 - SSまとめ速報
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