穂乃果「宝探しゲーム」 (12)
バーン バーン
理事長「皆さん。怪我をしない様に楽しく正々堂々と勝負して下さい」
穂乃果「よ~し。ことりちゃん!花陽ちゃん!がんばろ~」
ことり「うん。お宝って何かな?」
花陽「二人共生徒会なのに知らないの?」
ことり「うん。私達は実行委員会じゃないからね」
穂乃果「何かな?購買のパン食べ放題とかかな?」
ことり「あはは。だといいねぇ」
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理事長「それでは。スタート!」
ダーーーーッ!!!
ことり「みんな凄い勢い…」
穂乃果「うわ~。私達もウカウカしてられないね。さあ。行くよ~。二人共…って!?」
花陽「ダレカタスケテ~」
ことり「花陽ちゃ~ん」
穂乃果「花陽ちゃんが人の群れに飲まれていく…ライオンキ○グにあんなシーンあったよね?」
ことり「穂乃果ちゃん。そんな事言ってないで助けに行かなきゃ」
穂乃果「あっ、うん。そうだね。いきなりリタイアになっちゃうもんね。花陽ちゃーーーーん」
花陽「ほ、穂乃果ちゃん…ことりちゃん」
穂乃果「手を伸ばして」
花陽「は、はい」
穂乃果「よっと」
グイッ
花陽「はぁはぁ。ありがとぉ」
ことり「大丈夫だった?」
花陽「うん。なんとか」
穂乃果「なら良かった。けど出遅れちゃったね」
花陽「ご、ごめんなさい」
ことり「気にしなくてもいいよ」
穂乃果「うんうん。私とことりちゃんもボケーっとしてたしね。あはは」
ことり「そ、そうだね」
穂乃果「よしっ!出遅れた分ここから取り戻そう!」
花陽「はいっ!」
ことり「けど…どこを探そうか?」
穂乃果「そうなんだよね。皆んな走って行ったけどどこをどう探してるんだろう?お宝がどこにどんな風に隠してあるのかも知らないしね。ヒントもないし」
ことり「ん~そうだよねぇ」
穂乃果「取り敢えずここに居ても仕方ないし。どこか行こうか」
花陽「うん」
開始から15分。やっと宝を探し始めた穂乃果達。
ガラガラ
穂乃果「取り敢えず音楽室に来たは良いものの。何かあった?」
ことり「ううん。何も見つからないよ。花陽ちゃんは?」
花陽「私も何も」
穂乃果「ここには何もないのかなぁ」
ジャーーーン
花陽「ぴゃあ」
ことり「な、何?」
穂乃果「ごめんごめん。ピアノの中にあるかなぁと思って。開けたついでにジャーーーンと」
ことり「急にびっくりするよぉ」
穂乃果「いやぁ。ごめんごめ…あっ!」
ことり「こ、今度はどうしたの?」
穂乃果「なんか…紙が…入ってる」
花陽「紙?」
穂乃果「ほら!」
ことり「えっと…一年生の教室に行け…」
穂乃果「これってそうだよね?一年生の教室にお宝があるって事?」
ことり「かなぁ?」
ガチャ
にこ「あっ!あんた達!?」
穂乃果「げっ…にこちゃん…」
にこ「げっとは何よ。げっとは!」
穂乃果「いや~」
花陽「にこちゃん。どうしたの?」
にこ「どうしたのって。お宝を探しに来たに決まってるでしょ」
花陽「だよね」
ことり「あの…にこちゃん一人なの?絵里ちゃんと真姫ちゃんは一緒じゃないの?」
にこ「あの二人?………私の足を引っ張るから置いて来ちゃった」
ことり「そ、そうなんだ」
にこ「そ、そうよ。って言うかあんた達はどうなのよ?」
ことり「どうって?」
にこ「なんか手掛かりは見つかった?」
花陽「えっと…どうしよう?」コソコソ
穂乃果「言っちゃダメだよ。今日のにこちゃんはライバルなんだから。お宝欲しいでしょ?」コソコソ
花陽「はい」コソコソ
穂乃果「じゃあ秘密で」コソコソ
花陽「うん…。あの、ここの部屋には何もなかったよ!」
にこ「…何かあったのね」
花陽「え?」
穂乃果「バレた!?」
にこ「やっぱり」
ことり「穂乃果ちゃん…」
穂乃果「ん?」
にこ「目の前で堂々とコソコソされたら怪しいと思うでしょ」
花陽「確かに…」
穂乃果「気が付かなかった…」
にこ「バカが相手で助かるわ。で?何があったのよ?」
穂乃果「言う訳ないじゃん」
にこ「そう。力尽くでやってもいいのよ?」
穂乃果「一人で三人を相手に?」
にこ「そうよ」
穂乃果「たいして自信だね」
ことり「何か…手があるのかな?」
花陽「お、穏便に行った方がいいんじゃないかな?」
穂乃果「にこちゃんはさぁ」
にこ「何よ?」
穂乃果「何か手掛かりは見つけたの?正直に言うけど私達は見つけたよ」
にこ「どう言うつもりよ?」
穂乃果「交換条件…いや。手を組むって言うのはどう?」
にこ「手を組む?」
穂乃果「うん。私達とにこちゃんで手を組むんだよ。にこちゃんにとって悪い条件だとは思わないんだけどなぁ」
にこ「手を組むか………。オッケーよ。けど、あんた達の手掛かりって奴を先に私に教えなさいよ。それが条件よ」
穂乃果「わかった。花陽ちゃん、ヒントを見せてあげてよ」
花陽「うん。あの…これなんだ」
にこ「なになに?一年生の教室に行けですって?」
花陽「うん。そのままの意味なのかな?」
にこ「さあ?」
穂乃果「………」シュル
ことり「あの…それで。にこちゃんの手掛かりは…」
にこ「私の?ふふっ……教えてあげない」
ことり「えっ!?」
花陽「そ、そんな。私達はちゃんと教えたのに」
にこ「悪いわね。勝負の世界は厳しいのよ」
穂乃果「……」シュル シュル
にこ「って穂乃果。あんたさっきから何やって…ってあんた!」
穂乃果「これでよしっ!」キュッ!
にこ「何してんのよ!」
穂乃果「え?見たら分かるでしょ?にこちゃんの足とグランドピアノを縛っちゃいました!」
にこ「は、はあ?何をしてくれてんのよ!」
穂乃果「先に騙したのはそっちだからね!」
ことり「穂乃果ちゃんのリボン…」
花陽「トレードマークをそんな簡単に…」
にこ「くっ。こんなの直ぐに解いてって…固結びしたわね!」
穂乃果「さあ。にこちゃん!にこちゃんが手に入れたヒントを教えて貰おうか!」
にこ「はあ?言う訳ないでしょ」
穂乃果「そう。残念だね。それじゃあ…力尽くで!」
にこ「な、何をするつもりよ」
穂乃果「ふっふっふっ」
穂乃果「こちょこちょこちょ~」
にこ「あっはっはっは~」
穂乃果「言うまでやめないよぉ」
にこ「ちょ…あはは…やめ…やめて~ひぃ~あはは」
穂乃果「さあさあ」
にこ「言う言う。言うから~。12-5!12-5って書いてあった
のよ」
穂乃果「ありがとうにこちゃん」
にこ「はあ…はあ…はあ…。さあ…言ったんだから。紐解なさいよ」
穂乃果「よしっ!ことりちゃん、花陽ちゃん。行こう!」
花陽「え?いいのかな?」
穂乃果「勝負の世界は厳しいんだよ」
にこ「くっ…覚えてなさいよ!穂乃果っ!?」
穂乃果達は音楽室を後にした。
花陽「にこちゃん。大丈夫かな?」
穂乃果「大丈夫だよ。両手は自由なんだし。それに先に騙したのはにこちゃんの方なんだから」
ことり「穂乃果ちゃん。にこちゃんが嘘を吐く前から足を縛りに行ってたよね?」
穂乃果「え?そうだった?」
ことり「うん…」
絵里「へ~。にこを出し抜いたんだ?」
穂乃果「まあね…って今度は絵里ちゃん!」
絵里「にこはどこに居たの?気が付いたらにこだけ逸れちゃって。携帯を使ったらになっちゃうし」
穂乃果「真姫ちゃんはどうしたの?」
絵里「ん?気になる?」
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