【アイマス】 春香「千早ちゃんはセックスしてみたい」 (59)

「はぁ……ねぇ春香、セックスって気持ちいいのかしら?」

・「もしアイマスキャラ全員が同じ高校に通っていたら」という学園パラレルものです。
・軽度の性描写あり
・真に男性役をしてもらっています。真Pは注意をお願いします。

「!!……ゲホッゲホッ!」

千早ちゃんのいきなりの発言にビックリして、飲んでいたメロンソーダが気管に入って盛大に咽せてしまった。
私は慌てて周りをキョロキョロと見渡す。
平日夕方のファミレス店内は客もまばらで、幸い私たちの周囲のテーブルには誰もいない。

「……千早ちゃん、今なんて言ったの?」

「聞こえなかったのかしら?セックスって……

「あーそれ以上言わなくても大丈夫!」

聞き間違えという一縷の望みに賭けてあえなく撃沈した私は、すぐに千早ちゃんの言葉を遮った。

「ここは公共の場なんだからもう少し声を落として喋ってね」

「わかったわ」

千早ちゃんの声のボリュームが下がった。
根は素直な子なのだ。

「それで、どうしたの急に?その……アレがどうのこうのって」

「私たち、もう高校2年生じゃない?」

「うん、そうだね」

「だから、セックスの1つや2つは経験しておくべきじゃないかなと思ったの」

「いや、過程をすっ飛ばしすぎじゃない?」

「そうかしら?」

「普通は『恋愛してみたい』だよね」

嫌よ、そんな面倒な事、と言いながら千早ちゃんは(何をバカな事を言うのかしら)とでも言いたげな表情をする。
その顔をしたいのは私の方なのに。

「春香は三大欲求って知ってるわよね」

「それは知ってるよ。食欲・睡眠欲・性欲でしょ」

「そう、でもその中で性欲だけが特別だと思わない?」

「……どういう意味?」

「性欲だけは満たさなくても死んだりしないからよ。それなのに三大欲求として食欲・睡眠欲と並ぶほどの欲求になっているの。これを今まで経験していないのは、損なんじゃないかと思って」

千早ちゃんは言葉の区切りにオレンジジュースを一口飲んだ。

これは『765の歌姫』如月千早じゃなくて、頭の悪いちーちゃんですわ

「でも、恋人が欲しいわけじゃないの。好きな男の子がいるわけでもないのに何回もデートしたりするのなんて時間の無駄じゃない?だからセックスだけさせてくれる男の子がいたらなぁ……って悩んでるんだけど」

中々そんな都合のいい人はいないのよね……と、溜め息混じりに呟く千早ちゃん。
前からちょっと変わったところはあると思っていたけど、ここまでヤバい子だったなんて……

「知らない人とするのは危険だし、出来れば顔見知りの人がいいのよね。春香はそういう知り合いはいないの?男の子の友達多いわよね」

「いるわけないでしょ!あのねぇ、私を何だと思ってるの」

「そうよね……春香も処女だものね……」

千早ちゃんはまた落胆の溜め息を漏らす。
別に17歳で経験が無いのは普通の事なのに、こんな言われ方をするのは納得がいかない。

「あ、そうだ。春香と仲の良い彼は?たしか菊地くんっていったかしら」

「え、真のこと?!たしかにあいつとは小学校からの幼馴染だから仲はまぁまぁ良いけど……そういうのとは無縁の奴だよ。中身が小学生だから恋愛とか全く興味ないもん」

「そう……彼とは何回かしか喋った事ないけど、たしかに素直そうな感じがしたわね」

「うーん……単なるバカというか、まぁ悪いやつではないね」

書き忘れてたけどここに出てくる春香や千早達はアイドル活動をしていません。
単なる一般高校生です。

千早ちゃんは私の言葉を受けて少し考え込んだ。

「彼にするわ」

「え……まさか、真としたいの!?」

「選んだ理由は特に無いけど。フィーリングよ。別に誰だっていいんだから」

そうあっけらかんと言い放つ千早ちゃんに、しばし返す言葉を失う。
千早ちゃんが真と、ねぇ……

千早ちゃんは小首を傾げて手を合わせながら「春香お願い、手伝って」と頼み込んでくる。

普段の千早ちゃんならこんな可愛らしいポーズで他人にお願いなんてしない。
自分が無茶な事を言っているとわかっているから、私が断らない事を知っているからこんなわざとらしい頼み方をしてくるのだ。

ハァ、と大げさに1つ溜め息を吐いてから、私は「仕方ないなぁ」と返事をした。

結局、まともな振りをしようとしても、セックスという非日常な行為への好奇心に抗えない私がいた。
私の返事に喜ぶ千早ちゃんが語る今後の計画を聞きながら、私は哀れな真のために神様へせめてもの祈りを捧げた。

**********

そして、ファミレスでの作戦会議の中で私たちは決戦の日を目前に迫った7月のテスト期間中に決めた。
場所は真の家。
テスト期間は午前で学校が終わるから勉強を口実に家に上がり込みやすいし、真の両親は共働きなので夕方まで家に誰もいないのも好都合だった。

「でもさ、千早ちゃんって真とそんなに仲良いイメージないんだけど」

「そうね。3回くらいしか話した事ないわ」

しかも私の隣にいる時にたまたま話した程度だ。
千早ちゃんと真は高校で知り合ったから付き合いは浅いし接点も私しかない。真とはクラスも別だし。

「じゃあ頼んでも断られるんじゃない?まぁそれが普通なんだけど。あいつ、わりと固いところあるしなぁ」

「その点は心配無いわ」と言いながら、千早ちゃんはバッグの中をゴソゴソと漁って細長い箱を取り出し、私に見せた。

ピンクを基調としたその箱にはポップな字体で《スナオニナール》と書かれている。
裏返してみると、「この薬を飲ませた相手は2時間の間あなたの言う事に素直に従うようになります」という説明文が目に入った。

「何なの、この胡散臭いアイテムは」

「先週この商品をオススメするメールが届いたから丁度良いと思って買っておいたの」

千早ちゃんにそのメールを見せてもらう。
普通の人なら即迷惑メールとして処理する類いのものだったので、今度からは下手に信用しないように釘を刺しておいた。

「本当に効果があるか試してみた?」

「まだ誰にも使ってないわ。でも、心配しなくても大丈夫よ」

そう答える千早ちゃんは謎の自信を漲らせていた。
……ま、いいか。薬が偽物なら普通に勉強して帰ろう。千早ちゃんが諦めてくれるならその方が良いに決まってるしーー

**********

そして決行日当日、私たちは真の家を訪れた。
真の家は二階建ての一軒家だ。
チャイムを鳴らすと真が玄関の扉を開けて出迎えてくれた。
軽い挨拶を交わして、三人ですぐに二階にある真の部屋に向かう。

「ーーそれにしても、春香がウチに来るなんて何年振り?高校生になってからは初めてだよね」

部屋に入るなり真が質問を投げかけてきた。

「あー、そういえばそうかも。でも、あんまり部屋の雰囲気変わってないよね」

「あんまり物を買わないからなぁ」

私は真の部屋をキョロキョロと見回す。
ベッドとその横にはローテーブル、部屋の奥には学習机と衣類の収納ダンス。1つだけある本棚には流行りのマンガがいくつか並べられている。小説をほとんど読まないのは相変わらずみたいだ。

私たちが勉強をするローテーブルには既にスナック菓子や飲み物が用意されていた。
真にしては気が利いている。

そうして、雑談をしながら勉強を始める。

「でも、千早はなんとなく頭が良いイメージだからボク達と一緒に勉強するなんて意外だな」

「頭の良さは普通だと思うわ。菊地くんと同じくらいじゃないかしら」

「いや、流石に真と同じではないと思うよ。私とほとんど変わらないくらいの点数なんだから」

千早ちゃんは黙っていると知的でクールな女の子に見えるらしくてよくこういう勘違いをされる。
実際は結構天然なところがあってかわいいところも多いんだけどな。

ちなみに、真は初めて出会って数分も経たない内に千早ちゃんを「千早」と呼び捨てにしている。
理由は「キサラギって言いにくい」かららしい。
それは流石に失礼じゃないかと思ったけど、千早ちゃんも「別に下の名前でもいいわよ」と特に気にしてない様子だったから「千早」呼びで定着してしまった。
この女子を特に意識してない感じが真らしいなぁ、と感じたエピソードだ。

……なんて、1時間くらいは雑談しながら普通に勉強してたけど、今日ココに来た目的はそうじゃない。
真が近所のコンビニに飲み物を買い足しに行った直後、私たちは思わず顔を見合わせた。

「千早ちゃん、どうするの?」

「モチロンこれを使うわ」

千早ちゃんは例の薬をバッグから取り出した。
そして、薬の包みを破いて粉末状の薬を真の飲みかけのジュースの中に入れる。

千早ちゃんはそのコップを手に取って臭いを確かめる。
「変な臭いはしないわね。これならバレないと思う」

「なんか、ドキドキしてきたね」

「なんだかんだ言って春香も楽しんでるじゃない」と、千早ちゃんは笑った。

ーー10分後、真がいくつかペットボトルの入った袋を手に下げて戻ってくる。
そして、軽く雑談をした後に例の薬の入ったジュースを一気に飲んだ!

私は固唾を呑んで真の様子を窺った。
20秒以上経っても真の様子は変わらず、なんだやっぱり薬は偽物だったのかと肩の力を抜きかけた……その時だった

カチャン

真の手から滑り落ちたペンがフローリングの床の上を転がっていた。

「何してるの。はい」と、ペンを拾ってあげても受け取ろうともしない。
視線は空中のどこかを見つめているようで焦点が合っていなくて、魂が抜かれたようなボンヤリとした表情をしている。

まさかこれは

「効いてきたみたいね」

さも当然のように千早ちゃんは呟いた。

「千早ちゃんスゴいね。こうなるのわかってたんだ」

「当たり前じゃない。薬の箱にそう書いてあるんだから」

素直すぎて悪い人に騙されないか心配になる。
絶対ニセモノだと思っていたのに……本物だなんて。

「それじゃあ何か命令してみるわね。……菊地くん、右手を上げて」

真は素直に右手を上げた。
おおーっ、と私たちは思わず感嘆の声を上げる。
もう一度「下げていいわよ」と命令すると、真は手を下ろした。

「スゴいねこれ。何でも言うこと聞くのかな」

「質問にも答えるのかしら。ねぇ、菊地くんには今恋人はいるの?」

「いないよ」

真は普段の口調で質問に答えた。
ただ、目線は千早ちゃんに向いていても焦点は相変わらず合っていない。

「良かったわ。後になって彼女がいるのがわかっても面倒だもの」

彼女がいない事は伝えていたけど、念のため本人にも確認したかったらしい。

「そうねあとは……菊地くんはセックスのやり方は知ってる?」

「友達が借してくれたAVで何となくやり方がわかるくらい。実際にした事はない」

彼女がいた事ないのにしてたらコッチが驚く。
ていうか、真もそういうの観るんだ。普段は女子に興味無さそうな感じだから意外。

「菊地くんに動いてもらうこともあるだろうから知っててくれて助かったわ」

「ねぇねぇ、私も質問してみていい?」

「いいわよ」

「じゃあ、真はそういう事をするとしたら学校内では誰としてみたい?」

下品だけどこんな状況でなきゃ聞けない話だから好奇心に負けて質問してみた。
真はあまり考えた事の無い話だったのか、少し考えてから答えた。

「……四条さん」

「「へー、ああいうのがタイプなんだ」」
私と千早ちゃんの声が重なった。
二人とも笑い声がちょっとだけ混じっていたかもしれない。

四条さんは三年生の副会長で、浮世離れした雰囲気を持った人だ。
品のある振る舞いと顔立ちの良さ、そこにスタイルの良さも加われば男子に人気があるのもわかる。

「何故か生徒会のメンバーってスタイルの良い人ばかりなのよね。会長の三浦さんとか、会計の律子さんとか」

「ああいう大人っぽい感じがタイプだったんだ。まぁでも、美希ちゃんじゃないだけマシかも。ミーハーすぎて引くもん」

今年入学したばかりの美希ちゃんは、その可愛さのあまり入学直後から学校中の噂になっていて、入学してから1ヶ月の間に100人に告白されたという伝説を作っている。
私は小学生の頃は美希ちゃんと同じ校区で、いつも眠そうな美希ちゃんの手を引いて歩いていたのを覚えている。まさかその時はこんなに人気者になるとは思ってもいなかったけど。

「春香、時間も限られてるしそろそろ始めるわよ?」

「あ、わ、わかった」

突然言われて思わず動揺してしまう。
これから千早ちゃんと真が本当にセックスするんだ……

千早ちゃんは徐ろにスカートを脱ぎ出した。
その動きは体育で着替えてる時のようにスムーズで、羞恥心はほとんど感じられない。

そして、シャツを脱ごうとしてボタンに手を掛けたところで、ふと思いついたように「折角だから脱がせてもらおうかしら」と口にした。

「ねぇ菊地くん、服を脱がせて」

真は指示通りに動こうとするけれど、人の服を脱がせる機会なんて普通は無いから動きはもたついていた。
それでも上から順番にボタンが1つ、2つと外されていく毎に千早ちゃんの素肌が段々と見えてくると、エッチを始めるって実感が湧いてくる。

シャツを脱がされると千早ちゃんの淡い水色の下着が露わになった。
……前から思っていたけれど、千早ちゃんは体の線が本当に綺麗だ。
贅肉が無くて脚が長いから、もう少し身長が伸びたらモデルと言われても通用する気がする。

続けて下着も外すように指示されたけど、真はピタリと動きを止めてしまう。

千早ちゃんは一瞬不思議そうな顔をした後に、「そうよね、外し方知らないわよね」と、真の方へ更に身体を寄せた。
ほとんど二人の顔が触れ合ってしまいそうな距離で見てるこっちがドキドキしてしまう。

「背中の真ん中にホックがあるから…………それを寄せて…………そう」

千早ちゃんの助言によって無事に外されると、千早ちゃんの上半身を包むものは何もなくなった。
少しは羞恥心があるのか、胸元に手をやって完全には見えないようにしている。

「流石に私だけ裸になるのは恥ずかしいわね……菊地くんも脱いでよ」

真は自分の事となるとテキパキと動き始め、あっという間にパンツ1枚の状態になった。
そして、ついに私達にとっては未知なものが曝け出される。
私たちは立っている真のモノが見えるように膝立ちの状態で近づいた。

「……なんか、思ってたよりは気持ち悪い形じゃないね」

私は素直な感想を口に出した。もっとグロテスクなもの想像していたのだ。

「まだ勃起してないからじゃない?柔らかいもの」と、千早ちゃんは躊躇なく真のモノを触り出した。

「え!?そんな風にいきなり触って大丈夫なの?真は痛くないの?」

問いかけると、真は大丈夫と答えた。

「優しく触れば大丈夫よ。春香も触ってみれば?」

おずおずと手を伸ばして触ってみると、たしかに柔らかい。柔らかくて弾力のあるゴムみたいだ。

「それじゃあ大きくしていくわね。菊地くんは力加減が間違ってたら言ってね」

千早ちゃんはそう言うと、人差し指と親指で輪っかを作って真のものを擦り始めた。
最初はたどたどしい動きだったけど、真の反応や言葉を聞いて動きを少しずつ修正していく。

すると、段々と真のモノが大きくなってきた。
最初は下を向いていたのに、大きくなるに連れて徐々に床と平行になっていく。
皮の中に包まれていた赤みのある部分が剥き出しになって、初めて男にはそういう体の仕組みがある事を知った。

続きはよ

読んでくれてる人がいてよかった。
続き投下していきます。

「春香、コレどんどん硬くなっていって面白いわよ。……これくらいで限界かしら?」と、千早ちゃんは手を放した。

「え……コレ大きすぎない?これくらいが普通の大きさなの?」

真のモノは最初に見た時より2~3倍の大きさに膨れ上がっていて、軽く反り上がったモノは斜め上を向いている。
男子はこんなものを付けながら生活してるんだ……信じられない。

「日本人男性の平均は14センチくらいらしいからこんなものじゃない?それより少しだけ大きいかもしれないわね」と、千早ちゃんはどこで仕入れたのかわからない知識を披露する。

こんなの本当に中に入るのかな……
思わず掌を下腹部に当ててどこまで入ってくるのかを確認してしまう。
……なんだか、変な気持ちになってきた。

「……今までに嗅いだ事のない臭いがするわね。でも、そんなに嫌じゃないかも」

いつの間にか千早ちゃんはアレに鼻を近づけて臭いを嗅いでいた。

「汚くない?」

「そうね、口でするのは今度にしておくわ。シャワーの後にしたいわよね」

別に口がどうとか考えて言ったわけじゃないんだけど……それに、当たり前のように次回の話をしているのが怖い。

「それじゃあ菊地くんはコレを着けて」

千早ちゃんはパッケージに「0.02」と大きく描かれた箱を手渡す。

「それってコンドーム?どこで買ったの?」

「駅前のドラッグストアに売ってたわよ」

そんなところで普通に売ってるなんて全然気付かなかった。でも、私だったら恥ずかしくて自分では買えないと思う。

真は着け方を知らなかったので千早ちゃんが着け方の説明を読みながら手助けした。若干手間取りながらもなんとか着けるのに成功する。
ゴムはピチピチに真のモノと密着していて、なんだかキツそうに見えるけど痛くないのかな。

「あとはローションを使って……」と、千早ちゃんはコンドームに付いていたローションをタップリとゴムの上から塗り付けた。ヌルヌルの液体をアレに塗り付ける手つきが妙にいやらしい。

一旦自分の手をティッシュで拭いた後、千早ちゃんはパンツを脱いだ。
同級生の二人がこれからセックスするんだ。
心拍数が上がっているのが嫌でもわかる。

「菊地くん、ベッドに腰掛けて」

真がベッドの縁に座ると、千早ちゃんはその脚を跨いで向かい合うように膝立ちになった。
あとは千早ちゃんが腰を下ろせば真と繋がってしまう。

「千早ちゃんは、その……いきなり入れちゃっても大丈夫なの?」

「さっき手で大きくしてる時に自分でもしてたから平気よ」

真ばかり見ていて千早ちゃんがしてたなんて全然気付かなかった。

「たしかに自分の中に入ると思うと少し大きいけれど……でも、そんな事より早く入れてみたくて仕方ないの」

言うが早いか、千早ちゃんは真のモノに手を添えて自分の中へと誘導した。
少しの間、入り口のところで抵抗を受けているように真のモノは入らなかったけれど、頭の部分が入ると一気に半分くらいは千早ちゃんの中に埋もれていく。
「あっ!」と、大きな声を上げる千早ちゃんが心配になるけれども、目の前の生々しい光景に声が出ない。

それから、千早ちゃんはどこまで入れてもいいかを確かめるようにゆっくりと腰を下ろしていって、ついには最後まで真のモノを受け入れた。

「……思ったよりもスゴい存在感ね。慣れるまで少し時間がかかるかも。
そうだ、この間にキスも済ましておきましょうか」

脚の上に跨っている分、今は真よりも千早ちゃんの方が頭の位置が高い。
真の顎を指でクイと持ち上げて角度を調節する。
そういうのって恋愛漫画とかだと男の子の方がやる気がするんだけど。

髪を耳にかけて押さえながら、千早ちゃんは触れるようなキスをした。

「……ふふっ、キスって一瞬じゃ全然わからないのね。もう一度……」

二人の唇が再度重なる。
……5秒、6秒……
全然離れる気配が無い。
すると、千早ちゃんは真の下唇を自分の唇で挟んでからお互いの唇が触れるか触れないかのところまで顔を引く動きを繰り返し始めた。
上唇にもしてみたり、顔の角度を変えたりと少しずつやり方を変えている。
優しくてゆっくりな動作だと唇が重なって形を変えているのがよくわかる。
男の人ってゴツゴツしてるイメージがあるけど、唇の柔らかさはそんなに差がないのかもしれない。
私もしてみたいなぁ……

「菊地くんも自分が気持ちいいように動いて良いのよ?それから、舌を出して」

そう言って、真の舌に自分の舌を絡めてキスをする。
唇が重なっていない時は二人の舌が濡れて絡み合うところが見えて妙に艶かしい。
千早ちゃんの舌は薄いピンクで、真よりも色が薄い事にも気付く。
大きさも真に比べたら小さいし、人によって舌が全然違うなんて他人のセックスを見る機会が無ければ一生知らなかったと思う。

それにしても……このシーンだけ見てると本当に恋人同士みたいだなぁ……
だって、もう何分も下半身が繋がったまま飽きる様子も無く互いに求め合ってるんだもの。

二人のキスしてるところばかりを見ていたけれど、よく見ると千早ちゃんは腰をゆっくりと上下させて自分の中を真のモノに馴染ませようとしている。繋がっているところを出たり入ったりするのがすごくエッチな感じがする。

と、しばらくしてようやく千早ちゃんが自分から顔を離した。

「もう普通に動いても大丈夫そうだしやり方を変えましょうか」

言葉だけ聞くといつも通りだけど、表情が少し蕩けてきている。
あんな表情をしている千早ちゃんは初めて見た。
そんなに良いのかなセックスって……

千早ちゃんが腰を上げると真のモノが引き抜かれ、その反動でブルンと揺れた。
最初に塗られていたローションとは別の液でテラテラと光っている。

「今度は菊地くんが上になって動いて」と、千早ちゃんは真のベッドに仰向けに横になった。
脚を曲げて軽く開き、真を受け入れる姿勢を取る。

真が主導権を握ると、さっきまでのゆっくりとした動きではなくなって千早ちゃんは奥まで突かれる度に短い喘ぎ声をあげた。
出そうとしなくても勝手に出てしまうみたいで、目を瞑って快感に溺れている。
枕元のシーツをギュッと握りしめているのが生々しい。

時間が経つにつれて二人の息遣いも段々と荒くなってくる。

「もっと……抱きしめながらして……」

真は千早ちゃんに覆い被さるように体を密着させた。
同時に千早ちゃんも真の背に手を回して、抱き寄せるようにキスを始める。

普段、テレビのネタで笑って、学校で勉強して、可愛い服で着飾ったりしていても、セックスの中では私たちも他の動物と何も変わらないんだ。
夢中で自分を曝け出している二人を見て、そんな事を思う。

「はぁ……イキそうだったら速く動いても大丈夫だから……私ももうすぐ……」

その言葉を受けて、真の腰の動きが徐々に激しくなっていく。
男の人って出す時はあんなに激しい感じなんだ……
私はこんな風にされても大丈夫なのかな……

そして、あぁっ!と一際大きな声を上げて千早ちゃんが跳ねるように腰を浮かせた。
ビクビクと何度か痙攣した後、グッタリと動きを止める。

ハァ、ハァと、二人とも息を切らして動けないみたいだ。

息が段々と整ってくると、千早ちゃんが真の耳元で「ありがとう」と囁いているのが微かに聞こえた。
それを切っ掛けに、二人は体を離した。

真のモノが引き抜かれると、ゴムの先端に白く濁った液体が溜まっているのが見えた。
千早ちゃんはゆっくりとゴムを外し、中身の液体をもう片方の手のひらの上に垂らす。
人差し指と親指で摘んだりして、ネバついた感触を楽しんでいるみたいだ。

「これが赤ちゃんの素なのね……不思議だわ」

「自分の中で出してみたい、とか考えちゃダメだよ」と、念のため釘を刺しておく。

「さすがに今子供が出来るのは困るわね」と千早ちゃんは笑ったけど、もし子供が出来ない方法があるなら試しかねない。注意しておかないと。

「セックス……思ったよりも良かったわね。菊地くんに覆い被られた時、逃げられないって思ったわ。自分の想像以上の快感に支配される感覚は、一人では経験できないもの」

手に付いた精液を拭きつつセックスの感想を語る千早ちゃん。
さっきまで顔を蕩けさせて喘いでいた人物と同じとは思えないくらい冷静になっている。

「それで……春香もするんでしょ?コンドームはまだあるわよ」

当然のように千早ちゃんに言われて一瞬で体が硬直する。事前の話には私がするなんて無かったからビックリするのも当たり前だ。

(やっぱりこんな事するのおかしいよ)
(友達の前でするなんて恥ずかしい)
(小学生の頃から友達だった真としたら、絶対後々面倒になる)
(そもそも初めてなのに出来るの?)

やらない理由なんていくらでもあった。
ただ、二人を観ているうちに下腹部に生じた熱が、自然と私の口を動かす。

「私は…………私も……ーー」

**********

「ねぇ、いいかげん機嫌直してよ」

「……いや、あり得ないでしょ。薬飲ませて勝手にあんな事するとか」

私たち三人は真の家を出て、川沿いにある堤防の上を当てもなくブラブラと歩いていた。沈みかかった夕日が水面のところどころを赤く染めている。

遡る事一時間前、真は薬の効果が切れた途端に激しい混乱状態に陥った。
私と千早ちゃんは真を宥めながら、掻い摘んでどうしてこうなったかを説明した。
(「千早ちゃんが誰かとセックスしてみたくて」から始まる説明を真が本当に理解していたかは謎だ)

説明を聞き終えた真に「とにかく服を着てくれ。目のやり場に困る」と言われてようやく全員が全裸である事に気付いて、私たちは慌てて制服を身に付けた。
今思い出してみても男女の立場が完全に逆だ。

それから私たちは真の両親が帰ってくる前に家を出て、二人で真に謝り倒し、現在に至る。

「一番驚いたのは千早だよ。そんな大胆な事をする性格だなんて思ってもみなかった」

「あら、それは私だって同じよ。菊地くんがAVを観てるなんて思ってなかったわ」

「それは……男だったら少しは……ん?」

「四条先輩みたいなスタイルの人が好きなんでしょ?変態」と、私は軽くなじってやる。
謝りっぱなしじゃ面白くない。

「?! さっきのAVの話といい、なんでそんな事知ってるのさ!?」

「部屋にいる時に話してたの覚えてないの?」

「部屋って……例の薬を飲んだ後の記憶はかなり曖昧だからなぁ。映像はなんとなく覚えてるけど、何を話していたかは全然覚えてないんだ」

真の顔が一瞬にして赤く染まる。
何を思い出しているのやら。

他には何を聞かれたんだ……最悪だ……と一人でブツブツと呟いている真に対して千早ちゃんが一歩距離を詰める。

「それで、初めてした感想は?気持ち良かった?」

「それはまぁ……そんな事いちいち言わなくてもいいだろ」

真は明らかにたじろいでいた。
真横にいる千早ちゃんとの距離が近すぎて目も合わせられないみたいだ。
全員の歩みもいつの間にか止まってしまっている。

「私は気持ち良かったわよ。ねぇ、私たちこれからもこういう関係を続けない?まだ色々としてみたい事があるの」

「ちょ、ちょっと待って。先に聞いておきたいんだけど、千早はボクが好きなの?」

「特別好きなわけじゃないわ」

「ダメだ……頭が痛くなってきた」と、眉間に手を当てて頭を振る真。
いつかのファミレスで私も全く同じ気持ちになったから同情してしまう。

「でも、男の子の中では一番気を許せる存在になったわ。セックスにはそういう効果もあるのかしら」と、真の手に自分の手を重ね、指を軽く絡める。

「人と触れ合うのは気持ちいいわよね。私、見た目も悪くないと思うのだけれど……そんなに私とするのは嫌?」

近距離で見上げられながらの質問に真がドギマギしているのが手に取るようにわかる。
あの聞き方はズルい。
可愛い子にあんな風に迫られて、「嫌だ」と言える男子は少ないんじゃないだろうか。

思った通り、真は「嫌ではないけど……」とハッキリとした否定はしなかった。

「わかったよ。正直に言うとボクだってそういう事に興味はあるんだ。千早の誘いに惹かれるところもあるって認める。
けど、ボクと関係を続けるなら一つ約束してほしいんだ」

「約束?」

「ボク以外の男とはもうそういう関係を作ろうとしないでほしい」

「へぇ、菊地くんって女の子を束縛するタイプだったの?」と、千早ちゃんはクスクスと笑う。

「誰でもいいなんて言って誰とでもしていたら絶対に将来後悔するよ。そもそもボクとした時点でもう手遅れかもしれないんだから」

「ふーん……いいわ、約束する。菊地くん以外と関係を持たないし、菊地くんに彼女が出来たらこういう事をするのはもう終わりにする。
だけど、約束したんだからすぐに彼女を作ったりはしないでね」

「わかった」

彼女ができる当てが無いだけでしょ、と私は心の中で茶々を入れる。

「でも、気に入らないわね……」

千早ちゃんの呟きに、真は「へ?」と間抜けな声を出した。

「私のためを思ってとか、私に言われて仕方なく、って態度が嫌なの。菊地くんだって男の子なんだから素直に『セックスしたい』って言えばいいじゃない」

「いや、それは……」

この後に及んでまだモゴモゴしている真に千早ちゃんはズイと顔を寄せる。

「私とセックスしたいのよね?」

表情は笑顔だけど異様に圧のある声色だ。

「はい、千早とセックスしたいデス」

あっという間に気圧された真は叱られた生徒のように身を小さくしている。

「私とセックス出来て嬉しい?」

「千早とセックス出来て嬉しいです」

「正直でよろしい」

今度こそ本当の笑顔を見せ、千早ちゃんは私たちにクルリと背を向けて歩き出した。
私と真は少し遅れて千早ちゃんの後を歩く。

「怖えー……」

真はまだショックが抜けきらない様子だ。

「あれは真が悪いよ。千早ちゃんは常識からすれば間違ってるってわかっててこういう事をしてるんだから、説教みたいな事を言われてもウザったいだけじゃん。話し方も回りくどくて真らしくなかったし」

「だってさ、女子に誘われて簡単に受け入れてたらただやりたいだけみたいで気持ち悪くない?」

「そんな事考えてる方がカッコ悪いと思うけど。女子の方から誘ってるんだから気にしなくていいんじゃない?」

「そっか……でも、千早が心配なのは本当なんだけどなぁ」

「千早ちゃんは自分が選んだ結果どうなっても、後悔したり他人のせいにしたりはしないよ」

千早ちゃんのそういうところが私は好きだ。

「それならいいんだけどさ。話変わるけど、……なんで春香までボクとヤってるの?」

触れられたくないところに触れられてギクッとしてしまう。

「それはなんていうか……その場の流れ?的な?」

千早ちゃんと真のを見てたら我慢できなかった、なんて絶対に言いたくない。

私は話題が変わった瞬間に歩みを速めて、千早ちゃんに追い付いていた。
話題を変えて千早ちゃん!

「そういえば、春香って感じてる時の声が大きいわよね」

「え!?そうなの?!」

「たしかに、反応が大きかったのはなんとなく覚えてるよ」

「嘘……う、うぅ……」

ダメだ……
恥ずかしくて死んでしまいたい……
初めてなのに自分がどうなってるかまで気を回す余裕なんてないよ……

「春香があの調子だと、外で人目を避けてするのは難しそうね…… 放課後の教室とか海辺の岩陰とか、定番の場所でもしてみたかったのだけど」

「「絶対却下」」
私と真は口を揃えて否定する。
大体にしてなんの定番なんだ。

「だったら菊地くんと二人だけならいいでしょ?」

「そういう問題じゃないだろ」

「あら、そんな反抗的な態度を取っていいの?」


真の頭にハテナマークが浮かんでいるのが見える。

「例えば、私が学校で友達に『菊地くんに身体だけ求められて捨てられたの……』って涙ながらに打ち明けたら、菊地くんの学校での立場はどうなるかしら? 私は学校では真面目に大人しく過ごしているし、嘘を吐いてるなんて思われないと思うわ」

「発想が悪魔かよ……」

「もちろん、本当にそんな事をするつもりはないわよ。でも、なんでもダメって言われたらつまらないじゃない?少しは協力してほしいの」

笑顔でそう語る千早ちゃんに、真は諦めたように言葉を発する。

「はいはい、千早お嬢様のご期待に応えられるよう頑張りますよ。これでいいかい?」

「ありがとう。菊地くんの素直なところ、私好きよ。……ねぇ、今更だけど私も“真くん”って呼んでもいいかしら?」

「別にいいよ。ホント今更だけどね」

「だって、“キクチくん”って言いにくいんだもの」

そう笑顔を見せる千早ちゃんは、内面とは裏腹に普通の女の子にしか見えなかった。

**********

一方その頃、千早達が歩き去った堤防の道から川岸へと下る斜面の途中で一人の少女が目を覚ました。そこは草のふかふかとした感触が心地よく、涼しさも得られて少女のお気に入りの場所だった。

気怠げに上半身を起こして目を擦ると、その動きに合わせてウェーブがかった金髪が揺れる。
周囲が薄暗くなっている事には気付いていたが少女は動こうとしない。
ほんの10分ほど前にまどろみの中で聞いた会話を思い出していた。

気分良く寝ていたら誰かの話し声が聞こえてきて意識だけが半分覚醒し、自分とそう遠くないところで立ち止まって少し会話していたのを耳だけで聴いていた。
その時は頭が働いていなくてわからなかったけれど、あの声の内の一人は春香だ。小学生の頃はよく学校に手を引いて連れて行ってくれたのを覚えている。
もう一人は春香と仲が良かった男の子の……たぶん真クン。最後の一人は聞き覚えがない。

それよりも、話の内容に少女は興味を惹かれた。

「楽しそうな話聞いちゃったの…♪」

イタズラっぽい笑みを浮かべる少女が真達に関わるのは、また別のお話。

終わりです。
最後まで読んでくれた人がいればありがとうございます。

続きがあるような終わり方ですけど何も考えてません。
真達の関係が広がっていけばいいなと思って書いただけです。
どんなキャラがどんなシチュエーションで絡んでたら面白いか、思い付いたら教えてください。

おつ、是非とも続いてほしい

先生!質問です、真ちゃんが今回、真君になりましたが、他の子も大丈夫ですか?
響ちゃんが響君になってて今回の怪しいお薬を持った病院の双子あみまみとかクラスの友達に色々されちゃうとか

乙でした

>>55
真のハーレムである必要は全くないんで誰が男性役をやるのも想像する人の自由です。
亜美真美と響がどういう話の流れで絡む事になるのか考えるのも楽しそう。

ちなみに自分が書いた段階で想像していたのは
1年生組 美希・やよい・伊織・亜美・真美

2年生組 春香・千早・真・雪歩・響

3年生組 あずささん・貴音・律子

765ASメンバー以外にもミリ、デレ、シャニなんかのキャラがいても学園パロとしては楽しそう。

涼…

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