【超電磁砲】黒子「ヒップホップMCですの」【コント】 (6)

(ラップを歌う黒子)

キラキラしすぎたネオン チカチカしてきた眼を
閉じて君の影思い浮かべて自分だけの宴start
誂え切った不自然それより思うまま揺るがせmy heart
Alertだらけの街角に踵落としfall apart
みんなで常識からdepart

N!
見たいのはいつだって笑顔
隠れ場所なしのnightはhard
思わせぶりな態度わざと?
さあどうしたいつもの流暢word
ビル街に背を向けて宵闇の中burst!

(佐天登場)

Smartに尽くせmy best
互いに言葉 意味digest
さあ手を繋いで未来へlet's go

Dancing on the street!

佐天「Oh! Yeah!」

I meet sweet excite!

佐天「Hear!」

repeatしたくなるね何度も「もう一度」

佐天「And more? more?」

Uh!
I am backstreet girl!

佐天「Yes!」

ここに集まるtribe

佐天「It's tribe!」

包まれてくvibes!
Uh groove on!

佐天「Hoo!」

groove on groove on groove on!

佐天「A U B heat?」

黒子「あのすいません!やめてもらっていいですか!?あの一緒にやってるみたいなんで!何ですの!」
佐天「他人に名前を尋ねるときはまず自分から名乗る。違うかい?」
黒子「別に名前は聞いていないんですけれど…"WHITY"です。『白井』って名字なんで『しろい』で"WHITY"」
佐天「私はジョナサンだ…」
黒子「…殿方なんですの!?」
佐天「違う…"J""o""n""a""t""a""h""a""n" アポストロフィ "s"でジョナサンだ」
黒子「ジョナサンじゃないですの!ファミレスですわよね!どう見てもジョナサンじゃありませんわよね!」

佐天「君はここで、何をしているんだい…?」
黒子「私ストリートMCですの」
佐天「道端でバラエティの進行役か。斬新だな」
黒子「それ『マスター・オブ・セレモニー』ですわよ!司会やりませんのよ!なんで道端でテレビ番組の司会してるんですの!?私は『

マイクロフォン・コントローラー』ですわよ!要するにラッパーですわね。こうやってストリートでラップしていますのよ」
佐天「そういうことは、空き地で土管の上でやったらいいんじゃないのか」
黒子「それジャイアンでしょうが!ジャイアンラップしませんわよ!ジャイアンじゃないんでここでやりますわよ」
佐天「君の演奏は金を取るのかい?」
黒子「ああこれですの?これはたまにお聴きになった方が方がお金入れてくださるんです。それはありがたくいただいております。決し

て強制ではありませんの」
佐天「客が本当に満足したら金を入れるというシステムか。もし納税がそのシステムだったらこの国は崩壊していると思わないか」
黒子「まあだからやらないんじゃないですか国は!」
佐天「君がこうして夢に向かって時間を費やしている間、他のみんなは汗水垂らして働いている。願わくば君のこの努力が、身から出た

錆にならないことを私は祈ってやまないよ」
黒子「…いや超めんどくせえ何だコイツ!何なんだ!」
佐天「君が歌っているラップというのはどういうものなんだい…?」
黒子「そうですわね、日頃感じたことですとか伝えたいメッセージですとかを、リズムと韻に乗せて歌いますの」
佐天「まるでミュージシャンだな…」
黒子「ミュージシャンです!ミュージシャンですの!ヒップホップMCですの!」
佐天「いいだろう」
黒子「何がいいんですの?」

佐天「そうだ、私とひとつ勝負をしてみないか…?」
黒子「しません!」
佐天「港にスクーターが2台止まっている」
黒子「はあ」
佐天「それに乗って海に向かって同時に走り出すんだ。先にブレーキをかけた方が負けだ。もし君が勝てば、解毒剤の入ったロッカーの

鍵の在処を教えよう。だがもし君が負けた場合、彼が見た月の裏側の真実は、闇に葬り去られることになる。どうだい?」
黒子「…やらないです!何なんですの!?解毒剤とか月の裏側とか!誰なんですの彼って!」
佐天「いいだろう」
黒子「何なんですのさっきからいいだろういいだろう!何がいいんですの?あの邪魔するんだったらどっか行っててもらっていいですか

ね!?私これでも、プロデビューを目指していますの。ここで歌っていたら、色んな人が集まってきて、いつかレコード会社の人のお耳

に偶然にでも入っていただけないかと思って…」

佐天:(裂けるチーズ)

黒子「だから毎日ここで、一生懸命大好きなラップを歌っているんですの。え何で裂けるチーズ食べてるんですの!?」
佐天「気にしないで続けてくれ」
黒子「いや気になりますわよ!食べ方間違ってますし!裂いてないしそれ!」
佐天「さっき少し聴かせてもらったが、君のラップにはヴァイブスが足りない。グルーヴもない。名曲と言われる曲には必ずグルーヴが

あるものだ」
黒子「あの、じゃあどうすればいいんですの?」
佐天「自分で考えてくれ。私も何言ってるのか分からない」
黒子「何で言ったんですのじゃあ!何言ってるか分からないのによくヘラヘラ言えますわね!」
佐天「そもそもヴァイブスって何だ?」
黒子「知らないんですの!?さっきvibesもgrooveも歌ってたでしょうが!vibesは気分とか雰囲気っていう意味ですわよ!あの帰ってもらえません!?本当に!」
佐天「これが俗に言う、音楽の方向性の違いという奴か」
黒子「いや違いますわよ人間性の違いですわよあなたとは!」

佐天「とにかくあまり、この業界を甘く見ない方がいい」
黒子「…この業界…!?あの!失礼ですがお仕事は何を…」
佐天「朝起きて公園に行き、鳩の餌を奪って食べる。雨の日も風の日も。もし仮にそれを仕事と呼ぶのであれば」
黒子「無職じゃないですの!鳩の餌奪って食べてるんですの!?何なんですのこの人!?いやこの業界とか言うからレコード会社の人か

と思いましたわ!」
佐天「ひとつ聞かせてもらってもいいか?」
黒子「何なんですの!?」
佐天「君はヒップホップMCとして成功してどうなりたいんだい?」
黒子「そうですわね…SKY-HIになりたいんですの。ヴォーカル&ダンスグループになってラップもできてダンスもできて…武道館ですと

か海外公演ですとか…色々な人にリリックを聴いてほしい。フロウを感じてほしい」
佐天「厳しいことを言うようだが、将来のビジョンが他人の上っ面の真似なんかで成功できるかな。SKY-HI『みたい』じゃなくてSKY-HI

『になりたい』そんなところが君の甘さなのだよ。憧れと同一化願望は似て非なるものだそこを履き違えるな願望をぶつけられた側に失

礼なんだよ今晩誰か泊めてくれないかな!」
黒子「あなたですわよ!泊まるところないんですの!?眼の前のビジョン見えてないじゃないですの!何言ってるんですの!?もういい

ですわ今日やめます…」
佐天「泊めてくれないのか」
黒子「泊めねえよ!何で泊めなくちゃならないんですの!?」
佐天「帰る前に一曲、私に歌ってくれないか」
黒子「は?」

佐天「夢っていうのは、風船と同じだ」
黒子「風船?」
佐天「風船?」
黒子「あなたが言ったんでしょうが!風船って言ったでしょうが!」
佐天「誰の手にも届かない大空に飛んで行く風船もあれば、急にしぼんだり、破裂してしまう風船もある。
   飛ばしてみなければその風船がどこに行くのかは誰にも分からない。
   誰しも人生に期待して夢を持って生きている。
   だが、なりたいものになれる人間はほんの一握りだ。
   だいたいの人間は第三希望程度の人生をしかたなく歩んでいる物さ。だが悲観することはない。それでも幸せは存在する。
   本人が幸せだと思えばな。それでは聴いてください、『alternative wish』」


What's I wish?
道はいつだってalternative
正しさなんて分からないで
けれど降り積もる後悔とか
数えたってきりがないね


黒子「お前が歌うのかよ!あなたが歌うんですの!?あなた歌ってくれって言ったんじゃないですの?
   じゃあ歌いますよ…どんなトラックがお望みですか?」
佐天「そうだな…元気になれる曲がいい…」
黒子「元気…」
佐天「だがヒップホップの曲は疲れるからな…」
黒子「何しに来たんですの!?私ヒップホップMCですわよ!疲れるってどういうことですの?」
佐天「ラッパー同士口汚く罵り合い蹴落とし合う…結局暴力的なことを言った方が勝つ…リアルとなんら変わらないじゃないか…」
黒子「あーラップバトル見たなこの人…まあ確かにね、不良文化から生まれたものですしMCバトルにそういう面もありますわ。
   『ディスる』もヒップホップから生まれた言葉ですわよ。自分の強さを見せることがカッコいいからですわね。
   ラップバトルはそのためにございますのよ。
   でも私は特定個人のbeefはしないことをポリシーにしていますの。
   甘いと言われるかもしれませんの。逃げてると思われるかもしれませんの。
   けれど私は…楽しいことを歌って笑いたい。悲しいことを歌って泣くラップもあっていい。
   恋人に愛を告げるラップもあっていい。そういうのを目指してますの。ちょうどいいトラックありますから」
佐天「もう何でもいい…」

黒子「何で投げやりになったんですの…?私のオリジナルトラック『air』ですわ。聴いて下さい」


今日もまたどこか置き忘れたfine
喉から手が出るほどwant to shine
windsが掻き消してくmy sign
煽られてまたぐ明日へのborder line
それでもまだ未来とか愛とか
信じたいと思ってるmy spirit's fire
視界霞ませる溢れた涙
拭えば垣間見えた世界が煌いた

棄て去ったはずの希望抱いて
胸はったら一度だけ歩き出して
君が見た景色 僕だけに教えて

Who called me?
呼び声に
誘われて どこまで
壁乗り越え 高く飛べるだろう
What is dreaming?
迷う細道
ひと時眼上げたら
視界染めた花の色綺麗だ

いつしか感じれた澄み切ったair


佐天「I'll believe... there are my affair to the future...」
黒子「何急に歌ったんですの!?さっきからずっと私に被せてきますわね…」
佐天「…いい曲だ。君のラップは…私に生きる気力を与えてくれる」
黒子「…そんな大げさな。リスナーの方がいてリクエストにお応えしたまでで」
佐天「大げさじゃないさ…ラップというものが心に沁みたのは初めてだ…ありがとう」
黒子「…あの…今度よかったら…ここで一緒に歌ってみません…」
佐天「BAZOOKA!!!」

(どこかへ行く佐天)

黒子「何感動的な話を折るんですの!?今泣かせどころだったでしょうが!『BAZOOKA!!!』って高校生RAP選手権じゃないですの。
   でもお金入れてくれたんですのね。いやこれこども銀行券じゃないですの!うわ戻ってきた戻ってきた!」
佐天「…生きるためには食事と寝床が必要なんだ…どうすればいい…?」
黒子「…生活費は折半!ストリートライブは毎日!約束ですわよ!」

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