八幡「結衣と結婚したが子供が障害児で大変だ」 (4)

八幡「…ただいま」

結衣「八幡おかえりー!ごめん、ご飯まだできてないんだ!」

八幡「そうか…俺はもう疲れてるから寝るわ お前も早く寝ろよ」

結衣「う、うん…わかった おやすみ!」

八幡(俺は結衣と結婚して三年目だが不幸と言ったら残酷かもしれないが、子供は障害児だ。)

八幡(俺自身も精神障害者手帳を持つ障害者なので俺に似てしまったのかもしれない)

八幡(ただでさえ苦労かけてばかりなのに健康な子供を産ませてやれなくて申し訳ない)

八幡(俺にできる事は哀れな息子・針磨(はりま)が無事成長できるように父親として頑張る事だけだ)

八幡(元々周囲に馴染めず問題行動の多かった俺は病院で発達障害の診断を下された)

八幡(それを受け入れられず健常者の振りをしてきたが、高二の終わりの騒ぎで自分が健常者でない事を実感させられた)

八幡(その後、俺は総武高校を辞めて通信制のある文成高校へ入学すると同時に精神手帳を取得した)

八幡(文成では同じような人間がたくさんいて気が楽だった)

八幡(結衣と再会したのは入学してから半年後の事だった)

八幡(偶然の再会に浮かれた俺はらしくも無くお喋りに興じた)

八幡(一色が葉山を口説き落としたとか戸部が海老名さんを振り向かせたとかそんな恋バナを聞かされて初めて連中にも半年の時間が流れた事を感じた)

八幡(正直材木座と三浦がデキたとか予想できんかった。関わる事さえないもんだと思ってたわ)

八幡(しかし、戸塚が陽乃さんとデキた事が何よりもショックだった……。天使が悪魔に魅了されて堕天するとか世界の終わりだろと言いそうになった)

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