・このスレは咲キャラで行う古畑任三郎のパロです(トリックも何もかもパクリ)
・主人公は京太郎。恋愛描写も有り
・舞台設定は数年後
・咲キャラが犯罪を犯したり、キャラ崩壊したりします
・古畑の原作再現をしようとしてガバ多数
・エピソードは個人的に好きなものや、イメージが浮かんだものから
・基本スローペース
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1540012658
【ケース1 哀しき完全犯罪】
京太郎「突然ですが、皆さんの中に大雑把な人間だと言われる方はいますか?」
京太郎「タンスの引き出し、ちゃんと閉めてますか? 雀牌はちゃんと並べて片付けています?」
京太郎「部員の中に初心者の男子がいる事を、うっかり忘れちゃったりしていません?」
(BGM)https://www.youtube.com/watch?v=_Ohj89R83zI
京太郎「ただ、人間ってのは何事もチマチマしすぎるのは考えものです」
京太郎「だけど一つだけ言えるのは……」
京太郎「大雑把な人間に、完全犯罪は向いていないという事」
須賀
京太郎
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宮永
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/. . ./. : : : : : : : : : : : i: . . . . ハ
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′ー―ァ: :/: :从: : : ト--ミ: i: : : :|: : :'
′: : : ://⌒/ }: : :リ }: :ハ:|ト: : :i: : : ,
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/: :从: : 八《´んハ. j/ r==ミ /: ::/| . . .|
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f入 `ー 〉 /' V_ゝ/.〈 Ⅹ / i`/イ、_
辷ーく / / / rヘ/__rヘ_/ | ヽ
{ ̄` 入 i / | /:::| / . / ハ
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ハ. // ‘, 」:::/ / |/::::::|l/ \ / |
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《`ーイ::: V:::{ ‘, |i i/ / | | 〉
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弘世菫
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原村
和
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原作
小林立
脚本
三谷幸喜
【某月某日 午後16時00分 照と菫のマンション】
猫「にゃーお」
菫「……ふむ」ジャラッ
昼下がりの一室
整理整頓された部屋で、牌譜を読みながら検討を行う菫
菫「ここはもう少し……いや」
ガチャン
玄関の扉が開く音
菫「!」
照「ただいまー」テクテク
菫「……おいで」
猫「にゃー」
同居人の帰宅に気付いた菫は、飼っている猫を抱き上げて下の階へと降りる
菫「帰ったのか、照」
照「あ、うん。遅くなってごめんね。いつ帰ってきたの?」ドサッ
買い物袋を机の上に置く照
菫「一時間ほど前だ」
照「今日は指導麻雀の日じゃ?」
菫「先方が急な会議とかで、無くなったんだ」
照「そっか」
照は相槌を打ちながら、買い物袋の中身を取り出していく
そんな照を静かに見つめる菫
期待
菫「照。お前、またリビングの窓が開けっ放しだったぞ」
照「え?」
菫「開けておいていいのは、バスルームの窓だけだ。前にも言っておいただろう?」
照「……ごめん」
菫「あと、換気扇も点きっぱなしだった」
照「でも、だって換気扇は――」
菫「でも、と、だっては禁止だ」
照「……っ」
バッサリと切り捨てられて、口ごもる照
何か言いたげな顔をしながらも、袋から出した食べ物を冷蔵庫にしまおうとする
照「……前にも言ったけど、今夜は予定あるの。晩御飯は作っておくから、好きな時に食べて」
菫「今日はいい。外で食べる」
照「そう。分かった」
ミネラルウォーターと豆腐をしまう照
豆腐の位置は冷却口のすぐ傍ら
菫「17時30分から出かけるぞ。すぐに用意してくれ」
照「へ?」
菫「ん?」
照「私も、出かけるの……?」
菫「おい、照! お前、こんな場所に豆腐をしまったら凍るだろう!?」バッ
きょとんとする照を押しのけ、冷蔵庫にしまわれた豆腐を取り出す菫
照「あれぇ?」ガサガサ
一方の照は困惑しながら、袋の中から次々と物を取り出す
その手にはヨーグルトの容器が握られている
菫「なんだ?」
照「私、言ってなかった? 18時から、打ち合わせがあるって」
菫「打ち合わせ?」
照「例の、麻雀教室。今度、番組全体がリニューアルして……」
菫「ケーブルテレビの話か。だったら断ればいいじゃないか」
照「えっ……? でも、今から断るのは」
菫「電話すればいい。別に問題ないさ」
照「……私は」
菫「ん? 照、お前またヨーグルトを買ってきたのか? 冷蔵庫にまだ未開封の物があるぞ?」
照「あっ」ビクン
菫「考えて買ってこい。また食材を腐らせるつもりか?」
照「…………ごめん」
菫「金を稼いでいるとはいえ、無駄遣いはよくないぞ。じゃあ、私も着替えてくる」
そう言い残し、去っていく菫
照は複雑な表情をしながらも、ポケットからスマートフォンを取り出した
照「……えっと、これを、こうして」
たどたどしい手付きでスマホを操作し、テレビ局の人間へと電話する
内容は勿論、番組の打ち合わせをキャンセルする為だ
照「はい……はい。それで、はい。ごめんなさい」ピッ
長い電話が終わり、自室へと戻った照
照「ふぅ……」
疲れてベッドに腰掛けると、姿見に映る自分と目が合う
照「……」
何かを思い出した照は、自分の机の引き出しを漁る
そこには、彼女が大切にしている物がある……筈だった
照「っ!!」タタッ
駆け出して、菫の自室へと向かう照
その室内では、菫が自身の対局資料であるDVDを整理していた
照「菫! 私の指輪!! 返して!!」
菫「急にどうした?」
照「あれ、隠したのは菫でしょ?」
菫「なんの話だ? 指輪なんて、私は知らないぞ」
照「大切な人に貰った物なの!! お願い!!」
必死に懇願する照だが、菫は首を横に振るばかり
逆に心外だと言わんばかりに、その目付きは鋭くなっていく
菫「もしかして、あの指輪か? それなら、あまり身に付けるべきではないと思うが」
照「えっ?」
菫「正直、お前にはまだ早いというか……分不相応というのか」
照「っ!!」
菫「……悪い、言い過ぎた。しかし、失くしたのは自己責任だぞ。お前がいつも自室を片付けないから」
照「……そう、だね」
気まずくなり、菫の自室から出て行く照
そのまま、逃げるように自身の部屋へと入る
照「……」
コンコン
菫「照、入るぞ」ガチャッ
そんな照を追って、部屋に入ってくる菫
照「何?」
菫「……少し前の話に戻るんだが、お前は……例の番組を、続けていくつもりなのか?」
散らかった部屋を見て、菫は眉間に皺を寄せる
照「スタッフの人は、あと半年は続けてくれって」
菫「……もういいんじゃないか、そろそろ。一年は続けてきたじゃないか」
照「うん」
菫「潮時だろう。他の人に、変わってもらうといい。大星とかなら、適任だと思うが?」
照「!! でも……」
菫「悪いことは言わない」
照「……私は」
菫「むっ? おい、照! お前、またか!」
菫はテーブル、棚の上、ベッドの横にマグカップを見付けて駆け寄る
菫「一度使ったらすぐに片付けろと言っているだろう。何度も言わせるな」
照「ごめん」
カップを手に取り、部屋を出ていこうとする菫
そんな彼女を引き止めるように、照は意を決して叫ぶ
照「菫。私、あの番組を続けたいの!」
菫「お前には、向いていない」
照「私もそう思っていた。でも、最近はスタッフの人も上手になったねって……褒めてくれて」
菫「乗せられているだけだ。いい様に使う為にな」
照「!」
菫「持ち上げられて、笑いものにされているのが分からないのか?」
照「……笑いものなんかじゃない」プルプル
菫「良い機会だ。電話しづらいなら、私の方からスタッフに話してやる」
照「私は、続けたい」
菫「ダメだ。お前の面倒を見るように、私は実業団から頼まれている。お前の仕事の決定権は私にあるんだ」
照「やっと、楽しくなってきたところだったの。番組にも、慣れてきて」
菫「分からないのか? 実業団も、お前を真に慕うファンもそれを望んではいない」
照「やりがいがあるの!」
菫「ダメだ。対局はまだしも、私生活すらだらしないお前に――」
照「家の事も、ちゃんとやるから! 料理だって、覚える!」
菫「お前が? はっ、本気で言っているのか?」
必死に縋る照の言葉を鼻で笑い、一蹴する菫
菫「とにかく、お前がどう言おうと私は反対だ」
照「……」ギリッ
菫「私はこのカップを洗ってくるから、その間に番組スタッフの連絡先をラインで送ってくれ」スタスタ
バタン
照「……」
部屋を去っていった菫
照はその背中を、憎悪の篭った瞳で見つめている
やがて、その視線は棚の上にあったトロフィーへと向けられた
チーム虎姫
かつては同じ夢を目指し、共に戦いあった頃もあった
そんな過去の栄光に、照は手を伸ばす
【照と菫のアパート 午後17時10分】
菫「ふぅ……」
洗い物を終えて、リビングのソファで猫とじゃれている菫
そんな彼女の背後に、そっと近付く照
照「お待たせ」
菫「ああ。連絡先は送ってくれたか?」
照「ラインはよく分かんないから、これ……名刺」スッ
菫「やれやれ。分かった、じゃあすぐに電話しよう」
呆れたように名刺を受け取り、菫は自分のスマホを取り出す
菫「そうだ。今夜は何が食べたい? 私が出すぞ」
照「なんでも」
菫「そうか? じゃあ、前に行った寿司屋にでも行こう。お前の好きな玉子でも食べて元気を出せ」
照「うん」
名刺を見つめながら、電話番号を入力していく菫
そんな彼女の背後で、照が何かを振り上げている事など……気付く様子も無い
菫「悪く思うな、照。私は何も、お前が憎くて言っているわけじゃない」
照「……」
菫「お前は、人に教えるような――」
照「ああああああああああああああっ!!!!!」ブンッ
ガンッ!!!
菫「っ!? ぐぁっ!?」
頭部の一撃でよろける菫
しかしそれでも必死に、照にしがみつこうとする
菫「て、るぅ……」ギュッ
ブチッ
照に掴みかかった菫の手が、照の服の袖からボタンを引きちぎる
しかし、肝心の照はそれに気が付かない
照「死ねっ!! 死ねぇっ!! 死んでしまえぇぇぇぇっ!!!」ブンブンッ!!
ガンッガンッガンッガンッ!!!!!
一度、二度、三度、四度
何度も何度も振り下ろされるトロフィー
菫はとうとう昏倒し、そしてそのままピクリとも動かなくなる
照「……はぁ、はぁっ、はぁっ!!」
息を荒くしながら、照は髪をかきあげる
想定以上に照の力が弱かったのか、周囲に返り血が飛び跳ねるような事は無かった
そもそも、菫が出血したかどうかも定かではない
照「……菫? 死んでる、よね」
恐る恐る語りかけても、反応は見られない
生気を失った虚ろな瞳は、半開きのままで虚空を見つめていた
照「殺した。私が、殺したんだ」
もう取り返しはつかない
後はもう、行くところまで、行くしかなかった
照「っ!」
すかさずスマホを取り出して、照は番組スタッフへと電話を掛ける
照「あ、もしもし? 宮永照です。はい、やっぱり打ち合わせ、出ようと思いまして」
人を殺した直後だというのに、平静そのもの
麻雀の試合で培ってきた精神力が、それ以外でも役立った初体験
照「はい。じゃあ、また後で」ピッ
通話を切り、部屋の隅で横たわる菫の死体をまたぐ照
このままでは自分が捕まってしまう。そう考えた彼女は、次の手を打っていた
照「えっと、まずは……」
キッチンに向かい、大急ぎで料理を始める
作るのはさっき買ってきた具材で簡単に作れる麻婆豆腐
ネギを刻み、豆腐を切り、ひき肉を炒める
レトルトならば簡単だが、凝り性の菫はそんなものを常備させてくれなかった
照「……よし」
出来上がった麻婆豆腐をフライパンから更に移し、ラップを巻く
照は次に、キッチンの下の戸棚から猫の為の餌を取り出した
缶タイプのキャットフード
菫はいつもこの餌を18時ちょうどに与えている
照「ちゃんと食べておいて」
照はその餌を餌皿に移すと、余った缶をゴミ箱へと放り投げた
照「後はこれで、終わり」
そして最後に照は、リビングに飾ってあるトロフィーを幾つか黒い袋に詰め込んだ
勿論、その中には凶器に用いたトロフィーも含まれている
照「時間は……まだ、大丈夫」
後は段取りの通りに行動するだけ
逸る気持ちを抑えながら、照はマンションから飛び出していった
【某所 鉄橋 17時45分】
照「……」キョロキョロ
打ち合わせへと向かう途中、照はあえて川沿いの道を選んだ
それは、誰もいないのを見計らい……凶器の入った袋を捨てる為
照「……今がチャンス」
タイミングを見て、川に袋を投げ捨てる照
幸いにも、その光景を目撃した人物はいなかった
照「よし」
ここまでは完璧、誰にもバレるわけがない
そう信じて、照は次の目的地へと向かう
【某喫茶店 18時05分】
照「はぁ、はぁっ……」タタタタ
賑やかな喫茶店
その喧騒の中に、駆け込むように飛び込む照
スタッフA「あ、宮永プロ!」
スタッフB「こっちです、こっち!」
照「あ、どうも」ペコリ
少し遅れたが、間に合った
照は胸をなで下ろしながら、番組スタッフ達と同じ席に着いた
スタッフA「具合は大丈夫ですか?」
照「はい。問題ないです」
スタッフB「それはよかった。番組に顔である宮永プロに倒れられたら、困りますからね」アハハハ
照「そ、そうですか?」ニヘラ
褒められて喜ぶ照
だが、まだ油断は禁物だ
スタッフA「では、次の企画についてなんですけど」
スタッフB「こんなのはどうでしょうか?」
照「面白そうですね」
順調に打ち合わせを重ねながら、タイミングを待つ照
スタッフA「そういえば、宮永プロはあの弘世プロと同居なさっているとか?」
照「はい。同じ高校出身で、実業団も同じよしみで」
スタッフB「いいですねぇ、美女同士の同居!」
スタッフA「今度、弘世プロも番組にゲストで出て貰えば面白くなるかも」
照「あははは、どうでしょう?」チラッ
時計の針は19時ちょうど
照は満を辞して、一世一代の大芝居を始めた
照「あ、すみません。携帯が……」
サッと、ポケットからスマホを取り出す照
スタッフ達も、通話だと察したのか、どうぞというジェスチャー
照「もしもし? うん、いま打ち合わせの途中。え? 本当?」
スタッフA「……」ヒソヒソ
スタッフB「……」ヒソヒソ
照「ありがとう。何か要るものある? え? 卵? 分かった、買って帰るね」
スタッフB「?」
照「……ふぅ。あ、すみません」
スマホをポケットに戻し、視線をスタッフに戻す照
スタッフA「今の電話は、弘世プロですか?」
照「はい。今日の晩御飯は、麻婆豆腐を作って待ってるって」
スタッフB「へ、へぇ? そうなんですか」
スタッフA「いいですね。羨ましいです。優しいんですね、弘世プロ」
照「でも、買い物も頼まれちゃったので……」
無論、菫からの電話など掛かってくるわけがない
これはあくまで、ただの電話のフリ
他愛の無い話のように印象付けながら、完璧なアリバイを築く為のもの
照「(後はこれで、家に帰るだけ)」
【照と菫のアパート 19時40分】
ガチャッ
照「ただいま」
生きている人間など、誰もいない自宅に戻った照
日はすっかりと暮れて、室内は真っ暗である
照「……暗い」
廊下の電気だけでは、灯りが足りない
照は手探りで電灯のスイッチを探そうとするが――
照「きゃっ!?」ドテッ
何かにつまずき、転んでしまう
その際に、コンビニで購入してきた卵のパックが床へと落ちる
グシャッ
どうやら、卵の幾つかは割れてしまったらしい
照「いたたた……」
急いで起き上がり、照は急いで電気を点けた
照「っ!!!」
菫「」
そこには、さっきまでとは違う場所に横たわる菫の死体があった
どうやら即死では無かったようで、少しだけ床を這いずったらしい
照「……驚かせないでよ」
照は動揺を隠せないながらも、ゆっくりと落ち着きを取り戻す
そうしてまずは、キッチンへと向かう
照「菫が……悪いんだから」
照は割れた卵のパックをゴミ箱へ捨ててから、マグカップにインスタントコーヒーを注ぐ
それを一口飲む頃には、照の同様は完全に消え去っていた
照「……ふぅ」
一息を吐いてから、照はスマホで110番をダイヤルする
すぐに電話は繋がり、照は冷静に状況を告げた
照「もしもし、警察ですか? 家に帰ったら、同居人が死んでいるんです」
そこからは何も知らない風を装い、警察と話す
後は捜査に駆けつけた警察官が、自分の偽装工作に踊らされる様を見るだけでいい
照「……」ピッ
電話を切り、照はカップを持ったまま二階へと上がる
自分にこんな才能があるとは思わなかった
そう思う照の顔は、今までに無いくらい生き生きとしていた
照「……ん?」
自室に入り、机にカップを置いた瞬間
照は自分の服の袖にボタンが無い事に気が付いた
一体いつ? どこで? まさか?
天性の勘の鋭さゆえか、一瞬にして自らのピンチを悟る照
彼女は急いで、再び一階へと降りていった
照「もしかして――」
菫「」
照「あ、やっぱり」
固く握られた菫の右拳の中
そこに、引きちぎられた照のボタンは存在していた
照「ふ、ふふふ、残念だったね」
危ないところだったが、これで証拠は何もない
ボタンを回収した照はなんとなく、再びキッチンへと向っていく
冷や汗をかいたので、アツアツのコーヒーでも飲みたくなったのだろう
照「……完全犯罪、完成かな」コポコポ
コーヒーを淹れ直しながら、照は完全なる勝利を確信していた
完璧なアリバイ工作。証拠隠滅
照「んふー」ホクホク
何も怖くないと美しくも歪な笑みを浮かべる照
猫「……かにゃーお」
そんな彼女の横顔をただ静かに
一匹の猫だけが見つめていた
【照と菫のマンション 20時10分】
ファンファンファン ガヤガヤガヤ
マンション前に集う多くのパトカーと、そのサイレンの音につられて集まった野次馬達
部屋の窓から、そんな光景を見下ろし……照はほくそ笑む
照「……完璧」ボソッ
部屋に駆け付けてきた警察官は、誰も自分を疑っていない
なにせ彼女には、最大の切り札があったのだから
和「被害者を担架で運び出してください。鑑識の方はこちらの方へ」
部下A「はっ!」
部下B「了解しました!!」
和「……」チラッ
照「……」
桃色の髪をした、忌まわしくも爆乳の持ち主である女性
未だ二十代前半にして、警部にまで上り詰めたキャリア組のエリート警部
和「あの、宮永さん。もう落ち着かれましたか?」
照「……うん」
かつての妹の同級生、原村和
彼女が警視庁に勤務している事が、何よりも照の追い風となっていた
和「この度はその、お悔やみを申し上げます」
和は照と菫がとても親しい仲であった事をよく知っている
そんな彼女が捜査の指揮を執るのであれば、自分が容疑者に挙がる事は無いだろうと思っているのだ
照「うん。ありがとう」
和「……すみません。形式上、幾つかご質問をさせて頂いても?」
照「大丈夫。なんでも聞いて」
捜査員達が室内を動き回る中、二人はリビングのソファに座って向き合う
その際に揺れる和の豊満な胸に、照は発散した筈の殺気が蘇るのを感じていた
和「では、最後に弘世さんとお会いになられたのは?」
照「……私が仕事から帰ってきたのが、16時頃で……出かけたのは、17時30分頃だったから」
和「なるほど。その時点では、弘世さんはまだ生きていらっしゃったと」
照「うん。私はそのまま、番組スタッフの人達と打ち合わせ」
和「番組、ですか?」
照「麻雀の指導番組。ケーブルテレビだけど……」
和「そうだったんですか。よく知らなくて、すみません」
バツが悪そうに視線を逸らす和
照としては複雑な心境であったが、これもまた自分の有利に運ぶのであれば、それで構わなかった
照「あ、でもその後に菫から電話があったかな」
和「電話、ですか?」
照「うん。夜ご飯に麻婆豆腐を作ってるから、早く帰って来いって。それと、卵も買ってきて欲しいって」
和「それは何時頃でしょうか?」
照「19時頃、かな。スタッフの人に確認して貰えば、すぐに分かると思うよ」
和「え? でも、時間なら――」
照「ん?」
和「……ああ、なるほど。咲さんのお姉さんですものね」ナットク
照「???」
和「いえ、なんでもありません。後で確認しておきます」
照「お願い」
これで自分のアリバイも完成した
後はボロを出さないよう、演技を続けるだけでいい
照「あ、そうだ。コーヒー……飲む?」
和「よろしいんですか?」
照「うん。私、淹れてくるよ」スッ
あたかも表面上は、親友を失って悲しんでいる悲劇のヒロイン
落ち込んでいる様相を見せていれば、これ以上無理な追求も無い
照の推測は、ほぼ当たっていた
和「(やはり、かなり落ち込んでいるんでしょうか)」
照「……」フフフ
しかし、彼女にはたった一つだけ大きな誤算があった
???「くそっ、どうしてこんな時に!!」
ガチャンッ バタバタバタ
照「?」
バーン!!
???「はぁ、はぁ……! すみませーん! 途中でチャリがパンクしちゃって!!」
照は、原村和が警察になっていた事は知っていても――
照「あっ」ドクン
_ , 、
/ィ--∨ :.- 、
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` ー-, | /{ { l | | .
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京太郎「刑事、須賀京太郎! ただいま到着しました!」
照「京ちゃん――?」
自分の大切な人もまた、警察官になっていた事は知らなかったのだ
書き溜めが尽きたので今日はここまで
京太郎の捜査パートと追い詰めパートは明日か明後日くらいに更新します
のんびりやっていきますので、よろしくお願いします
楽しみにしていますよ
乙
読んでくださっている方、ありがとうございます
これから、捜査パート投下していきます
追い詰めパートまでいければいいんですが、どうでしょ
【哀しき完全犯罪 捜査編】
宮永照がその男と初めて出会った時、彼はまだ幼い少年だった
妹の友人。最初の認識としてはその程度のもの
だが、時が経つに連れて……少年は照の大切な人物になっていた
幼馴染、とでも呼べばいいのか
しかし照自身は、彼を幼馴染と呼ぶ事に抵抗があった
未だにはっきりとしない、胸の奥に燻る想い
それが恋だと気付いたのは、こうして再び再会した瞬間の事であった
照「……京ちゃん」
京太郎「……照さん、お久しぶりです」
目と目が合い、二人は歩み寄る
照「京ちゃん、見違えたよ」
京太郎「照さんこそ」
顔を合わせて話すのは、三年ぶり
すっかり大人になった京太郎を見て、照は胸を高鳴らせる
大学を卒業する頃までの二人は頻繁に遊んでいたのだが、プロになってからは疎遠になってしまっていた
照「刑事に、なってたんだ」
京太郎「ええ、まぁ色々あって。でも、まさか刑事として照さんと再会するなんて」
照「……凄い偶然だよね」
殺人事件の現場
被害者の友人にして、死体の第一発見者
そんな立場で、刑事である想い人との再会
人によっては、気分が沈んでも仕方がない状況ではあるが
照「(菫を殺して、本当に良かった)」ホクホク
口うるさい奴を完全犯罪で殺した上に、想い人とも再会できた
照は自分の行動が呼び込んだこのチャンスに、深い感謝を覚えた
京太郎「弘世さんの事は、残念でしたけど。犯人は俺が必ず、捕まえてみせますから」
照「お願い。私……」ウルウル
京太郎「照さん」
涙を浮かべる照を、抱きしめようと手を伸ばす京太郎
しかしその手が伸びきる前に、横から割って入る声があった
和「遅いですよ、須賀君」
京太郎の上司である原村和、警部
警視庁きってのエリート警部が、京太郎と照の抱擁を邪魔したのである
照「(……チッ)」
京太郎「あ、悪い和。遅れてごめんな」
和「だからパトカーで来れば良かったんですよ。ああもう、そんなに汗だくで」スッ
京太郎「ありがとう、和。わざわざ」
和はポケットから出したハンカチで、京太郎の額の汗を拭う
そんな睦まじいやり取りを目の前で見せられて、照は不機嫌そうに頬を膨らませた
照「(京ちゃんに色目を使って……!)」ムスッ
京太郎「あの、照さん」
照「うん、なぁに?」ニコニコ
京太郎「もしよければ、お水を頂けませんか?」
照「いいよ。冷蔵庫にミネラルウォーターがあるから」
汗だくで喉が渇いたのであろう京太郎の頼みで、照は冷蔵から2Lペットボトルを取り出す
そしてコップも出して、その中に水を注いでいく
和「……」キョロキョロ
その裏では、和がハンカチを自前のジップロックにしまっているのだが
水を飲もうとする京太郎と、それを見つめる照が気付く事は無かった
京太郎「ゴクゴク……ぷはっ。生き返りました」
照「ふふっ、それは良かった」ニコニコ
京太郎が満足したのを見届けた照は、ペットボトルを冷蔵庫に戻そうとする
しかしその手を、慌てて京太郎が引き止めた
京太郎「あっ、駄目ですよ! 蓋がちゃんとしまってないから、溢れちゃいます!」
照「ふぇっ!?」ドキン
京太郎「もう。そそっかしいのは、昔から変わりませんね」キュッキュッ
照に代わって、ペットボトルの蓋を閉める京太郎
しかし一方の照は京太郎に手を握られた事で舞い上がり、すっかり話の内容が頭に入らない
照「……」ホヘェ
京太郎「よいしょっと。これで……うん? これは?」
冷蔵庫にペットボトルを戻した京太郎は、キッチンに置いてある皿に気が付く
京太郎「麻婆豆腐ですか?」
照「え? ああ、それは菫が作っておいてくれたの」
京太郎「へぇ……弘世さんが。美味しそうですね」
照「……えへへ、そうかな?」デレデレ
京太郎「はい?」
照「あ、違う。今のはナシ、忘れて」ブンブンブンブン
京太郎「……?」
京太郎に麻婆豆腐を褒められて、思わずボロを出してしまう照
だが、これだけでバレる事はありえない。照はそう信じて、気丈な態度を取り戻す
京太郎「でも、食べなくていいんですか?」
照「え? 何を?」
京太郎「いや、この麻婆豆腐ですよ。これが夕食って事は、何も食べていないんですよね?」
照「……あー、うん。そうだけど、ちょっと」
京太郎「食欲が出ないのは分かりますけど、こんな時だからこそ食べておかないと。それに、これは弘世さんの――」
京太郎の言う事はもっともである
しかし照は、どうしてもこの麻婆豆腐を食べる気にはならなかった
照「ごめん。今は気分じゃないの」
京太郎「そう、ですか。あまり、無理しないでくださいね」
そう言って京太郎は、過去の癖で照の頭に手を置く
ポンポンと軽く叩いてから、優しくナデナデ
照「んふ、んふふ……」
照はこの温かい手が大好きだった
かつてハンドボールで鍛えた力強い手の平から繰り出される、心地よい感触が最高に堪らないのだ
和「……ごほん。須賀【刑事】、ちょっといいですか?」
京太郎「ん? ああ、ごめん。今行くよ和」
そんな光景を見かねたのか、和はわざと刑事の部分を強調して京太郎を呼ぶ
今は仕事中なのだから、プライベートな会話はやめてください
そんな思惑が透けて見えるような、言い方であった
照「ぐぬぬぬ」
和「須賀君は遅れてきたんですから、まずはちゃんと捜査状況の確認をしてくださいね」
京太郎「へいへい、分かったよ原村警部」
和「そうです。私は須賀君の上司なんですからね? ふふっ」クスクス
照「(ファック)」イライラ
公私混同しているのはどっちだ、と言いたくなるのをぐっと堪える照
そんな彼女の葛藤も知らずに、和は京太郎に現段階の捜査状況を話し始める
和「家中を調べた結果、物盗りによる犯行の可能性が高いです」
京太郎「と、言うと?」
和「弘世さんがかつて獲得したトロフィーが幾つか失くなっているんですよ」
京太郎「トロフィーが……」
和「弘世さんはあの優れた容姿ですから、熱狂的なファンも多いと思われます」
京太郎「なるほど。それで、犯行時に弘世さんに見つかった犯人が――」
和「ええ。凶器は未だ調査中ですが、もしかするとトロフィーで殴られた可能性もあります」
京太郎「あれ、結構重いしなぁ」
照「……ふふふ」ドヤァ
和と京太郎が、自分の思惑通りの方向へと誘導されている事を喜ぶ照
彼女はリビングのソファに戻り、悠々とコーヒーを口にしていた
和「犯行時刻は宮永さんの証言から、19時から19時30分頃ではないかと」
京太郎「泥棒にしては、かなり早い時間帯だな」
和「弘世さんは今日、本当なら麻雀教室の仕事があったそうです。先方の都合で休みになったようですが」
京太郎「あー……そこらの事情にも詳しいファンなら、留守を狙えるな」
和「はい。宮永さんが家を出た後に、忍び込んだのでしょう」
照「……むふー」ドヤドヤァ
何もかもが思い通り
このまま完全犯罪を成し遂げるのも、時間の問題だと照は思う
だが、警察もそう甘くは無い
和「しかし、それはそれとして。不可解な事があります」
京太郎「へ? というと?」
和「これを見てください。遺体が倒れていた場所の、すぐ傍です」
遺体の位置を示す白線のすぐ隣にある黄色いシミを指差す和
京太郎はそれを見て、不思議そうに首を傾げた
和「これは、帰宅した宮永さんが遺体に驚いて落とした卵のシミです」
京太郎「卵のシミ? ああ、確かにおかしいな」
照「!?!!??!?!?」ガタタタッ
和と京太郎が何かを疑っている
聞き耳を立てていた照は、慌てて二人の傍に近寄った
照「ど、どうかしたの?」ドキドキ
京太郎「ああ、いや。このシミなんですけど……位置が少しおかしくて」
照「え?」
和「確認ですが、宮永さんは帰宅して遺体を発見した時に買い物袋を落とされたんですよね?」
照「う、うん。そうだけど」
何かおかしい部分があったのだろうか
いや、そんな筈は無い
照はパニックにならず、冷静に言葉を選んで返す
京太郎「よく見てください、照さん。この位置関係を」
(シミ) ( 遺 体 ) ( 扉 )
照「???」
和「宮永さんが部屋に入って遺体を発見したなら、買い物袋を落とすのは扉の近くの筈ですよね?」
照「あっ」
和「つまり、こういう位置になるはずなんです」
( 遺 体 ) (シミ)( 扉 )
和「この位置にシミが付くには、一度遺体をまたぐ必要があります」
照「そ、それは」ドクンドクン
和「どうして、こんな場所にシミが?」ジィー
照「だって私、躓いたから」
和「躓いた?」
照「……部屋が暗かったから、それで」
嘘は言わない
今、彼女は自分の反応を見ている
照はそう判断し、可能な限り全て真実を話す事にした
照「入ってきて電気が点いてなかったから、歩いていたらつまずいたの」
京太郎「!!」ピクッ
和「すぐに電気を点けなかったんですか?」
照「点けようと思ったけど、リビングの電気のスイッチは少し遠いから」
そう言って、照はリビングのスイッチを指差した
この広いマンションには、電気のスイッチが無数にある
無駄に豪華な造りも面倒だと、照は普段から不満を感じていた
和「ああ、なるほど。こっちのスイッチがリビングのスイッチかと思っていましたが、あちらでしたか」
照「うん。それに、そこに死体があるなんて普通は思わないでしょ?」
和「確かにそうですね。すみません、納得できました」
京太郎「……そっか。そういう、事なら」
照「……ふぅ」
乗り越えた
大丈夫、これくらいで犯行がバレるような事はありえない
照は麻雀で鍛えたポーカーフェイスを武器に、なんとか窮地を脱した
猫「にゃおー」
京太郎「お? 猫ちゃん」
猫「だしー、だしー」
京太郎「どっかで見た事あるような猫だな」ヨシヨシ
照「ふふっ。京ちゃんは相変わらず、動物が好きなんだね。カピーは元気?」
京太郎「ええ、元気ですよ。すっかり大きくなっちゃって」ナデナデ
照「そっか。それは嬉しいな」
好きな人と過去の話をするのはとても楽しい
叶うのならば、ずっとこうしていたいと思う照
しかし、この場にいるのは彼女と京太郎だけではない
和「私も動物を飼いたいんですけどね。こんなに可愛い猫なら、大歓迎なのに」クスクス
またもや、二人の間に割って入る和
照はこの鬱陶しい恋敵を忌々しく思いながらも、笑顔で返事を返す
照「そうなの? じゃあ、この猫あげるよ」
和・京太郎「「えっ?」」
照「この猫、菫が飼っていたから。私には懐いていないの」
それに、自分が京太郎と結婚すればカピーを飼う事になる
だったらこんな猫は要らない。というのが照の考えであった
照「ご飯だっていつも、菫が時間ピッタリにあげていたし。私は餌もあげた事が無いの」
和「そうなんですか。では、検討しておきます」
京太郎「ご主人様が亡くなって、お前も可哀想にな」ナデナデ
照「……むー」
猫が可愛がられている姿を見て、照は思う
このままこの場所にいては、いつボロが出るか分からない
体勢を整える為に、ここは一度引くべきだと
照「ねぇ、京ちゃん。私、ちょっと部屋で休んでいてもいいかな?」
京太郎「勿論ですよ。すみません、辛いのに突き合わせてしまって」
和「今はゆっくり、休んでいてください」
照「うん」トテトテ
和と京太郎を残していく事は気が引けたが、照はひとまずその場を離れる
そして、二階へと向かって歩いていく
一戸建てのようなメゾネットタイプのマンションは、値も張るが住み心地は抜群だ
照はこのマンションを選んだ事だけ、菫の功績として認めていた
照「ふぅ……疲れた」ボフッ
自室に戻った照は緊張が解けたのか、ベッドの上に倒れ込んでしまう
やれるだけの事はやった。後は、警察が間違った結果を導くのを待つだけ
そしてその後は、やっと再会出来た彼と――
照「んへへぇ……京ちゃん」
コンコンコン
照「へぁっ!?」ガバッ
ガチャッ
京太郎「あ、すみません。照さん、少し様子が気になって」
照「わわわわわっ!? きょきょ、京ちゃん!? ちょっと待って!!」
慌てて、散らかっている部屋を片付けようとする照
しかし溜まりに溜まった荷物は、そう簡単には片付かない
京太郎「……すみません、女性の部屋にズケズケと」
照「う、ううん。京ちゃんになら、いいよ」
結局諦めて、照は京太郎を部屋に通す
京太郎は散らかった部屋を見ても顔色一つ変えず、照の前に立つ
京太郎「照さん。咲には、電話したんですか?」
照「まだ。最近、連絡も取ってなかったから」
京太郎「そうですか。前に会った時、アイツは照さんを心配していましたよ」
照「そうなんだ。でも、最近は試合だけじゃなくて番組も忙しかったし」
京太郎「……ああ、あの番組ですか」
照「知ってるの?」
京太郎「はい。ケーブルテレビの、麻雀番組ですよね?」
照「!!」
京太郎があのテレビを見ていてくれた
その事実が堪らなく嬉しい照
やっぱり、菫は間違っていた
照がそう決断を下すのも、無理もない展開である
京太郎「でも、俺は――」
照「良い番組でしょ? あれ、自信作なんだ!」
京太郎「そう、なんですか?」
照「うん! 今度ね、また番組もリニューアルするって! 私、楽しみなんだ!」
京太郎「そっか。照さんが楽しそうで何よりです」ニコッ
照「えへへへ、ありがとう」ニヘラ
京太郎「……ん? これは?」
その時、京太郎の視線がふと、横に泳ぐ
視線の先にあるのは、テーブルの上に置かれた二つのマグカップであった
京太郎「照さん、誰かここに来たんですか?」
照「ううん、違うよ。これは二つとも、私のだよ」
京太郎「ああ、たまにやっちゃいますよね」
照「大人になってから、コーヒーが好きになっちゃって」
元々は甘いお菓子が大好きであった照だが、成人してからは少し好みが変わっていた
相変わらずお菓子は好きだが、それを引き立たせる苦いコーヒーも好きになったのだ
だからこうして、何度もマグカップを自室に持ってきてしまうのだが
京太郎「どうせ下に降りますし、俺が下の流しに持っていきますよ」
照「あ、悪いよそんなの」
京太郎「いいんですよ。任せてください」
照「もぉー」キュンキュン
そう言って、京太郎は二つのマグカップを掴む
照は、菫とは違って口うるさくない京太郎にすっかりメロメロであった
しかしこれが、照の今夜最大の誤算になるとは――誰に予想が出来たであろうか
京太郎「……? あの、照さん」
照「なぁに?」
京太郎「このコーヒー、いつ飲んだんですか?」
照「いつって……さっきだけど」
京太郎「警察を呼んでから?」
照「うん。部屋で落ち着こうと思って」
京太郎「二つとも、ですか?」
照「え?」ビクッ
振り返った京太郎の視線に、照は思わず背筋が凍り付くのを感じる
それほどまでに、京太郎の視線は何かを射抜くように――鋭い眼光であった
京太郎「このマグカップ。二つとも、中身がまだ同じくらい温かいんです」
照「そ、そう?」
京太郎「一つは分かります。弘世さんの遺体を発見して、警察に通報した後に照さんが用意したもの」
照「……」ドキドキ
京太郎「それをここで飲んでいた。でも、残るもう片方は一体どこから?」
照「さぁ? なんでかな? 下に降りた時に、もう一度淹れてきちゃったとか?」
京太郎「普通、警察を呼んで自室に篭った後は、無闇に出歩かないものです」
照「そ、そうだよね。じゃあ、淹れたての熱いコーヒーを飲みたくなったのかも」
京太郎「もしそうなら、飲んでいた方のカップは下に持っていくと思いますよ」
温かいカップが自室に二つある事の不自然
京太郎の疑惑の目に、照は泣き出してしまいそうだった
こんな事なら、少しくらい菫の言う事を聞くべきだったのかもしれない
だけど、今更そんな後悔をしても遅い
照は必死に脳内を動かして、言い訳を考える
照「た、多分だけど……死体を見て、気が動転しちゃったから」
京太郎「……」
照「もう一度、菫が死んでいないか確認しに降りたのかも、しれない」
苦しい言い訳だが、ありえない話ではない
後はそれが、京太郎に通じるかどうか
京太郎「……なるほど。分かりました」
照「あは、あはは。私がだらしないせいで、変に疑わせちゃってごめんね」
京太郎「いえ、こちらこそすみません。それじゃあ、俺は降ります」
ガチャッ バタン
照「……はぁ」
京太郎が部屋を出て行った途端、へなへなと力尽きてその場に座り込む照
危なかった。だけど、なんとか切り抜ける事が出来た
安堵した照が、顔を下へ向けた――瞬間
照「あっ!!!!!」
先程、京太郎の来訪で荷物を少し片付けたお陰だろう
彼女が失くしたと思っていた宝物が、机の下に落ちている事に気が付いた
照「……あぁ、よかった」
素早くそれを拾い上げて、胸に抱く照
照「もう二度と離さない。ずっと」ギュッ
自分がだらしなかったせいで、失いかけた大切な物
これから自分は変わる。そして、この宝物を守り続ける
照「また、番組に付けていくからね」
その為にも、早くこの事件を終わらせなければならない
輝かしい未来を夢見て、照はその瞳を閉じた
和「須賀君、この事件……どう見ていますか?」
京太郎「んー……」
和と京太郎
二人は今、被害者である菫の部屋を捜査している
和「この部屋も、少しおかしいですね」
几帳面な性格の菫の部屋は、照の部屋とは違ってかなり整頓されていた
だが、泥棒が入ったにしては綺麗すぎるのだ
京太郎「もしも弘世さんのファンなら、トロフィーなんかより盗む物があると」
和「はい。こう言うのもなんですが、衣類や下着など、そういった類を盗む方が自然かと」
京太郎「それは犯人が男だったらの話な。これは、女性が犯人なんだよ」
和「……やはりそうでしょうね。だとすれば、犯人像はかなり絞れますね」
近隣の住人への聞き込みから、有益な情報を選びやすくなる
和はそう判断しているようだが、京太郎の方は違う
京太郎「……」ボケェー
和「どうしたんですか? なんだかやる気が無いように見えますけど?」ジトォー
京太郎「いや、そうでもないさ」
和「しっかりしてください。弘世さんはともかく、宮永さんとは幼馴染なのでは?」
京太郎「……ああ、そうだよ。幼馴染だ」
どこか煮え切らない態度で、京太郎は室内を物色している
そして、ある物を見つけた
京太郎「凄い数のDVDだな。全部ラベリングしてある」
棚に並べられた沢山のDVDの数々
恐らくは対局の映像をまとめたものであろう
ラベルには、日付や対局相手の名前などが記されている
和「マメな性格だったんでしょうね。とは言っても、私も昔は同じような事をしていましたが」
京太郎「牌のおねえさんの襲名を蹴って、警察を選ぶんだもんなぁ」
和「はい。やはり正義を行うには、この仕事が一番ですので」
京太郎「正義、か」
和の言葉に胸を痛めながら、京太郎はある事に気が付く
それは、ある種類のDVDだけが、鍵付きのガラス棚に保管されている事だ
京太郎「これは、照さんの麻雀教室のDVDか?」
和「そのようですね。鍵は恐らく、被害者の机などに入っているのでしょう」
京太郎「どうしてここだけ鍵を? これじゃまるで――」
自分以外は番組の録画を見られないようにしていた?
それはつまり――
京太郎「……和。その鍵、後でみんなに探すように言っておいてくれないか?」
和「え? あ、はい……って! どうして部下の須賀君が指示するんですか!?」
京太郎「あはは、悪い」
マンションのリビングにて、捜査を続けている和
そんな彼女の元へ、二階から降りてきた照が近付いてくる
照「お疲れ様」スタスタ
和「あ、もう平気なんですか?」
照「少しは、良くなったかな」
和「そうですか。あの、一つお伺いしても?」
照「なに?」
和「実は、この猫ちゃんの具合が悪いようで」
猫「にゃおーん」
照「……どうして?」
和「餌箱を拝見したんですが、一口も食べていないんですよ」
そう言って和は、近くに置いていた餌箱を照に見せた
確かにその中には、手付かずのキャットフードが残されている
照「変だね。こんな事、今まで一度も無かった」
和「心配です」
照「……いつも菫が18時ピッタリに餌を上げて、全部すぐに食べちゃうのに」
猫「にゃーご」
猫はそのまま、キッチンの方へと消えていく
照がその後ろ姿を視線で追うと、その先に立っている京太郎を見つけた
照「京ちゃん? 何をしているの?」
京太郎「ああ、照さん。実は、少々小腹が空いちゃって」
そう言って京太郎は、例のラップに包まれた麻婆豆腐の皿を手に取る
京太郎「もしよければ、これ食ってもいいですか?」
照「!!!」
京太郎「実は昼から、何も食べてなくて」
照「そ、それは……」
和「駄目ですよ須賀君。それは、弘世さんが宮永さんの為に残した最期の料理なんですから」
動揺しそうになる照だが、思わぬところから援護射撃が飛び出した
京太郎「そっか、やっぱりそうだよな。とても美味しそうだから、つい」
照「そ、そう? じゃあ、食べてもいいよ」ニヘラ
京太郎「いいんですか?」
京太郎が落ち込む顔を見て、美味しそうだと言ってくれた事が嬉しくて
照はついつい、食べる事を許可してしまう
京太郎「では、電子レンジで温めてーっと」ピッ
和「もう、須賀君。今は捜査中なんですから」
京太郎「固い事を言うなよ」
照「(私の手料理を京ちゃんが――)」
見た目を褒められた事が嬉しくて、照は大事な事を忘れてしまっていた
だがもはや、それを思い出したところで手遅れに違いない
京太郎「それにしても、ここのキッチンは凄いですね。色んな調味料がたくさんある」
照「え? ああ、菫が凝り性だったから」
京太郎「きっと料理の腕も凄かったんでしょう? いやぁ、楽しみだなぁ」
ニコニコと微笑みながら、温まった麻婆豆腐をレンジから取り出す京太郎
そこでようやく、照は自身の過ちに気付いた
照「あっ」
京太郎「じゃあ、頂きます……もぐっ」
パクっと、麻婆豆腐をスプーンで口に運ぶ京太郎
次の瞬間、彼の瞳が大きく見開かれる
京太郎「……」ジワッ
和「え? 須賀、君?」
京太郎「ああ、くそ……」ゴシゴシ
とめどなく、京太郎の瞳からこぼれ落ちる大粒の涙
照は、その涙の意味が理解出来なかった
だって、あの麻婆豆腐は――
和「どうしたんですか?」
京太郎「……」フルフル
首を横に振り、京太郎は何かを決意したようにキッチンの奥へと進んでいく
そしておもむろに、冷蔵庫横にある燃えないゴミの袋を漁り始めた
照「京ちゃん?」キョトン
和「何を……?」
二人が困惑する中、京太郎はゴミ袋の中であるものを見つける
それこそが、彼の推理が正しい事を決定づける――最後のピースであった
京太郎「……繋がった」
その瞬間、京太郎を除く全ての照明が落ちる
【京太郎の独白】
京太郎「えぇー、皆さん。どうも、初めまして須賀京太郎です」
京太郎「今回の事件、俺の親しい人が起こしたものだったようですね」
京太郎「正直言って、この事件には突っ込み所が沢山ありました」
京太郎「偽装工作、犯行後の犯人の態度。そこはまぁ、ふふっ……彼女らしくて、いいと思います」
京太郎「ですが、見てください。このスレタイ! これは頂けません!」
京太郎「ファーストシーズンとありますが、これは真っ赤な嘘です!!」
京太郎「今行っているパロディは原作古畑任三郎のシーズン3の事件。ファーストシーズンじゃないんです!」
京太郎「今後、需要があるか分からないので……とりあえず、好きな事件からやってみようという思惑なんでしょうねぇ」
京太郎「皆さんも、お好きな事件などありますか? もしあれば、そのご希望が叶うかもしれません」
京太郎「――須賀京太郎でした」
最後の追い詰めパートは次の更新にて
色々と穴があるかもしれませんが、見逃して頂けると幸いです
乙
乙
>京太郎「皆さんも、お好きな事件などありますか? もしあれば、そのご希望が叶うかもしれません」
キムタクが犯人の回が印象に残ってるからやってくれたら嬉しいです
自分はイチロー回かな
うろ覚えだけど、数学者が誰も解いたことのない定理を解き明かした(実は記憶の混濁)って言って嫉妬から殺されて偽装工作で塩辛を口に大量にねじこまれた回
まだかな?
長谷川初範が切り殺される回かな
さんまの回とか。
あと1stの将棋の回。犯人が血痕がついた飛車をひっくり返せなかった奴。
血痕がついた牌だったからリーチいけなかったとか鳴けなかったとかできそう。
期待してるからエタらないで欲しいな
1話くらいは書き上げてくれ
楽しみにしてただけに残念
期待していたのに
このSSまとめへのコメント
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