P「ピクミン?」 (25)

事務所

P「おいーす」ガチャ

シーン……

P「なんだか妙にがらんと……誰もいないのか?」

テレビ<フンフンフフフンフーン♪

P「(と、思ったがテレビが付いてるな、向かいのソファに誰かいる……)」

春香「……」

P「(あの後ろ姿は…春香?)」スタスタスタ

P「よ、春香。今日はオフか?」トン

春香「……」カチャカチャ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1534077835

P「(あれ、反応無し?)」


春香「……」カチャカチャ


P「(春香が話しかけられても気付かないほど集中している…)


P「(それになんだこのゲーム…主人公が赤い小さいのを沢山引き連れて歩いてるけど…)


春香「……あ、プロデューサさん」メニュー画面


P「お、やっと気付いてくれたか」


春香「すみません、ちょっと集中しちゃってて……」


P「いいよ、それぐらい楽しんでたって事だろ?いつもレッスンとか頑張ってるんだから、こういう時に息抜きしとかないとな」

春香「ありがとうございます。今日の朝からずっとやってるんですよ、これ」


P「へぇー、なんていうゲームなんだ?」


春香「ピクミンってゲームです、知りませんか?」


P「CMとかで名前は聞いた事あるけど、中身は……」


P「どういうゲームなんだ?」


春香「そうですね……簡単に説明すると、このゲームは、オリマーという宇宙飛行士が未知の惑星を『ピクミン』と呼ばれる生物を使って探検するゲームです。私がやってるのは初代の続編、『ピクミン2』ですね」


P「ああ、赤ピクミンは…って奴だろ?」


春香「あれと愛のうたは名曲です!」


P「俺も愛のうたに関してはゲームは買わずにCMソングだけ買ったクチだ。何故か妙な親近感が…」


春香「あぁ……」


P「うん……」

春香「ぷ、プロデューサーさん。どうですか?このゲーム、なかなか面白そうでしょ?」


P「ああ、見た感じかなりほのぼのしたゲームだな。キャラクターもカワイイし」


春香「……ほのぼのですか」


P「?」


春香「いえ、なんでもないです!続き始めますね」


P「ああ、俺も営業まで時間あるし、見てくよ」


ファンファンファファファンファーン♪
タッタッタッ


P「ん、この穴は何だ?」


春香「洞窟の下の階へ繋がる穴ですね、これを見つけて最下層を目指すんです」


P「最下層に行くと何かあるのか?」


春香「ええ。大体の洞窟には、最下層に「ボス生物」がいます。高価なお宝を持っているので、倒したい所です」


P「ボスかぁ、でかいぬいぐるみみたいな奴とか?」


春香「さて、どうでしょうね……」



この階にいるピクミンがさらに奥へついてきます。

○ 奥にすすむ ○
やめておく

テレン

テレレテーテーテーテー
ワーーーッ

セーブ中です。
メモリーカードや
本体のパワーボタンに
さわらないでください。

テッテッテッテレン

セーブしました。


百戦錬磨の穴
地下 15







ワーーーッ

FINAL
FLOOR !
デデデデデデデン!

P「ファイナルってことは…最下層じゃないか!」


春香「皆がいない間に、結構頑張ってましたから」


P「それで、ボスってのは……」


フォォォォン
フォォォォン


P「あの浮いてるクラゲみたいなのか?」


春香「いえ、ボスはまだ出てきてないですね。このクラゲみたいなのは……」


P「クラゲみたいなのは?」


春香「こ、コマ…ンマ…とオオマンマンっていう名前のザコ敵です」


P「ん?最初の名前がよく聞き取れなかったな」


春香「えと、ですから…コ…ンマン…です」


P「んん?」


春香「なんでそんな繰り返し聞くんですか?!」


P「ええ!?いや聞き取れないから……」


春香「コマンマンですよ!コマンマン!これで満足ですか!?」


P「う、うん(なんでそんなに怒るんだ……)」


春香「ばか…」


P「え、えと……か、肝心のボスはどうしたんだ?」


春香「ボスはある位置にさえ行かなければ出ません、なので先にこの敵を倒してから戦いましょう」


フンフンフンフンフンフンフン!
ピチャピチャピチャ
ポコポコポコポコ
フォォォォン
ドサッ
テッテッテーテッテテッテテー(隊列移動)
ポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコ
バシュッ!
ヒュルルルルルルルン
パッ


P「なかなかエグいな、ピクミンの攻撃…」


春香「基本戦略はリンチです

ヒュルルルルルルルン……


P「よし、これで全部だな」


春香「それでは、挑みましょう!」


P「頑張れ~」


ファンファンファン♪
ファンファンファン♪
ファンファンファ


P「ん?」


ヒューーーー……


ド オ オ オ オ オ オ オ ン!!!

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira154763.jpg


テーンテテレレレレレーン!テッテッテー!





P「」



春香「出ました!和名スソビロツユハライ!ゾウノアシです!」


P「」


春香「Pさん?」


P「グ…」


P「グロすぎる…」


春香「まぁ初見はビビりますよね」カチャカチャ


P「今ピクミンのイメージが完全に崩れたわ…もっと可愛いもんかと」


春香「あくまで「生物」ですからね。カワイイだけじゃ生き残れないですよ」カチャカチャ


P「それはそうだけどさ……」


春香「でも私もゾウノアシは苦手です」カチャカチャ


P「むしろ好きだったらビックリだよ!」

P「(ていうかよく話しながら戦えるな)」


春香「それに美味しくないですし……」ボソ


P「え?」


春香「いや、なんでもないです」


ドスンドスンドスンドスン
ドスンドスンドスンドスン


P「意外と攻撃は単調なんだな」


春香「流石にこの図体で不規則に動き回られたらキツいですね」


ドスンドスンドスンドスン
ドスンドスンドスンドスン


P「……食べるわけじゃないのになんでこんなに執拗に攻撃してくるんだろうな」


春香「さぁ……学者からは地ならしが目的って意見もありますが」


P「学者?」


春香「いえ、こっちの話です」

_


春香「あ、そろそろ倒せますね」


P「犠牲0……こんなの相手によく冷静に戦えるな……」


春香「慣れですよ」


ドスンドスンドスンドスン

テッテレテレーテッテレテレー(隊列移動)


春香「……」


春香「あっ」Cスティック操作ミス

ドスン!!


グシャア!!


P「あ……」


ファ~…


春香「そんな、一気に20匹も……」


P「残念だったな……春香」


春香「……チッ」


P「は、春香?」


春香「やっぱりこいつには……少数の……で…」ブツブツ


P「春香がなんか怖い」

2分後


ポコポコポコポコポコポコポコポコ


バァン!


P「あ、倒した。あの体力ゲージが無くなればいいんだよな?」


春香「そうですよ。この辺のボスは自己回復するので少し手間取りましたね」


春香「あ、ちょっとビックリするかもしれません」

P「?倒したのに?」


シュウウウウ…


テーテーテーテー
テッテー


パカッ







ウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャ
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira154764.jpg




P「ぎゃああああああああああ!!!!」

春香「わっ!?びっくりした!プロデューサーさんに!」


P「なんで春香は動じないんだ?!」


春香「慣れですかね」


P「慣れってすごい!」


春香「プロデューサーさんも慣れますよ、いつか」


春香「(まぁ、嫌でも慣れてもらうんですけど)」

P「おっと、そろそろ営業の時間だ」


春香「もうそんな時間ですか」


P「ちょっとショッキングだったけど、見てて面白かったよ」


春香「ええ、今度は2人でプレイしましょう」ニッコリ


P「ああ」


プルルルルル


P「あ、すまん。電話だ」


春香「……」


P「はい、Pです……社長?こんな時間に一体」


P「……え?……え!?そんな!」


P「ちょ、ちょっと待って下さいよ!」


P「社長!しゃちょ……」ブツリ


P「切れた……」


春香「どうかしたんですか?」


P「大変だ、春香……」


P「765プロに突然、1100万の借金が出来たって……」

春香「ええっ!大変じゃないですか!」


P「ああ……営業はキャンセルして、今から社長と話してくる」


P「戸締り宜しくな!」


春香「はい!」

とあるカフェ


高木「それで、借金の件だが……」


P「はい……」


高木「正直、今の事務所の売上ではとてもじゃないが返せる額ではない」


P「分かっています。ですからこれからは更にアイドル達を頑張って売りこんで、事務所を大きく」


高木「いや、その必要は無くなったんだ」


P「というと?」


高木「ついさっき返すアテができてね。実は……」

翌日 事務所


P「……ということで、同乗者が1人必要になった」


響「なんか面白そうだけど、命の保証無しかー……ハム蔵を置いてはいけないさー」


美希「プロデューサーと二人っきりの素敵な二人旅なの!でも美希はトイレ風呂ありの3食おにぎりじゃないとNGなの!」


P「それは無理だ」


貴音「『未知の惑星探検企画!パイロット&探検隊募集』……面妖な」


P「ああ、最近何かと宇宙開発関係の話題ブームだろ?」


P「この前俺たち素人でも行けるぐらい近場に、生命がいることが判明した星が発見されてな」


真「どんな星だ」


P「テレビの企画で調査することになったんだ」


P「参加するだけで色んな機関からの補助金が約束される。少なく見積もっても1000万円は下らない額がな」


P「ただ何が起こるか分からないってのと、1ヶ月は戻ってこれないらしいから、定員の二名がなかなか埋まらないらしい」


P「普段なら絶対引き受けない仕事だが、今回は事が事だ。ここまで莫大な借金を背負ってしまってはな」


伊織「そこで私たちの出番って訳?……まぁ行く気はしないけど」


P「俺は保護者兼撮影係で確定で、後1人……行っても良い奴、いないか?」


全員「……」


P「まぁ、そうだよな。仕方ない、俺と社長が……」

高木「(え)」


春香「はい」スッ


千早「春香!?正気! ?」


P「……それは危険なのを承知の上での、挙手だよな?」


春香「プロデューサーさんが付いてくれるなら、どこだろうと大丈夫だと思うので」


あずさ「あら~プロポーズかしら~」


P「……よし、分かった」



解散後


真「みんなどう思う?今回の事……」


美希「うーん、流石に美希とハニーのコンビには勝てないと思うけど、まぁあの2人ならやっていけるかもなの」


雪歩「でも心配ですぅ……」


響「なんくるないさー!きっと元気で帰ってくる!完璧な自分が保証するぞー!」


伊織「あんたの保証って信用性あるの?」


響「なっ!?失礼さー!」


律子「やれやれ……」

P「春香。もう一度聞くが、ほんとにいいんだな?」


春香「心配要りませんよ」


P「命の危機に出くわすかもしれないんだぞ?」


春香「それは絶対に大丈夫です!」


P「分からないぞ、怪我だってするかもしれない」


春香「ありえません。だって……」


春香「プロデューサーさんっていう、心強い『保護者』がいますから!」


P「春香……!」





数週間後


春香「おっとっと……ちょっと多いですかね?これ」


P「まぁ宇宙だからな。無いことに越した事はないが……」


P「荷物持ちすぎて転ばないようにな」


春香「えへへ、そこまでドジじゃないですよ」


P「……頑張ろうな。2人で、事務所を救おう!」


春香「はい!」

春香「(こうして今、私とプロデューサーはロケットに乗っています)」


春香「(ちょっぴり不安……でも、頑張らなきゃ)」


P「そろそろ出発だぞー!」


春香「はい!」ステステ


春香「……?」チラッ


春香「……!!」


春香「……見てください!プロデューサーさん!」


P「なんだ?……マシントラブルか?!」


春香「違います!見てください!窓の外……!」


春香「皆並んで、あの大きな紙を広げて……」


P「こ、これは……!!」


[春香とプロデューサーへ
生きて帰ってこい!!
765プロ全員より]


P「あいつら…!いつの間にあんなものを!」

あずさ「迷子にならないようにね~」


美希「美希の握ったおにぎり、ちゃんと食べるの!」


響「ちょっと寂しいけど、自分たち頑張るぞー!」


貴音「貴方様の帰りを、いつまでも待っています」


亜美真美「「アイルビーバックだよ!兄ちゃんたち!」」

_


春香「プロデューサーさん……!」


P「ああ……」



P「お前らっ!ありがとう!!」

春香「(プロデューサーさんはその後も見えなくなるまでずっと地上のみんなに手を振っていました)」


春香「(嫌な顔ひとつせず、事務所の為に私に付き添ってくれるプロデューサーさんは、やっぱり素敵な人です)」


春香「(だからこそ……)」


P「く、涙が……春香!絶対に生きて帰ろうな!」


春香「……」


P「春香?」


春香「帰る……?その必要はないですよ」


P「え……?」


春香「プロデューサーさん」

春香「これでずっと、一緒ですね!」ニコッ



おわり

サイコ海さん

ピクミン星に行くことになるから慣れてもらうとか言ったのかと邪推したが


端々に中学生が滲み出てるように思う

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