詩人の牧歌的冒険 (6)
時代は戦時中の日本ですが、ファンタジーです。それと、主人公は大学生で、まだ赤紙は来ていません。
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私は偉大な詩人になりたかった。正確に言うと、俺はすでに詩人なのだ。誰が何と言おうが詩人だ。後は偉大になるだけだ。そのために、同人で、詩集を作っていたのだが、時代がそれを許さなかった。憲兵に戦争非協力でしょっ引かれそうになった。しかし、父親が金持ちで、袖の下で俺を助けてくれた。父親からは、こっぴどく叱られた。その後、俺は同じ同人仲間で友人の医者(俳人)に、結核の偽診断書を作らせた。そして証券や金目の物を貴金属やサッカリンに変えて、満州に逃げようとした。親戚の海軍将校から、(俺の一族は所謂名門なのだ。母方の家系は華族だし、父親の家は病院だった。しかし、こういう歴史とか血族の権威に固執するのは人間として醜いので、何とか家の自慢を止めようと努力している。)
「もう、戦争は負ける」と聞いたからだ。そのことを大学の友人と相談していた。
友「へえ、じゃあ、どうしよう。満州に逃げるか……」
俺「しかし、日本が負けたら、どうせ本土に引き上げる必要があるだろう」
友「ぼくの親戚に、満州で労働力を徴収するのを仕事とする役人がいる」
俺「それが? 」
友「労働力っていうのは、たいてい蒙古人から徴収するんだよ。それで、その親戚は蒙古人の部族の首長ともそれなりに懇意だそうだ」
俺「なるほど、このまま蒙古人として生きてしまえばいいわけだ」
友「そういうことだ。ヤギの牧畜も、案外悪くないかもしれんぞ」
そして俺と友人は、満州行の船に乗ろうとした。しかし、憲兵の検問で止められた。
憲「おい、お前、その大きな荷物はなんだ」
俺「はい、まあ、生活必需品ですとか……」
憲「中身してみろ」
友「あっ憲兵さん」
憲「なんだ」
友「実はこいつ、肺病やみなんです。ほら、診断書。ですんで、あんまり奴のものをべたべた触ると、憲兵さんにも移っちゃうかも……」
憲「うわ、分かった分かった。だから近づくな。えんがちょだよ!」
俺「へえ、すみませんで……」
こんな風にして、俺は満州行の船に乗った。しかし、その船は、沈んでしまったのだ……気が付いたら俺は身体を誰かにゆすぶられていた。俺は目を開いた。砂浜……俺は島に流れ着いたのか?いや、それよりも、俺は生きてる!呼吸もできる!日差し、砂、潮の香り、それらすべてを感じれるのだ!
俺は今の状況に感動した後、俺の身体をゆすぶった奴を見た。こんなにも美しい生き物が物語や絵画の外に実在しているとは信じられなかった。そいつは、10歳前後の長髪美少年の姿(しかも裸体!)をしていて、背中には白い翼が生えていたのだ。
少年(ねえ、どうしたの?)
俺「ああ……俺は気がちがってしまったのか……もしくは、ここは、天国か……」
少年(天国って? )
俺「俺が信じている神様のいるところです……ところで、あなたは天使ではないんですか?」
少年(天使って呼ばれたことはないなあ……第一、天使って言葉の意味も知らないし)
俺「じゃあ、ここは天国ではない。やった!やっぱり俺は、生きていたんだ!おお!俺の荷物鞄も、浮き輪としてしがみついてたんで、ちゃんとあるぞ! 」
少年(なんだかよく分からないけど、よかったね)
俺「そ、そうだ、他の、他の人はこの島に流れ着きませんでしたか」
少年(いいえ、つきませんでしたよ)
接続詞しかしの用法を間違えたのと、誤字をしました。
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