理樹「女子メンバーとのお泊まり会中なのにお腹の調子がすこぶる悪い」 (47)



理樹部屋

恭介「さあー残った残った!」

謙吾「うおおおおお!!!」

真人「あああああああ!!!」

理樹「頑張れ二人とも~」

理樹(それは真人と謙吾の髪はどちらが剛毛なのか恭介の提案した"髪相撲"なるもので勝負していた時のことだった)

コンコン

理樹「ん、こんな時間に誰だろう……はーい」

理樹(ドアを開けると、クドと小毬さんがニコニコして立っていた)

クド「リキ、井ノ原さん、こんばんわ~なのです!」

小毬「こんばんわ~!」

理樹「やあ、こんばんわ。ごめんね…今ちょっと真人たちは取り込んでて……」

理樹(後ろからはまだ必死に頭を突き合わせる二人の声が聞こえた)

真人「くぉ!?け、謙吾!さては髪を捻れさせてやがったな卑怯だぞ!!」

謙吾「ふん、お互い様だ!貴様こそジェルでパリッパリにさせていただろうがっ!」

クド「わふ~なんだかまた熱い勝負を繰り広げてるんですね~!?」

理樹「まあね。ところで何の用?」

小毬「うん。実はゆいちゃんに、理樹君をゆいちゃんの部屋に呼んで来て~って言われたのです」

理樹「えっ、こんな時間に!?」

クド「今からみんなが退院してから初めてのお泊まり会を開くんです。そこでリキを呼ぼうと思って!」

理樹(クド達は冗談で言っている素振りも見せず、さも当然の約束だといった風に言ってきた)

理樹「いやいやいやいや!!お泊りでしょ!?なんで僕がそこに呼ばれるのさっ!」

小毬「え~理樹君もいた方が楽しいよ~」

理樹「だったら恭介達も呼べばいいじゃない!なにも僕だけ……」

クド「き、恭介さん達が夜に女子寮にいたら犯罪っぽいです……」

理樹(少し照れた風に言うクド)

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理樹(僕が断固行かないという意思表示をしているとクドと小毬さんはお互いに目を合わせてこくりと頷いた)

小毬「あのね、ゆいちゃんが『もし少年が来ないというならこう言え』って言ってたから言うね」

理樹「えっ、なに?」

理樹(小毬さんが手で筒を作り、内緒話をするポーズをとったので耳を近づけるとこう言った)

小毬「……『来ないと露天風呂での事を話すぞ』だって」

理樹「なっ!!」

理樹(露天風呂とは…リトルバスターズのみんなが退院したあと修学旅行の代わりに後日、車で旅行に行った時のことだ。夜に露天風呂に入ったのだが、ひょんなことから恭介達と隣の来ヶ谷さん達がいる女子風呂を覗こうということになったのだ)

理樹(もちろん来ヶ谷さんの作戦で未遂に終わったのだが見ようとしていたのは事実。このことが女子のみんなに知られるとマズイなんて話じゃない)

理樹「くそ…まさかこんな時に持ち出してくるとは……」

小毬「ところでその露天風呂ってなんのこと?」

クド「私も気になります!」

恭介「ん?おお、小毬と能美じゃねえか!なにかあったのか?」

理樹(僕の声で気付いた恭介が気さくに振り返った)

理樹「いや………ちょっと女子寮に行ってくるよ……」



女子寮旧館

来ヶ谷部屋

ガチャ

理樹(来ヶ谷さんのドアが開けられると、暖かい光が廊下に差し込まれた)

小毬「皆さま。理樹君が到着しました~」

葉留佳「いやっほぉーーい!!理樹君の旦那!ようこそお泊まり会へ!!」

美魚「うふふ…歓迎しますよ」

鈴「遅かったな」

来ヶ谷「ふっふっふっ……結構!」

理樹(みんなを囲む大きなテーブルにはコーラやオレンジジュース、ポテチにポッキーなど夜を明かすのに十分な物が取り揃えてあった。その中で一人だけベッドに腰掛けて僕を待っていた来ヶ谷さんはなんだかギャングのボスのような雰囲気だった)

理樹「放課後ぶりだね……」

1時間後



ガヤガヤ……

理樹(それからはみんなで世間話を肴にお茶会を楽しむといった感じだった。ここは来ヶ谷さんの部屋以外に誰も住んでいない旧館で、ある程度騒いでも怒られないからか皆いつもより少し羽目を外していた)

葉留佳「叩いて被ってじゃんけん……」

バシィッ!

葉留佳「ポォオ!?」

鈴「美魚の勝ち」

美魚「やりました」

葉留佳「いや待ってくださいヨ!まだじゃんけんしてないから叩いちゃダメだよ美魚っち~!!」

美魚「……?叩いて被ってと言われましたので……」

葉留佳「なんでナチュラルに叩く側に回ってるんですカ!?これ別に問答無用で攻め合うゲームとかじゃないですヨ!?」

来ヶ谷「はっはっは!」

クド「あっ、リキーこのビスケット凄く美味しいですよ~」

理樹「えっ、あ、うん…ありがとう。あとでいただくよ」

理樹「うう………」

小毬「あれ、理樹君どうかしたの?」

理樹「いや、別になんでも……」

小毬「そう?」

理樹「……………」

理樹(どうしよう……ここに来るまで考えもしなかったけどジュースやお菓子を食べてたら急にお腹回りが膨れてきて、その………………なんだかトイレに行きたくなってきた……)

理樹(トイレ。別に小さい方なら少し恥ずかしいけど来ヶ谷さんに一言断るなりして備え付けのを使わせてもらったらいいだろう。しかし、僕が今したいのは大きい方だ!これは恥ずかしいなんてものじゃない。した時、なにか音でも漏れて他の子達に気づかれると悶絶死する事だろう。というか恥ずかし過ぎて二度と顔を見せられない)

理樹(いや、なんとか完璧に抑えて気付かれないまま終わらせたとしても"その後"に誰かがそこを使えば確実に僕が例のそれをしたことに気付き、かなり気まずいはずだ!)

来ヶ谷「ああ、そういえばこの間、南米の方へ行った両親から珍しい茶菓子を貰ったな。この機会に開けてみるか」

葉留佳「おっほーう!姉御ナイス!」

理樹(そ、そうだ…別にここでする必要はない。一旦外に出させてもらえばいいじゃないか!ちょっと冷静さを欠いていたみたいだ)

理樹「ご、ごめん。ちょっと外の空気を吸ってくるね~……」

来ヶ谷「ダメだ」

理樹(さっきまでお菓子の包み紙を開けていた来ヶ谷さんから鋭い言葉の釘が刺さった)

理樹「えっ…」

来ヶ谷「みんな、理樹君に注意だ。彼はどうやらこんなに美少女達がいる空間から隙を見て抜け出そうとしているようだぞ」

葉留佳「おおっとそりゃいけませんな~~」

美魚「それはあまり粋な行為じゃありませんよ直枝さん」

理樹(な、なにーーー!!!)

理樹「は、ははは…そんなまさか…別に抜け出そうとなんか……」

来ヶ谷「外の空気が吸いたいなら窓を開けるぞ。ほら、こっちに来るといい」

理樹(来ヶ谷さんが自分と鈴の間をポンポンした)

理樹「グ……う、うん……」

理樹(これは非常にヤバい。ヤバ吉だ)





…………………………



30分後

クド「なるほどなるほど……鈴さんの手のこの線は非常に強い幸運の持ち主である事を表しているようですね~」

鈴「そうなのか」

理樹(時刻は21時30分。消灯の時間は過ぎたが皆まだまだ寝る気配はなさそうだ。全員が寝静まれば隙も生まれるんだろうけど……僕のお腹も限界はある。ここからどれ程持ってくれるだろうか)

来ヶ谷「理樹君、どうだ楽しんでいるか?」

理樹「えっ!?う、うん楽しいよっ」

来ヶ谷「なるほど。ではもっと楽しんでもらおう」

理樹「えっ?」

理樹(来ヶ谷さんはスクッと立ち上がると軽く手を叩いてみんなの注目を集中させた)

来ヶ谷「ただ今よりくすぐり大会を始める!!」

理樹「へ?」

続く

生理かな?

おつ

相変わらずいい発想してるわ乙

葉留佳「おおーなんですかその魅力的なタイトルの大会はー!?」

クド「わふ……い、嫌な予感がします……」

来ヶ谷「ま、名の通りこのメンバーでくすぐり合いっこするんだ。ルールはバトルロイヤル、ギブアップと言った者から脱落し、最後に生き残った者が勝ちだ。優勝者には豪華な賞品もあるぞ」

小毬「豪華賞品か~」

美魚「腕がなりますね」

鈴「勝負なら負けない」

理樹「いやいやいや!ち、ちょっと待ったー!」

理樹(それは洒落にならなかった。ただでさえお腹を我慢しているところに誰かからくすぐりを受けて変に括約筋を緩めたりなんかした日にはその場でゲームオーバーとなる)

理樹「ぼ、僕は棄権するよ!豪華賞品とか要らないし、第一なんかこう、モラル的にヤバいでしょ!」

来ヶ谷「言うと思ったぞ理樹君。だが心配するな。みんなちょっと触られたくらいであーだこーだ言わない。みんな君が紳士だと知っているからな」

葉留佳「そもそもここにいる時点でモラルもクソもないですよ」

理樹「みんなが貶めてきたんじゃないか……」

理樹(結局、僕の棄権が認められることはなかった。そして仕舞ってあったのか来ヶ谷さんは手元のゴングを鳴らした)

カーン!

葉留佳「よーし!喰らえこまりーん!」

小毬「う、うぇ~いきなり私!?」

理樹(葉留佳さんは早速小毬さんに向かっていった)

鈴「隙ありだ!」

葉留佳「にゃにぃ!?」

理樹(そこへ鈴が葉留佳さんの後ろからガシッと脇腹を掴んだ)

鈴「さわさわ~~」

葉留佳「ぷっ、あはは!な、なにくそ~!」

理樹(葉留佳さんも負けじと鈴の腕を掴み、なんとかくすぐりから抜け出した)

クド「むむむ………」

美魚「ふふふ……」

クド「ぬぬぬ~………」

理樹(かたやクドと西園さんはお互いに間合いを図っていた。おそらく二人の間には大きな緊張が流れているはずである)

理樹「……ん?そういえば来ヶ谷さんはどこだ?」

来ヶ谷「ふぅ」

理樹(その時、耳元にとてもこそばゆい風が流れ込んできた!)

理樹「うわぁ!」

理樹(飛び起きた猫のようにそこから離れた。相変わらず恐ろしい人だ。いつの間に回り込んでいたんだろう……)

来ヶ谷「ふはは!今のはほんの挨拶代わりだよ」

理樹「くっ……」

理樹(今のが吐息ではなくヘソの方をくすぐられていなら確実にやばかった……!)

来ヶ谷「甘いなぁ…もっと全員の位置を把握しないと生き残れないぞ理樹君!だが君は最後に取っておこう!」

理樹(来ヶ谷さんはそういうと別のみんなの所へ行った。と、その時だった)

クド「いっ、いひひ…!あはははは!!だ、ダメです美魚さん!」

美魚「うふふ………」

理樹(美魚さんがクドの後ろに回り込んでクドの腹をくすぐりまくっていた。勝負が着いたのだ。しかし少し様子がおかしい……)

クド「かはっ……わ、分かりました……み、美魚…んふっ……さん!ぎ、ぎぶです……ぎ……ぶあっぷです~~!!」

美魚「ええ?今なんとおっしゃいました?」

クド「うはっ…ぎぶっ……ぎぶあっぷ……はっひっ…!」

美魚「聞こえませんね……」

クド「そんな…!がはははっ!!」

理樹「ひ、酷い……」

理樹(前言撤回、僕も捕まった時、あのようにギブアップさえ言わせてもらえないとなるともうヤバいってものじゃない。アウトだ)

理樹(何度も言うようだが来ヶ谷さんの言う豪華賞品とやらは要らない。だけど負けてくすぐりを受けるのだけはなんとか避けなくてはならない)

理樹「はっ、そうだ!小毬さん辺りに軽くくすぐってもらってすぐにギブアップすれば……!!」

小毬「あはははは!!だ、だめ~~!!ギブアップ~~!!」

来ヶ谷「はっはっはっ!もっと堪え性を付けないといけないなぁ小毬君!」

理樹「だ、ダメだ……」

理樹(戦わなければ生き残れない)

鈴「そこ!」

葉留佳「おわっ!」

理樹(鈴が葉留佳さんの足技をかけて尻餅をつかせた)

葉留佳「いてて……はっ!」

鈴「くらえ!足の裏こちょこちょだ!」

葉留佳「や、やめ……ぶっ!ははははははは!!いひひひひひひ!!おひょっひょっ……!!ぎ、ギブアップ~~!!」

理樹(見事に技が決まった。これで残るは西園さん、鈴、来ヶ谷さんと僕を含めた4人だ)

来ヶ谷「ふっ…さて次は誰を狙おうか」

美魚「来ヶ谷さん……今回ばかりは私も攻めさせていただきますよ」

来ヶ谷「ほう……」

鈴「なら理樹はあたしとだな」

理樹「ぐっ……り、鈴……」

理樹(くすぐり勝負…いくら男女としての腕力の差はあるとしても鈴にはスピードがある。それに僕は腹の調子もあって下手な動きが出来ない。これは少し厄介だぞ……)

鈴「どうした、来ないのか?じゃーこっちから行くぞ!」

鈴「とりゃー!」

理樹(鈴は手をワキワキさせながら果敢に突っ込んできた)

理樹「うわっ!」

鈴「それっ!」

理樹「くっ!」

理樹(やはり動きが素早く避けるのが精一杯だ……ここはなんとか別の物に気を逸らさなくては…!)

理樹「り、鈴!見て、外にすべてがモンペチで作られたモアイモンペチがそびえ立ってるよ!」

鈴「なに、モアイだと!?」

理樹(今だ!)

ガシッ

鈴「なっ!?ま、まさか騙したのか!」

理樹(僕はなんとか鈴の懐に入りこめた。鈴は持ち前の反射神経でなんとか防御の構えを取ったが、ここまで来たら後は申し訳ないが力の差でなんとかなる)

鈴「う、うう……やめろ理樹!」

理樹「ごめん鈴……!」

理樹(鈴の腕を強引にこじ開け僕の腕を鈴の手に強引に巻きつけた。そこから両脇を手でくすぐった)

鈴「うっ…はははは!!くそ~~!あはははっ!ふふふっ!」

理樹「うおおお!!」

理樹(くすぐられだすと更に鈴の力は強くなったが、まだ抑えられる方だった。僕は構わず攻撃を続けた)

鈴「うくっ……わ、分かった…ギブアップだ!」

理樹「よ、よし……」

理樹(鈴が負けを認めた…これで残るは……)

美魚「ふふふふっ!」

理樹「!?」

美魚「ふふふっ!ま、負けです!」

来ヶ谷「はははっ…いや、危ないところだったよ」

理樹(来ヶ谷さんが見事に西園さんのお腹にくすぐりを入れていっていた)

来ヶ谷「……さて残るは私と理樹君だけだな」

理樹「…………………」

理樹(正直言って先ほどの鈴との戦いでもうかなり余裕がない。これまではオブラートに包める余裕もありはしたがもう無理だ。…………はっきり言ってウンコしたい)

理樹「来ヶ谷さん。申し訳ないが戦いを楽しむ余裕はないよ」

来ヶ谷「ふっ……いい目をしたな少年。先程とは打って変わってオーラが見えるようだよ……覚悟を決めたな」

理樹(ウンコがしたい時というのは不思議なもので、通常よりとても判断力が冴え渡る。もちろん全てはウンコを早く、確実にするための思考ではあるが。とにかく打倒来ヶ谷さんあるのみだ)

葉留佳「理樹君vs姉御……こりゃ見ものですヨ!」

小毬「二人とも頑張ってー!」

鈴「あたしに勝ったんだ。負けたら承知しないぞ理樹」

理樹「うぉおおおおお!!!」

来ヶ谷「来い!」

理樹(まずは来ヶ谷さんと距離を詰めた。身長こそ少し(本当にちょっぴりだけ)負けているとはいえ、単純な腕力の勝負ではまだこちらに有利なはずだと睨んだからだ)

理樹「ジャッ!」

来ヶ谷「……」

ガシィッ

理樹(そんな僕の考えを来ヶ谷さんを知ってか知らずかまったく動かなかった。そして僕の腕が来ヶ谷さんの脇腹に伸びようとした時、来ヶ谷さんはなんとその場で体を捻らせて回転した)

理樹「なに!」

来ヶ谷「攻めが甘いぞ」

理樹(来ヶ谷さんはそういうと軸足じゃない方を大きくあげ、僕の両腕をその勢いで蹴り飛ばした。回し蹴りだ!)

理樹「ぐ、ぐぁっ!?」

理樹(来ヶ谷さんの回し蹴りはその細身のスタイルからは想像も出来ないエネルギーを秘めており、まるで巨大な鉄球を横からぶつけられたかのような衝撃を受けた)

来ヶ谷「たあっ!」

理樹「まずいっ」

理樹(来ヶ谷さんは体勢が崩れたのを見逃さず、素早く僕の懐に潜り込んだ。早速腹をくすぐられると思い、僕は慌てて防御の構えを取ったが、来ヶ谷さんからの攻撃はなんと肩だった)

来ヶ谷「そう来ることは読んでいたよ。はっ!」

理樹「うわっ!」

理樹(来ヶ谷さんは僕の真横に回り、肩と足を抑えて転ばせてきた。そして僕が起き上がろうとするより前に僕のお腹に跨って組み伏せてきた。マウントポジションだ)

来ヶ谷「この状態では理樹君の反撃も難しかろう」

葉留佳「い、いったー!!」

美魚「これでは流石に……」

クド「圧倒的なのです……!」

理樹(まだ片手だけは足に挟まれずに済んだとはいえ向こうは二本、こっちは一本と圧倒的に不利な状態に追い込まれていた)

来ヶ谷「ショータイムだ!」

理樹「あっ!」

理樹(来ヶ谷さんは意地悪そうな顔でそう言うと両手の指の先を一点に集中させた構えを取った)

鈴「まずい…あの構えは!」

小毬「えっ、し、知ってるの鈴ちゃん!?」

鈴「うん。あれは針指回転銃拳(ニードルフィンガーマシンガンけん)という技だ!指を先端に集中させ、それを相手の胸板にまるでマシンガンが如く突き続ける動きからそう名付けられた!あれを食らったものは5秒と持たないだろう……」

来ヶ谷「喰らえ!」

理樹(来ヶ谷さんの慈悲なき腕が振り下ろされる瞬間僕はこれからウンコをした後のことを無意識に想像した)


………………………………………………


………………………





理樹「うっ…………」

クド「わふ……?」

美魚「!」

鈴「見るな鈴ちゃん!」

小毬「ほ、ほえ!?」

理樹「…………うぅ……」

来ヶ谷「あっ……なっ……」

理樹(恐ろしげに僕のお尻の方を振り返る来ヶ谷さん)

来ヶ谷「り、理樹…くん……」

理樹「グスッ…………だから外に出たかったのに……」

葉留佳「出すもんは出しましたけどネ」

来ヶ谷「……す、すまない……まさか君がそんな……我慢していただなんて……」

理樹「…………離れてよ」

来ヶ谷「あっ、ああ!みんな!悪いが部屋から出て行ってくれないか!」

理樹(それから出て行く他のメンバー。そしてズボンから染み出さないうちにシートを引いてテキパキと着替えとビニール袋を用意する来ヶ谷さん。そして時間は経ち、シャワーを浴びてひと段落した後、来ヶ谷さんは僕の隣に座ってこう言うんだ)

来ヶ谷「その……なんだ。もし、嫁の貰い手が無ければ私が責任を取るよ」

理樹「う……うわぁぁぁあん!」

来ヶ谷「本当に悪かった……」



……………

………………………………

理樹(その長いストーリーが終わった時、意識を来ヶ谷さんの方に集中させた時、なんと不思議な事が起こった)

理樹「はっ…!」

来ヶ谷「……………」

理樹(辺りの情景が全てスローになっているのだ。そういえばなにか本で読んだ事がある。一流のスポーツマンにのみ起こるゾーンは一般人であっても生命的危機に立たされた時、認知しているかどうかはともかくとしてもごく稀に発生すると!)

理樹「見える……見えるぞ!」

理樹(僕は来ヶ谷さんの一刀を残った左腕の手のひらで受け皿のように受け止めた)

パシッ

葉留佳「と、止めた!」

美魚「いえ…まだ来ます」

理樹(来ヶ谷さんはすかさずもう一本の手を繰り出した……しかし、それもまたティッシュ紙がゆらゆらと落ちて行くようなスピードだったのでそのまま手のひらを移動させて容易に受け止める事が出来た)

来ヶ谷「なに!」

クド「わ、わふー!?」

来ヶ谷「ええい、ならば!」

理樹(そう言って来ヶ谷さんは両手を素早く動かしてあらゆる方向に攻撃を繰り出したが、ゾーンを迎えた僕にとってそれらは全て予測出来た)

理樹「右下上右左下上右下上左右下左!」

パシパシパシパシパシッ

来ヶ谷「くっ!」

理樹(そして流石の来ヶ谷さんも少し疲れたのか一瞬動きが乱れた。僕はその隙を突いて防御に回っていた腕を思い切って来ヶ谷さんの脇に手を伸ばした)

来ヶ谷「なに!」

鈴「良し、攻めに回った!」

理樹「うりゃあー!!」

理樹(僕は渾身のくすぐりを来ヶ谷さんに繰り出した。勢いは優しく、しかし巧妙に)

来ヶ谷「うっ!」

理樹(来ヶ谷さんは堪りかねて上半身を少し引いた。そしてそのおかげでかけられていた体重の重心が少し後ろに下がった)

来ヶ谷「しまった!」

理樹「ふんっ!」

理樹(そこで僕はずっと踏まれていた右腕を抜き出し、そのまま来ヶ谷さんのもう片っぽの脇に突っ込んだ)

美魚「形勢逆転ですね……!」

来ヶ谷「いいや!まだまだ!」

理樹(そこで来ヶ谷さんは一旦防御に回るかと思えば意外!なんと両腕を僕の脇腹へ伸ばしくすぐり始めたのである!)

理樹「うぐっ!さ、更に攻撃だって!?」

来ヶ谷「理樹君もこの方が燃えるだろう……!?」

クド「お、お互いにノーガードのラッシュ!」

葉留佳「こ、これはどちらかがギブアップしない限り延々と続く根比べですネ……!」

コチョコチョコチョコチョコチョ

来ヶ谷「あはははっ!ふふふふっ!」

理樹「うひひっ!おほほほーーっ!!」

理樹(お互いにかなりこそばゆい筈だが一歩も引くどころか更に身体を近づけていった。こうなれば限界までいくチキンレースだ! )

来ヶ谷「ど、どうだ……!参ったと言え!くくくっ………!!」

理樹「うははっ……く、来ヶ谷さんこそ……!!」

理樹(僕も、おそらく来ヶ谷さんも限界に近いはず。あと数秒もかからないうちに決着は着くだろう。その時だった)

理樹「ぐふっ!」

理樹(来ヶ谷さんの指が僕のツボを突いたのか、僕の体が脊椎反射のように仰け反ったのだ)

ビクンッ

理樹「うわっ」

来ヶ谷「なっ」

ピッ

理樹(仰け反った先にはもちろん来ヶ谷さんがいるわけで、しかもくすぐりの為に僕らの体は密着寸前まで行っていた訳で、更に言うと二人の身長は似ているからお互いの顔の位置はほとんど一緒な訳で、つまりどことは言わないけど僕らくっ付いちゃったんだよね。ほんの少し、コンマ数秒くらいの間)

来ヶ谷「うぁ……」

理樹(来ヶ谷さんはそこでたちまち両手を口に当てて僕の体から離れた)

クド「は、離れました!」

葉留佳「とうとう堪え切れなくなったかー!?」

理樹(他の人は気付いていないようだったけど、僕も同じように手で押さえたね。そりゃあれからまだ続ける気はしないよ)

小毬「あ、あれ……理樹君まで……?」

鈴「どうしたんだ?」

来ヶ谷「…………」

理樹「…………」

コクッ

理樹(そして僕らはお互い顔を赤面させながらアイコンタクトを送った。意味は言わずもがな『無かったことにしよう』だ)

来ヶ谷「あー………実を言うとだな。さっきお互いにボソッとギブアップと言ったんだ。そう、同時にな。つまり引き分けだな。うん」

葉留佳「な、なんですとー!?」

クド「そーだったんですか!あ、熱い戦いでしたね!」

小毬「ほぇ~互角だったんですねぇ」

鈴「ならしょーがないな。二人ともよく戦った」

美魚「………うふふ」

理樹(というかなんで僕は来ヶ谷さんとこんなに必死こいて争っていたんだろう。途中で頃合いを見てさっさとギブアップしたら良かったのに何故か勝負の熱にやられて最後まで戦ってしまった)

来ヶ谷「さ、さて……じゃあお茶会に戻ろうか……」

理樹「そ、そうだね……」

理樹(とはいえウンコが引っ込むことはなかった)

数十分後


理樹(ギュルルと鳴りそうなお腹をなんとか押さえつつなおも女子会は続いた。もう身体中に滝のような汗が流れている気がする)

クド「そういえばリキはどんな音楽を聴いたりするんですか?」

理樹「う、うーんそうだな……特に決まったジャンルはないかな……ラジオで聴いた曲の中で気に入ったものがあればその人のCDを探したりとか…」

理樹(意識が混濁してきた。正直言って僕の思考回路はぐちゃぐちゃだ。もはや自分がなにを言っているかすら分からない)

美魚「そういえばこの間貸した本はどこまで読みました?」

理樹「ああ…あれね……うん、美味しかったよ~……」

美魚「!?」

来ヶ谷「さて、そろそろ風呂にするか。最初は誰から入る?」

鈴「じゃー小毬ちゃん。一緒に入ろう」

小毬「うんっ」

葉留佳「おおっと着替えに移る前に理樹君には目隠ししてもらいますよぉ~!?」

理樹「あはは…そうだね」

理樹(はっきり言ってびっくりするほどどうでもよかった。もうそんな事より僕のすべての関心事はただただウンコがしたいだけだ。たとえこれからどれだけ僕の近くで布が擦れる音が聞こえてもピクリとも興味を持たない自信がある。というか持ちたくても持てない)

……………………………


来ヶ谷「いや、いい風呂だった」

クド「やっぱり湯船に浸かるとさっぱりしますね~~」

理樹(長い時間をかけてようやく全員の風呂が終わった)

葉留佳「ほんじゃ次は理樹君かな?」

理樹(来た!)

理樹「あ、あのさ……」

美魚「どうしました?」

理樹「来ヶ谷さんの風呂場との間ってカーテンで仕切ってるだけだからさっき僕に目隠ししたように下手したらみんなから見えるよね」

来ヶ谷「まあそうだな」

理樹「じゃあさ、お風呂上がりは無理にしてもせめてタオルで体を隠すまでの着替えは外のトイレとかでやらせてくれないかな?」

葉留佳「え?どうせお風呂入るならあんまり変わらなくないですカ?」

理樹「は、恥ずかしいんだよ!ね、お願い!」

葉留佳「どーしやす姉御?」

来ヶ谷「……ふむ、まあいいだろう。逃げ出せば明日凄い目に合わせるだけだ」

理樹「ありがとう……」

理樹(来た!これで僕の勝ちだ!)

ついにトイレへ行くことが出来た理樹!やっと用を足せて一応のピンチは回避した。これでようやく理樹は女子会を楽しむことが出来るのか……?

次回「下痢」

明日もまた見てくれよな!(∵)

素直にお腹が痛いと言えば良いのに

それを女の子に言えない男子高校生のプライドよ

げりぽー

(∵)
この顔文字ということは…
イッチーが帰って来たぞー!
一年ぶりくらいかな?お帰り!

ただいま~
今日更新とか言ってたけど悪い、明日だわ

トイレ

理樹(という訳でようやく用を足せた。ここまで持ってくれた括約筋には本当に感謝の念しかない。いや、本当に)

理樹「さて……行くか!」


来ヶ谷部屋

理樹「ただいま~」

来ヶ谷「ふっ……てっきり逃げるものかと思っていたが」

鈴「まずはその心意気だけは認めてやる」

クド「おかえりなさいなのですー!」

理樹「はっはっはっ!いや、待たせてごめんね!今入るよ!」

小毬「あれ?理樹君なんだかさっきと違って元気いいなぁ」

……………………………………


…………………


……

更衣室

理樹「いい湯だったな~」

理樹「……………」

理樹「………はぁ……」

理樹(単刀直入に言うと僕の服が無かった。確かにバスマットのすぐ横に置いてあったんだが、代わりに誰かの制服がそこにはあった。女性用の)



………………………………

ドタドタドタ!

理樹「謀ったな来ヶ谷さん!」

来ヶ谷「ん?どうした理樹君………おや、なかなか可愛らしい格好じゃないか。ふふ、似合っているぞ」

クド「わふー……改めて見てもやっぱり完成度が高いです……」

小毬「えへへ~可愛いね~」

鈴「うん。いいじゃないか」

葉留佳「おっほぅ!ナイスですね~~!」

理樹(みんなの所に行くと反応から見てやはり騙されたようだ)

理樹「やっぱり僕の制服隠したでしょ!?」

理樹(嫌な予感というのはなくはなかった。だけどまさかこんな風に体現するとは……)

美魚「ぱしゃり」

カシャッ

理樹「なっ!?」

理樹(そこへ西園さんが持っていたカメラを僕に向けてシャッターを切った)

理樹「そ、それ恭介達に見せたら絶好だからね!」

理樹(もう僕は涙目だった。トイレに行って正常な精神状態に戻ったからか今更色々と恥ずかしくなってきた)

理樹「僕もう帰りたい!」

来ヶ谷「ふっ、その格好でか?」

理樹「返してよ……」

来ヶ谷「まあそう急ぐこともないじゃないか。君も男ならもっと喜びたまえ。ここには女の子しかいないんだぞ?」

理樹「お陰で僕も女の子だよ!」

葉留佳「理樹子ちゃ~ん!はい、おかわりどうぞ~」

理樹子「……………ありがと」

理樹子(それから結局服を返してもらえることはなかった。来ヶ谷さんに耳打ちで皆が寝静まった頃に一緒に起きて返すとは言われたけど)

小毬「あっ、そうだ!すっかり忘れてたよ~」

理樹子(小毬さんが何やら自分のカバンをゴソゴソし始めた)

小毬「今日はウノ持ってきたんだよ~」

葉留佳「おおっ、ナイスこまりん!」

鈴「ウノか久々だな」

理樹子(という訳でウノをする事になった。しかし、この時僕のお腹に嫌な感覚がしたのだ)

ギュルル……

理樹子「な……に……?」

理樹子(気のせいではない。確かに沸々と腹の底からキリッとした痛みがやってきた。……そう、ウンコだ)

小毬「じゃあ配るね~」

理樹子(バカな早すぎる……まさか下痢か?いや、しかし今日は何も腹の調子を悪くするようなものは………ハッ!)


…………………………………

今日の昼頃

真人「おう理樹!実は新しいマッスルエクササイザー開発したんだけど作り過ぎちまってさぁ~もし良かったら理樹も飲んでくれねえか?」

理樹「ええ~そんなお隣さんの肉じゃがみたいなノリで渡されても……まあいいけど」

…………………………………


理樹子「あれか!」

美魚「どうかしましたか?」

理樹子「あ、いや……」

理樹子(しまった……あれだけ真人の胃袋と人の胃袋は違うと言われていたのに!ついつい同じレベルで考えて飲んでしまった。どうりでアレを飲んでから放課後ずっと汗が止まらなかったはずだ)

理樹子(だけどいくら後悔したところで腹痛が治る訳でもない。今は10時、おそらくみんなが寝るのにあと1時間はかかるだろう。さてどうしたものか……こんな姿になったせいで余計に漏らすと洒落にならない)

来ヶ谷「よし、せっかくだから負けた人は外にある自動販売機へ全員分のジュースをおつかいに行くというのはどうだろう」

理樹子(これだ)

理樹子「そうだ!それがいい!」

来ヶ谷「おや、ノリ気だな。言っておくがお金はちゃんと各々が用意するんだぞ」

理樹子「いや~もちろん分かってるよ!ただ最近賭け事には目がなくてね!」

理樹子(自分でも見てて引くくらいカラ元気を装った。そうだ、わざと負けてまた外へ出ればいいんだ!なに、ウノは自分でいくらでも引き伸ばせるからます負けることはない)

小毬「みんな7枚あるかな~よし、じゃあ始めましょう!」





理樹「……………」

クド「わ、わふ……青の8ですか……」

ピッ

クド「ああ、またありませんでした~」

理樹(中盤までウノは順調に進んでいた。怪しまれないよう適度にカードを出しつつも順調に手札のカードを増やしていった。しかし、クドだけはいつまでたってもカード運が悪いのかなかなか抜け出せないでいた。あとはクド一人だけだと言うのに)

理樹「ええと……じゃあこれだ」

理樹(さっきからクドは青色がないようなので同じ数字の8で色を緑に変えておくようにした)

クド「あっ、緑!それならあります!」

理樹(よし、この調子で……)

来ヶ谷「む?8が2つあったのなら何故まとめて出さなかったのだ?」

理樹「えっ…?あっ、ホントだ~!いやぁ、気づかなかったよ~」

来ヶ谷「ふむ……」

理樹(うっ、危ない所だった……気づかれないようわざと負けるというのも一苦労だな)

クド「わふ!この色ならこうなのです!」

ピッ

理樹子「おっ」

理樹子(クドはドロー+2を出した。この場合、僕の手札にもある同じカードを出せば逆にクドへ合わせて4ドローさせる事が出来る訳だが、もちろんそんな事はしない。おそらくクドの反応からして更に+2を隠し持っていて僕に誘発させようとしているなんて高等テクニックはしないだろうからここはセオリー通りに引くのがいい)

理樹子「もうここでそれは強いよ~」

クド「えへへ~」

葉留佳「あれれ~理樹君もドロー+2カードありますヨ?もしかしてドローカードはドローカードで返せるのお知りでない?」

理樹子(げっ、葉留佳さん!いつの間に後ろへ!?)

理樹子「あっ、ほ、本当だ……ずっと持ってたのに忘れてたよ~あはは………」

クド「わふー!?これで4枚引くことになるんですか!?」

理樹子(くっ、余計なマネを………これで負けがまた遠ざかってしまった)

来ヶ谷「………理樹君、もしかしてわざと負けようとしていないか?」

理樹子「!?」

理樹子(とうとうここで図星を食らってしまった)

理樹子「ど、ど、ど、どゆこと…?」

来ヶ谷「あまり君のプレイングから必死さが見えない…あれだけ賭け事が好きだといっておいてまるで緊張感がないんでな。もし私の勘違いなら申し訳ないんだがな」

クド「そ、そうなんですか!?だったとしたら嫌ですよリキ!確かに負けるのは嫌ですが、真剣勝負なので!」

理樹子「はは…そんなつもりはもちろんないさ…!」

理樹子(とはいえ、葉留佳さんが後ろにぴったり付いてしまったのでこれ以上、負けるための動きは出来なくなった……マズイぞ)




理樹子「……じゃあこれ……」

理樹子(現在の僕の手札はこれで3枚、対してクドは8枚。このままでは僕が勝ってしまう……くそ、それだけはなんとしてでも避けなくては!もう僕のお腹も悲鳴をあげつつある)

クド「あっ、7!これなら……とりゃー!」

理樹子「!」

鈴「おお!」

小毬「うわぁ~クーちゃん凄~い!」

理樹子(その時、クドがなんと6枚連続で出したのだ!よし、これでクドの残り手札は1枚!これで負けるぞ!)

理樹子「じゃあ僕はこれだ!」

理樹子(クドは最後に乗せた数字の色を赤にしていたのでそのまま赤の9でバトンを渡した。一応7の黄もあったが、色を変えるのは得策じゃあないだろう)

クド「わっふっふっ~」

理樹子「はっ、ま、まさか!」

理樹子(よし!あの笑みは絶対的に赤だ!これで僕の負けだ!!)

クド「これで上がりなの……!」

葉留佳「あ、クド公ウノ言ってない」

理樹子(ああああああああああああ!!!!)

クド「わふ~6枚になったのです……」

理樹子(くそ!葉留佳さんめ余計なことを!いや、"くそ"は僕だけど!)



……………………………



理樹子(それから何とかまたクド1枚、僕が2枚という状況になった。現在の起き札は青の6。対して僕の手札は青の1と2。このままでは僕が勝ってしまう。しかもさっきクドがウノを言い忘れてしまったので僕がまたいい忘れる振りをするというのはキツイものがあるだろう)

葉留佳「……理樹君、どっちに出す……?」

理樹子(葉留佳さんが耳元で囁いた)

理樹子「ううむ……」

理樹子(運命の分かれ道だった。クドの先程からの動きからして青は持っていないだろう。だとすれば僕が選べるのはよりクドが同じ数字を持っているかどうか
、だ。どっちも持っていない可能性もあるが、一縷の望みをかけるしかない)

理樹子(考えろ……考えろ理樹!)

小毬「あっ、もう山札無くなっちゃったね。じゃあシャッフルしてまた置いておくね~」

理樹子「はっ!そうか!」

クド「?」

理樹子「…………………………………………………………」

理樹子「………これだ。青の1、ウノ」

クド「あっ、やった!緑の1、上がりですー!」

葉留佳「ありゃりゃ!そっちか~!いや、惜しかったね理樹く……」

理樹子「クドは何味が欲しいんだっけ!?」

クド「えっ?」

理樹子「ジュースだよジュース!」

クド「あ、ああ…じゃあイチゴミルクお願いします」

理樹子「よし来た!じゃあ行ってくるね!」

バタンッ!

葉留佳「な、なんだぁ?」

トイレ

理樹子「ふぅ……」

理樹子(あれ程頭を回転させたのは初めてだ。先程小毬さんが言っていた『山札がもう無い』というのはつまりカード置き場がいっぱいだという事。つまり1ゲームでのカードがあの時点でクドと僕の手札以外に全て出されたという事!ならばそれまでみんなが出してきたカードを頭の中でリストアップし、排除していけばクドの持っているかカードが分かるということだ)



廊下

ガチャッ

理樹子「まさか肉体的にも精神的にも神がかった事をする事になるとは……こりゃウンコもバカに出来ないな」

理樹子(今度こそ全てを出し尽くしたはずだ。おそらくこれで下痢になる事も……)

「なにをバカに出来ないって?」

理樹子「ウンコだよウンコ。はは、ここまで来ると逆に清々しく言えるね………えっ?」

佳奈多「ふうん……そう。なんだか貴方という存在が分からなくなって来たわ」

理樹子「あ………ああ…………」

佳奈多「でも安心して?女装し、女子寮に侵入した挙句、女子トイレまで使っている輩はみんな平等に人としてのレベルは下の下だから」

理樹子(廊下を出るとパトロール中の二木さんに出くわした。考えうる限り最低の出会いで)

佳奈多「私の部屋に来なさい」

理樹子「……はい」

理樹子(やれやれ、トイレに行くためにあらゆる策を講じてきたが、女子トイレを使う限り本当に気をつけるべきはトイレから出た後だったんだ。そんな事にも気付かない僕も悪言っちゃ悪いが……なんだろう、そう全ては……)

理樹子「ウンが悪かった……ってね」

佳奈多「なにか?」

理樹子「あ、いえ……」






終わり(∵)

ウーン乙

乙(∵)
>>1の作品久々にリアタイだったけどやっぱり面白かった

おつげりぽ

例の世界から無事帰還した後、学校でいつもと変わらない生活を送っていた恭介達だったが、ひょんな事から理樹は頭をぶつけて意識を混濁し、なんと日ごとにあらゆる「各ルートのその後を過ごしている」と思い込むようになってしまった!
ある日は鈴の彼女ヅラをし、その次の日は葉留佳とさも当然のようにイチャつく理樹にリトルバスターズ達は……!


次回
恭介「どうすりゃいいんだ……」

彼女面とは……女子用制服のよく似合う理樹はやはり女の子だった……?

か、書き間違えた……

鈴のってところが深いな

いっその事自分が女の子だと勘違いして男女問わず彼女面する理樹verも書こう

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