剣と魔法の世界で、あなたは目を覚ました。 (30)

 目覚めると、あなたの目の前には見知らぬ天井が広がっていた。
 あなたは目を覚ます以前の記憶を全て忘れている。家族のこと、自分のこと、そして世界のことを全て喪失している。
 近くには誰もいない。ただ薄明かりの中で、あなたはあなた自身を知覚できる。生きている。
 生きているのであれば、あなたは行動することができる。

 さあ、何をしよう?

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自分の状態を確認する

>>2
 ではあなたは、自分の身体について良く観察する。

 見えている景色からして、身長は低い。150にも満たないだろう。
 あなたは麻の服に身を包んでいる。柄は無く、生地は襤褸い。服はあなたの身体にはやや大きすぎるように思える。
 胸元を見下ろす。丈の合わない麻の服から、ささやかに膨らんだ双丘が見えている。
 両腕を見る。雪のように白い肌の上に、青白い血管が浮き上がっている。腕は細く、肉付きが悪い。
 両足。無駄な肉な無い所か、太腿は細く、長時間の歩行に耐えうる用には見えない。
 自らを見下ろすあなたの頬に、何かがぱさりと被さる。
 あなたの髪の毛だ。澄んだ白銀色の髪が、重力に負けて落ちている。
 それはあなたの膝下まで長く、長く伸びている。

 あなたの右脚には、鉄の輪がかかっている。足枷だ。
 それはあなたの足首にぴったりと嵌っており、抜ける様子がない。足枷からは20cm程度鎖が伸びており、その先端は何かで断ち切られている。

 あなた自身について、今の所判明しているのはそのくらいだ。
 もし鏡やそれに準ずるものがあれば、よりあなた自身について知ることが出来るだろう。
 或いはより特定の部位を指定し、それについて詳しく見ることもできる。

周囲を見渡しその場から離れる

>>4
 ではあなたは、周囲をゆっくりと見渡した

 あなたは八畳程度の、小さな部屋の中にいる
 天井は低く、窓の類はまるでない
 あなたはそんな部屋の片隅に配置された、寝台の上で眠っている

 寝台から足を下ろすと、冷たい石の感触を素足に感じる
 見ればこの部屋は天井も、床も、そして壁すらもが石畳で出来ている
 まるで牢獄のようだ

 少し歩けば、床に溜まった埃が飛び散って鼻を刺激する
 部屋を見渡す
 寝台の横に、机が置かれている。机の上にはランタンがある。明かりは灯されていない
 また別の壁に、木製の本棚が備えられている。本棚の中には大小様々な本が、雑多に入れられている
 この本棚と机、そして寝台以外にこの部屋に家具はない

 寝台から最も離れた壁に、石で出来た扉が見える
 扉はぴったりと閉じており、取手などは見当たらない

本を取る

>>6
 ではあなたは本棚に近づいていく
 本棚には何冊かの本が収納されている。そのどれもが薄く、古びた本だ
 表紙を開けると、黄ばんだ頁が飛び込んでくる
 頁全体に描かれているのは絵だ。絵柄は子供向けに極めて簡略化されており、色は殆ど落ちて消えている
 文字らしきものは、表紙を含めても全く見受けられない
 
 ここにある本と、その中に描かれている絵は以下の通りだ
 
・三対六枚の翼を生やした女性が、三人の赤ん坊を生むまでの過程を描いた本
・霧を生む異形の王様が、銀髪の女の子を拾って育てる話を描いた本
・人間の少女と三つの異なる種族の王子様が出会い、仲良くなっていく過程を描いた本
・三つの異なる種族と、彼らを作った三人の女神様のお話を描いた本
・銀髪の勇者が霧を生む化物を倒し、英雄になるまでを描いた本

明かりを灯せるものはないだろうか
机を調べてみる

>>8
 ではあなたは机に近づいていく
 机上にはランタンが置かれている。それはやや重く、持ち運ぶとしたらそれなりの荷物になるだろう
 机の上にもランタンの上にも、埃の層が被っている
 そしてランタン以外に、机の上に変わったものは見受けられない

ランタンで絵本を照らし、絵本にある三つの異なる種属と自分の容姿を見比べる
どこか自分の種属を判断できる点はないだろうか

>>10
 ではあなたはランタンで絵本を照らそうとしてみる
 しかし、ランタンは今明かりを灯されていない
 ランタン自体は容易に火が灯せるようになっており、もし内部に油が入っていれば、捻りを弄るだけで火を灯すことができる
 ただしもし火をつけた場合、つけている間油を消費し続ける事は留意しておくべきだ

 絵本の絵は暗闇に紛れ、その詳細を見ることは叶わない
 しかしランタンに火を灯せば、あなたの容姿と絵本のそれを比べることは容易だろう

扉を調べてみる

>>12
 ではあなたは、机から離れて扉へと近づいていく
 あなたがそれに近づくと、石の扉の表面が突然発光を始める
 薄い緑色の輝きは、部屋全体を仄かに照らしながら、表面に光の文字を刻んでいく

 扉の表面に現れたのは、直線の多い幾何学的な文字の羅列だ
 この文字を読むには、高レベルの[解読]が必要となるだろう

 扉は文字を浮かべたまま静止している
 しかしもしあなたが扉に触れれば、また別の現象が起こるかもしれない

扉に触れる、触れてなにもないようならば開ける

>>14
 ではあなたは光り輝く扉の表面に、そっと手を重ねてみる
 あなたが触れると、扉は一層強い光を放つ
 一瞬の閃光に、目も開けていられない

 その次の瞬間、石が擦れる音を立てながら、扉はゆっくりと開いていく
 左右の外開き
 扉が開くたび、扉と壁の接触面から砂が零れ落ち、埃が舞う

 やがて、扉が完全に開き、奥の景色が現れる
 扉の奥は光で満ちており、あなたが居た部屋に光明を齎している
 あなたはこのまま扉の奥に進んでも、またはこの部屋でやり残したことをしても良い

絵本を光の中で見る

やり残したことある?ないと思うから先へ進む!

>>16
 ではあなたは光が差した道の中で、先ほどの絵本を開いてみる
 絵本は光に照らされて、より詳細にその姿を表している
 もしあなたが絵本の中の種族と自分の容姿を比べるのであれば、絵本の中の三つの異なる種族は、それぞれ次のような特徴を持っているのがわかる

・尖った長い耳を持つ種族がいる。彼らは背が高く、額に赤いクリスタルを持っている。種族の長らしき女性は、その右手に青く輝く剣を握っている
・蝙蝠のような耳と、黒く矢印のような尻尾を持った種族がいる。彼らは露出が激しく、皆女性に見える。種族の長らしき少女は、その右手に赤く輝く剣を握っている
・頭に歯車の輪を浮かべる種族がいる。彼らの身体は人形のように駆動部がある。種族の長らしき女性は、その右手に緑色に輝く剣を握っている

 あなた自身が持つ身体的な特徴に、この三つの種族は全て当て嵌まらないように見える

>>17
 ではあなたは扉をくぐり、奥へと進む
 あなたが扉を抜けると、再び乾いた音を立てて石の扉が閉じていく
 あなたが静止する間もなく、再び扉はぴったりと閉じてしまう

 扉の先にあったのは、長く続く通路だ
 部屋の壁も床も天井も、黄土色の石煉瓦で出来ている
 部屋全体を明るく照らしているのは、通路の側面で等間隔に並ぶ松明だ
 通路の先は長く、目を凝らしても見えない

道なりに通路を進む、松明の有無、曲がり道、分岐点などの変化が見られれば立ち止まる

>>20
 ではあなたは石煉瓦の道を、真っ直ぐに突き進んでいく
 通路は広く、壁には様々な装飾が為されている
 石煉瓦を踏み歩くたび、埃が舞い散っていく

 翌々見れば、通路の側面は水路になっている
 水はあなたの進行方向から、後方に向けて流れているようである
 静寂の中、あなたの歩く音と、水のせせらぎだけが通路に響く

 10分ほど歩いた後、通路の向こう側に、終着点が見えてくる
 それは扉だ。石で出来た大きな扉が、通路の終わりに存在している
 扉の周囲には蔦を模した装飾が為され、扉には何らかの絵が刻まれている
 その絵がどういったものかは、もっと絵に近づいてみないとわからない

近づく

>>22
 ではあなたは、通路を渡り、石の扉へと近づいていく
 道を進めば進むほど、肌に感じるのは空気の重みだ
 まるで扉の奥に異質な存在を感じているかのように、あなたの雪のような肌が泡立っていく

 やがて、長い通路は終着にたどり着く
 見えるのは扉だ
 あなたの身長の二倍はあろうほど大きな扉が、そこには存在している
 過剰に装飾された扉に描かれているのは、巨大な壁画であった

 中心に描かれているのは、重ねられた三つの剣
 それらの上に一対の翼を持つ女神が三体浮かんでおり、それぞれ右手に星を、月を、雲を握っている
 更にその上で三体の女神に慈愛の表情を浮かべているのは、三対六枚の翼を持つ、大きな女性だ
 三つの剣の下では、一人の少女が背を向けて祈祷している
 更にその少女の下に、付き従うように耳の長い女性、露出の多い少女、歯車を抱えた女性が座っている
 描かれているのはそんな絵だ

 あなたが絵に近づくと、扉は薄い緑色の輝きを放ち始める
 もしあなたがこの扉に触れれば、扉に何らかの変化が訪れるかもしれない

触る、開ける、進む

>>24
 ではあなたは腕を伸ばし、扉に触れようとする
 白磁のような肌が、石の扉に近づいていく
 扉が緑色の光を放ち、あなたが近づいてくるのを待ち望んでいる

 そして、あなたの手が扉に触れようというその時

「……!? うわ、しまった、うわわわわっ!?」

 不意に頭上から、声が聞こえてくる
 同時に、上から何かが落下し、あなたの頭にぶつかる
 やや軽めの衝撃が頭を揺らし、視界がブレる
 もう一度前を見れば、扉の前にふわふわと何かが浮いて、目を回している

「……いたた、なんで魔法が解けるんだ……?」

 それは人だった
 ふわふわと空中に浮かぶのは、全長30cm程度の小人だ
 短く切り揃えられた深緑色の髪と、髪と同じ色のドレス
 エメラルドグリーンの瞳には、理知的な輝きを宿している
 顔つきは幼く、男性的にも、女性的にも見える
 背中には蝶のような翅が生え、緑色に光る鱗粉を発しながら、微かに振動している
 あなたに気付く様子もなく、小人は痛そうに尻を擦っていた

誰だ、お前は!?と言い、自己紹介をする
自分のことはスパイダーマソと名乗る

>>26
 ではあなたは奇っ怪なポーズを決めながら、ノリノリで自己紹介をする
 心なしかあなたの背後で音楽がなる
 でっででーででっ
 もう気分は蜘蛛男。今なら何だってできそうだ

「な、なんだ……思ったより愉快な娘だね……」

 小人は呆気に取られたようにあなたを見ている
 背中の翅は振動し、緑色の鱗粉を中空に広げている
 仄かに光るそれは、中空で光の軌跡になる

「ボクかい? ボクは……」
「そうだね。皆からは"妖精さん"と呼ばれているよ」

 そう言って、妖精さんはいたずらっ子のようにくすくすと笑う

え?妖怪さん?と聞き返す

>>28
「妖怪さんじゃなくて妖精さん! 変な間違いしないでくれよ」
「まあ、別にボクの事のことは、なんと呼んでくれても構わないけどね……」

 小人はそう言って、楽しそうに笑う

「それにしても本当に愉快な人だね」
「キミは誰? どこから来たんだい?」
「普通、ここは入ってこれない場所の筈だけど」

思い...出した!記憶喪失である事を思い出した!
というわけでここはどこか教えてほしいと言う

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