もこっち「モテないしラーメンでも食べに行く」 (29)

―黒木家(深夜)―

♪ LOVE MEN HOLIC

まともじゃないって気付いてんでしょ?

Show You はあっさりって

塩対応の演技・妄想

乾燥した淡々と

インスタントってば冷めてしまう

お熱いうちに私を

面! 面! 面! 面!



もこっち「ゴクリっ」

もこっち(この時間帯の飯テロはやばいな……)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1521401668

―学校(昼食)―


真子「それでね」

ゆり「へー」

もこっち「……」もちゃもちゃ

もこっち(『〇ーメン大好き小泉さん』なんてタイトルだからどんな変態アニメだよと思って見てみたら)

もこっち(普通にラーメンだったじゃねぇか……つかラーメンとザー〇ンって響き似てるな)

もこっち(しっかし、あれ見たせいで無性にラーメン食べたくなったな)

もこっち(今日の夜は親が家にいないから夕ご飯は適当に済ませてくれって言われてるんだよな)

もこっち(よし、放課後にラーメン屋行くか!)

もこっち(でもな、ひとりでああいう店に行くのはちょっとな……)

もこっち(ラーメン屋とか臭そうだし、客も臭いおっさんばっかだろうし、そもそも〇ーメン臭いし)

もこっち(女性客とかたぶん少ないよな。ぼっちなら尚更悪目立ちしてしまう)

もこっち(これが2次元美少女だったらむしろ掃き溜めに鶴で華があるんだが)

もこっち(くそ、どうする?)

もこっち(やっぱりラーメンは諦めて家で適当に済ますか? いや、でもなあ折角だし)

もこっち(そうだ!)

もこっち(誰か連れが一緒にいればいいじゃないか。それなら変に目立たないし)

もこっち(だが問題は、誰と一緒に行くかなんだが……)

もこっち(学校のやつらは……うん、まあそれなりに仲良くはなってるけど)

もこっち(こっちから積極的に誘うとか何かアレだな……)

もこっち(誘うとして何て言えばいいんだ? 一緒に〇ーメンをごっくんしに行こうってか?)


ゆり「黒木さん、どうしたの? ぼーっとして」

真子「ごはん進んでないね。おなかすいてないの?」

もこっち「いや、ちょっとザ〇メンのこと考えてて」

ゆり「!?」

真子「!?」

―学校(放課後)―

もこっち(結局誰も誘えないまま放課後になってしまった)

ネモ「クロ」

もこっち「わっ、ネモ」

ネモ「どうしたの、何だか浮かないカオして?」

もこっち「いや、別に何でもないというか……」

清田「帰りどうする?」

岡田「サイゼ寄ってかない?」

加藤「あ、いいね。それ」

岡田「陽菜はー?」

ネモ「あ、うん。いくいくー」

もこっち「……」

ネモ「クロ、耳貸して」

もこっち「へ?」


ネモ「今度はふたりでカラオケ行こうね」もこっち「ッ!!」ビクン

ネモ「じゃ。バイバイ、クロー」

岡田「……」

清田「……」

加藤「またね、黒木さん」

もこっち「あ・・うん・・ほな・・・・」

もこっち(はあ……はあ……。いきなり耳元でささやくなよ……ドキドキしちゃうだろうが)

もこっち(でもまあ、なるほど。こういうふうに誘ったら効果があるのかもな)

もこっち(誰か、まだ教室に残っていて誘えそうなやつは)


吉田「あ? 何だ、何こっち見てんだよ」


もこっち(ヤンキーしかいねぇよ。さっさと母校に帰れよ。いや母校だからここにいんのか)

もこっち(こいつに耳打ちとかしようとした時点で殴られる。さっさと帰ろう……)スタスタ


吉田「おいシカトするなよ!」

吉田「ったく……」プイ

―肛門前―

もこっち(結局、誰も誘えずに帰宅の途についてしまった)

もこっち「あっ、そうだ。ゆうちゃん誘ってみるか」

もこっち(ゆうちゃん忙しいだろうから来れるかは分からないけど)

もこっち(どうせこっちはこれからずっとフリータイムだしな。ちょっとくらい待ってもいいし)

もこっち(最近邪魔なこみなんとかと3人で会うことが多いしな。たまにはゆうちゃん独り占めしたいし)

もこっち(ちょうどいい口実になるだろ。メールメールっと)


うっちー(え、何あいつ……校門の前でスマホ弄ってる! きもい!)

―他校―

友達「でさー」

ゆう「あ、ごめん。ちょっとメール来てるから」

友達「お、例のカレシから?」

ゆう「ううん、中学の頃からの友達から」

ゆう(もこっち、こんな時間に何だろう?)


『ゆうちゃん、放課後一緒にザーメン食べに行かない? 集合場所は――』


ゆう「ざー、めん?」

友達「え」

―校門前―

もこっち「しまった! ラーメンと打ったつもりが間違ってザー〇ンと打ってしまった!」

うっちー(何あいつ。ひとりで叫んでる。〇ーメンがどうとか言ってる! 超きもい!)


もこっち(いやでも、ゆうちゃんにはセクハラとかよくやってるし。これくらいヘーキヘーキ)

もこっち(まだ返信ないけど、とりあえず集合場所向かうか。近くに本屋あるし、暇つぶそ)


うっちー(あ、校門から出ていく! どこ行くんだろ。〇ーメンをどうする気なの? 気になる!)

雌猫「うっちー、放課後どうする?」

うっちー「ごめん私ちょっと用事あるから。またあした!」

雌猫「え、あーうん。またね」

―集合場所―

もこっち(もう2時間たつけど、ゆうちゃん、来ないな……)

もこっち(メールの返信もないし……やっぱ怒ってるのかな。あとで一応謝っとくか……)


うっちー(何あいつ、本屋で18禁コーナーうろうろした後、ずっとあそこに突っ立ってる)コソ

うっちー(誰かを待ってる?)

うっちー(18禁、ザー〇ン、誰かと待ち合わせ、JK……)

うっちー(もしかして……円光!?)

もこっち(どうすっかなー、やっぱ家帰るか……でも、わざわざここまで来たんだしなあ)

イケメン「お嬢さん、うちの店、寄って行きませんか?」

もこっち「!?」


うっちー(何か男来た!!)

うっちー(店がどうとか言ってる! 男に促されて、あいつ……ついて行ってる!)

うっちー(あそこ! あの店に入ってく!)

うっちー(止めなきゃ!)ダッ

―ラーメン屋―

店主「しゃっせー!」

うっちー「え、ここって……ラーメン屋!?」

イケメン店員「いらっしゃいませ。おひとりさまですか?」

うっちー「あ、えっと、はい」

もこっち「……」

もこっち(いきなりイケメンに声かけられて、言われるがままに店まで連行され……)

もこっち(手近なカウンター席に案内されてしまった……)

もこっち(でもここ、ラーメン屋だな)

もこっち(正直、ひとりで入るのはきついと思っていたが……ひとたび入ってしまえばそれほど緊張もしない)

もこっち(ゆうちゃんも来ないことだし、もうここでラーメン食べるか。さすがに腹減ったしな)

もこっち(まあ、ひとりなのはちょっとあれだが、そんなに客多くないし、他にもひとりのやつはいるし)


うっちー「……」ガタッ


もこっち「!?」

もこっち(絵文字!? 何でこいつこんなとこにいるの? しかも他にも空いてるのに隣の席に座ってくるの?)

もこっち(もしかして、ストーカー?)

うっちー「あ、えっと……奇遇だね」

もこっち「あ、あー……うん」

うっちー「……」

もこっち「……」

うっちー(何こいつ。何か話してよ。ラーメンでもザーメンでもいいから何か話題あるでしょ)

うっちー(ニヤニヤしながらキョロキョロしててキモイ!)

もこっち(何だこいつ。普通店で顔見知りに遭遇したら、店を出るか、見つからないように離れた席に座るかするだろ。空気読め!)

店主「お客さん、ご注文は?」


もこっち「あ……」チラ

うっちー「……先に入ってたんだし」

もこっち「あ、えっと……じゃあ……この回鍋肉ラーメンで」

うっちー(回鍋肉!? ラーメンの上に回鍋肉がのってるの? 何それ盛り過ぎ!)

うっちー「あ、……私も同じので」

店主「はいよ、ホイコーラーふたつね!」

もこっち(え、なにこいつ。上司が先に注文したら同じもの頼むタイプ? さすが自主性のないキョロ充だな)

うっちー(こいつ回鍋肉好きなんだ……何それきもい! 今度家で作ってみよう!)



後輩「え~、先輩ごはんも頼むんですかぁ? ラーメンとごはんじゃ炭水化物ばっかりですよ?」

先輩「ラーメンにごはんは必須アイテムなんだよ。明太子トッピングがあればなお良し。ごはんに汁物は付き物だろうが」

後輩「でもラーメンってそれだけで主食ですよね?」

先輩「ああ、確かにラーメンは主食だ。つまりこの場合、主食に対する主菜はむしろごはんの役割なんだよ」

後輩「はぁ?」

先輩「『ごはんはおかず』だって平沢さんも言ってただろうが。つまり……そういうことだ」

後輩「いや先輩イミフなんですけど。ていうか平沢さんって誰ですか?」

もこっち(やっぱりラーメンにこだわりのある人間っているんだな)

もこっち(つかカップルで放課後デートかよ。デートでラーメン屋とかないわー。せめてサイゼだろ)

もこっち(ま、デート経験ないけど……)

うっちー(何あれ、ラーメン屋なんかでデート? 男の方がラーメン屋のうんちく語っててちょいうざいかも)

うっちー(こいつもひとりでラーメン屋入るくらいだから、ラーメンに詳しいのかな。いろいろ聞きたい)

もこっち(そういや、絵文字と隣り合ったこの構図。別々に入ったとはいえ制服同じだし、店の人には友達同士に見えるのかも)

もこっち(ひょっとして、こいつもぼっちでラーメンは食べづらくて隣に……?)

うっちー(私とこいつって並んでてどう見えてるんだろ。もしかしてカップ……きもいきもいきもい!)

もこっち(そうか、そういうことか。こいつ、私の気持ちを察して……絵文字の癖にいいやつじゃないか)


店主「へい! ホイコーラー2丁お待ち!」

もこっち(おお……その名の通り回鍋肉がのってるな。普通にうまそうだ)

うっちー(成り行きでラーメン食べることになったけど……まあ、こいつと一緒のだし)

もこっち「いただきます」

うっちー「いただきます」

じゅるるる

もこっち「!!」

もこっち(うまっ! 回鍋肉の甘辛さと味噌のスープがいい感じに溶け込んで……)

うっちー(普通においしい……歯ごたえのあるキャベツとやわらかい豚肉にコシのある太麺が絡み合って)




もこっち「ずずずっずぞぞぞぞ〜、ぷはー☆」

うっちー「( ̄ー ̄)v ブイ!」



――――
――


―路上―

「ありがとやーした。またのご来店をー!」


もこっち(思わずメシの顔をさらけ出しちまった……だがまあ美味かったし)

もこっち(こいつ程度になら変顔見られても問題ないだろ。だってこいつ絵文字だし)

うっちー(美味しかった。こいつこういうのが好きなんだな。ラーメンとか健康に悪くてきもい! ……また行こう)


もこっち「あ、じゃあ……また学校で」

うっちー「あ、うん……またね」

うっちー(あいつの家、どっちのほうなんだっけ……)スタスタ


ゆり「あれって」

真子「うっちーだ。あ、向こうに黒木さんもいるよ」

もこっち(ふぅ~満腹満腹。さて、ちゃっちゃと帰るとするか)

ゆう「もこっちー」

もこっち「あ、ゆうちゃん!」

ゆう「ごめんね、もこっち。メール返そうと思ってたんだけどちょうどバッテリーが切れちゃって」

ゆう「用事があって学校に残ってたから、来るの遅くなっちゃった」

もこっち「あー、そうだったんだ……」


ゆり「黒木さん」

もこっち「! え……田村さん?」

ゆう「あ、この前の。もこっちの高校の」

真子「あ。えっと、こんにちは」

ゆり「黒木さん、こんなところで何してたの?」

もこっち(え、何? 放課後、出合い頭にいきなり『何してた?』って聞くか普通?)

ゆう「ああ、私たち……ここで待ち合わせしてたんだ」

ゆり「待ち合わせ? 何で?」





ゆう「えっと、一緒に『ざーめん』食べに行くんだよね。もこっち」にこっ




ゆり「!?」

真子「!?」

もこっち「」

―黒木家―

智貴「ただいまー」

智貴(って、今日は親いないんだったな)

智貴(ん、靴がねえ。あいつまだ帰ってねぇのか)

智貴(部活もやってねーのに、どこをほっつき歩いてるんだか)


智貴「……飯、どうすっかな」

智貴「何か適当に、焼きそばとか作るか」

智貴「……」

智貴「まあ、ついでってことで」

智貴「2人分……作っておくか」


                                        (おしまい)

ゆうちゃんは経験あるのに何でこんなに言葉知らずなんや

経験ねえか相手も純情童貞くんだったんだろ

ーーーキャラ設定的なものーーー

・清滝八幡二冠 (旧:比企谷八幡)  20歳(1話時点)

今作の主人公。相変わらず年下に甘いが、今作の八幡はシスコンでは無いし、女の子にも男の子にも(比較的)平等に接する優しいお兄さん。但し眼が腐っているのでちいさい子にはよく怖がられる模様。
尚、最近は眼鏡をかけることによって眼の腐りが誤魔化せることに気付いた。7歳の頃に清滝一門へ弟子入り。原作主人公(九頭竜八一)や妹弟子の空銀子との初邂逅は11歳の時。この時点で既に眼が腐りはじめていた。
この世界線では小町は双子の妹だが、両親からは小町のオマケ扱いされ、小町からは都合のいい道具扱いされていた。
小町が家出したのを連れ帰ったところ、両親に理不尽に叱られ、躾という名目で暴力を振るわれるようになる。
思わず家を飛び出し、公園で一人で将棋を指している所を偶然将棋のイベントの帰りに通りがかった清滝鋼介が拾った。
優しくされて、今までの事を話す。
それを聞いた清滝は激昂して両親に話を付けようとするが、八幡が清滝を苦心の末に説得、中学校を卒業するまでは家庭内の問題に不干渉でいることを約束させた。
その代わりとして自身の弟子になること、中学を卒業後養子縁組し、大阪へ来ることを約束した。
それ以来、長期休暇を使って清滝家に将棋を習いに行っていた。
その時は家事を手伝ったりしていたが、入門してから暫くは清滝一門主催のイベントの運営をやったりもした。実は苦労人ポジ(知ってた)。
周囲の環境と生来の気質の関係で周りより精神の成熟が早く、同年代の子供と馴染めなかったため、学校でもいじめられるようになる。
そして更に眼が腐る。中学は同じ小学校の子供が通わない総武中を選択。ここで俺ガイル原作イベント。
但し修学旅行の出来事以来、奉仕部とは決裂。それからはひっそりと息を潜め、最終的に数学と理科以外は学年1位を維持したまま卒業する。高校へは行かず、そのままプロ棋士入りする。

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