もう二月も終わりですがバレンタインSSです
二月中には終わらせます
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冬も終わりが近づく二月の中頃
二月のイベントと言えば節分ともう一つスーパーにでも行けば溢れかえらんばかりと並べられているチョコレート
それはきっと恋人に気持ちを伝える日であろう
それはきっと友人同士の仲を確かめる日であろう
思いを込めてチョコレートを贈る
つまり、バレンタインデイである
ヴィーネ「ふんふ~ん♪」
鼻歌交じりにチョコレートを加工しているのは、あくまでも悪魔である変わった悪魔
楽しそうにチョコレートを加工する姿は恋する乙女の様である
ヴィーネ「ふふふ~ん♪」
ヴィーネ「ん~いい感じ!」
良い感じも何もただ溶かしているだけである
ヴィーネ「えーとたしか……溶けたら27℃ぐらいにして……そのあとは30℃ぐらいに温度を……」
今彼女がしていることはテンパリングと言われる作業である
これをしないと美味しいチョコレートが作れない
詳しく話すと結晶構造がなんたらかんたらと頭が痛くなるので割愛する
ヴィーネ「よし!いい感じね!みんな美味しいって言ってくれるかしら」
今更ながら今はバレンタイン前日
そのため彼女はチョコレートを作っている
ヴィーネ「明日はチョコレート持参って言ったけど……ガヴは持ってこなさそうよね」
ヴィーネ「ガヴからチョコ貰いたいんだけどな~仕方ないか……」
ヴィーネ「私からあげるだけでも十分か……もうそれなりの時間だしパパっと作っちゃいましょう」
それは友情か恋心か
悪魔は天使のチョコレートを祈り、夜が明けていく
そうしてむかえるはバレンタインデイ当日である
―――――――――
学生にとってきついのは朝学校に向かうことである
もっと眠っていたいとお布団の魔翌力にやられる人も多い中
流石は真面目な悪魔、いつも通りの時間に学校へ向かっていた
街を歩く男子高校生はそわそわしているし、女子高校生は明るい笑顔だったり恥じらっていたり緊張していたりと様々である
ヴィーネ「クリスマスほどではないけどイベントって感じね!」
この悪魔何を隠そうイベント好きである
そして学校へたどり着く
まずは最初に靴箱を開けるのだが……今日はいつもと違うことが
ヴィーネ「あれ?何か入ってるわね」
それは封筒であった
普段だったら果たし状かもしれないと思うかもしれないが
今日は何といってもバレンタインデイである
ということはこの手紙はきっと
ヴィーネ「これってもしかしてラブレター!」
ラブレターであろう
―――――――――
ヴィーネ「これってラブレターよね……うぅ初めてもらったわ……開けていいのかしら緊張する」
所は変わって女子トイレ
人に見られず行動したいのならうってつけの場所である
隠れて手紙を読んだり、一人で弁当を食べたりと様々できる魔法の空間である
ヴィーネ「えーとなになに……貴方のことが大好きです。嬉しいけど恥ずかしいわね」
ヴィーネ「あれ?この一文だけなのね。送ってくれた子は誰なのかしら」
ヴィーネ「え?」
ラブレターとは思い人に愛を伝えるツールである
もちろんそこには名前があるはずなのだが
ヴィーネ「From your secret admirer……?」
あなたを密かに慕う者より
それはまるでラブレターというよりも……
ストーカーからの手紙の様であった
ひとまずここまで
二月中はバレンタインだよね
寝不足時のテンションは結構異常だと思う
全力で期待
しえんた
2月が短いことを忘れてました
今日中に終わらせます
―――――――――
まあ相手が分からなくても好意を示されるのは嬉しいもので
そこまで気にせず教室へ向かう
ヴィーネ「あれ?珍しいわね」
教室に入るとそれはそれは珍しい
乱れた金の髪の毛にピンクのパーカー
そう彼女は駄天使と名高いガヴリールである
ヴィーネ「おはよー」
ガヴリール「ん。おはよう」
ヴィーネ「珍しいわね私より早く学校にくるなんて」
ガヴリール「そんなときもあるよ」
ヴィーネ「そうかしら」
ガヴリール「……」
ヴィーネ「……」
盛り上がらない会話
空気を支配する沈黙
しかし仲が悪いわけではない
そうガヴリールが寝不足なだけである
ヴィーネ「また遅くまでゲームしてたの?」
ガヴリール「うん……そんな感じ」
ヴィーネ「はぁ、ホームルーム始まるまで少し寝たら?先生来たら起こしてあげる」
ガヴリール「お~助かる!おやすみ」
ヴィーネ「手紙のこと相談したかったんだけどな……」
ガヴリール「……」
好意がうれしいとはいえ差出人が隠されているのはやはり気になるもの
導きがいのある悪魔や銀髪の天使に相談するのも少し躊躇ってしまう
だから、駄天使に相談をしようと考えたのだけれど、寝不足なこの天使を起こすのも忍びないのであった
―――――――――
サターニャ「今日も授業が終わったわ!」
ガヴリール「疲れた帰る」
ラフィエル「まあまあガヴちゃん、この後はチョコレートの交換じゃないですか?ですよね?」
ヴィーネ「もちろんです!事前にチョコレートを持ってきてと言っていたのはこのため!今日はバレンタインデイ!チョコの交換をしましょう!」
サターニャ「いえーい!」
ラフィエル「ふふふ」
ガヴリール「はぁ……めんどくせぇ」
サターニャ「勝負よガヴリール、早くチョコ出しなさい!」
ガヴリール「うぜぇ……勝負ってなんだよ」
サターニャ「どっちがおいしいチョコを持ってきたかよ!」
ガヴリール「はぁ、はい」
ヴィーネ「あー」
ラフィエル「これは」
サターニャ「チ〇ルチョコじゃない!」
ガヴリール「これもチョコでしょ」
ラフィエル「たしかにこれも立派なチョコレートですね」
ヴィーネ(チ〇ルチョコとは言えガヴがチョコ持ってくるなんて……うれしいな)
ガヴリール「なんだよ」
ヴィーネ「えっ?何が?」
ガヴリール「じっと見てただろ」
ヴィーネ「そうかしら?なにもないわ」
サターニャ「ククククク、愚かねガヴリール!そんなチョコレートでこの私、胡桃沢=サタニキア=マクドウェルに勝てるとでも!」
ラフィエル「サターニャさんどの様なチョコを用意されたのですか?」
サターニャ「見なさい!厳選に厳選を重ねた魔界さんの材料を使ったこのサタニキアスペシャルチョコを!」
ガヴリール「……」
ラフィエル「……」
ヴィーネ「……」
サターニャ「あまりの素晴らしさに声も出ないようね!」
ガヴリール「……」
ラフィエル「……」
サターニャ「ちょ、ちょっと!無視しないでよ!」
ヴィーネ「ねえ?サターニャ?」
サターニャ「なによ!」
ヴィーネ「このチョコ紫色なんだけど……」
サターニャ「良い色合いでしょ!」
ヴィーネ「ぶよぶよしてるし……」
サターニャ「新しい食感を求めてみたのよ」
ヴィーネ「えーとサターニャは味見した?」
サターニャ「当たり前じゃない!美味しかったから持ってきたのよ!」
ヴィーネ(サターニャの……)
ガヴリール(美味しいは……)
ラフィエル(信用なりませんねー)
ヴィーネ「……えーと私も手作りでこんなの持ってきたんだ」
ラフィエル「さすがヴィーネさんですね!おいしそうです」
ガヴリール「ん、さすがヴィーネだな」
サターニャ「さすがヴィネットね!私の次にすごいわ!」
ヴィーネ「は、はは……ありがと」
ラフィエル「これは私からです」
ヴィーネ「す、すごいわね!売り物みたい!」
ラフィエル「ふふふ」
サターニャ「く、悔しいけどこれはすごいわね」
ラフィエル「ふふふ」
ガヴリール「いやこれ売り物の包装変えただけでしょ……」
ヴィーネ・サターニャ「「え?」」
ラフィエル「ふふ、さすがガヴちゃんですねーバレちゃいました」
―――――――――
ヴィーネ「あー楽しかったわね!」
ラフィエル「そうですね」
ヴィーネ「サターニャのチョコがあの見た目で美味しかったのに驚きが隠せないわ」
ラフィエル「食べるのに勇気が必要でした」
ラフィエル「それにしても珍しいですね」
ヴィーネ「何が?」
ラフィエル「ヴィーネさんはガヴちゃんのお買い物に付き合わないんですか?」
ヴィーネ「そんな毎日一緒ってわけじゃないのよ」
ヴィーネ(そういえば、手紙のことガヴに相談するの忘れてたなぁ……まあいいか)
ラフィエル「そういえば魔界のバレンタインってどのような催しだったのですか?」
ヴィーネ「魔界の?魔界は恋人同士が贈り物をする日だったわ」
ラフィエル「恋人同士ですか、ロマンチックですね」
ヴィーネ「そうなんだけどね……恋人がいないとイベントに参加できないじゃない?だから人間界のバレンタインの方が楽しかったわ」
ラフィエル「ヴィーネさんらしいですね」
ヴィーネ「そうかしら……天界のバレンタインはどんなだったの?」
ラフィエル「天界では好意を伝える手紙を送る日でした」
ヴィーネ「手紙?」
ラフィエル「ええ。ラブレターってやつですね」
ヴィーネ「天界のもロマンチックじゃない」
ラフィエル「ふふ、天界の変わったところは手紙が匿名なんです」
ヴィーネ「と、匿名……?」
ラフィエル「はい」
ヴィーネ「匿名ってことは名前を書かないの?」
ラフィエル「そうですねー何も書かない人もいれば、From your Valentineって書いたりしますね。あと多いのがFrom your secret admirerですね」
ヴィーネ「そ、そうなんだ」
ラフィエル「気持ちを抑えられない燃えるような恋って感じがしていいですよねー」
ヴィーネ「うん……」
ラフィエル「どうかしました?」
ヴィーネ「え?別に何もないよ!あ、私こっちだからじゃあね!」
ラフィエル「はい、また明日」
ラフィエル「あ、ヴィーネさん!」
ヴィーネ「うぇ?何?」
ラフィエル「来年は魔界式のバレンタインができたらいいですね!」
―――――――――
ヴィーネ「最後のあれどういう意味なんだろう……?」
銀髪の天使と別れたあとあくまでも悪魔な悪魔は頭を抱えていた
いやいや、そこは察しましょうよ
おっと失礼
ヴィーネ「それにしてもこの手紙……」
今朝靴箱に入っていた手紙
名前のないラブレター
それは天界でのバレンタインを意味している
ヴィーネ「ラフィじゃないわよね……」
悪魔の頭に浮かぶのは三人の天使である
駄天使、銀髪、後輩
先ほどの会話から銀髪でないことは分かるだろう
ヴィーネ「タプちゃんにそんなに好かれるほどだとは思わないし……」
後輩天使もヴィーネのことを好きであろうが
それはきっと恋心ではない
ヴィーネ「ってことは……」
真っ赤に染まる顔
それは夕日の色かはたまた違う原因か
ヴィーネ「ガヴがこの手紙くれたんだったらうれしいな」
可愛らしくはにかむ悪魔
ヴィーネ「でも違ったら……」
恋する乙女はめんどくさい
それはきっと天界でも魔界でも人間界でも違いないことである
ヴィーネ「……違ったとしても、やっぱり私はガヴに気持ちを伝えたい」
ヴィーネ「ガヴのところへ行こう……」
悪魔は天使の家を目指す
好きだと自覚があっても、相手は天使で女の子
今回のバレンタインも特別なものを用意したわけではない
好きだと言って困らせないか、これからの関係に影響が出ないか
駄目な方向で考える
しかし、今朝の手紙がガヴリールからだとするのなら……
ヴィーネの消えかけの炎が燃え上がる
きっかけがあったのだ、臆病とはお別れしよう
彼女の炎は情熱であり……恋なのだから
ひとまずここまで
夜に終わらせたいと思います
終わらせられたらいいな
たくさん買いていいのよ期待
いいねいいね
―――――――――
ガヴリール「はあ……サターニャまじめんどくせぇ」
ガヴリール「早くゲームしたい……」
ガヴリール(あの手紙、ヴィーネは読んでくれたかな……ああいうのはやっぱ恥ずかしいな……ヴィーネもまさか私だとは思わないだろうけど)
ガヴリール「……やっと家についたよ。……ん?なんだ」
ガヴリール「これは……手紙?」
ガヴリール「えーっと……『あなたの事をお慕い申しております。 From your secret admirer』」
ガヴリール「……ラフィのいたずらかな」
「違うよ……いたずらじゃない!それにラフィでもない」
ガヴリール「えっ?」
ヴィーネ「それは私から……なの」
ガヴリール「ヴィ、ヴィーネ……」
ヴィーネ「今朝ね私の靴箱に手紙が入ってたんだけどガヴからだよね?」
ガヴリール「……」
ヴィーネ「今日は私より先に来てたでしょ?それに天界の慣習を知ってるのって天使だけでしょ?」
ガヴリール「……うん。それ書いたの私だよ」
ヴィーネ「……どういう気持ちで書いたの?」
ガヴリール「どういう意味?」
ヴィーネ「友情なの?恋愛なの?」
ガヴリール「……」
ヴィーネ「その手紙は……私は恋愛の意味で書いたよ」
ヴィーネ「私はガヴが好き!だから聞かせてほしいの……ガヴからの気持ちはどうなの?」
ガヴリール「はぁ……まったくヴィーネも趣味が悪いよ」
ヴィーネ「えっ……」
ガヴリール「わざわざ匿名で出してるんだから差出人探すのは駄目だろ」
ヴィーネ「えっと……その……」
ガヴリール「それに匿名で出しておいて自分からカミングアウトするし……ロマンがないよ、ほんと」
ヴィーネ「うぅ……」
ガヴリール「でも……ありがとう……折角ヴィーネが踏み出してくれたんだから!」
ガヴリール「私も……恋愛の意味でヴィーネが好きだよ」
ヴィーネ「ガヴ!」
ガヴリール「おわ!もういきなり抱き着くなよ」
ヴィーネ「だって……だって……うれしくて」
ガヴリール「うん、私もうれしいよ」
―――――――――
ガヴリール「そういやなんであの手紙が天界の慣習だって知ってたんだ?」
ヴィーネ「ラフィが教えてくれたのよ」
ガヴリール「やっぱりラフィか……」
ヴィーネ「知られたくなかったの?」
ガヴリール「いや……そういうわけじゃないんだけど、口止めしたのにな……」
ヴィーネ「?」
ガヴリール「まあでも結果はよかったから……でも納得いかない!」
ヴィーネ「どうしたの?」
ガヴリール「ちょっとサターニャに電話してくる!」
ヴィーネ「そ、そう……」
ヴィーネ「……そういえば、別れ際のラフィの言葉ってどういう意味だったんだろう?」
ヴィーネ「来年は魔界式のバレンタインね……!」
ヴィーネ「あー!そういうことね!」
ヴィーネ「ふふ、ありがとラフィ。来年は魔界式のバレンタインができそうです」
おわり
以上です
相変わらずまとめるのが苦手です……
あとで少しだけおまけ書きます
バレンタイン前日の……いやもうバレンタインに日付が変わってから3時間ほどが経った
ある一室に昔の面影がほぼほぼなくなった駄天使が頭を抱えていた
ガヴリール「あーバレンタインか……」
普段の今頃はきっとゲームをしているであろう駄天使は頭を抱えチョコの祭典バレンタインデイのことを考えている
ガヴリール「ヴィーネに何か送りたいけど……チョコは作れる気しないし、何より私からって分かられるのは恥ずかしいよな……」
普段のやさぐれ具合からは想像できないほど可愛らしいことで悩んでいる
ガヴリール「やっぱ、天界方式でいいかな……あれだったら匿名だし」
バレンタインで悩むガヴちゃんは可愛いですねー
おっと失礼
ガヴリール「ん?」
いきなり首を左右に振り周りを気にしだしたガヴリールは誰かに連絡を入れ始め……
あっ私ですか
ラフィエル「はい。どうしました」
ガヴリール「どうしたもなにも、千里眼で人のプライベート見るのはどうなの」
ラフィエル「いいじゃないですかー」
ガヴリール「よくない!」
ラフィエル「ガヴちゃん可愛かったです」
ガヴリール「っ……!誰にも言うなよ」
ラフィエル「言いませんよ」
ガヴリール「はぁ……もう覗くなよ」
ラフィエル「ふふ、分かりました」
ガヴリール「じゃあおやすみ」
ラフィエル「はい、おやすみなさい。ヴィーネさん喜んでくれるといいですね」
ガヴリール「……うん」
ふふ、ガヴちゃんは可愛いです
何を隠そうこの駄天使は可愛いのである
おわり
以上です
バレンタインネタを書きたかったんですよね、もう三月だけど……
もう少し時間をかけたかったけど、イベントネタとしては遅くなりすぎたのと同時進行してるやつの都合もあって
あまり時間を使えなかった……
訂正
>>39
―――――――――
ガヴリール「そういやなんであの手紙が天界の慣習だって知ってたんだ?」
ヴィーネ「ラフィが教えてくれたのよ」
ガヴリール「やっぱりラフィか……」
ヴィーネ「知られたくなかったの?」
ガヴリール「いや……そういうわけじゃないんだけど、口止めしたのにな……」
ヴィーネ「?」
ガヴリール「まあでも結果はよかったから……でも納得いかない!」
ヴィーネ「どうしたの?」
ガヴリール「ちょっとサターニャに電話してくる!」
ヴィーネ「なんでサターニャ?」
ガヴリール「ちょっとした仕返し」
ヴィーネ「そ、そう……」
あぁ^~
乙乙
癒されるわ
乙
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